説明

印刷システム

【課題】本発明はエコロジー設定をカーボンオフセット消耗品の装着を判断して行い、しかも文字が小さすぎる、色が薄すぎるといった問題を解消することができる印刷システムを提供するものである。
【解決手段】印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムであって、上記ホスト機器は、エコロジーに関する印刷条件を記憶する記憶手段と、上記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき、上記記憶手段から上記印刷条件を読み出す読出手段と、該読出手段によって読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する表示手段と、上記印刷条件に従った印刷データを上記印刷装置に送信する送信手段とを有し、上記印刷装置は送信手段から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガスの排出権が付与された消耗品、若しくは交換部品を使用する印刷装置を含む印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、地球環境の保持が世界的に叫ばれ、地球温暖化防止会議を中心としてCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出規制が実現化に向かっている。このような状況において、印刷装置においてもCO2削減に対応する取り組みが行われている。
【0003】
例えば、印刷データを実際に印刷する前に印刷イメージをプレビューし、上記温室効果ガスの削減に寄与することを目的として両面印刷の設定や、マルチページ印刷の設定、トナーセーブ印刷の設定等のエコロジーを目的として各機能の設定を行い、印刷処理を行っている。
【0004】
尚、エコロジーを目的とした特許出願として、特許文献1が提案されている。この特許文献は、印刷装置を含む情報処理装置において、用紙等の資源を使用する際の目標値を設定し、現在の資源の使用状態から将来の資源の使用量を予測し、目標達成が不可能な場合には使用を中止し、目標達成のためのリポートを発行する発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−249563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の方法では、エコロジー設定はプレビュー画面を見ながら、設定操作を行うため、例えば両面印刷の設定、マルチページ印刷の設定、及びトナーセーブ印刷の設定を行なう場合、少なくとも3回の設定操作が必要である。
また、マルチページ印刷の設定を行った場合、実際に印刷される文字の大きさが判りづらいため、文字が小さくなり読みづらい場合がある。この場合、マルチページ印刷の設定を解除して再度設定を行わなければならない。
さらに、トナーセーブ印刷の設定を行った場合、実際に印刷される色の濃さが判りづらいため、色が薄くなり読みづらい場合がある。この場合も、トナーセーブ印刷の設定を解除して再度設定を行わなければならない。
【0007】
そこで、本発明は印刷装置にカーボンオフセット消耗品(CO消耗品)の装着が行われていると判断すると、予め設定されたエコロジーを考慮した印刷条件をプレビュー表示し、自動的に印刷処理を行うことができ、しかも文字が小さすぎる、色が薄すぎるといった問題を解消することができる印刷システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は第1の発明によれば、印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、前記ホスト機器は、エコロジーに関する印刷条件を記憶する記憶手段と、前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき、前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す読出手段と、該読出手段によって読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する表示手段と、前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する送信手段とを有し、前記印刷装置は前記送信手段から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施す印刷システムを提供することによって達成できる。
【0009】
また、上記課題は第2の発明によれば、前記印刷条件は、片面又は両面印刷の指定、又はマルチページ印刷の指定、又はトナーセーブ印刷の指定である印刷システムを提供することによって達成できる。
【0010】
また、上記課題は第3の発明によれば、前記ホスト機器は、印刷データ内の印刷ページ数を判断する第1の判断手段を有し、前記印刷データ内の印刷ページ数に従って前記片面又は両面印刷の指定を切り替える印刷システムを提供することによって達成できる。
【0011】
また、上記課題は第4の発明によれば、前記ホスト機器は、印刷データ内の文字の大きさを判断する第2の判断手段を有し、前記印刷データ内の文字の大きさに従ってマルチページ印刷の可否を切り替える印刷システムを提供することによって達成できる。
【0012】
また、上記課題は第5の発明によれば、前記ホスト機器は、印刷データ内の使用色を判断する第3の判断手段を有し、前記印刷データ内の使用色に従ってトナーセーブ印刷の可否を切り替える印刷システムを提供することによって達成できる。
【0013】
また、上記課題は第6の発明によれば、印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、前記ホスト機器は、エコロジーに関する印刷条件を記憶する記憶手段と、前記第1,第2又は第3の判断手段の少なくとも一つを備え、前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき前記判断手段の判断結果に基づいた印刷条件を前記記憶手段に設定するとともに、前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す読出手段と、該読出手段によって読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する表示手段と、前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する送信手段と、を有し、前記印刷装置は前記送信手段から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施す印刷システムを提供することによって達成できる。
【0014】
また、上記課題は第7の発明によれば、印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、前記ホスト機器は、エコロジーに関する印刷条件を記憶手段に記憶する処理と、前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき、前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す処理と、該読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する処理と、前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する処理とを行い、前記印刷装置は前記ホスト機器から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施す印刷方法を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カーボンオフセット消耗品の装着を判断し、予め設定したエコロジーに対応して印刷条件を自動的に読み出し、印刷処理を行うことができる。また、文字が小さすぎる、色が薄すぎるといった問題も解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の印刷システムのシステム構成図である。
【図2】印刷条件情報部のデータ構成を示す図である。
【図3】最小文字サイズ情報部に記憶される最小文字サイズ情報のデータ構成を示す図である。
【図4】最小濃度情報部に記憶される最小濃度情報のデータ構成を示す図である。
【図5】本実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態で使用するプレビュー表示の設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の印刷システムのシステム構成図である。同図において、プリンタ装置1はホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)に接続されている。プリンタ装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)から出力される印刷データに従って記録媒体(用紙)に印刷処理を行う。また、プリンタ装置1にはカーボンオフセット消耗品が装着されたことを検出する検出装置1aが配設されており、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品が装着されると、検出装置1aによって装着が検出され、パーソナルコンピュータ(PC)に送信される。
【0018】
ここで、カーボンオフセット消耗品とは、温室効果ガスに関する排出権が付与されたトナーセット、或いはドラムセットなどであり、この排出権は、プリンタ装置1が稼動する期間に消費する電力を発電する際に発生する温室効果ガスに相当する排出権利をカーボンオフセット消耗品の製造販売者が利用者に代わってCERとして購入し、カーボンオフセット消耗品の購入者に提供するものである。尚、上記CER(Certified Emission Reduction)とは、CDM(クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism))によって獲得された排出枠(クレジット)の意味であり、CDM事業によって削減される排出量を国連の指定機関が決定し、CDM理事会が認証して発行されるものである。
【0019】
パーソナルコンピュータ(PC)はアプリケーション(APL)2、及びプレビュー&印刷設定部3等で構成され、例えば印刷データのプレビュー表示に使用する表示装置4が接続されている。アプリケーション2は文書データ等の印刷データを生成し、プレビュー&印刷設定部3に送信する。
【0020】
プレビュー&印刷設定部3は中間データ保持部6、中間データ保持バッファ7、中間データ変換部8、中間データ表示制御部9、印刷条件情報部10、ボタン制御部11、印刷ページ数判断部12、文字サイズ判断部13、使用色判断部14等で構成され、文字サイズ判断部13は最小文字サイズ情報部15から後述する情報を取得し、使用色判断部14は最小濃度情報部16から後述する情報を取得する。
【0021】
ボタン制御部11には、エコガイドボタン18、片面印刷ボタン19、両面印刷ボタン20、マルチページなしボタン21、マルチページありボタン22、トナーセーブなしボタン23、トナーセーブありボタン24、印刷開始ボタン25の各ボタンから対応する指示信号が入力する。
【0022】
文字サイズ判断部13は、ボタン制御部11からの文字サイズ判断の指示に従って、中間データ保持バッファ7から全印刷データで使用される文字の大きさを検索し、その中で一番小さい文字サイズを抽出する。また、抽出した一番小さい文字サイズと、最小文字サイズ情報部15に記憶されている文字サイズを比較し、最小文字サイズ情報の文字サイズ未満の場合、ボタン制御部11に最小文字サイズ未満であることを通知し、文字サイズ以上の場合、ボタン制御部11に最小文字サイズ以上であることを通知する。
【0023】
使用色判断部14は、ボタン制御部11からの使用色判断の指示に従って、中間データ保持バッファ7から、全印刷データで使用されている全色の情報を検索し、その中で一番濃度の薄い色を抽出する。また、抽出した一番濃度の薄い色の濃度と、最小濃度情報部16に記憶されている濃度を比較し、最小濃度情報部16に記憶されている濃度未満の場合、ボタン制御部11に最小濃度未満であることを通知し、濃度以上の場合、ボタン制御部11に最小濃度以上であることを通知する。
【0024】
印刷ページ数判断部12は、ボタン制御部11からの印刷ページ数判断の指示に従って、中間データ保持バッファ7から、全印刷データを検索し、印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」の情報を加味して印刷ページ数を算出し、算出した印刷ページ数をボタン制御部11に通知する。
【0025】
中間データ変換部8は、印刷開始ボタン25からボタン制御部11を介して印刷開始の指示があると、中間データ保持バッファ7から、全印刷データを受信し、印刷条件情報部10に設定された印刷条件に従って、印刷データを変換し、プリンタ装置1に送信する。
【0026】
図2は、上記印刷条件情報部10のデータ構成を示す図である。同図に示すように、印刷条件情報部10には、「片面印刷/両面印刷」、「マルチページ印刷」、「トナーセーブ印刷」の各エコロジー印刷に関する項目と共に、各エコロジー項目に対する印刷条件が記憶されている。中間データ変換部8は上記印刷条件情報部10に記憶された印刷条件に従って、エコレベル印刷を行う。
【0027】
尚、両面印刷はプリンタ装置1によって記録媒体(用紙)の表面及び裏面に印刷を行い、用紙の消費を減らす印刷処理であり、マルチページ印刷は1枚の用紙に2頁分、4頁分、・・を縮小印刷し、トナー消費や用紙の消費を抑える印刷処理であり、トナーセーブ印刷は現像器等への印加電圧を制御してトナー消費や電力消費を抑える印刷処理である。
【0028】
また、図3は前述の最小文字サイズ情報部15に記憶される最小文字サイズ情報のデータ構成を示す図である。同図に示すように、本例では最小文字サイズ情報として6ポイント(6pt)の情報が登録されている。さらに、図4は前述の最小濃度情報部16に記憶される最小濃度情報のデータ構成を示す図である。同図に示すように、本例では最小濃度情報が80%に設定されている。
【0029】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。図5は本例の処理動作を説明するフローチャートである。尚、同図の処理は、カーボンオフセット消耗品がプリンタ装置1に装着されている場合、自動的に印刷条件を読み出して適用するために予め印刷条件を印刷条件情報部10に設定しておく処理である。尚、図6は本実施形態で使用するプレビュー表示の設定例を示す図である。
【0030】
先ず、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品(CO消耗品)が装着されているか否か、先に検出装置1aから取得している情報に基づいて判断(ステップ(以下、Sで示す)0)し、CO消耗品が用いられていれば(S0がY)、分岐(A)を介して、後述するS8の処理を実行する。CO消耗品が利用されていなければ(S0がN)、何れかのボタンが操作されるのを待ち(S1がNO)、何れかのボタン操作があると(S1がYES)、ボタン制御部11は押下されたボタンによって対応した処理を行なう。
【0031】
例えば、片面印刷ボタン19が押下されたと判断すると、前述の印刷条件情報部10の「片面印刷/両面印刷」を“片面”に設定する(S2)。一方、両面印刷ボタン20が押下されたと判断すると、上記「片面印刷/両面印刷」を“両面”に設定する(S3)。
また、マルチページなしボタン21が押下されたと判断すると、印刷条件情報の「マルチページ印刷」を“なし”に設定する(S4)。一方、マルチページありボタン22が押下されたと判断すると、「マルチページ印刷」を“あり”に設定する(S5)。
【0032】
また、トナーセーブなしボタン23が押下されたと判断すると、印刷条件情報部10の「トナーセーブ印刷」を“なし”に設定する(S6)。一方、トナーセーブありボタン24が押下されたと判断すると、「トナーセーブ印刷」を“あり”に設定する(S7)。
【0033】
以上の処理によって印刷条件情報部10にはエコロジー印刷に対応した印刷条件が設定される。ここで、中間データ表示制御部9に対して中間データの表示が通知されると(S20)、この通知に従って、中間データ表示制御部9は、中間データ保持バッファ7から全印刷データを読み出し、印刷条件情報部10の情報に従って、印刷データを変換し、表示装置4にプレビューを表示する。
【0034】
一方、エコガイドボタン18が押下されたと判断した場合、更に以下の処理を行う。但し、上述のようにエコガイドボタン25が押下されなくとも、CO消耗品が用いられている場合には、自動的に以下の処理が実行される。
先ず、使用色判断部14に対して、使用色判断を通知する(S8)。この通知により使用色判断部14は、前述のように中間データ保持バッファ7から全印刷データを読み出し、使用されている全色の情報を検索し、その中で一番濃度の薄い色を抽出する。そして、抽出した一番濃度の薄い色の濃度と、最小濃度情報部16に記憶されている濃度を比較し、最小濃度情報部16に記憶されている濃度未満の場合、ボタン制御部11に濃度未満であることを通知する。
【0035】
使用色判断部14より、最小濃度未満が通知された場合、印刷条件情報部10の「トナーセーブ印刷」を“なし”に設定し(S9、S10)、最小濃度以上が通知された場合、「トナーセーブ印刷」を“あり”に設定する(S9、S11)。
【0036】
次に、文字サイズ判断部13に文字サイズ判断を通知する(S12)。この通知により文字サイズ判断部13は、前述のように中間データ保持バッファ7から全印刷データを読み出し、使用されている文字の大きさを検索し、その中で一番小さい文字サイズを抽出する。そして、抽出した一番小さい文字サイズと、最小文字サイズ情報部15に記憶されている文字サイズを比較し、最小文字サイズ情報の文字サイズ未満の場合、ボタン制御部11に最小文字サイズ未満であることを通知する。そして、ボタン制御部11は文字サイズ判断部13より、最小文字サイズ未満が通知された場合、印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」を“なし”に設定する(S13、S14)。
【0037】
一方、最小文字サイズ情報の文字サイズ以上の場合、ボタン制御部11に最小文字サイズ以上であることを通知し、ボタン制御部11は文字サイズ判断部13より、最小文字サイズ以上が通知された場合、印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」を“あり”に設定する(S13、S15)。
【0038】
次に、印刷ページ数判断部12に、印刷ページ数判断の通知を行う(S16)。印刷ページ数判断部12では上記通知に従って中間データ保持バッファ7から、前述のように全印刷データを検索し、印刷条件情報部10のマルチページ印刷情報を加味して印刷ページ数を算出し、算出した印刷ページ数をボタン制御部11に通知する。
【0039】
ボタン制御部11は印刷ページ数判断部12からページ数1の通知があると(S17)、印刷条件情報部10の「片面印刷/両面印刷」を“片面”に設定し(S18)、ページ数2以上の通知があると印刷条件情報部10の「片面印刷/両面印刷」を“両面”に設定する(S19)。
【0040】
次に、中間データ表示制御部9に、中間データの再表示を通知する(S20)。この通知に従って、中間データ表示制御部9は、中間データ保持バッファ7から全印刷データを読み出し、印刷条件情報部10の情報に従って、印刷データを変換し、表示装置4にプレビューを表示する。例えば、印刷条件情報部10の「片面印刷/両面印刷」が“片面”の場合、片面を表現したプレビュー表示を行い、“両面”の場合、両面を表現したプレビュー表示を行う。
【0041】
また、印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」が“なし”の場合、マルチページなしを表現したプレビュー表示を行い、“あり”の場合、マルチページありを表現したプレビュー表示を行う。さらに、印刷条件情報部10の「トナーセーブ印刷」が“なし”の場合、トナーセーブなしを表現したプレビュー表示を行い、“あり”の場合、トナーセーブありを表現したプレビュー表示を行う。
ユーザは上記表示装置4へのプレビュー表示を確認し、カーボンオフセット消耗品がプリンタ装置1に装着されている場合及びエコガイドボタン18が押下された場合における印刷条件の設定を完了する。
【0042】
このように、カーボンオフセット消耗品がプリンタ装置1に装着されている場合、検出装置1aは当該カーボンオフセット消耗品の装着を検出し、この情報をパーソナルコンピュータ(PC)に送信してしきべつすることにより、エコガイドボタンが押下された場合と同じようにエコロジー印刷条件が設定されるので、自動的にエコロジー印刷を行うことができ、煩雑な操作を行うことなく、エコロジー印刷を実行することができる。
【0043】
すなわち、ユーザは上記表示装置4へのプレビュー表示を確認し、文字サイズ等に問題がないと判断すると、印刷開始ボタン25を押下し、ボタン制御部11に印刷開始の指示を行い、この指示に従って、ボタン制御部11は、中間データ変換部8に印刷開始を通知し(S21)、中間データ変換部8は中間データ保持バッファ7から、全印刷データを受信し、印刷条件情報部10に記憶された情報に従って、印刷データを変換し、プリンタ装置1に送信することができる。
【0044】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。尚、本実施形態においても、ホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)は、前述の図1に示す構成であり、実施形態1と同様、プリンタ装置1にはカーボンオフセット消耗品が装着されたことを検出する検出装置1aが配設されており、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品が装着されると、検出装置1aによって装着が検出され、パーソナルコンピュータ(PC)に送信される。さらに、本例では印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」の情報が異なる構成である。以下、具体的に説明する。
【0045】
前述の実施形態1においては、「マルチページ印刷」の情報が「なし/あり」に設定されたが、本例では「なし/あり、あり2up/4up」とする。また、最小文字サイズ情報を、最小文字サイズ情報小と最小文字サイズ情報大とする。さらに、マルチページありボタン22を、不図示のマルチページあり2upボタンとマルチページあり4upボタンとする。尚、マルチページあり2upボタンとは、1枚の用紙に2頁分の印刷を指示するボタンであり、マルチページあり4upボタンとは、1枚の用紙に4頁分の印刷を指示するボタンである。
【0046】
ここで、ボタン制御部11は、マルチページなしボタンが押されたと判断した場合、印刷条件情報部10の「マルチページ印刷」を“なし”とし、マルチページあり2upボタンが押されたと判断した場合、「マルチページ印刷」を“あり2up”とし、「マルチページあり4upボタン」が押されたと判断した場合、「マルチページ印刷」を“あり4up”とする。
【0047】
また、エコガイドボタン18が押されたと判断した場合、文字サイズ判断部13に、文字サイズ判断を通知する。文字サイズ判断部13より、最小文字サイズ小未満が通知された場合、「マルチページ印刷」を“なし”とし、最小文字サイズ大未満が通知された場合、「マルチページ印刷」を“あり2up”とし、最小文字サイズ大以上が通知された場合、「マルチページ印刷」を“あり4up”とする。
【0048】
文字サイズ判断部13は、ボタン制御部11から文字サイズ判断が通知された場合、中間データ保持バッファ7から、全印刷データで使用されている文字の大きさを検索し、その中で一番小さい文字サイズを抽出する。さらに、抽出した一番小さい文字サイズと、最小文字サイズ情報小に格納されている文字サイズを比較し、最小文字サイズ情報小の文字サイズ未満の場合、ボタン制御部に最小文字サイズ小未満を通知し、最小文字サイズ情報の文字サイズ小以上の場合、最小文字サイズ情報大に格納されている文字サイズを比較し、最小文字サイズ情報大の文字サイズ未満の場合、ボタン制御部に最小文字サイズ大未満を通知し、最小文字サイズ情報の文字サイズ大以上の場合、ボタン制御部に最小文字サイズ大以上を通知する。
【0049】
中間データ表示制御部9は、前述と同様中間データ保持部6から中間データ表示が通知された場合、中間データ保持バッファ7から全印刷データを読み出し、印刷条件情報部10の情報に従って、印刷データを変換し、表示装置4にプレビュー表示する。
【0050】
ユーザは上記表示装置4へのプレビュー表示を確認し、文字サイズ等に問題がないと判断すると、印刷開始ボタン25を押下し、ボタン制御部11に印刷開始の指示を行う。この指示に従って、ボタン制御部11は、中間データ変換部8に印刷開始を通知し、中間データ変換部8は中間データ保持バッファ7から、全印刷データを受信し、印刷条件情報部10に登録された情報に従って、印刷データを変換し、プリンタ装置1に送信する。
【0051】
以上のように処理することによって、本実施形態2によっても、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品が装着されている場合、検出装置1aは当該カーボンオフセット消耗品の装着を検出し、この情報をパーソナルコンピュータ(PC)に送信することによって、パーソナルコンピュータ(PC)は印刷条件情報部10に設定された印刷条件に従ったプレビュー表示を行い、ユーザはこの表示を確認することによって、以後自動的にエコロジー印刷を行うことができる。
【0052】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。尚、本実施形態においても、ホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)は、前述の図1に示す構成であり、上記実施形態1及び実施形態2と同様、プリンタ装置1にはカーボンオフセット消耗品が装着されたことを検出する検出装置1aが配設されており、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品が装着されると、検出装置1aによって装着が検出され、パーソナルコンピュータ(PC)に送信される。以下具体的に説明する。
【0053】
前述の実施形態1においては、「トナーセーブ印刷」を“なし/あり”としたが、これを“なし/ありレベル1/ありレベル2”とする。また、最小濃度情報を、最小濃度情報小と最小濃度情報大とする。さらに、トナーセーブありボタン22を不図示のトナーセーブありレベル1ボタンとトナーセーブありレベル2ボタンとする。
【0054】
ここで、ボタン制御部11は、トナーセーブなしボタン23が押されたと判断した場合、印刷条件情報部10の「トナーセーブ印刷」を“なし”とし、トナーセーブありレベル1ボタンが押されたと判断した場合、「トナーセーブ印刷」を“ありレベル1”とし、トナーセーブありレベル2ボタンが押されたと判断した場合、「トナーセーブ印刷」を“ありレベル2”とする。
【0055】
また、エコガイドボタン18が押されたと判断した場合、使用色判断部14に、使用色判断を通知する。使用色判断部14から、最小濃度小未満が通知された場合、印刷条件情報部10の「トナーセーブ印刷」を“なし”とし、最小濃度大未満が通知された場合、トナーセーブ印刷」を“ありレベル1”とし、最小濃度大以上が通知された場合、「トナーセーブ印刷」を“ありレベル2”とする。
【0056】
使用色判断部14は、ボタン制御部11から使用色判断が通知された場合、中間データ保持バッファ7から、全印刷データで使用されている全色を検索し、その中で一番濃度の薄い色を抽出する。さらに、抽出した一番濃度の薄い色の濃度と、最小濃度情報小に格納されている濃度を比較し、最小濃度情報小の濃度未満の場合、ボタン制御部に最小濃度小未満を通知し、最小濃度情報小の濃度以上の場合、最小濃度情報大に格納されている濃度を比較し、最小濃度情報大の濃度未満の場合、ボタン制御部に最小濃度大未満を通知し、最小濃度情報大の濃度以上の場合、ボタン制御部に最小濃度大以上を通知する。
【0057】
中間データ表示制御部9は、中間データ保持部6より、中間データ表示が通知された場合、中間データ保持バッファより、全印刷データを獲得し、印刷条件情報部10の情報に従って、印刷データを変換の上、表示装置4にプレビューを表示する。
ユーザは上記表示装置4へのプレビュー表示を確認し、文字サイズ等に問題がないと判断すると、印刷開始ボタン25を押下し、ボタン制御部11に印刷開始の指示を行う。この指示によって、中間データ変換部8は、中間データ保持バッファ7より、全印刷データを読み出し、印刷条件情報部10の印刷条件に従って、印刷データを変換し、プリンタ装置1に印刷データを送信する。
【0058】
以上のように処理することによって、本実施形態3においても、プリンタ装置1にカーボンオフセット消耗品が装着されている場合、検出装置1aは当該カーボンオフセット消耗品の装着を検出し、この情報をパーソナルコンピュータ(PC)に送信することによって、パーソナルコンピュータ(PC)は印刷条件情報部10に設定された印刷条件に従ったプレビュー表示を行い、ユーザはこの表示を確認することによって、以後自動的にエコロジー印刷を行うことができる。
【0059】
尚、上記実施形態1〜3に示す例では、最小文字サイズ情報を「6pt」としたが、別の値でもよく、また、固定値ではなく設定可能としてもよい。また、文字サイズ判断部13において、全印刷データ内の一番小さい文字のサイズを抽出するものとしたが、一番小さい文字ではなく、全文字の中の小さい方から何番目、又は小さい方から何%の文字のサイズを抽出するように構成してもよい。
【0060】
また、最小文字サイズ情報を、英字、数字、記号、かな、漢字等の字種別、又明朝体、ゴシック体等の書体別に保持し、文字サイズ判断部13において、全印刷データ内の文字を検索する際、字種別、書体別に一番小さな文字のサイズを抽出し、それぞれ対応する最小文字サイズ情報と比較する構成としてもよい。
【0061】
また、最小濃度情報を「80%」としたが、別の値でもよく、また、固定値ではなく設定可能としてもよい。
また、使用色判断部14において、全印刷データ内の一番濃度の薄い色を抽出するものとしたが、一番濃度の薄い色ではなく、全使用色の中の薄い方から何番目、又は薄い方から何%の色を抽出する構成としてもよい。
【0062】
さらに、最小濃度情報を、テキスト、グラフィック、イメージ等の描画オブジェクト別に保持し、使用色判断部14において、全印刷データ内の使用色を検索する際に、描画オブジェクト別に一番濃度の薄い色を抽出し、それぞれ対応する最小濃度情報と比較する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1・・・プリンタ装置
1a・・検出装置
2・・・アプリケーション
3・・・プレビュー&印刷設定部
4・・・表示装置
6・・・中間データ保持部
7・・・中間データ保持バッファ
8・・・中間データ変換部
9・・・中間データ表示制御部
10・・印刷条件情報部
11・・ボタン制御部
12・・印刷ページ数判断部
13・・文字サイズ判断部
14・・使用色判断部
15・・最小文字サイズ情報部
16・・最小濃度情報部
18・・エコガイドボタン
19・・片面印刷ボタン
20・・両面印刷ボタン
21・・マルチページなしボタン
22・・マルチページありボタン
23・・トナーセーブなしボタン
24・・トナーセーブありボタン
25・・印刷開始ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、
前記ホスト機器は、
エコロジーに関する印刷条件を記憶する記憶手段と、
前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき、前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す読出手段と、
該読出手段によって読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する表示手段と、
前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する送信手段と、を有し、
前記印刷装置は前記送信手段から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施すことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷条件は、片面又は両面印刷の指定、又はマルチページ印刷の指定、又はトナーセーブ印刷の指定であることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記ホスト機器は、印刷データ内の印刷ページ数を判断する第1の判断手段を有し、前記印刷データ内の印刷ページ数に従って前記片面又は両面印刷の指定を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記ホスト機器は、印刷データ内の文字の大きさを判断する第2の判断手段を有し、前記印刷データ内の文字の大きさに従ってマルチページ印刷の可否を切り替えることを特徴とする請求項2、又は3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記ホスト機器は、印刷データ内の使用色を判断する第3の判断手段を有し、前記印刷データ内の使用色に従ってトナーセーブ印刷の可否を切り替えることを特徴とする請求項2、3、又は4に記載の印刷システム。
【請求項6】
印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、
前記ホスト機器は、
エコロジーに関する印刷条件を記憶する記憶手段と、
前記第1,第2又は第3の判断手段の少なくとも一つを備え、
前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき前記判断手段の判断結果に基づいた印刷条件を前記記憶手段に設定するとともに、
前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す読出手段と、
該読出手段によって読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する表示手段と、
前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する送信手段と、を有し、
前記印刷装置は前記送信手段から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施すことを特徴とする請求項3,4又は5記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷装置と該印刷装置に印刷データを送信するホスト機器が接続された印刷システムにおいて、
前記ホスト機器は、
エコロジーに関する印刷条件を記憶手段に記憶する処理と、
前記印刷装置にカーボンオフセット消耗品が装着されているとき、前記記憶手段から前記印刷条件を読み出す処理と、
該読み出された印刷条件に従った印刷プレビューを表示する処理と、
前記印刷条件に従った印刷データを前記印刷装置に送信する処理と、を行い、
前記印刷装置は前記ホスト機器から送信される印刷データに従って記録媒体に印刷処理を施すことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−134182(P2011−134182A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294212(P2009−294212)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】