説明

単層磁性フィルム濾過装置

【課題】単層磁性フィルム濾過装置を提供する。
【解決手段】有機ポリマー(Polymer)と異なる粒径の強力磁性鉄粉を混合して搾ることにより作成され、自由にリング状に濾網に含まれ、任意のエンジンのオイルフィルタに固定することができ、また、該オイルフィルタの内部において、強大のリング状磁界を形成でき、オイルに含まれる全てのマイクロメートル級の金属研磨粉末を吸着でき、そのため、オイルはエンジン稼働中により良い潤滑度を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単層磁性フィルム濾過装置に関し、特に、複数の磁性濾過穴を有するフィルムから構成され、金属不純物を含むオイルを吸着でき、また、その分子構造を活性化でき、より良い潤滑度が得られるものに関する。
【背景技術】
【0002】
汚染されたオイルはエンジンの最大の敵であり、燃料油が燃焼された後、生成した汚染物や可動パーツによって生成した細微の金属粉末により、エンジンの軸受や他の転動可能のパーツに厳重な損害を与える。また、オイルの交換時間は、ほぼ五千乃至一万キロメートルである。そのため、信頼でき環境保護であるオイルフィルタを選択することが大切なことである。そのため、効率が良いオイルフィルタはエンジンの寿命を向上でき、また、エンジンの最大の機能を発揮できる。エンジンのエネルギーは、稼働中、色々に消費され、統計によれば、21%のエネルギーがエンジンの可動パーツの摩擦に消費され、例えば、ピストンとコンロッド、軸受、カムシャフト及びクランクシャフト等の部材の摩擦消費である。これらの部材にオイルが使用され、その潤滑性によりエンジンのパーツ同士の間の摩擦が低減される。しかしながら、オイルの熱疲労劣化とともに潤滑性も低減し、そして、部材の表面摩擦により生成された細微の金属粉末があるため、例えば、燃料油効率の低減やエンジン機能の低下が発生し、そのため、エンジンの寿命の低減や排気エミッションの増加及びオイルの消費等の不良影響が発生する。
【0003】
例えば、中華民国専利公報公告号第383621号の特許名「オイルフィルタの磁性濾過装置構造」は、オイルフィルタの磁性濾過装置構造であり、オイルフィルタのケーシングにオイル入り口とオイル出口が設けられ、該ケーシング内に濾過紙と金属網、上板及び底板からなり、円筒状である濾過装置が設けられて、該オイル入り口とオイル出口を仕切り、該金属網により囲まれた内部に磁性濾過装置が設けられ、該磁性濾過装置が該オイル出口に嵌設され、該ケーシングの内部の上面と濾過装置の上板の間に弾性素子があり、その付勢を利用してケーシング内部に設置され、これにより、オイルが該オイル入り口からケーシングの内部に入ると、順番に該フィルタ濾材と金属網、そして、該磁性濾過装置を通過してオイル出口から流出し、該磁性濾過装置により、オイルに含まれた金属不純物を吸着し、その特徴は、該磁性濾過装置に、上方に位置する台形部があり、該台形部の両側の下端に、それぞれ連続的に平板と湾曲部が伸ばし、該台形部と湾曲部の両側が適当に透かし彫られる基座と、該基座の台形部に嵌設するための中心孔が形成される磁石と、該磁石の上方に覆われ、下端の周縁が該磁石の下端縁より低く該台形部に固定されるキャップが備えられ、これにより、金属網により囲まれオイルを滞在させる空間がより大きくなり、また、キャップと磁石の間にある凹縁により有効的に金属不純物を吸著でき、該基座が任意の規格であるオイル出口の中空ボルトに実装できる。
【0004】
該「オイルフィルタの磁性濾過装置構造」である従来技術は、金属鉄屑を濾過できるが、その構造が複雑で他の濾過システムに適用できない。そのため、一般の従来のものは実用的とは言えない。
【特許文献1】中華民国専利公報公告号第383621号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、微細の金属粉末を濾過でき、オイルの潤滑度を活性化でき、エンジンの耐用寿命が向上され、また、構造が簡単で容易に任意のエンジンに実装できるオイルフィルタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、有機ポリマー(Polymer)と異なる粒径の強力磁性鉄粉を混合して搾ることにより作成され、複数の磁性濾過穴を有するフィルムからなる単層磁性フィルム濾過装置である。その中、該有機ポリマーは、クロロプレンゴム(Chloropene Rubber、CR)やエチレンプロピレンジエンモノマー(Ethylene Propylene Diene Monomer、EPDM)、ポリウレタン(Polyurethane、PU)、或いは他のエラストマーからなる群から、或いは、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(Styrene Butadiene Styrene Block Copolymer、SBS)やスチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(Styrene−Ethylene−Butylene−Styrene Copolymer Compound、SEBS)、ポリオレフィン系熱可塑性ポリオレフィン(Thermoplastic Polyolefin、TPO)、或いは他の配合ゴムから選ばれた一つである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1A〜図1Cは、それぞれ、本発明の基本構造概念図と本発明Aの局部拡大構造概念図及び本発明のオイル濾過状態概念図である。図のように、本発明は単層磁性フィルム濾過装置であり、本発明に係る単層磁性フィルム濾過装置1は、少なくとも、複数の磁性濾過穴111を有するフィルム11があり、該複数の磁性濾過穴111を有するフィルム11は、有機ポリマー(Polymer)と粒径0.1マイクロメートル以上の大きさが異なる強力磁性鉄粉1111を混合して搾ることにより作成され、そのため、該単層磁性フィルム濾過装置1は、全てのマイクロメートルの金属研磨粉末112を吸着でき、これにより、金属研磨粉末112が含まれたオイルが、本発明の単層磁性フィルム濾過装置1を通過して濾過される時、オイル中の金属磨合鉄粉112が該磁性濾過穴111による磁性により吸着され、また、オイル中の分子構造が活性化され、そのため、オイルによりエンジン稼働中により良い潤滑度が得られ、また、該有機ポリマーは、クロロプレンゴム(Chloropene Rubber、CR)やエチレンプロピレンジエンモノマー(Ethylene Propylene Diene Monomer、EPDM)、ポリウレタン(Polyurethane、PU)及び他のエラストマーからなる群、或いはスチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(Styrene Butadiene Styrene Block Copolymer、SBS)やスチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(Styrene−Ethylene−Butylene−Styrene Copolymer Compound、SEBS)、ポリオレフィン系熱可塑性ポリオレフィン(Thermoplastic Polyolefin、 TPO)及び他の配合ゴムからなる群から選ばれた一つであり、該有機ポリマーは耐老化性や耐油性及び弾塑性等の特性がある。
【0008】
図2A〜図2Cは、それぞれ、本発明の2層の磁性フィルム濾過装置構造概念図と本発明Bの磁性濾過穴が互いに一致するように配列される時の拡大断面概念図及び本発明Bの磁性濾過穴が互いに交錯するように配列される時の拡大断面概念図である。図のように、本発明の単層磁性フィルム濾過装置が、他の単層磁性フィルム濾過装置に重ね合われることにより、第一層121と第二層122を有する2層磁性フィルム濾過装置12が形成され、また、該第一層121の磁性濾過穴1211は、第二層122の磁性濾過穴1221と一致するように交錯する配列をすることができ、2層に重ね合われる2層の磁性フィルム濾過装置12により、オイルの濾過や潤滑度の活性化の機能が強化される。
【0009】
図3と図4は、それぞれ、本発明のフィルタ上面断面概念図と本発明の使用状態の断面概念図である。図のように、本発明の単層磁性フィルム濾過装置1は、エンジンのオイルフィルタ2に固定され、該オイルフィルタ2はリング状外筒21とオイルイン孔22、紙質濾網23、自由にリング状に該紙質濾網23に含まれる単層磁性フィルム濾過装置1、接続用の雌ねじ24及びオイルアウト孔25から構成され、また、該オイルアウト孔25の一端が封止される。該単層磁性フィルム濾過装置1を有するオイルフィルタ2を使用する時、オイルは該オイルイン孔22から該紙質濾網23へ流れ、該紙質濾網23を介して該単層磁性フィルム濾過装置1へ流れ、この時、該単層磁性フィルム濾過装置1は、該オイルフィルタ2の内部に形成された強大のリング状磁界により、該オイルに含まれた鉄屑や不純物等の金属研磨粉末を吸着して濾過するため、鉄屑と不純物を含まないオイルが得られ、これにより、オイルによってエンジン稼働中に、より良い潤滑度が得られる。本実施例において、単層磁性フィルム濾過装置1だけを設置してもよいが、2層の単層磁性フィルム濾過装置を利用することにより、オイルの濾過や潤滑度の活性化の機能が強化される。
【0010】
以上のように、本発明は単層磁性フィルム濾過装置であり、有効に従来の諸欠点を改善でき、磁性を有する特性により金属研磨粉末を濾過でき、また、オイルの潤滑度を活性化でき、これにより、エンジンの耐用寿命が向上され、また、構造が簡単で容易に任意のエンジンのオイルフィルタに実装でき、そのため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0011】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明はそれによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の基本構造概念図
【図1B】本発明Aの局部拡大構造概念図
【図1C】本発明のオイル濾過状態概念図
【図2A】本発明の2層の単層磁性フィルム濾過装置の構造概念図
【図2B】本発明の磁性濾過穴が一致するように配列される時の拡大断面概念図
【図2C】本発明の磁性濾過穴が交錯するように配列される時の拡大断面概念図
【図3】本発明のフィルタの上面断面概念図
【図4】本発明の使用状態の断面概念図
【符号の説明】
【0013】
1 単層磁性フィルム濾過装置
11 フィルム
111 磁性濾過穴
112 金属研磨粉末
1111 磁性鉄粉
12 2層の単層磁性フィルム濾過装置
121 第一層
1211 磁性濾過穴
122 第二層
1221 磁性濾過穴
2 オイルフィルタ
21 リング状外筒
22 オイルイン孔
23 紙質濾網
24 雌ねじ
25 オイルアウト孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁性濾過穴を有し、有機ポリマーと磁性鉄粉を混合して搾ることにより作成されるフィルムであることを特徴とする、単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項2】
該有機ポリマーは、クロロプレンゴムやエチレンプロピレンジエンモノマー、ポリウレタン或いは他のエラストマーからなる群から得られた一つであることを特徴とする、請求項1に記載の単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項3】
該有機ポリマーは、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー、ポリオレフィン系熱可塑性ポリオレフィン、或いは他の配合ゴムからなる群から選ばれた一つであることを特徴とする、請求項1に記載の単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項4】
該磁性鉄粉の粒径は、0.1マイクロメートル以上であることを特徴とする、請求項1に記載の単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項5】
全てのマイクロメートルの金属研磨粉末を吸着できることを特徴とする、請求項1に記載の単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項6】
重ね合うことにより、少なくとも一層以上の磁性フィルム濾過装置になることを特徴とする、請求項1に記載の単層磁性フィルム濾過装置。
【請求項7】
該少なくとも一層以上の単層磁性フィルム濾過装置の磁性濾過穴は、互い一致するように配列されるか、互いに交錯するように配列されることを特徴とする、請求項6に記載の単層磁性フィルム濾過装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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