説明

印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器情報表示装置

【課題】ネットワーク上の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面の更新時に、印刷機器の情報の表示位置をユーザが分からなくなることを防止しつつ、所望の状態に状態が変化した印刷機器にユーザが気付きやすくなる印刷機器情報表示プログラムを提供する。
【解決手段】ネットワーク上の印刷機器から印刷機器の状態に関する情報を取得する手順と、取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識する手順と、ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、印刷機器の情報の一覧における特定の印刷機器の情報の表示位置を変更する手順と、をコンピュータに実行させる印刷機器情報表示プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上に存在する印刷機器の情報を一覧表示するための印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数機種のプリンタに1つのプリンタドライバで対応でき、印刷実行のたびに出力先のプリンタを選択可能な、複数機種共通のプリンタドライバが提案されている(非特許文献1参照)。このプリンタドライバによれば、プリンタ毎に対応するプリンタドライバをPC(Personal Computer)にインストールすることなく、ユーザは、ネットワーク上の複数のプリンタの中から一のプリンタを選択して、印刷の実行を指示することができる。
【0003】
ネットワーク上の複数のプリンタの中から一のプリンタを選択する場合、ネットワーク上に存在するプリンタの一覧が表示画面に表示され、ユーザは、表示画面に表示されるプリンタの一覧の中から一のプリンタを選択する。表示画面には、ネットワーク上の複数のプリンタの情報が、上下方向に並んで表示される。
【0004】
これに関連する技術として、プリンタを選択する際のユーザの利便性を向上する見地から、ネットワーク上のプリンタから種々の情報を取得し、取得された情報に基づいて、表示画面に一覧表示されるプリンタの情報の並び替えを行う技術が知られている(特許文献1,2参照)。この技術によれば、並び替えの基準となる情報をユーザが指定することにより、ユーザが所望する条件に合致するプリンタが一覧の上位に優先的に表示され、ユーザは、一覧の上位に表示されるプリンタの中から、一のプリンタを素早く選択することが可能になる。ネットワーク上のプリンタから取得される情報には、プリンタの性能に関する情報やプリンタの状態に関する情報が含まれる。
【0005】
プリンタの性能に関する情報として、たとえば、プリンタの印刷速度情報が取得される場合、印刷速度の速い順にプリンタの情報が並び替えられる。ユーザは、一覧の上位に表示される印刷速度の速いプリンタの中から、一のプリンタを選択することができる。
【0006】
一方、プリンタの状態に関する情報として、たとえば、エラーの有無を示す情報が取得される場合、エラーが発生していない印刷可能な状態のプリンタが一覧の上位に表示され、エラーが発生していて印刷不可能な状態のプリンタが一覧の下位に表示される。ユーザは、一覧の上位に表示される印刷可能な状態のプリンタの中から、一のプリンタを選択することができる。
【0007】
ところで、プリンタの状態は、時間の経過に伴って変化する。したがって、表示画面の表示中に、特定のプリンタの状態が印刷不可能な状態から印刷可能な状態に変化した場合、特定のプリンタの情報が、印刷可能な状態の他のプリンタの情報と並んで一覧の上位に表示されるように、表示画面が更新されることが好ましい。新たに印刷可能な状態になったプリンタの情報が、印刷可能な状態の他のプリンタの情報と並んで一覧の上位に表示されるようになることにより、新たに印刷可能な状態になったプリンタにユーザが気付きやすくなる。
【0008】
しかしながら、一般的な並び替え処理では、すべてのプリンタの並び替えが行われるため、表示画面に一覧表示されているプリンタの情報の並び順が大きく変わってしまう場合がある。この場合、表示画面の更新前まで把握していたプリンタの情報の表示位置をユーザが分からなくなることがあり、好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−298540号公報
【特許文献2】特開2005−284938号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】HP Universal Print Driver、[online]、ヒューレット・パッカード カンパニー(HP)、インターネット<http://h20338.www2.hp.com/Hpsub/cache/343033-0-0-225-121.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、ネットワーク上の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面の更新時に、更新前まで把握していた印刷機器の情報の表示位置をユーザが分からなくなることを防止しつつ、所望の状態に状態が変化した印刷機器にユーザが気付きやすくなる印刷機器情報表示プログラム、印刷機器情報表示方法、および印刷機器情報表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0013】
(1)ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得する手順(a)と、前記手順(a)において取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識する手順(b)と、前記手順(b)において印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更する手順(c)と、をコンピュータに実行させる印刷機器情報表示プログラム。
【0014】
(2)前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、前記手順(c)において、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする上記(1)に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0015】
(3)前記手順(c)において、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする上記(2)に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0016】
(4)前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0017】
(5)前記手順(a)の前に、前記ネットワーク上の複数の印刷機器から当該各印刷機器の状態に関する情報を取得する手順(d)と、前記手順(d)において取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示する手順(e)と、をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0018】
(6)前記印刷機器情報表示プログラムは、プリンタドライバであり、前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示する手順(f)をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示プログラム。
【0019】
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0020】
(8)ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得するステップ(a)と、前記ステップ(a)において取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識するステップ(b)と、前記ステップ(b)において印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更するステップ(c)と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示方法。
【0021】
(9)前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、前記ステップ(c)において、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする上記(8)に記載の印刷機器情報表示方法。
【0022】
(10)前記ステップ(c)において、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする上記(9)に記載の印刷機器情報表示方法。
【0023】
(11)前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示方法。
【0024】
(12)前記ステップ(a)の前に、前記ネットワーク上の複数の印刷機器から当該各印刷機器の状態に関する情報を取得するステップ(d)と、前記ステップ(d)において取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示するステップ(e)と、をさらに有することを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示方法。
【0025】
(13)前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示するステップ(f)をさらに有することを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示方法。
【0026】
(14)ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識する認識部と、前記認識部により印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更する変更部と、を有することを特徴とする印刷機器情報表示装置。
【0027】
(15)前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、前記変更部は、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更することを特徴とする上記(14)に記載の印刷機器情報表示装置。
【0028】
(16)前記変更部は、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更することを特徴とする上記(15)に記載の印刷機器情報表示装置。
【0029】
(17)前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする上記(14)〜(16)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示装置。
【0030】
(18)前記取得部により取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示する配列部をさらに有することを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示装置。
【0031】
(19)前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示する指示部をさらに有することを特徴とする上記(14)〜(18)のいずれか1つに記載の印刷機器情報表示装置。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、所定の条件に合致するように状態が変化した印刷機器の情報の表示画面内での表示位置が、同じ状態にある他の印刷機器の情報に隣接するように選択的に移動されるため、表示画面の更新時に、一覧表示されている印刷機器の情報の並び順が大きく変わることなく、所定の条件に合致するように状態が変化した印刷機器の情報が同じ状態にある他の印刷機器の隣に表示されるようになる。つまり、ネットワーク上に存在する印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面の更新時に、更新前まで把握していた印刷機器の情報の表示位置をユーザが分からなくなることを防止しつつ、所望の状態に状態が変化した印刷機器にユーザが気付きやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバのプリンタ情報表示機能に関するブロック図である。
【図4】PCのディスプレイに表示されるプリンタ情報一覧画面の一例を示す図である。
【図5】プリンタの状態情報を説明するための図である。
【図6】図1に示されるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示されるPCにより実行されるプリンタ情報表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】プリンタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】図7のステップS103に示される状態情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】状態情報取得後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図11】図7のステップS104に示されるプリンタ情報ソート処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12(A)は、プリンタ情報の全ソート後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図であり、図12(B)は、図12(A)に示されるプリンタ情報テーブルに対応するグループインデックスを示す図である。
【図13】所定時間経過後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図である。
【図14】判断基準テーブルの一例を示す図である。
【図15】図15(A)は、プリンタ情報の並び替えが行われた後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図であり、図15(B)は、図15(A)に示されるプリンタ情報テーブルに対応するグループインデックスを示す図である。
【図16】図15(A)に示されるプリンタ情報テーブルに基づき更新されたプリンタ情報一覧画面の一例を示す図である。
【図17】プリンタ情報の並び替えが行われないプリンタ情報一覧画面の一例を比較例として示す図である。
【図18】判断基準テーブルの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態の印刷システムは、印刷機器情報表示装置としてのPC10と、印刷機器としてのプリンタ20A,20B,20C,20D,20Eとを備える。PC10とプリンタ20A〜20Eとは、ネットワーク50を介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
ネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワークからなる。なお、ネットワーク50に接続される機器の種類および台数は、図1に示される例に限定されない。また、プリンタ20A〜20Eには、MFP(Multi‐Function Peripheral)等の画像形成装置が含まれ得る。
【0038】
図2は、図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。PC10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16、および通信インタフェース17を含み、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0039】
CPU11は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。ハードディスク14は、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムや、各種データを格納する。
【0040】
ディスプレイ15は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力装置16は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。通信インタフェース17は、ネットワーク50を介し他の機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0041】
ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書作成アプリケーションと、プリンタドライバ100(図3参照)とがインストールされている。
【0042】
プリンタドライバ100は、PC10に格納されているOS上にインストールされ、印刷ジョブを生成するプログラムである。本実施形態では、プリンタドライバ100は、印刷時に、後述するプリンタ情報一覧画面200(図4参照)にネットワーク50上のプリンタの情報(以下、プリンタ情報と称する)を一覧表示し、プリンタ情報一覧画面200を用いたユーザの操作に基づいて、複数のプリンタの中から出力先のプリンタを選択することができる。
【0043】
図3は、プリンタドライバのプリンタ情報表示機能に関するブロック図である。なお、図3では、プリンタ情報表示機能以外の機能については図示省略されている。
【0044】
プリンタドライバ100は、ネットワーク上の複数のプリンタのプリンタ情報を表示するための機能を実現するための構成要素として、ネットワーク通信部110、印刷機器データ記憶部120、表示内容生成部130、表示データ記憶部140、および表示制御部150を有している。プリンタドライバ100は、ハードディスク14に格納されており、起動時にRAM13上に読み出されて、CPU11により実行される。これにより、プリンタドライバ100の上記構成要素の機能が発揮される。
【0045】
ネットワーク通信部110は、ネットワーク50を介した通信により各プリンタの状態に関する情報(以下、状態情報と称する)等の情報を取得する。ネットワーク通信部110は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に対応しており、プリンタ20側に設けられたデータベースであるMIB(Management Information Base)から情報を取得する。なお、周知のとおり、MIBはRFC1213により規定されており(MIB−II)、また各社が独自の製品のためにMIBの拡張仕様を作り出すことができる。
【0046】
印刷機器データ記憶部120は、ネットワーク通信部110がプリンタ20A〜20Eから受信した情報を格納するための領域である。印刷機器データ記憶部120は、RAM13内に割り当てられる。
【0047】
表示内容生成部130は、プリンタから取得された状態情報に基づいて、プリンタの状態を示す絵表示であるアイコンを選択する。表示内容生成部130は、予め設定されたアイコンの表示条件(不図示)を参照して、プリンタから取得された状態情報に対応するアイコンを選択し、表示制御部150に対して表示するデータを提供する。
【0048】
表示データ記憶部140は、アイコンのグラフィクスデータおよびアイコンの表示条件を格納するための領域であり、ハードディスク14に割り当てられる。
【0049】
表示制御部150は、表示内容生成部130からの表示データに基づいて、プリンタ情報一覧画面200にアイコン等の情報を表示させる。表示制御部150は、PC10のOSに対して、ディスプレイ15上への表示指示を行う。
【0050】
図4は、PCのディスプレイに表示されるプリンタ情報一覧画面の一例を示す図である。プリンタ情報一覧画面200は、ネットワーク50上のプリンタのプリンタ情報を一覧表示する。プリンタ情報一覧画面200は、機器名表示部210、印刷速度表示部220、ポート表示部230、および状態表示部240を備える。
【0051】
機器名表示部210は、ネットワーク50上のプリンタの名称を示す名称情報を表示する。印刷速度表示部220は、各プリンタの印刷速度を示す印刷速度情報を表示する。ポート表示部230は、各プリンタのIPアドレスを示すIPアドレス情報を表示する。
【0052】
状態表示部240は、各プリンタの状態情報を表示する。本実施形態では、プリンタの状態情報として4つの状態が設定されており、状態表示部240は、4つの状態から選択される1つの状態をプリンタの状態情報として表示する。また、状態表示部240は、プリンタの状態に対応するアイコンを表示する。
【0053】
図5は、プリンタの状態情報を説明するための図である。本実施形態では、プリンタの状態情報として、「印刷可(Ready)」、「警告あり(Warning)」、「エラー(Error)」、および「不明(Unknown)」の4つの状態が予め設定されている。4つの状態には、各状態をユーザが視覚的に認識することを可能にするアイコンがそれぞれ割り当てられている。
【0054】
「印刷可(Ready)」は、プリンタがアイドリング状態、印刷中の状態、またはウォームアップ状態で、かつ、特に何の警告もない状態を意味する。すなわち、「印刷可(Ready)」は、プリンタが不具合なく印刷を実行可能な状態であることを意味する。
【0055】
「警告あり(Warning)」は、プリンタがアイドリング状態、印刷中の状態、またはウォームアップ状態で、かつ、何らかの警告がある状態を意味する。警告は、たとえば、トナーや用紙の残量が所定値以下になっており、印刷中にトナーや用紙切れが起こる可能性があることについての警告である。すなわち、「警告あり(Warning)」は、プリンタが印刷可能な状態ではあるが、印刷中に不具合が発生する可能性があることを意味する。
【0056】
「エラー(Error)」は、プリンタ本体に紙詰まりやトナー・用紙切れ等の不具合が生じており、プリンタが印刷を実行することができない状態を意味する。
【0057】
「不明(Unknown)」は、状態情報の取得に失敗し、プリンタの状態が分からないことを意味する。
【0058】
本実施形態のプリンタ情報一覧画面200では、上記の4つの状態別に複数のプリンタ情報が一覧表示される。言い換えれば、ネットワーク上の複数のプリンタが状態に応じて4つのグループに分類され、グループ別に一覧表示される。本実施形態では、「Ready」、「Warning」、「Error」、および「Unknown」の順番で、上から下に向かって複数のプリンタ情報がプリンタの状態別に一覧表示される。
【0059】
図6は、図1に示されるプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ20A〜20Eは、相互に同様の構成であるため、以下、プリンタ20Aを代表として用いて説明する。
【0060】
プリンタ20Aは、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、操作パネル25、印刷部26、および通信インタフェース27を含み、これらは信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。なお、プリンタ20Aの上記各部のうち、PC10の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0061】
操作パネル25は、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。印刷部26は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、ビットマップ画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0062】
RAM23およびハードディスク24等の記憶部には、印刷ジョブを記憶するための印刷ジョブ記憶部が割り当てられる。
【0063】
また、ハードディスク24は、ネットワーク通信部および制御部に対応するプログラムを格納するためのそれぞれの領域を有する。
【0064】
ネットワーク通信部は、PC10からの要求に応じて、状態情報等の情報を提供する。このため、ネットワーク通信部には、MIBが設けられている。また、ネットワーク通信部は、ネットワーク50上のPCから印刷ジョブを受信する。
【0065】
制御部は、印刷部26への印刷ジョブの提供を制御する。制御部は、印刷部26が印刷処理中でなければ印刷ジョブ記憶部から印刷ジョブを読み出して印刷部26に送信する一方で、印刷処理中であれば印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部に記憶させる。ネットワーク通信部および制御部の機能は、対応するプログラムをCPU21が実行することにより発揮される。
【0066】
なお、PC10およびプリンタ20A〜20Eは、上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0067】
以上のとおり構成される本実施形態の印刷システムでは、PC10のユーザがネットワーク50上のプリンタに印刷の実行を指示する場合、プリンタの状態情報が他のプリンタ情報とともにプリンタ情報一覧画面200に一覧表示される。ユーザは、プリンタ情報一覧画面200に表示される状態情報を参照して、複数のプリンタの中から状態の良い1台のプリンタを選択することができる。以下、図7〜図18を参照して、図1に示されるPC10の動作について説明する。
【0068】
図7は、図1に示されるPCにより実行されるプリンタ情報表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、図7のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、PC10のハードディスク14にプログラムとして記憶されており、CPU11によって実行される。
【0069】
プリンタ情報表示処理では、まず、プリンタドライバが起動される(ステップS101)。たとえば、ユーザ操作により、文書作成アプリケーションの印刷画面上でプリンタドライバ100が選択されることにより、プリンタドライバ100が起動される。
【0070】
次に、プリンタが検索される(ステップS102)。本実施形態では、ネットワーク50上に存在するプリンタが検索される。プリンタが検索されることにより、プリンタのIPアドレス情報や名称情報が取得される。取得された情報に基づいて、プリンタ情報テーブルが生成される。
【0071】
図8は、プリンタ情報テーブルの一例を示す図である。プリンタ情報テーブル300は、インデックス番号情報、IPアドレス情報、名称情報、および印刷速度情報を含む。
【0072】
インデックス番号情報は、ネットワーク上で発見されたプリンタに対して順次に割り当てられるインデックス番号を示す情報である。IPアドレス情報、名称情報、および印刷速度情報は、各プリンタのIPアドレス、名称、および印刷速度をそれぞれ示す情報である。プリンタ情報テーブル300は、RAM13等の記憶部に一時的に記憶される。
【0073】
次に、状態情報取得処理が実行される(ステップS103)。本実施形態では、ステップS102に示す処理でインデックス番号が割り当てられた各プリンタから、状態情報が取得される。
【0074】
図9は、図7のステップS103に示される状態情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【0075】
状態情報取得処理では、まず、インデックス番号が「1」に設定される(ステップS201)。本実施形態では、プリンタ情報テーブル300に情報が保存されている各プリンタから順次に状態情報を取得するために、インデックス番号が「1」に設定される。
【0076】
次に、状態情報が取得される(ステップS202)。本実施形態では、現在のインデックス番号に対応するプリンタから状態情報が取得される。具体的には、プリンタ情報テーブル300が参照され、対応するプリンタのIPアドレスにネットワーク経由で接続することにより、プリンタからの状態情報の取得が試みられる。なお、プリンタへの接続時に使用されるIPアドレスには、ユーザ操作により入力されたIPアドレスが用いられ得る。本実施形態では、上述した「Ready」、「Warning」、および「Error」の3つの状態のいずれか1つに対応する数値情報が、状態情報として取得される。
【0077】
次に、状態情報の取得に成功したか否かが判断される(ステップS203)。状態情報の取得に成功していないと判断される場合(ステップS203:NO)、ステップS206の処理に移行する。
【0078】
一方、状態情報の取得に成功したと判断される場合(ステップS203:YES)、状態情報が正常値であるか否かが判断される(ステップS204)。本実施形態では、プリンタから状態情報として取得された数値情報が示す数値が、正常値であるか否かが判断される。
【0079】
状態情報が正常値であると判断される場合(ステップS204:YES)、状態情報が保存される(ステップS205)。本実施形態では、ステップS202に示す処理で取得された数値情報に対応する状態情報が、プリンタ情報テーブル300に保存される。
【0080】
一方、状態情報が正常値ではないと判断される場合(ステップS204:NO)、または、ステップS203に示す処理で状態情報の取得に成功していないと判断される場合(ステップS203:NO)、状態情報「不明」が保存される(ステップS206)。
【0081】
次に、インデックス番号がプリンタの台数以上であるか否かが判断される(ステップS207)。本実施形態では、インデックス番号が、ネットワーク上で発見されたプリンタの台数(たとえば、11)以上であるか否かが判断される。
【0082】
インデックス番号がプリンタの台数以上でないと判断される場合(ステップS207:NO)、インデックス番号が「1」増加され(ステップS208)、ステップS202の処理に戻る。ステップS202以下の処理が繰り返されることにより、すべてのプリンタから状態情報が取得される。
【0083】
一方、インデックス番号がプリンタの台数以上であると判断される場合(ステップS207:YES)、処理が終了される。
【0084】
図10は、状態情報取得後のプリンタ情報テーブル300を示す図である。状態情報取得後のプリンタ情報テーブル300には、「Ready」、「Warning」、「Error」、およひ「Unknown」の中から選択される状態情報が付加されている。
【0085】
次に、プリンタ情報ソート処理が実行される(ステップS104)。本実施形態では、ステップS103に示す処理で取得された各プリンタの状態情報に基づいて、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び替えが行われる。具体的には、プリンタドライバ100の起動直後の場合には、複数のプリンタ情報がプリンタの状態別にプリンタ情報一覧画面200に一覧表示されるように、プリンタ情報テーブル300におけるすべてのプリンタ情報の並び替えが行われる。一方、プリンタドライバ100の起動後所定時間(たとえば、10秒)経過している場合には、状態が良くなる変化が認識されたプリンタのプリンタ情報のプリンタ情報一覧画面200内での表示位置のみが変更されるように、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び替えが行われる。ステップS104に示されるプリンタ情報ソート処理についての詳細な説明は後述する。
【0086】
次に、アイコンが選択される(ステップS105)。本実施形態では、プリンタ情報一覧画面200にプリンタ情報とともに表示されるアイコン(図5参照)が、プリンタの状態情報に基づいて選択される。
【0087】
次に、プリンタ情報一覧画面200が更新される(ステップS106)。本実施形態では、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び順にしたがって、PC10のディスプレイ15に表示されるプリンタ情報一覧画面200が更新される。上述したとおり、プリンタドライバ100の起動直後の場合には、複数のプリンタ情報がプリンタの状態別に一覧表示されるように、プリンタ情報一覧画面200が更新される。一方、プリンタドライバ100の起動後所定時間経過している場合には、状態が良くなる変化が認識されたプリンタのプリンタ情報の表示位置のみが変更されるように、プリンタ情報一覧画面200が更新される。
【0088】
次に、プリンタ情報一覧画面200を閉じるか否かが判断される(ステップS107)。たとえば、プリンタ情報一覧画面200において一のプリンタ情報が選択され、OKボタンが押下される場合、プリンタ情報一覧画面200を閉じると判断される。
【0089】
プリンタ情報一覧画面200を閉じないと判断される場合(ステップS107:NO)、所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS108)。たとえば、ステップS106に示す処理が実行されてから10秒経過したか否かが判断される。
【0090】
所定時間が経過していないと判断される場合(ステップS108:NO)、所定時間が経過するまで待機する。一方、所定時間が経過したと判断される場合(ステップS108:YES)、ステップS103の処理に戻る。ステップS103以下の処理が繰り返されることにより、ネットワーク上のプリンタから状態情報が繰り返し取得され、プリンタ情報一覧画面200が繰り返し更新される。
【0091】
一方、ステップS107に示す処理において、プリンタ情報一覧画面200を閉じると判断される場合(ステップS107:YES)、処理が終了される。
【0092】
以上のとおり、図7に示されるフローチャートの処理によれば、まず、ネットワーク上のプリンタが検索され、プリンタから状態情報が取得される。次に、プリンタ情報一覧画面200に、ネットワーク上のプリンタのプリンタ情報の一覧がプリンタの状態別に表示される。そして、所定の時間間隔(たとえば、10秒間隔)で、プリンタから状態情報を取得する処理が繰り返し行われ、プリンタ情報一覧画面200が繰り返し更新される。
【0093】
次に、図11を参照して、図7のステップS104に示されるプリンタ情報ソート処理の詳細について説明する。
【0094】
図11は、図7のステップS104に示されるプリンタ情報ソート処理の手順を示すフローチャートである。
【0095】
プリンタ情報ソート処理では、まず、プリンタ検索直後であるか否かが判断される(ステップS301)。本実施形態では、図7のステップS102に示す処理の直後(すなわち、プリンタドライバ100の起動直後)であるか、または、所定時間(たとえば、10秒)経過後であるかが判断される。
【0096】
プリンタ検索直後でないと判断される場合(ステップS301:NO)、ステップS305の処理に移行する。
【0097】
一方、プリンタ検索直後であると判断される場合(ステップS301:YES)、プリンタ情報の全ソートが行われる(ステップS302)。本実施形態では、プリンタの状態情報に基づいて、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び順が変更される。具体的には、プリンタの状態別に複数のプリンタ情報が配列されるように、各プリンタのインデックス番号が変更される。このとき、グループインデックスが生成される。
【0098】
そして、プリンタ情報テーブルおよびグループインデックスが保存される(ステップS303,S304)。
【0099】
図12(A)は、プリンタ情報の全ソート後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図であり、図12(B)は、図12(A)に示されるプリンタ情報テーブルに対応するグループインデックスを示す図である。
【0100】
図12(A)に示されるとおり、プリンタ情報の全ソート後のプリンタ情報テーブル300では、プリンタの状態別に複数のプリンタ情報が配列されている。具体的には、状態が「Ready」であるプリンタD,J,H,K、状態が「Warning」であるプリンタI,B,G,E,F、および状態が「Error」であるプリンタA,Cに対して、インデックス番号1〜4、5〜9、および10,11がそれぞれ割り当てられている。
【0101】
グループインデックス400は、同じ状態にあるプリンタのインデックス番号のうち最大のインデックス番号を示す。図12(B)に示されるとおり、グループインデックス400では、「Ready」については「4」が設定され、「Warning」については「9」が設定される。「Error」および「Unknown」については、「11」が設定される。
【0102】
以上のとおり、図11のステップS301〜S304に示す処理によれば、ネットワーク上に存在するプリンタから取得される状態情報に基づいて、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び替えが行われる。その結果、プリンタ情報テーブル300のインデックス番号にしたがって、図4に示されるようなプリンタ情報一覧画面200が表示される。図4に示されるとおり、プリンタドライバ100の起動直後に表示されるプリンタ情報一覧画面200では、ネットワーク上の複数のプリンタのプリンタ情報が、プリンタの状態別に一覧表示される。一覧の上位には、状態が「Ready」であるプリンタD,J,H,Kのプリンタ情報が表示され、その下には、状態が「Warning」であるプリンタI,B,G,E,Fのプリンタ情報が表示される。一覧の下位には、状態が「Error」であるプリンタA,Cのプリンタ情報が表示される。
【0103】
一方、ステップS301に示す処理において、プリンタ検索直後でないと判断される場合(ステップS301:NO)、インデックス番号が「1」に設定される(ステップS305)。
【0104】
次に、現在のプリンタ情報テーブルと直前のプリンタ情報テーブルとが比較される(ステップS306)。本実施形態では、現在のインデックス番号に対応するプリンタについて、現在のプリンタ情報テーブルにおける状態情報と直前のプリンタ情報テーブルにおける状態情報とが比較される。具体的には、たとえば、プリンタドライバ100の起動時のプリンタ情報テーブルにおける状態情報と、プリンタドライバ100の起動時点から10秒経過後のプリンタ情報テーブルにおける状態情報とが比較される。
【0105】
図13は、所定時間経過後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図である。図13に示されるプリンタ情報テーブル300では、プリンタJの状態が「Ready」から「Warning」に変化し、プリンタCの状態が「Error」から「Ready」に変化している。ステップS306に示す処理では、特定のプリンタについて、たとえば、図13に示されるプリンタ情報テーブル300における状態情報と、図12(A)に示されるプリンタ情報テーブル300における状態情報とが比較される。
【0106】
次に、状態が良くなる変化があったか否かが判断される(ステップS307)。本実施形態では、予め設定されている判断基準テーブルに基づいて、ステップS306の処理におけるプリンタ情報テーブルの比較結果から、プリンタの状態が良くなる変化があったか否かが判断される。
【0107】
図14は、判断基準テーブルの一例を示す図である。判断基準テーブル500では、丸印で示された状態変化が、状態が良くなる変化と判断される。具体的には、本実施形態の判断基準テーブル500では、プリンタの状態が「Ready」以外から「Ready」に変化した場合に、状態が良くなる変化があったと判断される。一方、それ以外の変化は、状態が良くなる変化ではないと判断される。
【0108】
たとえば、図12(A)に示されるプリンタ情報テーブル300と図13に示されるプリンタ情報テーブル300とが比較される場合、プリンタCについて、プリンタの状態が良くなる変化があったと判断される。一方、プリンタJについては、プリンタの状態が良くなる変化があったとは判断されない。
【0109】
ステップS307に示す処理において、状態が良くなる変化があったと判断されない場合(ステップS307:NO)、ステップS310の処理に移行する。
【0110】
一方、状態が良くなる変化があったと判断される場合(ステップS307:YES)、プリンタの挿入箇所が変更される(ステップS308)。本実施形態では、プリンタ情報一覧画面200において、「Ready」以外から「Ready」への状態変化が認識された特定のプリンタのプリンタ情報が、「Ready」に属する他のプリンタのプリンタ情報と並んで一覧の上位に表示されるように、プリンタ情報テーブル300における特定のプリンタのプリンタ情報の位置が変更される。具体的には、特定のプリンタのインデックス番号が、グループインデックス400において「Ready」のプリンタに対して設定されているインデックス番号(図12では、4)に「1」を加えたインデックス番号に変更される。
【0111】
次に、グループインデックスが更新される(ステップS309)。本実施形態では、ステップS308に示す処理の結果にしたがって、グループインデックス400が更新される。
【0112】
そして、インデックス番号がプリンタの台数以上であるか否かが判断される(ステップS310)。インデックス番号がプリンタの台数以上でないと判断される場合(ステップS310:NO)、インデックス番号が「1」増加され(ステップS311)、ステップS306の処理に戻る。ステップS306以下の処理が繰り返されることにより、すべてのプリンタについて状態が良くなる変化があったか否かが判断され、状態が良くなる変化が認識されたプリンタについて、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の位置が変更される。
【0113】
一方、インデックス番号がプリンタの台数以上であると判断される場合(ステップS310:YES)、処理が終了される。
【0114】
以上のとおり、図11のステップS305〜S311に示す処理によれば、ネットワーク上のプリンタについて、状態が良くなる変化があったか否かが判断され、状態が良くなる変化が認識されたプリンタのプリンタ情報が、同じ状態にある他のプリンタのプリンタ情報と隣接して表示されるように、プリンタ情報テーブル300におけるプリンタ情報の並び順が変更される。
【0115】
図15(A)は、プリンタ情報の並び替えが行われた後のプリンタ情報テーブルの一例を示す図であり、図15(B)は、図15(A)に示されるプリンタ情報テーブルに対応するグループインデックスを示す図である。
【0116】
図15(A)に示されるとおり、本実施形態では、状態が「Error」から「Ready」に変化したプリンタCのプリンタ情報が、「Ready」に属する複数のプリンタのプリンタ情報の一番下に位置するように配列が変更されている。より具体的には、インデックス番号1〜5が割り当てられている状態が「Ready」であるプリンタのうちインデックス番号「5」の位置に、プリンタCの位置が変更されている。なお、プリンタJのプリンタ情報は、元の位置に維持される。
【0117】
図16は、図15(A)に示されるプリンタ情報テーブルに基づき更新されたプリンタ情報一覧画面の一例を示す図である。図16に示されるプリンタ情報一覧画面200は、図4に示されるプリンタ情報一覧画面200が更新されたものである。
【0118】
図16に示されるとおり、プリンタ情報一覧画面200では、図4に示されるプリンタ情報一覧画面200において一覧の一番下に表示されていたプリンタCのプリンタ情報が上から5番目に表示されるように表示位置が変更されている。一方、プリンタJのプリンタ情報の表示位置は変更されずに維持される。すなわち、新たに「Ready」に属するようになったプリンタCのプリンタ情報のみプリンタ情報一覧画面200における表示位置が変更されている。
【0119】
図17は、プリンタ情報の並び替えが行われないプリンタ情報一覧画面の一例を比較例として示す図である。
【0120】
図17に示されるとおり、比較例では、状態が良好に変化したプリンタCのプリンタ情報が、一覧の一番下に表示されたままである。したがって、ユーザは、プリンタCの状態が良好な状態に変化したことに気付かないおそれがある。特に、ユーザがスクロールバーを動かさなければプリンタCのプリンタ情報を確認することができない場合、ユーザが、プリンタCの状態が良好な状態に変化したことに気付かない可能性が高い。
【0121】
一方、上述したとおり、本実施形態によれば、状態が良好に変化したプリンタCのプリンタ情報が、一覧の上位に表示されるように、プリンタCのプリンタ情報の表示位置が変更されるため、ユーザは、プリンタCの状態が良好な状態に変化したことに気付きやすくなる。さらに、状態が良好に変化したプリンタのプリンタ情報のみ表示位置が変更されるようにプリンタ情報の並び順が変更されるため、一般的な並び替え処理と比べ、プリンタ情報一覧画面200において移動されるプリンタ情報の数が少なく、所定の時間間隔でプリンタ情報一覧画面200が自動的に更新される場合であっても、ユーザは、特定のプリンタのプリンタ情報を見失ったり、所望しないプリンタのプリンタ情報を誤って選択してしまったりすることがない。
【0122】
つまり、ネットワーク上に存在するプリンタのプリンタ情報がプリンタの状態別に一覧表示されているプリンタ情報一覧画面200の更新時に、更新前まで把握していたプリンタ情報の表示位置をユーザが分からなくなることを防止しつつ、所望の状態に状態が変化したプリンタにユーザが気付きやすくなる。
【0123】
また、本実施形態によれば、「Error」から「Ready」に状態が変化したプリンタCのプリンタ情報が、「Ready」に属するプリンタのプリンタ情報の中で一番下に表示されるようにプリンタ情報の並び順が変更されるため、「Ready」に属する他のプリンタのプリンタ情報の表示位置が変更されない。したがって、更新前まで把握していたプリンタ情報の表示位置をユーザが分からなくなることがより確実に防止される。
【0124】
また、本実施形態によれば、「Ready」等の文字列とともにアイコンが表示されるため、ユーザは、文字列を読み取ることなく、アイコンから感覚的にプリンタの状態を認識することが可能になる。
【0125】
本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0126】
たとえば、上記実施形態では、「Ready」以外から「Ready」への状態変化が認識されたプリンタについて、プリンタ情報の表示位置が変更された。しかしながら、たとえば、図18に示されるとおり、状態別に優先順位が設定され、優先順位の高い状態にプリンタの状態が変化した場合に、プリンタ情報の表示位置が変更されてもよい。図18では、たとえば、特定のプリンタについて、「Error」から「Warning」への状態変化が認識された場合、特定のプリンタのプリンタ情報が、「Warning」に属する他のプリンタのプリンタ情報に隣接する位置に移動される。
【0127】
また、上記実施形態では、「Ready」、「Warning」、「Error」、および「Unknown」の4つの状態別にプリンタが一覧表示された。しかしながら、プリンタの状態に関する情報は、これらに限定されるものではなく、各プリンタの混雑度(待ち時間)に関する情報、および、プリンタに搭載されている用紙やトナーの残量を示す残量情報等の時間の経過に伴って変化する種々の情報が含まれる。
【0128】
ネットワーク上のプリンタから混雑度に関する情報を取得する場合、たとえば、プリンタにおいて実行中および待機中の印刷ジョブの数が「0」の状態を第1の状態とし、印刷ジョブの数が「1〜5」の状態を第2の状態とし、印刷ジョブの数が6以上の状態を第3の状態とする。そして、第1の状態以外から第1の状態への状態変化が認識された特定のプリンタについて、特定のプリンタのプリンタ情報が、第1の状態にある他のプリンタのプリンタ情報に隣接して一覧の上位に表示されるように、プリンタ情報の表示位置が変更される。なお、混雑度に関する情報としては、印刷ジョブの数の他に、印刷部数や印刷ページ数が挙げられる。
【0129】
さらに、ネットワーク上のプリンタから用紙の残量情報を取得する場合、プリンタの用紙残量情報と、プリンタドライバにおいて実行を指示しようとしている印刷ジョブの印刷ページ数とが比較され、エラーが発生する可能性がないプリンタが、一覧の上位に表示されるように構成されてもよい。
【0130】
さらに、複数の状態を組み合わせて、プリンタ情報の並び替えが行われてもよい。具体的には、一覧の上位に表示される「Ready」に属する複数のプリンタ情報の中で、さらに、プリンタにおいて実行中および待機中の印刷ジョブの数が「0」であるプリンタのプリンタ情報が最上位に表示される。
【0131】
また、上記実施形態では、所定の時間間隔でプリンタ情報の並び替えが行われた。しかしながら、上記処理は、所定の時間間隔で実行される場合に限定されるものではなく、たとえば、ユーザによりプリンタ情報一覧画面の更新が指示された場合に、プリンタ情報の並び替えが行われてもよい。
【0132】
本実施形態にかかる印刷機器情報表示装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、印刷機器情報表示装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0133】
10 PC、
11,21 CPU、
12,22 ROM、
13,23 RAM、
14,24 ハードディスク、
15 ディスプレイ、
16 入力装置、
17,27 通信インタフェース、
18,28 バス、
20A〜20E プリンタ、
25 操作パネル、
26 印刷部、
50 ネットワーク、
100 プリンタドライバ、
200 プリンタ情報一覧画面、
300 プリンタ情報テーブル、
400 グループインデックス、
500 判断基準テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得する手順(a)と、
前記手順(a)において取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識する手順(b)と、
前記手順(b)において印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更する手順(c)と、
をコンピュータに実行させる印刷機器情報表示プログラム。
【請求項2】
前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、
前記手順(c)において、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする請求項1に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項3】
前記手順(c)において、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする請求項2に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項4】
前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、
前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項5】
前記手順(a)の前に、
前記ネットワーク上の複数の印刷機器から当該各印刷機器の状態に関する情報を取得する手順(d)と、
前記手順(d)において取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示する手順(e)と、をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項6】
前記印刷機器情報表示プログラムは、プリンタドライバであり、
前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示する手順(f)をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示プログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得するステップ(a)と、
前記ステップ(a)において取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識するステップ(b)と、
前記ステップ(b)において印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更するステップ(c)と、
を有することを特徴とする印刷機器情報表示方法。
【請求項9】
前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、
前記ステップ(c)において、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする請求項8に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項10】
前記ステップ(c)において、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置が変更されることを特徴とする請求項9に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項11】
前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、
前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項12】
前記ステップ(a)の前に、
前記ネットワーク上の複数の印刷機器から当該各印刷機器の状態に関する情報を取得するステップ(d)と、
前記ステップ(d)において取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示するステップ(e)と、をさらに有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項13】
前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示するステップ(f)をさらに有することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示方法。
【請求項14】
ネットワーク上の印刷機器から当該印刷機器の状態に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報により定まる印刷機器の状態が所定の条件に合致する状態に変化したことを認識する認識部と、
前記認識部により印刷機器の状態が変化したことが認識された場合、前記ネットワーク上の複数の印刷機器の情報が印刷機器の状態別に一覧表示されている表示画面において、前記状態の変化が認識された特定の印刷機器の情報が、前記所定の条件に合致する状態にある他の印刷機器の情報に隣接して表示されるように、前記印刷機器の情報の一覧における前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更する変更部と、
を有することを特徴とする印刷機器情報表示装置。
【請求項15】
前記表示画面は、前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報が前記一覧の上位に表示されるように構成されており、
前記変更部は、前記特定の印刷機器の情報が前記他の印刷機器の情報に隣接して前記一覧の上位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更することを特徴とする請求項14に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項16】
前記変更部は、前記特定の印刷機器の情報が、前記一覧の上位に表示される前記所定の条件に合致する状態にある印刷機器の情報のうち最下位に表示されるように、前記特定の印刷機器の情報の表示位置を変更することを特徴とする請求項15に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項17】
前記印刷機器の状態には、当該状態に応じて異なる絵表示が割り当てられており、
前記表示画面には、前記印刷機器の状態に対応する絵表示が前記印刷機器の情報とともに表示されることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項18】
前記取得部により取得された情報により定まる印刷機器の状態別に、前記複数の印刷機器の情報を前記表示画面に一覧表示する配列部をさらに有することを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示装置。
【請求項19】
前記表示画面に表示される複数の印刷機器の情報の中からユーザにより選択された情報に対応する一の印刷機器に印刷ジョブの実行を指示する指示部をさらに有することを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の印刷機器情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−59003(P2012−59003A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201349(P2010−201349)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】