説明

印刷されたウェブ及び製造方法

上に皮膚健康上の利益を提供する着色剤及び/又は組成物が印刷されたウェブ。ウェブは、三次元の流体透過性ポリマーウェブ又は不織布ウェブであり得る。ウェブは、突出部のパターンと、相互に連結する部材のパターンと、開口を画定する相互に連結する部材とを含むことができる。開口は、ウェブの第1の平面内のウェブの第1の表面内に画定されるとともに、ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延びる。着色剤又はローション組成物を、ウェブの第2の表面の少なくとも一部分上に堆積することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て吸収性製品のトップシートに有用なウェブに関し、より詳細には、そのトップシート上で見ることのできる可視画像を有する使い捨て吸収性製品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間装置、失禁用装置、トレーニングパンツ、タンポンなどのような使い捨て吸収性物品は当該技術分野において既知である。吸収性物品の上面の上又は下に印刷することは当該技術分野において既知である。例えば、汚れを覆うシグナルを生成するための印刷が既知である。現在市販されている使い捨て吸収性物品の一つであるオールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)ブランドの生理用ナプキンには、トップシートの下にある1つの層に、トップシートを介して見ることのできる色シグナルが印刷されている。トップシートの下の層に印刷することにより、吸収性物品内の深みの知覚を提供するためにトップシートを介して色シグナルを見ることができる。印刷された色シグナルの深みの知覚は、上記のオールウェイズ(ALWAYS)(登録商標)ブランドの生理用ナプキンで使用されているような三次元成形フィルムトップシートと共に使用される場合に特に効果的であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(1)内在する層を必要としない、若しくは(2)材料の層を排除することができる、又は(3)少ない量のインク又は他の印字媒体を使用してユーザーによる許容レベルの視覚認知を達成する、といったいずれかの代替的方法で、使い捨て吸収性物品のトップシートの下の層に色シグナルを印刷することによる実証された利点を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上に着色剤及び/又は皮膚健康上の利益を提供する組成物が印刷されたウェブが開示される。ウェブは、三次元の流体透過性ポリマーウェブ又は不織布ウェブであり得る。ウェブは、突出部パターンと、相互に連結する部材のパターンと、開口を画定する相互に連結する部材とを含むことができる。開口は、ウェブの第1の平面内のウェブの第1の表面内に画定されるとともに、ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延びる。着色剤又はローション組成物を、ウェブの第2の表面の少なくとも一部分上に堆積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明に使用するのに好適な三次元成形フィルムの一部の斜視図。
【図2】本発明に使用するのに好適な三次元成形フィルムの斜視図。
【図3】本発明に使用するのに好適な三次元成形フィルムの斜視図。
【図4】図3に示される三次元成形フィルムの一部の拡大斜視図。
【図5】本発明の三次元成形フィルムの斜視図。
【図6】本発明の使い捨て吸収性物品の斜視図。
【図7】本発明のフレキソ印刷プロセスの略図。
【図8】図7に示される印刷プロセスの詳細。
【図9】本発明のウェブの顕微鏡写真。
【図10】本発明のウェブの顕微鏡写真。
【図11】本発明の不織布ウェブの略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ウェブ、ウェブを作製する方法及び装置が開示される。ウェブは、使い捨て吸収性物品のトップシート及び他の構成要素として有利に使用することができる。ウェブは、それぞれが使い捨て吸収性物品のトップシート用として当該技術分野において既知である不織布ウェブ又はポリマーフィルムであり得る。一実施形態において、ウェブは、面外、即ち、「z方向」の三次元性を有するために、エンボス加工などによって局所的に変形された不織布ウェブであり得る。本明細書で使用するとき、「z方向」は、不織布ウェブ及び吸収性物品の当該技術分野において使用されているようなその通常の意味を有し、概ね平面的で概ね平坦なウェブのX−Y平面に概ね直行する方向を指す。概ね平坦で平面的な不織布ウェブに形成されるエンボス又は他の摂動はz方向に延びると見なされる。ウェブ中のz方向の摂動は巨視的である、即ち、約30.5cm(12インチ)の距離で肉眼で見ることができ、ウェブのバルクを効率的に増加させることができる。バルクは密度の逆関数、即ち、単位質量当たりの体積の尺度であり、ウェブの坪量を増加せずにウェブの有効厚さを増加することで増加させることができる。摂動で形成された三次元の突出部は開口を画定することができ、成形されたフィルムに関して以下で説明するように、突出部の遠位端が共通面つまり表面内に終了すると見なすことができるように、z方向の寸法(即ち、「高さ」)が均一であり得る。ウェブは、巨視的に伸張された、三次元の流体透過性ポリマーウェブのような成形されたフィルムであり得る。以下の説明は成形されたフィルムの実施形態のコンテキストであるが、原則として、開示されるウェブ、装置、及び方法は三次元的に形成された不織布ウェブに適用され得ることを理解されたい。
【0007】
図1は、概ね米国特許第4,342,314号明細書(レーデル(Radel)ら、1982年8月3日発行)に従って形成された、巨視的に伸張された三次元の、先行技術の流体透過性ポリマーウェブ40の、部分的にセグメント化された拡大斜視図である。この種のウェブは、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間装置などのような吸収性物品のトップシート用に非常に好適であることが分かっている。流体透過性ウェブ40は、一次開口41のような開口であり得る複数の巨視的な表面収差を示す。一次開口41は、互いに相互に連結されてウェブ40の連続的第1の表面50を画定する繊維様の要素、例えば、42、43、44、45及び46のような多数の相互に連結する部材によって形成される。各繊維様の要素は、ベース部、例えば、第1の表面50の面内52に位置するベース部51を有する。各ベース部は、側壁部分、例えばベース部の各長手方向縁部に取り付けられた側壁部分53を有する。側壁部分は、概ねウェブ40の不連続な第2の表面55の方向に延びている。交差する側壁部分はウェブの第1の表面と第2の表面の中間で互いに相互に連結されており、第2の表面55の平面56で実質的に相互に同時に終了する。平面52及び56は実質的に平行であり得、本明細書中では厚さ又はキャリパーHと称される距離によって隔てられることができる。いくつかの実施形態において、米国特許第4,463,045号明細書(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行)によると、ベース部51は表面収差58を有してもよい。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「巨視的に伸張された」は、前駆体ウェブ又はフィルム、例えば平面的なウェブから形成され、前駆体ウェブが成形構造体の三次元パターンに少なくとも部分的に適合していることに起因して、前駆体ウェブの両側面又は表面が永久に変更されるように三次元成形構造体の表面に適合されているウェブの構造を指す。三次元構造は、所定距離離間した第1の表面(例えば、第1の表面50)と第2の表面(例えば、第2の表面55)とをもたらし、該所定距離は前駆体ウェブ又はフィルムの厚さの少なくとも2倍、3倍、5倍、又は10倍である。こうした巨視的に伸張されたウェブは、典型的にはエンボス加工により(即ち、成形構造体が主として雄の突出部から構成されるパターンを示す場合)、デボス加工(debossing)により(即ち、成形構造体が主として雌の陥没部又は開口から構成されるパターンを示す場合)、又は両方の組み合わせにより成形構造体の表面に適合される。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「巨視的」は、見る人の目とウェブとの間の垂直距離が約30cm(12インチ)である場合に、20/20の視力を有する人が容易に見ることができかつはっきりと識別できる構造的特徴又は要素を指す。逆に、用語「微視的」は、見る人の目とウェブの平面との間の垂直距離が約30.5cm(12インチ)である場合に、20/20の視力を有する人が容易に目で見ることができずかつはっきりと識別できない構造的特徴又は要素を指すのに使用される。広くは、本明細書で使用するとき、本明細書に開示されるウェブの一次開口は巨視的であり、表面収差、例えばより完全に以下に開示される毛髪様フィブリルは微視的であると見なされる。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「平面的」は、ウェブを三次元成形フィルムに永久変形する前に、裸眼で巨視的な尺度で見た場合の前駆体ウェブ又はフィルムの全体的な状態を指す。この文脈において、押出成形後加工前の押出成形フィルム、及び永久的な巨視的三次元性の有意な度合い、例えばフィルムの平面からの変形を示さないフィルムは一般に平面的であるとして記述される。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマーウェブ」は、実質的に完全にポリマーフィルム及び不織布のようなポリマー材料から構成されるウェブを指す。用語「ポリマーフィルム」はポリマーフィルムウェブを指し、ポリエチレン又はポリプロピレンから作られたウェブを含み、使い捨て吸収性物品のトップシート及びバックシートで一般に使用される。ポリマーフィルムは、押出成形法、キャスト法、ブロウン法、及び共押出成形のような積層法を含む当該技術分野において周知の方法で作製することができる。用語「不織布」又は「不織布ウェブ」は、ポリエチレン、プロピレン、PET、並びに組み合わせ及びブレンドのようなポリマー繊維で作製される不織布ポリマーウェブを指し、バイコンポーネント繊維、スプリットファイバー、及び短繊維を包含する。不織布ウェブは、メルトブロウン、スパンレース、カーディング、エアレイド、スパンボンド等のような当該技術分野において周知の方法で作製することができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「相互に連結する部材」は、ウェブ、例えば図1のウェブ40の要素のいくつかの又は全てを指し、該要素の部分は連続的ネットワークにより一次開口を画定する役目をする。図1の記述及び本明細書の本発明から理解できるように、相互に連結する部材、例えば繊維様の要素42、43、44、45、及び46は構造的に連続的であり、接触して相互に連結する要素は互いに融合され、相互に接している遷移部分になる。個々の相互に連結する部材は図1を参照して最も良く説明することができ、任意の2つの隣接する一次開口の間に配置されるウェブのそうした部分は、第1の表面において始まり、第2の表面まで延びている。相互に連結する部材はウェブの第1の表面上において集合的に連続的ネットワーク、つまりパターンを形成し、相互に連結する部材の連続的ネットワークは一次開口を画定し、相互に連結する部材の相互に連結する側壁はウェブの第2の表面上において二次開口の不連続なパターンを集合的に形成する。
【0013】
三次元の巨視的に膨張されたウェブにおいて、相互に連結する部材は通路様であるとして記述されてもよい。それらの二次元の断面はまた、前述のレーデル(Radel)の‘314号特許のように「U字形状」として、又は米国特許第5,514,105号明細書(グッドマン・ジュニア(Goodman,Jr.)ら、1996年5月7日発行)に開示されているように「上方に凹形の形状」として記述されてもよい。本明細書で使用するとき、及び図1に示されるとき、「上方に凹形の形状」は、ウェブの表面に対する相互に連結する部材の通路様の形状の向きを説明し、一般にベース部51は第1の表面50内にあり、通路の脚、例えば側壁部分53はベース部51から第2の表面55の方向に延び、通路の開口部は実質的に第2の表面55内に存在している。広くは、ウェブ、例えばウェブ40を切断し、平面、例えば第1の表面50の平面52に直交し、任意の2つの隣接する一次開口、例えば開口41と交差する平面については、その中に配置される相互に連結する部材の結果として生じる断面は、実質的にU字形状であってもよい概ね上方に凹形の形状を示す。
【0014】
用語「連続的な」は、巨視的に伸張された三次元成形フィルムウェブの第1の表面を記述するために本明細書で使用する場合は、一般に第1の表面の平面内における第1の表面の中断されない特性を指す。したがって第1の表面上の他の任意の点から、第1の表面を実質的に離れずに第1の表面上の任意の点に到達することができる。逆に、本明細書で使用するとき、用語「不連続的な」は、三次元成形フィルムウェブの第2の表面を記述するために使用する場合は、一般に第2の表面の平面内における第2の表面の中断される特性を指す。したがって、第2の表面上の他の任意の点から、第2の表面の平面内の第2の表面を実質的に離れずに第2の表面の任意の点に到達できるとは必ずしも限らない。
【0015】
図2は、クーロ(Curro)らに付与された米国特許第4,629,643号明細書に概ね従って形成された、別の先行技術のミクロ孔を有するポリマーウェブ110の一部分の、部分的にセグメント化された拡大斜視図を示す。ミクロ孔を有する表面収差120は、ハイドロフォーミングプロセスにより形成することができ、該プロセスでは高圧液体噴射を使用してウェブを三次元支持部材に適合させる。図のように、各ミクロ孔を有する表面収差120の最大振幅に実質的に一致する裂け目が、結果としてその周囲に、相対的に薄い不規則な形状の花弁126を有する噴火口の形状の開口125を形成する。このようなウェブの開口の相対的に薄い花弁形状の縁128は、例えばアール(Ahr)の‘045号特許のウェブと比べた場合に、より柔軟な印象をユーザーの皮膚上に提供する。この柔軟な印象は、噴火口の形状の開口を有する表面収差により与えられる、圧縮及び剪断力への抵抗力の相対的な不足によるものであると考えられている。(図1のウェブに示されるような)マクロ孔と、第1の表面50から延びるミクロ孔とを両方有する、図2に描かれている種類のウェブでは、キャリパーHは、第2の表面55の平面56から噴火口の形状の開口125の花弁状の縁128に概ね対応する表面の平面までの寸法である。
【0016】
図3は、米国特許出願第10/324,366号公報(2002年12月20日出願、名称「柔軟で絹のような触感を示すポリマーウェブ(Polymeric Web Exhibiting a Soft and Silky Tactile Impression)」)に教示されているような、流体透過性の巨視的に伸張された三次元ポリマーウェブ80の部分的にセグメント化された拡大斜視図である。ポリマーウェブの巨視的な表面収差、例えば一次開口71の幾何学構造は、図1に示されるウェブ40の構造と概ね同様であり得る。一次開口71は、本明細書において「開口」又は「マクロ孔」と呼ばれる場合もあり、ウェブ80の第1の表面90とウェブ80の第2の表面85との間の流体連通を可能にするウェブ中の開口部を指す。図3に示されるウェブの一次開口71は、相互に連結する部材、例えば互いに連結される部材91、92、93、94、及び95の連続的ネットワークにより第1の表面90の平面102内に画定される。第1の表面90の平面内に突き出た一次開口71の形状は、順序づけられた又は無作為のパターンの多角形、例えば正方形、六角形などの形状であってもよい。好ましい実施形態では、一次開口71は変形した楕円形の形状であり、一実施形態では一次開口71は涙の滴の一般形状である。ポリマーウェブ80は、より完全に以下に記述される毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面収差220を示す。マクロ孔71と、第1の表面90から延びる毛髪様フィブリル225との両方を有する図3に描かれる種類のウェブでは、キャリパーHは、第2の表面85の平面106から毛髪様フィブリル225の遠位端226に概ね対応する表面の平面までの寸法である。
【0017】
三次元のミクロ開口を有するポリマーウェブ80では、各相互に連結する部材はベース部、例えば、一般に平面102内に位置するベース部81を含み、各ベース部は側壁部分、例えばその各長手方向縁部から延びる側壁部分83を有する。側壁部分83は、一般にウェブ80の第2の表面85の方向に延び、接している相互に連結する部材の側壁に第1の表面90及び第2の表面85の中間でそれぞれ結合し、相互に実質的に同時に終了して二次開口、例えば第2の表面85の平面106内の二次開口72を画定する。
【0018】
図4は、図3に示される三次元ポリマーウェブ80の更に拡大された部分図である。三次元ポリマーウェブ80は、ポリマーフィルム120、即ち前駆体フィルムを含み、これは押出成形されたポリマーの単層であるか、又は2つ以上の層を含む多層の共押出成形された若しくは積層体のフィルムであり得る。図4に示されるように、フィルム120は第1の層101と第2の層103とを含む二層積層体である。積層体材料は、表面薄層を含むフィルムを包含する積層体フィルムを製造するために当該技術分野において既知のように共押出成形されてもよい。図4に示されるように、ポリマー層、例えば層101及び103は、第2の表面の平面106において実質的に同時に終了することが現時点では好ましいが、それらがそうすることが必須であるとは現時点では考えられていない。1つ以上の層が、その他の層より、更に第2の表面に向かって延びもよい。
【0019】
図4は、毛髪様フィブリル225の形態の複数の表面収差220を示す。毛髪様フィブリルは、一般にその第1の表面90上にポリマーウェブ80の突き出た延長として形成される。ポリマーウェブ80上の毛髪様フィブリル225の数、寸法、及び分布は、所望の肌触りに基づいて予め定めることができる。使い捨て吸収性物品のトップシートとしての用途に関しては、毛髪様フィブリル225は、図3及び4に示されるように、ポリマーウェブ80の第1の表面90のベース部81のみから突き出ることが好ましい。そのため、ウェブ80が使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いられる場合には、優れた柔軟な印象を与えるために毛髪様フィブリル225が皮膚に接触するが、毛髪様フィブリル225がマクロ孔71を介して流れる流体を妨害しないように、ウェブを配向することができる。更に、閉じた遠位部226を有する毛髪様フィブリル225を有することで、結果として再湿潤が減少する、即ち最初にトップシートを介して内在する吸収性層へと通過し、その後トップシートの表面に再導入される流体の量が減少する。
【0020】
図5は本発明のウェブを示しており、この実施形態においてウェブ140は全ての点で図1のウェブと同様であるが、その第2の表面155上に着色剤が印刷されており、この実施形態において該着色剤はインク堆積物160の形態で存在している。インク堆積物160は、別個の離間したインクの堆積物として説明され得る。着色剤は、ポリマーフィルム上に堆積するのに好適なあらゆる着色剤であり得、水性インク及び顔料、溶剤型インク及び顔料、紫外線硬化インク若しくは染料、塗料、顔料、又は食用着色剤のような液体着色剤を含む。着色剤は、ウェブ140の色に対して明暗を有する色を生成することができ、原色及び一般色、例えば、赤、緑、青、黄色、ピンク、紫、オレンジ、又は黒であり得る。ウェブ140が暗色である場合は着色剤をライトグレー、銀色、白、又はベージュのような明色にすることができる。流体透過性ウェブ140は、一次開口141のような開口であり得る複数の巨視的な表面収差を示す。一次開口141は、互いに相互に連結されてウェブ140の連続的第1の表面150を画定する繊維様の要素、例えば、142、143、144、145及び146のような、多数の相互に連結する部材によって形成される。繊維様の要素のそれぞれは、ベース部、例えば、第1の表面150の面152内に位置するベース部151を有する。各ベース部は、側壁部分、例えばベース部の各長手方向縁部に取り付けられた側壁部分153を有する。側壁部分は、概ねウェブ140の不連続な第2の表面155の方向に延びている。交差する側壁部分はウェブの第1の表面と第2の表面の中間で相互に連結されており、第2の表面155の平面156で実質的に相互に同時に終了する。平面152及び156は実質的に平行であり得、本明細書中では厚さ又はキャリパーHと称される距離によって隔てられることができる。広くは、使い捨て吸収性物品のトップシートとして有用な本発明のウェブのキャリパーHは0.1〜2ミリメートルの範囲であり得、これらの値の間で0.01mm単位の増加量で変動可能である。キャリパーHは0.40〜0.60ミリメートルであり得る。キャリパーHは平均して0.44ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態において、米国特許第4,463,045号明細書(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行)によると、ベース部151は表面収差158を有してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、第2の表面155が平面156と実質的に完全に一致するように、側壁部分153は実質的に均一に終了する。しかしながら、いくつかの実施形態において、側壁部分153は実質的に不均一に、例えばいくらか波のあるパターンに終了することができ、様々な部分が異なる寸法の高さHを有する。このような実施形態において、平面156は、第2の表面155により決定される平均距離Hに位置すると見なされる。各実施形態において、側壁部分は、ウェブの第2の平面内の第2の表面に向かって延びると見なされる。
【0022】
インク堆積物160は側壁153の遠位端、即ち実質的に第2の表面155上だけで優勢であるように図5に示されている。側壁は、製造プロセスに起因してフィルムウェブの出発材料の原厚から薄化されることを含み、比較的薄くあり得るという理由から、またインクが側壁の厚さより大きな寸法を有する液滴で堆積され得るという理由から、いくつかの実施形態において、インク堆積物は遠位端から離れて側壁153をいくらかの距離延びることができ、更には実質的に第2の表面155上のみであると見なすこともできる。したがって、一実施形態において、第2の表面155のインク堆積物160の形態の着色剤は、フィルム縁部、又は主として側壁部分153の遠位端のフィルム縁部に存在し得る。他の実施形態において、フィルム縁部の側壁部分153の遠位端に存在していることに加え、インクは、側壁部分153の他の部分、例えば側壁部分153の内側又は外側表面に存在していることができる。
【0023】
図5に図示されるウェブのような三次元の成形されたフィルムウェブの少なくとも一部分に堆積した着色剤を有することの一つの利点は、生み出される深みの印象である。吸収性物品のトップシートとして用いられるとき、上面の下の平面に堆積した着色剤を有するウェブは、消費者に魅力的である深みと濃さの視覚的印象を提供する。加えて、着色剤は実際に上面の下の平面に定置されるので、ウェブが吸収性物品のトップシートとして使用される場合、着色剤は事実上ユーザーの皮膚から遠く隔たる。この遠隔した配置は、着色剤がトップシートの上面の上又は近くに存在していることが望ましくない特定の着色剤に関して有利であり得る。
【0024】
本発明のウェブ、及び以下に記載の製造方法の一つの利点は、着色剤又は着色剤の組み合わせを側壁部分153の異なる区域に適用することができることである。例えば、着色剤を実質的に第2の表面155に限定して適用することが可能である。あるいは、着色剤、又は異なる色を有する別の着色剤を、第1の表面150と第2の表面153との中ほどに適用することが可能である。1色を超える着色剤を使用する場合、複数の色の平面を生み出して、第1の表面側からウェブを見るユーザーに新規な視覚効果を提供することができる。吸収性物品のトップシートとして使用される場合、様々な着色剤、着色剤の色、及び配置の選択肢を組み合わせて、新規な視覚的形状、深み効果、色の組み合わせを生み出すことができる。一例として、一実施形態において、第1の着色剤を生理用ナプキン用トップシートの中心領域の第2の表面に適用することができ、異なる色の第2の着色剤をトップシートの側面又は末端領域の第2の表面に適用することができる。別の実施形態において、第1の着色剤を渦巻き型の生理用ナプキン用トップシートの中心領域の第2の表面に適用することができ、視覚的効果を提供するために、異なる色の第2の着色剤を、トップシートの同じ領域の中央側壁部分に同じ渦巻きパターンで提供することができる。言うまでもなく、それぞれが独自の新規な視覚効果を有する、着色剤、色、堆積位置、堆積物の形状の任意の組み合わせを意図することが可能である。
【0025】
ウェブ140の第2の表面155上のインク堆積物160は、以下に記載のように、グラビア印刷及びフレキソ印刷のような印刷プロセスで適用することができる。それぞれが多様な利点及び不利な点を有する、当該技術分野において既知のその他の印刷プロセスを用いることが可能である。フレキソ印刷プロセスによる印刷の利点は、ウェブ140の第2の表面155のみがインクの付いたロールと高度に制御可能な方法で接触するように、印刷段階でニップの設定を調節かつ設定することができることである。その結果、インク堆積物160を第1の表面150から所定距離離間させてウェブ140の表面上に適用するためにインク堆積物160を正確に制御することが可能である。上述のように、ウェブ140を使い捨て吸収性物品のトップシートとして使用する場合、第2の表面155のインク堆積物160は、使い捨て吸収性衣類のユーザーに面する側から見ることができる深みの知覚をレンダリングすることができる。このように深みの知覚を得ることで、シグナルが印刷された二次トップシートのような内在する層を、色シグナルの機能を失うことなく排除することができる。また、成形されたフィルムの第2の表面155のみに印刷することで、商業的に実現可能な視覚シグナル用に使用するインクの量を、色シグナルを二次トップシート又はコア層のような内在する層に印刷するのと比べて有意に減らすことができる。
【0026】
インク堆積物160は、第2の表面155の実質的に完全なカバーを形成するために密集させることができ、又は比較的遠く離して離間させることができる。インク堆積物160は実質的に側壁部分153の最末端部のみに限定されることができ、又はインク堆積物160は、側壁部分153を第1の表面150の方向に向かってかなりの距離延びることができる。一実施形態において、インク堆積物160は、水、尿、又は経血の少なくとも1つにさらされたときに溶解、減成、又は流出しないように耐色性である。別の実施形態において、インク堆積物160は、液体にさらされた際にインプリントされた色が変化又は消失するように、水、尿、又は経血の少なくとも1つに可溶性であり得る。そのような色の変化は、湿り度、流体の量、流体の位置、及び/又は流体の種類を示すことができる。
【0027】
一実施形態において、使い捨て吸収性物品の身体に面する側からグラフィック画像を見ることができるようにインク堆積物160を印刷することができる。例えば、図6に示されるように、画像は、同時係属の同一出願人による米国特許出願第10/025,059号公報(2001年12月19日出願、名称「吸収性物品(Absorbent Article)」)、又は同時係属の同一出願人による米国特許出願第10/967,454号公報(2004年10月18日出願、名称「吸収性物品(Absorbent Article)」)に教示されているものと同様であり得る。
【0028】
図6は吸収性物品210の斜視図を提供する。本明細書の吸収性物品210は、上面222と、下面(見えない)と、底面(図示せず)と底面の反対側に位置する表示面232とを有するトップシート225を含む周囲212と、を有する。表示面232は吸収性物品210の上面222に向かって上方に面する。吸収性物品210は、衣類に面する表面(図示せず)と、衣類に面する表面の反対側に位置するユーザーに面する表面と、を有するバックシート223を更に含み、当該技術分野において一般的及び既知であるように、バックシート223はトップシート225接合される。吸収性物品210は、上面221と、上面221の反対側に位置する底面(図示せず)と、を有する吸収性コア220を更に含む。吸収性コア220は、当該技術分野において一般的及び既知であるように、トップシート225とバックシート223との間に配置される。
【0029】
インク堆積物160は、図形、例えば図6の図形240を表示面232から見えるようにレンダリングする。図6の実施形態において、吸収性物品210は少なくとも2つの部分、即ち、図形240を含む部分と図形240を含まない部分250とを有する。図形240及び図形でない部分250はトップシート225の表示面232から見ることができる。図形240は少なくとも2つの色合い、つまり第1の色合い242と第2の色合い244とを有することができる。一実施形態において、図6に示されるように、第1の色合い242は実質的に第2の色合い244内に配置され得る。第2の色合い244は、明るさ、暗さ、及び/又は色のいずれかが第1の色合い242と異なることができる。複数の色合いは、トップシート225の表示面22を見るユーザーが、吸収性物品内の深みの更なる知覚を引き起こすように機能することができる。
【0030】
図6に示される図形は上記の米国特許出願第10/025,059号公報で示される図形と類似しているが、本発明では、図形240の形状、寸法、彩色、配置、及び強度を、基材の寸法及び用いる印刷技術によってのみ制限される形で変化させることができる。例えば、レタープレス技術、リソグラフィー技術、スクリーン印刷技術、フレキソ又はグラビア印刷技術を用いることにより、あらゆる色又は色の組み合わせの実質上あらゆる図形を、トップシート225の上にレンダリングすることができる。更に、作業変数、例えばフレキソ印刷プロセスにおいてローラーの間のニップを調節することにより、色強度、白色度/暗さ、色相、飽和、及び深みの知覚の様々な印象を与えるために、インクの量及びインクの位置を変化させることができる。
【0031】
一実施形態において、図形240又はその他の印刷画像は、図7に概略的に図示されているようなフレキソ印刷プロセスによって、トップシート225のようなウェブに付与され得る。フレキソ印刷プロセス300は、当該技術分野において既知の処理方法を含む既知のフレキソ印刷装置及び機器のいずれかを使用することができる。図のように、インク305は、当該技術分野において既知であるドクターブレードを備えるチャンバ310に供給され、チャンバ310はアニロクスローラー320と動作的関係にあり、チャンバ310からのインクは、示されている方向にローラー320が回転するにつれて、均一なやり方でアニロクスローラー320へと移動する。アニロクスローラー320は、転写ニップ340においてインクがアニロクスローラー320からプレートローラー330に移動するように、プレートローラー330と動作的関係にある。プレートローラー330は、基材345上に印刷される所望のパターンに対応するパターンでアニロクスローラー320からインクを捕捉する。上にパターンが印刷される基材345、例えば図6の生理用ナプキンのような使い捨て吸収性物品のトップシート用ウェブが、図7に示される方向に回転している中央加圧ドラム340上に(従来の任意の方法で、図示せず)供給される。
【0032】
プレートローラー330及び中央加圧ローラー340の表面の動作的関係によって形成される印刷ニップ335に基材345が入ると、プレートローラー330の表面のインク305が基材345と接触して移動する。インク加圧と呼ばれることもあるインク移動パターンは、その時は印刷されたウェブ350上に見ることができ、最終的には吸収性物品のトップシート225の表示面232から見ることができる図形240に対応している。
【0033】
説明したフレキソ印刷プロセスの代替を実施することが可能である。例えば、それぞれが対応するインク供給ローラーとアニロクス/プレートローラーとを有する複数の印刷ニップ335を、複数の色及び色強度の複数のパターン及び図形が基材345に付与され得るように調整することが可能である。一実施形態において、2つのこのような印刷ニップ335を使用することができ、基材345に2色のグラフィック画像をレンダリングするために各ニップは登録されたパターンで色を供給し、続いて該画像が吸収性物品のトップシート225の表示面232上に適切に配置されるように該画像を登録することができる。いくつかの実施形態において、複数の印刷操作が実行される場合、1つの印刷操作からもたらされるインクが次の印刷操作の前に十分乾燥することが必要であり得る。したがって、一実施形態において、動作可能に配置された乾燥手段、例えば当該技術分野において既知である赤外線加熱、紫外線硬化、強制空気乾燥などを印刷操作の間に配置することができる。
【0034】
本発明による三次元の成形されたフィルムウェブ上の印刷画像には多くの利点が存在している。例えば、図8に示されるように、第1の表面50を中央加圧ドラム340内に又は上に向け、第2の表面55を中央加圧ドラム340に対して外側に向けた状態で、ウェブ、例えば図1に示されるウェブ40をフレキソ印刷プロセスで印刷することができる。この実施形態においては印刷されたウェブ350となるように印刷される基材345であるウェブ40の第2の表面55のみにインクが移動するように、プレートローラー330と中央加圧ローラー340との間の間隙Gを設定することができる。印刷されると、印刷されたウェブ350は図5に描かれるような本発明のウェブ140になる。インクはフレキソ印刷のプロセスを介して移動して第2の表面155のみに堆積し、また間隙Gによっては側壁153の部分に堆積している。
【0035】
間隙Gは、三次元の成形されたフィルムウェブ基材345のキャリパーHに応じて調節することができる。一実施形態において、第2の表面155の側壁部分153の最末端部のみにインクが堆積するように、間隙GはキャリパーHと実質的に同じであり得る。別の実施形態において、側壁部分153が印刷ニップ335を介して圧縮され、その結果インクが側壁部分153の一部分に堆積しているように、間隙GはキャリパーHより小さくあり得る。図9は、本発明のウェブ140の第2の表面155の、長さ約3mm(図9では水平)の区域を示す顕微鏡写真であり、実質的に第2の表面155における側壁部分153の末端部のインク堆積物160を示す。図9は、図5に示されるのと同様のウェブの下面を示しており、「下面」は、ウェブの第1の表面150に対向する側を表すのに用いられ、第2の表面155を包含する。実際に使用される場合はいずれの側も「下面」であり得、したがって該用語はここでは単に印刷される側を表し、これは例えば、図5において配向されるようにたまたま下面となる。図9で構成されたように、図の上部で、側壁部分153によって形成される錐体様構造をより良く示すために、ウェブ140は折り曲げられている。図のように、図7に関して上述したようなフレキソ印刷プロセスにより、インク305は側壁部分153の遠位端に、狭い間隔のドットのパターンで印刷されている。図9ではウェブ140として描かれ、印刷された三次元の成形されたフィルムウェブ基材345では、インクはサン・ケミカル(Sun Chemical)からGCOFW7835747 RD 11として入手可能な水性インクであり、インクは、キャリパーHが0.44mm(荷重14.7g/sqcmで測定した場合)であるトレデガー・フィルム・プロダクト社(Tredegar Film Products)(中国、GD、広州、黄浦工場(Haung Pu plant in Guangzhou, GD, China))製の三次元の成形されたフィルムに、マーク・アンディ/コムコ社(Mark Andy / Comco, Inc)(オハイオ州ミルフォード、リラ通り910(910 Lila Ave., Milford, Ohio))製のフレキソプログライド(PROGLIDE)(登録商標)印刷プロセスで適用され、この場合間隙Gは約0.254mm(0.01インチ)に調節された。
【0036】
別の実施形態では、三次元の成形されたフィルムウェブ基材345が印刷ニップ335で有意に圧縮されて、インクが、図1のウェブの第1の表面50のような第1の表面を除いた印刷されたウェブ140の実質上全表面上に堆積されるように、間隙Gを調節することができる。図10は、本発明のウェブの第2の表面155の、長さ約3mm(図10では水平)の区域を示す顕微鏡写真であり、ウェブ140の実質上下面全体に堆積したインクを示しており、用語「下面」は、ウェブの第1の表面150に対向する側を表すのに用いられ、第2の表面155を包含する。実際に使用される場合はいずれの側も「下面」であり得、したがって該用語はここでは単に印刷される側を表し、これは例えば、図5にいおて配向されるようにたまたま下面となる。図10で構成されたように、図の上部で側壁部分153によって形成される錐体様構造をより良く示すために、ウェブ140は折り曲げられている。図10に示されるように、錐体様構造は印刷プロセスにおける圧縮によりいくらか変形しており、図7に関連して上述したように、インク305はフレキソ印刷プロセスにより、実質上ウェブの全体を覆って密集したドットパターンに印刷されている。図10に描かれている印刷された三次元の成形されたフィルムウェブ基材345では、インクはサン・ケミカル(Sun Chemical)からCROFS7711705 DPO−149として入手可能な溶剤型インクであり、インクは、キャリパーHが0.44mm(荷重14.7g/sqcmで測定した場合)であるトレデガー・フィルム・プロダクト社(Tredegar Film Products)(中国、GD、広州、黄浦工場(Haung Pu plant in Guangzhou, GD, China))製の三次元の成形されたフィルムに、マーク・アンディ/コムコ社(Mark Andy / Comco, Inc)(オハイオ州ミルフォード、リラ通り910(910 Lila Ave., Milford, Ohio))製のフレキソプログライド(PROGLIDE)(登録商標)印刷プロセスで適用され、この場合間隙Gは約0.0mm(0.0インチ)に調節された。
【0037】
一実施形態において、本発明のウェブは、突出部パターンを含む三次元の流体透過性ウェブであると説明することができる。図11に示されるように、基材345は、メルトブロウン、スパンボンド、カーディング、エアレイド、及び湿式(例えば、紙)のような既知のプロセスで作製される不織布ウェブ350を含むことができ、繊維は、合成、バイコンポーネント、セルローズ系、ナノ繊維、マイクロファイバー、成形繊維、界面活性剤で処理された繊維、及び当該技術分野において既知の他の種類の繊維であり得、ウェブは、一方の側に印刷されたシグナルがウェブを介して他方の側まで見ることができるように十分な光線透過率を有し得る。突出部360は、加熱ピンによる押し抜き、加熱ピンによる孔開け、エンボス加工、ハイドロフォーミング法、及び真空成形のような当該技術分野において既知の手段によって生成することができる。2つの突出部360が図11の部分断面図に示されており、1つは閉じた遠位端を有し、1つは開いた孔あき遠位端を有する。突出部360は、ウェブの第2の平面356に不連続な第2の表面355を集合的に画定する遠位端362まで側壁部分を延びることができる。インク又は染料のような着色剤370は、突出部360の遠位端362の少なくとも一部分、即ち、ウェブの第2の表面355上に堆積され得る。突出部360は開口365を有する又は画定することができ、開口はウェブの第1の平面352内の該ウェブの第1の表面354内に画定されるとともに、実質的に第2の平面内の開口まで側壁部分で延びる。第1の平面352と第2の平面356との間の、三次元ウェブ350の有効厚さと見なすことができる距離Hは、基板となる不織布ウェブの平均厚さの2倍であり得、若しくは3倍、又は4倍、あるいは少なくとも約5倍であり得る。このようなウェブを使用するトップシートは、ユーザーがトップシートの表面から見ることができる色シグナルを提供するために内在する層を必要としないので、この種のウェブは生理用ナプキンで有利に使用することができる。更に、トップシートとして使用する不織布ウェブに印刷することで、普通であれば、ユーザーがトップシートの表面から見ることができる色シグナルを印刷するための印刷表面として二次トップシートを使用していた場合には、製造者は二次トップシートのような材料の層を排除することができる。更に、本明細書に記載のように、トップシートとして使用する不織布ウェブ上に色シグナルを印刷することで、少ない量のインク又は他の印字媒体を使用して、ユーザーによる許容レベルの視覚認知を達成する。インクを、例えば、第2の表面の突出部の遠位部、即ち先端に印刷することにより、比較的少ない量のインクで、使い捨て吸収性製品のユーザーに、商業的に実現可能な視覚シグナルを提供することができる。
【0038】
したがって、一実施形態において、本発明のウェブは三次元の流体透過性ポリマーウェブと記載することができ、ウェブは相互に連結する部材のパターンを含み、相互に連結する部材は開口を画定し、開口はウェブの第1の平面内のウェブの第1の表面内に画定されるとともに、ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延び、インクは、ウェブの第2の表面の少なくとも一部分上に堆積している。このようなウェブを使用するトップシートは、ユーザーがトップシートの表面から見ることができる色シグナルを提供するために内在する層を必要としないので、巨視的に伸張された成形されたフィルムと呼ばれることもあるこの種のウェブは生理用ナプキンで有利に使用することができる。更に、トップシートとして使用するウェブに印刷することで、普通であればユーザーがトップシートの表面から見ることができる色シグナルを印刷するための印刷表面として二次トップシートを使用していた場合には、製造者は二次トップシートのような材料の層を排除することができる。更に、本明細書に記載のように、トップシートとして使用するウェブ上に色シグナルを印刷することで、少ないインク又は他の印字媒体を使用して、ユーザーによる許容レベルの視覚認知を達成する。インクを、例えば、第2の表面の巨視的に伸張された錐体の先端のみに印刷することにより、比較的少ない量のインクで、使い捨て吸収性製品のユーザーに、商業的に実現可能な視覚シグナルを提供することができる。
【0039】
別の実施形態において、ローション、界面活性剤、クリーム及び皮膚健康上の利益を提供する他の組成物をウェブの第2の表面に適用することができ、その場合上述の説明は、インク又は染料のような着色剤の代わりに、例えば、ローションに当てはまる。一実施形態において、例えば、透明又は色の付いたワセリンのローションを、フレキソ印刷手段で適用する場合に十分に加熱するといった既知のプロセスにより適用することができる。加熱されたワセリンの組成物は、一旦ウェブ上に堆積されるとその後冷却され、ウェブの側壁部分のような適切な場所に固結され得る。ローション及びローション組成物を本発明のウェブ上に単独で、若しくは着色剤として、又は着色剤と共に、あるいは複数の場所における複数の着色剤と組み合わせて適用し、皮膚健康上の利益を提供することができる。使用中に体温、着用動作、又は流体移動に起因して、ローション組成物が着用者の皮膚と接触できるように、ローション組成物を、例えば、トップシートとして使用するウェブの第2の表面に適用することができる。
【0040】
別の実施形態において、不織布/成形されたフィルムの積層体に印刷することができる。一実施形態において、不織布ウェブは、三次元の流体透過性ポリマーウェブに形成される前又は後のいずれかに、例えば接着剤又は熱接着によって、成形されたフィルムの表面に接合され得る。このように、柔軟で繊維状の表面を有する成形されたフィルムを達成することができる。
【0041】
別の実施形態において、形成されたタフトを有する、フィルムと不織布の積層体のようなウェブに、本明細書で開示されているように印刷することが可能である。一実施形態において、タフトは、同時係属の同一出願人による米国特許出願第11/156,020号公報(2005年6月17日出願)、同第10/737,306号公報(2003年12月16日出願)、同第10/737,430号公報(2003年12月16日出願)に開示されているように、ニードルパンチング、又はセルフィング(SELFing)、回転ナイフによる孔開けなどとして既知の回転法により形成され得る。本発明の方法は、ローション、着色剤、又は他の流体材料をタフトの先端に堆積させるために用いることができる。一実施形態において、本発明の方法は、インク又は染料を、タフト付き不織布又は積層体ウェブのタフトの先端のみに印刷するために使用することができる。
【0042】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0043】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0044】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるかような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に連結する部材のパターンを含み、
前記相互に連結する部材が開口を画定し、
前記開口が、前記ウェブの第1の平面内の前記ウェブの第1の表面内に画定されるとともに、前記ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延び、
着色剤が前記ウェブ上に堆積し、
前記着色剤が実質的に前記ウェブの前記第2の表面上のみに堆積していることを特徴とする、三次元の流体透過性ポリマーウェブ。
【請求項2】
トップシートを含み、
前記トップシートが三次元の流体透過性ポリマーウェブを含み、
前記ウェブが相互に連結する部材のパターンを含み、
前記相互に連結する部材が開口を画定し、
前記開口が、前記ウェブの第1の平面内の前記ウェブの第1の表面内に画定されるとともに、前記ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延び、
着色剤が前記ウェブの前記第2表面の少なくとも一部分に堆積し、
前記着色剤が別の離間したインクの堆積物として存在していることを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
トップシートを含み、
前記トップシートが三次元の流体透過性ポリマーウェブを含み、
前記ウェブが相互に連結する部材のパターンを含み、
前記相互に連結する部材が開口を画定し、
前記開口が、前記ウェブの第1の平面内の前記ウェブの第1の表面内に画定されるとともに、前記ウェブの第2の平面内の第2の表面まで側壁部分で延び、
ローション、界面活性剤、クリーム及び皮膚健康上の利益を提供する他の組成物が、前記ウェブの前記第2の表面の少なくとも一部分に堆積していることを特徴とする、使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記物品が、使い捨ておむつ、尿失禁用装置、生理用ナプキン、及びパンティーライナーからなる群から選択される、請求項2又は3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記物品が生理用ナプキンであり、
前記インクが前記第2の表面上に印刷することにより適用される、請求項4に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
遠位端まで側壁部分を延びる突出部のパターンを含み、
前記遠位端がウェブの第2の平面に不連続な第2の表面を集合的に画定し、
着色剤が前記ウェブ上に堆積し、
前記着色剤が実質的に前記突出部の前記遠位端上にのみ堆積していることを特徴とする、三次元の流体透過性不織布ウェブ。
【請求項7】
前記着色剤がインク、染料、及び顔料からなる群から選択される、請求項1又は6に記載のウェブ。
【請求項8】
前記着色剤が水性インク及び溶剤型インクからなる群から選択される、請求項1、6又は7に記載のウェブ。
【請求項9】
前記着色剤が別の離間したインクの堆積物として存在している、請求項1又は6〜8のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項10】
前記着色剤が前記側壁部分の少なくとも一部分に堆積している、請求項1又は6〜9のいずれか一項に記載のウェブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−517709(P2010−517709A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549308(P2009−549308)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/054267
【国際公開番号】WO2008/103650
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】