説明

卓球用複層ラバーの製造方法及び卓球ラケット用の複層ラバー並びに卓球ラケット複層ラバー用接着剤

【課題】多くのメーカーによる多くの品種のラバーシートとスポンジシートとの接着に適用可能であり、しかも打球感に優れた卓球用のラケットにおけるラケットラバー用接着剤並びにラバー/スポンジ積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】卓球ラケットのラバーシート12とスポンジシート14とを接着する接着剤16は、炭化水素系ポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を有する接着剤16とする。複層ラバーの製造方法においては接着剤16を使用する。複層ラバーはラバーシート12とスポンジシート14が接着剤16にて積層されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓球用の木製基材であるブレードに接着してラケットとする複層ラバー用接着剤並びに複層ラバーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
卓球用のラケットは主として木材から構成されるブレードと称される基本部材の表面にラバー(本発明にいう複層ラバー)と称される部材が接着積層されたものである。複層ラバーは片面に直径が約1mmほどの多数の円柱状の突起を有する天然ゴムをベース材料とするラバーシートと同じく天然ゴムをベース材料とするスポンジシートとが接着積層された構成を有する。卓球のラケットにおける複層ラバー製造用の接着剤には、ラバーシートがスポンジシートから剥離しない強い接着力と競技者の満足する打球感を形成することが求められ、複層ラバーを製造する際の接着剤も打球感に大きな影響を与えることが知られていた。かかる接着力と打球感を得るものとして、従来は天然ゴムを有機溶剤、とりわけトルエンに溶解した有機溶剤系のゴム系接着剤が使用されていた。
【0003】
このようなゴム系接着剤は、トルエン等の有機溶剤を含有するものであるためにラバーシートに塗布すると溶剤がラバーシートに浸透してこれを膨潤させるため、塗布直後のラバーシートは大きくカールする。従って、複層ラバー製造のためにはカールがおさまるまで数週間放置する必要があり、極めて複層ラバーの製造効率が悪いものであった。さらに有機溶剤は揮発性である一方で、積層された複層ラバーに吸収され、残留して製造後長期にわたって徐々に放出されるという性質を有する。揮発性有機溶剤(VOC)は人体に有害であるために、国際卓球連盟(ITTF)により揮発性有機溶剤を含む接着剤の使用が禁止され、ラケットから発生するガス成分(アウトガス)量も規制されている。
【0004】
このようなVOC規制を回避する複層ラバー製造用の接着剤として水系の接着剤を使用する技術が公知である(特許文献1)。特許文献1に開示された複層ラバー製造用の接着剤は、ポリウレタン樹脂の水分散液で、好ましくはSBRラテックスを配合したものである。
【0005】
【特許文献1】特開2011−5111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1開示のような水性接着剤は、接着時に接着剤を塗布して乾燥した後に接着剤面を貼り合わせて接着するものであるが、ラテックス特有の性質により乾燥しすぎると接着力が低下し、乾燥が不十分で水分が多く残った状態で貼り合わせると、ラテックスはせん断により容易に変形するものであるために、ラバーシートとスポンジシートが小さな力で位置ずれするという問題、並びにラバーシート、スポンジシートのいずれもが透湿性がないために、特にラバーシートの平坦面をスポンジシートと貼り合わせた場合に乾燥して所定の接着力を得るのに長い時間を要するという問題がある。特許文献1では乾燥を迅速に行うために減圧乾燥器を使用しているが、かかる減圧乾燥器は耐圧性が必要であるために複層ラバーの製造方法の変更には高額の設備投資を必要とする。
【0007】
さらに特許文献1開示の水性接着剤はポリエステルポリオールないしポリエーテルポリオールを使用するものである一方で、接着対象であるラバーシート、スポンジシートにはいずれも多くのメーカーによる多くの品種があり、とりわけプライマーなしの場合、必ずしもすべての品種の材料の接着に適用できず、接着力が十分でない場合があるという問題を有する。
【0008】
本発明はかかる上記の公知技術の問題点に鑑みて、多くのメーカーによる多くの品種のラバーシートとスポンジシートとをプライマー処理することなく接着可能であり、しかも打球感に優れた卓球用のラケット用複層ラバーを形成できる複層ラバー用接着剤及び複層ラバー(ラバー/スポンジ積層体)の製造方法並びに複層ラバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の卓球ラケットのラバーシートとスポンジシートとを接着する接着剤は、炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含むことを特徴とする。
【0010】
係る構成の接着剤によれば、ポリオール成分がラバーシート、スポンジシートに親和性が高く、かつ親水性成分を有しないために、多くのメーカーによる多くの品種のラバーシートとスポンジシートとをプライマー処理なしで接着可能であり、しかも打球感に優れた卓球用ラケットを構成する複層ラバーを製造することができる。
【0011】
別の本発明は複層ラバー、すなわち卓球ラケットのラバーシートとスポンジシートとを積層した複層ラバー(ラバーシート/スポンジシート積層体)の製造方法であって、
少なくとも前記ラバーシート及びスポンジシートの接着面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程、接着剤を塗布したラバーシート及びスポンジシートを接着積層する接着工程、及び前記接着剤を硬化させて複層ラバーとする硬化工程を有し、
前記接着剤は炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む卓球ラケット複層ラバー用接着剤であることを特徴とする。
【0012】
係る構成の製造方法によれば、接着剤の構成成分であるポリオール成分がラバーシート、スポンジシートに親和性が高く、かつ親水性成分を有しないために、多くのメーカーによる多くの品種のラバーシートとスポンジシートとをプライマー処理なしで接着可能であり、しかも打球感に優れた卓球ラケットを構成する複層ラバーを製造することができる。また本発明の製造方法によれば、減圧乾燥器は不要であり、製造方法の変更に際して高額の設備投資は不要である。
【0013】
別の本発明は、ブレードに接着して卓球ラケットとする複層ラバーであって、ラバーシートとスポンジシートとを炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む接着剤を硬化させて接着したことを特徴とする。
【0014】
上記構成の複層ラバーは、接着剤を構成するポリオール成分がラバーシート、スポンジシートに親和性が高く、かつ親水性成分を有しないために、多くのメーカーによる多くの品種のラバーシートとスポンジシートとの組合せのものがプレイヤーの好みに応じて作成可能であり、しかも打球感に優れた卓球用ラケットを構成可能なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の卓球ラケットのラバーシートとスポンジシートとを接着する接着剤は、炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を有する化合物、いわゆるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とするものである。炭化水素系ポリオール化合物としては、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が例示され、単独又は2種以上を混合して使用することができる。これらの炭化水素系ポリオール化合物は官能基数、すなわち1分子あたりの水酸基の平均数は2〜4であり、分子量は500〜4000である。ポリオール化合物中の炭化水素系ポリオール化合物の割合は60重量%以上であることがより好ましい。
【0016】
イソシアネート基末端プレポリマーは炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有し、必要に応じて他のポリオール化合物を含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とをイソシアネート基過剰にて反応させて得られ、反応におけるNCO/OH当量比は2以上、好ましくは2.5以上である。イソシアネート基末端プレポリマーは未反応のイソシアネート化合物を含むものであってもよい。NCO/OH当量比は10下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。接着剤中のイソシアネート基末端プレポリマーの含有率は、添加する樹脂を除いて、60重量%以上であり、70重量%以上であることが好ましい。
【0017】
本発明のプレポリマーを主成分とする接着剤において、炭化水素系ポリオール化合物と併用することができるポリオール化合物としては、ポリウレタンの技術分野で公知のポリオール化合物を使用できる。これらの中でも炭化水素系ポリオール化合物との相溶性がよいことから、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等のポリエーテルポリオールの使用が好ましい。
【0018】
本発明の接着剤構成成分である芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、すなわち2,4−トルエンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDIやカルボジイミド変性MDIなどの液状MDI、TDIとMDI混合物等が例示される。これらの中でも打球感が優れた複層ラバーが得られることからTDIの使用が好ましい。
【0019】
本発明の接着剤は、さらに硬度(ショアA)が50以下の熱可塑性樹脂を50重量%以下含有することが好ましい態様である。かかる構成によれば、より打球感に優れた複層ラバー用接着剤が得られる。硬度(ショアA)が50以下の熱可塑性樹脂としては、EVA樹脂が好ましい。硬度(ショアA)が50以下の熱可塑性樹脂の添加量が50重量%を超えると接着剤の粘度が高くなりすぎて加工性が低下する。熱可塑性樹脂の添加量は40重量部以下であることがより好ましい。また熱可塑性樹脂の硬度は10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
【0020】
本発明のラバーシート/スポンジシート積層体の製造方法は、少なくともラバーシート及びスポンジシートの接着面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程、接着剤を塗布したラバーシート及びスポンジシートを接着積層する接着工程、及び前記接着剤を硬化させてラバー/スポンジ積層体とする硬化工程を有し、接着剤として炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む卓球ラケット複層ラバー用接着剤を使用する。
【0021】
接着剤塗布工程はラバーシート面、スポンジシート面の双方に接着剤を塗布する。ラバーシートは突起面と平坦面があり、選手の好みにより突起面をスポンジシートに接着して打球面を平坦面とする場合、平坦面をスポンジシートに接着して打球面を突起面とする場合がある。接着剤の塗布方法は特に限定されず、刷毛塗り、コーター塗布などが可能であるが、コーティングが迅速、均一に行えることから、ロールコーター、リバースロールコーターなどのコーターを使用することが好ましい。
【0022】
接着工程は、ラバーシートとスポンジシートの接着剤塗布面同士を貼り合わせる。貼り合わせ方法は特に限定されないが、全体を均一な圧力で圧着することが好ましく、プレスやロールを使用した圧着が好ましい。とりわけ、連続加工ができることからロールによる圧着が好ましい。
【0023】
硬化工程は、接着剤を反応硬化させる工程である。接着剤はNCO基を有し、空気中の水分により反応硬化する。硬化工程の条件は特に限定されないが、低温の場合には反応が遅くなって積層体の製造に時間がかかる。硬化の温度は10℃以上であることが好ましい。湿度は適度に高いことが好ましく、湿度40%以上、より好ましくは50%以上であり、加湿してもよい。湿度を高めるために硬化工程を温度、湿度を調整したチャンバーで行うことが好ましい。
【0024】
上記の製造方法においては、接着剤塗布工程の前に、少なくともラバーシート、好ましくはラバーシートとスポンジシートの双方について脱脂を行う脱脂工程を設けることは、好ましい態様である。ラバーシートは成形時の離型剤が付着している場合があり、スポンジシートは製造工程で空中の油分や製造作業者の油分が付着している場合がある。脱脂工程はこれらの離型剤や油分除去により、より優れた接着力を得ることができる。脱脂はゴムに浸透しにくくかつ揮発性の高い有機溶剤を使用することが好ましく、アセトン、MEK,酢酸エチルなどを使用することが好ましい。
【0025】
前記脱脂工程の次に、さらにラバーシート及びスポンジシートの接着面にプライマー処理するプライマー処理工程を設けることが好ましい態様である。かかるプライマー処理工程を設けることにより、より強固な接着を確実に行うことができる。
【0026】
上記のプライマー処理工程においては、ラバーシート面、スポンジシート面の双方にプライマーを塗布、乾燥する。プライマーとしては公知ないし市販の加硫ゴム接着用のプライマーを使用することができる。公知のプライマーとしては、芳香族多価カルボン酸系モノマーを含む多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分とを縮重合して得られるポリエステルをベースとするプライマー(特開平10−273581号公報)、トリクロロイソシアヌル酸やN,N−ジクロロベンゼンスルホンアミドなどのハロゲン供与体の溶液(特表2003−521547号公報)が例示される。
【0027】
図1には本発明の複層ラバーの断面の一部を拡大して示した。図1(a)の複層ラバー10はラバーシート12の平坦面をスポンジシート14に接着剤16の層を介して接着して打球面を突起面としたものであり、図1(b)の複層ラバーはラバーシート12の突起面をスポンジシート14に接着剤16の層を介して接着して打球面を平坦面としたものである。ラバーシート、スポンジシートは、いずれも市販されている。
【実施例】
【0028】
(実施例1)
<接着剤の製造>
水酸基末端の液状ポリブタジエンポリオールR−45HT(出光石油化学:分子量2800、水酸基価47mgKOH/g)に対してNCO/OH当量比が4となるTDIを加熱反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを含む接着剤(プレポリマー含有率約85重量%)を得た。
【0029】
<複層ラバーの製造>
市販のラバーシートとスポンジシートの接着する表面をアセトンで脱脂した後に上記の接着剤を目付量が15g/mとなるようにロールコーターで塗布した。ラバーシートとスポンジシートの接着剤塗布面を合わせてロールを通過させて圧着し、次いで温度30℃、相対湿度65%のチャンバー内にて2日間硬化させた後、5日間放置した。
【0030】
<評価>
得られた複層ラバーについて、ラバーシート/スポンジシート間の接着性並びに複層ラバーを市販の接着剤を使用してブレードと接着して卓球ラケットとし、打球感の評価を行った。得られた複層ラバーは接着力が十分で、剥離すると材料破壊を起こした。またこの複層ラバーをブレードに接着した卓球ラケットについて全日本クラスの卓球選手により評価した打球感も優れたものであった。ラバーシート/スポンジシートのメーカー・品種を変えても同じ接着力、打球感が得られた。接着剤塗布工程の前に市販のトリクロロイソシアヌル酸を主成分とするプライマーをラバーシートとスポンジシートの接着面に塗布した場合も、同様に優れた接着性が得られた。
【0031】
(実施例2)
実施例1で製造したイソシアネート基末端プレポリマーに対して30重量%のEVA樹脂EV45LX(三井デュポンポリケミカル;ショアA硬度=31)を添加・混合して接着剤とした。
【0032】
<複層ラバーの製造>
上記の接着剤を使用して実施例1と同じ方法にて接着し、複層ラバーを製造した。
<評価>
得られた複層ラバーについて、ラバーシート/スポンジシート間の接着性並びに複層ラバーを市販の接着剤を使用してブレードと接着して卓球ラケットとし、打球感の評価を行った。得られた複層ラバーは接着力が十分で、剥離すると材料破壊を起こした。またこの複層ラバーをブレードに接着した卓球ラケットについて全日本クラスの卓球選手により評価した打球感も優れたものであった。
【0033】
(実施例3)
水酸基末端の液状ポリブタジエンポリオールR−45HT(出光石油化学:分子量2800、水酸基価47mgKOH/g)とポリプロピレングリコール(分子量2000、水酸基価56mgKOH/g)の混合ポリオール化合物(液状ポリブタジエンポリオール70重量%)に対してNCO/OH当量比が4となるTDIを加熱反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを含む接着剤(プレポリマー含有率約84重量%)を得た。
【0034】
<複層ラバーの製造>
上記の接着剤を使用して実施例1と同じ方法にて接着し、複層ラバーを製造した。
<評価>
得られた複層ラバーについて、ラバーシート/スポンジシート間の接着性並びに複層ラバーを市販の接着剤を使用してブレードと接着して卓球ラケットとし、打球感の評価を行った。得られた複層ラバーは接着力が十分で、剥離すると材料破壊を起こした。またこの複層ラバーをブレードに接着した卓球ラケットについて全日本クラスの卓球選手により評価した打球感も優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】卓球用ラケットに使用する複層ラバー(ラバーシート/スポンジシート積層体)の構成を示した断面図
【符号の説明】
【0036】
10 複層ラバー
12 ラバーシート
14 スポンジシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓球ラケットのラバーシートとスポンジシートとを接着して複層ラバーとする接着剤であって、
炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む卓球ラケット複層ラバー用接着剤。
【請求項2】
さらに硬度(ショアA)が50以下の熱可塑性樹脂を50重量%以下含有する請求項1記載の卓球ラケット複層ラバー用接着剤
【請求項3】
卓球ラケットのラバーシートとスポンジシートとを積層した複層ラバー(ラバーシート/スポンジシート積層体)の製造方法であって、
少なくとも前記ラバーシート及びスポンジシートの接着面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程、接着剤を塗布したラバーシート及びスポンジシートを接着積層する接着工程、及び前記接着剤を硬化させて複層ラバーとする硬化工程を有し、
前記接着剤は炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む卓球ラケット複層ラバー用接着剤であることを特徴とする複層ラバーの製造方法。
【請求項4】
さらに前記接着剤が、硬度(ショアA)が50以下の熱可塑性樹脂を50重量%以下含有する請求項3記載の複層ラバーの製造方法。
【請求項5】
さらに前記接着剤塗布工程の前に、前記ラバーシート及びスポンジシートの接着面を脱脂する脱脂工程を有することを特徴とする請求項3又は4記載の複層ラバーの製造方法。
【請求項6】
前記脱脂工程の次に前記ラバーシート及びスポンジシートの接着面をプライマー処理するプライマー処理工程を有することを特徴とする請求項5記載の複層ラバーの製造方法。
【請求項7】
ブレードに接着して卓球ラケットとする複層ラバーであって、ラバーシートとスポンジシートとを炭化水素系ポリオール化合物を50重量%以上含有するポリオール化合物と芳香族ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを含む接着剤を硬化させて接着した卓球ラケット用複層ラバー。

【図1】
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【公開番号】特開2013−90694(P2013−90694A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233270(P2011−233270)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【特許番号】特許第5028539号(P5028539)
【特許公報発行日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(598107415)ヤマト卓球株式会社 (2)
【出願人】(000187714)松下工業株式会社 (4)
【出願人】(591030721)ノーテープ工業株式会社 (5)