説明

単1電池から単5電池まで適応するLED点灯装置

【課題】市販されている電球又はLEDを使用した点灯器具は、電池サイズが特定されており、5種類の異なったサイズの電池を使用する事はできなかった。停電時など緊急使用ができるように一つの器具で、単1電池から単5電池まで手許にある電池サイズの何れにも適応できる点灯器具の出現が課題。
【解決手段】白色LEDを電池1本で点灯させるための電圧昇圧用電子回路を両面プリント基板上面に取り付けて、裏面を電池プラス極用接点にした両面プリント基板と、これと同じサイズの電池マイナス極用基板の2枚4隅に設けたフック部分に、耐久性、電気絶縁性などに優れたブチルゴム製輪ゴムをかけて電池をはさみ電池ホルダーにすることで、単1電池から単5電池まで適応できる点灯器具を構成することで課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電池使用LED点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なったサイズの電池夫々複数個が使用できる点灯装置は既に製品として存在する。また単1或いは単2電池外形と等しいサイズのプラスチック製ケース内に単2又は単3電池を収納して、単1又は単2電池として代替させる製品も存在しているが、単1電池から単5電池まで何れかのサイズ1本に適応して点灯できる器具は未だ存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
市販されている電球又はLEDを使用した点灯器具は、電池サイズが特定されており、5種類の異なったサイズの電池を使用する事はできなかった。停電時など緊急使用ができるように一つの器具で、単1電池から単5電池まで手許にある電池サイズの何れにも適応できる点灯器具の出現が課題。
【課題を解決するための手段】
【0004】
白色LEDを電池1本で点灯させるための電圧昇圧用電子回路を両面プリント基板上面に取り付けて、裏面を電池プラス極用接点にした両面プリント基板と、これと同じサイズの電池マイナス極用基板の2枚4隅に設けたフック部分に、耐久性、電気絶縁性などに優れたブチルゴム製輪ゴムをかけて電池をはさみ電池ホルダーにすることで、単1電池から単5電池まで適応できる点灯器具を構成することで課題を解決した。
【発明の効果】
【0005】
既存の点灯器具に使用するために必要なサイズの予備電池が手許にない場合でも、本発明は、単1電池から単5電池が1本あれば、白色LEDを長時間点灯できるもので、必要最小限まで簡素化した事により、緊急用備品としても僅かなスペースに保存できる。流行り廃れのない、実用的で省資源構造の点灯器具を長期間グローバルに提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】 本発明の基本構造を示した斜視図。
【図2】 本発明の使用状態と適用可能な電池を示した斜視図。
【図3】 本発明に使用する白色LED点灯用電圧昇圧回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は本発明の基本構造を示すもので、2枚同じサイズのプリント基板のうち、両面素材を使用する上側プリント基板7、の昇圧回路カバー11、内には電池1本1.5Vで白色LEDを点灯させるための、図3に示す電圧昇圧回路チップ部品が取り付けられている。プリント基板7、の裏面は電池プラス極用接点にしてあり、スルーホールにより上面電子回路と接続する。1.5V電池1本で白色LEDを点灯するには、LEDのVF約3.3V迄昇圧が必要である。昇圧はスイッチングレギュレータデバイスを使用するのが一番簡単な方法ではあるが、本発明では電池ホルダーを簡素化するため、電池逆挿入防止構造にはしていない。現在入手できる殆どのスイッチングレギュレータデバイスは電源の逆接続保護には対応していないため、逆電流が加わればショート状態になり、そのまま放置すればデバイスと電池は発熱に至ってしまう。これを防ぐため逆電流阻止用のショットキーバリアダイオードを電池とデバイス間に入れると、ダイオードのVF約0.3Vが失われ、大きなロスになり、デバイス本来の高効率性能は奪われてしまう。そこで本発明に必要な電源逆接続でも電流は流れず、低電圧まで動作する、図3の回路を開発した。この回路は極性の違ったトランジスタ2個を直接々続する電圧昇圧回路であるが、本発明では、自身昇圧した電圧約3Vを、前段トランジスタ電源としてエミッタに加えることで、前段トランジスタは高いVBE値が確保され、VCEドロップを経て接続した次段トランジスタのVBEにも必要な電圧が電池電圧減電時も保たれるようにした。結果、バイポーラトランジスタを使用しながら、約0.7Vで回路が一旦スタートアップすれば電池電圧が0.3V以下まで低下しても白LEDを点灯させ続ける。回路内に備えた赤LED1は、スイッチOFF状態で電池電圧が1.35V以上ある時、数十マイクロアンペアがLED1に流れ込み、微かに点灯させることで、暗闇でも装置の所在を知らせるためのもの。電流消費は僅かなので電池寿命には殆ど影響を与えない。スイッチON時も点灯して、明るさ変化がおおよその電池電圧を示す。D2の4.7Vツェナーダイオードは、万一D1整流後の出力部分が無負荷状態になっても、電圧上昇を5V以下に抑える為のもの。LED1の電流制限をR2、R3が担う。S1の手前に電池無負荷状態電圧をC1に蓄えておくことで、電源投入時スタートアップは容易になる。LED2の消費電流を電池新品時20mAになるようにR4の値を設定しておくと、LED2の電流が5mAになるまで、アルカリ単3電池で連続50時間、単1電池では連続300時間点灯させることができる。最新の5ミリ径LEDは定格20mAでも光度27カンデラで発光するので数m範囲を照らすには十分である。本回路の変換効率は約75%になる。本装置に使用する耐久性、電気絶縁性に優れたブチルゴム製輪ゴム9、は自転車タイヤに使用するチューブを2〜3ミリ幅で輪切りにする事で適切なブチルゴム製輪ゴムを作る事ができる。ブチルゴムは耐オゾン性もあり、窓枠防水や電線被覆、タイヤチューブなどにも使用される。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は、構造を必要最小限まで簡素化し僅か10グラムの省資源型製品として安価に販売することもできるので、緊急常備品の一つとして備えておく用途にも適しており、緊急時マーケットから特定サイズの電池が売り切れ状態になっても、何れかの在庫品サイズの電池1本で点灯させることができる。なお単3サイズ以下の電池は3本並列にセットして使用することも可能。
【符号の説明】
【0009】
1. 単1型電池
2. 単2型電池
3. 単3型電池
4. 単4型電池
5. 単5型電池
6. LR−44ボタン型電池
7. 上側プリント基板(昇圧回路兼プラス電池接点、両面)
8. 下側プリント基板(マイナス電池接点、片面)
9. ブチルゴム製輪ゴム(自転車チューブを輪切り使用)
10.フック部分
11.昇圧回路カバー
12.マイナス極ジョイントワイヤー
13.電池マイナス極用ハトメ
TR1 PNPトランジスタ
TR2 NPNトランジスタ
L1 インダクター
LED1 赤LED
LED2 白色5ミリLED
D1 ショットキーバリアダイオード
D2 4.7Vツエナーダイオード
C1,C2,C3 チップ型積層セラミックコンデンサー
R1,R2,R3,R4 チップ型固定抵抗器
S1 SPDT スライド型スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色LEDを点灯するための電圧昇圧用電子回路部品と白色LEDを両面プリント基板上面に取り付けておき、裏面を電池プラス極用接点にした両面プリント基板と、これと同じサイズの電池マイナス極用基板の2枚に設けたフック部分に、輪ゴムをかけて電池をはさみ電池ホルダーにすることで、複数種の異なったサイズの電池に適応できるようにした、LEDを電池1本で点灯させることができる点灯器具装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−98162(P2013−98162A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251067(P2011−251067)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000185466)
【Fターム(参考)】