説明

単回用量化粧品サンプルディスペンサ

本発明は、流体物質サンプルディスペンサに関し、このディスペンサは、この物質を受容するためのチャンバ(31)を規定するチャンバ(18)を備え、このチャンバは、このシリンダ(18)の内部でスライドするように適合されたプランジャー(28)、および開位置の閉位置との間で回転により移動可能なキャップ(16)によって、閉じられている;このディスペンサは、ロッキング手段を備える;キャップ(16)は、シリンダ(18)の壁を押し付けるように適合されたスカート(60、66)を備え、これらのスカート(60、66)は、第一の半径方向スロット(70)を有し、このスロットは、開位置において、チャンバ(78)が外向きに突出するように、シリンダ(18)に提供された第二の半径方向スロット(78)と共同するように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体サンプルディスペンサに関し、より具体的には、限定されないが、化粧用物質を分配するための、流体サンプルディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のディスペンサは、流体を受容するように働くチャンバを規定する、シリンダを備える。このシリンダは、第一の端部において、ピストンによって閉じられており、そして第二の端部において、キャップによって閉じられており、このピストンは、このシリンダの内側をスライドするために適切である。このキャップは、開位置と閉位置との間で、このシリンダに対して回転により移動するように取り付けられている。このディスペンサは、このピストンがこのシリンダ内に過失により押し込まれること(この押し込みは、このキャップがその時点で偶然開位置にある場合に、この流体を、このチャンバから排出させ得る)を防止する目的で、ロッキング手段をさらに備える。
【0003】
このようなディスペンサは、特に、文献FR 2 826 245に記載されている。
【0004】
この文献において、このシリンダの第二の端部は、少なくとも上部壁部分を有し、この上部壁部分は、このシリンダの軸に対して垂直であり、そしてこの端部には、オリフィスが提供され、このオリフィスは、キャップの回転軸からずれて設置されており、そしてこのキャップは、このオリフィスを閉鎖するために、このオリフィスを押し付けるように適合されており、この壁部分は、このキャップの外側に通じ、そしてこのオリフィスと共同するために適切な、ボアを有する。従って、このキャップは、上記流体を抽出する目的で、このボアをこのオリフィスと同じ範囲にするように、回転によって駆動されるように適合される。
【0005】
さらに、このシリンダは、ロッキング手段を形成する取り外し可能なスカートを備え、このスカートは、ピストンの周りで、このピストンの基部まで延び、これによって、このピストンが、過失によりシリンダ内に押し込まれることを防止する。
【0006】
しかし、これらのロッキング手段は、このキャップが、少なくともディスペンサが最初に使用される前に、開位置に駆動されることを防止することも、このピストンが、完全に押されること(このピストンがスカートの下で作動されることは、容易である)を防止することも、いずれ間も可能にしない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、最初に使用される前に、キャップを閉位置にロックすることと、また、ピストンが、シリンダに対して移動することを防止することとの両方を可能にする、サンプルディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的で、本発明は、流体(特に、化粧用流体)を分配するための、流体サンプルディスペンサを提供し、このディスペンサは、この流体を受容するように働くチャンバを規定するシリンダを備え、このチャンバは、第一の端部において、このシリンダの内側でスライドするために適切なピストンによって閉じられ、そして第二の端部において、開位置と閉位置との間で回転により移動するように取り付けられたキャップによって閉じられる。このディスペンサは、ロッキング手段をさらに備える;上記キャップは、このシリンダの壁を押し付けるように適合されたスカートを有し、このスカートは、第一の半径方向スロットを備え、このスロットは、開位置において、このチャンバが外側に開くように、このシリンダの第二の端部に提供された第二の半径方向スロットと協働するように働く;このロッキング部材は、閉位置においてこのキャップを保持するように適合され、そしてキャップをピストンに対する並進により移動させることを防止する用に適合された、管状部材を備える;この管状部材は、このキャップを管状部材から外すための、分断部分を有する。
【0009】
従って、本発明の有利な特徴は、上記ディスペンサが最初に使用される前に、上記キャップが、分断されるために適切な部分を有する管状部材によって、上記ピストンに対して静止して保持されるという事実にある。この様式で、この分断部分が取り外される前に、これらのキャップおよびピストンは、互いの方へと駆動され得ず、そしてこのピストンは、シリンダ内に押し込まれ得ない。従って、このディスペンサがすでに使用されていないことを、絶対的に確認することが可能である。
【0010】
好ましくは、上記管状部材および上記シリンダは、これらが互いに対して回転により移動することを防止するための手段を有し、そしてこれらの管状部材およびキャップは、互いに対して回転により移動することを防止され、これによって、このキャップが、閉位置において、このシリンダに対して回転により移動することを防止する。従って、このピストンが、このシリンダに対して並進により移動することを防止され、そしてこのシリンダが収容する流体が排出され得ないのみでなく、この流体は、必然的に、上記分断部分が取り外される前に、実質的に気密様式で保護される。
【0011】
上記分断部分が取り外された後に、上記キャップおよびピストンは、互いに対して解放され、そしてこのキャップは、回転によって開位置に駆動される。この開位置において、2つの半径方向スロットは、互いに位置合わせされて位置決めされる。次いで、このキャップは、ピストンの方へと駆動され、このピストンをチャンバ内に押し込み、そしてこのピストンが収容する液体の少なくとも一部分を、これらの半径方向スロットを通して外向きに駆動させることを可能にし、その結果、この流体は、このディスペンサから横方向に流れる。これらの半径方向のスロットは、従来技術のデバイスにおける経路と比較して、チャンバとその外側との間の液体のための経路を短縮することを可能にする。
【0012】
有利には、以下により詳細に説明されるように、上記キャップは、噴出口を備え、液体を導くことを可能にする。
【0013】
本発明の特に有利な実施形態において、上記管状部材は、本体部分を有し、この本体部分は、上記分断部分と一体的であるか、またはこの分断部分に固定されており、上記ピストンは、この本体部分の内側で並進により移動することを防止されるように保持され、この本体部分の内壁から間隔を空けており、これによって、このピストンとこの内壁との間に、円筒形の空の空間を残し、この空間内に、上記シリンダが受容されるために適切である。従って、この本体部分の方へと並進により駆動されるキャップは、このピストンがこの円筒形の空の空間内で駆動される間に、このピストンをこのシリンダに対して移動させる。
【0014】
従って、この特徴によって、ピストン(これは、シリンダ内に貫入する)が、塵埃またはノッキング(これらは、ピストンとシリンダとの間の漏出抵抗性に不利な影響を与え得る)から保護されるのみでなく、圧縮の間に、このシリンダが、本体部分とピストンとの間に挿入されることからもまた、保護される。この様式で、この本体部分は、親指が上記キャップを押している状態で、ハンドワイヤ内に保持されるように適合され、このシリンダは、チャンバの液体を圧縮するピストンの方へと駆動され、このシリンダは、操作者に対する妨害なく、本体部分の下へとスライドする。
【0015】
特に有利な第一の実施形態において、上記シリンダの上記第一の端部は、カラーを有し、このカラーは、半径方向の溝を備え、そして円筒形の空の空間の内側で駆動されるために適切であり、そして上記本体部分は、内部の長手軸方向リブを備え、このリブは、上記シリンダが上記管状部材に対して回転により移動することを防止するための手段を形成する目的で、上記半径方向の溝内に係合するように適合される。従って、この特徴によって、シリンダは、本体部分(これ自体は、上記分断部分によって、キャップに接続されるように適合される)によって回転が制限されるので、このキャップは、このシリンダに対して閉位置に保持されるために適切である。さらに、上記分断部分が取り外された後に、このキャップは、シリンダがまたキャップとシリンダとの間に発生する摩擦力によって回転により駆動されることなく、静止位置で本体部分を保持することによって、回転により駆動されるために適切である。
【0016】
この第一の実施形態において、好ましくは、上記本体部分は、内部保持手段を有し、この手段に対して、上記シリンダが、十分に逆の方向でピストンに対して並進することを防止する目的で、上記カラーが当接するように適合されている。
【0017】
この様式で、このピストンが本体部分における並進が保持されている状態で、そして上記シリンダが、そのカラーによって、本体部分に対する並進が保持されている状態で、このシリンダの第一の端部を閉じるピストンは、このピストンがこのシリンダから逃れる可能性なく、この位置に保持されるために適切である。以下により詳細に説明されるように、この構成(これは、シリンダが充填される間に、チャンバが気密様式で閉じられた後に得られる)は、ディスペンサをシールし、そして適切な時期ではない作動のいずれをも回避することを可能にする。
【0018】
本発明の特に有利な第二の実施形態において、上記シリンダの反対側にある上記ピストンの端部は、このピストンを囲む同軸状スリーブによって伸長され、このスリーブの内部表面は、このピストンの外側表面から間隔を空けており、これによって、上記シリンダを受容するために適切な管状の同心状空間を形成する;そしてこのスリーブは、この空の空間の第一の円筒形部分に受容されるように適合されており、この本体部分の内壁に対して、この同心状の空間は、このシリンダが内部で駆動されるように適合された空の空間の第二の円筒形部分と同じ範囲である。
【0019】
以下により詳細に説明されるように、この特徴は、本発明のディスペンサの組み立てのための利点を与え、そしてこのディスペンサを頑丈にすることを可能にする。
【0020】
好ましくは、上記シリンダ内でスライドするように適合されたピストンの端部は、じょうご型の円形シーリングリップを備え、このリップは、このシリンダの内壁に対して当接するように適合される。従って、このピストンがこのシリンダ内で駆動される場合に、このチャンバの内圧は、このリップをこのシリンダの内壁に対して押し付ける傾向があり、これによって、流体が排出される間、ピストンとシリンダとの間のシーリングを増加させる。
【0021】
本発明の別の特に有利な実施形態において、上記シリンダの第二の端部は、このシリンダの断面より小さい断面の部分を有し、これによって、内部ショルダーを形成し、そして上記スカートが、シリンダの内壁に対して押し付けるように働き、周囲ビードを備え、このビードは、このスカートの表面から突出し、そしてこのショルダーを押し付けて、このキャップがこのシリンダに対して並進により移動することを防止するように、適合される。
【0022】
この様式で、第一に、キャップは、シリンダに対して並進により移動することを防止され、そして第二に、このキャップは、第二の端部の内壁に対するスカートによってのみでなく、ショルダーに押し付けられるビードによってもまた、シリンダに対して回転により案内される。
【0023】
従って、この構成において、そして特に有利な実施形態において、この周囲ビードは、2つの止め自由端を形成するように中断されており、そして上記内部ショルダーが、これらの2つの止め自由端の間で、このスカートの表面の近隣に延びる当接部を有し、これによって、閉位置と開位置との間での、シリンダに対するキャップの回転の行程を制限する。この閉位置において、これらの止め自由端のうちの一方が、この当接部の1つの面に当接し、そしてこの開位置において、これらの止め自由端のうちの他方が、この当接部の逆の面に当接する。
【0024】
従って、このビードを、このスカートの周囲の4分の3にわたって延びるように提供することによって、1回転の実質的に4分の1だけ間隔を空けた2つの制限位置が得られ、このシリンダが気密様式で閉鎖されることを可能にする。
【0025】
非常に有利には、内部長手軸方向リブおよびキャップを備える、上記管状部材およびその本体部分は、1部品として一体的に成形されるように、そしてプラスチック材料から作製されるように適合され、これによって、非常に有利な費用で、ディスペンサを得ることを可能にする。
【0026】
当然、ピストンおよびその同軸状スリーブもまた、シリンダになるように、1部品として一体的に成形される。この様式で、成形によって容易に製造される、3つの異なる部品のみを用いて、本発明のディスペンサを作製することが可能である。
【0027】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的指標として与えられる、以下の本発明の特定の実施形態の説明を、添付の図面を参照して読むことによって、明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、まだ作動されていないことを示す、ロックされた第一の状態にある、本発明のディスペンサの外部背面図である。全体的に、このディスペンサは、円筒対称の鋳造物を有し、そして図1に示されるように、管状部材は、本体部分12および分断部分14から作製される。この分断部分は、この例においては、シリンダ18の周囲の4分の3にわたって延びることによって、本体部分12を、シリンダ18を部分的に囲むキャップ16に接続する。
【0029】
図2および図3の断面図、ならびに図5の底面図を参照して、このディスペンサの構成要素が、以下に詳細に記載される。
【0030】
図3は、分断部分14によって伸長された本体部分12を示す。これらの部分は、一緒になって、管状部材10を形成し、そしてキャップ16が、この分断部分14の上に重なり、そしてシリンダ18の上端部20を閉鎖する。このシリンダは、以下の記載に説明されるように、流体を収容するために適切なチャンバ21を規定する。
【0031】
蓋16、分断部分14および本体部分12は、1つの部品を形成し、この部品は、第一の環状構成物22および第二の環状構成物24を有し、これらの環状構成物は、3つの部分を規定する;これらの環状構成物22、24は、より薄い壁の部分を構成し、以下により詳細に説明されるように、分断部分14が十分に分断され、そしてキャップおよび本体部分12から完全に分離されることを可能にする。
【0032】
さらに、図3の断面図は、チャンバ21の下端部30内に部分的に係合するピストン部分28、およびピストン部分28を囲みながらこのピストン部分を伸張させる接続スリーブ31から作製される;従って、この部品26は、半径方向の断面がU字型である。
【0033】
ピストン部分28は、チャンバの下端部30を、じょうご型の円形リップ32によって、漏出抵抗性の様式で閉鎖する。このリップは、チャンバ21の内壁34に押し付けられる。
【0034】
さらに、このピストン部分の、シリンダ18とは逆の端部は、端壁36を形成し、この端壁に、このピストンを囲む同心状のスリーブ31が接続される。この同心状スリーブ31は、ピストン部分28から間隔を空けて、同心状の空間38を形成し、そして本体部分12の内壁40に対して適用され、端壁36は、本体部分12の開口端部42と同一面にある。
【0035】
本体部分12は、円形対称のシリンダを形成し、このシリンダ内に、部品26および同心状スリーブ31が、開口端部42と上端部4との間に延びる。この上端部44は、シリンダ14の外側壁に対してフィットするように狭小化しており、同時に、内部ショルダー46を形成し、このショルダーに対して、同心状スリーブ31の縁部が押し付けられる。この狭小化された上端部44は、分断部分14によって伸張されており、第一の環状構成物22によって、この上端部は、この分断部分と別個である。
【0036】
シリンダ18は、狭小化された上端部44において、突出カラー48によって、ピストン部分28から離れる並進による移動を防止される。この突出カラーは、下端部30の近隣に配置され、そしてショルダー46に押し付けられる。当然、カラー48の直径は、同心状スリーブ31の直径より小さい。これによって、第一に、同心状スリーブ31の縁部に隣接しながら、ショルダー46に十分に押し付けられ、そして第二に、以下に説明されるように、摩擦応力に供されることなく、シリンダ18と一緒に、同心状空間38の内側で並進により駆動される。
【0037】
図3は、長手軸方向リブ50を示し、このリブは、ショルダー46から、シリンダの外壁45の垂直方向下方に、同心状空間38の内側で、同心状スリーブ31に対して延び、そして端壁36まで下がる。
【0038】
図5は、図3に示されるディスペンサの底面図(部品26を除く)を示し、そしてまた、長手方向リブ50、およびこのリブから自由に延びるショルダー46を示す。さらに、シリンダ18のカラー48は、溝52を備え、この溝の中に、長手軸方向リン部50が係合する。この様式で、シリンダ18は、回転を保持され、従って、本体部分12に対して割り当てられる。逆に、シリンダ18は、同心状空間38内でスライドするように適合され、溝52内に係合する長手軸方向リブは、このシリンダが移動する全行程にわたって、並進によりこのシリンダを案内するように設計される。
【0039】
図3は、シリンダ18の、下端部30の反対側の上端部54が、シリンダ18に対する移動止めを形成することを示す。この移動止めは、内部ショルダー56および外部ショルダー58を規定する。キャップ16は、上端部54の内壁に押し付けられるように適合された内側スカート60を有し、この内側スカートの自由縁部は、突出する周囲ビード62を有し、このビードは、ショルダー56に押し付けられて、キャップ16がシリンダ18に対して並進により移動することを防止する。
【0040】
さらに、キャップ16は、頂部壁64を有し、この頂部壁に、内部スカート60が接続され、そしてこの頂部壁は、この内部スカートの周りに半径方向に延びて、シリンダ18の上端部54の自由縁部を越える。外側スカート66は、内側スカート60と同軸状であり、頂部壁64から、上端部54の外壁に対して、外部ショルダー58まで延びる。
【0041】
外部ショルダー58において、分断部分14、および第二の環状構成物24によって規定される外側スカート66が、相互接続される。
【0042】
さらに、これらの2つのスカートの間(すなわち、内側スカート60と外側スカート66との間)に設置される空間は、キャップ16の上端部68において開く経路の一部分を形成し、これは、分配噴出口を形成し、そして図4に関して記載される。
【0043】
図3に示されるように、上端部54は、これらの2つのスカートの間に設置される空間の内側に延び、そして断面で示される第一の半径方向スロット70で閉鎖する。
【0044】
図5はまた、内側スカート60に提供される半径方向のスロット70、および内側スカートの縁部の周囲の4分の3にわたって延びる周囲ビード62を示す。このビードは、同時に、2つの止め自由端72、74を形成する。内部ショルダー56は、当接部76を提供し、この当接部は、内側スカート54の内壁と整列して、チャンバ21の下端部30に向かって延びる。この当接部の2つの反対側の面に、2つの止め自由端72、74がそれぞれ当接するために適切である。当然、このことは、キャップ16が、以下に説明されるように、シリンダ16に対して回転により移動可能である限りにおいて、可能である。
【0045】
図2は、図3の図に対して、上から見た場合に反時計回りに90°回転させることによってずらされた、本発明のディスペンサの軸方向断面を示す。
【0046】
図2は、キャップ16を示し、このキャップの分配噴出口は、後方に向いており、そして内側スカート60の中に、半径方向スロット70が提供されている。さらに、図2はまた、ショルダー56から突出する当接部76を示す。
【0047】
図2はまた、シリンダ18の上端部54に、この端部の自由縁部から開始して提供される、第二の半径方向スロット78を示す。この第二の半径方向スロットは、上記2つのスカート(すなわち、内側スカート60および外側スカート66)の壁によって完全に閉鎖されている;そして半径方向スロット70が、互いに対して90°ずれていることが観察され得る。
【0048】
従って、シリンダ18の上端部54は、キャップ16によって、実質的に漏出抵抗性の様式で閉鎖される。
【0049】
有利には、本体部分12、分断部分14、およびキャップ16は、1部品として一体的に成型され、そしてプラスチック材料から成型され、そしてシリンダ18が、次いで、管状部材10内に係合され、上端部54は、図2に示されるように、キャップ16内にフィットされる。
【0050】
従って、シリンダ16によって規定されるチャンバ21は、流体(例えば、化粧用流体)を充填され、次いでその下端部30において、ピストン部分28によって、開口端部42から部品26を本体部分12内に係合させることによって、再度閉じられるために適切である。部品26は、本体部分12において、開口端部42を囲む内部周囲ビード80によって、静止位置に保持され、そしてこれに対して、端壁36が当接する。
【0051】
この様式で、得られるディスペンサは、使用されるために適切である。
【0052】
このディスペンサを使用する目的で、最初に、図1に部分的に示されるように、シリンダ18を囲む分断部分14が、分断される。この操作は、単に、その自由端の一方を回転させずに引き、これによって、環状構成物22、24において引き裂きを引き起こすことによって、実施され得る。
【0053】
この様式で、キャップ16は、本体部分12に対して自由になり、従って、シリンダ18に対して部分的に自由に回転する。キャップ16の回転は、当接部76および止め自由端72、74によって、制限される。図5において、止め自由端74は、図3に示されるような閉位置において、当接部76に当接する。図3に示されるこの位置から開始し、そして分断部分14が取り外されたとすると、キャップ16は、静止位置に保持され、そして本体部分12は、以下に示されるように、反時計回りに90°にわたって回転により移動され、これによって、カラー48内の溝52と協働する長手軸方向リブ50によって、シリンダ18を駆動し、そして第二の半径方向スロット78を、第一の半径方向スロット70と位置合わせして配置する。次いで、このディスペンサは、図4に示される状態になり、この状態において、最初に、キャップ16は、本体部分12、および従って、ピストン部分28から離れ、そして第二に、経路Fが、チャンバ21と、ディスペンサの外側との間に形成される。
【0054】
この様式で、キャップ16に対して本体部分12のほうへと応力が付与されるとすぐに、シリンダ18は、同軸状の空間28内に貫入する傾向があり、そして同時に、ピストン部分28は、チャンバ21内に貫入する傾向があり、これによって、このチャンバに収容される流体を、経路Fを通して排出する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、第一の状態にある、本発明のディスペンサの概略背面図である。
【図2】図2は、図1の面と平行な面II−II上の、図1に示されるディスペンサの概略軸方向断面図である。
【図3】図3は、図1の面に対して垂直な面III−III上の、図1に示されるディスペンサの軸方向断面図である。
【図4】図4は、第二の状態にある、本発明のディスペンサの軸方向断面図である。
【図5】図5は、図3に示される、本発明のディスペンサの、特定の底面概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を分配するための流体サンプルディスペンサであって、該流体は、特に、化粧用流体であり、該ディスペンサは、チャンバ(21)を規定するシリンダ(18)を備え、該チャンバは、該流体を受容するように働き、そして第一の端部(30)において、該シリンダ(18)の内側をスライドするために適切なピストン(28)によって閉じられており、そして第二の端部(54)において、開位置と閉位置との間を回転により移動するように取り付けられたキャップ(16)によって閉じられており、該ディスペンサは、ロッキング手段をさらに備え、該ディスペンサは;
該キャップ(16)が、該シリンダ(18)の壁を押し付けるように適合されたスカート(60、66)を有し、該スカート(60、66)が、第一の半径方向スロット(70)を備え、該第一の半径方向スロットは、該開位置において、該チャンバ(21)が外側に開くように、該シリンダ(18)の該第二の端部(54)に提供された第二の半径方向スロット(78)と協働するように働くこと;および
該ロッキング手段が、該閉位置において、該キャップ(16)を保持し、そして該キャップが該ピストン(28)に対して並進方向で移動することを防止するように適用された、管状部材(10)を備え、該管状部材(10)は、該管状部材(10)から該キャップ(16)を解放するための分断部分(14)を有すること、
を特徴とする、流体サンプルディスペンサ。
【請求項2】
前記管状部材(10)および前記シリンダ(18)が、該管状部材と該シリンダとが互いに対して回転により移動することを防止するための手段(48、50、52)を有すること、ならびに該管状部材(10)および前記キャップ(16)が、互いに対して回転により移動することを防止することを特徴とし、これによって、該キャップ(16)が、前記閉位置において、該シリンダ(18)に対して回転により移動することを防止することを特徴とする、請求項1に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項3】
前記管状部材(10)が、前記分断部分(14)と一体的であるかまたは固定された、本体部分(12)を有し、前記ピストン(28)が、該本体部分(12)の内側で並進により移動することを防止されるように、該本体部分の内壁から間隔を空けて、該ピストン(28)と該内壁との間に円筒形の空の空間を残すように保持されており、該空間内に、該シリンダ(18)が受容されるために適切であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項4】
前記シリンダ(18)の前記第一の端部(30)が、カラー(48)を有し、該カラーが、半径方向の溝(52)を備え、そして前記円筒形の空の空間の内側に駆動されるために適切であること、および前記本体部分(12)が、内部長手軸方向リブ(50)を備え、該リブは、前記シリンダ(18)が前記管状部材(10)に対して回転により移動することを防止するための手段を形成する目的で、該半径方向の溝(52)内に係合するように適合されていることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項5】
前記本体部分(12)が、内部保持手段(46)を有し、前記シリンダ(18)が前記ピストン(28)に対して相互に逆方向に並進により移動することを防止する目的で、該内部保持手段に対して、前記カラー(48)が当接するように適合されていることを特徴とする、請求項4に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項6】
前記ピストン(28)の、前記シリンダ(18)の反対側の端部が、該ピストン(28)を囲む同心状スリーブ(31)によって伸長されており、該スリーブ(31)の内側表面(40)は、該シリンダ(18)を受容するために適切な管状同心状空間(38)を形成するように、該ピストン(28)の外側表面から間隔を空けていること;ならびに
該スリーブ(31)が、該空の空間の第一の円筒形部分に、該本体部分(12)の内壁に対して受容されるように適合されており、該同心状の空間が、該シリンダ(18)が内部で駆動されるように適合されている該空の空間の第二の円筒形部分と同じ範囲に広がることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項7】
前記シリンダ(18)内でスライドするように適合された前記ピストン(28)の端部が、じょうご型の円形シーリングリップ(32)を備え、該リップが、該シリンダ(18)の前記内壁(34)に対して当接するように適合されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項8】
前記シリンダの前記第二の端部(54)が、該シリンダ(18)の断面より小さい断面である部分を有し、これによって、内部ショルダー(56)を形成していること、および該シリンダ(18)の前記内壁を押し付けるように働く前記スカート(60)が、周囲ビード(62)を備え、該ビードが、該スカート(60)の表面から突出し、そして該ショルダー(56)を押し付けるように適合されており、これによって、前記キャップ(16)が、該シリンダ(18)に対して並進により移動することを防止することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項9】
前記周囲ビード(62)が、2つの止め自由端(72、74)を形成するように中断されていること、および前記内部ショルダー(56)が、前記閉位置と前記開位置との間での、前記シリンダ(18)に対する前記キャップ(16)の回転による行程を制限する目的で、該2つの止め自由端(72、74)の間で、前記スカート(60)の表面の近隣に延びる当接部(76)を有し、該閉位置において、該止め自由端(72、74)のうちの一方が、該当接部(76)の1つの面に対して当接し、そして該開位置において、該止め自由端(72、74)のうちの他方が、該当接部(76)の逆の面に対して当接することを特徴とする、請求項8に記載のサンプルディスペンサ。
【請求項10】
前記管状部材(10)および前記キャップ(16)が、1つの部品で一体的に成形されるように、そしてプラスチック材料から作製されるように適合されていることを特徴とする、請求項3、および請求項1〜9のいずれか1項に記載のサンプルディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−524074(P2006−524074A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505220(P2006−505220)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004230
【国際公開番号】WO2004/093596
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505391702)
【Fターム(参考)】