説明

印刷システム,印刷装置特定方法及び印刷方法

【課題】クライアントにおいて出力先となり得る印刷装置が分からない状態において、印刷装置の検索及び選択を容易に実行させることを目的とする。
【解決手段】印刷システムは、クライアント,複数の印刷装置,管理装置を備える。クライアントは、存在通知信号を出力する存在通知信号出力部を有し、複数の印刷装置は、それぞれ、存在通知信号受信部と距離推定情報取得部と距離推定情報を送信する距離推定情報送信部とを有し、管理装置は、距離推定情報受信部と、距離推定情報に基づき複数の印刷装置のうちクライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を候補印刷装置として特定する候補印刷装置特定部と、候補印刷装置を特定可能な候補特定情報をクライアントに送信する候補特定情報送信部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介した印刷処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノート型パーソナルコンピューターや携帯電話機など、インターネットにアクセス可能なクライアントの携帯性の向上に伴い、様々な場所においてクライアントから印刷を行いたいという要請がある。この要請に応えるため、クライアントにおいて出力先となる印刷装置を指定し、指定された印刷装置に対してクライアントから仲介サーバーを介して印刷用データを送って、印刷を実行するシステムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−251179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クライアントにおいて出力先となる印刷装置を指定する技術では、ユーザーは、指定しようとする印刷装置の名称やIP(Internet Protocol)アドレスなど、印刷装置を特定するための情報を予め知っておく必要がある。したがって、印刷装置を特定するための情報が分からない場合には印刷装置を指定できず、印刷を行えないという問題があった。また、外出先で印刷を行おうとする際に、ユーザーは、近くに存在する印刷装置の検索から行わねばならず、印刷が完了するまでに長時間を要し、また、ユーザーに煩雑な作業を強いるという問題があった。
【0005】
本発明は、クライアントにおいて出力先となり得る印刷装置が分からない状態において、印刷装置の検索及び選択を容易に実行させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]クライアントと、複数の印刷装置と、管理装置とを備える印刷システムであって、
前記クライアントは、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する存在通知信号出力部を有し、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記存在通知信号を受信する存在通知信号受信部と、
前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する距離推定情報取得部と、
前記取得した距離推定情報を前記管理装置に送信する距離推定情報送信部と、を有し、
前記管理装置は、
前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する距離推定情報受信部と、
前記受信された距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を、候補印刷装置として特定する候補印刷装置特定部と、
前記候補印刷装置を特定可能な候補特定情報を前記クライアントに送信する候補特定情報送信部と、を有する、印刷システム。
【0008】
適用例1の印刷システムでは、複数の印刷装置のうち、クライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を候補印刷装置として特定し、候補特定情報をクライアントに送信するので、クライアントでは、受信した候補特定情報に基づき、クライアントから印刷を行う際に、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。なお、距離に関する所定の条件としては、例えば、他の印刷装置に比べてクライアントにより近いという条件や、クライアントと印刷装置との間の距離が所定の距離以下であると推定される条件などを採用することができる。したがって、ユーザーは、複数の印刷装置のうち最もクライアントに近い印刷装置や、所定の距離以下の印刷装置を容易に選択することができる。
【0009】
[適用例2]適用例1に記載の印刷システムにおいて、
前記所定の条件とは、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離が、所定の距離以下であると推定される条件である、印刷システム。
【0010】
このような構成により、クライアントから所定の距離よりも離れた位置にある印刷装置に印刷を実行させることを抑制できる。したがって、ユーザーは、印刷結果を容易に回収することができる。
【0011】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアントは、さらに、
前記候補特定情報を受信する候補特定情報受信部と、
前記受信した候補特定情報に基づき、前記候補特定情報の少なくとも一部を含む前記候補印刷装置のリストを表示するリスト表示部と、
を有する、印刷システム。
【0012】
このような構成により、ユーザーは、リスト表示部に表示されたリストを見ることにより、ユーザーは、候補印刷装置を容易に特定できると共に、候補印刷装置のうち出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。
【0013】
[適用例4]適用例3に記載の印刷システムにおいて、
前記候補印刷装置は、複数の前記印刷装置からなり、
前記情報送信部は、前記候補特定情報に加えて、各候補印刷装置における前記クライアントと前記候補印刷装置との間の距離同士を比較可能な距離比較情報を、前記クライアントに送信し、
前記情報受信部は、前記候補特定情報に加えて、前記距離比較情報を受信し、
前記リスト表示部は、前記受信された距離比較情報に基づき、前記リストにおいて、前記クライアントと各候補印刷装置との間の距離に関する所定の順序で、前記候補特定情報の少なくとも一部を並べて表示する、印刷システム。
【0014】
このような構成により、リストにおいて、クライアントと各候補印刷装置との間の距離に関する所定の順序で、候補特定情報の少なくとも一部が並べて表示されるので、ユーザーは、リストに表示された情報を見ることにより、各候補印刷装置間におけるクライアントまでの距離の相対的な大小(長短)を容易に比較することができる。
【0015】
[適用例5]適用例3または適用例4に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアントは、さらに、
前記リストに表示された前記候補特定情報の少なくとも一部により特定される前記候補印刷装置のうち、印刷に用いる印刷装置を選択するためのユーザーインターフェイス部と、
前記ユーザーインターフェイス部により選択された印刷装置に対して印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
を有する、印刷システム。
【0016】
このような構成により、ユーザーは、所望する印刷装置に対して容易に印刷ジョブを送信することができる。
【0017】
[適用例6]適用例3ないし適用例5のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記印刷装置の構成情報と前記印刷装置の状態を示す情報とのうち、少なくとも一方を取得する情報取得部と、
前記取得された前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記管理装置に送信する構成状態情報送信部と、
を有し、
前記候補特定情報送信部は、前記候補特定情報と共に各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記クライアントに送信し、
前記候補特定情報受信部は、前記候補特定情報と共に各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を受信し、
前記リスト表示部は、前記受信された各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記リストに表示する、印刷システム。
【0018】
このような構成により、ユーザーは、リストに表示された構成情報又は状態を示す情報に基づき、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。したがって、例えば、構成情報に基づき、カラー印刷が可能な印刷装置や、両面印刷が可能な印刷装置を容易に選択することができたり、状態を示す情報に基づき、故障が発生している印刷装置を選択することを抑制することができる。
【0019】
[適用例7]クライアントと、複数の印刷装置と、管理装置とを備える印刷システムであって、
前記クライアントは、
前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する存在通知信号出力部と、
印刷ジョブを前記管理装置に送信する印刷ジョブ送信部と、を有し、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記存在通知信号を受信する存在通知信号受信部と、
前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する距離推定情報取得部と、
前記取得した距離推定情報を前記管理装置に送信する距離推定情報送信部と、を有し、
前記管理装置は、
前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する距離推定情報受信部と、
前記受信した距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置を選択する使用印刷装置選択部と、
前記印刷ジョブを受信して、前記選択された使用印刷装置に転送する印刷ジョブ転送部と、を有する、印刷システム。
【0020】
適用例7の印刷システムによると、管理装置において、複数の印刷装置のうち、クライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置が選択され、選択された使用印刷装置に印刷ジョブが転送されるので、クライアントから印刷を行う際に、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。なお、距離に関する所定の条件としては、例えば、他の印刷装置に比べてクライアントにより近いという条件や、クライアントと印刷装置との間の距離が所定の距離以下であると推定される条件などを採用することができる。したがって、複数の印刷装置のうち最もクライアントに近い印刷装置や、所定の距離以下の印刷装置を選択した印刷を容易に実現することができる。加えて、管理装置において、使用印刷装置が選択された後において、管理装置とクライアントとの間におけるデータのやり取りを省略することができるので、クライアントにおける処理負荷を軽減することができる。
【0021】
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、さらに、
前記印刷ジョブを受信した後において、前記印刷ジョブの受信と、前記印刷ジョブの実行中と、前記印刷ジョブの実行完了とのうち、少なくとも1つを報知する報知部を有する、印刷システム。
【0022】
このような構成により、ユーザーは、受信報知部による報知により、いずれの印刷装置で印刷が実行された、または、印刷が実行される予定であるかを、容易に知ることができる。
【0023】
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記存在通知信号出力部は、前記存在通知信号を無線出力し、
前記距離推定情報は、前記存在通知信号の受信信号強度を示す情報を含む、印刷システム。
【0024】
このような構成により、印刷装置がどこに配置されているかユーザーが分からない場合であっても、クライアントから近い位置に配置されている印刷装置に対して、存在通知信号を通知することができる。また、距離推定情報は受信信号強度を示す情報を含むので、受信信号強度がより強い場合には、距離推定情報の示す距離はより短い(クライアントからより近い)ことを容易に推定することができる。
【0025】
[適用例10]適用例1ないし適用例9のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記複数の印刷装置のうち、少なくとも1つは、前記管理装置を内蔵する、印刷システム。
【0026】
このような構成により、管理装置を印刷装置とは別の装置として形成する構成に比べて、印刷システム全体の構築費用を抑制できる。
【0027】
[適用例11]適用例1ないし適用例10のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記候補特定情報は、IPアドレスと、MACアドレスと、機種名と、のうち、少なくとも1つを含む、印刷システム。
【0028】
このような構成により、候補印刷装置として誤った印刷装置が特定されることを抑制できる。
【0029】
[適用例12]クライアントと管理装置と複数の印刷装置とを備える印刷システムにおいて、前記クライアントから印刷を行わせる印刷装置を特定するための方法であって、
(a)前記クライアントから、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する工程と、
(b)各印刷装置において、前記存在通知信号を受信する工程と、
(c)各印刷装置において、前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する工程と、
(d)各印刷装置において、前記取得した距離推定情報を、前記管理装置に送信する工程と、
(e)前記管理装置において、前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する工程と、
(f)前記管理装置において、前記受信された距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を、候補印刷装置として特定する工程と、
(g)前記候補印刷装置を特定可能な候補特定情報を前記クライアントに送信する工程と、
を備える方法。
【0030】
適用例12の方法では、複数の印刷装置のうち、クライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を候補印刷装置として特定し、候補特定情報をクライアントに送信するので、クライアントでは、受信した候補特定情報に基づき、クライアントから印刷を行う際に、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。なお、距離に関する所定の条件としては、例えば、他の印刷装置に比べてクライアントにより近いという条件や、クライアントと印刷装置との間の距離が所定の距離以下であると推定される条件などを採用することができる。したがって、ユーザーは、複数の印刷装置のうち最もクライアントに近い印刷装置や、所定の距離以下の印刷装置を容易に選択することができる。
【0031】
[適用例13]クライアントと管理装置と複数の印刷装置とを備える印刷システムにおいて、前記クライアントから前記複数の印刷装置のいずれかに印刷を行わせるための印刷方法であって、
(a)前記クライアントにおいて、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する工程と、
(b)前記クライアントにおいて、印刷ジョブを前記管理装置に送信する工程と、
(c)各印刷装置において、前記存在通知信号を受信する工程と、
(d)各印刷装置において、前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する工程と、
(e)各印刷装置において、前記取得した距離推定情報を、前記管理装置に送信する工程と、
(f)前記管理装置において、前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する工程と、
(g)前記管理装置において、前記受信した距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置を選択する工程と、
(h)前記管理装置において、前記印刷ジョブを受信して、前記選択された使用印刷装置に転送する工程と、
を備える、印刷方法。
【0032】
適用例13の方法によると、管理装置において、複数の印刷装置のうち、クライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置が選択され、選択された使用印刷装置に印刷ジョブが転送されるので、クライアントから印刷を行う際に、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。なお、距離に関する所定の条件としては、例えば、他の印刷装置に比べてクライアントにより近いという条件や、クライアントと印刷装置との間の距離が所定の距離以下であると推定される条件などを採用することができる。したがって、複数の印刷装置のうち最もクライアントに近い印刷装置や、所定の距離以下の印刷装置を選択した印刷を容易に実現することができる。加えて、管理装置において、使用印刷装置が選択された後において、管理装置とクライアントとの間におけるデータのやり取りを省略することができるので、クライアントにおける処理負荷を軽減することができる。
【0033】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、クライアント、印刷装置、管理装置、使用印刷装置決定システム、これらの装置またはシステムの制御方法、これらの方法、装置またはシステムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施例としての印刷システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】図1に示すクライアントの詳細構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】第1管理装置及び第2管理装置のハードディスクドライブに記憶されている印刷装置リストの内容を示す説明図である。
【図5】図1に示す第1印刷装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施例における印刷処理の手順を示すシーケンス図である。
【図7】ステップS115において表示部に表示される候補印刷装置リストの一例を示す説明図である。
【図8】第2実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施例における印刷処理の手順を示すシーケンス図である。
【図10】第3実施例のクライアントの詳細構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図12】第3実施例の印刷処理の手順を示すシーケンス図である。
【図13】第4実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図14】第4実施例の第1印刷装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図15】第4実施例の印刷処理の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷システムの概略構成を示す説明図である。印刷システム10は、クライアント100と、第1管理装置PM1と、第2管理装置PM2と、第1印刷装置PR1と、第2印刷装置PR2と、第3印刷装置PR3と、第4印刷装置PR4と、第5印刷装置PR5と、を備えている。印刷システム10は、クライアント100から印刷を行う際に、出力先となる印刷装置の候補をクライアント100に表示させることにより、ユーザーに対して出力先となる印刷装置を容易に選択させることができる。
【0036】
クライアント100は、本実施例では、移動体通信網(基地局BS)を介してインターネットINTに接続されている装置と通信を行うことができる。第1管理装置PM1は、インターネットINT及び第1のLAN(Local Area Network)601に接続されている。第2管理装置PM2は、インターネットINT及び第2のLAN602に接続されている。5台の印刷装置PR1〜PR5のうち、3台の印刷装置PR1〜PR3は、第1のLAN601に接続されており、他の3台の印刷装置PR4,PR5は、第2のLAN602に接続されている。本実施例において、第1のLAN601と、第2のLAN602とは、互いに大きく離れた(例えば、無線LANアクセスポイントと無線LANクライアント間の通信ができない程度に離れた)ロケーションにおいて形成されている。例えば、第1のLAN601と第2のLAN602とは、互いに数100kmほど離れたロケーションに形成されている。印刷システム10は、クライアント100から印刷を行う際に、出力先となる印刷装置の候補をクライアント100に表示させることにより、ユーザーに対して出力先となる印刷装置を容易に選択させることができる。
【0037】
印刷システム10を構成する各装置には、予めIP(Internet Protocol)アドレス及びMAC(Media Access Control)アドレスが設定されている。図1では、各装置のうち、各印刷装置PR1〜PR5に設定されているIPアドレス及びMACアドレスが示されている。第1印刷装置PR1には、IPアドレス「IP1」及びMACアドレス「MA1」が設定されている。また、第2印刷装置PR2にはIPアドレス「IP2」及びMACアドレス「MA2」が、第3印刷装置PR3にはIPアドレス「IP3」及びMACアドレス「MA3」が、第4印刷装置PR4にはIPアドレス「IP4」及びMACアドレス「MA4」が、第5印刷装置PR5にはIPアドレス「IP5」及びMACアドレス「MA5」が、それぞれ設定されている。なお、記載の便宜上、図1では、各IPアドレス及びMACアドレスは模式的な値として示すが、実際には、IPアドレスとして、32ビット(IPv4)又は128ビット(IPv6)の値が設定されている。また、MACアドレスとして、48ビットの値が設定されている。
【0038】
図2は、図1に示すクライアントの詳細構成を示すブロック図である。クライアント100は、図1に示す基地局BSと通信可能な装置であり、本実施例では、携帯電話端末を採用する。クライアント100は、CPU(Central Processing Unit)110と、ROM(Read Only Memory)130と、RAM(Random Access Memory)140と、無線LAN通信制御回路151と、移動体通信制御回路152と、表示部161と、操作部162と、入出力(I/O)インターフェイス部163とを備えている。
【0039】
ROM130には、予めアプリケーションプログラムが記憶されており、CPU110は、所定のオペレーティングシステムの下、このアプリケーションプログラムを実行することにより、印刷要求部111,存在通知信号出力制御部112,ユーザーインターフェイス制御部113として機能する。
【0040】
印刷要求部111は、印刷部数や印刷対象の画像等を指定した印刷ジョブを生成し、印刷要求として出力する。存在通知信号出力制御部112は、無線LAN通信制御回路151を制御して、存在通知信号を無線出力する。存在通知信号とは、クライアント100の存在を通知(広告)するための信号であり、クライアント100を特定可能な情報を含む。存在通知信号の出力方法としては、例えば、無線LANクライアントと無線LANアクセスポイントとの間でやりとりされるビーコンやプローブ要求の送信方法と同様に、クライアント100を特定可能な情報を含むフレームをブロードキャストする方法を採用することができる。本実施例では、クライアント100を特定可能な情報として、クライアント100のMACアドレスを採用する。ユーザーインターフェイス制御部113は、表示部161における表示画面の制御や、操作部162から入力されるユーザー指示の解釈及び各機能部への通知を行う。
【0041】
ROM130は、管理サーバーアドレス格納部131を備えている。管理サーバーアドレス格納部131には、2台の管理装置PM1,PM2のIPアドレスが格納されている。これらのIPアドレスは、予めユーザーによって、管理サーバーアドレス格納部131に格納されている。
【0042】
無線LAN通信制御回路151は、変調器,アンプ及びアンテナを含み、無線LANを介した通信を制御する。無線LANとしては、例えば、IEEE802.11a/b/gに準拠した無線LANを採用することができる。
【0043】
移動体通信制御回路152は、変調器,アンプ及びアンテナを含み、例えば3G/HSPAに準拠した移動体通信の端末として、移動体通信網の基地局BSと無線通信を行う。
【0044】
表示部161は、例えば、液晶ディスプレイにより構成されている。操作部162は、ユーザーによる操作のための図示しない操作ボタンを有する。入出力インターフェイス部163は、表示部161及び操作部162と、他の機能部との間でのデータのやり取りを行う。なお、表示部161及び操作部162を、タッチパネル式の液晶ディスプレイとして実現することもできる。
【0045】
図3は、図1に示す第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。第1管理装置PM1は、CPU210と、ROM220と、RAM230と、ハードディスクドライブ250と、WAN通信制御回路241と、LAN通信制御回路242とを備えている。なお、第2管理装置PM2も、第1管理装置PM1と同様な構成を有するため、説明を省略する。
【0046】
ROM220には、予め後述する印刷処理を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されており、CPU210は、所定のオペレーティングシステムの下、このアプリケーションプログラムを実行することにより、準備指示部211,信号受信結果受信部212,候補印刷装置決定部213として機能する。
【0047】
準備指示部211は、後述の印刷処理において、自らが管理対象とする印刷装置に対して準備指示を送信する。この準備指示は、存在通知信号の受信準備を指示するための指示であり、準備指示部211は、かかる指示を示す信号をLAN601またはLAN602を介して、自らが管理対象とする印刷装置に送信する。「自らが管理対象とする印刷装置」とは、本実施例では、各管理装置PM1,PM2が所属しているLANと同じLANに所属している印刷装置である。具体的には、第1管理装置PM1は、第1のLAN601に接続されている3台の印刷装置PR1〜PR3を管理対象とし、第2管理装置PM2は、第2のLAN602に接続されている2台の印刷装置PR4,PR5を管理対象としている。候補印刷装置決定部213は、後述の印刷処理において、出力先の候補となる印刷装置を決定する。
【0048】
ハードディスクドライブ250には、印刷装置リスト251が記憶されている。図4は、第1管理装置及び第2管理装置のハードディスクドライブに記憶されている印刷装置リストの内容を示す説明図である。図4において、上段は第1管理装置PM1のハードディスクドライブ250に格納されている印刷装置リスト251の内容を、下段は第2管理装置PM2のハードディスクドライブ250に格納されている印刷装置リスト251の内容を、それぞれ示す。
【0049】
印刷装置リスト251は、各管理装置PM1,PM2において、管理対象とする印刷装置を特定するための情報を一覧としたものである。印刷装置リスト251には、各管理対象の印刷装置について、MACアドレス,IPアドレス,機種名が記憶されている。図4上段に示すように、第1管理装置PM1の印刷装置リスト251には、第1管理装置PM1が管理対象とする3台の印刷装置PR1〜PR3について、MACアドレス,IPアドレス,機種名が記録されている。また、図4下段に示すように、第2管理装置PM2の印刷装置リスト251には、第2管理装置PM2が管理対象とする2台の印刷装置PR4,PR5について、MACアドレス,IPアドレス,機種名が記録されている。
【0050】
図3に示すWAN通信制御回路241は、第1管理装置PM1がインターネットINTに接続するためのアクセス回線と接続するためのインターフェイスを有し、アクセス回線を介した通信を制御する。本実施例では、アクセス回線として、光ファイバやメタリックケーブルなどを用いた有線接続回線を採用する。
【0051】
LAN通信制御回路242は、第1のLAN601と接続するためのインターフェイスを有し、第1のLAN601を介した通信を制御する。なお、本実施例では、第1のLAN601及び第2のLAN602は、いずれも有線LANである。
【0052】
図5は、図1に示す第1印刷装置の詳細構成を示すブロック図である。第1印刷装置PR1は、CPU310と、ROM320と、RAM330と、無線LAN通信制御回路341と、有線LAN通信制御回路342と、プリンターエンジン350と、表示部361と、操作部362と、入出力(I/O)インターフェイス部363とを備えている。なお、他の印刷装置PR2〜PR5も同様な構成を有するため、説明を省略する。
【0053】
ROM320には、予めアプリケーションプログラムが記憶されており、CPU310は、所定のオペレーティングシステムの下、このアプリケーションプログラムを実行することにより、存在通知信号受信部311と、信号受信通知部312と、印刷制御部313と、ユーザーインターフェイス制御部314として機能する。
【0054】
存在通知信号受信部311は、クライアント100から出力される存在通知信号を、無線LAN通信制御回路341を制御して受信し、受信した旨を信号受信通知部312に通知する。信号受信通知部312は、存在信号を受信した旨を、自らが所属するLAN(第1のLAN601)に所属している管理装置(第1管理装置PM1)に通知する。印刷制御部313は、プリンターエンジン350を制御する。ユーザーインターフェイス制御部314は、図2に示すクライアント100のユーザーインターフェイス制御部113と同様な機能を有する。
【0055】
ROM320は、管理サーバーアドレス格納部321を備えている。管理サーバーアドレス格納部321には、予めユーザーによって、第1管理装置PM1のIPアドレスが格納されている。
【0056】
無線LAN通信制御回路341は、図2に示すクライアント100の無線LAN通信制御回路151と同様な機能を有する。有線LAN通信制御回路342は、図3に示す第1管理装置PM1のLAN通信制御回路242と同様な機能を有する。プリンターエンジン350は、印刷制御部313による制御の下、印刷を実行する機構である。表示部361は、図2に示すクライアント100の表示部161と同様な機能を有する。また、操作部362は図2に示すクライアント100の操作部162と、入出力インターフェイス部363は図2に示すクライアント100の入出力インターフェイス部163と、それぞれ同様な機能を有する。
【0057】
前述の存在通知信号出力制御部112及び無線LAN通信制御回路151は、請求項における存在通知信号出力部に相当する。また、存在通知信号受信部311及び無線LAN通信制御回路341は請求項における存在通知信号受信部に、存在通知信号受信部311は請求項における距離推定情報取得部に、信号受信通知部312は請求項における距離推定情報送信部に、信号受信結果受信部212及びLAN通信制御回路242は請求項における距離推定情報受信部に、候補印刷装置決定部213は請求項における候補印刷装置特定部及び特定情報送信部に、ユーザーインターフェイス制御部113及び移動体通信制御回路152は請求項における候補特定情報受信部に、ユーザーインターフェイス制御部113及び表示部161は請求項におけるリスト表示部に、操作部162は請求項におけるユーザーインターフェイス部に、印刷要求部111は請求項における印刷ジョブ送信部に、それぞれ相当する。
【0058】
A2.印刷処理:
図6は、第1実施例における印刷処理の手順を示すシーケンス図である。図6において、最も左はクライアント100における手順を示すフローチャートであり、中央は2台の管理装置PM1,PM2における手順を示すフローチャートであり、最も右は5台の印刷装置PR1〜PR5における手順を示すフローチャートである。クライアント100において、表示部161に図示しない印刷メニュー画面が表示され、ユーザーが、操作部162を操作して、印刷部数や印刷対象となる画像等を指定して印刷開始を指示すると、印刷システム10において、印刷処理が開始される。
【0059】
クライアント100の印刷要求部111は、移動体通信制御回路152を制御して、印刷処理の開始を、印刷システム10に含まれるすべての管理装置(本実施例では、2台の管理装置PM1,PM2)に、印刷処理の開始を通知する(ステップS105)。このとき、印刷要求部111は、クライアント100を特定可能な情報を併せて通知する。本実施例では、このクライアント100を特定可能な情報として、クライアント100のMACアドレスを採用する。なお、各管理装置PM1,PM2のIPアドレスとして、管理サーバーアドレス格納部131に格納されているアドレスが用いられる。
【0060】
第1管理装置PM1の準備指示部211と、第2管理装置PM2の準備指示部211とは、それぞれ、印刷処理の開始を受信すると、管理対象とする印刷装置に対してクライアント100を特定可能な情報を含む準備指示を通知する(ステップS205)。ステップS205におけるクライアント100を特定可能な情報は、ステップS105で用いた情報と同じ情報(MACアドレス)である。
【0061】
印刷装置PR1〜PR3の存在通知信号受信部311は、それぞれ、第1管理装置PM1から準備指示を受信すると存在通知信号の受信準備を行う(ステップS305)。同様に、印刷装置PR4,PR5の存在通知信号受信部311は、それぞれ、第2管理装置PM2から準備指示を受信すると存在通知信号の受信準備を行う(ステップS305)。具体的には、各印刷装置PR1〜PR5の存在通知信号受信部311は、ステップS205において通知されたMACアドレスを含む存在通知信号を、無線LAN通信制御回路341を介して受信するまで待機する。
【0062】
クライアント100において、存在通知信号出力制御部112は、前述のステップS105が実行された後、無線LAN通信制御回路151を制御して、クライアント100を特定可能な情報を含む存在通知信号を出力する(ステップS110)。ステップS110におけるクライアント100を特定可能な情報は、ステップS105で用いた情報(MACアドレス)と同じ情報である。無線LANが、例えば、IEEE802.11a/b/gなどの無線LANであれば、半径がおよそ数m〜数100m程度の円形の領域内に、印刷処理を要求するクライアントの存在を広告することができる。なお、本実施例では、図1に示すように、3台の印刷装置PR1〜PR3は、クライアント100が出力する存在通知信号を受信できる位置に配置されており、2台の印刷装置PR4,PR5は、かかる存在通知信号を受信することができない位置に配置されている。
【0063】
各印刷装置PR1〜PR5のうち、前述のステップS305で受信した準備指示で指定されたMACアドレスを含む存在通知信号を受信した印刷装置において、存在通知信号受信部311は、存在通知信号を受信した際の信号強度を検出し、また、受信した存在通知信号に含まれるクライアント100のMACアドレスを抽出して信号受信通知部312に伝え、信号受信通知部312は、受信信号強度及びクライアント100のMACアドレスを、対応する(自らを管理する)管理装置に送信する(ステップS310)。前述のように、印刷装置PR1〜PR3が、クライアント100から出力された存在通知信号を受信した場合、印刷装置PR1〜PR3において、それぞれ信号受信通知部312は、受信信号強度とクライアント100のMACアドレスとを第1管理装置PM1に送信する。なお、存在通知信号の受信信号強度は、請求項における距離推定情報に相当する。
【0064】
ここで、障害物等を考慮しないと、クライアント100からより近い印刷装置では、受信信号強度はより強くなる。例えば、図1に示すクライアント100の位置を基準として、第3印刷装置PR3が最も近く、第2印刷装置PR2が2番目に近く、第3印刷装置PR3が最も遠いケースでは、印刷装置PR1〜PR3から第1管理装置PM1に通知される受信信号強度のうち、第3印刷装置PR3から通知される受信信号強度が最も強く、第2印刷装置PR2から通知される受信信号強度が2番目に強く、第3印刷装置PR3から通知される受信信号強度が最も弱いこととなる。
【0065】
各管理装置において、候補印刷装置決定部213は、各印刷装置から通知された受信信号強度に基づき、印刷を実行する候補となる候補印刷装置及び候補印刷装置における優先順位を決定する(ステップS210)。本実施例では、受信信号強度を通知した印刷装置はすべて候補印刷装置として決定される。また、受信信号強度のより強い印刷装置が、より高い優先順位に設定される。したがって、印刷装置PR1〜PR3から前述のような受信信号強度を通知された第1管理装置PM1において、候補印刷装置決定部213は、印刷装置PR1〜PR3を候補印刷装置として決定すると共に、これら印刷装置の優先順位として、第3印刷装置PR3を第1位に、第2印刷装置PR2を第2位に、第1印刷装置PR1を第3位に、それぞれ決定する。なお、上述したように、「受信信号強度を通知した印刷装置」すなわち、存在通知信号を受信可能な領域に配置されている印刷装置は、請求項における「クライアントと印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置」に相当する。
【0066】
各管理装置において、候補印刷装置決定部213は、ステップS210で決定された候補印刷装置に関する情報と、候補印刷装置の優先順位とを、クライアント100に通知する(ステップS215)。ステップS215における「候補印刷装置に関する情報」とは、本実施例では、印刷装置リスト251に記載されているすべての情報を意味する。したがって、例えば、前述の候補印刷装置として決定した印刷装置PR1〜PR3について、それぞれ、MACアドレス,IPアドレス,機種名が、クライアント100に通知される。なお、優先順位は、請求項における距離比較情報に相当する。また、各候補印刷装置についてのMACアドレス,IPアドレス,機種名は、請求項における候補特定情報に相当する。
【0067】
クライアント100において、ユーザーインターフェイス制御部113は、ステップS215において通知された候補印刷装置に関する情報と、優先順位とに基づき、候補印刷装置リストを生成して、表示部161に表示させる(ステップS115)。
【0068】
図7は、ステップS115において表示部に表示される候補印刷装置リストの一例を示す説明図である。図7では、表示部161に表示されたウィンドウW1内に候補印刷装置リストL1と、決定ボタンB1と、閉じるボタンB2とが表示されている。決定ボタンB1は、候補印刷装置リストL1に表示された印刷装置のうち、実際に印刷に用いる印刷装置(以下、「使用印刷装置」と呼ぶ)を決定するためのボタンである。閉じるボタンB2は、ウィンドウW1を閉じるためのボタンである。
【0069】
図7に示すように、候補印刷装置リストL1には、各候補印刷装置(印刷装置PR1〜PR3)のMACアドレス,IPアドレス,機種名が、一覧表示されている。ここで、左端の「No.」は、ステップS215により管理装置より通知された優先順位を示している。すなわち、候補印刷装置リストL1では、優先順位のより高い候補印刷装置がより上段の位置に表示されている。したがって、ユーザーは、候補印刷装置リストL1を見ることにより、どのようなMACアドレス,IPアドレス,機種の印刷装置が候補印刷となっているか、また、各候補印刷装置間におけるクライアント100までの距離の相対的な大小(長短)を比較することができる。ユーザーは、候補印刷装置リストL1に基づき、例えば、「クライアント100からより近い位置の印刷装置に印刷させたい」との要求がある場合に、より近い位置と推定される印刷装置を選択することができる。また、例えば、ユーザーは、「カラー印刷させたい」との要求がある場合に、カラー印刷に対応した機種の印刷装置を選択することができる。また、例えば、「両面印刷させたい」との要求がある場合に、両面印刷に対応した機種の印刷装置を選択することができる。
【0070】
図7では、候補印刷装置リストL1において、最上段の印刷装置(第3印刷装置PR3)が選択された状態を示している。ユーザーが図2に示す操作部162を操作して、候補印刷装置リストL1に表示された候補印刷装置のうち、使用印刷装置を選択して決定ボタンB1をクリックすると、クライアント100において、印刷要求部111は、ユーザーによって選択された印刷装置に対して、移動体通信制御回路152を制御して印刷要求を出力する(ステップS120)。例えば、図7に示すように第3印刷装置PR3が選択された状態で決定ボタンB1がクリックされると、第3印刷装置PR3に印刷要求が送信される。なお、前述のステップS215によって候補印刷装置のMACアドレス及びIPアドレスは通知されているので、印刷要求部111は、選択された印刷装置に対して印刷ジョブを出力することができる。
【0071】
各印刷装置において、印刷制御部313は、クライアント100から印刷要求を受信すると、受信した印刷要求に基づきプリンターエンジン350を制御して印刷を実行する(ステップS315)。前述のように、第3印刷装置PR3が選択された場合には、第3印刷装置PR3において印刷が実行される。
【0072】
以上説明した第1実施例の印刷システム10では、クライアント100において、クライアント100に近い位置に配置されている印刷装置が候補印刷装置リストL1として一覧表示されるので、ユーザーは、出力先となる印刷装置を容易に選択することができる。加えて、存在通知信号をクライアント100が出力し、この存在通知信号を受信した印刷装置が候補印刷装置としてリストアップされるので、クライアント100に近い位置に配置されている(存在通知信号が受信できる範囲内に配置されている)印刷装置を正確にリストアップすることができる。また、印刷装置がどこに配置されているかユーザーが分からない場合であっても、クライアントから近い位置に配置されている印刷装置に対して、存在通知信号を通知することができる。
【0073】
また、候補印刷装置リストL1において、優先順位を表示するので、ユーザーは、各候補印刷装置間におけるクライアント100までの距離の相対的な大小(長短)を容易に比較することができる。したがって、ユーザーは、候補印刷装置のうち、クライアント100により近くに位置すると推定される印刷装置を容易に選択することができる。また、候補印刷装置リストL1において、各候補印刷装置の機種名も表示されるので、ユーザーは、所望する機能(例えば、カラー印刷機能や両面印刷機能)を有する印刷装置を、機種名を手がかりに容易に選択することができる。また、候補印刷装置リストL1において、各候補印刷装置のMACアドレス及びIPアドレスが表示されるので、ユーザーは、これらのアドレスに基づき印刷が実行された印刷装置を特定することができる。
【0074】
また、クライアント100は、自らに設定されているMACアドレスを含む印刷処理の開始の開始を、すべての管理装置に送信するので、各管理装置PM1,PM2は、管理対象とする各印刷装置に対して、クライアント100のMACアドレスを指定して存在通知信号の受信準備を通知することができる。したがって、各印刷装置では、存在通知信号を送信するクライアントを予め特定することができるので、存在通知信号を受信した場合に、受信信号強度を管理装置PM1又は第2管理装置PM2に送信すべきか否かを容易に判定することができる。
【0075】
B.第2実施例:
図8は、第2実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。図9は、第2実施例における印刷処理の手順を示すシーケンス図である。第2実施例の印刷システムは、図8に示す第1管理装置PM1aが、候補印刷装置決定部213に代えて使用印刷装置決定部214を備えている点と、使用印刷装置を、ユーザーに代えて管理装置が決定する点とにおいて、図1に示す第1実施例の印刷システム10と異なり、他の構成は第1実施例の印刷システム10と同じである。
【0076】
図8に示すように、第1管理装置PM1aのCPU210は、候補印刷装置決定部213に代えて、使用印刷装置決定部214として機能する。使用印刷装置決定部214は、使用印刷装置を決定する。本実施例では、使用印刷装置決定部214は、受信信号強度が最も高い印刷装置を、使用印刷装置として決定する。なお、第2実施例における図示しない第2管理装置は、第2実施例の第1管理装置PM1aと同様の構成を有する。
【0077】
図9に示すように、第2実施例の印刷処理は、クライアント100においてステップS115を省略し、また、ステップS120に代えてステップS120aを実行する点、各管理装置においてステップS215に代えてステップS215aを、また、ステップS210に代えてステップS210aを、それぞれ実行する点とにおいて、図6に示す第1実施例の印刷処理と異なり、他の処理は第1実施例と同じである。
【0078】
各管理装置において、使用印刷装置決定部214は、管理対象とする印刷装置から受信信号強度及びMACアドレスを受信すると、受信した受信信号強度が最も高い印刷装置を、使用印刷装置として決定する(ステップS210a)。受信信号強度が最も高い印刷装置を使用印刷装置として決定するのは、印刷結果の回収に要する期間を短くしたいためにクライアント100からより近い位置にある印刷装置で印刷をさせたいという要請に基づく。また、外出先等において印刷を実行させたい場合に、ユーザーは、まず、印刷装置を探し、見つけた印刷装置付近にいる可能性が高い。したがって、クライアント100に最も近い印刷装置は、ユーザーが検索して見つけた(すなわち、印刷を行わせたい)印刷である可能性が高い。そこで、本実施例では、受信信号強度が最も高く、クライアント100に最も近いと推定される印刷装置を使用印刷装置として決定するようにしている。したがって、例えば、第1実施例と同様に、第3印刷装置PR3から通知される受信信号強度が最も高い場合には、第3印刷装置PR3が使用印刷装置として決定される。
【0079】
各管理装置において、使用印刷装置決定部214は、ステップS210aで決定された使用印刷装置のIPアドレスを、クライアント100に通知する(ステップS215a)。
【0080】
クライアント100において、印刷要求部111は、移動体通信制御回路152を制御して、ステップS215aにおいて管理装置から通知されたIPアドレスを宛先として印刷要求を出力する(ステップS120a)。前述のように、ステップS215aでは、使用印刷装置のIPアドレスがクライアント100に通知されるので、ステップS120aでは、使用印刷装置に対して印刷要求が出力される。したがって、使用印刷装置、すなわち、クライアント100に最も近いと推定される印刷装置において印刷が実行される(ステップS315)。
【0081】
以上の構成を有する第2実施例の印刷システムは、第1実施例の印刷システム10と同様な効果を有する。加えて、管理サーバーにおいて受信信号強度が最も高い印刷装置が使用印刷装置として決定され、かかる使用印刷装置に印刷ジョブが自動的に送信されるので、ユーザーによる使用印刷装置を選択する作業を省くことができる。したがって、ユーザーは、クライアント100に最も近い印刷装置に対して、容易に印刷を実行させることができる。
【0082】
C.第3実施例:
図10は、第3実施例のクライアントの詳細構成を示すブロック図である。図11は、第3実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。図12は、第3実施例の印刷処理の手順を示すシーケンス図である。第3実施例の印刷システムは、図10に示す第3実施例のクライアント100aが候補印刷装置決定部114及び印刷装置リスト132を備えている点と、図11に示す第3実施例の第1管理装置PM1bが印刷装置リスト251を備えておらず、また、候補印刷装置決定部213に代えて信号受信結果転送部215を備えている点と、候補印刷装置及び優先順位を、管理装置に代えてクライアント100aが決定する点とにおいて、図1に示す第1実施例の印刷システム10と異なり、他の構成は第1実施例の印刷システム10と同じである。
【0083】
図10に示すように、クライアント100aのCPU110は、候補印刷装置決定部114として機能する。候補印刷装置決定部114は、図3に示す第1実施例の第1管理装置PM1の候補印刷装置決定部213と同じ機能を実現する。また、クライアント100aのROM130には、印刷装置リスト132が記憶されている。印刷装置リスト132は、図3に示す印刷装置リスト251と同じ内容を有する。ROM130への印刷装置リスト132の格納は、予めユーザーが手動で行うことができる。なお、他の構成は、図2に示すクライアント100と同じ構成を有する。
【0084】
図11に示すように、第1管理装置PM1bのハードディスクドライブ250には、印刷装置リスト251が記憶されていない。また、第1管理装置PM1bのCPU210は、候補印刷装置決定部213に代えて信号受信結果転送部215として機能する。信号受信結果転送部215は、各印刷装置から送信される存在通知信号の受信結果(受信信号強度及びMACアドレス)を、クライアント100aに転送する。
【0085】
図12に示すように、第3実施例の印刷処理は、クライアント100aにおいてステップS114を実行し、また、ステップS115に代えてステップS115aを実行する点と、各管理装置においてステップS210,S215に代えてステップS220を実行する点とにおいて、図6に示す第1実施例の印刷処理と異なり、他の処理は第1実施例と同じである。
【0086】
各管理装置において、信号受信結果転送部215は、管理対象の印刷装置から受信信号強度及びクライアント100aのMACアドレスを受信すると、受信信号強度と、受信信号強度の送信元の印刷装置を特定可能な情報とを対応付けてクライアント100aに送信する(ステップS220)。本実施例では、「印刷装置を特定可能な情報」としてMACアドレスを採用する。
【0087】
クライアント100aにおいて、候補印刷装置決定部114は、各管理装置から受信信号強度及び印刷装置を特定可能な情報(MACアドレス)を受信すると、候補印刷装置及び候補印刷装置における優先順位を決定する(ステップS114)。本実施例では、各管理装置から送信されるMACアドレスの示す印刷装置を、候補印刷装置として決定する。なお、MACアドレスと印刷装置との対応は、ROM130に記憶されている印刷装置リスト132を参照することで特定することができる。また、本実施例における優先順位は、第1実施例と同様に、受信信号強度がより高い印刷装置に対してより高くなるように設定される。
【0088】
クライアント100aにおいて、ユーザーインターフェイス制御部113は、ステップS114において決定された候補印刷装置及び優先順位に基づき、候補印刷装置リストを生成して、表示部161に表示させる(ステップS115a)。第1実施例と同様に、印刷装置PR1〜PR3から受信信号強度が第1管理装置PM1bに通知されると、これらの印刷装置PR1〜PR3の受信強度に加えて、MACアドレス,IPアドレス,機種名がクライアント100aに通知される。したがって、クライアント100aでは、図7に示す候補印刷装置リストL1と同じリストが表示部161に表示されることとなる。
【0089】
以上の構成を有する第3実施例の印刷システムは、第1実施例の印刷システム10と同様な効果を有する。加えて、各管理装置では、候補印刷装置及び優先順位の決定を省略できるので、管理装置の処理負荷を軽減することができる。また、各管理装置は印刷装置リスト251を記憶せずに済むため、ハードディスクドライブ250の容量を小さくして、各管理装置の製造コストを抑制することができる。
【0090】
D.第4実施例:
図13は、第4実施例の第1管理装置の詳細構成を示すブロック図である。図14は、第4実施例の第1印刷装置の詳細構成を示すブロック図である。図15は、第4実施例の印刷処理の手順を示すシーケンス図である。第4実施例の印刷システムは、図13に示す第4実施例の第1管理装置PM1cが印刷要求転送部216を備えている点と、図14に示す第4実施例の第1印刷装置PR1aが報知用ランプ365を備えている点と、印刷を実行する印刷装置を、ユーザーに代えて管理装置が決定する点と、印刷を実行した印刷装置が印刷を実行した旨を報知する点とにおいて、図1に示す第1実施例の印刷システム10と異なり、他の構成は第1実施例の印刷システム10と同じである。
【0091】
図13に示すように、第1管理装置PM1cのCPU210は、候補印刷装置決定部213に代えて使用印刷装置決定部214及び印刷要求転送部216として機能する。使用印刷装置決定部214は、図8に示す第2実施例の使用印刷装置決定部214と同じ機能を有する。印刷要求転送部216は、クライアント100から送信される印刷要求を受信して、使用印刷装置に転送する。第4実施例における図示しない第2管理装置は、第4実施例の第1管理装置PM1cと同様な構成を有する。なお、使用印刷装置決定部214は請求項における使用印刷装置選択部に、印刷要求転送部216は請求項における印刷ジョブ転送部に、それぞれ相当する。
【0092】
図14に示すように、第1印刷装置PR1aは、操作部362に報知用ランプ365を備えている。報知用ランプ365は、印刷完了の旨を報知するためのランプであり、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成することができる。報知用ランプ365は、ユーザーインターフェイス制御部314の制御の下、点灯又は消灯することができる。ユーザーインターフェイス制御部314及び報知用ランプ365は、請求項における報知部に相当する。なお、第4実施例における図示しない他の4台の印刷装置は、第1印刷装置PR1aと同様な構成を有する。
【0093】
図15に示すように、第4実施例の印刷処理は、クライアント100においてステップS105に代えてステップS105aを実行し、また、ステップS115,S120を省略する点と、各管理装置においてステップS210に代えてステップS210aを実行し、また、ステップS215に代えてステップS225を実行する点と、各印刷装置においてステップS320を実行する点とにおいて、図6に示す第1実施例の印刷処理と異なり、他の処理は第1実施例と同じである。
【0094】
第4実施例では、クライアント100の印刷要求部111は、印刷処理の開始を通知することに代えて、印刷要求を送信する(ステップS105a)。なお、この印刷要求にはクライアント100のMACアドレスが含まれている。この印刷要求を受信すると、各管理装置の準備指示部211は、受信した印刷要求のデータ(印刷ジョブデータ)をハードディスクドライブ250に記憶させると共に、前述のステップS205を実行する。
【0095】
各管理装置において、使用印刷装置決定部214は、管理対象の印刷装置から受信信号強度及びMACアドレスを受信すると、受信した受信信号強度が最も高い印刷装置を、使用印刷装置として決定する(ステップS210a)。この処理は、図9に示す第2実施例のステップS210aと同じ処理である。各管理装置において、印刷要求転送部216は、ステップS210aで決定された印刷装置に対して、印刷要求を出力する(ステップS225)。
【0096】
各印刷装置のうち、各管理装置から出力された印刷要求を受信した印刷装置では、印刷が実行される(ステップS315)。ステップS315により印刷が実行された印刷装置において、ユーザーインターフェイス制御部314は、報知用ランプ365を点灯させる(S320)。
【0097】
以上の構成を有する第4実施例の印刷システムは、第1実施例の印刷システム10と同様な効果を有する。加えて、管理サーバーにおいて受信信号強度が最も高い印刷装置が使用印刷装置として決定され、かかる使用印刷装置に印刷ジョブが自動的に送信されるので、ユーザーによる使用印刷装置を選択する作業を省くことができる。したがって、ユーザーは、クライアント100に最も近い印刷装置に対して、容易に印刷を実行させることができる。また、各管理装置では、使用印刷装置が決定された後には、予め受信している印刷要求を使用印刷装置に送信するので、クライアント100と各管理装置との間で情報のやりとりを省略することができる。したがって、クライアント100において、リソース(CPUやメモリなど)の負荷を軽減することができる。
【0098】
また、第4実施例では、クライアント100に対して使用印刷装置に関する情報(IPアドレスなど)を通知しないため、ユーザーは、いずれの印刷装置において印刷が実行されたのかが分かりにくい。しかしながら、印刷を実行した印刷装置では、報知用ランプ365が点灯するので、ユーザーは、報知用ランプ365の点灯状態を見ることで、印刷を実行した印刷装置を簡単に特定することができる。
【0099】
E.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0100】
E1.変形例1:
各実施例において、印刷装置リスト251,132に記録されている情報は、MACアドレス,IPアドレス,機種名であったが、本発明はこれらの情報に限定されるものではない。MACアドレス,IPアドレス,機種名のうち、少なくとも1つを省略することができる。また、MACアドレス,IPアドレス,機種名に代えて、または、MACアドレス,IPアドレス,機種名に加えて、他の情報を印刷装置リストに記録することができる。例えば、位置を特定可能な情報や、各印刷装置の構成情報を、印刷装置リストに記録することができる。位置を特定可能な情報としては、例えば、緯度及び経度や、電子地図上において位置を特定する情報を採用することができる。位置情報を印刷装置リストに加えることにより、候補印刷装置リストに位置情報を表示させることができる。したがって、ユーザーは、各印刷装置の位置を、候補印刷装置リストに表示された位置情報に基づき特定することができる。
【0101】
位置情報を印刷装置リストに加えた場合には、候補印刷装置リストに加えて、電子地図上の位置を表示部161に表示させることもできる。このような構成により、ユーザーは、印刷装置の位置をより容易に特定できる。
【0102】
また、印刷装置の構成情報としては、例えば、カラー印刷の可否や、両面印刷の可否や、印刷可能用紙サイズなどの情報を採用することができる。構成情報を印刷装置リストに記録することにより、候補印刷装置リストに構成情報を表示させることができる。したがって、ユーザーは、候補印刷装置リストに表示された構成情報に基づき、所望する印刷態様(カラー印刷,両面印刷,A3サイズの印刷用紙への印刷など)を満たす印刷装置を、容易に特定することができる。この構成では、各印刷装置が受信信号強度及びクライアント100,100aのMACアドレスに加えて、自らの構成情報を、各管理装置に通知することが好ましい。なお、この構成では、各印刷装置において、構成情報を取得する機能部は、請求項における情報取得部に相当し、取得された構成情報を対応する管理装置に送信する機能部は、請求項における構成状態情報送信部に相当する。
【0103】
E2.変形例2:
各実施例では、第1のLAN601と第2のLAN602とは互いに大きく離れており、クライアント100,100aから出力される存在通知信号は、印刷装置PR4,PR5では、受信できなかったが、本発明はこれに限定されるものではない。第1のLAN601と第2のLAN602とが互いに近くに配置されており、クライアント100,100aから出力される存在通知信号がすべての印刷装置PR1〜PR5において受信され得る構成を採用し得る。この構成では、例えば、第1実施例では、管理装置PM1,PM2のいずれかをマスター装置、他方をスレーブ装置として予め定めておき、スレーブ装置は、管理対象の印刷装置から受信した受信信号強度及びMACアドレスをマスター装置に転送し、マスター装置において、候補印刷装置及び優先順位を決定することができる。また、第2,4実施例についても同様に、マスター装置及びスレーブ装置を予め決めておき、マスター装置において使用印刷装置を決定させることができる。なお、第3実施例においては、受信信号強度及び各印刷装置を特定可能な情報(MACアドレス)が、クライアント100aに集まるので、第1のLAN601と第2のLAN602とが互いに近くに配置されていても、そのまま適用することができる。
【0104】
E3.変形例3:
第1,3実施例では、候補印刷装置リストL1に表示される情報は、各候補印刷装置について、印刷装置リスト251,132に記載されている情報(MACアドレス,IPアドレス,機種名)であったが、本発明はこれに限定されるものではない。印刷装置リスト251,132に記載されている情報に代えて、または、印刷装置リスト251,132に記載されている情報に加えて、他の情報を表示させることもできる。例えば、各候補印刷装置についてのステータスを示す情報を表示させることができる。ステータスを示す情報としては、例えば、印刷中である旨や、紙詰まり等で故障中である旨や、インク残量や、印刷積算数などを採用することができる。このようなステータスを示す情報を候補印刷装置リストL1に表示させるためには、各印刷装置が受信信号強度及びクライアント100,100aのMACアドレスに加えて、自らのステータスを示す情報を、各管理装置に通知することが好ましい。このような構成により、ユーザーは、各印刷装置のステータスを考慮して、使用印刷装置を選択することができる。なお、この構成では、各印刷装置において、ステータスを示す情報を取得する機能部は、請求項における情報取得部に相当し、取得されたステータスを示す情報を対応する管理装置に送信する機能部は、請求項における構成状態情報送信部に相当する。
【0105】
また、印刷装置リスト251,132に記載されている情報に代えて、または、印刷装置リスト251,132に記載されている情報に加えて、クライアント100,100aから、各印刷装置までの推定距離を表示させることもできる。例えば、クライアント100,100aから印刷装置までの距離を変えて受信信号強度を測定する実験を行って、受信信号強度と、クライアント100,100aから印刷装置までの距離とを予め対応付けておくことにより、各管理装置において、各印刷装置から通知される受信信号強度に基づき、クライアント100,100aから各印刷装置までの距離を推定することができる。したがって、この推定された距離を、候補印刷装置リストL1に表示させることができる。
【0106】
なお、第1,3実施例において、候補印刷装置リストL1に表示する印刷装置の順序は、優先順位に従って、より上段がより優先度の高い印刷装置となる順序であったが、これに代えて、任意の順序とすることができる。この構成においても、優先順位がリストに表示されることにより、ユーザーは、リストアップされた印刷装置においてクライアント100,100aからの距離の相対的な大小(長短)を容易に特定することができる。
【0107】
E4.変形例4:
第1,3実施例では、候補印刷装置は、管理装置に対して受信信号強度を通知したすべての印刷装置であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、管理装置に対して受信信号強度を通知した印刷装置のうち、所定の受信信号強度よりも強い受信信号強度を通知した印刷装置を候補印刷装置として決定することもできる。所定の受信信号強度としては、例えば、障害物がない状態において、半径20m以内の円領域において存在通知信号を受信した場合に得られる受信信号強度を採用することができる。また、上述した変形例3のように、各印刷装置からステータスを示す情報を取得する場合には、例えば、故障中の印刷装置を除く他の印刷装置を、候補印刷装置として決定することもできる。このような構成により、遠く(例えば、200m)離れているために、印刷結果を容易に取りに行けないような位置にある印刷装置を、ユーザーに選択させることを抑制できる。また、例えば、故障中で印刷できない印刷装置を、ユーザーに選択させることを抑制できる。
【0108】
E5.変形例5:
第4実施例では、印刷を実行した印刷装置をユーザーに知らせるために、報知用ランプ365を点灯させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各印刷装置の表示部361全体を点滅させることにより、印刷実行を報知することもできる。また、例えば、表示部361に印刷実行の旨のメッセージを表示したり、本発明の印刷処理によって印刷を実行した旨が印字された用紙(フロントページ)を出力することにより、印刷実行を報知することもできる。
【0109】
また、報知用ランプ365の点灯等により、報知を開始するタイミングは、印刷を実行した後(ステップS315の後)であったが、このタイミングに代えて、または、このタイミングに加えて、印刷要求を管理装置から受信したタイミングなど、印刷要求を受信した後における任意のタイミングを採用することもできる。
【0110】
E6.変形例6:
各実施例では、管理装置PM1,PM2は、いずれも各印刷装置PR1〜PR5とは別の装置として構成されていたが、これに代えて、いずれかの印刷装置が内蔵する構成とすることもできる。例えば、第1のLAN601においては、第1印刷装置PR1が第1管理装置PM1を内蔵し、第2のLAN602においては、第4印刷装置PR4が第2管理装置PM2を内蔵する構成を採用することができる。このような構成により、管理装置を印刷装置と別の装置として構成する場合に比べて、印刷システム全体の構築費用を抑えることができる。
【0111】
E7.変形例7:
各実施例では、存在通知信号は、無線LAN(IEEE802.11a/b/g)により出力されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、Bluetooth(IEEE802.15.1)や、Zigbeeや、IrDAなどの短距離無線通信用のインターフェイスを用いて存在通知信号を出力することもできる。また、超音波を用いて存在通知信号を出力することもできる。
【0112】
E8.変形例8:
各実施例では、存在通知信号を受信した印刷装置は、管理装置に対して受信信号強度及びクライアント100,100aのMACアドレスを通知していたが、本発明はこれに限定されるものではない。受信信号強度に代えて、または、受信信号強度に加えて存在通知信号を受信した時刻を通知することもできる。予め各印刷装置で時刻を合わせておいた場合、クライアント100,100aからより遠い位置の印刷装置は、より遅い時刻に存在通知信号を受信することとなる。前述の変形例7において記載したように、クライアント100,100aが超音波を用いて存在信号を出力する構成においては、受信時刻の差は有意な差として表れ易い。この構成では、信号の受信時刻のより早い印刷装置の優先順位を高くすることにより、クライアント100,100aからより近い位置にある印刷装置を、使用印刷装置として決定することができる、又は、より優先順位の高い印刷装置として候補印刷装置リストL1に表示させることができる。また、各印刷装置PR1〜PR5において、クライアント100,100aが予め特定されていれば、通知する情報から、クライアント100,100aのMACアドレスを省略することもできる。すなわち、一般には、存在通知信号に基づき得られる情報であって、クライアントと印刷装置との間の距離を推定可能な任意の情報を、存在通知信号を受信した印刷装置が管理装置に通知する構成を、本発明の印刷システムに採用することができる。
【0113】
E9.変形例9:
第2,4実施例では、使用印刷装置の決定は、管理装置において行われていたが、クライアント100,100aにおいて実行することもできる。この構成では、各管理装置は、各印刷装置から受信信号強度を通知されると、各印刷装置を特定可能な情報(例えば、MACアドレス)と、受信信号強度とを対応付けて、クライアント100,100aに送信することができる。また、例えば、各印刷装置が、管理装置を介さずに、クライアント100,100aに受信信号強度及び自らのMACアドレスを直接送信する構成を採用することもできる。
【0114】
E10.変形例10:
各実施例では、使用印刷装置を決定する処理と、印刷要求を印刷装置に送信する処理とを、いずれも印刷処理の中で連続して実行していたが、これに代えて、これらの処理を、異なる処理として実行することもできる。この場合、例えば、使用印刷装置を決定する処理では、決定した使用印刷装置のIPアドレスをクライアント100,100aの表示部161に表示するまでを行い、印刷要求を印刷装置に送信する処理では、表示部161に表示されたIPアドレスをユーザーが印刷要求用メニュー画面に入力して、印刷要求を送信するといった処理フローを採用することもできる。
【0115】
E11.変形例11:
各実施例における印刷システムの構成は、あくまでも一例であり、種々変形可能である。例えば、管理装置,印刷装置,クライアントの数は、いずれも任意の数とすることができる。また、管理装置と管理対象とする印刷装置とはLANで接続されていたが、LANに代えてWANで接続された構成を採用することもできる。また、各管理装置PM1,PM2からインターネットINTに接続するためのアクセス回線は、有線接続回線であったが、クライアント100,100aと同様に、無線接続回線(例えば、移動体通信網回線)を用いることもできる。また、クライアント100,100aにおいて、各管理装置のアドレスは、予めユーザーによって、管理サーバーアドレス格納部131に格納されていたが、これに代えて、各管理装置が自らのアドレスをLAN内にブロードキャストし、これを受信することにより、クライアント100,100aにおいて、管理サーバーアドレス格納部131に格納する構成を採用することもできる。また、各実施例において、クライアント100,100aは携帯電話機であったが、これに代えて、ノート型パーソナルコンピューターや、PDA(Personal Digital Assistants)など、形態性の高い任意の装置を採用することができる。
【0116】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
【符号の説明】
【0117】
10…印刷システム
100,100a…クライアント
110…CPU
111…印刷要求部
112…存在通知信号出力制御部
113…ユーザーインターフェイス制御部
114…候補印刷装置決定部
130…ROM
131…管理サーバーアドレス格納部
132…印刷装置リスト
140…RAM
151…無線LAN通信制御回路
152…移動体通信制御回路
161…表示部
162…操作部
163…入出力インターフェイス部
210…CPU
211…準備指示部
212…信号受信結果受信部
213…候補印刷装置決定部
214…使用印刷装置決定部
215…信号受信結果転送部
216…印刷要求転送部
220…ROM
230…RAM
241…WAN通信制御回路
242…LAN通信制御回路
250…ハードディスクドライブ
251…印刷装置リスト
310…CPU
311…存在通知信号受信部
312…信号受信通知部
313…印刷制御部
314…ユーザーインターフェイス制御部
320…ROM
321…管理サーバーアドレス格納部
330…RAM
341…無線LAN通信制御回路
342…有線LAN通信制御回路
350…プリンターエンジン
361…表示部
362…操作部
363…入出力インターフェイス部
365…報知用ランプ
601…第1のLAN
602…第2のLAN
PM1,PM1a,PM1b,PM1c…第1管理装置
PM2…第2管理装置
W1…ウィンドウ
L1…候補印刷装置リスト
B1…決定ボタン
B2…閉じるボタン
BS…基地局
PR1…第1印刷装置
PR2…第2印刷装置
PR3…第3印刷装置
PR4…第4印刷装置
PR5…第5印刷装置
INT…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントと、複数の印刷装置と、管理装置とを備える印刷システムであって、
前記クライアントは、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する存在通知信号出力部を有し、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記存在通知信号を受信する存在通知信号受信部と、
前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する距離推定情報取得部と、
前記取得した距離推定情報を前記管理装置に送信する距離推定情報送信部と、を有し、
前記管理装置は、
前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する距離推定情報受信部と、
前記受信された距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を、候補印刷装置として特定する候補印刷装置特定部と、
前記候補印刷装置を特定可能な候補特定情報を前記クライアントに送信する候補特定情報送信部と、を有する、印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記所定の条件とは、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離が、所定の距離以下であると推定される条件である、印刷システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアントは、さらに、
前記候補特定情報を受信する候補特定情報受信部と、
前記受信した候補特定情報に基づき、前記候補特定情報の少なくとも一部を含む前記候補印刷装置のリストを表示するリスト表示部と、
を有する、印刷システム。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷システムにおいて、
前記候補印刷装置は、複数の前記印刷装置からなり、
前記情報送信部は、前記候補特定情報に加えて、各候補印刷装置における前記クライアントと前記候補印刷装置との間の距離同士を比較可能な距離比較情報を、前記クライアントに送信し、
前記情報受信部は、前記候補特定情報に加えて、前記距離比較情報を受信し、
前記リスト表示部は、前記受信された距離比較情報に基づき、前記リストにおいて、前記クライアントと各候補印刷装置との間の距離に関する所定の順序で、前記候補特定情報の少なくとも一部を並べて表示する、印刷システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の印刷システムにおいて、
前記クライアントは、さらに、
前記リストに表示された前記候補特定情報の少なくとも一部により特定される前記候補印刷装置のうち、印刷に用いる印刷装置を選択するためのユーザーインターフェイス部と、
前記ユーザーインターフェイス部により選択された印刷装置に対して印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信部と、
を有する、印刷システム。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記印刷装置の構成情報と前記印刷装置の状態を示す情報とのうち、少なくとも一方を取得する情報取得部と、
前記取得された前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記管理装置に送信する構成状態情報送信部と、
を有し、
前記候補特定情報送信部は、前記候補特定情報と共に各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記クライアントに送信し、
前記候補特定情報受信部は、前記候補特定情報と共に各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を受信し、
前記リスト表示部は、前記受信された各候補印刷装置についての前記構成情報と前記状態を示す情報とのうち少なくとも一方を、前記リストに表示する、印刷システム。
【請求項7】
クライアントと、複数の印刷装置と、管理装置とを備える印刷システムであって、
前記クライアントは、
前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する存在通知信号出力部と、
印刷ジョブを前記管理装置に送信する印刷ジョブ送信部と、を有し、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記存在通知信号を受信する存在通知信号受信部と、
前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する距離推定情報取得部と、
前記取得した距離推定情報を前記管理装置に送信する距離推定情報送信部と、を有し、
前記管理装置は、
前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する距離推定情報受信部と、
前記受信した距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置を選択する使用印刷装置選択部と、
前記印刷ジョブを受信して、前記選択された使用印刷装置に転送する印刷ジョブ転送部と、を有する、印刷システム。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、さらに、
前記印刷ジョブを受信した後において、前記印刷ジョブの受信と、前記印刷ジョブの実行中と、前記印刷ジョブの実行完了とのうち、少なくとも1つを報知する報知部を有する、印刷システム。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記存在通知信号出力部は、前記存在通知信号を無線出力し、
前記距離推定情報は、前記存在通知信号の受信信号強度を示す情報を含む、印刷システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記複数の印刷装置のうち、少なくとも1つは、前記管理装置を内蔵する、印刷システム。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の印刷システムにおいて、
前記候補特定情報は、IPアドレスと、MACアドレスと、機種名と、のうち、少なくとも1つを含む、印刷システム。
【請求項12】
クライアントと管理装置と複数の印刷装置とを備える印刷システムにおいて、前記クライアントから印刷を行わせる印刷装置を特定するための方法であって、
(a)前記クライアントから、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する工程と、
(b)各印刷装置において、前記存在通知信号を受信する工程と、
(c)各印刷装置において、前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する工程と、
(d)各印刷装置において、前記取得した距離推定情報を、前記管理装置に送信する工程と、
(e)前記管理装置において、前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する工程と、
(f)前記管理装置において、前記受信された距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置を、候補印刷装置として特定する工程と、
(g)前記候補印刷装置を特定可能な候補特定情報を前記クライアントに送信する工程と、
を備える方法。
【請求項13】
クライアントと管理装置と複数の印刷装置とを備える印刷システムにおいて、前記クライアントから前記複数の印刷装置のいずれかに印刷を行わせるための印刷方法であって、
(a)前記クライアントにおいて、前記クライアントの存在を通知するための存在通知信号を出力する工程と、
(b)前記クライアントにおいて、印刷ジョブを前記管理装置に送信する工程と、
(c)各印刷装置において、前記存在通知信号を受信する工程と、
(d)各印刷装置において、前記受信した存在通知信号に基づき、少なくとも前記印刷装置と前記クライアントとの間の距離を推定可能な距離推定情報を取得する工程と、
(e)各印刷装置において、前記取得した距離推定情報を、前記管理装置に送信する工程と、
(f)前記管理装置において、前記複数の印刷装置から出力される前記距離推定情報を受信する工程と、
(g)前記管理装置において、前記受信した距離推定情報に基づき、前記複数の印刷装置のうち、前記クライアントと前記印刷装置との間の距離に関する所定の条件を満たす印刷装置であって、印刷に用いる印刷装置である使用印刷装置を選択する工程と、
(h)前記管理装置において、前記印刷ジョブを受信して、前記選択された使用印刷装置に転送する工程と、
を備える、印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−243253(P2012−243253A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115909(P2011−115909)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】