説明

印刷システム、クライアント端末、印刷装置、プログラム、記憶媒体および印刷方法

【課題】プリンタドライバにユーザIDおよびパスワードを予め設定しておかなくとも認証を用いたセキュリティ性のある印刷を行うことを可能とする。
【解決手段】
【請求項1】クライアント端末2は、ログイン成功時に、ドメインコントローラ3からTGTを取得するTGT取得部21Aと、印刷装置4における印刷処理を実行する場合に、TGTを用いてドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るためのSTを取得するST取得部21Bと、ST取得部21Bで取得したSTと印刷ジョブとを合わせた印刷ジョブを生成するST/印刷ジョブ結合部213と、ST/印刷ジョブ結合部213で生成された印刷ジョブを印刷装置4に送信する印刷ジョブ送信部214と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、印刷システム、クライアント端末、印刷装置、プログラム、記憶媒体および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアント端末のプリンタドライバが、ユーザIDおよびパスワードを含む認証情報を付加した印刷ジョブを印刷装置に送信し、印刷装置が、受信した印刷ジョブに付加されたユーザIDおよびパスワードを用いて認証を行い、認証に成功した場合にのみ印刷を実行する印刷システムが知られている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の印刷システムでは、プリンタドライバでユーザIDおよびパスワードを予め設定しておく必要があった。
【0004】
また、従来の印刷システムでは、アクティブディレクトリ(Active Directory)環境を利用している場合、セキュリティの向上のため、定期的にパスワードを変更することが多く、認証先のパスワードが変更された場合は、プリンタドライバ側のパスワードを同様に変更しなければならないなどの問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、プリンタドライバにユーザIDおよびパスワードを予め設定しておかなくとも認証を用いたセキュリティ性のある印刷(画像形成)を行うことが可能な印刷システム、クライアント端末、印刷装置、プログラム、記憶媒体および印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の印刷システムは、ドメインを管理するサーバ装置と、前記ドメインに属するクライアント端末と、印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムであって、前記クライアント端末は、ログイン成功時に、前記サーバ装置から認証情報を取得する第1の取得手段と、前記印刷装置における印刷処理を実行する場合に、前記認証情報を用いて前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報を取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段で取得した許可情報と前記印刷処理に係る印刷ジョブとを合わせた情報を生成する結合手段と、前記結合手段で生成された情報を前記印刷装置に送信する送信手段と、を有し、前記印刷装置は、前記送信手段で送信された情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した情報から前記許可情報と印刷ジョブとを分離する分離手段と、前記分離手段で分離された前記許可情報で前記サーバ装置にアクセスして認証を行う認証手段と、前記認証手段の認証に成功した場合に、前記印刷ジョブの印刷を実行する印刷手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プリンタドライバにユーザIDおよびパスワードを予め設定しておかなくとも認証を用いたセキュリティ性のある印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、クライアント端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、印刷装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、印刷システムにおける装置単位でのシーケンスを示す図である。
【図7】図7は、印刷システムにおける機能単位でのシーケンスを示す図である。
【図8】図8は、印刷システムにおける機能単位でのシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る印刷システム1の概略構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、この印刷システム1では、1台以上のクライアント端末2と、1台以上のドメインコントローラ3と、1台以上の印刷装置4とが、LAN(Local Area Network)などのネットワーク5を介して接続されて構成されている。なお、クライアント端末2と印刷装置4は、ドメインコントローラ(Domain Controller)3が管理するドメインに所属している。
【0012】
ここで、クライアント端末2は、ユーザが利用する端末であり、据置型や携帯型のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。
【0013】
ドメインコントローラ3は、ログオン認証を行うためのアカウント情報(ドメイン情報)を一括管理するサーバ装置である。また、本実施形態のドメインコントローラ3は、アクティブディレクトリ(Active Directory)機能を有しており、前記ドメイン情報やハードウェア資源(ネットワーク上に存在するサーバ装置、クライアント端末、印刷装置(プリンタ)など)に階層構造を設けて管理する。
【0014】
印刷装置4は、クライアント端末2からの印刷ジョブ(印刷する内容(画像データ)および各種印刷機能を示す印刷条件などを含む印刷データ)を受信して印刷(画像形成処理)を実行する印刷装置であり、例えば、プリンタや複合機(MFP:Multi Function Peripherals))などで実現される。
【0015】
図2は、クライアント端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、このクライアント端末2は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、制御部21と、通信I/F22と、I/O機器制御部23とがバスB1によって接続されて構成されている。
【0017】
なお、制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有して構成されている。
【0018】
また、制御部21には、バスB1およびI/O機器制御部23を介して、操作装置(キーボードや、マウスなど)24、表示装置(液晶ディスプレイなど)25、外部記憶装置(ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)など)26などが接続されている。
【0019】
即ち、制御部21は、CPUがROMや外部記憶装置26などに格納される制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、I/O機器制御部23を介して接続される各種構成要素の動作を制御するとともに、通信I/F22およびネットワーク5を介して接続されるドメインコントローラ3や印刷装置4との間で各種データを送受信する動作を制御するものである。
【0020】
図3は、クライアント端末2の機能的構成を示すブロック図である。
【0021】
図3に示すように、クライアント端末2の制御部21は、CPUがROMなどに格納される所定の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、後述の図3および図4に示す処理手順を実行する、TGT取得部21A、ST取得部21Bと、プリンタドライバ21Cと、して機能する。
【0022】
TGT取得部21Aは、クライアント端末2のログイン時に、ドメインコントローラ3からTGT(Ticket Granting Ticket)を取得するものである。
【0023】
なお、ここでいう「TGT」とは、チケット許可チケットとも呼ばれ、ユーザがドメインにログオンした際に、ドメインコントローラ3が発行する認証を証明するチケット(認証情報)のことである。また、この「TGT」は、クライアント端末2がログインする場合に取得することができるもので、ログインしている間中使い続けることができる、即ち、ログアウトするか有効期間を過ぎるまで有効なものである。
【0024】
ST取得部21Bは、後述のST取得要求部211からのST(Service Ticket)の取得要求があった際にドメインコントローラ3からSTを取得するものである。
【0025】
なお、ここでいう「ST」とは、サービスチケットとも呼ばれ、ドメインが管理するリソース(サーバ、共有の印刷装置(共有プリンタ)、共有フォルダなど)へのアクセスを行うために、ドメインコントローラ3からクライアント端末2に発行されるチケット(許可情報)のことである。即ち、クライアント端末2では、対象となるリソースにST(サービスチケット)を提示することでリソースへのアクセス許可を得ることができる。また、クライアント端末2が、ST(サービスチケット)を取得するには、TGT(チケット許可チケット)が必要である。
【0026】
プリンタドライバ21Cは、ST取得要求部211と、印刷ジョブ生成部212と、ST/印刷ジョブ結合部213と、印刷ジョブ送信部214を有し、印刷ジョブの生成から送信までに必要な処理を管理するものである。
【0027】
ST取得要求部211は、ST取得部21Bに対して、STの取得を要求するものである。
【0028】
印刷ジョブ生成部212は、各アプリケーションで生成されたデータから印刷ジョブを生成するものである。
【0029】
ST/印刷ジョブ結合部213は、ST取得部21Bで取得したSTを、印刷ジョブ生成部212で生成した印刷ジョブに埋め込む(結合する)ものである。
【0030】
印刷ジョブ送信部214は、ST/印刷ジョブ結合部213で結合した印刷ジョブを印刷装置4に送信するものである。
【0031】
図4は、印刷装置4のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
図4に示すように、この印刷装置4は、一般的に良く知られているプリンタのハードウェア構成となっており、例えば、制御部41と、通信I/F42と、I/O機器制御部43とがバスB2によって接続されて構成されている。
【0033】
なお、制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有して構成されている。
【0034】
また、制御部41には、バスB2およびI/O機器制御部43を介して、操作装置(押しボタン式のスイッチなど)44、表示装置(液晶ディスプレイなど)45、外部記憶装置(不揮発性メモリなど)46、エンジン部47などが接続されている。
【0035】
即ち、制御部41は、CPUがROMや外部記憶装置46などに格納される制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、I/O機器制御部43を介して接続される各種構成要素の動作を制御するとともに、通信I/F42およびネットワーク5を介して接続されるクライアント端末2やドメインコントローラ3との間で各種データを送受信する動作を制御するものである。
【0036】
なお、エンジン部47は、プリンタユニットなどを有しており、そのプリンタユニットにより、通信I/F42を介してクライアント端末2から受信した印刷データに基づき、記録用紙などの媒体に画像を形成(印刷)するプリンタ機能を実現する。
【0037】
図5は、印刷装置4の機能的構成を示すブロック図である。
【0038】
図5に示すように、印刷装置4の制御部41は、CPUがROMなどに格納される所定の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、後述の図3および図5に示す処理手順を実行する、コントローラ部41Aと、印刷ジョブ受信部41Bと、ST/印刷ジョブ分離部41Cと、ST認証部41Dと、印刷部41Eと、して機能する。
【0039】
コントローラ部41Aは、印刷装置4全体の制御を行うものである。
【0040】
印刷ジョブ受信部41Bは、クライアント端末2から送られてきた印刷ジョブを受信する。
【0041】
ST/印刷ジョブ分離部41Cは、印刷ジョブ受信部41Bで受信した印刷ジョブからSTを分離するものである。
【0042】
ST認証部41Dは、ST/印刷ジョブ分離部41Cで分離されたSTの正当性を確認するため、そのSTを用いてActive Directoryにアクセスするものである。
【0043】
印刷部41Eは、印刷ジョブ受信部41Bで受信した印刷ジョブに基づいて印刷(画像形成処理)を実行する。
【0044】
なお、クライアント端末2および印刷装置4は、不図示の電源装置を介して、例えば、商用電源から必要な電力が供給されて動作可能である。また、図2および図4では特に図示していないが、クライアント端末2および印刷装置4は、警告音などの各種音声を出力するためのスピーカなどが実装されている。
【0045】
次に、前記説明した構成の印刷システム1における処理動作の詳細について図6〜図8を用いて説明する。
【0046】
図6は、印刷システム1における装置単位でのシーケンスを示す図である。
【0047】
図6に示すように、まず、ユーザは、ユーザIDとパスワードを入力してクライアント端末2にログインを要求する(ステップS1)。
【0048】
すると、クライアント端末2は、自身(自装置)が所属するドメインのドメインコントローラ3に対して認証を行う(ステップS2)。この認証の結果、認証に成功した場合(OK)、ユーザに対してログインを許可する(ステップS3)。
【0049】
その後、クライアント端末2は、ログインに成功すると、ドメインコントローラ3に対してTGTの取得要求を行って(ステップS4)、ドメインコントローラ3からTGTを取得する(ステップS5)。
【0050】
続いて、ログインが許可されたユーザは、所定のアプリケーションで生成したデータの印刷を指示する(ステップS6)。
【0051】
すると、クライアント端末2は、前記アプリケーションのデータから印刷ジョブを生成する(ステップS7)。続いて、クライアント端末2は、ドメインコントローラ3に対して、Active Directoryへアクセスするために必要なSTの取得要求を行って(ステップS8)、ドメインコントローラ3からSTを取得する(ステップS9)。
【0052】
続いて、クライアント端末2では、取得したSTを印刷ジョブに埋め込み(ステップS10)、STを埋め込んだ印刷ジョブを印刷装置4に送信する(ステップS11)。
【0053】
すると、印刷装置4では、受信した印刷ジョブからSTを分離し(ステップS12)、分離されたSTを用いて、ドメインコントローラ3のActive Directoryに対してアクセスする(ステップS13)。
【0054】
続いて、印刷装置4は、前記アクセスの結果、アクセスに成功した場合(ステップS14)、クライアント端末2から受信した印刷ジョブを実行し、印刷処理を実行する(ステップS15)。
【0055】
次に、機能ブロック単位での処理手順について説明する。
【0056】
図7は、ユーザがクライアント端末2に対して印刷を指示して、クライアント端末2から印刷装置4に印刷ジョブが送信されるまでのクライアント端末2の処理の流れを機能ブロック単位で示したシーケンスであり、即ち、図6のステップS6〜ステップS11の処理に相当するものである。
【0057】
図7に示すように、この処理では、クライアント端末2では、まず、プリンタドライバ21Cが、印刷対象であるアプリケーションのデータから印刷ジョブを生成するよう印刷ジョブ生成部212に依頼して(ステップS101)、印刷ジョブ生成部212から印刷ジョブを受信する(ステップS102)。
【0058】
また、プリンタドライバ21Cは、ST取得要求部211に対してSTの取得要求を依頼する(ステップS103)。
【0059】
すると、ST取得要求部211が、ST取得部21Bに対してSTの取得を依頼する(ステップS104)。これにより、ST取得部21Bが、ドメインコントローラ3に対してSTの取得要求を行い(ステップS105)、ドメインコントローラ3からSTを取得する(ステップS106)。
【0060】
続いて、ST取得部21BがST取得要求部211を介してプリンタドライバ21Cに取得したSTを受け渡す(ステップS107)。
【0061】
その後、プリンタドライバ21Cは、ST/印刷ジョブ結合部213に対して、印刷ジョブ生成部212から取得した印刷ジョブに、ST取得要求部211から取得したSTを埋め込ませ(ステップS108)、ST/印刷ジョブ結合部213からSTを埋め込んだ印刷ジョブを受信する(ステップS109)。
【0062】
その後、プリンタドライバ21Cは、STが埋め込まれた印刷ジョブを印刷装置4に送信するよう、印刷ジョブ送信部214に依頼する(ステップS110)。
【0063】
すると、印刷ジョブ送信部214が、印刷装置4にSTが埋め込まれた印刷ジョブを送信する(ステップS111)。
【0064】
図8は、STが埋め込まれた印刷ジョブを受信してから実際に印刷するまでの印刷装置4の処理の流れを機能ブロック単位で示したシーケンスであり、即ち、図6のステップS11〜ステップS15の処理に相当するものである。
【0065】
図8に示すように、この処理では、印刷装置4では、まず、印刷ジョブ受信部41Bが、クライアント端末2から、STが埋め込まれた印刷ジョブを受信すると(ステップS201)、ST/印刷ジョブ分離部41Cが印刷ジョブからSTを分離する(ステップS202)。
【0066】
その後、コントローラ部41Aが、印刷ジョブ受信部41Bを介してST/印刷ジョブ分離部41Cから分離されたSTと印刷ジョブを受信する(ステップS203)。続いて、コントローラ部41Aが、分離されたSTが正当なものであるか否かをST認証部41Dに依頼する(ステップS204)。
【0067】
すると、ST認証部41Dが、STをもとにドメインコントローラ3にアクセスし、STが正当なものであるか否かの認証要求を行う(ステップS205)。
【0068】
その後、コントローラ部41Aは、ST認証部41Dを介して認証結果を受信する(ステップS206)。
【0069】
そして、認証結果がOK、即ち、STが正当なものであった場合、コントローラ部41Aは、印刷部41Eに対して印刷の実行を依頼する(ステップS207)。
【0070】
すると、印刷部41Eが、印刷ジョブの実行、即ち、印刷を実行する(ステップS208)。
【0071】
即ち、以上説明した実施形態によれば、プリンタドライバにユーザIDおよびパスワードを予め設定しておかなくとも認証を用いたセキュリティ性のある印刷(画像形成)を行うことができる。
【0072】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0073】
例えば、前記した実施形態では、ST/印刷ジョブ結合部213が、印刷ジョブにSTを埋め込み、ST/印刷ジョブ分離部41Cが、受信したSTが埋め込まれた印刷ジョブから印刷ジョブと、STとを分離する形態として説明したが、これ以外にも、ST/印刷ジョブ結合部213が、印刷ジョブにSTを付加したデータ(情報)を生成し、ST/印刷ジョブ分離部41Cが、受信した前記データ(情報)から印刷ジョブとSTを分離するようにしても良い。
【0074】
また、前記した実施形態では、TGTやSTなどの認証情報を用いる形態について説明したが、その他の認証情報を適用することも可能である。
【0075】
また、前記した実施形態では、印刷装置4がプリンタである場合について説明したが、これに限定されず、その他の印刷装置であっても良く、例えば、複合機(MFP)などであっても良いものとする。
【0076】
また、前記した実施形態のクライアント端末2および印刷装置4などで実行されるプログラムは、ROMなどの記憶部に予め組み込んで提供する以外にも、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供したり、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0077】
その他、前記した実施形態における印刷システム1およびその各装置のハードウェア構成、ソフトウェア構成および処理手順などは、単なる一例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1 印刷システム
2 クライアント端末
3 ドメインコントローラ
4 印刷装置
5 ネットワーク
21 制御部
21A TGT取得部(第1の取得部)
21B ST取得部(第2の取得部)
21C プリンタドライバ
211 ST取得要求部
212 印刷ジョブ生成部
213 ST/印刷ジョブ結合部(結合手段)
214 印刷ジョブ送信部(送信手段)
41 制御部
41A コントローラ部
41B 印刷ジョブ受信部(受信手段)
41C ST/印刷ジョブ分離部(分離手段)
41D ST認証部(認証手段)
41E 印刷部(印刷手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開平11−301058号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドメインを管理するサーバ装置と、前記ドメインに属するクライアント端末と、印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムであって、
前記クライアント端末は、
ログイン成功時に、前記サーバ装置から認証情報を取得する第1の取得手段と、
前記印刷装置における印刷処理を実行する場合に、前記認証情報を用いて前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した許可情報と前記印刷処理に係る印刷ジョブとを合わせた情報を生成する結合手段と、
前記結合手段で生成された情報を前記印刷装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記印刷装置は、
前記送信手段で送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報から前記許可情報と印刷ジョブとを分離する分離手段と、
前記分離手段で分離された前記許可情報で前記サーバ装置にアクセスして認証を行う認証手段と、
前記認証手段の認証に成功した場合に、前記印刷ジョブの印刷を実行する印刷手段と、
を有する印刷システム。
【請求項2】
前記認証情報は、前記クライアント端末が前記ドメインにログオンした際に、前記サーバ装置が前記クライアント端末に発行するTGT(Ticket Granting Ticket)であり、
前記許可情報は、前記TGTを発行した前記クライアント端末に対して前記サーバ装置が発行するST(Service Ticket)である、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
サーバ装置で管理されるドメインに属するクライアント端末であって、
ログイン成功時に、前記サーバ装置から認証情報を取得する第1の取得手段と、
前記印刷装置における印刷処理を実行する場合に、前記認証情報を用いて前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した許可情報と前記印刷処理に係る印刷ジョブとを合わせた情報を生成する結合手段と、
前記結合手段で生成された情報を前記印刷装置に送信する送信手段と、
を有するクライアント端末。
【請求項4】
サーバ装置で管理されるドメインに属する印刷装置であって、
クライアント端末から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報から、前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報と印刷ジョブとを分離する分離手段と、
前記分離手段で分離された前記許可情報で前記サーバ装置にアクセスして認証を行う認証手段と、
前記認証手段の認証に成功した場合に、前記印刷ジョブの印刷を実行する印刷手段と、
を有する印刷装置。
【請求項5】
サーバ装置で管理されるドメインに属するクライアント端末に実装されるコンピュータを、
ログイン成功時に、前記サーバ装置から認証情報を取得する第1の取得手段と、
前記印刷装置における印刷処理を実行する場合に、前記認証情報を用いて前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した許可情報と前記印刷処理に係る印刷ジョブとを合わせた情報を生成する結合手段と、
前記結合手段で生成された情報を前記印刷装置に送信する送信手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項6】
サーバ装置で管理されるドメインに属する印刷装置に実装されるコンピュータを、
クライアント端末から送信された情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した情報から、前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報と印刷ジョブとを分離する分離手段と、
前記分離手段で分離された前記許可情報で前記サーバ装置にアクセスして認証を行う認証手段と、
前記認証手段の認証に成功した場合に、前記印刷ジョブの印刷を実行する印刷手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項7】
請求項5に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項8】
請求項6に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項9】
ドメインを管理するサーバ装置と、前記ドメインに属するクライアント端末と、印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムで実行される印刷方法であって、
前記クライアント端末は、端末用の制御部を備え、
前記端末用の制御部において実行される、
第1の取得手段が、ログイン成功時に、前記サーバ装置から認証情報を取得する第1の取得ステップと、
第2の取得手段が、前記印刷装置における印刷処理を実行する場合に、前記認証情報を用いて前記ドメインで管理されるリソースへのアクセス許可を得るための許可情報を取得する第2の取得ステップと、
結合手段が、前記第2の取得ステップで取得した許可情報と前記印刷処理に係る印刷ジョブとを合わせた情報を生成する結合ステップと、
送信手段が、前記結合ステップで生成された情報を前記印刷装置に送信する送信ステップと、
を含み、
前記印刷装置は、印刷装置用の制御部を備え、
前記印刷装置用の制御部において実行される、
受信手段が、前記ステップで送信された情報を受信する受信ステップと、
分離手段が、前記受信ステップで受信した情報から前記許可情報と印刷ジョブとを分離する分離ステップと、
認証手段が、前記分離ステップで分離された前記許可情報で前記サーバ装置にアクセスして認証を行う認証ステップと、
印刷手段が、前記認証ステップの認証に成功した場合に、前記印刷ジョブの印刷を実行する印刷ステップと、
を含む印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−194773(P2012−194773A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58180(P2011−58180)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】