説明

印刷システム、当該印刷システムに用いる携帯端末及びプリンタ、並びに、当該携帯端末を実現するプログラム及び当該プリンタを実現するプログラム

【課題】セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面を適正にプリンタに印刷させる。
【解決手段】携帯端末3は、ウェブサーバ4から取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタ2に指示する場合に、URL情報とウェブページ画面に付随してウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドをプリンタに送信し、プリンタは、携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されているURL情報とセッション情報とに基づいて、ウェブサーバにアクセスしてウェブページ画面を取得し、取得されたウェブページ画面を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを使って印刷する印刷システム、当該印刷システムに用いる携帯端末及びプリンタ、並びに、当該携帯端末を実現するプログラム及び当該プリンタを実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機やスマートフォン等のウェブサーバにアクセスする機能を有する携帯端末でウェブページを閲覧し、URL(Uniform Resource Locator)情報をプリンタ(ファクシミリ装置及びMFPを含む)に送信することにより、表示部に表示されているウェブページ画面を印刷する印刷システムがある(例えば、特許文献1参照)。なお、「MFP」とは、Multi Function Printerの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0003】
プリンタは、携帯端末からURL情報を受信すると、URL情報によって指定されたウェブページを提供しているウェブサイトのウェブサーバにアクセスして、ウェブページ画面を取得する。そして、プリンタは、取得されたウェブページ画面を印刷データに変換して印刷する。この印刷システムは、一般的に、携帯端末の性能(演算速度や記憶容量、バッテリ容量等)がパーソナルコンピュータよりも低いため、携帯端末が写真や動画等の大容量の情報を含むウェブページ画面を表示したり、携帯端末がプリンタにウェブページ画面のデータを送信したりするのに、時間を要するという課題を、プリンタがウェブサーバからウェブページ画面を取得することにより、解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末は、セッション管理しているウェブサーバにアクセスして、そのウェブサーバから提供されたウェブページ画面の印刷をプリンタに指示する場合がある。
しかしながら、従来の印刷システムは、以下に説明するように、セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面を適正にプリンタに印刷させることができない、という課題があった。
【0006】
例えば、従来の印刷システムは、セッション管理しているウェブサーバが、有料のウェブサイトのウェブサーバやアクセス制限がかけられているウェブサイトのウェブサーバ等である場合に、プリンタが、ウェブサーバにアクセスする際に、ウェブサーバに対してログイン処理を実行することができない。そのため、従来の印刷システムは、利用者(携帯端末及びプリンタの操作者)の望むウェブページ画面を印刷することができない。
【0007】
また、セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面は、同じURLであっても、内容が異なる場合がある。そのため、従来の印刷システムは、プリンタが、セッション管理しているウェブサーバにアクセスして、ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得しても、利用者の望むウェブページ画面とは異なる内容の画面を取得する場合がある。この場合に、プリンタは、利用者の望むウェブページ画面とは異なる内容の画面を印刷する。そのため、従来の印刷システムは、利用者の望むウェブページ画面を印刷することができない。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面を適正にプリンタに印刷させる印刷システム、当該印刷システムに用いる携帯端末及びプリンタ、並びに、当該携帯端末を実現するプログラム及び当該プリンタを実現するプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、第1発明は、ネットワークを介して携帯端末とプリンタとウェブサーバとが接続された印刷システムであって、前記携帯端末は、前記ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する場合に、URL情報と当該ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信し、前記プリンタは、前記携帯端末から送信された前記印刷要求コマンドに付加されている前記URL情報と前記セッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得し、取得された前記ウェブページ画面を印刷する構成とする。
【0010】
この印刷システムは、携帯端末が、URL情報とウェブページ画面に付随してウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドをプリンタに送信する。そして、プリンタが、携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されているURL情報とセッション情報とに基づいて、ウェブサーバにアクセスしてウェブページ画面を取得し、取得されたウェブページ画面を印刷する。そのため、この印刷システムは、プリンタが、セッション管理しているウェブサーバにアクセスする際に、携帯端末から送信されたセッション情報を用いることにより、自動的にログイン処理を実行することができる。また、この印刷システムは、プリンタが、セッション管理しているウェブサーバにアクセスする際に、ウェブサーバからセッション情報によって指定されたウェブページ画面を取得することができる。そのため、この印刷システムは、利用者の望むウェブページ画面を適正にプリンタに印刷させることができる。
【0011】
また、第2発明は、ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタに指示する携帯端末であって、前記ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得するページ取得部と、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する印刷指示部と、前記URL情報と前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信する通信部とを有する構成とする。
この携帯端末は、第1発明に係る印刷システムに用いることができる。
【0012】
また、第3発明は、ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷の指示を携帯端末から受けるプリンタであって、前記携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されている、URL情報と、前記携帯端末によって前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバからウェブページ画面を取得するためのウェブページ取得コマンドを生成するコマンド情報生成部と、前記ウェブページ取得コマンドに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得する通信部と、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面を印刷する印刷部とを有する構成とする。
このプリンタは、第1発明に係る印刷システムに用いることができる。
【0013】
また、第4発明は、プログラムであって、ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタに指示する携帯端末の制御部を、前記ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得するページ取得部と、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する印刷指示部と、通信部を介して、前記URL情報と前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信する通信制御部として機能させる構成とする。
このプログラムは、第2発明に係る携帯端末を実現することができる。
【0014】
また、第5発明は、プログラムであって、ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷の指示を携帯端末から受けるプリンタの制御部を、前記携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されている、URL情報と、前記携帯端末によって前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバからウェブページ画面を取得するためのウェブページ取得コマンドを生成するコマンド情報生成部と、前記ウェブページ取得コマンドに基づいて、通信部を介して、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得する通信制御部と、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面を印刷部に印刷させる印刷制御部として機能させる構成とする。
このプログラムは、第3発明に係るプリンタを実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
第1発明によれば、セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面を適正にプリンタに印刷させる印刷システムを提供することができる。
また、第2発明によれば、第1発明に係る印刷システムに用いる携帯端末を提供することができる。
また、第3発明によれば、第1発明に係る印刷システムに用いるプリンタを提供することができる。
また、第4発明によれば、第2発明に係る携帯端末を実現するプログラムを提供することができる。
また、第5発明によれば、第3発明に係るプリンタを実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る印刷システムの構成を示す図である。
【図2】実施形態1で用いるウェブページ画面の一例を示す図である。
【図3A】実施形態1で用いる印刷設定画面の一例を示す図である。
【図3B】実施形態1で用いるプリンタ指定画面の一例を示す図である。
【図4】実施形態1で用いる第1対応表データの一例を示す図である。
【図5】実施形態1で用いる第2対応表データの一例を示す図である。
【図6】実施形態1に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(1)である。
【図7】実施形態1に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(2)である。
【図8】実施形態1に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(3)である。
【図9】実施形態2に係る印刷システムの構成を示す図である。
【図10】実施形態2で用いる変形第1対応表データの一例を示す図である。
【図11】実施形態2に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(1)である。
【図12】実施形態2に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(2)である。
【図13】実施形態2に係る印刷システムの動作を示すフローチャート(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0018】
[実施形態1]
<印刷システムの構成>
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る印刷システムの構成につき説明する。図1は、実施形態1に係る印刷システム1の構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態1に係る印刷システム1は、ネットワーク5を介して、プリンタ2と携帯端末3とウェブサーバ4とが接続された構成となっている。ただし、印刷システム1は、当然ながら、パーソナルコンピュータ等の、プリンタ2に印刷を指示する上位装置を含む構成であっても良い。
【0020】
なお、ここでは、プリンタ2及びウェブサーバ4がネットワーク5に対して有線で接続されており、携帯端末3がネットワーク5に対して無線で接続されているものとして説明する。ただし、印刷システム1は、プリンタ2及びウェブサーバ4のいずれか一方又は双方がネットワーク5に対して無線で接続された構成にすることも可能である。また、印刷システム1は、携帯端末3がネットワーク5に対して有線で接続された構成にすることも可能である。なお、ネットワーク5に接続された機器は、有線インタフェースと無線インタフェースとが、IPアドレス等のネットワーク設定をそれぞれ持ち、同時並行動作が可能となっている。
【0021】
本実施形態1では、携帯端末3は、ウェブサーバ4から取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタ2に指示する場合に、URL(Uniform Resource Locator)情報とウェブページ画面に付随してウェブサーバ4から取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを、プリンタ2に送信する構成となっている。また、プリンタ2は、携帯端末3から送信された印刷要求コマンドに付加されているURL情報とセッション情報とに基づいて、ウェブサーバ4にアクセスして、ウェブサーバ4からウェブページ画面を直接取得し、取得されたウェブページ画面を印刷する構成となっている。
【0022】
なお、ここでは、セッション情報としてセッションIDを用いるものとして説明する。「セッションID」とは、ウェブサーバ4が個々のクライアントを識別するために発行する文字列である。クライアントは、ウェブサーバ4に繰り返しアクセスして、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得する場合に、2回目以降のアクセス時に、最初のアクセス時にウェブサーバ4によって発行されたセッションIDを後記するウェブページ取得コマンドに付加してウェブサーバ4にアクセスする。これにより、ウェブサーバ4は、個々の利用者(ここでは、携帯端末3及びプリンタ2の操作者)を識別する。なお、本実施形態1では、クライアントは、携帯端末3及びプリンタ2となる。
【0023】
(プリンタの構成)
プリンタ2は、通信部20、通信制御部21、コマンド情報生成部22、ページ取得部23、印刷制御部24、及び、印刷部25を備えている。なお、通信制御部21、コマンド情報生成部22、ページ取得部23、及び、印刷制御部24は、プリンタ2の図示せぬ制御部が装置内に格納されたプログラム2aを実行することにより、実現される。
【0024】
通信部20は、ネットワーク5を介して、外部の機器と通信するインタフェースである。
通信制御部21は、通信部20を制御する機能手段である。通信制御部21は、通信部20を介して、携帯端末3から印刷要求コマンドを受信したり、ウェブサーバ4にアクセスしたりする。なお、プリンタ2は、図示せぬパーソナルコンピュータ等の上位装置から印刷データを受信する場合もある。この場合に、プリンタ2は、通信制御部21から印刷制御部24に印刷データを出力して、印刷を実行する。
【0025】
コマンド情報生成部22は、各種のコマンドを生成する機能手段である。コマンド情報生成部22は、プリンタ2が携帯端末3からウェブページ画面の印刷を指示する印刷要求コマンドを受信した場合に、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得するためのコマンド(以下、「ウェブページ取得コマンド」と称する)を生成して、ページ取得部23に出力する。その際に、コマンド情報生成部22は、URL情報及びセッションIDの双方が印刷要求コマンドに付加されていた場合に、URL情報とセッションIDとをウェブページ取得コマンドに付加して、ページ取得部23に出力する。ただし、コマンド情報生成部22は、URL情報及びセッションID以外の情報をウェブページ取得コマンドに付加することも可能である。また、コマンド情報生成部22は、URL情報のみが印刷要求コマンドに付加されていた場合に、URL情報をウェブページ取得コマンドに付加して、ページ取得部23に出力する。なお、ここでは、「のみ」という用語は、セッションIDを含まない状態を意味している(以下、同様)。
【0026】
ページ取得部23は、URL情報によって指定されたウェブページを提供するウェブサイトのウェブサーバ4(以下、単に「URL情報によって指定されたウェブページのウェブサーバ4」と称する)にアクセスして、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得する機能手段である。ページ取得部23は、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得すると、取得されたウェブページ画面を印刷制御部24に出力する。
【0027】
印刷制御部24は、印刷部25の動作を制御する機能手段である。印刷制御部24は、ページ取得部23からウェブページ画面が入力されると、ウェブページ画面に基づいて印刷データを生成する。そして、印刷制御部24は、印刷データを編集・展開(ラスタライズ)して、描画内容をドットパタン化したラスタデータを生成し、生成されたラスタデータを印刷部25に出力する。また、印刷制御部24は、通信制御部21から印刷データが入力された場合に、同様に、印刷データを編集・展開(ラスタライズ)してラスタデータを生成し、生成されたラスタデータを印刷部25に出力する。
【0028】
印刷部25は、画像を印刷する構成要素である。印刷部25は、印刷制御部24によって生成されたラスタデータに基づいて画像を印刷する。
【0029】
(携帯端末の構成)
携帯端末3は、ウェブサーバ4にアクセスして、ウェブページ画面を閲覧する機能を有する携帯型の端末装置である。日本で使用されている大半の携帯電話機やスマートフォン、iPad(登録商標)等が、携帯端末3に該当する。携帯端末3は、ウェブサーバ4から取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタ2に指示する機能を有している。
【0030】
携帯端末3は、通信部30、通信制御部31、ページ取得部32、操作部33、記憶部34、及び、印刷指示部35を備えている。なお、通信制御部31、ページ取得部32、及び、印刷指示部35は、携帯端末3の図示せぬ制御部が装置内に格納されたプログラム3aを実行することにより、実現される。
【0031】
通信部30は、図示せぬ基地局及びネットワーク5を介して、外部の機器と通信するインタフェースである。
通信制御部31は、通信部30を制御する機能手段である。通信制御部31は、通信部30を介して、ウェブサーバ4にアクセスしてウェブサーバ4からウェブページ画面を取得したり、ウェブページ画面の印刷指示を含む各種のデータをプリンタ2に指示を送信したりする。
【0032】
ページ取得部32は、URL情報によって指定されたウェブページのウェブサーバ4にアクセスして、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得する機能手段である。ページ取得部32は、利用者が、操作部33を操作して、URL情報を指定し、ページ取得要求を入力すると、指定されたURL情報が付加されたウェブページ取得コマンドを生成する。そして、ページ取得部32は、通信制御部31を介して、ウェブページ取得コマンドを用いて、URL情報によって指定されたウェブページのウェブサーバ4にアクセスして、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得する。
【0033】
このとき、ページ取得部32は、操作部33によって指定されたURL情報に対応するセッションIDが記憶部34に記憶されているか否かを判定する。そして、対応するセッションIDが記憶部34に記憶されていた場合に、ページ取得部32は、URL情報と共にセッションIDもウェブページ取得コマンドに付加して、そのURL情報とセッションIDとが付加されたウェブページ取得コマンドを用いて、ウェブサーバ4にアクセスする。一方、対応するセッションIDが記憶部34に記憶されていない場合に、ページ取得部32は、URL情報及びセッションIDのうち、URL情報のみが付加されたウェブページ取得コマンドを用いて、ウェブサーバ4にアクセスする。
【0034】
ページ取得部32は、ウェブサーバ4からウェブページ画面を取得した際に、ウェブページ画面に付随してウェブサーバ4から取得されるURL情報を記憶部34に記憶させる。このとき、ページ取得部32は、ウェブページ画面に付随してセッション情報も取得されれば、URL情報と共にセッション情報も記憶部34に記憶させる。
【0035】
操作部33は、携帯端末3の利用者によって利用されるユーザインタフェースである。ここでは、操作部33がタッチパネルによって構成されている場合を想定して説明する。ただし、操作部33は、選択肢を表示し選択することができるユーザインタフェースであれば、タッチパネル以外の構成であっても良い。
【0036】
記憶部34は、各種のデータを記憶する記憶手段である。携帯端末3は、ページ取得部32によって取得されたウェブページ画面のURL情報やセッションID等を記憶部34に記憶する。また、携帯端末3は、ウェブページ画面も一次的に記憶部34に記憶する。ただし、携帯端末3の記憶部34は、記憶容量が一般的に小さいため、ウェブページ画面を記憶するのはごく短時間だけである。
【0037】
印刷指示部35は、プリンタ2に印刷を指示する機能手段である。印刷指示部35は、操作部33からウェブページ画面の印刷指示が入力されると、ウェブページ画面の印刷要求コマンドをプリンタ2に送信する。その際に、印刷指示部35は、印刷するウェブページ画面のURL情報、そのURL情報に対応するセッションID、及び、印刷設定情報を、印刷要求コマンドに付加し、これらの情報が付加された印刷要求コマンドをプリンタ2に送信する。
【0038】
(ウェブサーバの概要)
ウェブサーバ4は、ウェブページのデータを管理しているサーバである。ウェブサーバ4は、クライアントからウェブページ取得コマンドを受信すると、ウェブページ取得コマンドによって指定されたURL情報に対応するウェブページ画面のデータ(以下、単に「ウェブページ画面」と称する)をクライアントに送信する。通常、一つのURL情報に対して、一つのウェブページが対応している。しかしながら、ウェブページ画面は、同じURLであっても、内容が異なる場合がある。そのため、ウェブサーバ4は、同じURLであっても、異なる内容のウェブページ画面をクライアントに送信する場合がある。
【0039】
このような現象が発生する要因は、大別すると、ウェブサーバ4側の要因とアクセスする側の要因がある。ウェブサーバ4側の要因としては、例えば、ウェブサーバ4の負荷状態や時刻、アクセス人数等がある。ウェブサーバ4は、これらの要因に応じて、情報を変更するため、前記した現象が発生する。一方、アクセスする側の要因としては、例えば、利用者の前回のアクセス時の履歴、並びに、利用ブラウザや利用OSの種類等がある。
【0040】
本実施形態1に係る印刷システム1は、各機器(ここでは、プリンタ2、携帯端末3、及び、ウェブサーバ4)が、利用者の前回のアクセス時の履歴に関連してURLリライティングや、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol) Cookie、Hiddenフィールド等で、セッション情報を取り扱う。これにより、印刷システム1は、前記した現象の発生を回避することができる。
【0041】
例えば、ウェブページ画面を閲覧する際に用いられるHTTPは、単発的なアクセスを意図して構成されている。そのため、通常、ウェブサーバ4は、同一のクライアントからのアクセスであっても、クライアントからのアクセスが前回のアクセスの続きであるか否かや、現在アクセス中のクライアントが前回のアクセス時のクライアントと同一であるか否か等を識別することができない。しかしながら、本実施形態1では、各機器がセッション情報を取り扱う。そのため、ウェブサーバ4は、クライアントからのアクセスが前回のアクセスの続きであるか否かや、現在アクセス中のクライアントが前回のアクセス時のクライアントと同一であるか否か等を識別することができる。これにより、印刷システム1は、前記した現象の発生を回避することができる。その結果、印刷システム1は、ウェブページの利便性を向上させることができる。
【0042】
<携帯端末に表示される画面の一例>
以下、図2、図3A、及び、図3Bを参照して、携帯端末3の操作部33に表示される画面の一例につき説明する。図2は、実施形態1で用いるウェブページ画面40の一例を示す図である。図3Aは、実施形態1で用いる印刷設定画面50の一例を示す図である。図3Bは、実施形態1で用いるプリンタ指定画面70の一例を示す図である。
【0043】
図2は、携帯端末3が、ウェブページ画面40を操作部33に表示している状態を示している。図2に示す例では、ウェブページ画面40は、戻るボタン41、進むボタン42、読み込み中止ボタン43、再読み込みボタン44、印刷指示ボタン45、URL表示欄46、現在エリア表示欄47、及び、終了ボタン48を含む構成となっている。
【0044】
戻るボタン41は、携帯端末3に、表示中のウェブページ画面40を一つ前の画面に戻させるためのボタンである。
進むボタン42は、携帯端末3に、表示中のウェブページ画面40を一つ後の画面に進めさせるためのボタンである。進むボタン42は、利用者によって戻るボタン41が押下されて、過去のウェブページ画面40が操作部33に表示されている場合に、利用可能となる。
【0045】
読み込み中止ボタン43は、携帯端末3に、ウェブページ画面40の読み込みを中止させるためのボタンである。
再読み込みボタン44は、携帯端末3に、URL表示欄46に表示されているURL情報のウェブページ画面40を再度読み込ませるためのボタンである。
【0046】
印刷指示ボタン45は、携帯端末3に、ウェブページ画面40の印刷をプリンタ2に指示させるためのボタンである。携帯端末3は、利用者が印刷指示ボタン45を押下した場合に、表示中の画面を印刷設定画面50(図3A参照)に切り替えて表示することにより、利用者に印刷設定を行わせる。なお、その際に、携帯端末3は、表示中の画面をプリンタ指定画面70(図3B参照)に切り替えて表示することにより、利用者に印刷に用いるプリンタの指定を行わせるようにしても良い。又は、携帯端末3は、利用者が事前に印刷設定を行っておくことにより、印刷指示ボタン45が押下される度に、印刷設定やプリンタの指定を行うことなく、ウェブページ画面40の印刷をプリンタ2に指示することができる。
【0047】
URL表示欄46は、現在エリア表示欄47に表示されているウェブページ画面40のURL情報が表示される欄である。ただし、ウェブページ画面40は、同一のURL情報に基づくアクセスであっても、内容がセッション情報によって異なる場合がある。
【0048】
終了ボタン48は、携帯端末3に、ウェブページ画面40の表示を終了させて、初期画面を表示させるためのボタンである。
現在エリア表示欄47は、利用者によって指定されたURL情報に基づいて取得されたウェブページ画面40を表示する欄である。
【0049】
携帯端末3は、利用者が閲覧したいウェブページのURL情報をURL表示欄46に入力すると、これに応答して、ウェブブラウザを起動して、利用者によって指定されたウェブページを提供するウェブサーバ4にアクセスする。そして、携帯端末3は、ウェブサーバ4から利用者によって指定されたウェブページ画面40を取得して、取得されたウェブページ画面40を現在エリア表示欄47に表示する。
【0050】
図3Aは、携帯端末3が、印刷設定画面50を操作部33に表示している状態を示している。印刷設定画面50は、印刷設定を行うための画面である。ここでは、携帯端末3は、利用者が図2に示す印刷指示ボタン45を押下した場合に、表示中の画面を印刷設定画面50に切り替えて表示するものとして説明する。しかしながら、携帯端末3は、「印刷設定」ボタンをウェブページ画面40や図示せぬ他の画面に設け、利用者が「印刷設定」ボタンを押下することによって、表示中の画面を印刷設定画面50に切り替えて表示するようにしても良い。
【0051】
図3Aに示す例では、印刷設定画面50は、用紙設定欄51、サイズ設定欄52、給紙方法設定欄53、レイアウトタイプ設定欄54、両面印刷設定欄56、印刷品位設定欄58、部数設定欄61、戻るボタン63、取消ボタン64、印刷指示ボタン65、及び、終了ボタン66を含む構成となっている。
【0052】
用紙設定欄51は、利用者が印刷に用いる用紙の設定を行うための欄である。用紙設定欄51には、サイズ設定欄52と給紙方法設定欄53とが含まれている。
サイズ設定欄52は、利用者が印刷に用いる用紙のサイズを指定するための欄である。図3Aに示す例では、利用者は、サイズ設定欄52のリストボックスによって、「A4 210mm × 297mm」の用紙を選択しているが、これ以外に、例えば、A5、A3、レター等を選択することができる。
【0053】
給紙方法設定欄53は、利用者が印刷に用いるトレイを指定するための欄である。図3Aに示す例では、利用者は、給紙方法設定欄53のリストボックスによって、「自動選択」を選択しているが、これ以外に、例えば、「トレイ1」、「マルチパーパストレイ」等を選択することができる。
【0054】
レイアウトタイプ設定欄54は、利用者がN−upや製本印刷、ポスター印刷等のレイアウトタイプを指定するための欄である。なお、「N−up」とは、一枚の用紙に印刷するページ数Nを指定するレイアウトタイプである。利用者は、「N−up」のレイアウトタイプとして、1−up(通常印刷)、2−up、4−up、4−up、8−up等を選択することができる。図3Aに示す例では、利用者は、レイアウトタイプ設定欄54のリストボックス55によって、2−upを選択している。
【0055】
両面印刷設定欄56は、利用者が両面印刷の設定を行うための欄である。利用者は、両面印刷設定欄56のリストボックスによって、例えば、「無し」、「長辺とじ」、「短辺とじ」等を選択することができる。
【0056】
印刷品位設定欄58は、利用者が画質(印刷画像の精細さ)の設定を行うための欄である。利用者は、例えば、印刷品位設定欄58のラジオボタン59によって、「きれい」や「ふつう」を選択することができる。図3Aに示す例では、利用者は、「ふつう」を選択している。また、利用者は、印刷品位設定欄58のチェックボックス60によって、トナーセーブのON又はOFFを選択することができる。チェックボックス60は、消費するトナー量を抑えて印刷する場合に選択される。図3Aに示す例では、利用者は、トナーセーブのONを選択している。
【0057】
部数設定欄61は、印刷部数の設定を行うための欄である。利用者は、部数設定欄61のスピンボタン62によって、印刷部数を入力又は選択することができる。スピンボタン62は、不正な値(自然数以外)や多すぎる値(例えば、1000部以上等)を設定することができない構成となっている。
【0058】
戻るボタン63は、携帯端末3に、表示中の画面(ここでは、印刷設定画面50)を一つ前の画面(ここでは、ウェブページ画面40)に戻させるためのボタンである。戻るボタン63が押下された場合に、利用者によって印刷設定画面50で入力された項目の内容が、記憶部34に記憶されている印刷設定に反映される。
【0059】
取消ボタン64は、ウェブページ画面40の印刷を取り消すためのボタンである。取消ボタン64が押下された場合に、携帯端末3は、表示中の画面(ここでは、印刷設定画面50)を一つ前の画面(ここでは、ウェブページ画面40)に戻す。この場合に、利用者によって印刷設定画面50で入力された項目の内容は、記憶部34に記憶されている印刷設定に反映されない。
【0060】
印刷指示ボタン65は、携帯端末3に、ウェブページ画面40の印刷をプリンタ2に指示させるためのボタンである。携帯端末3は、利用者が印刷指示ボタン65を押下すると、利用者が印刷設定画面50で入力した内容の印刷設定に沿って、ウェブページ画面40をプリンタ2に印刷させる。
【0061】
本実施形態1では、携帯端末3は、利用者が印刷指示ボタン65を押下すると、これに応答して、表示中のウェブページ画面40の印刷をプリンタ2に指示する。このとき、携帯端末3は、印刷指示部35が、ウェブページ画面40のURL情報を印刷要求コマンドに付加し、通信制御部31を介して、その印刷要求コマンドをプリンタ2に送信する。
【0062】
なお、その際に、携帯端末3は、必要があれば、印刷指示部35が、記憶部34から印刷するウェブページ画面40のURL情報に対応するセッションIDと、印刷設定情報とを読み出して、URL情報とセッションIDと印刷設定情報とを印刷要求コマンドに付加し、通信制御部31を介して、その印刷要求コマンドをプリンタ2に送信する。
【0063】
終了ボタン66は、携帯端末3に、印刷設定画面50の表示を終了させて、初期画面を表示させるためのボタンである。
【0064】
図3Bは、携帯端末3が、プリンタ指定画面70を操作部33に表示している状態を示している。プリンタ指定画面70は、印刷に用いるプリンタの指定を行うための画面である。図3Bに示す例では、プリンタ指定画面70は、検索結果表示欄71、検索ボタン72、指定ボタン73、及び、戻るボタン74を含む構成となっている。
【0065】
検索結果表示欄71は、使用可能なプリンタ2が表示される欄である。
検索ボタン72は、携帯端末3に、使用可能なプリンタ2を検索させるためのボタンである。
指定ボタン73は、印刷に用いるプリンタ2を指定するためのボタンである。
戻るボタン74は、携帯端末3に、表示中の画面(ここでは、プリンタ指定画面70)を一つ前の画面(例えば、ウェブページ画面40)に戻させるためのボタンである。
【0066】
<本実施形態で用いるデータの一例>
以下、図4及び図5を参照して、本実施形態1で用いるデータの一例につき説明する。図4は、実施形態1で用いる第1対応表データT1の一例を示す図である。図5は、実施形態1で用いる第2対応表データT2の一例を示す図である。
【0067】
携帯端末3の記憶部34(図1参照)は、例えば、図4に示す第1対応表データT1を記憶している。第1対応表データT1は、URL情報とセッションIDとの対応関係を示している。
【0068】
携帯端末3は、ウェブサーバ4からウェブページ画面40を取得した場合に、ウェブページ画面40と共に、ウェブサーバ4からウェブページ画面40に付随するセッションIDを取得する。そして、携帯端末3は、取得されたセッションIDをウェブページ画面40のURL情報に関連付けて第1対応表データT1に登録する。なお、第1対応表データT1に登録されていないURL情報は、対応するセッションIDがないことを意味している。
【0069】
また、携帯端末3は、利用者によって指定されたURL情報に基づいてウェブサーバ4にアクセスする場合に、指定されたURL情報が付加されたウェブページ取得コマンドを生成して、ウェブサーバ4にアクセスする。このとき、携帯端末3は、第1対応表データT1を参照して、指定されたURL情報に対応するセッションIDが第1対応表データT1に登録されていれば、そのセッションIDもウェブページ取得コマンドに付加して、ウェブサーバ4にアクセスする。以下、第1対応表データT1に登録された、利用者に指定されたURL情報(アクセスするウェブページ画面40のURL情報)に対応するセッションIDを特に「該当セッションID」と称する。
【0070】
一方、ウェブサーバ4は、例えば、図5に示す第2対応表データT2を記憶している。第2対応表データT2は、ウェブサーバ4が管理するセッションIDとセッション情報との対応関係を示している。図5は、一例として、図4に示す「www.abc.com」というURL情報に対して、ウェブサーバ4が発行したセッションIDの一覧を示している。
【0071】
図5に示すように、ウェブサーバ4は、セッションID「abc12001」、「abc12002」、及び、「abc12003」を発行している。図5に示す例では、セッションID「abc12001」に対応してウェブサーバ4が記憶しているセッション情報は、「利用者名」が「A」、「最終訪問ページID」が「5」、最終訪問日時が「2010/12/08 23:00’00」、「興味のあるジャンル」が「経済」となっている。
【0072】
ウェブサーバ4は、好ましくは、例えば、セッションID「abc12001」のクライアントから再度アクセスがあった場合に、第2対応表データT2に登録されたセッション情報を利用して、「こんにちは、Aさん」等の文言を含むウェブページ画面40を作成したり、経済ニュースを多く含むウェブページ画面40を作成したりすると良い。
【0073】
<印刷システムの動作>
以下、図6〜図8を参照して、印刷システム1の動作につき説明する。図6〜図8は、それぞれ、実施形態1に係る印刷システム1の動作を示すフローチャートである。なお、各装置は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、各装置の動作は、各装置の記憶部に読み出し自在に予め格納されたプログラムによって規定されており、各装置の制御部によって実行される。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを記憶部に一旦格納し、その後に、データを記憶部から読み出すことによって、行われる。また、各データは、記憶部に読み出し自在に一旦格納されてから、その後の処理を行う所要の構成要素に出力される。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0074】
(ウェブページ画面取得時の携帯端末の動作)
図6は、ウェブページ画面40の取得時の携帯端末3の動作を示している。携帯端末3は、利用者が操作部33を操作することにより、動作を開始する。
【0075】
利用者は、携帯端末3の操作部33を操作して、アクセスするURL情報を指定する。これにより、携帯端末3のページ取得部32(図1参照)が、操作部33から、アクセスするURL情報を取得する(S105)。URL情報を指定する方法としては、「ブックマーク」や「お気に入り」等のように、予め登録されているURL情報群の中から選択する方法や、過去にアクセスした履歴が存在するURL情報群の中から選択する方法、URL情報の文字列を直接入力する方法等がある。
【0076】
携帯端末3は、URL情報が指定されると、ページ取得部32が、URL情報が付加されたウェブページ取得コマンドを生成し、ウェブページ取得コマンドを用いて、通信制御部31を介して、URL情報によって指定されたウェブページのウェブサーバ4にアクセスする(S110)。
【0077】
ウェブサーバ4は、URL情報によって指定されたウェブページ画面40の情報と、次回のアクセスの際に識別情報として用いられるセッションIDとを送信する。これにより、携帯端末3のページ取得部32が、ウェブサーバ4からウェブページ画面40の情報とセッションIDとを取得する(S115)。
【0078】
ページ取得部32は、取得されたセッションIDをURL情報に関連付けて第1対応表データT1(図4参照)に登録すると共に(S120)、取得されたウェブページ画面40(図2参照)を操作部33に表示させる(S125)。
【0079】
この後、ページ取得部32は、利用者から他のページ表示要求があるか否かを判定する(S130)。S130の判定は、利用者が携帯端末3の操作部33を操作してアクセスするURL情報を指定した場合に、“Yes”となる。
【0080】
S130の判定で、利用者から他のページ表示要求がないと判定された場合(“No”の場合)に、一連のルーチンが終了する。
【0081】
一方、S130の判定で、利用者から他のページ表示要求があると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、S135に進む。この場合に、携帯端末3のページ取得部32が、S105と同様にして、操作部33から、次にアクセスするURL情報を取得する(S135)。なお、URL情報は、利用者が操作部33を操作して次にアクセスするウェブページへのリンクを指定することによっても、取得される。
【0082】
次に、ページ取得部32は、記憶部34に記憶された第1対応表データT1(図4参照)を参照して、S135で取得されたURL情報に対応する該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されているか否かを判定する(S140)。
【0083】
S140の判定で、該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、ページ取得部32は、URL情報と該当セッションIDとを用いて、通信制御部31を介して、ウェブサーバ4にアクセスする(S145)。
【0084】
一方、S140の判定で、該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されていないと判定された場合(“No”の場合)に、ページ取得部32は、URL情報を用いて、通信制御部31を介して、ウェブサーバ4にアクセスする(S150)。
【0085】
ウェブサーバ4は、URL情報によって指定されたウェブページ画面40の情報と、セッションIDとを送信する。これにより、携帯端末3のページ取得部32が、S115と同様にして、ウェブサーバ4からウェブページ画面40の情報とセッションIDとを取得する(S155)。この後、処理はS120に戻る。その結果、携帯端末3は、S120〜S155の処理を繰り返す。その際に、携帯端末3は、S120で、URL情報とセッションIDとを関連付けて第1対応表データT1(図4参照)に登録し、S125で、取得されたウェブページ画面40を操作部33に表示する。
【0086】
(ウェブページ画面印刷指示時の携帯端末の動作)
図7は、ウェブページ画面40の印刷指示時の携帯端末3の動作を示している。携帯端末3は、利用者が操作部33を操作することにより、動作を開始する。
【0087】
図7に示すS205〜S225の処理は、それぞれ、図6に示すS105〜S125の処理と同様である。したがって、携帯端末3は、図6に示すS105〜S125の処理と同様に、S205〜S225の処理を行う。
【0088】
S225の後、利用者は、携帯端末3の操作部33を操作して、印刷設定画面50(図3A参照)で印刷設定を行い、さらに、印刷ボタン65を押下する。これにより、携帯端末3の印刷指示部35(図1参照)が、操作部33から印刷設定情報を受け付け(S230)、さらに、印刷指示を受け付ける(S235)。そして、印刷指示部35は、記憶部34(又は、操作部33)から、アクセスするウェブページ画面40(印刷が指示されたウェブページ画面40)のURL情報を取得する(S240)。
【0089】
次に、印刷指示部35は、記憶部34に記憶された第1対応表データT1(図4参照)を参照して、S240で取得されたURL情報に対応する該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されているか否かを判定する(S245)。
【0090】
S245の判定で、該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、印刷指示部35は、URL情報と該当セッションIDと印刷設定情報とを印刷要求コマンドに付加する(S250)。
【0091】
一方、S245の判定で、該当セッションIDが第1対応表データT1に登録されていないと判定された場合(“No”の場合)に、印刷指示部35は、セッションIDを含まずに、URL情報と印刷設定情報とのみを印刷要求コマンドに付加する(S255)。
【0092】
S250又はS255の後、印刷指示部35は、通信制御部31を介して、S250でURL情報と該当セッションIDと印刷設定情報とが付加された印刷要求コマンド、又は、S255でURL情報と印刷設定情報とが付加された印刷要求コマンドを、プリンタ2に送信する(S260)。これにより、携帯端末3は、ウェブページ画面40の印刷をプリンタ2に要求する。その結果、一連のルーチンが終了する。
【0093】
(ウェブページ画面印刷時のプリンタの動作)
図8は、ウェブページ画面40の印刷時のプリンタ2の動作を示している。プリンタ2は、外部から印刷要求コマンドを含む各種のデータを受信することにより、動作を開始する。
【0094】
プリンタ2は、通信制御部21(図1参照)が、携帯端末3から印刷要求コマンドを受信する(S305)。この印刷要求コマンドは、携帯端末3が図7に示すS250の処理を行った場合に、URL情報と該当セッションIDと印刷設定情報とが付加されており、一方、携帯端末3が図7に示すS255の処理を行った場合に、URL情報と印刷設定情報とが付加されている。
【0095】
S305の後、プリンタ2は、コマンド情報生成部22(図1参照)が、該当セッションIDが印刷要求コマンドに付加されているか否かを判定する(S310)。
【0096】
S310の判定で、該当セッションIDが印刷要求コマンドに付加されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、コマンド情報生成部22は、URL情報と該当セッションIDとが付加されたウェブページ取得コマンドを生成し(S315)、ウェブページ取得コマンドを用いてウェブサイトを管理するウェブサーバ4にアクセスする(S320)。
【0097】
一方、S310の判定で、該当セッションIDが印刷要求コマンドに付加されていないと判定された場合(“No”の場合)に、コマンド情報生成部22は、URL情報によって指定されたウェブサーバ4にアクセスする(S325)。
【0098】
S320又はS325の後、プリンタ2は、ページ取得部23(図1参照)が、ウェブサーバ4からウェブページ画面40の情報を取得し(S330)、取得されたウェブページ画面40の印刷指示を印刷制御部24(図1参照)に出力する。
【0099】
印刷制御部24は、ページ取得部23からウェブページ画面40の印刷指示が入力されると、取得されたウェブページ画面40の情報と印刷設定情報とに基づいて、印刷データを生成する(S335)。
【0100】
印刷制御部24は、印刷データを生成すると、さらに、印刷データを編集・展開(ラスタライズ)して、ラスタデータを生成し、生成されたラスタデータを印刷部25(図1参照)に出力する。これに応答して、印刷部25が、ラスタデータに基づいて、ウェブページ画面40の画像を印刷する。その結果、一連のルーチンが終了する。
【0101】
このような印刷システム1は、プリンタ2が、セッション管理しているウェブサーバ4にアクセスする際に、携帯端末3から送信されたセッション情報を用いることにより、自動的にログイン処理を実行することができる。また、印刷システム1は、プリンタ2が、セッション管理しているウェブサーバ4にアクセスする際に、ウェブサーバ4からセッション情報によって指定されたウェブページ画面40を取得することができる。そのため、印刷システム1は、利用者の望むウェブページ画面40を適正にプリンタ2に印刷させることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る印刷システム1によれば、セッション管理しているウェブサーバのウェブページ画面40を適正にプリンタ2に印刷させることができる。
【0102】
[実施形態2]
以下、図9を参照して、本実施形態2に係る印刷システム1Aの構成につき説明する。図9は、実施形態2に係る印刷システム1Aの構成を示す図である。
【0103】
本実施形態2に係る印刷システム1は、携帯端末3がウェブサーバ4から取得したウェブページ画面40のページ情報のサイズとプリンタ2がウェブサーバ4から取得したウェブページ画面40のページ情報のサイズとが異なる場合に、印刷を中止する構成となっている。
【0104】
以下、本実施形態2に係る印刷システム1、プリンタ2、及び、携帯端末3を、それぞれ、「印刷システム1A」、「プリンタ2A」、及び、「携帯端末3A」と称する。また、携帯端末3がウェブサーバ4から取得したウェブページ画面40のページ情報のサイズと、プリンタ2がウェブサーバ4から取得したウェブページ画面40のページ情報のサイズとを区別する場合に、それぞれ、「第1ページ情報サイズ」及び「第2ページ情報サイズ」と称する。
【0105】
図9に示すように、プリンタ2Aは、通信部20、通信制御部21、コマンド情報生成部22、ページ取得部23、印刷制御部24、印刷部25、測定部26、比較部27、及び、通知部28を備えている。なお、通信制御部21、コマンド情報生成部22、ページ取得部23、印刷制御部24、測定部26、比較部27、及び、通知部28は、プリンタ2Aの制御部が装置内に格納されたプログラム2Aaを実行することにより、実現される。
【0106】
また、図9に示すように、携帯端末3Aは、通信部30、通信制御部31、ページ取得部32、操作部33、記憶部34、印刷指示部35、及び、測定部36を備えている。なお、通信制御部31、ページ取得部32、印刷指示部35、及び、測定部36は、携帯端末3Aの図示せぬ制御部が装置内に格納されたプログラム3Aaを実行することにより、実現される。
【0107】
本実施形態2に係る印刷システム1A(図9参照)は、実施形態1に係る印刷システム1(図1参照)と比較すると、プリンタ2Aが、測定部26、比較部27、及び、通知部28を備えていると共に、携帯端末3Aが、測定部36を備えている点で相違している。
【0108】
プリンタ2Aの測定部26は、ウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第2ページ情報サイズ)を計算する機能手段である。ここで、「ページ情報のサイズ」とは、ウェブページ画面40を表示するために、ウェブサーバ4から取得したHTML(Hyper Text Markup Language)で記述されたテキストファイルや、HTMLファイルが必要とするファイル群全体のサイズをいう。
【0109】
プリンタ2Aの比較部27は、携帯端末3Aの測定部36によって計算された第1ページ情報サイズとプリンタ2Aの測定部26によって計算された第2ページ情報サイズとを比較する機能手段である。
【0110】
比較部27は、第1ページ情報サイズと第2ページ情報サイズとを比較して、第1ページ情報サイズと第2ページ情報サイズとが一致するか否かを判定する。この判定で、一致していると判定された場合に、比較部27は、印刷可と判定して、印刷可とする判定結果をページ取得部23に出力する。この場合に、プリンタ2Aは、ウェブページ画面40の印刷を実行する。一方、この判定で、一致してないと判定された場合に、比較部27は、印刷不可とする判定結果を通知部28に出力する。この場合に、プリンタ2Aは、ウェブページ画面40の印刷を中止し、印刷の中止を表す通知メールを連絡先に送信する。
【0111】
プリンタ2Aの通知部28は、ウェブページ画面40の印刷ができない場合に、その旨を携帯端末3Aに通知する機能手段である。通知部28は、比較部27によって印刷不可とする判定結果が入力された場合に、通信制御部21を介して、印刷の中止を表す通知メールを、連絡先(ここでは、携帯端末3Aのメールアドレス)に通知する。
【0112】
なお、ここでは、「印刷の中止を表す通知メール」は、例えば、「プリンタ2Aが取得したウェブページ画面40が携帯端末3Aによって印刷を指示されたウェブページ画面40と異なっているため、印刷を中止した」等のようになっているものとする。
【0113】
携帯端末3Aの測定部36は、ウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第1ページ情報サイズ)を計算する機能手段である。
【0114】
なお、本実施形態2では、携帯端末3Aは、ページ取得部32によって取得されたウェブページ画面40、URL情報、セッションID、及び、測定部36によって計算された第1ページ情報サイズを記憶部34に記憶する。ただし、携帯端末3Aの記憶部34は、記憶容量が一般的に小さいため、ウェブページ画面40を記憶するのはごく短時間だけである。
【0115】
以下、図10を参照して、本実施形態2で用いるデータの一例につき説明する。図10は、実施形態2で用いる変形第1対応表データT1Aの一例を示す図である。
【0116】
携帯端末3Aの記憶部34(図9参照)は、例えば、図10に示す変形第1対応表データT1Aを記憶している。変形第1対応表データT1Aは、第1対応表データT1(図4参照)を変形したデータであり、URL情報とセッションIDと第1ページ情報サイズとの対応関係を示している。
【0117】
携帯端末3Aは、ウェブサーバ4からウェブページ画面40を取得した場合に、ウェブページ画面40と共に、ウェブサーバ4からウェブページ画面40に付随するセッションIDを取得する。さらに、携帯端末3Aは、測定部36がウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第1ページ情報サイズ)を計算する。そして、携帯端末3は、セッションIDと第1ページ情報サイズとをURL情報に関連付けて変形第1対応表データT1Aに登録する。なお、変形第1対応表データT1Aに登録されていないURL情報は、対応するセッションIDがないことを意味している。
【0118】
この後、携帯端末3Aの印刷指示部35は、利用者が操作部33を操作して、ウェブページ画面40の印刷を指示した場合に、該当セッションID、第1ページ情報サイズ、及び、印刷設定情報を印刷要求コマンドに付加して、プリンタ2Aに送信する。これにより、携帯端末3Aは、ウェブページ画面40の印刷をプリンタ2Aに指示する。
【0119】
以下、図11〜図13を参照して、本実施形態2に係る印刷システム1Aの動作につき説明する。図11〜図13は、それぞれ、実施形態2に係る印刷システム1Aの動作を示すフローチャートである。
【0120】
ここでは、本実施形態2に係る印刷システム1Aの動作について、実施形態1に係る印刷システム1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1に係る印刷システム1と同様の動作(図6〜図8参照)については、前記した実施形態1に係る印刷システム1の動作を本実施形態2に係る印刷システム1Aの動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。なお、本実施形態2では、第1対応表データT1の代わりに、変形第1対応表データT1Aを用いるものとする。
【0121】
(ウェブページ画面取得時の携帯端末の動作)
図11は、ウェブページ画面40の取得時の携帯端末3Aの動作を示している。
【0122】
図11に示すように、本実施形態2に係る携帯端末3Aの動作は、実施形態1に係る携帯端末3(図6参照)の動作と比較すると、S115の処理の後に、S116の処理が追加されていると共に、S120の処理の代わりに、S120aの処理を行う点で相違している。以下、S116,S120aの処理について、説明する。
【0123】
S115の後、携帯端末3Aは、測定部36(図9参照)が、ページ取得部32(図9参照)によってウェブサーバ40から取得されたウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第1ページ情報サイズ)を計算し(S116)、計算された第1ページ情報サイズをページ取得部32に出力する。
【0124】
S116の後、ページ取得部32は、セッションIDと第1ページ情報サイズとをURL情報に関連付けて変形第1対応表データT1A(図10参照)に登録する(S120a)。この後、処理は、S125に進む。
ウェブページ画面40の取得時の携帯端末3Aの動作は、以上の通りである。
【0125】
(ウェブページ画面印刷指示時の携帯端末の動作)
図12は、ウェブページ画面40の印刷指示時の携帯端末3Aの動作を示している。
【0126】
図12に示すように、本実施形態2に係る携帯端末3Aの動作は、実施形態1に係る携帯端末3(図7参照)の動作と比較すると、S215の処理の後に、S216の処理が追加されていると共に、S220,S250,S255の処理の代わりに、S220a,S250a,S255aの処理を行う点で相違している。以下、S216,S220a,S250a,S255aの処理について、説明する。
【0127】
S215の後、携帯端末3Aは、測定部36(図9参照)が、ページ取得部32(図9参照)によってウェブサーバ40から取得されたウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第1ページ情報サイズ)を計算し(S216)、計算された第1ページ情報サイズをページ取得部32に出力する。
【0128】
S216の後、ページ取得部32は、セッションIDと第1ページ情報サイズとをURL情報に関連付けて変形第1対応表データT1A(図10参照)に登録する(S220a)。この後、処理は、S225に進む。
【0129】
また、S240の後、携帯端末3Aは、印刷指示部35(図9参照)が、記憶部34に記憶された変形第1対応表データT1A(図10参照)を参照して、S240で取得されたURL情報に対応する該当セッションIDが変形第1対応表データT1Aに登録されているか否かを判定する(S245)。
【0130】
S245の判定で、該当セッションIDが変形第1対応表データT1Aに登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、印刷指示部35は、URL情報と該当セッションIDと印刷設定情報と第1ページ情報サイズと連絡先とを印刷要求コマンドに付加する(S250a)。なお、ここでは、「連絡先」が携帯端末3Aのメールアドレスである場合を想定して説明する。その「連絡先」は、携帯端末3Aの記憶部34に予め格納されている。この後、処理は、S260に進む。
【0131】
一方、S245の判定で、該当セッションIDが変形第1対応表データT1Aに登録されていないと判定された場合(“No”の場合)に、印刷指示部35は、セッションIDを含まずに、URL情報と印刷設定情報と第1ページ情報サイズと連絡先とのみを印刷要求コマンドに付加する(S255a)。この後、処理は、S260に進む。
ウェブページ画面40の印刷指示時の携帯端末3Aの動作は、以上の通りである。
【0132】
(ウェブページ画面印刷時のプリンタの動作)
図13は、ウェブページ画面40の印刷時のプリンタ2Aの動作を示している。
【0133】
図13に示すように、本実施形態2に係るプリンタ2Aの動作は、実施形態1に係るプリンタ2(図8参照)の動作と比較すると、S330の処理の後に、S331,S332,S345の処理が追加されている点で相違している。以下、S331,S332,S345の処理について、説明する。なお、本実施形態2では、S305で、プリンタ2Aが携帯端末3Aから受信した印刷要求コマンドは、携帯端末3Aが図12に示すS250aの処理を行った場合に、URL情報と該当セッションIDと印刷設定情報と第1ページ情報サイズと連絡先とが付加されており、携帯端末3Aが図12に示すS255aの処理を行った場合に、URL情報と印刷設定情報と第1ページ情報サイズと連絡先とが付加されている。
【0134】
S330の後、プリンタ2Aは、測定部26(図9参照)が、ページ取得部23(図9参照)によってウェブサーバ40から取得されたウェブページ画面40のページ情報のサイズ(第2ページ情報サイズ)を計算し(S331)、計算された第2ページ情報サイズを比較部27(図9参照)に出力する。
【0135】
比較部27は、測定部26から第2ページ情報サイズが入力されると、携帯端末3Aの測定部36によって計算された第1ページ情報サイズとプリンタ2Aの測定部26によって計算された第2ページ情報サイズとを比較して、第1ページ情報サイズと第2ページ情報サイズとが一致するか否かを判定する(S332)。なお、第1ページ情報サイズは、S305で受信された印刷要求コマンドに付加されている。その第1ページ情報サイズは、S305で印刷要求コマンドが受信された際に、通信制御部21(又は、コマンド情報生成部22)によって図示せぬ記憶部に記憶される。比較部27は、S332で、記憶部から第1ページ情報サイズを読み出して、第2ページ情報サイズとの比較に利用する。
【0136】
S332の判定で、一致していると判定された場合(“Yes”の場合)に、比較部27は、印刷可とする判定結果をページ取得部23(図9参照)に出力する。これに応答して、ページ取得部23が、S330で取得されたウェブページ画面40の印刷指示を印刷制御部24(図9参照)に出力する。印刷制御部24は、ページ取得部23からウェブページ画面40の印刷指示が入力されると、S330で取得されたウェブページ画面40の情報と印刷設定情報とに基づいて、印刷データを生成する(S335)。
【0137】
一方、S332の判定で、一致していないと判定された場合(“No”の場合)に、比較部27は、印刷不可とする判定結果を通知部28(図9参照)に出力する。これに応答して、通知部28が、通信制御部21を介して、印刷の中止を表す通知メールを連絡先に送信する(S345)。これにより、一連のルーチンが終了する。
ウェブページ画面40の印刷時のプリンタ2Aの動作は、以上の通りである。
【0138】
なお、この通知メールが送信された場合に、ウェブページ画面40のセッションが切れていることが推測される。そのため、利用者は、再度、ウェブサーバ4にアクセスして、セッションを確立しなおしてから、印刷指示を行うと良い。セッションは、ウェブサーバ4によって自動的に確立される。
【0139】
以上の通り、本実施形態2に係る印刷システム1Aによれば、実施形態1と同様の効果に加え、携帯端末3Aが取得したウェブページ画面40の第1ページ情報サイズとプリンタ2Aが取得したウェブページ画面40の第2ページ情報サイズとを比較して、印刷を実行するか否かを判定することができる。そのため、印刷システム1Aによれば、例えば、セッションが切れた結果、異なるウェブページ画面40が印刷されるのを抑制することができる。
【0140】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0141】
例えば、本発明は、ファクシミリ装置やMFP等にも適用することができる。なお、「MFP」とは、Multi Function Printerの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0142】
また、例えば、図13に示すS332の判定は、第1ページ情報サイズと第2ページ情報サイズとが完全に一致していなくても、予め定めた誤差範囲(例えば、10%)内で一致していれば、一致していると判定するようにしても良い。また、S332の判定は、取得するファイル全体を比較するのではなく、メインとなるHTMLファイルのみを比較するようにしても良いし、比較対象の設定を組み合わせたり、選択可能にしたりしても良い。
【0143】
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、印刷システム1,1Aは、携帯端末3,3Aが、セッションIDを直接プリンタ2,2Aに送信している。しかしながら、印刷システム1,1Aは、セッション情報を図示せぬパーソナルコンピュータ(PC)等に蓄えておき、PCが蓄えたセッション情報を用いて、プリンタ2,2Aに印刷を指示するようにしても良い。この場合に、PCの方が携帯端末3,3Aよりも性能が格段に優れているため、利用者は、どのようなウェブページ画面40が実際に印刷されるのかを詳細なプレビュー画面で確認することができる。
【符号の説明】
【0144】
1 印刷システム
2,2A プリンタ
3,3A 携帯端末
4 ウェブサーバ
5 ネットワーク
20,30 通信部
21,31 通信制御部
22 コマンド情報生成部
23,32 ページ取得部
24 印刷制御部
25 印刷部
26,36 測定部
27 比較部
28 通知部
33 操作部
34 記憶部
35 印刷指示部
40 ウェブページ画面
41,74 戻るボタン
42 進むボタン
43 読み込み中止ボタン
44 再読み込みボタン
45,65 印刷指示ボタン
46 URL表示欄
47 現在エリア表示欄
48,66 終了ボタン
50 印刷設定画面
51 用紙設定欄
52 サイズ設定欄
53 給紙方法設定欄
54 レイアウトタイプ設定欄
55,57 リストボックス
56 両面印刷設定欄
58 印刷品位設定欄
59 ラジオボタン
60 チェックボックス
61 部数設定欄
62 スピンボタン
63 戻るボタン
64 取消ボタン(変更結果未反映)
70 プリンタ指定画面
71 検索結果表示欄
72 検索ボタン
73 指定ボタン
T1 第1対応表データ
T2 第2対応表データ
T1A 変形第1対応表データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して携帯端末とプリンタとウェブサーバとが接続された印刷システムにおいて、
前記携帯端末は、前記ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する場合に、URL情報と当該ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信し、
前記プリンタは、前記携帯端末から送信された前記印刷要求コマンドに付加されている前記URL情報と前記セッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得し、取得された前記ウェブページ画面を印刷する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得するページ取得部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する印刷指示部と、
前記URL情報と前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得された前記セッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信する通信部とを有しており、
前記プリンタは、
前記携帯端末から送信された前記印刷要求コマンドに付加されている前記URL情報と前記セッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバからウェブページ画面を取得するためのウェブページ取得コマンドを生成するコマンド情報生成部と、
前記ウェブページ取得コマンドに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得する通信部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面を印刷する印刷部とを有する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記携帯端末は、
さらに、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第1ページ情報サイズとして計算する測定部を有しており、
前記プリンタは、
さらに、当該プリンタが前記ウェブサーバにアクセスすることによって、前記ウェブサーバから直接取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第2ページ情報サイズとして計算する測定部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとを比較する比較部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとが異なる場合に、前記携帯端末に通知する通知部とを有する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタに指示する携帯端末において、
前記ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得するページ取得部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する印刷指示部と、
前記URL情報と前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信する通信部とを有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末において、
さらに、前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第1ページ情報サイズとして計算する測定部を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷の指示を携帯端末から受けるプリンタにおいて、
前記携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されている、URL情報と、前記携帯端末によって前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバからウェブページ画面を取得するためのウェブページ取得コマンドを生成するコマンド情報生成部と、
前記ウェブページ取得コマンドに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得する通信部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面を印刷する印刷部とを有する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
請求項6に記載のプリンタにおいて、
さらに、前記携帯端末が前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第1ページ情報サイズとして計算する場合に、当該プリンタが前記ウェブサーバにアクセスすることによって、前記ウェブサーバから直接取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第2ページ情報サイズとして計算する測定部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとを比較する比較部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとが異なる場合に、前記携帯端末に通知する通知部とを有する
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷をプリンタに指示する携帯端末の制御部を、
前記ウェブサーバからURL情報によって指定されたウェブページ画面を取得するページ取得部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面の印刷を前記プリンタに指示する印刷指示部と、
通信部を介して、前記URL情報と前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とが付加された印刷要求コマンドを前記プリンタに送信する通信制御部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
さらに、前記携帯端末の制御部を、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第1ページ情報サイズとして計算する測定部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ウェブサーバから取得されたウェブページ画面の印刷の指示を携帯端末から受けるプリンタの制御部を、
前記携帯端末から送信された印刷要求コマンドに付加されている、URL情報と、前記携帯端末によって前記ウェブページ画面に付随して前記ウェブサーバから取得されたセッション情報とに基づいて、前記ウェブサーバからウェブページ画面を取得するためのウェブページ取得コマンドを生成するコマンド情報生成部と、
通信部を介して、前記ウェブページ取得コマンドに基づいて、前記ウェブサーバにアクセスして前記ウェブページ画面を取得する通信制御部と、
前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面を印刷部に印刷させる印刷制御部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記プリンタの制御部を、
さらに、前記携帯端末が前記ウェブサーバから取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第1ページ情報サイズとして計算する場合に、当該プリンタが前記ウェブサーバにアクセスすることによって、前記ウェブサーバから直接取得された前記ウェブページ画面のページ情報サイズを第2ページ情報サイズとして計算する測定部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとを比較する比較部と、
前記第1ページ情報サイズと前記第2ページ情報サイズとが異なる場合に、前記携帯端末に通知する通知部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−198784(P2012−198784A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62797(P2011−62797)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】