印刷制御装置及び印刷方法
【課題】プリンタ等で印刷された印刷物が、バインダに綴じられた袋状のケースに印刷物を折って保管されたり、印刷物自体をバインダに綴じるとともに折って保管されたり、折り畳まれた印刷物を所定の大きさのケースや箱に納めたりする場合、折り畳んだ印刷物を見た目に綺麗になるようにする。
【解決手段】原稿701を印刷させる際、紙折りサイズを指定させる。そして指定された紙折りサイズの整数倍のサイズに基づき出力用紙サイズを決定し、指定された紙折りサイズの整数倍である印刷物705を得る。
【解決手段】原稿701を印刷させる際、紙折りサイズを指定させる。そして指定された紙折りサイズの整数倍のサイズに基づき出力用紙サイズを決定し、指定された紙折りサイズの整数倍である印刷物705を得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を印刷させる印刷制御装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等で印刷された印刷物は、バインダ等に折って保管されることがある。例えば、バインダに綴じられた袋状のケースに印刷物を折って保管されたり、印刷物自体をバインダに綴じるとともに折って保管されたりする。あるいは、折り畳まれた印刷物を所定の大きさのケースや箱に納めたりする。
【0003】
特許文献1には、ユーザが自由な紙折りサイズ(印刷物を折り畳んだ後のサイズ)を指定することが示されている。これによって、ユーザは、自由な紙折りサイズで折って使用することができる印刷物を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−219429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来例では、ユーザが印刷物自体の長さを把握していない限り、ユーザが指定した紙折りサイズで折った場合、印刷物の端の部分に、折りサイズ未満の余り領域ができることがある。この場合、折り畳まれた印刷物は見た目にきれいではないものとなってしまう。
【0006】
本発明は、印刷物を折り畳んだ場合、見た目にきれいになるようにした印刷制御装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印刷制御装置は、印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定する指定手段と、印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定する決定手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定された折りサイズに従って折り畳んだ場合に不要な余りがでない印刷物を得ることができ、見た目にきれいにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1である印刷システムPS1のシステム構成の図である。
【図2】PC101の内部構造と外部との接続を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバ104のUI画面D1の一例を示す図である。
【図4】紙折り設定を行うためのダイアログ画面D2を示す図である。
【図5】紙折り設定を用いた処理を示すフローチャートである。
【図6】紙折り設定処理(S501)の詳細を示すフローチャートである。
【図7】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図8】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図9】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図10】綴じ代を設ける場合の処理を示すフローチャートである。
【図11】実施例2において、紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1である印刷制御装置を含む印刷システムPS1のシステム構成を示す図である。
【0012】
印刷システムPS1は、印刷制御装置として機能するPC101とシート上に画像を印刷するプリンタ102とを有する。PC101はアプリケーション103とプリンタドライバ104とを有する。
【0013】
アプリケーション103は、PC101上で動作し、印刷対象となる任意のデータを生成する機能を有する。アプリケーション103によって生成されたデータを印刷させる場合、ユーザはアプリケーション103のメニューから印刷を指示し、これによりアプリケーション103がオペレーティングシステム(以下、OSと呼ぶ)を介して印刷を依頼する。これによって、OSを介して印刷命令がプリンタドライバ104に送られる。プリンタドライバ104は、OSを介して受け取った印刷命令を解釈し、プリンタ102で解釈可能な印刷データを生成する処理を行う。プリンタ102は、PC101から受け取った印刷データを解釈し、この印刷データに基づく画像を記録剤の付与によってシート上に印刷する。プリンタ102はロール紙等の連続シート上に画像を印刷可能である。またプリンタ102にカッターを設け、PC101から指定された出力用紙サイズに従って当該出力用紙サイズの印刷物となるように画像が印刷されたシートを自動的に切断するようにしてもよい。このカッターを用いて自動的にシートを切断させる場合、シートの搬送方向に直交する方向にしか切断できないため、搬送方向と平行な方向には切り取り線を印字させ、ユーザによりハサミ等で切断させる。なお、出力用紙サイズ(出力サイズ)とは、シートの切断が実行された後の最終的な印刷物のサイズを指すものとする。
【0014】
紙折り補助制御部105は、プリンタドライバ104に設けられ、ユーザの紙折りを手助けするために印刷データに折り線を付加する機能を持つ。また、紙折り補助制御部105は、シートを折り畳んだ後のサイズ(以下、紙折りサイズまたは折りサイズと呼ぶ)に基づく出力用紙サイズの変更機能等を持つ。実施例1では、紙折り補助制御部105はプリンタドライバ104の機能の一部として動作する。ただし、プリンタドライバ104から独立し、アプリケーション103から印刷データを受け取って処理を行うアプリケーションとして動作するものとしてもよい。
【0015】
図2は、PC101の内部構造と外部との接続を示すブロック図である。
【0016】
PC101は、CPUを備えた中央処理装置201と、RAM等の記憶装置202と、マウスやキーボード等の入力装置203と、CRTやLCD等の表示装置204と、ハードディスクや光磁気ディスク等の補助記憶装置205とを含む。それぞれが、内部バスラインIBによって接続されている。
【0017】
補助記憶装置205には、アプリケーション103、プリンタドライバ104、OSなどのプログラム情報が格納され、中央処理装置201が、上記格納されているプログラム情報を、適宜呼び出し、記憶装置202にロードする。そして中央処理装置201が各プログラムを実行することによって以下に示す処理が実行される。ユーザはアプリケーション103やプリンタドライバ104等によって表示装置204に表示された画面に従って入力装置203を用いて操作することによって各種入力を行う。また、PC101の内部バスラインIBは、外部バスラインBLを介して、プリンタ102と接続され、PC101はBLを介してプリンタ102に印刷データを送信する。
【0018】
印刷に際してユーザは、アプリケーション103によって、任意のドキュメントを作成し、アプリケーション103の持つメニュー等から印刷を指示し、印刷ダイアログを起動する。そしてアプリケーション103が有する印刷ダイアログを介して、プリンタ102を選択し、プロパティボタン等を押下する。これによって、プリンタ102用のプリンタドライバ104のUI画面D1(図3参照)を開き、ここで、印刷設定を確認、または変更することができる。
【0019】
図3は、表示装置204に表示されるプリンタドライバ104のUI画面D1の一例を示す図である。
【0020】
コンボボックス301は、原稿のサイズを設定するためのものである。プリンタドライバ104はここで設定された原稿サイズで印刷対象のデータを出力するようアプリケーション103に指示する。コンボボックス302は、プリンタ102にシートを給紙させる際の給紙方法(シートの種類)を設定する。コンボボックス303は、プリンタ102に給紙させるロール紙のロール紙幅を設定するためのものである。
【0021】
チェックボックス304は、原稿を拡大または縮小して印刷するかどうかを設定するためのものである。この設定がオンされている場合、コンボボックス301で指定されている原稿サイズと出力用紙サイズとが一致していない場合、アプリケーション103から出力された印刷対象のデータの拡大または縮小を行う。ラジオボタン305は、チェックボックス304がオンのときに有効になる。ラジオボタン305をオンにした状態で、コンボボックス306において出力用紙サイズを選択することによって、原稿を指定したサイズに、拡大または縮小して印刷することができる。ラジオボタン307もチェックボックス304がオンであるときに有効になる。ラジオボタン307をオンにすることでアプリケーション103から出力されたデータ(原稿)の幅がコンボボックス303で指定したロール紙幅となるように拡大または縮小して印刷させることができる。
【0022】
チェックボックス308は、紙折り補助制御部105による紙折り設定を実行するかどうかを設定するためのものである。ユーザは、この設定をオンにすることによって、紙折り手法の設定や、紙折りサイズの設定等を行うことができる。
【0023】
以上のように設定された状態で、OKボタン309が押下されると、プリンタドライバ104に対する設定が確定する。キャンセルボタン310が押下されると、変更した設定が有効にならず、プリンタドライバ104の持つ初期設定、または、以前に設定した内容で設定のままアプリケーション103の印刷ダイアログに戻る。
【0024】
プリンタドライバ104の設定を終了した後に、アプリケーション103の印刷ダイアログの印刷開始ボタン等が押下される。これによって、UI画面D1で設定された内容に従ってアプリケーション103からプリンタドライバ104に、印刷データが渡され設定に従った処理が施される。そしてプリンタドライバ104で処理が施された印刷データとUI画面D1における設定内容とがプリンタ102に送信され、プリンタ102において設定内容に応じた印刷が行われる。
【0025】
図4は、チェックボックス308をオンにした際に、表示される紙折り設定を行うためのダイアログ画面D2を示す図である。
【0026】
プレビュー領域401は、アプリケーション103で作成された原稿と、紙折り設定によって決定された折り目が出力用紙上のどの位置になるかを示すプレビュー領域である。プリンタ102で画像が印刷される際はプレビュー領域に示された画像において下から上の向きに出力用紙が搬送される。
【0027】
コンボボックス402は、印刷後のシートの紙折り手法を選択するためのものである。ここで選択可能な紙折り手法にはジャバラ折り、クロス折り等がある。プリンタ102がシート折り装置を装備している場合、ここで選択された紙折り手法で紙折りを実行させることができる。また、プリンタ102が紙折り装置を装備しているか否かに関わらず、折り線を印字する場合に、紙折り手法に応じた線(山折り、谷折り)が印字される。そして、コンボボックス402で設定した紙折り手法に合わせ、どのサイズで紙を折るかを、コンボボックス403またはテキストボックス404で選択する。紙折りサイズとして、定型サイズに紙を折りたい場合、コンボボックス403で、ISO A4等の定型サイズを選択する。非定型サイズで紙折りを行いたい場合、テキストボックス404で任意の長さを入力して設定する。ここで紙折りサイズを定型サイズとした場合、長辺が出力用紙幅の方向となるようにする。つまり、ISO A4サイズが指定された場合、プレビュー領域401の原稿において横長のA4サイズの大きさで順次折られていくものとなる。紙折りサイズをカスタムサイズとした場合、出力用紙幅の方向が横、それと直交する方向が縦の長さとなる。カスタムサイズでは縦サイズのみまたは横サイズのみの設定も可能である。
【0028】
チェックボックス405は、折り線を実際に出力用紙に印字させるかどうかを指定するためのものである。ユーザは、この設定をオンにすることによって、指定された紙折りサイズに従った折り線を出力用紙に印字させることができる。折り線を印刷した方が、折り畳み位置がより明確になるので、それを望むユーザに対応できる。なお、プレビュー領域401における折り線はチェックボックス405における指定に関わらず表示される。そして紙折りサイズを変更する毎にその結果がプレビュー領域401に反映されるものとする。
【0029】
チェックボックス406は、出力用紙サイズに合わせた切り取り線を、出力用紙に印字するかどうかを指定するためのものである。この切り取り線で出力用紙が切り取られることにより、指定された出力用紙サイズによる印刷物が得られる。
【0030】
チェックボックス407は、出力用紙サイズを、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定した紙折りサイズに従って変更するかどうかを設定するためのものである。この設定がオンになっている場合、紙折りサイズを順次整数倍させていったときに、UI画面D1における設定に基づく出力用紙サイズに対する紙折りサイズ未満の余りが発生した場合、その余りが紙折りサイズとなるよう余白データを追加する。つまり余りが発生した場合には元の出力用紙サイズとは異なるサイズに変更される。なお、余りが所定の長さより短い場合、それを切り捨てることによって出力用紙サイズを紙折りサイズの整数倍となるようにしてもよい。切り捨てる場合は切り捨てられる分が余白のみであることが好ましい。また、出力用紙サイズと紙折りサイズとがほぼ同じサイズであった場合、1倍となり、紙折りされない場合もある。しかし、このような場合、整数倍を2倍以上と定義することによって必ず印刷物を折り畳むことができるようになる。最小の整数倍を2倍とするかどうかはユーザにより指定させるようにすればよい。また、指定されている紙折り手法に応じて指定された紙折りができるように縦横の出力用紙サイズの調整の可否や調整量を決定するようにしてもよい。ユーザは、この設定をオンすることによって、自身が指定した紙折りサイズの整数倍の出力サイズで印刷物を得ることができ、折り幅未満の余り領域が出ず、印刷物を任意の紙折りサイズに折ることができる。ここで変更された出力用紙サイズは、UI画面D1における設定に反映される。たとえば、図3に示すUI画面D1におけるチェックボックス304、ラジオボタン305は、自動的にオンに設定される。そして、コンボボックス306に、カスタムサイズとして、変更後の出力用紙サイズが設定される。
【0031】
コンボボックス408は、チェックボックス407がオンのときに有効になるものであり、上記のように出力用紙サイズが調整され、変更された場合、元の原稿の画像を、出力用紙のどの位置に印字するかを設定するためのものである。ここでの選択肢としては、原稿の画像を正対させた場合(プレビュー領域401で表示された画像)の位置に対して“左上、左、左下、上、中央、下、右上、右、右下”の中から1つを選択することができる。
【0032】
上記のように設定された状態で、OKボタン409が押下されると、設定が確定し、UI画面D1に戻る。キャンセルボタン410が押下されると、変更した設定が有効にならず、紙折り設定の初期設定、または、以前に設定した内容で設定が確定し、紙折り設定が終了する。
【0033】
次に、上記実施例において、紙折り補助機能を用いた印刷処理について説明する。
【0034】
図5は、紙折り補助機能を用いた印刷処理を示すフローチャートである。このフローチャートは補助記憶装置205に記憶されているプリンタドライバ104のプログラムを中央処理装置201のCPUが実行することによってなされる処理の流れを示す。
【0035】
まず、ユーザは、アプリケーション103によって印刷対象のデータを作成後、印刷メニューを介してプリンタドライバ104のUI画面D1を表示させる。そしてチェックボックス308がオンされると紙折り補助制御部105によって図4に示すダイアログ画面D2が、表示装置204に表示され、処理がS501に移行する。S501で、ユーザは、折り線位置の調整や紙折りサイズの調整等各種紙折り設定を行う。ここでの処理については、次で詳しく説明する。
【0036】
次に、S502で、プレビュー領域401に、S501で算出した出力用紙サイズ、折り線位置、切り取り線位置を反映したプレビュー表示を行う。そして、OKボタン409が押下され、紙折り設定が確定した後に印刷開始が指示されると、S503で、以上の設定が反映された印刷データ及び設定内容を示す情報がプリンタ102に送信され、プリンタ102による印刷が実行される。
【0037】
図6は、紙折り設定処理(S501)を示すフローチャートである。
【0038】
まず、S601で、チェックボックス407が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定されると、S602に進み、選択されていないと判断されれば、S607に進む。
【0039】
S602では、UI画面D1における指定内容に従って決定される出力用紙サイズの縦方向の長さと、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定された紙折りサイズの縦方向の長さとの比率を算出する。UI画面D1における指定内容に従って決定される出力用紙サイズは、コンボボックス301で特定される原稿サイズと、305〜307の指定に基づく拡大/縮小における設定とによって求められるものである。チェックボックス304にチェックされていなければ原稿サイズが出力用紙サイズとなる。チェックボックス304にチェックされていれば原稿サイズを指定内容に従って拡大または縮小した結果が出力用紙サイズとなる。なお、上記出力用紙サイズ及び紙折りサイズの縦方向は、プリンタ102が出力用紙を排紙する際の排紙方向である。そして、この算出した長さの関係が整数倍になるかどうかを判定する。この判定の結果、上記関係が整数倍であると判定されれば、S604に進む。上記判定の結果、上記関係が整数倍でないと判定されれば、S603に進む。なお、上記「関係が整数倍」は、厳密な意味での整数倍でなくてもよく、ほぼ整数倍であればよい。どれぐらいの差分までを整数倍とするかはユーザにより指定させ、その指定に従ってS602において肯定判定を行うか否定判定を行うかを切り替えるようにしてもよい。以下も同様である。
【0040】
S603では、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズの縦方向の長さが、紙折りサイズの縦方向の長さに対して整数倍になるように、出力用紙サイズの縦方向の長さを変更する。出力用紙サイズを変更する場合、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズよりも長く、しかも、紙折りサイズの縦方向の長さの最小の整数倍になるように、出力用紙サイズを変更する。なお、出力用紙サイズを変更する場合、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズよりも長くする以外に、出力用紙サイズよりも短くすることが可能である。たとえば、印刷データ中から記録剤を付与すべき印刷オブジェクトが存在しない(余白のみ)領域を検出し、その領域を削除することによって、出力用紙サイズを小さくする方法が考えられる。この場合でも、紙折りサイズの縦方向の長さの最小の整数倍になるように、出力用紙サイズを変更する。また、ユーザによる指定に従って紙折りサイズの長さの最小の整数倍以外の整数倍とするようにしてもよい。S603の処理が終了すると、処理は、S604に移行する。
【0041】
S604では、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定された紙折りサイズの横方向の長さと、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズの横方向の長さとの比率を算出する。なお、上記紙折りサイズの横方向及び出力用紙サイズの横方向は、出力用紙の排紙方向と直交する方向である。そして、算出した比率が、整数倍になるかどうかによって、出力用紙サイズの横方向の長さが紙折りサイズの横方向の長さに対して整数倍であるかどうかを判定する。整数倍であると判定されれば、S606に進み、整数倍ではないと判定されれば、S605に進む。
【0042】
S605では、出力用紙サイズの横方向の長さが、紙折りサイズの横方向の長さに対して整数倍になるように、出力用紙サイズの横方向の長さを変更する。変更方法としては、現在の設定値よりも大きな値であり、かつ、紙折りサイズの横方向の長さに対して最小の整数倍になるように変更する。ただし、記録剤を付与すべき印刷オブジェクトが存在しない(余白のみ)の領域を削除することによって現在の設定値よりも小さなサイズとして紙折りサイズの横方向の長さに対して最小の整数倍となるように変更してもよい。また、紙折りサイズの横方向の長さに対して最小以外の整数倍としてもよい。S605の処理が終了すると、処理はS606に進む。
【0043】
S606では、コンボボックス408で決定された値に合わせ、出力用紙の印刷領域内における印刷データの印字位置を調整し、S607に進む。S607では、チェックボックス405が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定されれば、S608に進み、選択されていないと判定されれば、S609に進む。
【0044】
S608では、コンボボックス402、コンボボックス403、テキストボックス404で設定された紙折り手法、紙折りサイズに基づいて折り線位置と折り線の形式を決定する。この決定された折り線位置に決定された形式の折り線が印刷されるよう折り線画像データを印刷データに加え、S609に進む。折り線の形式は、たとえば山折り、谷折りの区別がつくような形式であるが、この区別はつけなくても構わない。S609では、チェックボックス406が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定された場合はS610に進み、選択されていないと判定された場合はS501の処理を終了し、S502に進む。
【0045】
S610では、以上の処理で決定した出力用紙サイズに合わせた切り取り線を示す切り取り線画像データを印刷データに加える。以上の処理によって、S501の処理は全て完了し、S502に進む。
【0046】
図7は、アプリケーション103で作成した縦700mm×横500mmの原稿の画像データに基づく画像を、プリンタ102で印刷して得た印刷物を折り畳んだ結果、縦200mm×横500mmとなるようにした例を示す模式図である。
【0047】
図7に示す例では、原稿701として縦700mm、横500mmのものをアプリケーション103で作成し、UI画面D1ではコンボボックス301においてカスタムサイズとして700mm×500mmを指定しているものとする。そして、チェックボックス304は選択されていない。なお、アプリケーション103ではこれ以外のサイズの画像データを作成し、この画像データが変倍された結果700mm×500mmとなったものを原稿として扱うようにしてもよい。即ち、コンボボックス301で他のサイズ、コンボボックス303で500mmロールが選択され、チェックボックス304が選択された結果、変倍によって、700mm×500mmとなったものを原稿として扱っても同様である。ここでは、紙折り設定として、以下の設定を行っている。
・紙折り手法:ジャバラ折り
・紙折りサイズ:カスタムサイズ([縦方向]200mm、[横方向]設定なし(ロール紙幅))
・折り線の印字:ON
・切り取り線の印字:OFF
・出力用紙サイズの調整:ON
・印字位置:中央
なお、ここでは紙折りサイズの整数倍にする際、元のサイズより長くするとともに最小の整数倍とし、かつ2倍以上とするよう記憶装置202に設定されているものとする。
【0048】
プレビュー領域401に表示される出力用紙サイズは、出力用紙サイズ調整チェックボックスを「ON」にすることによって、紙折りサイズの整数倍に変更されている。図中、斜線で塗られた部分(余白領域704)が元の出力用紙サイズから変更(追加)された部分である。紙折りサイズと出力用紙サイズとの横方向の長さについては、どちらもロール紙幅(500mm)であるので、サイズを変更しない。縦方向の長さについては、元の出力用紙サイズの縦方向の長さが700mmであるので、紙折りサイズの縦方向の長さである200mmの整数倍になるように、S603で、縦方向の長さの値が800mmに変更される。
【0049】
図7において、折り線702、切り取り線703、出力用紙サイズ調整によって追加された余白領域704が原稿の画像に追加されている。ここでは、コンボボックス408の値が「中央」であるので、元の原稿が出力用紙の調整後の出力用紙サイズにおける印字領域の中央に配置される。つまり、元の原稿の上下領域に縦方向に同じ長さ余白領域が追加される。ここでは元の原稿のサイズの縦方向の長さが700mmに対し、調整後の出力用紙の縦方向の長さが800mmなので差分の100mmを2で割った50mmずつが追加される。ここで、上記「余白領域」は、空白領域に限定されるものではなく、背景が着色されたものである場合に印刷データの背景色を用いた領域であってもよい。いずれにしても追加された分が違和感のないものとして追加されるようにする。
【0050】
印刷物705は、上記設定後に、印刷を行った際に、プリンタ102から出力される印刷物である。この印刷物は未調整の場合は縦方向700mm、横方向500mmであったものが、縦方向800mm、横方向500mm(ロール紙幅)に変更されたものである。
【0051】
ユーザは、この印刷物を、自身が指定した紙折りサイズの200mm毎に折ることにより、折り畳んだ結果が過不足なく200mm×500mmのものとすることができる。このような折り方によって容易にかつ、適切に折り畳むことができるので、折り線印字をOFFにしたとしても折り間違いが生じにくい。また、印刷物705の場合、紙折りサイズの2の倍数倍なので端と端とを順次(ここでは2回)合わせ折った後に折り直すことで、折り線を印字させなくとも折り位置を特定でき、容易に折り畳める。また、折った際に折り幅未満の余り領域があまりでないようにできるので、見た目もきれいに折り仕上げることができる。
【0052】
図7に示す例では、縦方向700mm、横方向500mmの原稿を用いて説明したが、他の様々なサイズの原稿に対しても、上記と同様に、紙折り設定し、印刷することによって、全ての印刷物を、折り幅200mmに統一することができる。これによって、ユーザが様々なサイズの原稿を印刷する環境においても、折った後の印刷物の幅は、200mmに統一されるので、印刷物の端部が揃った状態で印刷物を整理することができる。本実施例のように縦方向の長さを任意に決定できるような連続シートを用いて印刷を行うプリンタ102を用いる場合に以上のような処理は特に有用である。
【0053】
図8は、アプリケーション103で作成したJIS B3(縦方向515mm、横方向364mm)の原稿801に対し、紙折りサイズとしてISO A4サイズ(縦方向297mm、横方向210mm)印刷を行う場合を示す。アプリケーション103で異なるサイズの画像を作成した後、変倍によってB3サイズの画像を得た場合も同様に扱うものとしてよいのは図7で説明したものと同様である。ここでは紙折り設定として、以下の設定を行っている。
・紙折り手法:クロス折り
・紙折りサイズ:ISO A4(縦方向297mm、横方向210mm)
・折り線の印字:OFF
・切り取り線の印字:ON
・出力用紙サイズの調整:ON
・印字位置:右
以下、図7の例とは異なる点を中心に説明する。図8の例では、出力用紙サイズの縦方向の長さが、調整前は515mmであるので、紙折りサイズの縦方向の長さである297mmの整数倍になるように、S603で、値が594mmに変更される。出力用紙サイズの横方向の長さは、調整前は364mmであるので、紙折りサイズの横方向の長さである210mmの整数倍になるように、S605で、値を420mmに変更する。つまり、この例では、縦方向、横方向の両方向で、出力用紙サイズの長さを変更している。なお、ここではクロス折りが指定されていることを条件に縦方向と横方向の両方でサイズの調整を行うよう決定するものとしてもよい。
【0054】
切り取り線802は、画像が印刷された出力用紙を、ユーザが自身で切り取りを行う切り取り線である。余白領域803は、出力用紙サイズ調整によって追加された領域である。ここでは、コンボボックス408の値が「右」であり、元の原稿が出力用紙の右に印字されるようにするので、原稿の上、下に同じ長さの余白領域が追加されるとともに左に余白領域が追加される。この余白領域の追加に際してはA4サイズの4倍(2×2)の印刷領域を出力用紙上に左側が接するように設定し、原稿の画像の上下に均等に余白領域を設け、原稿の画像の右側を設定した印刷領域の右側に接するようにする。これにより左側に余った分が左に設ける余白領域となる。そして印刷領域の右側に余った分が切り取り線802で切り取られる領域となる。
【0055】
印刷物804は、上記設定に従って印刷を行ってプリンタ102から出力される印刷物である。印刷物804には、チェックボックス406を「ON」にすることによって、切り取り線805が印刷される。なお、紙折り手法としてクロス折りが指定され、出力用紙の搬送方向と平行する方向に切断が必要な場合、チェックボックス406を自動的に「ON」にし、切り取り線805を印字させるようにしてもよい。
【0056】
ユーザは、上記処理によって印刷された印刷物804について、印字された切り取り線に沿って用紙を切り取り、これによって、ISO A4の縦方向、横方向2倍のサイズで、印刷物を得る。そして、上端と下端とを合わせて重ね折りし、次に、左端と右端とを合わせて重ね折るだけで、印刷物をISO A4サイズに折ることができる。これによってユーザは折り線を印字しなくても、印刷物を目的の紙折りサイズに、容易かつきれいに折り仕上げることができる。
【0057】
図9は、図7に示した例とはS603、S605における処理を変更した場合の例を示す図である。図9は、S603、S605の出力用紙サイズの変更に際して元の出力用紙サイズよりも小さなサイズに変更した例である。
【0058】
ここではダイアログ画面D2に用紙節約を指定するチェックボックス901を追加する。ユーザは、出力用紙サイズを小さくするための操作として、チェックボックス901を選択する。これによって、紙折り補助制御部105は、印刷データの内容を解析し、端部に印刷オブジェクトが存在していない領域902を識別し、この識別された領域を削除し、これによって、出力用紙サイズを小さくする。
【0059】
具体的には、調整前の出力用紙サイズの縦方向の長さが700mmであるので、これを紙折りサイズの縦方向の長さ200mmに対して整数倍かつ用紙が節約されるように変更する。ここでは、上記解析により印刷オブジェクトが存在していない領域が、縦方向100mm分あることが識別されたものとする。原稿の画像(印刷データ)からこの縦方向100mmの領域を削除することによって、出力用紙サイズの縦方向の長さを600mmに変更し、紙折りサイズの整数倍としている。
【0060】
図9に示す例によれば、ユーザは、自身が設定した紙折りサイズの整数倍の印刷物を得ることができ、また、用紙を節約することができる。
【実施例2】
【0061】
実施例2は、実施例1のように出力用紙サイズを紙折りサイズの整数倍とするのに加え、端部に綴じ代領域を設ける実施例である。これにより、端部をバインダ等により綴じたうえで、残りを指定した紙折りサイズで均等に折り畳むことができる。
【0062】
図10は、実施例2におけるS501の処理の詳細を示すフローチャートである。また図11は、実施例2において、綴じ代を設けて印刷を行う場合の例を示す模式図である。実施例2ではダイアログ画面D2において綴じ代を設けることを指定するためのチェックボックス1101を設ける。
【0063】
S601〜S610の各処理において、図6に示す処理と同じ処理を実行する。S1001で、チェックボックス1101が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定された場合、S1002に進み、選択されていないと判定された場合、S607に進む。
【0064】
S1002では、綴じ代領域の分、出力用紙サイズを拡大(綴じ代領域分の追加)し、その後S607に進む。ここで、綴じ代のサイズや位置を、固定値に限定せずに変動させるようにしてもよい。また、実施例2では、綴じ代の領域分、出力用紙サイズが拡大されているが、内部的に紙折りサイズを少し小さめに変更することによって、綴じ代を含めた出力用紙サイズを、ユーザの求める紙折りサイズの整数倍にするようにしてもよい。
【0065】
図11において、図7の例とは異なるのは綴じ代領域1102が追加されている点である。綴じ代領域1103は、印刷物に実際に追加された領域である(ただし、綴じ代を示す線が印字されない)。
【0066】
このように、綴じ代を設けることによって、ユーザは、綴じ代を必要とするバインダ等に印刷物を、所望の紙折りサイズで均等に折り畳んだうえで適切に収めることができる。
【0067】
以上の実施例において、一旦特定した出力用紙サイズを、紙折りサイズの整数倍または紙折りサイズの整数倍に綴じ代領域を加えた分となるように変更するものとした。しかしながら、これに限らず、原稿サイズ(または原稿サイズを変倍させた後のサイズ)と紙折りサイズとから最終的な出力用紙サイズを決定するようにしてもよい。即ち、出力用紙サイズの変更という処理を省略しても構わない。
【0068】
また、以上の実施例において決定した最終的な出力用紙サイズに応じて印刷対象の画像を変倍(拡大または縮小)するようにしてもよい。
【0069】
また、以上の実施例では、PC101(プリンタドライバ104)において最終的な出力用紙サイズを決定する処理を行った。しかしながら、これに限らず、プリンタ102において同様な処理を行うようにしてもよい。プリンタ102において印刷対象の画像データを入力し、プリンタ102において紙折りサイズを指定し、それに従って上述の処理と同様にして出力用紙サイズを決定し、印刷を実行する。このときプリンタ102は内部に図2に示したPC101と同様の構成を備え、PC101と同様にプログラムを実行することにより同様の処理を行う。この場合、プリンタ102が印刷制御装置として機能することになる。
【0070】
また、以上の処理の全てを1つのコンピュータ(CPU)によってのみ実行する必要はなく、複数のコンピュータが連携しながら処理を行うものとしてもよい。また、全ての処理をソフトウェアにより実行する必要はなく、一部または全部を電気回路やASICなどのハードウェアで実現してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を印刷させる印刷制御装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等で印刷された印刷物は、バインダ等に折って保管されることがある。例えば、バインダに綴じられた袋状のケースに印刷物を折って保管されたり、印刷物自体をバインダに綴じるとともに折って保管されたりする。あるいは、折り畳まれた印刷物を所定の大きさのケースや箱に納めたりする。
【0003】
特許文献1には、ユーザが自由な紙折りサイズ(印刷物を折り畳んだ後のサイズ)を指定することが示されている。これによって、ユーザは、自由な紙折りサイズで折って使用することができる印刷物を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−219429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来例では、ユーザが印刷物自体の長さを把握していない限り、ユーザが指定した紙折りサイズで折った場合、印刷物の端の部分に、折りサイズ未満の余り領域ができることがある。この場合、折り畳まれた印刷物は見た目にきれいではないものとなってしまう。
【0006】
本発明は、印刷物を折り畳んだ場合、見た目にきれいになるようにした印刷制御装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印刷制御装置は、印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定する指定手段と、印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定する決定手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、指定された折りサイズに従って折り畳んだ場合に不要な余りがでない印刷物を得ることができ、見た目にきれいにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1である印刷システムPS1のシステム構成の図である。
【図2】PC101の内部構造と外部との接続を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバ104のUI画面D1の一例を示す図である。
【図4】紙折り設定を行うためのダイアログ画面D2を示す図である。
【図5】紙折り設定を用いた処理を示すフローチャートである。
【図6】紙折り設定処理(S501)の詳細を示すフローチャートである。
【図7】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図8】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図9】紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【図10】綴じ代を設ける場合の処理を示すフローチャートである。
【図11】実施例2において、紙折り設定に従って印刷する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1である印刷制御装置を含む印刷システムPS1のシステム構成を示す図である。
【0012】
印刷システムPS1は、印刷制御装置として機能するPC101とシート上に画像を印刷するプリンタ102とを有する。PC101はアプリケーション103とプリンタドライバ104とを有する。
【0013】
アプリケーション103は、PC101上で動作し、印刷対象となる任意のデータを生成する機能を有する。アプリケーション103によって生成されたデータを印刷させる場合、ユーザはアプリケーション103のメニューから印刷を指示し、これによりアプリケーション103がオペレーティングシステム(以下、OSと呼ぶ)を介して印刷を依頼する。これによって、OSを介して印刷命令がプリンタドライバ104に送られる。プリンタドライバ104は、OSを介して受け取った印刷命令を解釈し、プリンタ102で解釈可能な印刷データを生成する処理を行う。プリンタ102は、PC101から受け取った印刷データを解釈し、この印刷データに基づく画像を記録剤の付与によってシート上に印刷する。プリンタ102はロール紙等の連続シート上に画像を印刷可能である。またプリンタ102にカッターを設け、PC101から指定された出力用紙サイズに従って当該出力用紙サイズの印刷物となるように画像が印刷されたシートを自動的に切断するようにしてもよい。このカッターを用いて自動的にシートを切断させる場合、シートの搬送方向に直交する方向にしか切断できないため、搬送方向と平行な方向には切り取り線を印字させ、ユーザによりハサミ等で切断させる。なお、出力用紙サイズ(出力サイズ)とは、シートの切断が実行された後の最終的な印刷物のサイズを指すものとする。
【0014】
紙折り補助制御部105は、プリンタドライバ104に設けられ、ユーザの紙折りを手助けするために印刷データに折り線を付加する機能を持つ。また、紙折り補助制御部105は、シートを折り畳んだ後のサイズ(以下、紙折りサイズまたは折りサイズと呼ぶ)に基づく出力用紙サイズの変更機能等を持つ。実施例1では、紙折り補助制御部105はプリンタドライバ104の機能の一部として動作する。ただし、プリンタドライバ104から独立し、アプリケーション103から印刷データを受け取って処理を行うアプリケーションとして動作するものとしてもよい。
【0015】
図2は、PC101の内部構造と外部との接続を示すブロック図である。
【0016】
PC101は、CPUを備えた中央処理装置201と、RAM等の記憶装置202と、マウスやキーボード等の入力装置203と、CRTやLCD等の表示装置204と、ハードディスクや光磁気ディスク等の補助記憶装置205とを含む。それぞれが、内部バスラインIBによって接続されている。
【0017】
補助記憶装置205には、アプリケーション103、プリンタドライバ104、OSなどのプログラム情報が格納され、中央処理装置201が、上記格納されているプログラム情報を、適宜呼び出し、記憶装置202にロードする。そして中央処理装置201が各プログラムを実行することによって以下に示す処理が実行される。ユーザはアプリケーション103やプリンタドライバ104等によって表示装置204に表示された画面に従って入力装置203を用いて操作することによって各種入力を行う。また、PC101の内部バスラインIBは、外部バスラインBLを介して、プリンタ102と接続され、PC101はBLを介してプリンタ102に印刷データを送信する。
【0018】
印刷に際してユーザは、アプリケーション103によって、任意のドキュメントを作成し、アプリケーション103の持つメニュー等から印刷を指示し、印刷ダイアログを起動する。そしてアプリケーション103が有する印刷ダイアログを介して、プリンタ102を選択し、プロパティボタン等を押下する。これによって、プリンタ102用のプリンタドライバ104のUI画面D1(図3参照)を開き、ここで、印刷設定を確認、または変更することができる。
【0019】
図3は、表示装置204に表示されるプリンタドライバ104のUI画面D1の一例を示す図である。
【0020】
コンボボックス301は、原稿のサイズを設定するためのものである。プリンタドライバ104はここで設定された原稿サイズで印刷対象のデータを出力するようアプリケーション103に指示する。コンボボックス302は、プリンタ102にシートを給紙させる際の給紙方法(シートの種類)を設定する。コンボボックス303は、プリンタ102に給紙させるロール紙のロール紙幅を設定するためのものである。
【0021】
チェックボックス304は、原稿を拡大または縮小して印刷するかどうかを設定するためのものである。この設定がオンされている場合、コンボボックス301で指定されている原稿サイズと出力用紙サイズとが一致していない場合、アプリケーション103から出力された印刷対象のデータの拡大または縮小を行う。ラジオボタン305は、チェックボックス304がオンのときに有効になる。ラジオボタン305をオンにした状態で、コンボボックス306において出力用紙サイズを選択することによって、原稿を指定したサイズに、拡大または縮小して印刷することができる。ラジオボタン307もチェックボックス304がオンであるときに有効になる。ラジオボタン307をオンにすることでアプリケーション103から出力されたデータ(原稿)の幅がコンボボックス303で指定したロール紙幅となるように拡大または縮小して印刷させることができる。
【0022】
チェックボックス308は、紙折り補助制御部105による紙折り設定を実行するかどうかを設定するためのものである。ユーザは、この設定をオンにすることによって、紙折り手法の設定や、紙折りサイズの設定等を行うことができる。
【0023】
以上のように設定された状態で、OKボタン309が押下されると、プリンタドライバ104に対する設定が確定する。キャンセルボタン310が押下されると、変更した設定が有効にならず、プリンタドライバ104の持つ初期設定、または、以前に設定した内容で設定のままアプリケーション103の印刷ダイアログに戻る。
【0024】
プリンタドライバ104の設定を終了した後に、アプリケーション103の印刷ダイアログの印刷開始ボタン等が押下される。これによって、UI画面D1で設定された内容に従ってアプリケーション103からプリンタドライバ104に、印刷データが渡され設定に従った処理が施される。そしてプリンタドライバ104で処理が施された印刷データとUI画面D1における設定内容とがプリンタ102に送信され、プリンタ102において設定内容に応じた印刷が行われる。
【0025】
図4は、チェックボックス308をオンにした際に、表示される紙折り設定を行うためのダイアログ画面D2を示す図である。
【0026】
プレビュー領域401は、アプリケーション103で作成された原稿と、紙折り設定によって決定された折り目が出力用紙上のどの位置になるかを示すプレビュー領域である。プリンタ102で画像が印刷される際はプレビュー領域に示された画像において下から上の向きに出力用紙が搬送される。
【0027】
コンボボックス402は、印刷後のシートの紙折り手法を選択するためのものである。ここで選択可能な紙折り手法にはジャバラ折り、クロス折り等がある。プリンタ102がシート折り装置を装備している場合、ここで選択された紙折り手法で紙折りを実行させることができる。また、プリンタ102が紙折り装置を装備しているか否かに関わらず、折り線を印字する場合に、紙折り手法に応じた線(山折り、谷折り)が印字される。そして、コンボボックス402で設定した紙折り手法に合わせ、どのサイズで紙を折るかを、コンボボックス403またはテキストボックス404で選択する。紙折りサイズとして、定型サイズに紙を折りたい場合、コンボボックス403で、ISO A4等の定型サイズを選択する。非定型サイズで紙折りを行いたい場合、テキストボックス404で任意の長さを入力して設定する。ここで紙折りサイズを定型サイズとした場合、長辺が出力用紙幅の方向となるようにする。つまり、ISO A4サイズが指定された場合、プレビュー領域401の原稿において横長のA4サイズの大きさで順次折られていくものとなる。紙折りサイズをカスタムサイズとした場合、出力用紙幅の方向が横、それと直交する方向が縦の長さとなる。カスタムサイズでは縦サイズのみまたは横サイズのみの設定も可能である。
【0028】
チェックボックス405は、折り線を実際に出力用紙に印字させるかどうかを指定するためのものである。ユーザは、この設定をオンにすることによって、指定された紙折りサイズに従った折り線を出力用紙に印字させることができる。折り線を印刷した方が、折り畳み位置がより明確になるので、それを望むユーザに対応できる。なお、プレビュー領域401における折り線はチェックボックス405における指定に関わらず表示される。そして紙折りサイズを変更する毎にその結果がプレビュー領域401に反映されるものとする。
【0029】
チェックボックス406は、出力用紙サイズに合わせた切り取り線を、出力用紙に印字するかどうかを指定するためのものである。この切り取り線で出力用紙が切り取られることにより、指定された出力用紙サイズによる印刷物が得られる。
【0030】
チェックボックス407は、出力用紙サイズを、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定した紙折りサイズに従って変更するかどうかを設定するためのものである。この設定がオンになっている場合、紙折りサイズを順次整数倍させていったときに、UI画面D1における設定に基づく出力用紙サイズに対する紙折りサイズ未満の余りが発生した場合、その余りが紙折りサイズとなるよう余白データを追加する。つまり余りが発生した場合には元の出力用紙サイズとは異なるサイズに変更される。なお、余りが所定の長さより短い場合、それを切り捨てることによって出力用紙サイズを紙折りサイズの整数倍となるようにしてもよい。切り捨てる場合は切り捨てられる分が余白のみであることが好ましい。また、出力用紙サイズと紙折りサイズとがほぼ同じサイズであった場合、1倍となり、紙折りされない場合もある。しかし、このような場合、整数倍を2倍以上と定義することによって必ず印刷物を折り畳むことができるようになる。最小の整数倍を2倍とするかどうかはユーザにより指定させるようにすればよい。また、指定されている紙折り手法に応じて指定された紙折りができるように縦横の出力用紙サイズの調整の可否や調整量を決定するようにしてもよい。ユーザは、この設定をオンすることによって、自身が指定した紙折りサイズの整数倍の出力サイズで印刷物を得ることができ、折り幅未満の余り領域が出ず、印刷物を任意の紙折りサイズに折ることができる。ここで変更された出力用紙サイズは、UI画面D1における設定に反映される。たとえば、図3に示すUI画面D1におけるチェックボックス304、ラジオボタン305は、自動的にオンに設定される。そして、コンボボックス306に、カスタムサイズとして、変更後の出力用紙サイズが設定される。
【0031】
コンボボックス408は、チェックボックス407がオンのときに有効になるものであり、上記のように出力用紙サイズが調整され、変更された場合、元の原稿の画像を、出力用紙のどの位置に印字するかを設定するためのものである。ここでの選択肢としては、原稿の画像を正対させた場合(プレビュー領域401で表示された画像)の位置に対して“左上、左、左下、上、中央、下、右上、右、右下”の中から1つを選択することができる。
【0032】
上記のように設定された状態で、OKボタン409が押下されると、設定が確定し、UI画面D1に戻る。キャンセルボタン410が押下されると、変更した設定が有効にならず、紙折り設定の初期設定、または、以前に設定した内容で設定が確定し、紙折り設定が終了する。
【0033】
次に、上記実施例において、紙折り補助機能を用いた印刷処理について説明する。
【0034】
図5は、紙折り補助機能を用いた印刷処理を示すフローチャートである。このフローチャートは補助記憶装置205に記憶されているプリンタドライバ104のプログラムを中央処理装置201のCPUが実行することによってなされる処理の流れを示す。
【0035】
まず、ユーザは、アプリケーション103によって印刷対象のデータを作成後、印刷メニューを介してプリンタドライバ104のUI画面D1を表示させる。そしてチェックボックス308がオンされると紙折り補助制御部105によって図4に示すダイアログ画面D2が、表示装置204に表示され、処理がS501に移行する。S501で、ユーザは、折り線位置の調整や紙折りサイズの調整等各種紙折り設定を行う。ここでの処理については、次で詳しく説明する。
【0036】
次に、S502で、プレビュー領域401に、S501で算出した出力用紙サイズ、折り線位置、切り取り線位置を反映したプレビュー表示を行う。そして、OKボタン409が押下され、紙折り設定が確定した後に印刷開始が指示されると、S503で、以上の設定が反映された印刷データ及び設定内容を示す情報がプリンタ102に送信され、プリンタ102による印刷が実行される。
【0037】
図6は、紙折り設定処理(S501)を示すフローチャートである。
【0038】
まず、S601で、チェックボックス407が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定されると、S602に進み、選択されていないと判断されれば、S607に進む。
【0039】
S602では、UI画面D1における指定内容に従って決定される出力用紙サイズの縦方向の長さと、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定された紙折りサイズの縦方向の長さとの比率を算出する。UI画面D1における指定内容に従って決定される出力用紙サイズは、コンボボックス301で特定される原稿サイズと、305〜307の指定に基づく拡大/縮小における設定とによって求められるものである。チェックボックス304にチェックされていなければ原稿サイズが出力用紙サイズとなる。チェックボックス304にチェックされていれば原稿サイズを指定内容に従って拡大または縮小した結果が出力用紙サイズとなる。なお、上記出力用紙サイズ及び紙折りサイズの縦方向は、プリンタ102が出力用紙を排紙する際の排紙方向である。そして、この算出した長さの関係が整数倍になるかどうかを判定する。この判定の結果、上記関係が整数倍であると判定されれば、S604に進む。上記判定の結果、上記関係が整数倍でないと判定されれば、S603に進む。なお、上記「関係が整数倍」は、厳密な意味での整数倍でなくてもよく、ほぼ整数倍であればよい。どれぐらいの差分までを整数倍とするかはユーザにより指定させ、その指定に従ってS602において肯定判定を行うか否定判定を行うかを切り替えるようにしてもよい。以下も同様である。
【0040】
S603では、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズの縦方向の長さが、紙折りサイズの縦方向の長さに対して整数倍になるように、出力用紙サイズの縦方向の長さを変更する。出力用紙サイズを変更する場合、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズよりも長く、しかも、紙折りサイズの縦方向の長さの最小の整数倍になるように、出力用紙サイズを変更する。なお、出力用紙サイズを変更する場合、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズよりも長くする以外に、出力用紙サイズよりも短くすることが可能である。たとえば、印刷データ中から記録剤を付与すべき印刷オブジェクトが存在しない(余白のみ)領域を検出し、その領域を削除することによって、出力用紙サイズを小さくする方法が考えられる。この場合でも、紙折りサイズの縦方向の長さの最小の整数倍になるように、出力用紙サイズを変更する。また、ユーザによる指定に従って紙折りサイズの長さの最小の整数倍以外の整数倍とするようにしてもよい。S603の処理が終了すると、処理は、S604に移行する。
【0041】
S604では、コンボボックス403またはテキストボックス404で設定された紙折りサイズの横方向の長さと、UI画面D1における指定内容に従った出力用紙サイズの横方向の長さとの比率を算出する。なお、上記紙折りサイズの横方向及び出力用紙サイズの横方向は、出力用紙の排紙方向と直交する方向である。そして、算出した比率が、整数倍になるかどうかによって、出力用紙サイズの横方向の長さが紙折りサイズの横方向の長さに対して整数倍であるかどうかを判定する。整数倍であると判定されれば、S606に進み、整数倍ではないと判定されれば、S605に進む。
【0042】
S605では、出力用紙サイズの横方向の長さが、紙折りサイズの横方向の長さに対して整数倍になるように、出力用紙サイズの横方向の長さを変更する。変更方法としては、現在の設定値よりも大きな値であり、かつ、紙折りサイズの横方向の長さに対して最小の整数倍になるように変更する。ただし、記録剤を付与すべき印刷オブジェクトが存在しない(余白のみ)の領域を削除することによって現在の設定値よりも小さなサイズとして紙折りサイズの横方向の長さに対して最小の整数倍となるように変更してもよい。また、紙折りサイズの横方向の長さに対して最小以外の整数倍としてもよい。S605の処理が終了すると、処理はS606に進む。
【0043】
S606では、コンボボックス408で決定された値に合わせ、出力用紙の印刷領域内における印刷データの印字位置を調整し、S607に進む。S607では、チェックボックス405が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定されれば、S608に進み、選択されていないと判定されれば、S609に進む。
【0044】
S608では、コンボボックス402、コンボボックス403、テキストボックス404で設定された紙折り手法、紙折りサイズに基づいて折り線位置と折り線の形式を決定する。この決定された折り線位置に決定された形式の折り線が印刷されるよう折り線画像データを印刷データに加え、S609に進む。折り線の形式は、たとえば山折り、谷折りの区別がつくような形式であるが、この区別はつけなくても構わない。S609では、チェックボックス406が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定された場合はS610に進み、選択されていないと判定された場合はS501の処理を終了し、S502に進む。
【0045】
S610では、以上の処理で決定した出力用紙サイズに合わせた切り取り線を示す切り取り線画像データを印刷データに加える。以上の処理によって、S501の処理は全て完了し、S502に進む。
【0046】
図7は、アプリケーション103で作成した縦700mm×横500mmの原稿の画像データに基づく画像を、プリンタ102で印刷して得た印刷物を折り畳んだ結果、縦200mm×横500mmとなるようにした例を示す模式図である。
【0047】
図7に示す例では、原稿701として縦700mm、横500mmのものをアプリケーション103で作成し、UI画面D1ではコンボボックス301においてカスタムサイズとして700mm×500mmを指定しているものとする。そして、チェックボックス304は選択されていない。なお、アプリケーション103ではこれ以外のサイズの画像データを作成し、この画像データが変倍された結果700mm×500mmとなったものを原稿として扱うようにしてもよい。即ち、コンボボックス301で他のサイズ、コンボボックス303で500mmロールが選択され、チェックボックス304が選択された結果、変倍によって、700mm×500mmとなったものを原稿として扱っても同様である。ここでは、紙折り設定として、以下の設定を行っている。
・紙折り手法:ジャバラ折り
・紙折りサイズ:カスタムサイズ([縦方向]200mm、[横方向]設定なし(ロール紙幅))
・折り線の印字:ON
・切り取り線の印字:OFF
・出力用紙サイズの調整:ON
・印字位置:中央
なお、ここでは紙折りサイズの整数倍にする際、元のサイズより長くするとともに最小の整数倍とし、かつ2倍以上とするよう記憶装置202に設定されているものとする。
【0048】
プレビュー領域401に表示される出力用紙サイズは、出力用紙サイズ調整チェックボックスを「ON」にすることによって、紙折りサイズの整数倍に変更されている。図中、斜線で塗られた部分(余白領域704)が元の出力用紙サイズから変更(追加)された部分である。紙折りサイズと出力用紙サイズとの横方向の長さについては、どちらもロール紙幅(500mm)であるので、サイズを変更しない。縦方向の長さについては、元の出力用紙サイズの縦方向の長さが700mmであるので、紙折りサイズの縦方向の長さである200mmの整数倍になるように、S603で、縦方向の長さの値が800mmに変更される。
【0049】
図7において、折り線702、切り取り線703、出力用紙サイズ調整によって追加された余白領域704が原稿の画像に追加されている。ここでは、コンボボックス408の値が「中央」であるので、元の原稿が出力用紙の調整後の出力用紙サイズにおける印字領域の中央に配置される。つまり、元の原稿の上下領域に縦方向に同じ長さ余白領域が追加される。ここでは元の原稿のサイズの縦方向の長さが700mmに対し、調整後の出力用紙の縦方向の長さが800mmなので差分の100mmを2で割った50mmずつが追加される。ここで、上記「余白領域」は、空白領域に限定されるものではなく、背景が着色されたものである場合に印刷データの背景色を用いた領域であってもよい。いずれにしても追加された分が違和感のないものとして追加されるようにする。
【0050】
印刷物705は、上記設定後に、印刷を行った際に、プリンタ102から出力される印刷物である。この印刷物は未調整の場合は縦方向700mm、横方向500mmであったものが、縦方向800mm、横方向500mm(ロール紙幅)に変更されたものである。
【0051】
ユーザは、この印刷物を、自身が指定した紙折りサイズの200mm毎に折ることにより、折り畳んだ結果が過不足なく200mm×500mmのものとすることができる。このような折り方によって容易にかつ、適切に折り畳むことができるので、折り線印字をOFFにしたとしても折り間違いが生じにくい。また、印刷物705の場合、紙折りサイズの2の倍数倍なので端と端とを順次(ここでは2回)合わせ折った後に折り直すことで、折り線を印字させなくとも折り位置を特定でき、容易に折り畳める。また、折った際に折り幅未満の余り領域があまりでないようにできるので、見た目もきれいに折り仕上げることができる。
【0052】
図7に示す例では、縦方向700mm、横方向500mmの原稿を用いて説明したが、他の様々なサイズの原稿に対しても、上記と同様に、紙折り設定し、印刷することによって、全ての印刷物を、折り幅200mmに統一することができる。これによって、ユーザが様々なサイズの原稿を印刷する環境においても、折った後の印刷物の幅は、200mmに統一されるので、印刷物の端部が揃った状態で印刷物を整理することができる。本実施例のように縦方向の長さを任意に決定できるような連続シートを用いて印刷を行うプリンタ102を用いる場合に以上のような処理は特に有用である。
【0053】
図8は、アプリケーション103で作成したJIS B3(縦方向515mm、横方向364mm)の原稿801に対し、紙折りサイズとしてISO A4サイズ(縦方向297mm、横方向210mm)印刷を行う場合を示す。アプリケーション103で異なるサイズの画像を作成した後、変倍によってB3サイズの画像を得た場合も同様に扱うものとしてよいのは図7で説明したものと同様である。ここでは紙折り設定として、以下の設定を行っている。
・紙折り手法:クロス折り
・紙折りサイズ:ISO A4(縦方向297mm、横方向210mm)
・折り線の印字:OFF
・切り取り線の印字:ON
・出力用紙サイズの調整:ON
・印字位置:右
以下、図7の例とは異なる点を中心に説明する。図8の例では、出力用紙サイズの縦方向の長さが、調整前は515mmであるので、紙折りサイズの縦方向の長さである297mmの整数倍になるように、S603で、値が594mmに変更される。出力用紙サイズの横方向の長さは、調整前は364mmであるので、紙折りサイズの横方向の長さである210mmの整数倍になるように、S605で、値を420mmに変更する。つまり、この例では、縦方向、横方向の両方向で、出力用紙サイズの長さを変更している。なお、ここではクロス折りが指定されていることを条件に縦方向と横方向の両方でサイズの調整を行うよう決定するものとしてもよい。
【0054】
切り取り線802は、画像が印刷された出力用紙を、ユーザが自身で切り取りを行う切り取り線である。余白領域803は、出力用紙サイズ調整によって追加された領域である。ここでは、コンボボックス408の値が「右」であり、元の原稿が出力用紙の右に印字されるようにするので、原稿の上、下に同じ長さの余白領域が追加されるとともに左に余白領域が追加される。この余白領域の追加に際してはA4サイズの4倍(2×2)の印刷領域を出力用紙上に左側が接するように設定し、原稿の画像の上下に均等に余白領域を設け、原稿の画像の右側を設定した印刷領域の右側に接するようにする。これにより左側に余った分が左に設ける余白領域となる。そして印刷領域の右側に余った分が切り取り線802で切り取られる領域となる。
【0055】
印刷物804は、上記設定に従って印刷を行ってプリンタ102から出力される印刷物である。印刷物804には、チェックボックス406を「ON」にすることによって、切り取り線805が印刷される。なお、紙折り手法としてクロス折りが指定され、出力用紙の搬送方向と平行する方向に切断が必要な場合、チェックボックス406を自動的に「ON」にし、切り取り線805を印字させるようにしてもよい。
【0056】
ユーザは、上記処理によって印刷された印刷物804について、印字された切り取り線に沿って用紙を切り取り、これによって、ISO A4の縦方向、横方向2倍のサイズで、印刷物を得る。そして、上端と下端とを合わせて重ね折りし、次に、左端と右端とを合わせて重ね折るだけで、印刷物をISO A4サイズに折ることができる。これによってユーザは折り線を印字しなくても、印刷物を目的の紙折りサイズに、容易かつきれいに折り仕上げることができる。
【0057】
図9は、図7に示した例とはS603、S605における処理を変更した場合の例を示す図である。図9は、S603、S605の出力用紙サイズの変更に際して元の出力用紙サイズよりも小さなサイズに変更した例である。
【0058】
ここではダイアログ画面D2に用紙節約を指定するチェックボックス901を追加する。ユーザは、出力用紙サイズを小さくするための操作として、チェックボックス901を選択する。これによって、紙折り補助制御部105は、印刷データの内容を解析し、端部に印刷オブジェクトが存在していない領域902を識別し、この識別された領域を削除し、これによって、出力用紙サイズを小さくする。
【0059】
具体的には、調整前の出力用紙サイズの縦方向の長さが700mmであるので、これを紙折りサイズの縦方向の長さ200mmに対して整数倍かつ用紙が節約されるように変更する。ここでは、上記解析により印刷オブジェクトが存在していない領域が、縦方向100mm分あることが識別されたものとする。原稿の画像(印刷データ)からこの縦方向100mmの領域を削除することによって、出力用紙サイズの縦方向の長さを600mmに変更し、紙折りサイズの整数倍としている。
【0060】
図9に示す例によれば、ユーザは、自身が設定した紙折りサイズの整数倍の印刷物を得ることができ、また、用紙を節約することができる。
【実施例2】
【0061】
実施例2は、実施例1のように出力用紙サイズを紙折りサイズの整数倍とするのに加え、端部に綴じ代領域を設ける実施例である。これにより、端部をバインダ等により綴じたうえで、残りを指定した紙折りサイズで均等に折り畳むことができる。
【0062】
図10は、実施例2におけるS501の処理の詳細を示すフローチャートである。また図11は、実施例2において、綴じ代を設けて印刷を行う場合の例を示す模式図である。実施例2ではダイアログ画面D2において綴じ代を設けることを指定するためのチェックボックス1101を設ける。
【0063】
S601〜S610の各処理において、図6に示す処理と同じ処理を実行する。S1001で、チェックボックス1101が選択されたかどうかを判定し、選択されたと判定された場合、S1002に進み、選択されていないと判定された場合、S607に進む。
【0064】
S1002では、綴じ代領域の分、出力用紙サイズを拡大(綴じ代領域分の追加)し、その後S607に進む。ここで、綴じ代のサイズや位置を、固定値に限定せずに変動させるようにしてもよい。また、実施例2では、綴じ代の領域分、出力用紙サイズが拡大されているが、内部的に紙折りサイズを少し小さめに変更することによって、綴じ代を含めた出力用紙サイズを、ユーザの求める紙折りサイズの整数倍にするようにしてもよい。
【0065】
図11において、図7の例とは異なるのは綴じ代領域1102が追加されている点である。綴じ代領域1103は、印刷物に実際に追加された領域である(ただし、綴じ代を示す線が印字されない)。
【0066】
このように、綴じ代を設けることによって、ユーザは、綴じ代を必要とするバインダ等に印刷物を、所望の紙折りサイズで均等に折り畳んだうえで適切に収めることができる。
【0067】
以上の実施例において、一旦特定した出力用紙サイズを、紙折りサイズの整数倍または紙折りサイズの整数倍に綴じ代領域を加えた分となるように変更するものとした。しかしながら、これに限らず、原稿サイズ(または原稿サイズを変倍させた後のサイズ)と紙折りサイズとから最終的な出力用紙サイズを決定するようにしてもよい。即ち、出力用紙サイズの変更という処理を省略しても構わない。
【0068】
また、以上の実施例において決定した最終的な出力用紙サイズに応じて印刷対象の画像を変倍(拡大または縮小)するようにしてもよい。
【0069】
また、以上の実施例では、PC101(プリンタドライバ104)において最終的な出力用紙サイズを決定する処理を行った。しかしながら、これに限らず、プリンタ102において同様な処理を行うようにしてもよい。プリンタ102において印刷対象の画像データを入力し、プリンタ102において紙折りサイズを指定し、それに従って上述の処理と同様にして出力用紙サイズを決定し、印刷を実行する。このときプリンタ102は内部に図2に示したPC101と同様の構成を備え、PC101と同様にプログラムを実行することにより同様の処理を行う。この場合、プリンタ102が印刷制御装置として機能することになる。
【0070】
また、以上の処理の全てを1つのコンピュータ(CPU)によってのみ実行する必要はなく、複数のコンピュータが連携しながら処理を行うものとしてもよい。また、全ての処理をソフトウェアにより実行する必要はなく、一部または全部を電気回路やASICなどのハードウェアで実現してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定する指定手段と;
印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定する決定手段と;
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
上記指定手段は、折りサイズとして第1の方向及び/または上記第1の方向と直交する第2の方向のサイズを指定し、上記決定手段は上記指定手段により指定された上記第1の方向及び/または上記第2の方向のサイズを整数倍にしたサイズに基づき、印刷対象の画像を印刷させる際のシートの上記第1の方向及び/または上記第2の方向のサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
上記決定手段は、印刷対象の画像のサイズに基づき決定されたシートの出力サイズが上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍であるか判定し、整数倍でないと判定された場合に差分となるサイズ分のデータを追加または削除することによって上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍となるよう印刷対象の画像のサイズに基づき決定されたシートの出力サイズを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
上記差分を識別可能に印刷対象の画像を表示させるプレビュー手段を有することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
綴じ代を設定する設定手段を有し、
上記決定手段は、上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍としたサイズに上記設定手段により設定された綴じ代分のサイズを加えたサイズを印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズとして決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
上記決定手段は、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づきシートを切断させる位置を決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
シートを折り畳む際の折り位置を示す画像及び/またはシートを切断させる位置を示す画像をシートに印刷させる手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定し、
印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷制御装置の各手段をコンピュータにより実現するためのプログラム。
【請求項1】
印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定する指定手段と;
印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定する決定手段と;
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
上記指定手段は、折りサイズとして第1の方向及び/または上記第1の方向と直交する第2の方向のサイズを指定し、上記決定手段は上記指定手段により指定された上記第1の方向及び/または上記第2の方向のサイズを整数倍にしたサイズに基づき、印刷対象の画像を印刷させる際のシートの上記第1の方向及び/または上記第2の方向のサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
上記決定手段は、印刷対象の画像のサイズに基づき決定されたシートの出力サイズが上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍であるか判定し、整数倍でないと判定された場合に差分となるサイズ分のデータを追加または削除することによって上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍となるよう印刷対象の画像のサイズに基づき決定されたシートの出力サイズを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
上記差分を識別可能に印刷対象の画像を表示させるプレビュー手段を有することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
綴じ代を設定する設定手段を有し、
上記決定手段は、上記指定手段により指定された折りサイズの整数倍としたサイズに上記設定手段により設定された綴じ代分のサイズを加えたサイズを印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズとして決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
上記決定手段は、上記指定手段により指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づきシートを切断させる位置を決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
シートを折り畳む際の折り位置を示す画像及び/またはシートを切断させる位置を示す画像をシートに印刷させる手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
印刷対象の画像が印刷されたシートを折り畳む際の折りサイズを指定し、
印刷対象の画像を印刷させる際のシートの出力サイズを、上記指定された折りサイズを整数倍にしたサイズに基づき決定することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷制御装置の各手段をコンピュータにより実現するためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−41419(P2013−41419A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177866(P2011−177866)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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