説明

印刷システム、画像形成装置、印刷方法、及び、プログラム

【課題】印刷管理装置(サーバ)側で管理されるデータを画像形成装置から要求して印刷する際に、簡単な操作で、推奨する環境への影響等を配慮した印刷設定の範囲内で所望の印刷を可能にすること。
【解決手段】デバイス110のデータ処理部111は、IF114からの指示に応じて印刷管理装置130から操作者に対応するデータの一覧を取得して表示する。また、印刷管理装置130に予め登録されている各印刷設定でのCO2排出量等から判断された前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用許可される1又は複数の印刷設定とCO2排出量等を取得する。さらに、前記1又は複数の印刷設定を選択させるための提示(1000)を行い、選択された印刷設定でのCO2排出量を提示する。さらに、前記一覧に含まれるデータを印刷管理装置130から取得し、IF114からの印刷指示に応じて前記提示から選択された印刷設定を用いて前記取得したデータを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ側で管理されているデータを画像形成装置から要求して印刷する際の印刷設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機等の画像形成装置(デバイス)の使用に際し、環境への配慮とコスト削減の目的から、CO2排出量や印刷費用を削減したいという要望がある。
デバイス使用によるCO2排出量や印刷費用を削減する手段として、片面印刷を両面印刷にしたり、2ページの原稿を1ページに集約して印刷する方法がある。これらの設定を行う方法が、従来より提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の提案は、用紙やモノクロ/カラー等の印刷設定毎のCO2排出量などを設定し、ユーザが印刷を実行する際に、それぞれの印刷設定においてよりCO2排出量が少なくなる設定を表示して、各印刷設定をユーザに選択させるものである。
【0004】
一方、インターネット上のストレージにドキュメントを保存し、任意のデバイスを操作することによりドキュメントの印刷を実行する方法がある。
具体的には、まずPC(パーソナルコンピュータ)やモバイル端末など様々な機器からドキュメントをインターネット上のストレージにアップロードする。印刷を実行したいユーザは、任意のデバイスを操作して、印刷可能なドキュメントをインターネット上のストレージから、操作しているデバイスにダウンロードして、印刷を実行する。このような印刷をプルプリントと呼ぶ。プルプリントでは、ユーザは、インターネット上のストレージに保存されているドキュメントを好きな場所で好きな時間に印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−167577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PCからプリンタドライバを介してデバイスにドキュメントの印刷指示を行う場合は、2ページの原稿を1ページに集約して印刷する設定(2in1印刷)や、両面印刷する設定等を指定して印刷することで、CO2排出量や印刷費用を削減することができる。
また、プリンタドライバのユーザインタフェース(UI)は、PC上で操作するため操作性も良く、ユーザは簡単に印刷設定を行うことができる。
【0007】
しかし、プルプリントにおいて、例えばモバイル端末からドキュメントをインターネット上にアップロードした場合、プリンタドライバを介さずに、そのままのドキュメントを単純にストレージに保存することになる。
【0008】
その場合、ユーザがデバイスを操作してダウンロードしたドキュメントをそのまま印刷すると、ページの集約なし、片面印刷といった設定で印刷されることになる。この場合、印刷枚数が増え、CO2排出量(環境への影響)や印刷費用(コスト)に配慮しない印刷が実行されてしまう。
【0009】
このような事態を回避するためには、ユーザがデバイスのUIを操作し、CO2排出量や印刷費用に配慮した設定を行う必要がある。しかし、従来では、印刷実行時に現在の印刷設定よりもCO2を削減するためのガイダンスを提示して、ページ集約するか、両面印刷するか等、印刷設定を一つずつユーザに選択させるものであり、非常に煩雑であった。また、ユーザによっては印刷設定を変更せず、CO2排出量に配慮しない設定で印刷が実行される場合もあった。
【0010】
企業等においては、2in1印刷を推奨するなど、印刷におけるポリシーがあり、それに従った印刷を実行させたいという要望があるが、従来のように、印刷設定がユーザ個人任せの場合、適切な設定が行われない可能性がある。
【0011】
また、プリンタドライバのUIと異なり、デバイスのUIは、一般的にキーボードやマウスを使わず、タッチパネルで操作することが多く、また画面サイズも限られるため、操作性に制限があり、複雑な設定操作は困難である。
【0012】
また、プルプリントの場合、印刷要求があるまでどのデバイスで印刷が実行されるかが分からない。このため、CO2排出量等を考慮した印刷設定を行わせたい場合、同じ印刷内容でも、デバイス機種によってCO2排出量が異なるため、デバイスが確定してから適切な印刷設定を判断する必要がある等の課題があった。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、情報処理装置側で管理されているデータを画像形成装置から要求して印刷する際に、画像形成装置の操作部からでも容易な簡単な操作で、管理者等が推奨する環境への影響やコスト等を配慮した印刷設定の範囲内で、ユーザの要望に応じて柔軟な印刷実行可能にするための仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、情報処理装置と、データの印刷処理を行う画像形成装置とを有する印刷システムであって、前記情報処理装置は、外部装置から登録されたデータをユーザの識別情報に対応付けて保存する保存手段と、前記画像形成装置から送信されるユーザの識別情報に対応して前記保存手段に保存されたデータの一覧を前記画像形成装置に送信する第1送信手段と、予め登録されている複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を前記画像形成装置で行った場合の環境への影響度を示す情報をそれぞれ計算する計算手段と、前記計算手段での計算の結果を用いて、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を判断する判断手段と、前記判断手段により使用を許可すると判断された前記1又は複数の印刷設定を前記画像形成装置に送信する第2送信手段と、前記計算手段により計算された各環境への影響度を示す情報を前記画像形成装置に送信する第3送信手段と、前記一覧に含まれるデータを前記画像形成装置に送信する第4送信手段と、を有し、前記画像形成装置は、操作部からの指示に応じて情報処理装置に前記画像形成装置を操作しているユーザの識別情報を送信して該ユーザの識別情報に対応するデータの一覧を前記情報処理装置から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段が取得したデータの一覧を表示する表示手段と、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を前記情報処理装置から取得する第2取得手段と、前記第2取得手段が取得した前記各印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を前記情報処理装置から取得する第3取得手段と、前記第2取得手段により取得した前記使用を許可する1又は複数の印刷設定を選択させるための提示を行う提示手段と、前記一覧に含まれるデータを前記情報処理装置から取得する第4取得手段と、操作部からの印刷指示に応じて前記提示手段で提示された中から選択された印刷設定を用いて前記第4取得手段により取得したデータを印刷処理する印刷手段と、を有し、前記提示手段は、前記印刷設定の選択に応じて、前記第3取得手段により取得した、前記選択された印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報処理装置側で管理されているデータを画像形成装置から要求して印刷する際に、画像形成装置の操作部からでも容易な簡単な操作で、管理者等が推奨する環境への影響やコスト等を配慮した印刷設定の範囲内で、ユーザの要望に応じて柔軟な印刷実行可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷システムの構成例を示す図である。
【図2】デバイス110のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
【図3】印刷管理装置130のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
【図4】印刷管理装置130のデータ保存部133においてドキュメント情報を保存するテーブルの一例を示す図である。
【図5】印刷推奨設定画面の一例を示す図である。
【図6】デバイス110が印刷管理装置130に保存されているドキュメントのリストを取得する際の印刷管理装置130における処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施例1のドキュメントリストを表示した画面の一例を示す図である。
【図8】実施例1の印刷推奨設定を提示する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】印刷管理装置130のデータ保存部133に保存される印刷推奨設定セットの一例を示す図である。
【図10】実施例1の印刷設定画面の一例を示す図である。
【図11】実施例2のドキュメントリストの印刷設定画面の一例を示す図である。
【図12】実施例3のドキュメントリストの印刷設定画面の一例を示す図である。
【図13】実施例3において複数ドキュメントの使用可能な印刷推奨設定が連動して変化する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の一実施例を示す印刷システムの構成例を示す図である。
図1において、印刷管理装置130は、ドキュメントを保存するストレージ機能と、印刷設定を管理する機能とを持ち、インターネットやイントラネット等のネットワーク100を介して印刷管理サービスを提供するサーバである。
【0019】
デバイス110は、複写機などの画像形成装置である。PC120は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。デバイス110及びPC120は、ネットワーク100を介して印刷管理装置130が提供するサービスを受けることができる。
【0020】
印刷管理装置130において、通信部132は、ネットワーク100に接続する機能を持ち、ネットワーク100を介してデバイス110及びPC120と通信を行う機能を有する。データ処理部131は、通信部132を介してデバイス110及びPC120から情報を受け取り、データを処理する機能と、印刷設定の管理を行う機能とを有する。データ保存部133は、ドキュメントと、データ処理に係る各種設定値とを保存する機能を有する。
【0021】
デバイス110において、通信部113は、ネットワーク100に接続する機能を持ち、ネットワーク100を介して印刷管理装置130と通信を行う機能を有する。インタフェース(IF)114は、デバイス110の操作パネルであり、操作画面を表示しユーザの操作を受け付ける機能を有する。データ処理部111は、IF114が受け付けた操作の処理を実行する機能を有する。印刷部112は、ユーザのデバイス110の直接操作或いはネットワーク経由の印刷要求を受け付け、印刷を実行する機能を有する。
【0022】
PC120において、通信部121は、ネットワーク100に接続する機能を持ち、ネットワーク100を介して印刷管理装置130と通信を行う機能を有する。IF122は、ユーザの処理を受け付けるインタフェースであり、例えば、ディスプレイに表示された画面を介してキーボード、ポインティングデバイス(マウス、タッチパネル等)で入力されるユーザの処理を受け付ける。
【0023】
図2は、デバイス110のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図2において、CPU201は、制御プログラム等に基づいてシステムバス200に接続される印刷部(プリンタエンジン)205に出力情報としての画像信号を出力する。制御プログラムは、ROM202やハードディスクドライブ(HDD)208等にコンピュータ読み取り可能に記録されている。CPU201は、ディスクコントローラ(DKC)206を介してHDD208にアクセスする。
【0024】
CPU201は、ネットワークインタフェースカード(NIC)207を介してネットワーク100上のコンピュータ等との通信処理が可能となっている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0025】
操作部204は、操作のためのスイッチ及びLED表示器、タッチパネル付きディスプレイ等が配されている。
印刷部205は、電子写真印刷方式、インクジェット方式、昇華式等の各種印刷方式により用紙等に印刷を実行する。
なお、図1に示したデバイス110の機能(データ処理部111、印刷部112、通信部113、IF114の機能を含む)は、CPU201がROM202等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行して図2に示した各部を制御することにより実現される。
【0026】
図3は、印刷管理装置130のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図3において、CPU301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302及びハードディスクドライブ(HDD)306に格納(コンピュータ読み取り可能に記録)されたプログラムを実行し、システムバス300を介して後述する各構成を制御する。
【0027】
HDD306は、オペレーティングシステム(OS)や各種プログラムやデータを格納する。CPU301は、ディスクコントローラ(DKC)304を介して、HDD306及びディスクドライブ307にアクセスし、各種プログラム等をHDD306にインストールする。
【0028】
CPU301は、ネットワークインタフェースカード(NIC)305を介して、ネットワーク100を介した他のコンピュータ、デバイス等とも通信可能である。
なお、図1に示した印刷管理装置130の機能(データ処理部131、通信部132、データ保存部133の機能を含む)は、印刷管理装置130のCPU301がROM302やHDD306等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行して図3に示した印刷管理装置130の各部を制御することにより実現される。
【0029】
なお、PC120の構成も印刷管理装置130と同様であるが、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。また、PC120も、NICを介してネットワーク100を介した他の機器との通信が可能である。
【0030】
なお、図1に示したPC120の機能(通信部121、IF122の機能を含む)は、PC120のCPU301がROM302やHDD306等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行して図3に示したPC120の各部を制御することにより実現される。
【0031】
以下、プルプリントにおいて、印刷設定を行う処理を説明する。
なお、本システムは、印刷管理装置130及びデバイス110等の情報処理装置上で協調動作するプログラムによって実現される。プログラムは、各情報処理装置の不揮発性記憶領域にコンピュータ読み取り可能に記憶されており、RAMに読み出されCPUによって実行される。
【0032】
まず、本実施例において、印刷対象のドキュメントをPC120等の外部装置から印刷管理装置130にアップロードする手順を説明する。
PC120は、ユーザのIF122の操作によるドキュメントアップロード指示を受け付けると、通信部121を介して印刷管理装置130にドキュメントを送信する。なお、ここで、PC120から印刷管理装置130に送信するドキュメントは、PDF(Portable Document Format)形式や、EMF(Enhanced Metatfile)形式等のデバイスに依存しない形式のデータとする。また、印刷管理装置130に送信するドキュメントは、画像形成装置などのスキャンデータなどであってもよく、この場合、画像形成装置から直接、該データのアップロード要求を行うことも可能である。
【0033】
なお、ドキュメントのアップロードの際、ドキュメントの印刷を許可するユーザの情報や、ページ集約などの印刷設定情報を付加して送信してもよい。また、ドキュメントの印刷を許可するユーザは、アップロードを実行したユーザがアップロード時に指定してもよいし、自動でアップロード指示を行ったユーザのみ印刷を許可する設定にしてもよい。
【0034】
印刷管理装置130が通信部132を介してドキュメントを受信すると、データ処理部131は、前記受信したジョブに印刷設定情報が付加されていた場合、印刷設定に基づいてドキュメントを変換する。さらに、データ処理部131は、ドキュメント本体および印刷設定情報などのドキュメント情報をデータ保存部133に保存する。
【0035】
図4は、印刷管理装置130のデータ保存部133においてドキュメント情報を保存するテーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、ドキュメント情報として、ID401、ドキュメント名402、ページ数403、ページ集約設定404、両面片面設定405、モノクロカラー設定406、印刷可能なユーザID設定407等の情報が対応付けられてテーブルに保存される。ID401は、印刷管理装置130のデータ処理部131により、ドキュメント毎に付加される識別情報である。
【0036】
なお、図4の例では、ドキュメント名「Doc1」のドキュメントは、アップロード時にページ集約設定(ここでは、2in1設定)が行われていることを示している。
次に、本実施例において、印刷推奨設定を行う処理を説明する。
管理者は、管理者PC(不図示)からWebブラウザなどを用いて、印刷管理装置130に印刷推奨設定の設定画面を要求する。この要求を受けた印刷管理装置130は、図5に示すような印刷推奨設定画面を管理者PCのWebブラウザに返す。
【0037】
図5は、印刷推奨設定画面の一例を示す図である。
図5に示すように、印刷設定として、ページ集約設定、両面片面設定、モノクロカラー設定の各設定を組み合わせて、印刷推奨設定を作成する。なお、印刷推奨設定に含まれる印刷設定は上記の例だけでなく、トナー節約設定、ステイプル使用設定など、印刷や体裁などに関する設定を含めてもよい。
【0038】
図5において、501はページ集約設定部、502は両面片面設定部、503はモノクロカラー設定部である。501〜503の各設定(ページ集約設定、両面片面設定、モノクロカラー設定)を組み合わせて、印刷推奨設定を作成する。なお、印刷推奨設定に含まれる印刷設定は上記の例だけでなく、トナー節約設定(トナーの使用量を制限する設定)、ステイプル使用設定など、印刷や体裁などに関する設定を含めてもよい。
【0039】
また、印刷推奨設定は、複数作成することが可能である。504は追加ボタンで、このボタンを押下指示することにより、501〜503の設定の組み合わせ(印刷推奨設定)が、505に追加される。505に追加された複数の印刷推奨設定を印刷推奨設定セットと呼ぶ。
【0040】
図5の例は、管理者が以下の(1)〜(4)を印刷推奨設定として作成した場合を示す。
(1)4in1かつ両面かつモノクロ
(2)2in1かつ両面かつモノクロ
(3)2in1かつ両面かつカラー
(4)1in1かつ両面かつモノクロ
なお、印刷推奨設定は、印刷を実行するユーザ毎、ユーザの権限毎などに設定してもよい。例えば、企業において一般社員と管理職に異なる印刷推奨設定セットを作成する。
【0041】
また、ユーザ毎に温室効果ガス排出量(例えばCO2排出量)の上限値を設けて、上限値までの実績値の割合に応じて設定するなど、条件毎に設定してもよい(本実施例では、温室効果ガスをCO2として説明する)。例えば、CO2排出量上限までの実績値の割合が50%未満、50%〜100%、上限値超えの場合に分けて、順に厳しい印刷推奨設定になるように印刷推奨設定を作成する。具体的には、上記(1)〜(4)から成る印刷推奨設定セットのうち、実績値の割合が50%未満の場合は(1)〜(4)まで、50%〜100%の場合は(1)〜(3)まで、上限値超えの場合は(1)のみが使用可能となるような印刷推奨セットを作成する。この構成の場合、印刷推奨設定画面のモノクロカラー設定部504の下等に、条件設定部を設け、「なし」、「CO2上限に達していない」、「CO2上限まで50%未満」等の選択肢から選択設定可能にする。
【0042】
また、このような構成の場合、印刷管理装置130は、ユーザ毎のCO2排出量の上限値および実績値をデータ保存部133に保存する。ユーザ毎のCO2排出量の上限値は、管理者が印刷管理装置130が提供する設定画面を通して設定する。また、ユーザ毎のCO2排出量の実績値は、例えば印刷管理装置130がそのデバイスから印刷実績(どのユーザがどのような印刷設定で何枚印刷したか等の情報)を取得し、その印刷実績からCO2排出量を実績値として計算し、データ保存部133に保存されている対応するユーザの実績値に加算する。なお、各ユーザの実績値は所定期間(例えば1カ月)毎にクリアされるものとする。即ち、ユーザ毎の実績値とは、各ユーザが所定期間(例えば1カ月間)に行った印刷による環境への影響度を示す情報(例えばCO2排出量)の積算値に対応する。なお、デバイスからの印刷実績の取得方法は、印刷管理装置130がデバイスに定期的に取得しにいってもよいし、デバイスで印刷実行した場合にデバイスが印刷管理装置130に通知してもよい。なお、上述の説明では、各ユーザ毎に上限値や実績値を設ける構成を示したが、複数のユーザで構成されるグループ毎、又は、部署毎に上限値や実績値を設け、使用を許可する(使用可能な)印刷推奨設定を判断するように構成してもよい。
【0043】
CO2排出量の計算のため、印刷管理装置130は、デバイス機種毎に各印刷設定でドキュメントを印刷した場合のCO2排出量や、用紙などの消耗品を作成する際に排出されるCO2量の情報を持つ。これらをCO2排出量情報と呼ぶ。このCO2排出量情報を予めデータ保存部133に保存しておく。CO2排出量情報と印刷実績を元に、印刷管理装置130はCO2排出量を計算する。
【0044】
図5において、登録ボタン506が押下指示されると、印刷管理装置130のデータ処理部131は505に表示されている印刷推奨設定セットを、データ保存部133に保存する。例えば、後述する図9に示すような印刷推奨設定セットをデータ保存部133に保存する。
【0045】
次に、本実施例において、デバイス110が印刷管理装置130に保存されているドキュメントのリストを取得する処理を、図6のフローチャートを用いて説明する。
図6は、デバイス110が印刷管理装置130に保存されているドキュメントのリストを取得する際の印刷管理装置130における処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、デバイス110の処理は、デバイス110のデータ処理部111により実行される。即ち、デバイス110のCPU201がROM202等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、印刷管理装置130の処理は、印刷管理装置130のデータ処理部131により実行される。即ち、印刷管理装置130のCPU301がROM302やHDD306等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0046】
まず、印刷管理装置130に保存されているドキュメントを印刷したいユーザは、デバイス110のIF114を操作して、デバイス110にログインする。デバイス110のIF114は、印刷管理装置130に保存されているドキュメントリストを取得する手段をユーザに提供する。例えば、IF114上にボタンを設けて、ユーザがボタンを押下するとドキュメントリストの取得を行う。
【0047】
デバイス110のデータ処理部111は、ドキュメントリストの取得指示を受け取ると、通信部113を介して印刷管理装置130にドキュメントリストを要求する(S600)。この際、デバイス110にログインしているユーザの識別情報を印刷管理装置130に渡す。
【0048】
ドキュメントリスト取得要求を受け取った印刷管理装置130は、データ処理部131において、データ保存部133に保存されているドキュメントの検索処理を実行する(S601)。この際、デバイス110から受け取った識別情報のユーザが印刷可能なドキュメントを検索し、そのリスト(ドキュメントリスト)を作成する。
【0049】
次に、データ処理部131は、データ保存部133に保存されているユーザのCO2排出量上限値および実績値を検索する(S602)。
そして、印刷管理装置130は、上記S601とS602で検索した結果(ドキュメントリスト、CO2排出量上限値および実績値)をデバイス110に返す(第1送信処理)(S603)。
【0050】
デバイス110のデータ処理部111は、S603で印刷管理装置130から返却された情報(検索結果)を受信し(第1取得処理)、該情報を図7に示すような画面でIF114に表示する(S604)。
【0051】
図7は、実施例1のデバイス110のIF114においてドキュメントリストを表示した画面の一例を示す図である。
図7に示すように、ドキュメントリストの表示画面は、ドキュメント名701、ページ数702、現在の設定情報703などを含むドキュメント情報の一覧を表示する。
アップロード時に印刷設定がなされているドキュメントは、その情報(現在の設定情報703)も表示する。例えば、図7の例では、「Doc1」は、ページ集約した状態に変換済のため、「2in1」と表示している。
【0052】
また、ドキュメントリストの表示画面は、ユーザのCO2排出量上限値705および実績値704も表示している。
さらに、707は印刷設定ボタンで、706に示すようにドキュメントリストからいずれかのドキュメントを選択して、この印刷設定ボタン707を押下指示することにより、選択したドキュメントの印刷設定を変更することができる。
【0053】
次に、本実施例において、印刷推奨設定を提示する処理を、図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、実施例1の印刷推奨設定を提示する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、デバイス110の処理は、デバイス110のデータ処理部111により実行される。即ち、デバイス110のCPU201がROM202等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、印刷管理装置130の処理は、印刷管理装置130のデータ処理部131により実行される。即ち、印刷管理装置130のCPU301がROM302やHDD306等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0054】
本実施例では、印刷推奨設定として、図9に示す内容が設定されている場合を例にして説明する。
図9は、印刷管理装置130のデータ保存部133に保存される印刷推奨設定セットの一例を示す図である。なお、図9の例では、CO2排出量上限までの実績の割合に応じて使用可能な印刷推奨設定が変わる印刷推奨設定セット(条件付きの印刷推奨設定セット)が保持される例に対応する。
【0055】
図9に示した例では、CO2排出量上限までの実績が50%未満の場合は、印刷推奨設定のID001〜004までが使用可能であることを示している。また、50%〜100%の場合は、ID001〜ID003までが使用可能であることを示している。さらに、上限を超えた場合は、ID001のみが使用可能であることを示している。
【0056】
ユーザは、IF114の図7に例示した画面を操作して、ドキュメントリストから印刷したいドキュメントをひとつ選択して(図7の例は706のようにDoc1が選択状態)、印刷設定ボタン707を押下指示する。この印刷設定ボタン707の押下指示により、デバイス110は印刷推奨設定取得指示(印刷設定要求)を受け取る。
【0057】
デバイス110は、通信部113を介して、印刷管理装置130に選択されたドキュメントの識別情報(ID401)、デバイス110にログインしているユーザの識別情報(ユーザID)、自身のデバイス機種の識別情報を送信する(S800)。すると、印刷管理装置130のデータ処理部131は、通信部132を介して、上記800でデバイス110から送信された情報を受信する(S801)。
【0058】
印刷管理装置130のデータ処理部131は、上記S801で受け取った情報と、データ保存部133に保存している印刷推奨設定セットおよびCO2排出量情報を比較して、今回使用可能な印刷推奨設定を判断する。
【0059】
まず、データ処理部131は、上記S801で受け取ったドキュメントの識別情報からデータ保存部133に保存したドキュメントを検索し、ドキュメント情報を取得する(S802)。
【0060】
次に、データ処理部131は、データ保存部133に保存した印刷推奨設定を検索する(S803)。
次に、データ処理部131は、上記S801で受け取ったデバイス機種の識別情報と、ドキュメント情報と、データ保存部133に保存しているCO2排出量情報から、ドキュメントをそのまま印刷した場合のCO2排出量を計算する。また、同様にS803で取得した各印刷推奨設定情報で印刷した場合にかかるCO2排出量や削減量などをそれぞれ計算する(S804)。なお、現在の設定のまま印刷した場合のCO2排出量や削減量も計算する。削減量とは、印刷設定が無い状態(デフォルト設定)で印刷した場合のCO2排出量と比較して削減されたCO2排出量を示す。CO2排出量に関しては、たとえば印刷で用いる用紙枚数や印刷処理中の消費電力などをもとに導出され、これは印刷を行う機種に応じて異なる場合がある。
【0061】
次に、データ処理部131は、上記S804での計算の結果、最もCO2排出量が少なくなる印刷推奨設定より、現在の設定のまま印刷した方がCO2排出量が少ないか否かを判定する(S805)。そして、最もCO2排出量が少なくなる印刷推奨設定よりも現在の設定のまま印刷した方がCO2排出量が少ないと判定した場合(S805でYes)、データ処理部131は、「そのまま印刷」する設定のみを使用可能設定とする(S806)。具体的には、「そのまま印刷」する設定のみを使用可とし(使用許可し)、全ての印刷推奨設定を使用不可とすることを示す使用可否情報を生成する。なお、使用可否情報には、使用可能と判断された印刷設定(ここでは「そのまま印刷」)で選択されたドキュメントを印刷した場合のCO2排出量や削減量の情報も含めるものとする。そして、S811に処理を進める。
【0062】
一方、最もCO2排出量が少なくなる印刷推奨設定で印刷した方が現在の設定のまま印刷するよりもCO2排出量が少ないと判定した場合(S805でNo)、データ処理部131は、各印刷推奨設定が使用可能か判断する(S807)。
【0063】
以下、各印刷推奨設定の使用可能(使用許可)の判断について具体例を用いて説明する。
例えば、デバイス110にログインしているユーザのCO2排出量上限値が200gで現在の実績値が90gであるとする。上記S804での計算の結果、印刷推奨設定ID001のCO2排出量が7g、ID002のCO2排出量が8g、ID003のCO2排出量が9g、ID004のCO2排出量12gであったとする。
【0064】
この場合、印刷推奨設定ID001〜ID003のCO2排出量を、現在の実績値90gに加算しても、上限までの実績の割合が50%を超えない。しかし、ID004のCO2排出量を現在の実績値90gに加算すると、上限までの実績の割合が50%を超えてしまう。そのため、図9に示した条件により、50%を超える場合にはID004は使用できないため、上記S807において、データ処理部131は、印刷推奨設定ID001〜ID003が使用可能と判断する。
【0065】
なお、印刷推奨設定の使用可否の判断は、デバイス機種を考慮する。推奨設定の中で不可能な設定(両面機能が無いデバイスなど)がある場合、その推奨設定は使用不可と判断する。また、デバイスにフィニッシャなどのオプションの有る無しで、使用可能な印刷設定が変わる場合は、上記S800で、デバイス機種だけでなくデバイスの構成情報も送信するか、あるいは、印刷管理装置130に予めデバイスの構成情報を保持するようにしてもよい。
【0066】
さらに、印刷推奨設定の各項目が、現在の印刷設定より厳しい設定か否かを判断する。印刷設定の「厳しさ」は、例えば、よりCO2排出量が少ない設定を厳しいと判断する。各項目のうち、1つでも現在の印刷設定よりも緩い設定があった場合は、その推奨設定は使用不可と判断する。例えば、4in1に設定されているドキュメントは、2in1が含まれる推奨設定は使用不可と判断する。既に4in1に設定されているドキュメントは、4in1が含まれる推奨設定は選択可能となる。なお、既に4in1に設定されているドキュメントに4in1が含まれる推奨設定が選択された場合、4in1のまま印刷され、このドキュメントを更に4in1にページ集約することはしない。
【0067】
次に、データ処理部131は、上記S807で全ての印刷推奨設定に対して使用可能かの判別を実行した結果に基づいて、使用可能な推奨設定が存在するか否かを判定する(S808)。そして、使用可能な推奨設定がひとつも存在しないと判定した場合(S808でNo)、データ処理部131は、一番CO2排出量が少なくなる印刷推奨設定のみを使用可能に設定する(S809)。具体的には、一番CO2排出量が少なくなる印刷推奨設定のみを使用可とし(使用許可し)、他の印刷推奨設定及び「そのまま印刷」する設定を使用不可とすることを示す使用可否情報を生成する。なお、使用可否情報には、使用可能と判断された印刷設定(ここでは、一番CO2排出量が少なくなる印刷推奨設定)で選択されたドキュメントを印刷した場合のCO2排出量や削減量の情報も含めるものとする。そして、S811に処理を進める。
【0068】
一方、使用可能な推奨設定が存在すると判定した場合(S808でYes)、データ処理部131は、使用可能と判断された推奨設定のみを使用可能に設定する(S810)。具体的には、使用可能と判断された推奨設定のみを使用可とし(使用許可し)、他の印刷推奨設定及び「そのまま印刷」する設定を使用不可とすることを示す使用可否情報を生成する。なお、使用可否情報には、使用可能と判断された印刷設定で選択されたドキュメントを印刷した場合のCO2排出量や削減量の情報も含めるものとする。そして、S811に処理を進める。なお、「そのまま印刷」する設定についても上記807の判断を実行し、使用可能と判断された場合には、「そのまま印刷」する設定も使用可にしてもよい。
【0069】
S811では、データ処理部131は、印刷推奨設定セットに上記S806、S809、又はS810で生成した使用可否情報を付けてデバイス110に返却する(第2送信処理)。なお、上記S811では、データ処理部131は、上記使用可否情報で使用許可されている印刷推奨設定で印刷を実行した場合のCO2排出量や、印刷推奨設定を適用せずに印刷した場合のCO2排出量と比較した削減量などの情報もデバイス110に送信するものとする(第3送信処理)。さらに、上記S811では、データ処理部131は、上記S802で取得したドキュメントもデバイス110に送信するものとする(第4送信処理)。もちろん、印刷指示された際に、ドキュメントを送信するようにしてもよい。
【0070】
デバイス110のデータ処理部111では、上記S811で印刷管理装置130から送信された印刷推奨設定セット、及び印刷推奨設定セットの使用可否情報を受信すると(第2取得処理)、該印刷推奨設定セットの使用可否情報に基づいてIF114に図10に示すような印刷設定画面1000を表示する(S812)。なお、上記S812では、データ処理部111は、上記使用可否情報で使用許可されている印刷推奨設定で印刷を実行した場合のCO2排出量や、印刷推奨設定を適用せずに印刷した場合のCO2排出量と比較した削減量などの情報も印刷管理装置130から受信するものとする(第3取得処理)。さらに、上記S812では、データ処理部111は、上記S800で印刷管理装置130に送信したドキュメントの識別情報に対応するドキュメントも印刷管理装置130から受信するものとする(第4取得処理)。
【0071】
図10は、実施例1の印刷設定画面の一例を示す図である。
データ処理部111は、図8のS812で取得した印刷推奨設定セットのうち、使用可否情報で使用可能となっている印刷推奨設定のみが選択可能となるように印刷設定画面を表示制御する。図10の例では、「4in1+両面+モノクロ」、「2in1+両面+モノクロ」、「2in1+両面+カラー」が選択可能、「1in1+両面+モノクロ」、「そのまま印刷」が選択不可能なように表示制御されている。また、図10の例では、1001に示すように、「4in1+両面+モノクロ」が選択状態となっている。
【0072】
使用可能な印刷推奨設定のボタン(例えば、「4in1+両面+モノクロ」)が押下されると、データ処理部111は、印刷設定画に、その印刷設定で印刷を実行した場合のプレビュー1002とその印刷におけるCO2排出量1003、印刷推奨設定を適用せずに印刷した場合のCO2排出量と比較した削減量1004などの情報を表示する。なお、削減量の計算は、アップロード時に印刷設定済のドキュメントのCO2削減量が低く見積もられないようにするため、印刷設定が無い場合と比較した結果を表示する。また、本実施例のプレビュー1002は、選択されている印刷設定で印刷した場合の印刷形態を把握するための印刷イメージ例を印刷プレビュー画像として表示したものであり、実際の印刷データから生成されたものではないが、実際の印刷データから生成したものを用いてもよい。
【0073】
ユーザによる印刷ボタン1005の押下指示を受け付けると、デバイス110のデータ処理部111は、選択された印刷設定で、ドキュメントリストから選択されたドキュメント(S812で受信済)を印刷を実行するように印刷部112に指示する。この指示により、印刷部112は、上記選択された印刷設定で上記ドキュメントの印刷を実行する。
【0074】
そして、印刷処理の終了後、デバイス110のデータ処理部111は、印刷の結果を印刷管理装置130に送信する。印刷管理装置130のデータ処理部131は、デバイス110から受信した印刷結果を元に、CO2排出量の実績を更新する。即ち、新たに実行された印刷におけるCO2排出量を、データ保存部133に保存されている実績に加算して、データ保存部133に保存されている実績を更新する。
【0075】
なお、図8のS805でYesの場合、即ち、最もCO2排出量が少なくなる印刷推奨設定よりも現在の設定のまま印刷した方がCO2排出量が少ないと判定した場合、「そのまま印刷」する設定のみを使用可能設定とする構成を示した。しかし、図8のS805でYesの場合にも、S807のように各印刷推奨設定が使用可能か判断し、「そのまま印刷」する設定、及び、使用可能と判断された印刷推奨設定のみを使用可能設定とするように構成してもよい。
【0076】
また、本実施例では、印刷推奨設定の使用可否の判断を、温室効果ガス(CO2)排出量を基準に計算したが、印刷料金や、印刷枚数などを基準にしてもよい。そして、環境への影響度を示す情報として、ドキュメントリストの表示画面や印刷設定画面に表示する温室効果ガスの排出量の上限値や実績値も、印刷料金や印刷枚数(印刷用紙の使用枚数)などでユーザに通知してもよい。この場合、選択した印刷設定でドキュメントを印刷した場合の印刷料金や印刷枚数、削減量できる印刷料金や印刷枚数なども印刷設定画面に表示するものとする。
【0077】
また、本実施例では、使用可能な印刷推奨設定の判断の結果、使用可能な印刷設定が無い場合、最もCO2排出量が少なくなる印刷推奨設定を使用可能とし、印刷ができない状態になるのを防ぐ方法を示した。しかし、より厳密に印刷管理するために、使用可能な印刷設定が無い場合に印刷させないようにしてもよい。また、使用可能な印刷設定が無い場合に、印刷させるか、印刷させないかを管理者が設定できるようにしてもよい。
【0078】
なお、本実施例では、デバイスは、図8のS812で印刷推奨設定の使用可否情報とともにドキュメントを取得する構成について説明した。しかし、印刷ボタン1110が押下された場合に、選択されているドキュメントを印刷管理装置130から取得する構成でもよい。
【0079】
以上示したように、本実施例によれば、プルプリントにおいて推奨印刷設定を提示することで、ユーザはデバイスに提示された印刷設定を選択するだけで、環境やコスト削減に配慮した、ユーザ個人任せの印刷設定ではなく、印刷におけるポリシーに基づいた設定で印刷を実行することが可能となる。
【0080】
従って、印刷管理装置(サーバ)側で管理されているデータをデバイスから要求して印刷する際に、デバイスのIF(操作部)からでも容易な簡単な操作で、管理者等が推奨する環境への影響やコスト等を配慮した印刷設定(印刷推奨設定)の範囲内で、ユーザの要望やデバイスの機能に応じて柔軟な印刷を実行することが可能となる。
【実施例2】
【0081】
上記実施例1では、ユーザが印刷設定ボタン707を押下した際に、選択されている1つのドキュメントに対して印刷推奨設定を判断する構成を説明した。
本実施例では、デバイス110が印刷管理装置130上のドキュメントのリストを取得する際に、印刷推奨設定も合わせて取得する構成について説明する。なお、実施例1と同様の構成や手順については、その詳細説明を省略する。
【0082】
デバイス110のデータ処理部111は、ドキュメントリストの取得指示を受け取ると、印刷管理装置130に保存されているドキュメントリストを印刷管理装置130に要求する。この際、本実施例では、デバイス110はユーザの識別情報と自身のデバイス機種の識別情報を送信する。
【0083】
印刷管理装置130のデータ処理部131は、デバイス110から受け取った情報を元に、ユーザが印刷可能なドキュメントを検索し、実施例1と同様の手順で、各ドキュメントに対して今回使用可能な印刷推奨設定を判断する。即ち、印刷管理装置130のデータ処理部131は、印刷推奨設定を取得し(図8のS803と同様)、各ドキュメントに対して、図8のS802、S804〜S810と同様の処理を実行して、各ドキュメントに対する印刷推奨セットの使用可否情報を生成する。
【0084】
そして、印刷管理装置130のデータ処理部131は、ドキュメントリストおよび印刷推奨設定セットと各ドキュメントに対する印刷推奨セットの使用可否情報をデバイス110に返却する。
【0085】
デバイス110のデータ処理部111は、印刷管理装置130から返却された情報を受信し、該受信した情報を元に、図11のような、ドキュメントのリストと印刷設定を行う画面をIF114に表示する。
【0086】
図11は、実施例2のドキュメントリストの印刷設定画面の一例を示す図である。
図11に示すように、本実施例のドキュメントリストの印刷設定画面は、ドキュメント名1101、ページ数1102、現在の設定情報1103、ECO判定1104、印刷設定1105などを含むドキュメント情報の一覧を表示する。
【0087】
現在の設定のままではCO2排出量が多くなり印刷可能ではないドキュメントは、ECO判定1104の欄に「NG」と表示する。
印刷設定1105の欄では、各ドキュメントに対して、使用可能な印刷推奨設定のみが選択可能となる。これは、データ処理部111が、印刷管理装置130から返却された情報(各ドキュメントに対する印刷推奨セットの使用可否情報)を元に、選択可又は選択不可となるように表示制御することで実現される。
【0088】
ユーザは、1106に示すように、印刷したいドキュメントを1つ選択し、1107に示すように、使用可能な印刷推奨設定ボタンを押下指示する。使用可能な印刷推奨設定のボタンが押下指示されると、データ処理部111は、その印刷設定で印刷を実行した場合のプレビュー1109と、その印刷におけるCO2排出量、印刷推奨設定を適用せずに印刷した場合のCO2排出量と比較した削減量などの情報1108を印刷設定画面に表示する。
【0089】
ユーザによる印刷ボタン1110の押下指示を受け付けると、デバイス110のデータ処理部111は、選択されたドキュメントのIDを印刷管理装置130に送信して、前記選択されたドキュメントの送信を印刷管理装置130に要求する。この要求に応じて、印刷管理装置130のデータ処理部131は、上記要求に含まれるIDに対応するドキュメントをデータ保存部133から読み出して前記デバイスに送信する。デバイス110のデータ処理部111は、印刷管理装置130から送信されるドキュメントを受信し、該受信したドキュメントの印刷を、前記選択された印刷設定で印刷を実行するように印刷部112に指示する。この指示により、印刷部112は、前記選択された印刷設定で前記ドキュメントの印刷を実行する。
【0090】
なお、ドキュメントリストの印刷設定画面は、ユーザのCO2排出量上限値および実績値などの情報1111も表示している。
本実施例では、印刷ボタン1110が押下された場合に、選択されているドキュメントを印刷管理装置130から取得する構成を示した。しかし、ドキュメントリストや印刷推奨設定セット等と一緒に、ログイン中のユーザに対応する全てのドキュメントを印刷管理装置130から受信するようにしてもよい。
本実施例では、実施例1の効果に加え、ドキュメントリストの各ドキュメントで設定可能な印刷設定を一括してユーザに通知することができる。
【実施例3】
【0091】
上記実施例2では、ドキュメントリストから1つのドキュメントを選択して印刷する構成を説明した。本実施例では、ドキュメントリストのドキュメント全てを一度に印刷可能な構成について示す。なお、実施例1および実施例2と同様の構成や手順については、その詳細説明を省略する。
【0092】
本実施例において、デバイス110がドキュメントリストを取得する手順は実施例2と同様である。デバイス110は印刷管理装置130からドキュメントリスト、印刷推奨設定セット、及びドキュメント毎にそのドキュメントを印刷する場合に使用可能な印刷推奨設定を取得する。そして、該取得した情報を元に、図12のような、ドキュメントのリストと印刷設定を行う画面をIF114に表示する。なお、本実施例では、各ドキュメントを各印刷推奨設定で印刷した際のCO2排出量や削減量については、各印刷推奨設定が選択された場合に印刷管理装置から取得するものとする。
【0093】
図12は、実施例3のドキュメントリストの印刷設定画面の一例を示す図である。なお、図11と同一のものには同一の符号を付してある。
本実施例では、実施例2の画面(図11)に加えて、各ドキュメントの優先順位を設定するコントロール1201を配置する。ユーザは、コントロール1201を操作して、各ドキュメントの優先順位を設定する。
【0094】
図13は、実施例3において複数ドキュメントの使用可能な印刷推奨設定が連動して変化する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、デバイス110の処理は、デバイス110のデータ処理部111により実行される。即ち、デバイス110のCPU201がROM202等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、印刷管理装置130の処理は、印刷管理装置130のデータ処理部131により実行される。即ち、印刷管理装置130のCPU301がROM302やHDD306等にコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0095】
IF114に表示されるドキュメントリストの印刷設定画面(図12)おいて、ユーザがどれか1つのドキュメントの印刷推奨設定ボタン(例えば1202)を押下指示する。デバイス110のデータ処理部111は、印刷推奨設定ボタンの押下指示を受け付けると、選択されたドキュメントの識別情報と選択された印刷推奨設定の情報および、ドキュメントリストの優先順位、現在使用可能な印刷推奨設定の情報を印刷管理装置130に送信する(S1300)。
【0096】
印刷管理装置130のデータ処理部131は、上記S1300でデバイス110から送信された情報を受信する(1301)。データ処理部131は、上記S1301で受け取った識別情報に対応するドキュメントを、選択された印刷推奨設定で印刷した場合のCO2排出量及び削減量を計算し、前記CO2排出量を現在の実績に加算し、RAM203内に保持する(S1302)。
【0097】
次に、データ処理部131は、選択されたドキュメント以外で印刷設定の使用可否が未確認のドキュメントが存在するか判定し(S1303)、存在すると判定した場合、S1304に処理を進める。
【0098】
S1304では、データ処理部131は、印刷設定の使用可否が未確認のドキュメントの中で、優先順位の一番高いドキュメントに対し、現在使用可能な印刷推奨設定の中から、現在の実績をS1302で算出した結果として、再度、使用可能な印刷推奨設定を判断する(S1304)。なお、使用可能な印刷推奨設定の判断方法は実施例1と同様である。
【0099】
次に、データ処理部131は、上記S1304で使用不可と判断した印刷推奨設定を、使用可能な印刷推奨設定から除外し(S1305)、S1303に処理を戻す。
データ処理部131は、全てのドキュメントに対し、優先順位が高い順にS1304〜S1305の手順を行い、印刷設定の使用可否が未確認のドキュメントが存在しなくなると(S1303でNo)、S1306に処理を進める。
【0100】
S1306では、データ処理部131は、上記S1304〜S1305の処理結果に基づいて、各ドキュメントに対する使用可能な印刷推奨設定の情報を更新する。
次に、データ処理部131は、デバイス110に、上記S1306で更新した使用可能な印刷推奨設定の情報、CO2排出量及び削減量を返却する(S1307)。
デバイス110は、印刷管理装置130から返却された情報を受信し、該受信した情報を元に、IF114に印刷推奨設定の選択可否を更新した画面を表示する(S1308)。この際、1108のCO2排出量、削減量も更新する。
【0101】
ドキュメントリストの印刷設定画面において、各ドキュメントに対応する印刷設定ボタン707が押下される度に、デバイス110および印刷管理装置130は、上記S1300〜S1308の処理を行う。
【0102】
そして、全てのドキュメントの印刷設定が完了すると、デバイス110は印刷指示を受け付け可能な状態になり、印刷ボタン1110が押下可能となる。
なお、選択した印刷推奨設定を変更したい場合のために、リセットボタン1203を設け、リセットボタンを押下されると、デバイス110のデータ処理部111は、印刷推奨設定の状態を、最初にドキュメントリストを取得したときの状態に戻すように制御する。
【0103】
ユーザによる印刷ボタン1110の押下指示を受け付けると、デバイス110のデータ処理部111は、ドキュメントリストの各ドキュメントの送信を印刷管理装置130に要求する。この要求に応じて、印刷管理装置130のデータ処理部131は、上記要求に含まれるユーザIDに対応する全てのドキュメントをデータ保存部133から読み出して前記デバイスに送信する。デバイス110のデータ処理部111は、印刷管理装置130から送信される全てのドキュメントを受信し、該受信した各ドキュメントの印刷を、前記各ドキュメント毎にそれぞれ選択された印刷設定でそれぞれ印刷を実行するように印刷部112に指示する。この指示により、印刷部112は、前記各ドキュメントをドキュメント毎にそれぞれ選択された印刷設定で印刷実行する。
本実施例では、実施例1の効果に加え、ドキュメントリストの各ドキュメントで設定可能な印刷設定をそれぞれ選択して一括して印刷することができる。この際、各ドキュメントに設定可能な印刷設定を、他のドキュメントで選択された印刷設定に応じて、実績を考慮して逐次変更することができる。
【0104】
なお、CO2排出量の上限や、実績等の情報は、ユーザ毎に管理してもよいし、ユーザが属する部門(グループ)毎に管理するようにしてもよい。即ち、印刷推奨設定が使用可能かどうかの判断を、部門(グループ)毎の上限及び実績で判断するようにしてもよい。
【0105】
なお、印刷管理装置130の機能を、デバイス110内に設けてもよい。即ち、PC120から送信されたドキュメントはデバイス110のHDD208に保存され、図4に示したドキュメント情報もデバイス110のHDD208に保存される。さらに、管理者は、デバイス110のIF114又は管理者PCのWebブラウザから印刷推奨設定を行い、図9に示したような印刷推奨設定セットがデバイス110のHDD208に保存される。さらに、デバイス110のデータ処理部111が、図6、図8、図13に示したデバイス110側の処理と印刷管理装置130側の処理の両方を実行するように構成する。
【0106】
なお、本実施例では、印刷ボタン1110が押下された場合に、デバイス110は、ログインユーザに対応する全てのドキュメントを印刷管理装置130から取得する構成について説明した。しかし、デバイス110は、ドキュメントのリストとともに全てのドキュメントを印刷管理装置130から取得する構成であってもよい。
【0107】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0108】
以上示したように、プルプリントにおいて、推奨印刷設定を提示することで、ユーザは提示された印刷設定を選択するだけで(簡単な操作で)、環境やコスト削減に配慮した、ポリシーに基づいた設定で印刷を実行することが可能となる。そして、管理者は、環境やコストに対応する情報の上限の設定と推奨印刷設定を行うことで、各ユーザや部署で行われる印刷による環境への影響やコストを容易に管理することができる。
【0109】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0110】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
100 ネットワーク
101 デバイス
120 PC
130 印刷管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、データの印刷処理を行う画像形成装置とを有する印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
外部装置から登録されたデータをユーザの識別情報に対応付けて保存する保存手段と、
前記画像形成装置から送信されるユーザの識別情報に対応して前記保存手段に保存されたデータの一覧を前記画像形成装置に送信する第1送信手段と、
予め登録されている複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を前記画像形成装置で行った場合の環境への影響度を示す情報をそれぞれ計算する計算手段と、
前記計算手段での計算の結果を用いて、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を判断する判断手段と、
前記判断手段により使用を許可すると判断された前記1又は複数の印刷設定を前記画像形成装置に送信する第2送信手段と、
前記計算手段により計算された各環境への影響度を示す情報を前記画像形成装置に送信する第3送信手段と、
前記一覧に含まれるデータを前記画像形成装置に送信する第4送信手段と、を有し、
前記画像形成装置は、
操作部からの指示に応じて情報処理装置に前記画像形成装置を操作しているユーザの識別情報を送信して該ユーザの識別情報に対応するデータの一覧を前記情報処理装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得したデータの一覧を表示する表示手段と、
前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を前記情報処理装置から取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段が取得した前記各印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を前記情報処理装置から取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段により取得した前記使用を許可する1又は複数の印刷設定を選択させるための提示を行う提示手段と、
前記一覧に含まれるデータを前記情報処理装置から取得する第4取得手段と、
操作部からの印刷指示に応じて前記提示手段で提示された中から選択された印刷設定を用いて前記第4取得手段により取得したデータを印刷処理する印刷手段と、を有し、
前記提示手段は、前記印刷設定の選択に応じて、前記第3取得手段により取得した、前記選択された印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を提示することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
データの印刷処理を行う画像形成装置であって、
操作部からの指示に応じて情報処理装置に前記画像形成装置を操作しているユーザの識別情報を送信して該ユーザの識別情報に対応するデータの一覧を前記情報処理装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段が取得したデータの一覧を表示する表示手段と、
前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を取得する第3取得手段と、
前記使用を許可する1又は複数の印刷設定を選択させるための提示を行う提示手段と、
前記一覧に含まれるデータを前記情報処理装置から取得する第4取得手段と、
操作部からの印刷指示に応じて前記提示手段で提示された中から選択された印刷設定を用いて前記第4取得手段により取得したデータを印刷処理する印刷手段と、を有し、
前記提示手段は、前記印刷設定の選択に応じて、前記第3取得手段により取得した、前記選択された印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を提示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記環境への影響度を示す情報は、温室効果ガスの排出量、印刷用紙の使用枚数の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
予め登録されている複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報をそれぞれ計算し、該計算の結果を用いて使用の許可の判断が行われ、前記使用を許可する1又は複数の印刷設定は、当該使用の許可の判断により前記予め登録されている複数の印刷設定から使用を許可すると判断されたものであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用の許可の判断では、前記計算の結果、予め設定されている環境への影響度を示す情報の上限値、及び、前記ユーザが所定期間に行った印刷による環境への影響度を示す情報の積算値を用いて、使用を許可するとの判断が行われることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記使用の許可の判断では、前記画像形成装置の機能に応じて使用を許可するとの判断が行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予め登録されている複数の印刷設定は、前記情報処理装置に予め登録され、
前記使用の許可の判断は、前記情報処理装置で行われ、
前記使用を許可する1又は複数の印刷設定は、前記情報処理装置から取得され、
前記第3取得手段は、前記環境への影響度を示す情報を、前記情報処理装置から取得することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記予め登録されている複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を前記画像形成装置で行った場合の環境への影響度を示す情報をそれぞれ計算する計算手段と、
前記計算手段での計算の結果を用いて、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を判断する判断手段と、を有し、
前記第3取得手段は、前記計算手段により計算された前記各環境への影響度を示す情報を取得することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記提示手段は、前記印刷設定の選択に応じて、前記選択された印刷設定を用いて印刷を行った場合の印刷形態を示す印刷プレビュー画像を提示することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
情報処理装置と、データの印刷処理を行う画像形成装置とを有する印刷システムにおける印刷方法であって、
前記情報処理装置が、
外部装置から登録されたデータをユーザの識別情報に対応付けて保存手段に保存するステップと、
前記画像形成装置から送信されるユーザの識別情報に対応して前記保存手段に保存されたデータの一覧を前記画像形成装置に送信する第1送信ステップと、
予め登録されている複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を前記画像形成装置で行った場合の環境への影響度を示す情報をそれぞれ計算する計算ステップと、
前記計算ステップでの計算の結果を用いて、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより使用を許可すると判断された前記1又は複数の印刷設定を前記画像形成装置に送信する第2送信ステップと、
前記計算ステップにより計算された各環境への影響度を示す情報を前記画像形成装置に送信する第3送信ステップと、
前記一覧に含まれるデータを前記画像形成装置に送信する第4送信ステップと、を実行し、
前記画像形成装置が、
操作部からの指示に応じて情報処理装置に前記画像形成装置を操作しているユーザの識別情報を送信して該ユーザの識別情報に対応するデータの一覧を前記情報処理装置から取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップで取得したデータの一覧を表示する表示ステップと、
前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を前記情報処理装置から取得する第2取得ステップと、
前記第2取得ステップで取得した前記各印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を前記情報処理装置から取得する第3取得ステップと、
前記第2取得ステップで取得した前記使用を許可する1又は複数の印刷設定を選択させるための提示を行う提示ステップと、
前記一覧に含まれるデータを前記情報処理装置から取得する第4取得ステップと、
操作部からの印刷指示に応じて前記提示ステップで提示された中から選択された印刷設定を用いて前記第4取得ステップで取得したデータを印刷処理する印刷ステップと、を実行し、
前記提示ステップでは、前記印刷設定の選択に応じて、前記第3取得ステップで取得した、前記選択された印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を提示することを特徴とする印刷方法。
【請求項11】
データの印刷処理を行う画像形成装置における印刷方法であって、
第1取得手段が、操作部からの指示に応じて情報処理装置に前記画像形成装置を操作しているユーザの識別情報を送信して該ユーザの識別情報に対応するデータの一覧を前記情報処理装置から取得する第1取得ステップと、
表示手段が、前記第1取得ステップで取得したデータの一覧を表示する表示ステップと、
第3取得手段が、前記一覧に含まれるデータを印刷する際に使用を許可する1又は複数の印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を取得する第3取得ステップと、
提示手段が、前記使用を許可する1又は複数の印刷設定を選択させるための提示を行う提示ステップと、
第4取得手段が、前記一覧に含まれるデータを前記情報処理装置から取得する第4取得ステップと、
印刷手段が、操作部からの印刷指示に応じて前記提示手段で提示された中から選択された印刷設定を用いて前記第4取得ステップで取得したデータを印刷処理する印刷ステップと、を有し、
前記提示ステップでは、前記印刷設定の選択に応じて、前記第3取得ステップで取得した、前記選択された印刷設定を用いて前記一覧に含まれるデータの印刷を行った場合の環境への影響度を示す情報を提示することを特徴とする印刷方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項2乃至9のいずれか1項に記載された手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−118845(P2012−118845A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269120(P2010−269120)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】