単体設計の赤血球沈降速度(ESR)試験測定計器及びその使用方法
採血構成及びESR測定構成を有する赤血球沈降速度(ESR)の測定計器(1)である。ESR測定計器(1)は、自身内に所定量の血液試料希釈剤を含む中空内側容積部を有し、周囲環境に対して空気又は流体密封された沈殿測定管(9)と、所定量の抗凝固薬を含む中空内側容積部を有し、周囲環境に対して真空密封された採血管(2)とを含み、採血管(2)の中空内側容積部の一部に挿入されている沈殿測定管(9)の少なくとも一部によって、空気密封した沈殿測定管(9)に物理的に結合される。沈殿測定管(9)及び採血管(2)は、ESR測定計器(1)が採血構成内に配置されている場合、注射器様形状要素を有する単体組立体として相互に対して静止状態で固定して維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凝固防止された全血の試料のエリスロサイト(つまり赤血球)沈降速度(ERS)を様々な臨床設定において安全、効果的かつ安価な方法で測定するために改良された方法、及びその使い捨て試験測定計器に関する。
【背景技術】
【0002】
1894年に、ポーランドの医師エドモンド・ビエルナツキ(1866〜1912)が病人からの血液の沈降速度が上昇することに最初に注目し、この上昇は個体の血液試料中に繊維素原(フィブリノゲン)が存在するせいであることに気づいた。
【0003】
1918年には、ロビン・ファーレウス(1888〜1968)がビエルナツキの研究を進めた。血液のESRを研究しようという彼の最初の動機は、妊娠試験としてのものであったが、その関心は患者の病状のESR試験の研究へと拡大した。
【0004】
1921年には、アルフ・ウェステルグレン(1881〜1968)がESR試験の実行技術を改良し、結核患者の予後の判定における有用性を報告した。
1935年には、マクスウェルM.ウィントローブ(1901〜1986)がESR方法の変形を発表し、かつてはこの方法が広く使用された。
【0005】
1977年には、国際血液標準化委員会(ICSH)がESR試験の世界標準としてウェステルグレンの方法を採用するように勧告した。
1997年には、NCCLSが「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)と題され、参照により全体が本明細書に組み込まれたNCCLS刊行物第H2−A4号で、ESR試験に関するICSHの最も新しい勧告を発表した。また、NCCLSは最近、幾つかの他の重要な文書を刊行して、ESR試験に関する標準及びガイドラインを示している。つまり、臨床検査室の定量試験の基準値及び基準間隔を決定する標準的ガイドラインを示す「How to Define and Determine Reference Intervals in the Clinical Laboratory」と題した第C28−A2号、採血管及びヘパリン、EDTA及びクエン酸ナトリウムなどの添加物の標準的要件を示す「Evacuated Tubes and Additives for Blood Specimen Collection」と題した第H1−A4号、線引き抜き、血液培養採取、及び子供の静脈穿刺を含み、引き抜き順序の勧告も含む、静脈穿刺により診断試料を採取する標準的手順を示す「Procedures for the Collection of Diagnostic Blood Specimens by Venipuncture」と題した第H3−A4号、充填赤血球量を測定する標準的なミクロヘマトクリット法を示し、推奨材料及び潜在的なエラー発生源を扱う「Procedure for Determining Packed Cell Volume by the Microhematocrit Method」と題した第H7−A3号、試料の取り扱い及び処理に関連する複数の要素、さらに不正確さまたは体系的バイアスを結果に導入し得る要素に対応する「Procedures for the Handling and Processing of Blood Specimens」と題した第H18−A2号、及び任意の検査室設定における肝炎ウィルス及びヒト免疫不全ウィルスの伝染の危険性に関するガイダンス、検査室の計器及び材料から血液感染症の検査室感染を防止するための個々の予防策、及び血液感染の曝露を抑制する推奨方法を示す「Protection of Laboratory Workers from Instrument Biohazards and Infectious Disease Transmitted by Blood, Body Fluids and Tissue」と題したM29−Aである。これらのNCCLS文書はそれぞれ、当技術分野の知識の現状を示し、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0006】
今日、赤血球沈降速度(ESRまたは沈降速度)試験は、世界中で最も広く実行されている検査室試験の一つであり、患者の血中繊維素原レベルの上昇によって示される急性または慢性的炎症を引き起こす状態を患者が有するかを判定することによって、一般的疾病をスクリーニングするのに役立てるために使用される。ESR試験は非特異的であるが、それでも何らかの炎症性疾患の経過を辿るには非常に役立つ。
【0007】
ウェステルグレンのESR試験方法は、ESR試験の「金本位制(即ち標準)」としての基準方法であり、凝固防止された血液の希釈試料を直径2.5mmで長さが200mmの背が高く完全に垂直の管に入れ、60分(つまり1時間)経過後に重力の影響で血漿/赤血球(P/E)境界面レベルがどこまで沈降するかを[mm/時]の単位で測定することによって実行する。採取した全血試料は、K3EDTAを添加して凝固を防止し、次いで凝固防止された血液試料を、希釈剤(生理食塩水、または0.10から0.136mol/リットルの濃度のクエン酸三ナトリウムなど)1に対して4の凝固防止された全血の割合で添加し、希釈する。この試験は、炎症に伴うタンパク質、特に繊維素原が、赤血球の表面陰電荷によって生じる赤血球のゼータ電位を打ち消すのでうまく働く。赤血球のこの陰電荷は、個々の赤血球を相互から反発させる働きをし、したがって赤血球の沈殿を長引かせる。全身炎症がある場合、血中の繊維素原含有量が増加して、赤血球が凝集する傾向があり、これによって表面対体積比が減少し、沈殿速度が上昇する。
【0008】
ウィントローブのESR試験方法は、ウェステルグレンのESR方法で使用した管より短い管(100mm)を使用し、希釈剤として機能しないように、異なる凝固防止剤(つまり酸化アンモニウム及びシュウ酸カリウム)の使用量も少なくする。ウィントローブの方法は、ウェステルグレンの方法よりも穏やかな上昇に対する感度が高いが、偽のプラスの率も高くなることが一般的に認められている。これに対して、ウェステルグレンの方法の方が、上昇したレベルでの変化に対する感度がより高く、治療に対する反応を評価するためにESR試験を使用している場合、つまり巨細胞性動脈炎のような疾病でより有用である。
【0009】
手動操作原理を使用するESR試験を実行するために、様々なタイプの先行技術の装置が提案されている。以下の特許は、装置のこのような形態について記載している。つまり、米国特許第5,914,272号、米国特許第5,779,983号、米国特許第5,745,227号、米国特許第5,244,637号、米国特許第5,065,768号、米国特許第4,701,305号、米国特許第4,622,847号、米国特許第4,434,802号、米国特許第4,353,246号、米国特許第4,187,719号、米国特許第3,938,370号、米国特許第3,910,103号、米国特許第3,660,037号、米国特許第3,373,601号、英国特許出願公開第2116319A号、及び英国特許出願公開第2048836A号であり、各特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
しかし、上記の先行技術の参考文献で開示されたESR試験の計器は、一般的に満足できない方法で血液を扱い、測定の実行者及び採取した血液試料の廃棄者に対して不必要な危険を生じ、試験結果を正確に測定すべき場合は、検査室の専門家に比較的高度の技術及び器用さを有することを要求する。
【0011】
ESR試験を自動化する様々なアプローチが試みられ、特に赤血球の沈殿を追跡する電子及び光学的手段を使用し、通常は60分未満で結果を提供する。このような技術は、米国特許第5,914,272号、第5,575,977号、第5,316,729号、第4,801,428号、第4,744,056号、第4,187,462号、及び第4,041,502号で示され、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
これらの先行技術の方法及び装置は、ESR試験の時間を標準的な60分の試験時間より大幅に削減するが、このような先行技術の方法及び装置によって生成される結果は、「基準」のウェステルグレンのESR方法との良好な相関がなく、高価な機器を使用する。
【0013】
したがって、当技術分野には、先行技術の装置及び方法の短所及び欠点を回避しながら、全血の試料中の赤血球沈殿速度を測定するための改良された方法及び装置が非常に必要とされている。
【特許文献1】米国特許第5,914,272号
【特許文献2】米国特許第5,779,983号
【特許文献3】米国特許第5,745,227号
【特許文献4】米国特許第5,244,637号
【特許文献5】米国特許第5,065,768号
【特許文献6】米国特許第4,701,305号
【特許文献7】米国特許第4,622,847号
【特許文献8】米国特許第4,434,802号
【特許文献9】米国特許第4,353,246号
【特許文献10】米国特許第4,187,719号
【特許文献11】米国特許第3,938,370号
【特許文献12】米国特許第3,910,103号
【特許文献13】米国特許第3,660,037号
【特許文献14】米国特許第3,373,601号
【特許文献15】英国特許出願公開第2116319A号
【特許文献16】英国特許出願公開第2048836A号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、先行技術の装置及び方法の短所及び欠点を回避しながら、全血の試料中の赤血球沈殿速度(ESR)を測定するための改良された方法及び装置を提供することが、本発明の目的である。
【0015】
注射器様形状要素、及び単体構造を有する改良型の使い捨てESR試験測定計器の形態でこのような装置を提供することが、本発明のさらなる目的である。
採血構成及びESR測定構成を有するこのようなESR測定計器を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
採血構成の最中に、血液希釈剤(希釈剤)を含む空気又は流体密封の沈殿測定管を凝固防止剤(つまり抗凝固薬)を含む真空密封の採血管に結合させ、このような密封管が単体組立体として相互に対して静止状態で固定されるこのようなESR測定計器を提供することが、本発明の別の目的である。ESR測定計器は採血構成中に配置されるが、次いでルアー(登録商標)タイプの接続具を真空密封の採血管に接続し、患者からの全血試料を引き抜き、ESR測定計器の採血管に注入する。
【0017】
凝固防止された血液試料を密封した採血容器内に採取し、ルアー(登録商標)タイプの接続具をそこから切り離した後、沈殿測定管の空気密封を破壊し、次いでESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、沈殿測定管を手動で採血管の底部に填め込む、このようなESR測定計器を提供することが、本発明の別の目的である。これによって、2本の管の間の液体密封が破壊され、凝固防止した採血試料が、沈殿測定管に含まれる生理的(0.145mol/L;8.5g/L;”0.85%)NaCl溶液に混合し、その結果、その有意の部分を希釈した血液試料で充填し、希釈した凝固防止血液試料の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、ESR測定計器を重力的に垂直な姿勢に配向されている所定の試験期間(例えば60分)の間に、採血管に向かって測定可能な距離だけ下方向に沈殿する。このESR測定計器を使用し、60分の試験期間中に沈殿測定管の目盛りマークに対してP/E境界面レベルが移動する距離を測定することによって、採取した血液試料のESRを求めることができる。
【0018】
本発明の別の目的は、採血管が(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取る、所定の内径の中空の内部円筒容積部と、(ii)一対の低起伏フランジとを有し、これは組立中に採血管の低起伏フランジと外端部分にスナップ嵌めされる薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分があり、針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、採血管の外端表面の周囲に突出し、さらに、(iii)沈殿測定管を親指で採血管に押し込む人の指と嵌合するために、反対端で採血管の外端から突出する大環状フランジを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、沈殿測定管が、(i)所定の直径で、採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、(iii)閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有するゴムプランジャを保持するために、沈殿測定管の反対端から突出し、沈殿測定管の自由端上で摺動し、自身から突出するフランジと嵌合する外壁表面を有する複数の低起伏プランジャの把持フランジとを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、沈殿測定管が、ESR測定計器をそのESR測定構成へと再配置する場合に、沈殿測定管を採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、ゴムプランジャとは反対の端部で外端から突出する大環状フランジを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、沈殿測定管からの血液希釈剤の流れを制限又は閉塞するように、沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、このようなESR測定計器を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、ゴムプランジャの前に沈殿測定管の端部に取り付ける、このようなESR測定計器を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管の上部分に挿入されている沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、真空で密封した採血管に少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)を含みながら、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、このようなESR測定管を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、注射器様形状要素の単体となる構造を有するESR測定計器を使用する新規のESR測定方法を提供することである。
本発明の別の目的は、採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入し、採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)を含む沈殿測定管と一体化された、このようなESR測定方法を提供することであり、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される。
【0025】
本発明の別の目的は、全血試料を真空圧で患者の体内から引き抜き、血液試料を針に通して採血管内に採取する、このようなESR測定方法を提供することであり、採取した全血試料は、採血管内で所定量の抗凝固薬と混合する。
【0026】
本発明の別の目的は、針を採血器具から引き出し、次いで沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する、このようなESR測定方法を提供することである。
本発明の別の目的は、沈殿測定管と採血管との間の液体シールが、沈殿測定管を採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって破壊され、それによって凝固防止された血液試料が沈殿測定管の有意の部分を充填し、所定量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する、このようなESR測定方法を提供することであり、これによって(赤血球沈殿物の)P/E境界面は、所定の期間中にESR計器を重力垂直方向にて支持している場合、所定の期間にわたって採血管に向かって沈殿でき、したがって採取した血液試料の赤血球沈降速度(ESR)は、所定の期間中に沈殿測定管の目盛りマークに対してP/E境界面レベルが移動する距離を求めることにより測定できる。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器を提供することであり、空の沈殿測定管を、抗血液凝固剤(つまり抗体凝固薬)と血液希釈剤(つまり希釈剤)の両方を含む真空密封の採血管に結合し、したがって採血作業中にこのような密封管が単体組立体として相互に対して静止状態にて固定されるが、ESR測定計器を手動でそのESR測定構成内に構成すると、相互に相互結合され、流体連通する状態で配置される。本発明のこの実施形態は、血液試料の希釈を使用するウェステルグレンのESR方法を実践するために最も適している。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器を提供することであり、空の沈殿測定管を、抗血液凝固剤(つまり抗凝固薬)のみ含む真空密封の採血管に結合し、したがってこのような密封管は、採血作業中に単体組立体として相互に対して静止状態で固定されるが、ESR測定計器を手動でそのESR測定構成内に構成すると、相互に相互結合され、流体連通する状態で配置される。本発明のこの実施形態は、血液試料の希釈を使用しないウィントローブのESR方法を実践するために最も適している。
【0029】
本発明の以上及び他の目的は、以下及び発明の請求の範囲で明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面に関して詳細に説明し、ここでは図面全体で図示された同様の構造及び要素は、同様の参照番号で示す。
以下で述べる詳細な説明は、本発明のESR測定計器の2つの例の実施形態の詳細な仕様を開示する。概して、これらのESR測定計器は、携帯用かつ使い捨ての性質であり、例えば医者のオフィス、研究所、病院、診療所、戦場などのような多様な環境で精密なESR測定を迅速に実施するように設計される。
【0031】
[本発明のESR測定計器の第1例の実施形態]図1Cから図1Fで示すように、第1例の実施形態1のESR測定計器は、各構成要素、即ち、採血管2と、沈殿測定管9と、大環状フランジ17と、流体流制限プラグ18と、ゴムワッシャ19と、所定量の血液希釈剤20と、所定量の抗凝固薬21と、管保持具兼制限組立体22とから構成される組立体を備える。
【0032】
採血管2は、(i)採血作業中に人間の全血の試料を受け取る所定の内径で円筒形の中空内側容積部3と、(ii)ゴムの針で穿孔可能なキャップ5を把持するために、採血管の外部端面の周囲に突出する一対の低起伏フランジ4であって、キャップ5は、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6を有しており、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6は組立中に低起伏フランジ4及び採血管の外部端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジ4と、(iii)沈殿測定管9を親指で採血管2に押し込む人の指と係合するために、反対端で採血管の外部端部から突出する大環状フランジ8と、を有する。
【0033】
沈殿測定管9は、(i)所定の直径の中空中心孔10と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すためにその外面に沿って形成される一連の目盛りマーク11と、(iii)沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジ12とを備えており、当該把持フランジ12はゴムプランジャ13を保持し、ゴムプランジャ13は閉じた端部が薄い破断可能な壁膜15によって境界を区切られた中空内側容積部14を有し、沈殿測定管の自由端部上で摺動し、且つ当該沈殿測定管から突出するフランジ12と係合する外壁表面16を有する。
【0034】
大環状フランジ17は、(iv)図3Aから図6Fで示すように、ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する場合に、沈殿測定管9を採血管に押し込む人の親指と係合するために、ゴムプランジャ13とは反対側の端部で沈殿測定管の外端から突出する。
【0035】
空気又は流体流制限プラグ18は、図1Bから図1Fで示すように、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、周囲環境から中空中心孔10の内部への空気の流れ、及び沈殿測定管からの血液希釈剤20の流出を抑制または閉塞するように、沈殿測定管9の上端部分に挿入可能である。
【0036】
ゴムワッシャ19は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するように、沈殿測定管の端部にゴムプランジャ13を取り付ける前に、プランジャの前記把持フランジ12上で摺動可能である。
【0037】
所定量の血液希釈剤20は、例えば生理的NaCl溶液又はクエン酸ナトリウム溶液であり、この血液希釈剤20は、空気又は流体流制限プラグ18を中心孔10に挿入した後であるが、ゴムプランジャ13を沈殿測定管9の他方端にスナップ嵌めする前に沈殿測定管9に挿入される。
【0038】
所定量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)21は、ゴムの針で穿孔可能なプランジャ(キャップ)5を採血管2の他方端にスナップ嵌めした後であるが、沈殿測定管組立体のプランジャ端部を採血管2の開放端部分に挿入する前に採血管2に挿入される。
【0039】
管保持具兼制限組立体22は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、少量の抗凝固薬が真空密封された採血管に含まれている間に、沈殿測定管のプランジャ部分13を採血管2の上部分内で保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持する。
【0040】
図1Bから図1Fでは、採血構成内に配置された本発明のESR測定計器が図示されている。通常、計器は梱包されて、製造業者から最終使用者(例えば医師、病院、診療所など)へと輸送している場合に、この組み立てた状態で配置される。この配置で、沈殿測定管9のプランジャ部分13を採血管2の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体22によって採血管2に対して静止位置に保持する。真空密封された採血管2内に含まれる少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)が、含まれる全血試料の採取後の凝固を防止する。図1Cの断面図で示すように、管保持具兼制限組立体22の主要な機能は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、沈殿測定管と採血管との間の相対的運動を防止することである。図示のように、ゴムのワッシャ19を、採血管2の上部分に形成した環状凹部23内で受け、これは環状フランジ8が採血管の外壁から突出する面のわずかに下である。ワッシャ19の機能は、沈殿測定管9の端部分と採血管2の壁との間に改良された液体シールを生成することである。
【0041】
図1Eで示すように、破断可能な膜15がプランジャ構造13と一体形成されて、沈殿測定管9の端部開口を覆い、したがって採血管の上部分を完全に閉鎖し、計器の組立プロセス中に当技術分野でよく知られている方法で採血管を所定の範囲まで排出できるようにする。図示のように、抗凝固薬20が、空気又は流体流制限プラグ18とゴムプランジャ13の破断可能な膜15との間で沈殿測定管9の中空内側容積部内に含まれる。特に、図3A、図3B、図3C及び図3Dで示すように、採血装置25を採血管と被験者の間に接続した場合に、被験者から全血の所定の試料(例えば1.0mlまたは0.5ml)を自動的に引き抜くのは、採血管2の中のこの真空である。
【0042】
図1Bで示すように管保持具兼制限組立体22は、採血構成中にフランジ17を解放自在に囲む第1部分22Aと、採血構成中にフランジ8を解放自在に囲む第2部分22Bと、採血構成中に沈殿測定管9を解放自在に囲む第3部分22Cと、ESR測定構成中、及びその後の処分中に常にフランジ8を永久的に囲む第3部分22Dとを有する。沈殿測定管9と採血管2との相対的運動を防止することによって、管保持具兼制限組立体22は、全血試料の引き抜き前または引き抜き中に加圧採血管2内に生成される液体真空シールの破壊または破断を防止する。これによって、採取した全血試料が、図5Cから図6Fで示すようにESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する前に凝固しないことが保証され、これは、図6Dから図6Fで示すように、管保持具兼制限組立体2を外し、採血管2の底部へと沈殿測定管9を手動で押すことによって遂行される。
【0043】
例の実施形態では、沈殿測定管9、採血管2及び空気又は流体流制限プラグ18を、プラスチックの採血管などの製造に現在使用されている高品質の医療用プラスチックを使用して射出成形できる。ゴムキャップ5、ゴムプランジャ13及びワッシャシール19は、当技術分野でよく知られている方法で医療用ゴム材料から作成できる。
【0044】
図2を参照し、次に本発明によるESR測定方法を実施する際に含まれる工程について詳細に説明する。
図2のブロックAで示すようにESR測定方法の第1工程は、図3Bで示すように、採血管のゴムキャップ5を通してルアー(登録商標)ロックタイプの採血装置25の針26を挿入することを含む。この接続装置は、沈殿測定管9及び採血管2の周囲に設置された状態で維持される管保持具兼制限組立体22と共にあり、空気又は流体流制限プラグ18は、沈殿測定管の上部開口17A内に挿入されたままである。この方法の前記工程の間に使用する採血装置は通常、一方端がルアー(登録商標)ロック接続具25Aに接続され、他方が皮下注射針28で終了する可撓性管27の区間を含む。皮下注射針は、被験者から安全に血液を引き抜くのに適切でなければならない。1つまたは複数の医療用接続具を、当技術分野でよく知られている方法で、採血管2と皮下注射針28の間に並べて挿入できる。皮下注射針が被験者の皮膚を穿孔したら、採血管2内の負圧が、人間の全血40の所定試料を自動的に引き抜き、これは管を通って流れ、採血容器を充填する。
【0045】
図2のブロックBで示すように、この血液引き抜き作業中に、採血管2に入る血液40は採血管2内のある量の抗凝固薬21と混合し、採血管内における血液試料の凝固を防止する。
【0046】
図2のブロックCで示すように、採血管2が、図3D及び図3Eで示すような計器の組立時に生成される真空によって所定の容積(例えば1ml)まで充填されるにつれ、被験者からの血液は採血測定管2への流入を停止し、これで針28を被験者から外して、ルアー(登録商標)ロック接続具25Aを採血管から引き抜き、外すことができる。
【0047】
図2のブロックDで示すようにESR測定方法の次の工程は、管保持具兼制限組立体22を、図4Aから図5Bで示すような沈殿測定兼採血管から外すことを含む。これは、頂部フランジカバー部分22A、フランジカバー部分22Bの端部分に形成された可撓性シール部30を手動で破壊し、次にカバー部分22A1、22A2及び22B1、22B2をその個々の蝶番部22A2及び22B3の周囲で開放し、したがってカバー部分22A1、22A2及び22B1、22B2を上部及び底部フランジ17及び8それぞれから外して、カバー幹部分22Cを沈殿測定管9からし、組立体を計器から外せるようにして遂行される。特に、フランジカバー部分22Dは、幹部分22Cと上部カバー部分22B1、22B2の間に配置される。保持具兼制限組立体22が図5Bで示すように外されると、計器をそのESR測定構成へと再配置する準備が整う。そのために、使用者(例えば試験者または臨床医)は図5D1及び図5D2で示すように、空気又は流体流制限プラグ18を沈殿測定管9の上部開口から手動で外す。空気又は流体流制限プラグ18を外すと、周囲の空気が沈殿測定管9の内側容積部へと流入でき、したがってその圧力を周囲環境の空気圧と等しくできる。例の実施形態では、ESR測定構成中に中空内側容積部10に沿って上昇し、これを占有すると、血液がESR測定計器の沈殿測定管部分から漏れることができないように、空気透過性で血液不透過性材37を沈殿測定管の中空内側容積部の最初の2.54cm(1インチ)程度以内で、上部開口17aから丁度1.27cm(1/2インチ)程度まで挿入する。
【0048】
図2のブロックEで示すように、ESR測定方法は、使用者(例えば試験者または臨床医)が従来の注射器を扱う場合のように、使用者の人差し指と中指の間に下部フランジ8を位置決めし、使用者の親指を頂部(つまり上部)フランジ17上に位置決めした状態で、ESR測定計器を手で把持することを含む。この計器取り扱い構成では、使用者が親指を使用して、図5Eから図6Fで示すように従来の注射器から液体を絞り出すのと丁度同じように、沈殿測定管9を採血管2に押し込む。この動作によって、破断可能な膜15が破断し、採血管中の凝固防止された血液40’の試料が沈殿測定管9の中空内側容積部10へと強制的に突入して、そこに含まれる血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と混合する。膜15が、採血管2に押し込まれたゴムプランジャ13に応答して破断するプロセスを、図5Hに概略的に示す。図示のように、このプロセス中に、下方向の圧力の増加とともに表面下の静水圧が上昇するにつれて、膜15は、膜材料が破損して破断する時点まで、ゴムプランジャ構成要素の壁部分の全体的な構造的完全性を妥協することなく伸張する。沈殿測定管9を採血管2に押し込むと、その中の血液試料の圧力が上昇し、これによって血液試料40’が破断した膜15’を通って沈殿測定管の中空内側容積部に沿って流れ、希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する。それと同時に、プランジャ13及びガスケット19のゴム壁が高品質の液体シールを生成し、これは採血管2の中空内側容積部と流体連通して配置された沈殿測定管9の中空内側容積部10によって生成された含有容積部40”の組み合わせからいかなる量の採血試料40’も漏れるのを防止する。
【0049】
その後、組立体22のカバー部分22D及び22B1、22B2を、図7A及び図7Bで示すように、頂部及び底部フランジ17及び8それぞれに再度取り付けて、次にカバー部分を図7Cで示すようにスナップ留めして永久的に閉鎖する。この最終状態の構成では、ESR測定計器に含まれた凝固防止血液試料の全体を血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と完全に混合して、希釈して凝固防止された全血の試料を生成する(つまり、配合によると、凝固防止された全血が4で希釈剤が1の割合で混合する)。それと同時に、希釈した全血試料を、ロックしたESR試験計器内に安全に密封する(つまり閉じ込める)。本発明によるESR測定を実施するには、ESR測定計器を垂直方向に直立して位置決めし、例えば約60分の期間、気泡があるうちに(例えばテーブル、実験室のベンチ、または他の安定した表面上に配置される)、支持口を有する台に挿入し、したがって血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、通常通り重力に応答して60分の試験期間中に垂直に支持された沈殿測定管に沿って沈殿する(つまり落下する)ことができる。この試験期間の最後に、血漿/赤血球(P/E)境界面が60分後に重力の影響でどこまで沈降したかをミリメートル単位で測定する、つまり沈殿測定管の縦に沿って形成された校正済み目盛り11に対して[mm/時]単位で測定することによって、正確なESR測定値を読み取ることができる。
【0050】
ESR測定を実施し、患者の医療記録に記録した後、ロックしたESR測定計器を政府の規則及び/または安全基準に従って医療廃棄物として廃棄できる。
本発明のESR測定方法の間、採血試料は常に計器内に含まれるので、本発明のESR測定計器を使用してESR試験測定を実施する技術者には、危険があるとしても小さい。また、計器は基本的にロックされているので、漏れまたは環境汚染の危険性も実質的に最小限である。
【0051】
[本発明のESR測定計器の第2例の実施形態]図8から図17Bで示すように、第2例の実施形態の使い捨てESR試験測定計器は、第1例の実施形態の試験計器の基本的に同じ構成要素の組立体を備える。即ち、採血管2と、沈殿測定管9’と、流体流制限プラグ18と、ゴムワッシャ19と、所定量の血液希釈剤20と、所定量の抗凝固薬21と、から構成される組立体を備える。
【0052】
採血管2は、(i)採血作業中に人間の全血の試料を受け取る所定の内径の中空内部円筒形容積部と、(ii)ゴムの針で穿孔可能なキャップ5を把持するために、採血管の外部端面の周囲に突出する一対の低起伏フランジ4であって、このキャップ5は、厚い自己密封端部分6及びそれより薄い壁部分7を有しており、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6は組立中に低起伏フランジ4及び採血管の外部端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジ4と、(iii)沈殿測定管9’を親指で採血管2に押し込む人の指と係合するために、反対端で採血管の外部端部から突出する大環状フランジ8と、を有する。
【0053】
沈殿測定管9’は、(i)所定の直径の中空中心孔10と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すためにその外面に沿って形成される一連の目盛りマーク11と、(iii)沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジ12であって、当該把持フランジ12はゴムプランジャ13を保持し、当該ゴムプランジャ13は閉じた端部が薄い破断可能な壁膜15によって境界を区切られた中空内側容積部14を有し、ESR測定管の自由端部上で摺動し、且つそこから突出するフランジ12と係合する外部壁表面16を有する、低起伏プランジャの把持フランジ12と、(iv)図12A1から図17Bで示すように、ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する場合に、沈殿測定管9を採血管に押し込む人の親指と係合するために、ゴムプランジャ13とは反対側の端部で沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジ17、及び(v)一対の隔置された凹部流路50A及び50Bであって、管保持及び制限に使用するために、沈殿測定管9’の表面に与えられる、一対の隔置された凹部流路50A及び50Bとを有する。
【0054】
空気又は流体流制限プラグ18は、ESR測定管9の上端部分に挿入可能であり、図1Bから図1Fで示すように、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、周囲環境及び中空中心孔10の内部からの空気の流れを抑制または閉塞する。
【0055】
ゴムワッシャ19は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するように、沈殿測定管の端部にゴムプランジャ13を取り付ける前に、プランジャの把持フランジ12上で摺動可能である。
【0056】
所定量の血液希釈剤20は、例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液であり、この血液希釈剤20は、空気又は流体流制限プラグ18を中心孔10に挿入した後であるが、ゴムプランジャ13を沈殿測定管9’の他方端にスナップ嵌めする前に沈殿測定管9’に挿入される。
【0057】
所定量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)は、ゴムの針で穿孔可能なプランジャ5を採血管2の他方端にスナップ嵌めした後であるが、ESR測定管組立体のプランジャ端部を採血管2の開放端部分に挿入する前に採血管2に挿入される。
【0058】
しかし、この第2例の実施形態では、その管保持具兼制限組立体45が、第1例の実施形態で使用した管保持具兼測定(制限)組立体22より明らかに単純な構造で実現される。この管保持具兼制限組立体45について、以下で詳細に説明する。
【0059】
図9Aから図11Eでは、採血構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器が図示されている。通常、計器は梱包されて、製造業者から最終使用者(例えば医師、病院、診療所など)へと輸送している場合に、この組み立てた状態で配置される。この配置で、沈殿測定管9’のプランジャ部分13を採血管2の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体45によって採血管2に対して静止位置に保持する。真空密封された採血管内に含まれる少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)が、含まれる全血試料の採取後の凝固を防止する。図9Bの断面図で示すように、管保持具兼制限組立体45の主要な機能は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、ESR測定管と採血管との間の相対的運動を防止することである。図示のように、ゴムワッシャ19を、採血管2の上部分に形成した環状凹部23内で受け、これは環状フランジ8が採血管2の外壁から突出する面のわずかに下である。ゴムプランジャ19の機能は、沈殿測定管9’の端部分と採血管2の壁との間に液体シールを生成することである。
【0060】
図9Cで示すように、破断可能な膜15がプランジャ構造13と一体形成されて、沈殿測定管9’の端部開口を覆い、したがって採血管の上部分を完全に閉鎖し、計器の組立プロセス中に当技術分野でよく知られている方法で採血管を所定の範囲まで排出できるようにする。図示のように、抗凝固薬(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20が、空気又は流体流制限プラグ18とゴムプランジャ13の破断可能な膜15との間で沈殿測定管9’の中空内側容積部内に含まれる。特に、図11A、図11B、図11C及び図11Dで示すように、採血装置25を採血管と被験者の間に接続した場合に、被験者から凝固防止された全血の希釈されていない試料(例えば1.0mlまたは0.5ml)を自動的に引き抜くのは、採血管の中のこの真空である。沈殿測定管9’と採血管2との相対的運動を防止することによって、管保持具兼制限組立体45は、全血試料の引き抜き前または引き抜き中に加圧採血管2内に生成される液体真空シールの破壊または破断を防止する。これによって、採取した全血試料が、図12A1から図17Bで示すようにESR計器をそのESR測定構成内に再配置する前に凝固しないことが保証され、これは、図13から図16Bで示すように、管保持具兼制限組立体45を外し、採血管2の底部へと沈殿測定管9を手動で押すことによって遂行される。
【0061】
この例の実施形態では、沈殿測定管、採血管及び空気又は流体流制限プラグを、プラスチックの採血管などの製造に現在使用されている高品質の医療用プラスチックを使用して射出成形できる。ゴムキャップ5、ゴムプランジャ13及びワッシャシール19は、当技術分野でよく知られている方法で医療用ゴムから作成できる。
【0062】
図10のブロックA及びBを参照し、次に本発明によるESR測定方法を実施する際に含まれる工程について、第2例の実施形態に係るESR試験測定計器を使用して詳細に説明する。
【0063】
図10のブロックAで示すように、ESR測定方法の第1工程は、図11Aで示すように、採血管のゴムキャップ5を通してルアー(登録商標)ロックタイプの採血装置25の針を挿入することを含む。この接続装置は、沈殿測定及び採血管の周囲に設置された状態で維持される管保持具兼制限組立体とともにあり、空気又は流体流制限プラグ19は、沈殿測定管9’の上部開口17A内に挿入されたままである。この方法の前記工程の間に使用する採血装置は通常、一方端がルアー(登録商標)ロック接続具に接続され、他方が皮下注射針28で終了する可撓性管27の区間を含む。皮下注射針は、被験者から安全に血液を引き抜くのに適切でなければならない。1つまたは複数の医療用接続具を、当技術分野でよく知られている方法で、採血管と皮下注射針の間に並べて挿入できる。皮下注射針が被験者の皮膚を穿孔したら、採血管2内の負圧が、人間の全血40の所定試料を自動的に引き抜き、これは管27を通って流れ、採血容器2を充填する。
【0064】
図10のブロックBで示すように、この血液引き抜き作業中に、採血管2に入る血液40は採血管内のある量の抗凝固薬と混合し、採血管内における血液試料の凝固を防止する。
【0065】
図10のブロックCで示すように、採血管が、図11D及び図11Eで示すような計器の組立時に生成される真空によって所定の容積(例えば1ml)まで充填されるにつれ、被験者からの全血は採血測定管2への流入を停止し、これで針28を被験者から外して、ルアー(登録商標)ロック接続具25Aを採血管2から引き抜き、外すことができる。
【0066】
図10のブロックDで示すようにESR測定方法の次の工程は、管保持具兼制限組立体45を図12A1で示すような沈殿測定及び採血管から外すことを含む。これは、フランジカバー部分45、45の端部分に形成された可撓性シール部47を手動で破壊し、次にカバー部分をその蝶番部46の周囲で開放し、したがって組立体45をESR測定計器に伴うフランジ8の周囲から外して遂行される。保持具兼制限組立体45が図13で示すように外されると、ESR測定計器をそのESR測定構成へと再配置する準備が整う。そのために、使用者(例えば試験者または臨床医)は図12A2及び図12A3で示すように、空気又は流体流制限プラグ18を沈殿測定管9’の上部開口から手動で外す。空気又は流体流制限プラグ18を外すと、周囲の空気が沈殿測定管9’の内側容積部10へと流入でき、したがってその圧力を周囲環境の空気圧と等しくできる。この例の実施形態では、ESR測定構成中に中空内側容積部10に沿って上昇し、これを占有すると、凝固防止された血液試料が血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合して、ESR測定計器の沈殿測定管部分から漏れることができないように、空気透過性で血液不透過性材37を沈殿測定管の中空内側容積部の最初の2.54cm(1インチ)程度以内で、上部開口17Aから丁度1.27cm(1/2インチ)程度まで挿入する。
【0067】
図10のブロックEで示すように、ESR測定方法は、使用者(例えば試験者または臨床医)が従来の注射器を扱う場合のように、使用者の人差し指と中指の間に下部フランジ8を位置決めし、使用者の親指を頂部(つまり上部)フランジ17上に位置決めした状態で、ESR測定計器を手で把持することを含む。この計器取り扱い構成では、使用者が親指を使用して、図13から図15Bで示すように従来の注射器から液体を絞り出すのと丁度同じように、沈殿測定管9’を採血管2に押し込む。この動作によって、破断可能な膜15が破断し、採血管2中の凝固防止された血液40の試料が沈殿測定管9’の中空内側容積部へと強制的に突入して、そこに含まれる血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する。膜15が、採血管2に押し込まれたゴムプランジャ13に応答して破断するプロセスを、図14Cに概略的に示す。図示のように、このプロセス中に、下方向の圧力の増加とともに表面下の静水圧が上昇するにつれて、膜15は、膜材料が破損して破断する時点まで、ゴムプランジャ構成要素の側壁部分の全体的な構造的完全性を妥協することなく伸張する。沈殿測定管9’を採血管に押し込むと、その中の血液試料の圧力が上昇し、これによって凝固防止された血液試料が破断した膜15を通って沈殿測定管の中空内側容積部に沿って流れる。それと同時に、プランジャ15及びガスケット19のゴム壁が高品質の液体シールを生成し、これは採血管の中空内側容積部と流体連通して配置された沈殿測定管の中空内側容積部によって生成された含有容積部の組み合わせからいかなる量の採血試料も漏れるのを防止する。
【0068】
その後、カバー部分45及び45を、図17Aで示すように、底部フランジ8に再度取り付けて、次にカバー部分を図17Bで示すようにスナップ留めして永久的に閉鎖する。図示のように再度取り付けると、カバー部分45A、45Bの部分45Dは、沈殿測定管9’上に形成された凹部50Bにぴったり填り、沈殿測定管9’を採血管2内にしっかりロックする。この最終状態の構成では、ESR測定計器に含まれた凝固防止血液試料の全体を、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と完全に混合して、血液の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、垂直に支持された沈殿測定管中で重力の影響により沈殿し始める。それと同時に、希釈し凝固防止された全血試料を、ロックした計器内に安全に密封する(つまり閉じ込める)。ウェステルグレンなどの方法によるESR測定を実施するには、ESR測定計器を直立状態で位置決めし、例えば約60分の期間、気泡があるうちに(例えばテーブル、実験室のベンチ、または他の安定した表面上に配置される)、支持口を有する完全に垂直な台に挿入する。この試験期間の最後に、血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分後に重力の影響でどこまで沈殿したかをミリメートル単位で測定する、つまり沈殿測定管の縦に沿って形成された校正済み目盛り11に対して[mm/時]単位で測定することによって、正確なESR測定値を読み取ることができる。
【0069】
沈殿測定管に沿った校正済み目盛り11に対して(つまりP/E境界面レベルの位置を読み取ることによって)ESR測定を実施し、患者の医療記録に記録した後、ロックしたESR測定計器を政府の規則及び/または安全基準に従って医療廃棄物として安全に廃棄できる。
【0070】
本発明のESR測定方法の間、採血試料は常に計器内に含まれるので、本発明のESR測定計器を使用してESR測定を実施する技術者には、危険があるとしても小さい。また、計器は基本的にロックされているので、漏れまたは環境汚染の危険性も実質的に最小限である。
【0071】
[本発明のESR測定計器の第3例の実施形態]図18A及び図18Bには、採血構成内に配置された第3例の実施形態に係るESR試験測定計器が図示されている。この例の実施形態では、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止した位置で保持し、図12A1から図17Bで示した第2例の実施形態と全く同じ方法で構築し、組み立てる。しかし、この代替ESR測定計器の設計では、ここで使用する加圧した採血管は、(i)自身内に含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)と、(ii)ESR試験前に全血の試料を希釈する血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)の容積部との両方を含む。このESR測定計器は、上述したウェステルグレンまたは同様のESR方法を実施するために使用することが好ましく、凝固防止された全血の採取試料の希釈は、ESR測定の前に実行する。
【0072】
[本発明のESR測定計器の第4例の実施形態]図19A及び図19Bには、採血構成内に配置された第4例の実施形態に係るESR試験測定計器の第1斜視図が図示されている。この例の実施形態では、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止した位置で保持し、第2例の実施形態と全く同じ方法で構築し、組み立てる。これを図12A1から図17Bで図示する。しかし、この代替ESR測定計器の設計において、ここで使用する加圧した採血管は、自身内に含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)しか含まず、空気又は流体流密封沈殿測定管は、ESR試験前に全血の試料を希釈するためのいかなる量の血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)をも含まない。このESR測定計器は、ウェステルグレンのESR方法とは異なり、凝固防止された全血の採取試料の希釈をESR測定の前に実行しないウィントローブまたは同様のESR方法で実施するために使用することが好ましい。
【0073】
[計器の設計及び実施の考慮事項]上述した本発明のESR試験測定計器の例の実施形態のいずれかを設計し、実施する場合、採血管及び沈殿測定管の実際の物理的寸法は、幾つかの要素に依存することが理解され、それは、(1)ESR試験中に計器で採取し、処理すべき全血試料の実際の量、及び(2)ESR測定計器を使用して実施すべきESR試験方法(例えばウェステルグレン、ウィントローブなど)の特定のタイプ及び変形である。
【0074】
(例えば成人患者の場合のように)多量の全血試料を採取できる用途では、採血管は、標準的容積(例えば1.0ml)の採取した全血及び微量のK3EDTA抗凝固薬を含むように設計でき、沈殿測定管は、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)に加えて、この同じ量の凝固防止された血液を含み、血液希釈剤が1で凝固防止された血液を4という標準的割合で混合するように設計できる。使い捨てESR試験測定計器の設計の最終的形状要素は、わずかに細長い注射器様計器に類似していることが好ましい。最終的なESR測定計器の設計は、上記の「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)(NCCLA刊行物第H2A4)と題した文書でNCCLSが発表したように、標準的なウェステルグレンのESR試験方法及び装置キットと照らし合わせて校正しなければならない。
【0075】
(例えば幼児及び小児の場合のように)少量の全血試料しか採取できない用途では、採血管は、これより少量(例えば0.5ml)の採取した全血、及び微量のK3EDTA抗凝固薬を含むように設計でき、沈殿測定管は、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)に加えて、この同じ量の凝固防止された血液を含み、血液希釈剤が1で凝固防止された血液を4という標準的割合で混合するように設計できる。使い捨てESR試験測定計器構成の最終的形状要素は、わずかに細長い注射器様計器に類似していることが好ましい。最終的なESR測定計器の設計は、上記の「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)で発表されたように、標準的なウェステルグレンのESR試験方法及び装置キットと照らし合わせて校正しなければならず、したがって本発明のESR試験測定計器からの試験結果は、標準的なウェステルグレンのESR試験方法から取得された試験結果と強力な相関関係を有する。
【0076】
[想起される改造]以上で開示した使い捨てESR試験測定計器の各実施形態は、破断可能な膜を有するゴムプランジャ要素を使用しているが、本発明の他の実施形態では、破断可能な膜を、破裂タイプのプラグまたは要素を使用して実現できることが理解され、これは、十分な血液試料の圧力に応答して破裂し、計器がそのESR測定構成内に配置されると、血液試料が沈殿測定管を充填できるようにする。この破裂タイプのプラグまたは要素は、ESR試験測定を妨害しないように、ゴムプランジャの壁に蝶番接続することが好ましい。本発明の全体的精神に従い、計器の沈殿測定管の中空内側容積部と採血管の中空内側容積部との間に配置されたこの感圧性血流弁構造を生成するために、他の方法及び手段を使用できることが明白である。
【0077】
例の実施形態に係るESR計器は、当業者にとって容易に明白になり、本明細書で開示した新規の教示の利点を有する様々な方法で改造できることが理解される。例の実施形態のこのような全ての改造及び変形は、請求の範囲によって定義された本発明の範囲及び精神に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】本発明の携帯用で使い捨てのESR測定計器の組立分解図であり、少量の抗凝固薬(例えばEDTAまたはクエン酸塩)を沈殿測定管の内側容積部に注入した後に、ゴムガスケットリングとゴムプランジャ要素が沈殿測定管の端部に取り付けられ、ゴムキャップが採血管の遠位端部に取り付けられ、その後に採血管を予め測定した量の抗凝固薬で充填してから、ESR測定計器の組立中に真空状態で組立済み沈殿測定管のプランジャ端部を挿入することを示す。
【図1B】採血構成内に配置された状態で示す第1例の実施形態の携帯用かつ使い捨てのESR測定計器の第1斜視図であり、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、採血作業中に加圧した採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、着脱式管保持部兼抑制組立体によって採血管に対して静止位置に維持する。
【図1C】図1Bで示すように採血構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の第2斜視図であり、沈殿測定管の上部開口に挿入した空気又は流体流制限プラグが、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲む沈殿測定管保持具兼抑制組立体の上部カバー部分内に形成された口を通って延在できる。
【図1D】図1Cの線1D−1Dに沿って切り取った第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、沈殿測定管のプランジャ部分は、採血管の上部分に挿入されて、管保持具兼抑制組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持され、沈殿測定管の上部開口に挿入した空気又は流体流制限プラグは、管保持具兼抑制組立体の上部カバー部分内に形成した口を通って延在でき、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管内に生成された液体シールを破損しないように、上部カバー部分は、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲み、下部カバー部分は、採血管の上部分から突出するフランジを囲む。
【図1E】図1Bの線1E−1Eに沿って切り取った第1例の実施形態に係るESR測定計器の部分の断面拡大図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、予め測定した量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸三ナトリウム溶液)を沈殿測定管内に保持するように、沈殿測定管のプランジャ部分が、中空の沈殿測定管の自由端部に取り付けたゴムプランジャ要素、及びゴムプランジャの遠位端でその端部開口を覆うゴムの脆弱膜を備えることをさらに詳細に示す。
【図1F】ESR計器をその採血構成内に配置する間の沈殿管の斜視図であり、沈殿測定管の長さに沿った目盛りマークを示す。
【図2】第1例の実施形態に係るESR測定計器を使用して実行する本発明のESR測定方法に含まれる工程を示す流れ図を示す。
【図3A】本発明の方法により静脈穿刺によって生きた人間から全血試料を引き抜くために、採血構成内に配置され、ヴァキュテーナ(商標)タイプの接続具に接続された状態で示す第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図3B】ESR測定計器の採血管に接続された状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び密封した採血管内に提供した予め測定した真空によって採血管に自動的に引き込まれている全血の試料がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の下部分の断面図である。
【図3C】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で部分的に充填された採血管がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図3D】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で完全に充填された採血管がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図3E】全血の試料で完全に充填した状態で示し、充填した採血管と希釈剤の間に集合的に液体シールを生成するゴムプランジャ、膜及びワッシャリングがあり、沈殿測定管を含む第1例の実施形態に係るESR測定計器の採血管部分の拡大部分切り取り図である。
【図4A】管保持具兼保持器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管の周囲にロックした状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図4B1】管保持具兼制限組立体の頂部カバー部分に設けられ、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲むロックシール機構を示す図である。
【図4B2】着脱式の管保持具兼制限組立体の上部カバー部分に配置され、沈殿測定管の上部分から突出するフランジの周囲から上部カバー部分を外せるように折り取ったロックシール機構を示す図である。
【図5A】上部及び底部カバー部分を開放し、沈殿測定管及び採血管構造の個々のフランジから外せるように、管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造からロック解除した状態で採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5B】管保持具兼収容器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管構造から外して図示され、その空気又は流体流制限プラグがまだ沈殿測定管の上部口内に挿入されている状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態の携帯用/使い捨てESR測定計器の斜視図である。
【図5C】ESR測定計器の採血管構造内に手動で挿入するために沈殿測定管が配置された状態で、ESR測定構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5D1】沈殿測定管の上部フランジ内に形成された上部開口に挿入した、図5Cで示した空気又は流体流制限プラグの斜視図である。
【図5D2】上部フランジ内に形成した上部開口から空気又は流体流制限プラグを外した、図5Cで示した沈殿測定管の上部フランジの斜視図である。
【図5E】管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で示し、空気又は流体流制限プラグが沈殿測定管の上部開口から外した状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5F】管保持具兼収容器組立体をESR測定計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で示し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動でわずかに押し込んだ状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5G】図5Fで示したESR測定計器の断面図であり、破断する前に伸張し、歪んでいるプランジャのゴムの端部にある膜を示す。
【図5H】図5Fの線5H−5Hに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図6A】管保持具兼収容器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で図示し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動で押し込んだ状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図6B】図6Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部に沿ってほぼ半ばまで挿入された採血管からの血液を示す。
【図6C】図6Aの線に沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図6D】管保持具兼収容器組立体が、計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で図示され、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管の底部へと下方向に手動で押した状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図6E】図6Dで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部の全長に沿って挿入された採血管からの血液を示す。
【図6F】図6Dの線6F−6Pに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図7A】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図7B】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図7C】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図8】第2例の実施形態の携帯用/使い捨てESR測定計器の組立分解図であり、ある量の血液試料希釈剤を管の内側容積部に注入した後にゴムのガスケットリング及びプランジャ要素を沈殿測定管の端部に取り付けて、ゴムのストッパを採血管の遠位端に取り付け、次にESR測定計器の組立中に組み立てて密封加圧した沈殿測定管のプランジャ端部に挿入する前に、採血管を予め測定した量の抗凝固薬で充填することを示す。
【図9A】採血構成内に配置されて示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の第1斜視図であり、含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止するために、少量の抗凝固薬を含む加圧した採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、代替タイプの着脱式管保持具兼抑制組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図9B】図9Aの線9B−9Bに沿って切り取った第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管と沈殿測定管の間に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼抑制組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【図9C】図9Cの線9C−9Cに沿って切り取った第2例の実施形態に係るESR測定計器の部分の断面拡大図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、予め測定した量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸三ナトリウム溶液)を沈殿測定管内に保持するように、沈殿測定管のプランジャ部分が、中空の沈殿測定管の自由端部に取り付けたゴムプランジャ要素、及びゴムプランジャの遠位端でその端部開口を覆うゴムの脆弱膜を備えることをさらに詳細に示す。
【図10】第2例の実施形態に係るESR測定計器を使用して実行する本発明のESR測定方法に含まれる工程を示す流れ図を示す。
【図11A】採血構成内に配置され、本発明により静脈穿刺によって生きた人間から全血試料を引き抜く間に使用するヴァキュテーナ(商標)タイプの接続具に接続された状態で示す第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図11B】ESR測定計器の採血管に接続された状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、抗凝固薬(つまりK3EDTA)の試料を含む採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の下部分の断面図である。
【図11C】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で部分的に充填された採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図11D】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で完全に充填された採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図11E】全血の試料で完全に充填し、充填した採血管と空の沈殿測定管の間に集合的に液体シールを生成するゴムプランジャ、膜及びワッシャリングがある状態で示した、図11DのESR測定計器の採血管部分の拡大部分切り取り図である。
【図12A1】採血構造内に配置され、管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造の周囲から(例えば熱可塑性密封タブを破壊することによって)ロック解除した状態で示した、第2例の実施形態の使い捨てESR測定計器の斜視図である。
【図12A2】沈殿測定管の上部フランジに形成された口に挿入された空気又は流体流制限プラグの斜視図である。
【図12A3】空気又は流体流制限プラグを自身内に形成された上部開口内から外した状態の沈殿測定管の上部フランジの斜視図である。
【図13】採血構成内に配置され、採血管を凝固防止された全血の試料で部分的に充填し、管保持具兼収容器組立体を、計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外した状態で示した、第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図14A】採血構成内に配置され、採血管を凝固防止された全血の希釈試料で部分的に充填し、着脱式の管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を丁度採血管へと下方向に手動でわずかに押し込み始めた状態で示した、ESR測定計器の斜視図である。
【図14B】図14Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断する前に流体の圧力で伸張し、歪んでいるプランジャのゴムの端部にある膜を示す。
【図14C】図14Aの線14C−14Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図15A】採血構成内に配置され、着脱式管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動で押し込み、血液を強制的に採血管から沈殿測定管の中空内側容積部のほぼ半ばへ、及びそれに沿って流し、それに含まれる血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する状態で示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図15B】図15Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部に沿ってほぼ半ばまで挿入された採血管からの血液を示す。
【図15C】図15Aの線15C−15Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図16A】採血構成内に配置され、着脱式管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管の底部へと下方向に手動で押し、それによってプランジャの膜が圧力で破断し、血液が採血管から沈殿測定管の全内側容積部に流入して、それに沿って上昇し、それに含まれる血液希釈剤と混合する状態で示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図16B】図16Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部の全長に沿って挿入された採血管からの血液を示す。
【図16C】図16Aの線16C−16Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図17A】ESR測定の実行中及び実行後に、採血容器内に含まれた採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ったESR測定値を読み取る前、読み取る間、または読み取った後に、構成要素を相互にしっかりロックできるように、着脱式管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に再度設置した状態で、ESR測定構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図17B】ESR測定の実行中及び実行後に、採血容器内に含まれた採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ったESR測定値を読み取る前、読み取る間、または読み取った後に、構成要素を相互にしっかりロックできるように、着脱式管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に再度設置した状態で、ESR測定構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図18A】採血構成内に配置された状態で示した第3例の実施形態の使い捨てESR測定計器の第1斜視図であり、(i)採取後に自身に含まれた全血試料が凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)、さらに(ii)ESR試験の前に全血の試料を希釈する所定量の希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)を含む加圧採血管内で生じる液体シールを破壊しないように、空の沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図18B】図18Aの線18B−18Bに沿って切り取った第3例の実施形態の使い捨てESR測定計器の断面図であり、計器を採血構成内に配置する間に、採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【図19A】採血構成内に配置した状態で示した第4例の実施形態の使い捨てESR測定計器の第1斜視図であり、採取後に自身内に含まれた希釈していない全血試料が凝固するのを防止するために、少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)しか含まない加圧採血管内で生じる液体シールを破壊しないように、空の沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図19B】図19Aの線19B−19Bに沿って切り取った第4例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、計器をその採血構成内に配置している間に採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【技術分野】
【0001】
本発明は凝固防止された全血の試料のエリスロサイト(つまり赤血球)沈降速度(ERS)を様々な臨床設定において安全、効果的かつ安価な方法で測定するために改良された方法、及びその使い捨て試験測定計器に関する。
【背景技術】
【0002】
1894年に、ポーランドの医師エドモンド・ビエルナツキ(1866〜1912)が病人からの血液の沈降速度が上昇することに最初に注目し、この上昇は個体の血液試料中に繊維素原(フィブリノゲン)が存在するせいであることに気づいた。
【0003】
1918年には、ロビン・ファーレウス(1888〜1968)がビエルナツキの研究を進めた。血液のESRを研究しようという彼の最初の動機は、妊娠試験としてのものであったが、その関心は患者の病状のESR試験の研究へと拡大した。
【0004】
1921年には、アルフ・ウェステルグレン(1881〜1968)がESR試験の実行技術を改良し、結核患者の予後の判定における有用性を報告した。
1935年には、マクスウェルM.ウィントローブ(1901〜1986)がESR方法の変形を発表し、かつてはこの方法が広く使用された。
【0005】
1977年には、国際血液標準化委員会(ICSH)がESR試験の世界標準としてウェステルグレンの方法を採用するように勧告した。
1997年には、NCCLSが「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)と題され、参照により全体が本明細書に組み込まれたNCCLS刊行物第H2−A4号で、ESR試験に関するICSHの最も新しい勧告を発表した。また、NCCLSは最近、幾つかの他の重要な文書を刊行して、ESR試験に関する標準及びガイドラインを示している。つまり、臨床検査室の定量試験の基準値及び基準間隔を決定する標準的ガイドラインを示す「How to Define and Determine Reference Intervals in the Clinical Laboratory」と題した第C28−A2号、採血管及びヘパリン、EDTA及びクエン酸ナトリウムなどの添加物の標準的要件を示す「Evacuated Tubes and Additives for Blood Specimen Collection」と題した第H1−A4号、線引き抜き、血液培養採取、及び子供の静脈穿刺を含み、引き抜き順序の勧告も含む、静脈穿刺により診断試料を採取する標準的手順を示す「Procedures for the Collection of Diagnostic Blood Specimens by Venipuncture」と題した第H3−A4号、充填赤血球量を測定する標準的なミクロヘマトクリット法を示し、推奨材料及び潜在的なエラー発生源を扱う「Procedure for Determining Packed Cell Volume by the Microhematocrit Method」と題した第H7−A3号、試料の取り扱い及び処理に関連する複数の要素、さらに不正確さまたは体系的バイアスを結果に導入し得る要素に対応する「Procedures for the Handling and Processing of Blood Specimens」と題した第H18−A2号、及び任意の検査室設定における肝炎ウィルス及びヒト免疫不全ウィルスの伝染の危険性に関するガイダンス、検査室の計器及び材料から血液感染症の検査室感染を防止するための個々の予防策、及び血液感染の曝露を抑制する推奨方法を示す「Protection of Laboratory Workers from Instrument Biohazards and Infectious Disease Transmitted by Blood, Body Fluids and Tissue」と題したM29−Aである。これらのNCCLS文書はそれぞれ、当技術分野の知識の現状を示し、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0006】
今日、赤血球沈降速度(ESRまたは沈降速度)試験は、世界中で最も広く実行されている検査室試験の一つであり、患者の血中繊維素原レベルの上昇によって示される急性または慢性的炎症を引き起こす状態を患者が有するかを判定することによって、一般的疾病をスクリーニングするのに役立てるために使用される。ESR試験は非特異的であるが、それでも何らかの炎症性疾患の経過を辿るには非常に役立つ。
【0007】
ウェステルグレンのESR試験方法は、ESR試験の「金本位制(即ち標準)」としての基準方法であり、凝固防止された血液の希釈試料を直径2.5mmで長さが200mmの背が高く完全に垂直の管に入れ、60分(つまり1時間)経過後に重力の影響で血漿/赤血球(P/E)境界面レベルがどこまで沈降するかを[mm/時]の単位で測定することによって実行する。採取した全血試料は、K3EDTAを添加して凝固を防止し、次いで凝固防止された血液試料を、希釈剤(生理食塩水、または0.10から0.136mol/リットルの濃度のクエン酸三ナトリウムなど)1に対して4の凝固防止された全血の割合で添加し、希釈する。この試験は、炎症に伴うタンパク質、特に繊維素原が、赤血球の表面陰電荷によって生じる赤血球のゼータ電位を打ち消すのでうまく働く。赤血球のこの陰電荷は、個々の赤血球を相互から反発させる働きをし、したがって赤血球の沈殿を長引かせる。全身炎症がある場合、血中の繊維素原含有量が増加して、赤血球が凝集する傾向があり、これによって表面対体積比が減少し、沈殿速度が上昇する。
【0008】
ウィントローブのESR試験方法は、ウェステルグレンのESR方法で使用した管より短い管(100mm)を使用し、希釈剤として機能しないように、異なる凝固防止剤(つまり酸化アンモニウム及びシュウ酸カリウム)の使用量も少なくする。ウィントローブの方法は、ウェステルグレンの方法よりも穏やかな上昇に対する感度が高いが、偽のプラスの率も高くなることが一般的に認められている。これに対して、ウェステルグレンの方法の方が、上昇したレベルでの変化に対する感度がより高く、治療に対する反応を評価するためにESR試験を使用している場合、つまり巨細胞性動脈炎のような疾病でより有用である。
【0009】
手動操作原理を使用するESR試験を実行するために、様々なタイプの先行技術の装置が提案されている。以下の特許は、装置のこのような形態について記載している。つまり、米国特許第5,914,272号、米国特許第5,779,983号、米国特許第5,745,227号、米国特許第5,244,637号、米国特許第5,065,768号、米国特許第4,701,305号、米国特許第4,622,847号、米国特許第4,434,802号、米国特許第4,353,246号、米国特許第4,187,719号、米国特許第3,938,370号、米国特許第3,910,103号、米国特許第3,660,037号、米国特許第3,373,601号、英国特許出願公開第2116319A号、及び英国特許出願公開第2048836A号であり、各特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
しかし、上記の先行技術の参考文献で開示されたESR試験の計器は、一般的に満足できない方法で血液を扱い、測定の実行者及び採取した血液試料の廃棄者に対して不必要な危険を生じ、試験結果を正確に測定すべき場合は、検査室の専門家に比較的高度の技術及び器用さを有することを要求する。
【0011】
ESR試験を自動化する様々なアプローチが試みられ、特に赤血球の沈殿を追跡する電子及び光学的手段を使用し、通常は60分未満で結果を提供する。このような技術は、米国特許第5,914,272号、第5,575,977号、第5,316,729号、第4,801,428号、第4,744,056号、第4,187,462号、及び第4,041,502号で示され、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
これらの先行技術の方法及び装置は、ESR試験の時間を標準的な60分の試験時間より大幅に削減するが、このような先行技術の方法及び装置によって生成される結果は、「基準」のウェステルグレンのESR方法との良好な相関がなく、高価な機器を使用する。
【0013】
したがって、当技術分野には、先行技術の装置及び方法の短所及び欠点を回避しながら、全血の試料中の赤血球沈殿速度を測定するための改良された方法及び装置が非常に必要とされている。
【特許文献1】米国特許第5,914,272号
【特許文献2】米国特許第5,779,983号
【特許文献3】米国特許第5,745,227号
【特許文献4】米国特許第5,244,637号
【特許文献5】米国特許第5,065,768号
【特許文献6】米国特許第4,701,305号
【特許文献7】米国特許第4,622,847号
【特許文献8】米国特許第4,434,802号
【特許文献9】米国特許第4,353,246号
【特許文献10】米国特許第4,187,719号
【特許文献11】米国特許第3,938,370号
【特許文献12】米国特許第3,910,103号
【特許文献13】米国特許第3,660,037号
【特許文献14】米国特許第3,373,601号
【特許文献15】英国特許出願公開第2116319A号
【特許文献16】英国特許出願公開第2048836A号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、先行技術の装置及び方法の短所及び欠点を回避しながら、全血の試料中の赤血球沈殿速度(ESR)を測定するための改良された方法及び装置を提供することが、本発明の目的である。
【0015】
注射器様形状要素、及び単体構造を有する改良型の使い捨てESR試験測定計器の形態でこのような装置を提供することが、本発明のさらなる目的である。
採血構成及びESR測定構成を有するこのようなESR測定計器を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
採血構成の最中に、血液希釈剤(希釈剤)を含む空気又は流体密封の沈殿測定管を凝固防止剤(つまり抗凝固薬)を含む真空密封の採血管に結合させ、このような密封管が単体組立体として相互に対して静止状態で固定されるこのようなESR測定計器を提供することが、本発明の別の目的である。ESR測定計器は採血構成中に配置されるが、次いでルアー(登録商標)タイプの接続具を真空密封の採血管に接続し、患者からの全血試料を引き抜き、ESR測定計器の採血管に注入する。
【0017】
凝固防止された血液試料を密封した採血容器内に採取し、ルアー(登録商標)タイプの接続具をそこから切り離した後、沈殿測定管の空気密封を破壊し、次いでESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、沈殿測定管を手動で採血管の底部に填め込む、このようなESR測定計器を提供することが、本発明の別の目的である。これによって、2本の管の間の液体密封が破壊され、凝固防止した採血試料が、沈殿測定管に含まれる生理的(0.145mol/L;8.5g/L;”0.85%)NaCl溶液に混合し、その結果、その有意の部分を希釈した血液試料で充填し、希釈した凝固防止血液試料の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、ESR測定計器を重力的に垂直な姿勢に配向されている所定の試験期間(例えば60分)の間に、採血管に向かって測定可能な距離だけ下方向に沈殿する。このESR測定計器を使用し、60分の試験期間中に沈殿測定管の目盛りマークに対してP/E境界面レベルが移動する距離を測定することによって、採取した血液試料のESRを求めることができる。
【0018】
本発明の別の目的は、採血管が(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取る、所定の内径の中空の内部円筒容積部と、(ii)一対の低起伏フランジとを有し、これは組立中に採血管の低起伏フランジと外端部分にスナップ嵌めされる薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分があり、針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、採血管の外端表面の周囲に突出し、さらに、(iii)沈殿測定管を親指で採血管に押し込む人の指と嵌合するために、反対端で採血管の外端から突出する大環状フランジを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、沈殿測定管が、(i)所定の直径で、採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、(iii)閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有するゴムプランジャを保持するために、沈殿測定管の反対端から突出し、沈殿測定管の自由端上で摺動し、自身から突出するフランジと嵌合する外壁表面を有する複数の低起伏プランジャの把持フランジとを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、沈殿測定管が、ESR測定計器をそのESR測定構成へと再配置する場合に、沈殿測定管を採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、ゴムプランジャとは反対の端部で外端から突出する大環状フランジを有する、このようなESR測定計器を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、沈殿測定管からの血液希釈剤の流れを制限又は閉塞するように、沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、このようなESR測定計器を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、ゴムプランジャの前に沈殿測定管の端部に取り付ける、このようなESR測定計器を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管の上部分に挿入されている沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、真空で密封した採血管に少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)を含みながら、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、このようなESR測定管を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、注射器様形状要素の単体となる構造を有するESR測定計器を使用する新規のESR測定方法を提供することである。
本発明の別の目的は、採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入し、採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)を含む沈殿測定管と一体化された、このようなESR測定方法を提供することであり、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される。
【0025】
本発明の別の目的は、全血試料を真空圧で患者の体内から引き抜き、血液試料を針に通して採血管内に採取する、このようなESR測定方法を提供することであり、採取した全血試料は、採血管内で所定量の抗凝固薬と混合する。
【0026】
本発明の別の目的は、針を採血器具から引き出し、次いで沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する、このようなESR測定方法を提供することである。
本発明の別の目的は、沈殿測定管と採血管との間の液体シールが、沈殿測定管を採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって破壊され、それによって凝固防止された血液試料が沈殿測定管の有意の部分を充填し、所定量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する、このようなESR測定方法を提供することであり、これによって(赤血球沈殿物の)P/E境界面は、所定の期間中にESR計器を重力垂直方向にて支持している場合、所定の期間にわたって採血管に向かって沈殿でき、したがって採取した血液試料の赤血球沈降速度(ESR)は、所定の期間中に沈殿測定管の目盛りマークに対してP/E境界面レベルが移動する距離を求めることにより測定できる。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器を提供することであり、空の沈殿測定管を、抗血液凝固剤(つまり抗体凝固薬)と血液希釈剤(つまり希釈剤)の両方を含む真空密封の採血管に結合し、したがって採血作業中にこのような密封管が単体組立体として相互に対して静止状態にて固定されるが、ESR測定計器を手動でそのESR測定構成内に構成すると、相互に相互結合され、流体連通する状態で配置される。本発明のこの実施形態は、血液試料の希釈を使用するウェステルグレンのESR方法を実践するために最も適している。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器を提供することであり、空の沈殿測定管を、抗血液凝固剤(つまり抗凝固薬)のみ含む真空密封の採血管に結合し、したがってこのような密封管は、採血作業中に単体組立体として相互に対して静止状態で固定されるが、ESR測定計器を手動でそのESR測定構成内に構成すると、相互に相互結合され、流体連通する状態で配置される。本発明のこの実施形態は、血液試料の希釈を使用しないウィントローブのESR方法を実践するために最も適している。
【0029】
本発明の以上及び他の目的は、以下及び発明の請求の範囲で明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面に関して詳細に説明し、ここでは図面全体で図示された同様の構造及び要素は、同様の参照番号で示す。
以下で述べる詳細な説明は、本発明のESR測定計器の2つの例の実施形態の詳細な仕様を開示する。概して、これらのESR測定計器は、携帯用かつ使い捨ての性質であり、例えば医者のオフィス、研究所、病院、診療所、戦場などのような多様な環境で精密なESR測定を迅速に実施するように設計される。
【0031】
[本発明のESR測定計器の第1例の実施形態]図1Cから図1Fで示すように、第1例の実施形態1のESR測定計器は、各構成要素、即ち、採血管2と、沈殿測定管9と、大環状フランジ17と、流体流制限プラグ18と、ゴムワッシャ19と、所定量の血液希釈剤20と、所定量の抗凝固薬21と、管保持具兼制限組立体22とから構成される組立体を備える。
【0032】
採血管2は、(i)採血作業中に人間の全血の試料を受け取る所定の内径で円筒形の中空内側容積部3と、(ii)ゴムの針で穿孔可能なキャップ5を把持するために、採血管の外部端面の周囲に突出する一対の低起伏フランジ4であって、キャップ5は、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6を有しており、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6は組立中に低起伏フランジ4及び採血管の外部端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジ4と、(iii)沈殿測定管9を親指で採血管2に押し込む人の指と係合するために、反対端で採血管の外部端部から突出する大環状フランジ8と、を有する。
【0033】
沈殿測定管9は、(i)所定の直径の中空中心孔10と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すためにその外面に沿って形成される一連の目盛りマーク11と、(iii)沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジ12とを備えており、当該把持フランジ12はゴムプランジャ13を保持し、ゴムプランジャ13は閉じた端部が薄い破断可能な壁膜15によって境界を区切られた中空内側容積部14を有し、沈殿測定管の自由端部上で摺動し、且つ当該沈殿測定管から突出するフランジ12と係合する外壁表面16を有する。
【0034】
大環状フランジ17は、(iv)図3Aから図6Fで示すように、ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する場合に、沈殿測定管9を採血管に押し込む人の親指と係合するために、ゴムプランジャ13とは反対側の端部で沈殿測定管の外端から突出する。
【0035】
空気又は流体流制限プラグ18は、図1Bから図1Fで示すように、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、周囲環境から中空中心孔10の内部への空気の流れ、及び沈殿測定管からの血液希釈剤20の流出を抑制または閉塞するように、沈殿測定管9の上端部分に挿入可能である。
【0036】
ゴムワッシャ19は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するように、沈殿測定管の端部にゴムプランジャ13を取り付ける前に、プランジャの前記把持フランジ12上で摺動可能である。
【0037】
所定量の血液希釈剤20は、例えば生理的NaCl溶液又はクエン酸ナトリウム溶液であり、この血液希釈剤20は、空気又は流体流制限プラグ18を中心孔10に挿入した後であるが、ゴムプランジャ13を沈殿測定管9の他方端にスナップ嵌めする前に沈殿測定管9に挿入される。
【0038】
所定量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)21は、ゴムの針で穿孔可能なプランジャ(キャップ)5を採血管2の他方端にスナップ嵌めした後であるが、沈殿測定管組立体のプランジャ端部を採血管2の開放端部分に挿入する前に採血管2に挿入される。
【0039】
管保持具兼制限組立体22は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、少量の抗凝固薬が真空密封された採血管に含まれている間に、沈殿測定管のプランジャ部分13を採血管2の上部分内で保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持する。
【0040】
図1Bから図1Fでは、採血構成内に配置された本発明のESR測定計器が図示されている。通常、計器は梱包されて、製造業者から最終使用者(例えば医師、病院、診療所など)へと輸送している場合に、この組み立てた状態で配置される。この配置で、沈殿測定管9のプランジャ部分13を採血管2の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体22によって採血管2に対して静止位置に保持する。真空密封された採血管2内に含まれる少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)が、含まれる全血試料の採取後の凝固を防止する。図1Cの断面図で示すように、管保持具兼制限組立体22の主要な機能は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、沈殿測定管と採血管との間の相対的運動を防止することである。図示のように、ゴムのワッシャ19を、採血管2の上部分に形成した環状凹部23内で受け、これは環状フランジ8が採血管の外壁から突出する面のわずかに下である。ワッシャ19の機能は、沈殿測定管9の端部分と採血管2の壁との間に改良された液体シールを生成することである。
【0041】
図1Eで示すように、破断可能な膜15がプランジャ構造13と一体形成されて、沈殿測定管9の端部開口を覆い、したがって採血管の上部分を完全に閉鎖し、計器の組立プロセス中に当技術分野でよく知られている方法で採血管を所定の範囲まで排出できるようにする。図示のように、抗凝固薬20が、空気又は流体流制限プラグ18とゴムプランジャ13の破断可能な膜15との間で沈殿測定管9の中空内側容積部内に含まれる。特に、図3A、図3B、図3C及び図3Dで示すように、採血装置25を採血管と被験者の間に接続した場合に、被験者から全血の所定の試料(例えば1.0mlまたは0.5ml)を自動的に引き抜くのは、採血管2の中のこの真空である。
【0042】
図1Bで示すように管保持具兼制限組立体22は、採血構成中にフランジ17を解放自在に囲む第1部分22Aと、採血構成中にフランジ8を解放自在に囲む第2部分22Bと、採血構成中に沈殿測定管9を解放自在に囲む第3部分22Cと、ESR測定構成中、及びその後の処分中に常にフランジ8を永久的に囲む第3部分22Dとを有する。沈殿測定管9と採血管2との相対的運動を防止することによって、管保持具兼制限組立体22は、全血試料の引き抜き前または引き抜き中に加圧採血管2内に生成される液体真空シールの破壊または破断を防止する。これによって、採取した全血試料が、図5Cから図6Fで示すようにESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する前に凝固しないことが保証され、これは、図6Dから図6Fで示すように、管保持具兼制限組立体2を外し、採血管2の底部へと沈殿測定管9を手動で押すことによって遂行される。
【0043】
例の実施形態では、沈殿測定管9、採血管2及び空気又は流体流制限プラグ18を、プラスチックの採血管などの製造に現在使用されている高品質の医療用プラスチックを使用して射出成形できる。ゴムキャップ5、ゴムプランジャ13及びワッシャシール19は、当技術分野でよく知られている方法で医療用ゴム材料から作成できる。
【0044】
図2を参照し、次に本発明によるESR測定方法を実施する際に含まれる工程について詳細に説明する。
図2のブロックAで示すようにESR測定方法の第1工程は、図3Bで示すように、採血管のゴムキャップ5を通してルアー(登録商標)ロックタイプの採血装置25の針26を挿入することを含む。この接続装置は、沈殿測定管9及び採血管2の周囲に設置された状態で維持される管保持具兼制限組立体22と共にあり、空気又は流体流制限プラグ18は、沈殿測定管の上部開口17A内に挿入されたままである。この方法の前記工程の間に使用する採血装置は通常、一方端がルアー(登録商標)ロック接続具25Aに接続され、他方が皮下注射針28で終了する可撓性管27の区間を含む。皮下注射針は、被験者から安全に血液を引き抜くのに適切でなければならない。1つまたは複数の医療用接続具を、当技術分野でよく知られている方法で、採血管2と皮下注射針28の間に並べて挿入できる。皮下注射針が被験者の皮膚を穿孔したら、採血管2内の負圧が、人間の全血40の所定試料を自動的に引き抜き、これは管を通って流れ、採血容器を充填する。
【0045】
図2のブロックBで示すように、この血液引き抜き作業中に、採血管2に入る血液40は採血管2内のある量の抗凝固薬21と混合し、採血管内における血液試料の凝固を防止する。
【0046】
図2のブロックCで示すように、採血管2が、図3D及び図3Eで示すような計器の組立時に生成される真空によって所定の容積(例えば1ml)まで充填されるにつれ、被験者からの血液は採血測定管2への流入を停止し、これで針28を被験者から外して、ルアー(登録商標)ロック接続具25Aを採血管から引き抜き、外すことができる。
【0047】
図2のブロックDで示すようにESR測定方法の次の工程は、管保持具兼制限組立体22を、図4Aから図5Bで示すような沈殿測定兼採血管から外すことを含む。これは、頂部フランジカバー部分22A、フランジカバー部分22Bの端部分に形成された可撓性シール部30を手動で破壊し、次にカバー部分22A1、22A2及び22B1、22B2をその個々の蝶番部22A2及び22B3の周囲で開放し、したがってカバー部分22A1、22A2及び22B1、22B2を上部及び底部フランジ17及び8それぞれから外して、カバー幹部分22Cを沈殿測定管9からし、組立体を計器から外せるようにして遂行される。特に、フランジカバー部分22Dは、幹部分22Cと上部カバー部分22B1、22B2の間に配置される。保持具兼制限組立体22が図5Bで示すように外されると、計器をそのESR測定構成へと再配置する準備が整う。そのために、使用者(例えば試験者または臨床医)は図5D1及び図5D2で示すように、空気又は流体流制限プラグ18を沈殿測定管9の上部開口から手動で外す。空気又は流体流制限プラグ18を外すと、周囲の空気が沈殿測定管9の内側容積部へと流入でき、したがってその圧力を周囲環境の空気圧と等しくできる。例の実施形態では、ESR測定構成中に中空内側容積部10に沿って上昇し、これを占有すると、血液がESR測定計器の沈殿測定管部分から漏れることができないように、空気透過性で血液不透過性材37を沈殿測定管の中空内側容積部の最初の2.54cm(1インチ)程度以内で、上部開口17aから丁度1.27cm(1/2インチ)程度まで挿入する。
【0048】
図2のブロックEで示すように、ESR測定方法は、使用者(例えば試験者または臨床医)が従来の注射器を扱う場合のように、使用者の人差し指と中指の間に下部フランジ8を位置決めし、使用者の親指を頂部(つまり上部)フランジ17上に位置決めした状態で、ESR測定計器を手で把持することを含む。この計器取り扱い構成では、使用者が親指を使用して、図5Eから図6Fで示すように従来の注射器から液体を絞り出すのと丁度同じように、沈殿測定管9を採血管2に押し込む。この動作によって、破断可能な膜15が破断し、採血管中の凝固防止された血液40’の試料が沈殿測定管9の中空内側容積部10へと強制的に突入して、そこに含まれる血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と混合する。膜15が、採血管2に押し込まれたゴムプランジャ13に応答して破断するプロセスを、図5Hに概略的に示す。図示のように、このプロセス中に、下方向の圧力の増加とともに表面下の静水圧が上昇するにつれて、膜15は、膜材料が破損して破断する時点まで、ゴムプランジャ構成要素の壁部分の全体的な構造的完全性を妥協することなく伸張する。沈殿測定管9を採血管2に押し込むと、その中の血液試料の圧力が上昇し、これによって血液試料40’が破断した膜15’を通って沈殿測定管の中空内側容積部に沿って流れ、希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する。それと同時に、プランジャ13及びガスケット19のゴム壁が高品質の液体シールを生成し、これは採血管2の中空内側容積部と流体連通して配置された沈殿測定管9の中空内側容積部10によって生成された含有容積部40”の組み合わせからいかなる量の採血試料40’も漏れるのを防止する。
【0049】
その後、組立体22のカバー部分22D及び22B1、22B2を、図7A及び図7Bで示すように、頂部及び底部フランジ17及び8それぞれに再度取り付けて、次にカバー部分を図7Cで示すようにスナップ留めして永久的に閉鎖する。この最終状態の構成では、ESR測定計器に含まれた凝固防止血液試料の全体を血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と完全に混合して、希釈して凝固防止された全血の試料を生成する(つまり、配合によると、凝固防止された全血が4で希釈剤が1の割合で混合する)。それと同時に、希釈した全血試料を、ロックしたESR試験計器内に安全に密封する(つまり閉じ込める)。本発明によるESR測定を実施するには、ESR測定計器を垂直方向に直立して位置決めし、例えば約60分の期間、気泡があるうちに(例えばテーブル、実験室のベンチ、または他の安定した表面上に配置される)、支持口を有する台に挿入し、したがって血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、通常通り重力に応答して60分の試験期間中に垂直に支持された沈殿測定管に沿って沈殿する(つまり落下する)ことができる。この試験期間の最後に、血漿/赤血球(P/E)境界面が60分後に重力の影響でどこまで沈降したかをミリメートル単位で測定する、つまり沈殿測定管の縦に沿って形成された校正済み目盛り11に対して[mm/時]単位で測定することによって、正確なESR測定値を読み取ることができる。
【0050】
ESR測定を実施し、患者の医療記録に記録した後、ロックしたESR測定計器を政府の規則及び/または安全基準に従って医療廃棄物として廃棄できる。
本発明のESR測定方法の間、採血試料は常に計器内に含まれるので、本発明のESR測定計器を使用してESR試験測定を実施する技術者には、危険があるとしても小さい。また、計器は基本的にロックされているので、漏れまたは環境汚染の危険性も実質的に最小限である。
【0051】
[本発明のESR測定計器の第2例の実施形態]図8から図17Bで示すように、第2例の実施形態の使い捨てESR試験測定計器は、第1例の実施形態の試験計器の基本的に同じ構成要素の組立体を備える。即ち、採血管2と、沈殿測定管9’と、流体流制限プラグ18と、ゴムワッシャ19と、所定量の血液希釈剤20と、所定量の抗凝固薬21と、から構成される組立体を備える。
【0052】
採血管2は、(i)採血作業中に人間の全血の試料を受け取る所定の内径の中空内部円筒形容積部と、(ii)ゴムの針で穿孔可能なキャップ5を把持するために、採血管の外部端面の周囲に突出する一対の低起伏フランジ4であって、このキャップ5は、厚い自己密封端部分6及びそれより薄い壁部分7を有しており、薄い壁部分7及び厚い自己密封端部分6は組立中に低起伏フランジ4及び採血管の外部端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジ4と、(iii)沈殿測定管9’を親指で採血管2に押し込む人の指と係合するために、反対端で採血管の外部端部から突出する大環状フランジ8と、を有する。
【0053】
沈殿測定管9’は、(i)所定の直径の中空中心孔10と、(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すためにその外面に沿って形成される一連の目盛りマーク11と、(iii)沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジ12であって、当該把持フランジ12はゴムプランジャ13を保持し、当該ゴムプランジャ13は閉じた端部が薄い破断可能な壁膜15によって境界を区切られた中空内側容積部14を有し、ESR測定管の自由端部上で摺動し、且つそこから突出するフランジ12と係合する外部壁表面16を有する、低起伏プランジャの把持フランジ12と、(iv)図12A1から図17Bで示すように、ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置する場合に、沈殿測定管9を採血管に押し込む人の親指と係合するために、ゴムプランジャ13とは反対側の端部で沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジ17、及び(v)一対の隔置された凹部流路50A及び50Bであって、管保持及び制限に使用するために、沈殿測定管9’の表面に与えられる、一対の隔置された凹部流路50A及び50Bとを有する。
【0054】
空気又は流体流制限プラグ18は、ESR測定管9の上端部分に挿入可能であり、図1Bから図1Fで示すように、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、周囲環境及び中空中心孔10の内部からの空気の流れを抑制または閉塞する。
【0055】
ゴムワッシャ19は、沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するように、沈殿測定管の端部にゴムプランジャ13を取り付ける前に、プランジャの把持フランジ12上で摺動可能である。
【0056】
所定量の血液希釈剤20は、例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液であり、この血液希釈剤20は、空気又は流体流制限プラグ18を中心孔10に挿入した後であるが、ゴムプランジャ13を沈殿測定管9’の他方端にスナップ嵌めする前に沈殿測定管9’に挿入される。
【0057】
所定量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)は、ゴムの針で穿孔可能なプランジャ5を採血管2の他方端にスナップ嵌めした後であるが、ESR測定管組立体のプランジャ端部を採血管2の開放端部分に挿入する前に採血管2に挿入される。
【0058】
しかし、この第2例の実施形態では、その管保持具兼制限組立体45が、第1例の実施形態で使用した管保持具兼測定(制限)組立体22より明らかに単純な構造で実現される。この管保持具兼制限組立体45について、以下で詳細に説明する。
【0059】
図9Aから図11Eでは、採血構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器が図示されている。通常、計器は梱包されて、製造業者から最終使用者(例えば医師、病院、診療所など)へと輸送している場合に、この組み立てた状態で配置される。この配置で、沈殿測定管9’のプランジャ部分13を採血管2の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体45によって採血管2に対して静止位置に保持する。真空密封された採血管内に含まれる少量の抗凝固薬(例えばK3EDTA)が、含まれる全血試料の採取後の凝固を防止する。図9Bの断面図で示すように、管保持具兼制限組立体45の主要な機能は、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、ESR測定管と採血管との間の相対的運動を防止することである。図示のように、ゴムワッシャ19を、採血管2の上部分に形成した環状凹部23内で受け、これは環状フランジ8が採血管2の外壁から突出する面のわずかに下である。ゴムプランジャ19の機能は、沈殿測定管9’の端部分と採血管2の壁との間に液体シールを生成することである。
【0060】
図9Cで示すように、破断可能な膜15がプランジャ構造13と一体形成されて、沈殿測定管9’の端部開口を覆い、したがって採血管の上部分を完全に閉鎖し、計器の組立プロセス中に当技術分野でよく知られている方法で採血管を所定の範囲まで排出できるようにする。図示のように、抗凝固薬(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20が、空気又は流体流制限プラグ18とゴムプランジャ13の破断可能な膜15との間で沈殿測定管9’の中空内側容積部内に含まれる。特に、図11A、図11B、図11C及び図11Dで示すように、採血装置25を採血管と被験者の間に接続した場合に、被験者から凝固防止された全血の希釈されていない試料(例えば1.0mlまたは0.5ml)を自動的に引き抜くのは、採血管の中のこの真空である。沈殿測定管9’と採血管2との相対的運動を防止することによって、管保持具兼制限組立体45は、全血試料の引き抜き前または引き抜き中に加圧採血管2内に生成される液体真空シールの破壊または破断を防止する。これによって、採取した全血試料が、図12A1から図17Bで示すようにESR計器をそのESR測定構成内に再配置する前に凝固しないことが保証され、これは、図13から図16Bで示すように、管保持具兼制限組立体45を外し、採血管2の底部へと沈殿測定管9を手動で押すことによって遂行される。
【0061】
この例の実施形態では、沈殿測定管、採血管及び空気又は流体流制限プラグを、プラスチックの採血管などの製造に現在使用されている高品質の医療用プラスチックを使用して射出成形できる。ゴムキャップ5、ゴムプランジャ13及びワッシャシール19は、当技術分野でよく知られている方法で医療用ゴムから作成できる。
【0062】
図10のブロックA及びBを参照し、次に本発明によるESR測定方法を実施する際に含まれる工程について、第2例の実施形態に係るESR試験測定計器を使用して詳細に説明する。
【0063】
図10のブロックAで示すように、ESR測定方法の第1工程は、図11Aで示すように、採血管のゴムキャップ5を通してルアー(登録商標)ロックタイプの採血装置25の針を挿入することを含む。この接続装置は、沈殿測定及び採血管の周囲に設置された状態で維持される管保持具兼制限組立体とともにあり、空気又は流体流制限プラグ19は、沈殿測定管9’の上部開口17A内に挿入されたままである。この方法の前記工程の間に使用する採血装置は通常、一方端がルアー(登録商標)ロック接続具に接続され、他方が皮下注射針28で終了する可撓性管27の区間を含む。皮下注射針は、被験者から安全に血液を引き抜くのに適切でなければならない。1つまたは複数の医療用接続具を、当技術分野でよく知られている方法で、採血管と皮下注射針の間に並べて挿入できる。皮下注射針が被験者の皮膚を穿孔したら、採血管2内の負圧が、人間の全血40の所定試料を自動的に引き抜き、これは管27を通って流れ、採血容器2を充填する。
【0064】
図10のブロックBで示すように、この血液引き抜き作業中に、採血管2に入る血液40は採血管内のある量の抗凝固薬と混合し、採血管内における血液試料の凝固を防止する。
【0065】
図10のブロックCで示すように、採血管が、図11D及び図11Eで示すような計器の組立時に生成される真空によって所定の容積(例えば1ml)まで充填されるにつれ、被験者からの全血は採血測定管2への流入を停止し、これで針28を被験者から外して、ルアー(登録商標)ロック接続具25Aを採血管2から引き抜き、外すことができる。
【0066】
図10のブロックDで示すようにESR測定方法の次の工程は、管保持具兼制限組立体45を図12A1で示すような沈殿測定及び採血管から外すことを含む。これは、フランジカバー部分45、45の端部分に形成された可撓性シール部47を手動で破壊し、次にカバー部分をその蝶番部46の周囲で開放し、したがって組立体45をESR測定計器に伴うフランジ8の周囲から外して遂行される。保持具兼制限組立体45が図13で示すように外されると、ESR測定計器をそのESR測定構成へと再配置する準備が整う。そのために、使用者(例えば試験者または臨床医)は図12A2及び図12A3で示すように、空気又は流体流制限プラグ18を沈殿測定管9’の上部開口から手動で外す。空気又は流体流制限プラグ18を外すと、周囲の空気が沈殿測定管9’の内側容積部10へと流入でき、したがってその圧力を周囲環境の空気圧と等しくできる。この例の実施形態では、ESR測定構成中に中空内側容積部10に沿って上昇し、これを占有すると、凝固防止された血液試料が血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合して、ESR測定計器の沈殿測定管部分から漏れることができないように、空気透過性で血液不透過性材37を沈殿測定管の中空内側容積部の最初の2.54cm(1インチ)程度以内で、上部開口17Aから丁度1.27cm(1/2インチ)程度まで挿入する。
【0067】
図10のブロックEで示すように、ESR測定方法は、使用者(例えば試験者または臨床医)が従来の注射器を扱う場合のように、使用者の人差し指と中指の間に下部フランジ8を位置決めし、使用者の親指を頂部(つまり上部)フランジ17上に位置決めした状態で、ESR測定計器を手で把持することを含む。この計器取り扱い構成では、使用者が親指を使用して、図13から図15Bで示すように従来の注射器から液体を絞り出すのと丁度同じように、沈殿測定管9’を採血管2に押し込む。この動作によって、破断可能な膜15が破断し、採血管2中の凝固防止された血液40の試料が沈殿測定管9’の中空内側容積部へと強制的に突入して、そこに含まれる血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する。膜15が、採血管2に押し込まれたゴムプランジャ13に応答して破断するプロセスを、図14Cに概略的に示す。図示のように、このプロセス中に、下方向の圧力の増加とともに表面下の静水圧が上昇するにつれて、膜15は、膜材料が破損して破断する時点まで、ゴムプランジャ構成要素の側壁部分の全体的な構造的完全性を妥協することなく伸張する。沈殿測定管9’を採血管に押し込むと、その中の血液試料の圧力が上昇し、これによって凝固防止された血液試料が破断した膜15を通って沈殿測定管の中空内側容積部に沿って流れる。それと同時に、プランジャ15及びガスケット19のゴム壁が高品質の液体シールを生成し、これは採血管の中空内側容積部と流体連通して配置された沈殿測定管の中空内側容積部によって生成された含有容積部の組み合わせからいかなる量の採血試料も漏れるのを防止する。
【0068】
その後、カバー部分45及び45を、図17Aで示すように、底部フランジ8に再度取り付けて、次にカバー部分を図17Bで示すようにスナップ留めして永久的に閉鎖する。図示のように再度取り付けると、カバー部分45A、45Bの部分45Dは、沈殿測定管9’上に形成された凹部50Bにぴったり填り、沈殿測定管9’を採血管2内にしっかりロックする。この最終状態の構成では、ESR測定計器に含まれた凝固防止血液試料の全体を、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)20と完全に混合して、血液の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、垂直に支持された沈殿測定管中で重力の影響により沈殿し始める。それと同時に、希釈し凝固防止された全血試料を、ロックした計器内に安全に密封する(つまり閉じ込める)。ウェステルグレンなどの方法によるESR測定を実施するには、ESR測定計器を直立状態で位置決めし、例えば約60分の期間、気泡があるうちに(例えばテーブル、実験室のベンチ、または他の安定した表面上に配置される)、支持口を有する完全に垂直な台に挿入する。この試験期間の最後に、血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分後に重力の影響でどこまで沈殿したかをミリメートル単位で測定する、つまり沈殿測定管の縦に沿って形成された校正済み目盛り11に対して[mm/時]単位で測定することによって、正確なESR測定値を読み取ることができる。
【0069】
沈殿測定管に沿った校正済み目盛り11に対して(つまりP/E境界面レベルの位置を読み取ることによって)ESR測定を実施し、患者の医療記録に記録した後、ロックしたESR測定計器を政府の規則及び/または安全基準に従って医療廃棄物として安全に廃棄できる。
【0070】
本発明のESR測定方法の間、採血試料は常に計器内に含まれるので、本発明のESR測定計器を使用してESR測定を実施する技術者には、危険があるとしても小さい。また、計器は基本的にロックされているので、漏れまたは環境汚染の危険性も実質的に最小限である。
【0071】
[本発明のESR測定計器の第3例の実施形態]図18A及び図18Bには、採血構成内に配置された第3例の実施形態に係るESR試験測定計器が図示されている。この例の実施形態では、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止した位置で保持し、図12A1から図17Bで示した第2例の実施形態と全く同じ方法で構築し、組み立てる。しかし、この代替ESR測定計器の設計では、ここで使用する加圧した採血管は、(i)自身内に含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)と、(ii)ESR試験前に全血の試料を希釈する血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)の容積部との両方を含む。このESR測定計器は、上述したウェステルグレンまたは同様のESR方法を実施するために使用することが好ましく、凝固防止された全血の採取試料の希釈は、ESR測定の前に実行する。
【0072】
[本発明のESR測定計器の第4例の実施形態]図19A及び図19Bには、採血構成内に配置された第4例の実施形態に係るESR試験測定計器の第1斜視図が図示されている。この例の実施形態では、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止した位置で保持し、第2例の実施形態と全く同じ方法で構築し、組み立てる。これを図12A1から図17Bで図示する。しかし、この代替ESR測定計器の設計において、ここで使用する加圧した採血管は、自身内に含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)しか含まず、空気又は流体流密封沈殿測定管は、ESR試験前に全血の試料を希釈するためのいかなる量の血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)をも含まない。このESR測定計器は、ウェステルグレンのESR方法とは異なり、凝固防止された全血の採取試料の希釈をESR測定の前に実行しないウィントローブまたは同様のESR方法で実施するために使用することが好ましい。
【0073】
[計器の設計及び実施の考慮事項]上述した本発明のESR試験測定計器の例の実施形態のいずれかを設計し、実施する場合、採血管及び沈殿測定管の実際の物理的寸法は、幾つかの要素に依存することが理解され、それは、(1)ESR試験中に計器で採取し、処理すべき全血試料の実際の量、及び(2)ESR測定計器を使用して実施すべきESR試験方法(例えばウェステルグレン、ウィントローブなど)の特定のタイプ及び変形である。
【0074】
(例えば成人患者の場合のように)多量の全血試料を採取できる用途では、採血管は、標準的容積(例えば1.0ml)の採取した全血及び微量のK3EDTA抗凝固薬を含むように設計でき、沈殿測定管は、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)に加えて、この同じ量の凝固防止された血液を含み、血液希釈剤が1で凝固防止された血液を4という標準的割合で混合するように設計できる。使い捨てESR試験測定計器の設計の最終的形状要素は、わずかに細長い注射器様計器に類似していることが好ましい。最終的なESR測定計器の設計は、上記の「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)(NCCLA刊行物第H2A4)と題した文書でNCCLSが発表したように、標準的なウェステルグレンのESR試験方法及び装置キットと照らし合わせて校正しなければならない。
【0075】
(例えば幼児及び小児の場合のように)少量の全血試料しか採取できない用途では、採血管は、これより少量(例えば0.5ml)の採取した全血、及び微量のK3EDTA抗凝固薬を含むように設計でき、沈殿測定管は、血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)に加えて、この同じ量の凝固防止された血液を含み、血液希釈剤が1で凝固防止された血液を4という標準的割合で混合するように設計できる。使い捨てESR試験測定計器構成の最終的形状要素は、わずかに細長い注射器様計器に類似していることが好ましい。最終的なESR測定計器の設計は、上記の「Reference and Selected Procedure For The Erythrocyte Sedimentation Rate (ESR) Test; Approved Standard」(第4版)で発表されたように、標準的なウェステルグレンのESR試験方法及び装置キットと照らし合わせて校正しなければならず、したがって本発明のESR試験測定計器からの試験結果は、標準的なウェステルグレンのESR試験方法から取得された試験結果と強力な相関関係を有する。
【0076】
[想起される改造]以上で開示した使い捨てESR試験測定計器の各実施形態は、破断可能な膜を有するゴムプランジャ要素を使用しているが、本発明の他の実施形態では、破断可能な膜を、破裂タイプのプラグまたは要素を使用して実現できることが理解され、これは、十分な血液試料の圧力に応答して破裂し、計器がそのESR測定構成内に配置されると、血液試料が沈殿測定管を充填できるようにする。この破裂タイプのプラグまたは要素は、ESR試験測定を妨害しないように、ゴムプランジャの壁に蝶番接続することが好ましい。本発明の全体的精神に従い、計器の沈殿測定管の中空内側容積部と採血管の中空内側容積部との間に配置されたこの感圧性血流弁構造を生成するために、他の方法及び手段を使用できることが明白である。
【0077】
例の実施形態に係るESR計器は、当業者にとって容易に明白になり、本明細書で開示した新規の教示の利点を有する様々な方法で改造できることが理解される。例の実施形態のこのような全ての改造及び変形は、請求の範囲によって定義された本発明の範囲及び精神に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】本発明の携帯用で使い捨てのESR測定計器の組立分解図であり、少量の抗凝固薬(例えばEDTAまたはクエン酸塩)を沈殿測定管の内側容積部に注入した後に、ゴムガスケットリングとゴムプランジャ要素が沈殿測定管の端部に取り付けられ、ゴムキャップが採血管の遠位端部に取り付けられ、その後に採血管を予め測定した量の抗凝固薬で充填してから、ESR測定計器の組立中に真空状態で組立済み沈殿測定管のプランジャ端部を挿入することを示す。
【図1B】採血構成内に配置された状態で示す第1例の実施形態の携帯用かつ使い捨てのESR測定計器の第1斜視図であり、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、採血作業中に加圧した採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、着脱式管保持部兼抑制組立体によって採血管に対して静止位置に維持する。
【図1C】図1Bで示すように採血構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の第2斜視図であり、沈殿測定管の上部開口に挿入した空気又は流体流制限プラグが、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲む沈殿測定管保持具兼抑制組立体の上部カバー部分内に形成された口を通って延在できる。
【図1D】図1Cの線1D−1Dに沿って切り取った第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、沈殿測定管のプランジャ部分は、採血管の上部分に挿入されて、管保持具兼抑制組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持され、沈殿測定管の上部開口に挿入した空気又は流体流制限プラグは、管保持具兼抑制組立体の上部カバー部分内に形成した口を通って延在でき、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管内に生成された液体シールを破損しないように、上部カバー部分は、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲み、下部カバー部分は、採血管の上部分から突出するフランジを囲む。
【図1E】図1Bの線1E−1Eに沿って切り取った第1例の実施形態に係るESR測定計器の部分の断面拡大図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、予め測定した量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸三ナトリウム溶液)を沈殿測定管内に保持するように、沈殿測定管のプランジャ部分が、中空の沈殿測定管の自由端部に取り付けたゴムプランジャ要素、及びゴムプランジャの遠位端でその端部開口を覆うゴムの脆弱膜を備えることをさらに詳細に示す。
【図1F】ESR計器をその採血構成内に配置する間の沈殿管の斜視図であり、沈殿測定管の長さに沿った目盛りマークを示す。
【図2】第1例の実施形態に係るESR測定計器を使用して実行する本発明のESR測定方法に含まれる工程を示す流れ図を示す。
【図3A】本発明の方法により静脈穿刺によって生きた人間から全血試料を引き抜くために、採血構成内に配置され、ヴァキュテーナ(商標)タイプの接続具に接続された状態で示す第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図3B】ESR測定計器の採血管に接続された状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び密封した採血管内に提供した予め測定した真空によって採血管に自動的に引き込まれている全血の試料がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の下部分の断面図である。
【図3C】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で部分的に充填された採血管がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図3D】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムキャップを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で完全に充填された採血管がある第1例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図3E】全血の試料で完全に充填した状態で示し、充填した採血管と希釈剤の間に集合的に液体シールを生成するゴムプランジャ、膜及びワッシャリングがあり、沈殿測定管を含む第1例の実施形態に係るESR測定計器の採血管部分の拡大部分切り取り図である。
【図4A】管保持具兼保持器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管の周囲にロックした状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図4B1】管保持具兼制限組立体の頂部カバー部分に設けられ、沈殿測定管の上部分から突出するフランジを囲むロックシール機構を示す図である。
【図4B2】着脱式の管保持具兼制限組立体の上部カバー部分に配置され、沈殿測定管の上部分から突出するフランジの周囲から上部カバー部分を外せるように折り取ったロックシール機構を示す図である。
【図5A】上部及び底部カバー部分を開放し、沈殿測定管及び採血管構造の個々のフランジから外せるように、管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造からロック解除した状態で採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5B】管保持具兼収容器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管構造から外して図示され、その空気又は流体流制限プラグがまだ沈殿測定管の上部口内に挿入されている状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態の携帯用/使い捨てESR測定計器の斜視図である。
【図5C】ESR測定計器の採血管構造内に手動で挿入するために沈殿測定管が配置された状態で、ESR測定構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5D1】沈殿測定管の上部フランジ内に形成された上部開口に挿入した、図5Cで示した空気又は流体流制限プラグの斜視図である。
【図5D2】上部フランジ内に形成した上部開口から空気又は流体流制限プラグを外した、図5Cで示した沈殿測定管の上部フランジの斜視図である。
【図5E】管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で示し、空気又は流体流制限プラグが沈殿測定管の上部開口から外した状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5F】管保持具兼収容器組立体をESR測定計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で示し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動でわずかに押し込んだ状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図5G】図5Fで示したESR測定計器の断面図であり、破断する前に伸張し、歪んでいるプランジャのゴムの端部にある膜を示す。
【図5H】図5Fの線5H−5Hに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図6A】管保持具兼収容器組立体が計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で図示し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動で押し込んだ状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図6B】図6Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部に沿ってほぼ半ばまで挿入された採血管からの血液を示す。
【図6C】図6Aの線に沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図6D】管保持具兼収容器組立体が、計器の沈殿測定管及び採血管構造から外した状態で図示され、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管の底部へと下方向に手動で押した状態で、採血構成内に配置されて示した第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図6E】図6Dで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部の全長に沿って挿入された採血管からの血液を示す。
【図6F】図6Dの線6F−6Pに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図7A】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図7B】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図7C】管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に設置し、したがってESR測定の実行中及び実行後に採血容器内に含まれる採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ってESR測定値(つまり血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが60分以内に低下する距離)を読み取る前に、これらの構成要素を相互にしっかりロックできるような状態で、ESR測定構成内に配置された第1例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図8】第2例の実施形態の携帯用/使い捨てESR測定計器の組立分解図であり、ある量の血液試料希釈剤を管の内側容積部に注入した後にゴムのガスケットリング及びプランジャ要素を沈殿測定管の端部に取り付けて、ゴムのストッパを採血管の遠位端に取り付け、次にESR測定計器の組立中に組み立てて密封加圧した沈殿測定管のプランジャ端部に挿入する前に、採血管を予め測定した量の抗凝固薬で充填することを示す。
【図9A】採血構成内に配置されて示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の第1斜視図であり、含まれる全血試料が採取後に凝固するのを防止するために、少量の抗凝固薬を含む加圧した採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、代替タイプの着脱式管保持具兼抑制組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図9B】図9Aの線9B−9Bに沿って切り取った第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、採血管と沈殿測定管の間に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼抑制組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【図9C】図9Cの線9C−9Cに沿って切り取った第2例の実施形態に係るESR測定計器の部分の断面拡大図であり、ESR測定計器をその採血構成内に配置する間に、予め測定した量の血液試料希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸三ナトリウム溶液)を沈殿測定管内に保持するように、沈殿測定管のプランジャ部分が、中空の沈殿測定管の自由端部に取り付けたゴムプランジャ要素、及びゴムプランジャの遠位端でその端部開口を覆うゴムの脆弱膜を備えることをさらに詳細に示す。
【図10】第2例の実施形態に係るESR測定計器を使用して実行する本発明のESR測定方法に含まれる工程を示す流れ図を示す。
【図11A】採血構成内に配置され、本発明により静脈穿刺によって生きた人間から全血試料を引き抜く間に使用するヴァキュテーナ(商標)タイプの接続具に接続された状態で示す第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図11B】ESR測定計器の採血管に接続された状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、抗凝固薬(つまりK3EDTA)の試料を含む採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の下部分の断面図である。
【図11C】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で部分的に充填された採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図11D】ESR測定計器の採血管に接続した状態で図示したヴァキュテーナ(商標)接続具、ゴムストッパを通して穿孔されている接続具の針、及び全血の試料で完全に充填された採血管がある第2例の実施形態に係るESR測定計器の断面図である。
【図11E】全血の試料で完全に充填し、充填した採血管と空の沈殿測定管の間に集合的に液体シールを生成するゴムプランジャ、膜及びワッシャリングがある状態で示した、図11DのESR測定計器の採血管部分の拡大部分切り取り図である。
【図12A1】採血構造内に配置され、管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造の周囲から(例えば熱可塑性密封タブを破壊することによって)ロック解除した状態で示した、第2例の実施形態の使い捨てESR測定計器の斜視図である。
【図12A2】沈殿測定管の上部フランジに形成された口に挿入された空気又は流体流制限プラグの斜視図である。
【図12A3】空気又は流体流制限プラグを自身内に形成された上部開口内から外した状態の沈殿測定管の上部フランジの斜視図である。
【図13】採血構成内に配置され、採血管を凝固防止された全血の試料で部分的に充填し、管保持具兼収容器組立体を、計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外した状態で示した、第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図14A】採血構成内に配置され、採血管を凝固防止された全血の希釈試料で部分的に充填し、着脱式の管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を丁度採血管へと下方向に手動でわずかに押し込み始めた状態で示した、ESR測定計器の斜視図である。
【図14B】図14Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断する前に流体の圧力で伸張し、歪んでいるプランジャのゴムの端部にある膜を示す。
【図14C】図14Aの線14C−14Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図15A】採血構成内に配置され、着脱式管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管へと下方向に手動で押し込み、血液を強制的に採血管から沈殿測定管の中空内側容積部のほぼ半ばへ、及びそれに沿って流し、それに含まれる血液希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)と混合する状態で示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図15B】図15Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部に沿ってほぼ半ばまで挿入された採血管からの血液を示す。
【図15C】図15Aの線15C−15Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図16A】採血構成内に配置され、着脱式管保持具兼収容器組立体を計器の沈殿測定管及び採血管構造から外し、空気又は流体流制限プラグを沈殿測定管の上部開口から外し、沈殿測定管を採血管の底部へと下方向に手動で押し、それによってプランジャの膜が圧力で破断し、血液が採血管から沈殿測定管の全内側容積部に流入して、それに沿って上昇し、それに含まれる血液希釈剤と混合する状態で示した第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図16B】図16Aで示したESR測定計器の断面図であり、破断したプランジャのゴムの端部にある膜、及び沈殿測定管の内側容積部の全長に沿って挿入された採血管からの血液を示す。
【図16C】図16Aの線16C−16Cに沿って切り取ったESR測定計器の部分拡大図である。
【図17A】ESR測定の実行中及び実行後に、採血容器内に含まれた採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ったESR測定値を読み取る前、読み取る間、または読み取った後に、構成要素を相互にしっかりロックできるように、着脱式管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に再度設置した状態で、ESR測定構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図17B】ESR測定の実行中及び実行後に、採血容器内に含まれた採取血液の漏れを防止しながら、沈殿測定管に沿ったESR測定値を読み取る前、読み取る間、または読み取った後に、構成要素を相互にしっかりロックできるように、着脱式管保持具兼収容器組立体を沈殿測定管及び採血管構造の周囲に再度設置した状態で、ESR測定構成内に配置された第2例の実施形態に係るESR測定計器の斜視図である。
【図18A】採血構成内に配置された状態で示した第3例の実施形態の使い捨てESR測定計器の第1斜視図であり、(i)採取後に自身に含まれた全血試料が凝固するのを防止する少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)、さらに(ii)ESR試験の前に全血の試料を希釈する所定量の希釈剤(例えば生理的NaCl溶液またはクエン酸ナトリウム溶液)を含む加圧採血管内で生じる液体シールを破壊しないように、空の沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図18B】図18Aの線18B−18Bに沿って切り取った第3例の実施形態の使い捨てESR測定計器の断面図であり、計器を採血構成内に配置する間に、採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【図19A】採血構成内に配置した状態で示した第4例の実施形態の使い捨てESR測定計器の第1斜視図であり、採取後に自身内に含まれた希釈していない全血試料が凝固するのを防止するために、少量の抗凝固薬(つまりK3EDTA)しか含まない加圧採血管内で生じる液体シールを破壊しないように、空の沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、着脱式管保持具兼制限組立体によって採血管に対して静止位置に保持する。
【図19B】図19Aの線19B−19Bに沿って切り取った第4例の実施形態に係るESR測定計器の断面図であり、計器をその採血構成内に配置している間に採血管内に生じる液体シールを破壊しないように、沈殿測定管のプランジャ部分を採血管の上部分に挿入し、管保持具兼制限組立体によって加圧採血管に対して静止位置に保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、採血構成及びESR測定構成を有するESR測定計器において、
所定量の血液試料希釈剤を含み、周囲環境に対して空気又は流体密封される中空内側容積部を有する、沈殿測定管と、
所定量の抗凝固薬を含み、周囲環境に対して真空密封された中空内側容積部を有する採血管であって、当該採血管の前記中空内側容積部の一部に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、空気密封された前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具を前記採血管に接続でき、患者からの全血の試料を真空で引き抜いて、前記採血管に注入でき、
凝固防止された血液試料を前記採血管に採取し、前記針支持接続具を前記採血管から分離した後、前記沈殿測定管の空気又は流体シールを破壊し、次に前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部の底部に手動で押し込むことができ、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記血液試料希釈剤と混合し、前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルを、前記採血管に向かって下方向に沈殿させることができ、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の前記赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項2】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項3】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)ゴムプランジャを保持するために、前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項4】
前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項5】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、周囲環境及び前記中空中心孔の内部からの空気の流れを制限又は閉塞するように、前記沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項6】
前記沈殿測定管の外壁と前記採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項7】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に所定量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項8】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体化されており、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、採血装置の針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程と、
(e)前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項9】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法において、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体化されており、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合する、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程と、
(e)注射器様計器のように前記ESR計器を取り扱って、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって,凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)が測定される、ESR測定方法。
【請求項10】
採血構成及びESR測定構成を有する赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、
中空内側容積部を有する沈殿測定管と、
中空内側容積部を有する採血管であって、当該採血管の前記中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液試料希釈剤を含み、前記採血管の前記中空内側容積部の一部に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具が前記採血管に接続され、全血の試料が患者から真空で引き抜かれ且つ前記採血管に注入され、
前記全血試料が前記採血管に採取され、前記抗凝固薬及び前記所定量の血液試料希釈剤と混合された後、前記針支持接続具が前記採血管から分離され、前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部の底部に押し込むことができ、
それによって、前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記採血管に向かって下方向に沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項11】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項12】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項13】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項12に記載のESR測定計器。
【請求項14】
前記沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項12に記載のESR測定計器。
【請求項15】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に少量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項16】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液希釈剤を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬及び前記所定量の血液希釈剤と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定器具と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含み、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項17】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液希釈剤を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬及び前記所定量の血液希釈剤と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記ESR計器を注射器様計器のように取り扱って、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項18】
採血構成及び赤血球沈降速度(ESR)測定構成を有するESR測定計器であって、
中空内側容積部を有する沈殿測定管と、
中空内側容積部を有する採血管であって、所定量の抗凝固薬を含み、周囲環境に対して真空密封され、前記採血管の前記中空内側容積部の部分に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具を前記採血管に接続でき、患者からの全血の試料を真空で引き抜いて、前記採血管に注入でき、
前記凝固防止された血液試料を前記採血管に採取し、前記針支持接続具を前記採血管から分離した後、前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部の底部に押し込むことができ、
前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記採血管に向かって下方向に沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項19】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項20】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項21】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項20に記載のESR測定計器。
【請求項22】
前記沈殿測定管の外壁と前記採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項20に記載のESR測定計器。
【請求項23】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に所定量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持して、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項24】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の前記内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項25】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料が、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記ESR計器を注射器様計器のように扱い、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部へと手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間に前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項26】
全血試料中の赤血球沈降速度(ESR)を測定する装置であって、注射器様形状要素を有する使い捨てESR試験測定計器、及び一体構造を備える、装置。
【請求項27】
採血構成及びESR測定構成を有する、ESR測定計器。
【請求項28】
前記採血構成中に、血液希釈剤(つまり希釈剤)を含む空気又は流体密封沈殿測定管が、凝固防止剤(つまり抗凝固薬)を含む真空密封採血管に結合され、その結果、このような密封された複数の管が、単一の組立体として相互に対して静止状態で固定され、前記ESR測定計器が前記採血構成内に配置された場合に、ルアータイプの接続具が次いで前記真空密封採血管に接続され、全血の試料が、患者から引き抜かれ、さらに前記ESR測定計器の前記採血管に注入される、請求項27に記載のESR測定計器。
【請求項29】
前記凝固防止された血液試料を密封した採血容器内に採取し、前記ルアータイプ接続具を前記採血容器から切り離して、前記沈殿測定管の空気シールを破壊し、次いで前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の底部に押し込み、
それによって、前記2本の管の間の液体シールが破壊され、前記凝固防止された採血試料が、前記沈殿測定管に含まれる生理学的及びNaCl溶液と混合して、その有意の部分を前記希釈した血液試料で充填し、前記ESR測定計器を重力垂直位置に配置される所定の試験期間の間に、前記希釈された凝固防止血液試料の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、測定可能な距離だけ前記採血管に向かって下方向に沈殿できる、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項30】
前記採血管は、
(i)採血作業中に前記人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内部容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジと外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項31】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項32】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項31に記載のESR測定計器。
【請求項33】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、前記沈殿測定管からの血液希釈剤の流れを制限又は閉塞するように、前記沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、請求項32に記載のESR測定計器。
【請求項34】
前記沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項32に記載のESR測定計器。
【請求項35】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に少量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入されている前記プランジャを保持して、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項31に記載のESR測定計器。
【請求項36】
新規のESR測定方法であって、
(a)単体となる構造を有するESR測定計器に注射様形状要素を設ける工程を含む、方法。
【請求項37】
さらに、
(b)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体密封されて所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体であり、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程を含む、請求項36に記載のESR測定方法。
【請求項38】
さらに、
(c)負圧で全血試料を患者の体内から引き抜き、前記全血試料を前記針に通して前記採血管内に採取する工程であって、前記採取した全血試料が、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合する、引き抜き採取する工程を含む、請求項37記載のESR測定方法。
【請求項39】
さらに、
(d)前記針を前記採血器具から引き出し、次いで沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程を含む、請求項38に記載のESR測定方法。
【請求項40】
さらに、
(e)前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定器具と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR計器を重力垂直方向にて支持している場合に、(前記赤血球沈降の)P/E境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の試験期間中に、前記沈殿測定管で形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、請求項39に記載のESR測定方法。
【請求項41】
注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、空の沈殿測定管を、抗凝固薬と血液希釈剤との両方を含む真空密封された採血管に結合し、その結果、このような密封された複数の管が、採血作業中に単一の組立体として相互に対して静止状態で固定されるが、前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に手動で構成する場合には、前記密封された複数の管は、相互に結合して、流体連通する状態で配置される、ESR測定計器。
【請求項42】
注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、空の沈殿測定管を、抗凝固薬のみ含む真空密封採血管に結合し、その結果、このような密封された複数の管が、採血作業中に単一の組立体として、相互に対して静止状態で固定されるが、前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に手動で構成する場合には、前記密封された複数の管は、相互に結合して、流体連通する状態で配置される、ESR測定計器。
【請求項1】
赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、採血構成及びESR測定構成を有するESR測定計器において、
所定量の血液試料希釈剤を含み、周囲環境に対して空気又は流体密封される中空内側容積部を有する、沈殿測定管と、
所定量の抗凝固薬を含み、周囲環境に対して真空密封された中空内側容積部を有する採血管であって、当該採血管の前記中空内側容積部の一部に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、空気密封された前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具を前記採血管に接続でき、患者からの全血の試料を真空で引き抜いて、前記採血管に注入でき、
凝固防止された血液試料を前記採血管に採取し、前記針支持接続具を前記採血管から分離した後、前記沈殿測定管の空気又は流体シールを破壊し、次に前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部の底部に手動で押し込むことができ、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記血液試料希釈剤と混合し、前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルを、前記採血管に向かって下方向に沈殿させることができ、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の前記赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項2】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項3】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)ゴムプランジャを保持するために、前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項4】
前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項5】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、周囲環境及び前記中空中心孔の内部からの空気の流れを制限又は閉塞するように、前記沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項6】
前記沈殿測定管の外壁と前記採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項3に記載のESR測定計器。
【請求項7】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に所定量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項1に記載のESR測定計器。
【請求項8】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体化されており、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、採血装置の針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程と、
(e)前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項9】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法において、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体に対して密封され所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体化されており、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合する、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程と、
(e)注射器様計器のように前記ESR計器を取り扱って、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって,凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)が測定される、ESR測定方法。
【請求項10】
採血構成及びESR測定構成を有する赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、
中空内側容積部を有する沈殿測定管と、
中空内側容積部を有する採血管であって、当該採血管の前記中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液試料希釈剤を含み、前記採血管の前記中空内側容積部の一部に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具が前記採血管に接続され、全血の試料が患者から真空で引き抜かれ且つ前記採血管に注入され、
前記全血試料が前記採血管に採取され、前記抗凝固薬及び前記所定量の血液試料希釈剤と混合された後、前記針支持接続具が前記採血管から分離され、前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部の底部に押し込むことができ、
それによって、前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記採血管に向かって下方向に沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項11】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項12】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項13】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項12に記載のESR測定計器。
【請求項14】
前記沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項12に記載のESR測定計器。
【請求項15】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に少量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持し、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項10に記載のESR測定計器。
【請求項16】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液希釈剤を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬及び前記所定量の血液希釈剤と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定器具と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含み、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項17】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬及び所定量の血液希釈剤を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬及び前記所定量の血液希釈剤と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記ESR計器を注射器様計器のように取り扱って、前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項18】
採血構成及び赤血球沈降速度(ESR)測定構成を有するESR測定計器であって、
中空内側容積部を有する沈殿測定管と、
中空内側容積部を有する採血管であって、所定量の抗凝固薬を含み、周囲環境に対して真空密封され、前記採血管の前記中空内側容積部の部分に挿入される前記沈殿測定管の少なくとも一部によって、前記沈殿測定管に物理的に結合される、採血管とを備えており、
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する場合に、前記沈殿測定管及び前記採血管は、注射器様形状要素を有する一体的な組立体として相互に対して静止し固定した状態で維持され、その間に、針支持接続具を前記採血管に接続でき、患者からの全血の試料を真空で引き抜いて、前記採血管に注入でき、
前記凝固防止された血液試料を前記採血管に採取し、前記針支持接続具を前記採血管から分離した後、前記ESR測定計器を前記ESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部の底部に押し込むことができ、
前記ESR測定計器が重力的に垂直な姿勢に配置される所定の期間中に、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記採血管に向かって下方向に沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動したかを求めることにより、前記採血試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定計器。
【請求項19】
前記採血管は、
(i)採血作業中に人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内側容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジ及び前記外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項20】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項21】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項20に記載のESR測定計器。
【請求項22】
前記沈殿測定管の外壁と前記採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項20に記載のESR測定計器。
【請求項23】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に所定量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入された前記沈殿測定管のプランジャ部分を保持して、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項18に記載のESR測定計器。
【請求項24】
単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の前記内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料は、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項25】
注射器様形状要素及び単体となる構造を有するESR測定計器を使用するESR測定方法であって、
(a)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、沈殿測定管と一体化され、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程と、
(b)全血試料を患者の体内から引き抜き、前記試料を前記針に通して前記採血管内に採取する、引き抜き採取する工程であって、前記採取した全血試料が、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合される、引き抜き採取する工程と、
(c)前記針を前記採血器具から引き出す工程と、
(d)前記ESR計器を注射器様計器のように扱い、前記沈殿測定管を前記採血管の中空内側容積部へと手動で押し込むことによって、前記沈殿測定管と前記採血管との間に前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填し、
これによって、所定の期間中に前記ESR測定計器を重力垂直方向にて支持している場合に、前記沈殿測定管内の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の期間中に、前記沈殿測定管の縦に沿って形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、ESR測定方法。
【請求項26】
全血試料中の赤血球沈降速度(ESR)を測定する装置であって、注射器様形状要素を有する使い捨てESR試験測定計器、及び一体構造を備える、装置。
【請求項27】
採血構成及びESR測定構成を有する、ESR測定計器。
【請求項28】
前記採血構成中に、血液希釈剤(つまり希釈剤)を含む空気又は流体密封沈殿測定管が、凝固防止剤(つまり抗凝固薬)を含む真空密封採血管に結合され、その結果、このような密封された複数の管が、単一の組立体として相互に対して静止状態で固定され、前記ESR測定計器が前記採血構成内に配置された場合に、ルアータイプの接続具が次いで前記真空密封採血管に接続され、全血の試料が、患者から引き抜かれ、さらに前記ESR測定計器の前記採血管に注入される、請求項27に記載のESR測定計器。
【請求項29】
前記凝固防止された血液試料を密封した採血容器内に採取し、前記ルアータイプ接続具を前記採血容器から切り離して、前記沈殿測定管の空気シールを破壊し、次いで前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置するように、片手作業を用いて、前記沈殿測定管を前記採血管の底部に押し込み、
それによって、前記2本の管の間の液体シールが破壊され、前記凝固防止された採血試料が、前記沈殿測定管に含まれる生理学的及びNaCl溶液と混合して、その有意の部分を前記希釈した血液試料で充填し、前記ESR測定計器を重力垂直位置に配置される所定の試験期間の間に、前記希釈された凝固防止血液試料の血漿/赤血球(P/E)境界面レベルが、測定可能な距離だけ前記採血管に向かって下方向に沈殿できる、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項30】
前記採血管は、
(i)採血作業中に前記人間の全血試料を受け取るために、所定の内径で円筒形の中空内部容積部と、
(ii)針で穿孔可能なゴムキャップを把持するために、前記採血管の外端表面の周囲に突出する一対の低起伏フランジであって、前記ゴムキャップは、薄い方の壁部分及び厚い自己密封端部分を備えており、前記薄い方の壁部分及び前記厚い自己密封端部分は、組立中に前記採血管の前記低起伏フランジと外端部分にスナップ嵌めされる、一対の低起伏フランジと、
(iii)前記沈殿測定管を親指で前記採血管に押し込む人の指と嵌合するために、その反対端で前記採血管の外端から突出する、大環状フランジとを有する、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項31】
前記沈殿測定管は、
(i)所定の直径であって、前記採血管の中空内側容積部の内径よりわずかに小さい外径の中空中心孔と、
(ii)本発明のESR測定方法に従って全血試料のESRを示すために、前記沈殿測定管の外面に沿って形成される一連の目盛りマークと、
(iii)前記沈殿測定管の反対端から突出する複数の低起伏プランジャの把持フランジであって、前記把持フランジはゴムプランジャを保持するためにあり、前記ゴムプランジャは、閉じた端部が薄い破断可能な壁膜で境界を区切られた中空内側容積部を有し、前記沈殿測定管の自由端上で摺動し、且つ前記沈殿測定管から突出する前記把持フランジに嵌合する外壁表面を有する、把持フランジとを備える、請求項28に記載のESR測定計器。
【請求項32】
前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に再配置した場合に、前記沈殿測定管を前記採血管に押し込む人の親指と嵌合するために、前記沈殿測定管は、前記ゴムプランジャの反対側の端部で、前記沈殿測定管の外端から突出する大環状フランジを有する、請求項31に記載のESR測定計器。
【請求項33】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、前記沈殿測定管からの血液希釈剤の流れを制限又は閉塞するように、前記沈殿測定管の上端部分に空気又は流体流制限プラグを挿入可能である、請求項32に記載のESR測定計器。
【請求項34】
前記沈殿測定管の外壁と採血管の内壁との間に液体シールを生成するために、前記プランジャの前記把持フランジ上で摺動可能なゴムワッシャを、前記ゴムプランジャより先に、前記沈殿測定管の端部に取り付ける、請求項32に記載のESR測定計器。
【請求項35】
前記ESR測定計器を前記採血構成内に配置する間に、真空密封した前記採血管に少量の抗凝固薬を含みながら、前記採血管の上部分に挿入されている前記プランジャを保持して、これらの管を相互に対して静止位置に維持するために、管保持具兼制限組立体が提供される、請求項31に記載のESR測定計器。
【請求項36】
新規のESR測定方法であって、
(a)単体となる構造を有するESR測定計器に注射様形状要素を設ける工程を含む、方法。
【請求項37】
さらに、
(b)採血管と結合するゴムキャップを通して採血装置の針を挿入する工程であって、前記採血管は、真空で密封され、前記採血管の中空内側容積部内に所定量の抗凝固薬を含み、さらに、空気又は流体密封されて所定量の血液試料希釈剤を含む沈殿測定管と一体であり、前記採血管の内側容積部と前記沈殿測定管の内側容積部との間に液体シールが配置される、針を挿入する工程を含む、請求項36に記載のESR測定方法。
【請求項38】
さらに、
(c)負圧で全血試料を患者の体内から引き抜き、前記全血試料を前記針に通して前記採血管内に採取する工程であって、前記採取した全血試料が、前記採血管内で前記所定量の抗凝固薬と混合する、引き抜き採取する工程を含む、請求項37記載のESR測定方法。
【請求項39】
さらに、
(d)前記針を前記採血器具から引き出し、次いで沈殿測定器具の空気又は流体シールを破壊する工程を含む、請求項38に記載のESR測定方法。
【請求項40】
さらに、
(e)前記沈殿測定管を前記採血管の前記中空内側容積部に手動で押し込むことによって、前記沈殿測定器具と前記採血管との間の前記液体シールを破壊する工程とを含んでおり、
それによって、前記凝固防止された血液試料が前記沈殿測定管の有意の部分を充填して、前記所定量の血液試料希釈剤と混合し、
これによって、所定の期間中に前記ESR計器を重力垂直方向にて支持している場合に、(前記赤血球沈降の)P/E境界面レベルが、前記所定の期間にわたって前記採血管に向かって沈殿でき、その結果、前記所定の試験期間中に、前記沈殿測定管で形成された目盛りマークに対して、前記P/E境界面レベルがどこまで移動するかを求めることにより、前記採取された血液試料の赤血球沈降速度(ESR)を測定できる、請求項39に記載のESR測定方法。
【請求項41】
注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、空の沈殿測定管を、抗凝固薬と血液希釈剤との両方を含む真空密封された採血管に結合し、その結果、このような密封された複数の管が、採血作業中に単一の組立体として相互に対して静止状態で固定されるが、前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に手動で構成する場合には、前記密封された複数の管は、相互に結合して、流体連通する状態で配置される、ESR測定計器。
【請求項42】
注射器様形状要素を有する改良型の赤血球沈降速度(ESR)測定計器であって、空の沈殿測定管を、抗凝固薬のみ含む真空密封採血管に結合し、その結果、このような密封された複数の管が、採血作業中に単一の組立体として、相互に対して静止状態で固定されるが、前記ESR測定計器をそのESR測定構成内に手動で構成する場合には、前記密封された複数の管は、相互に結合して、流体連通する状態で配置される、ESR測定計器。
【図2】
【図8】
【図10】
【図13】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図8】
【図10】
【図13】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【公表番号】特表2006−520907(P2006−520907A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507461(P2006−507461)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/008765
【国際公開番号】WO2004/085994
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505355003)ヘモヴェイションズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/008765
【国際公開番号】WO2004/085994
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505355003)ヘモヴェイションズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]