説明

印刷装置、印刷方法、印刷プログラム及び記録媒体

【課題】様々な印刷ジョブに対応して、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザの認証を行う認証手段を有する印刷装置1であって、所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定する判定手段と、判定手段において判定された判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する実行手段と、を有することによって上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法、印刷プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス内に設置されたプリンタ等の共有のオフィス機器について利用者を制限したり、利用者又は利用部門にオフィス機器の使用状況に応じた課金を行ったりしたいという要求が存在する。
【0003】
従来は、このような要求を解決するため、例えばプリンタと、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCという)側に導入したソフトウェアと、の組み合わせによって利用者を制限するサービスを提供していた(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
また、課金については専用の課金装置等を用いたりしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の方法では、利用者の制限と、課金管理と、が効率的に行なわれていない問題があった。
【0006】
このような問題を解決するため、例えばプリンタ等のオフィス機器に認証を行う認証手段を設け、印刷ジョブに付加されたユーザ認証情報等に基づいて、認証手段においてユーザ認証を行い、該ユーザ認証と、認証済みユーザの権限と、の考えに基づいて利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に行うようにしてもよい。
【0007】
しかし、PCでのプリンタ向けの印刷ジョブの生成においては、通常、プリンタドライバと呼ばれるプリンタベンダの提供するモジュールが用いられるため、上述したような印刷ジョブへのユーザ認証情報等の付加は、プリンタドライバによって行われることとなる。
【0008】
しかしながら、CAD(Computer Aided Design)アプリケーションや、PDF(Portable Document Format)による直接印刷を行うアプリケーションや、汎用機によって構成されたシステム等、印刷ジョブを生成する部分(モジュール)が、プリンタベンダ以外によって作成されることも多く、このような場合、印刷ジョブに対して、ユーザ認証情報等の付加は、必ずしも容易ではない問題があった。
【0009】
したがって、従来のプリンタ等では、CADアプリケーションや、PDFによる直接印刷を行うアプリケーションや、汎用機によって構成されたシステム等に対しては、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することができない問題があった。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、様々な印刷ジョブに対応して、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、上記問題を解決するため、本発明は、ユーザの認証を行う認証手段を有する印刷装置であって、所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において判定された判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する実行手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ユーザの認証を行う認証手段を有する印刷装置であって、所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段において判定された判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する実行手段と、を有することにより、様々な印刷ジョブに対応して、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することができる。
【0013】
また、上記課題を解決するための手段として、印刷方法、印刷プログラム及び記録媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、様々な印刷ジョブに対応して、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】プリンタの機能構成図である。
【図2】印刷ジョブを示す図である。
【図3】アドレス帳の一例を示す図である。
【図4】印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その1)である。
【図5】ジョブ履歴格納部に格納されているジョブ履歴情報の一例を示す図である。
【図6】ゲストジョブを示す図(その1)である。
【図7】NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その1)である。
【図8】印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その2)である。
【図9】ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その1)である。
【図10】印刷中画面の一例を示す図である。
【図11】ジョブリセット確認画面の一例を示す図である。
【図12】認証及びプリンタ操作許可処理を示すフローチャートである。
【図13】ログインユーザー名及びログインパスワード入力画面の一例を示す図である。
【図14】エラー画面を示す図(その1)である。
【図15】エラー画面を示す図(その2)である。
【図16】操作確認画面を示す図(その1)である。
【図17】操作確認画面を示す図(その2)である。
【図18】文書蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】蓄積文書操作画面の一例を示す図である。
【図20】蓄積文書印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】蓄積文書選択画面を示す図(その1)である。
【図22】蓄積文書選択画面を示す図(その2)である。
【図23】ゲストジョブを示す図(その2)である。
【図24】印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その3)である。
【図25】アドレス帳の概念図(その1)である。
【図26】アドレス帳の概念図(その2)である。
【図27】ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その2)である。
【図28】NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その2)である。
【図29】ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その3)である。
【図30】NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その3)である。
【図31】ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その4)である。
【図32】NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その4)である。
【図33】ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は、プリンタの機能構成図である。図1に示されるように、プリンタ1は、通信部11と、印刷データ解析部12と、ユーザ認証管理部13と、制御・文書管理部14と、画像形成部15と、印刷実行部16と、印刷エンジン17と、操作部18と、画像形成情報格納部122と、印刷制御情報格納部121と、アドレス帳131と、蓄積文書格納部141と、ジョブ履歴格納部142と、NVRAM143と、を含む。
【0018】
通信部11は、プリンタ1と、ホストコンピュータ2と、の通信を制御する通信部である。図1に示されるように、プリンタ1は、ホストコンピュータ2と、USBI/F、IEEE1284I/F、NetworkI/F等を介して、接続されている。例えばホストコンピュータ2のプリンタドライバ等で作成された印刷ジョブは、通信部11において受信される。
【0019】
印刷データ解析部12は、印刷ジョブ等の印刷に係るデータを解析する解析部であって、例えば印刷ジョブを解析した結果、後述するような印刷制御情報21や画像形成情報22を、印刷制御情報格納部121や画像形成情報格納部122に格納する。
【0020】
なお、印刷制御情報21は、例えば後述する図2に示すような認証情報以外に、例えば給紙トレイ、排紙先、用紙サイズ、ステープル、両面等の機能指示に係る情報を含む。また、画像形成情報22は、印刷イメージを作成するための情報であって、PDL(Page Description Language)によって記述されており、例えば後述する図2に示すように、PDLを識別するPDL種を含む。ホストコンピュータ2は、用途によって異なるPDLによって記述された画像形成情報22を作成し、プリンタ1に送信する。
【0021】
また、印刷データ解析部12は、印刷ジョブ等の印刷に係るデータを解析した結果、印刷制御情報21に、例えばユーザ名(ログインID)とパスワード等の認証情報が含まれていると判定すると、該認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡す。
【0022】
ユーザ認証情報管理部13は、例えば、アドレス帳131等に格納されているユーザ名やパスワード等の認証情報と、操作部18又は印刷データ解析部12より渡されたユーザ名やパスワード等の認証情報と、に基づいて、ユーザの認証を行ったり、認証結果や、認証が成功した場合は該ユーザが可能な操作(例えば、印刷、初期設定の変更等)を、印刷データ解析部12に返したりする。
【0023】
なお、アドレス帳131に格納されている情報の詳細は、後述する図3等に示す。また、認証情報として、ユーザ名と、パスワードとの組み合わせを用いて説明を行ったが、他のものであってもよい。また、ユーザ認証情報管理部13において、実際の認証を行うものとして説明を行ったが、ユーザ認証情報管理部13は認証を行わず、実際の認証はプリンタ1とネットワークを介して接続された外部の認証サーバ等において行うようにしてもよい。
【0024】
印刷データ解析部12は、例えば印刷ジョブ中に認証情報が存在しない場合は、該印刷ジョブをゲストジョブとして、該印刷ジョブがゲストジョブであることを表す値を印刷制御情報21に含め、印刷制御情報格納部121に格納する。なお、印刷制御情報格納部121に格納されている印刷制御情報21の例を、後述する図4、図8等に示す。
【0025】
制御・文書管理部14は、蓄積文書格納部141に文書を蓄積したり、要求に応じて、蓄積文書格納部141に格納されている文書を画像形成部15に渡したりする等、蓄積文書の管理を行う共に、印刷実行部16が実行したジョブの履歴情報をジョブ履歴格納部142に格納する等のジョブ履歴の管理を行う。なお、ジョブ履歴格納部142に格納されているジョブの履歴情報の例を、後述する図5に示す。
【0026】
制御・文書管理部14は、例えば印刷制御情報格納部121に格納されている印刷制御情報21を参照し、該当する印刷ジョブが認証に成功し、且つ印刷権限を有する印刷ジョブであった場合は、画像形成部15に、イメージを生成するよう指示する。
【0027】
また、制御・文書管理部14は、印刷制御情報格納部121に格納されている印刷制御情報21を参照し、該当するジョブがゲストジョブであった場合は、プリンタ1のNVRAM143に格納されている設定ファイル等を参照し、ゲストジョブを許す設定、例えば設定ファイルの項目「ゲストによる印刷を可能にする?」の値が「する」だった場合は、画像形成部15に、イメージを生成するよう指示し、ゲストジョブを許さない設定、例えば設定ファイルの項目「ゲストによる印刷を可能にする?」の値が「しない」だった場合は、ジョブを破棄する。なお、NVRAM143に格納されている設定ファイルの一例は、後述する図7等に示す。
【0028】
制御・文書管理部14は、操作部18を介してユーザから指示があった場合は、NVRAM143に格納されている設定ファイルの値を変更する。
【0029】
画像形成部15は、画像を形成する形成部であって、例えば制御・文書管理部14からの指示に基づいて、画像形成情報格納部122に格納されている画像形成情報22に基づいて、印刷に使用するイメージを生成する。画像形成部15は、生成したイメージを必要に応じて印刷実行部16に渡す。例えば、画像形成部15は、該当するジョブがゲストジョブであった場合は、ゲストジョブに対して許可されている機能(例えば、白黒の印刷)を提供可能なイメージを生成する。
【0030】
印刷実行部16は、印刷を実行する実行部であって、例えば、画像形成部15から渡されたイメージを、印刷エンジン17を用いて印刷物として出力する。印刷エンジン17は、印刷を行うエンジン部である。
【0031】
また、印刷実行部16は、例えば、画像形成部15から渡されたイメージを、制御・文書蓄積部14に渡し、蓄積文書としての保存を要求する。また、印刷実行部16は、印刷の成否や、印刷ユーザ情報、ページ数などのジョブ履歴に係る情報を、制御・文書蓄積部14に渡し、ジョブ履歴情報としての保存を要求する。
【0032】
操作部18は、ユーザと、プリンタ1の本体制御と、の情報伝達手段であって、例えば操作パネル等を制御する。例えば、操作部18は、ユーザのキー操作イベントをプリンタ1の本体制御に通知する処理、GUIを構築するためのライブラリ関数等を手供する処理、構築されたGUI情報を管理する処理、構築されたGUIをオペレーションパネル上に表示反映する処理等を行う。
【0033】
操作部18は、後述する図10、図11、図13、図14、図15、図16、図17、図19、図21、図22等に示されるようなGUIを例えばオペレーションパネル上に表示して、ユーザが入力したユーザ名やパスワード等の認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡したり、認証結果を含むGUIを作成し、オペレーションパネル上に表示したり、制御・文書管理部14を介して、印刷制御情報21を参照し、現在印刷中のジョブの情報や、蓄積文書格納部141に格納されている蓄積文書のリストを含むGUIを作成し、オペレーションパネル上に表示したりする。
【0034】
以下、印刷ジョブの一例を、図2に示す。図2は、印刷ジョブを示す図である。
【0035】
図2に示されるように、印刷ジョブは、例えば、ジョブ開始マークと、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、ジョブ終了マークと、を含む。また、印刷制御情報21は、例えばユーザ名と、パスワードと、から成る認証情報を含み、画像形成情報22は、PDLを識別するPDL種を含む。
【0036】
印刷データ解析部12は、図2に示されるような印刷ジョブを解析した結果、有効な印刷ジョブであると判定すると、印刷制御情報21や画像形成情報22を、印刷制御情報格納部121や画像形成情報格納部122に格納する。
【0037】
以下、アドレス帳131に格納されている情報の一例を、図3に示す。図3は、アドレス帳の一例を示す図である。
【0038】
図3に示されるように、アドレス帳131は、「ログインID」と、「パスワード」と、「表示名」と、「印刷」と、「管理者?」と、「当月利用枚数」と、を項目として含む。
【0039】
ログインIDには、ログインIDが格納されている。また、パスワードには、パスワードが格納されている。また、表示名には、表示名が格納されている。また、印刷には、印刷が可能か不可能かの情報が格納されている。また、管理者?には、管理者か否かの情報が格納されている。また、当月利用枚数には、印刷の当月利用枚数が格納されている。
【0040】
例えばユーザ認証管理部13は、図2に示したような認証情報を印刷データ解析部12から渡されると、該認証情報と、アドレス帳131に格納されているログインID及びパスワードとを比較して、認証を行ったり、ユーザが入力したログインユーザー名及びログインパスワードを操作部18から渡されると、該ログインユーザー名及びログインパスワードと、アドレス帳131に格納されているログインID及びパスワードとを比較して、認証を行ったりする。
【0041】
また、制御・文書管理部14は、印刷エンジン17等を用いて印刷を行った情報(枚数)を、アドレス帳131に格納したりする。アドレス帳131に格納されている当月利用枚数等は、課金管理のサービス等に利用することができる。
【0042】
以下、印刷制御情報格納部121に格納されている情報の一例を、図4に示す。図4は、印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その1)である。
【0043】
図4に示されるように、印刷制御情報格納部121に格納されている情報は、項目と、値と、を含み、項目は、「所有者ID」と、「所有者表示名称」と、「印刷部数」と、「ページ数」と、「両面」と、「ステープル」と、「文書蓄積」と、「ゲストジョブ?」と、を含む。
【0044】
上述したように、印刷データ解析部12は、図2に示されるような印刷ジョブを解析した結果、有効な印刷ジョブであると判定すると、印刷制御情報21を、印刷制御情報格納部121に格納する。なお、図4には図示していないが、図4に示される情報は、ジョブ毎に印刷制御情報格納部121に格納されているものとする。以下においても同様である。
【0045】
以下、ジョブ履歴格納部142に格納されているジョブ履歴情報の一例を、図5に示す。図5は、ジョブ履歴格納部に格納されているジョブ履歴情報の一例を示す図である。
【0046】
図5に示されるように、ジョブ履歴格納部142に格納されているジョブ履歴情報は、項目と、値と、を含み、項目は、印刷制御情報格納部121に格納されている情報から引き継ぐ項目として、「所有者ID」と、「所有者表示名称」と、「印刷部数」と、「ページ数」と、「両面」と、「ステープル」と、「文書蓄積」と、「ゲストジョブ?」と、を含み、また、印刷処理結果を示す項目として、「印刷結果」と、「総印刷部数」と、「総印刷ページ数」と、「紙詰まりによる破棄用紙枚数」と、を含む。なお、図5には図示していないが、図5に示される情報は、ジョブ毎にジョブ履歴格納部142に格納されているものとする。
【0047】
以下、ゲストジョブの一例を、図6に示す。図6は、ゲストジョブを示す図(その1)である。
【0048】
図6に示されるジョブは、図2に示したジョブに比べて、印刷制御情報21に、認証情報が含まれていない。
【0049】
図6に示されるように、印刷制御情報21中に認証情報が含まれていない場合、例えば印刷データ解析部12は、後述する図7に示すようなNVRAM143に設定されているゲストジョブを許可するか否かの情報を参照し、ゲストジョブが許可されていると判定すると、図6に示すようなジョブをゲストジョブとして、ゲストジョブであることを示すフラグ(YES)を、項目「ゲストジョブ?」の値として印刷制御情報格納部121に格納する。
【0050】
以下、NVRAM143に設定されている情報の一例を、図7を用いて説明する。図7は、NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その1)である。
【0051】
図7に示されるように、NVRAM143に設定されている情報は、項目と、値と、を含み、項目は、「ゲストジョブを許可する?」を含む。
【0052】
例えば、プリンタ1の管理者は、操作部18等を介して、NVRAM143に設定されている項目「ゲストジョブを許可する?」の値を、する又はしない、に設定することによって、ゲストジョブを許可するか否かを設定する。
【0053】
ゲストジョブを許可するか否かを設定可能なことにすることによって、例えば特に高機能なプリンタは、ゲストジョブを許可せず、安全性を高める一方、通常のプリンタは、ゲストジョブを許可して、例えば、印刷制御情報21に認証情報を付加することが出来ないクライアント(端末)に対しても、機能が制限された印刷等に係るサービスを提供することができる。
【0054】
以下、印刷制御情報格納部121に格納されている情報の他の例を、図8に示す。図8は、印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その2)である。
【0055】
図8に示される印刷制御情報格納部121に格納されている情報は、図4に示した印刷制御情報格納部121に格納されている情報に比べて、所有者IDと、所有者表示名称と、の値が格納されていない。これは、図6に示したように、ゲストジョブには認証情報が含まれていないためである。また、図8に示される印刷制御情報格納部121に格納されている情報は、図4に示した印刷制御情報格納部121に格納されている情報に比べて、項目「ゲストジョブ?」の値がYESとなっている。
【0056】
以下、印刷制御情報格納部121の項目「ゲストジョブ?」に値を設定する等の、ゲストジョブ設定処理の一例を、図9を用いて説明する。図9は、ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その1)である。
【0057】
ステップS20において、印刷データ解析部12は、通信部11を介して受け取った印刷ジョブを解析して、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、に分離する。
【0058】
ステップS20に続いてステップS21に進み、印刷データ解析部12は、印刷制御情報21から認証情報を抽出する。
【0059】
ステップS21に続いてステップS22に進み、印刷データ解析部12は、ステップS21における認証情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS22においてYES)、ステップS23に進み、認証情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS22においてNO)、ステップS24に進む。
【0060】
ステップS23では、印刷データ解析部12が、ステップS21において抽出した認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡して認証を要求する。
【0061】
一方、ステップS24では、印刷データ解析部12が、NVRAM143等に設定されている情報の項目「ゲストジョブを許可する?」の値を参照し、ゲストジョブが許可されているか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブが許可されていると判定すると(ステップS24においてYES)、ステップS25に進み、ゲストジョブが許可されていないと判定すると(ステップS24においてNO)、ステップS26に進む。
【0062】
ステップS25では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、ゲストジョブとして情報を格納する(図8参照)。
【0063】
一方、ステップS26では、印刷データ解析部12が、ゲストジョブが許可されていないとして、ジョブを破棄する。
【0064】
一方、ステップS23に続いてステップS27に進み、印刷データ解析部12は、認証が成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証が成功したと判定すると(ステップS27においてYES)、ステップS28に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS27においてNO)、ステップS29に進む。例えば印刷データ解析部12は、ユーザ認証管理部13が、認証が成功した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が成功したと判定し、ユーザ認証管理部13が、認証が失敗した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が失敗したと判定する。
【0065】
ステップS28では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、認証が成功した印刷ジョブとして、情報を格納する(図4参照)。
【0066】
一方、ステップS29では、印刷データ解析部12が、認証が失敗した印刷ジョブとして、ジョブを破棄する。
【0067】
図9に示したような処理を行うことによって、ゲストジョブが許可されている場合、プリンタ1は、印刷制御情報21に認証情報が含まれていないジョブをゲストジョブとして、例えば印刷制御情報格納部121等にゲストジョブとして値(例えばYES)を、対応する情報の項目に設定することができる。このように、ゲストジョブを設定することによって、例えば、CADアプリケーションや、PDFによる直接印刷を行うアプリケーションや、汎用機によって構成されたシステム等、認証情報を、印刷制御情報21に含めることが困難なクライアントに対しても、例えば、白黒の印刷だけは許可する等、機能を制限し、印刷等に係るサービスを提供することができる。
【0068】
また、ゲストジョブを設定することによって、利用者制限を行わずに課金管理を行う場合、特別な設定(例えば、印刷制御情報21に認証情報を含めるとの設定)をしていない端末からのジョブは、ゲスト扱いで課金すると言ったような課金管理を行うことができる。
【0069】
なお、ゲストジョブに対しては、プリンタ1を操作する権限を有するユーザであれば、誰でも蓄積されている文書の閲覧や処理を可能にしてもよい。
【0070】
以下、印刷中のジョブをリセットする、ジョブリセットに係る認証及びプリンタ操作許可処理の一例を、図10から図17を用いて説明する。図10は、印刷中画面の一例を示す図である。
【0071】
操作部18は、文書の印刷中、例えば図10に示されるような印刷中画面200を作成し、オペレーションパネル上に表示する。ここで、図10に示されるような印刷中画面200において、ジョブリセットボタン201がユーザによって押された旨のイベントを受け取ると、操作部18は、図11に示されるようなジョブリセット確認画面210を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0072】
図11は、ジョブリセット確認画面の一例を示す図である。図11に示されるように、ジョブリセット確認画面210は、印刷中ジョブ消去ボタン211等を含む。
【0073】
以下、ジョブリセットに係る、認証及びプリンタ操作許可処理の一例を、図12に示す。図12は、認証及びプリンタ操作許可処理を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS30において、操作部18は、図11に示されるようなジョブリセット確認画面210において、印刷中ジョブ消去ボタン211がユーザによって押された旨のインベントを受け取ると、図13に示されるようなログインユーザー名及びログインパスワード入力画面220を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0075】
図13は、ログインユーザー名及びログインパスワード入力画面の一例を示す図である。図13に示されるように、ログインユーザー名及びログインパスワード入力画面220は、ログインユーザー名を入力するログインユーザー名入力エリアや、ログインパスワードを入力するログインパスワード入力エリア、実行ボタン221等を含む。
【0076】
図12において、ステップS30に続いてステップS31に進み、操作部18は、図13に示されるようなログインユーザー名及びログインパスワード入力画面220において、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されて実行ボタン221がユーザによって押されたか否かを判定する。操作部18は、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されて実行ボタン221がユーザによって押されたと判定すると(ステップS31においてYES)、ステップS32に進み、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されていない又は入力されていても実行ボタン221が押されていないと判定すると(ステップS31においてNO)、ステップS31の処理を繰り返す。
【0077】
ステップS32において、操作部18を介して、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、ログインパスワードと、を受け取った制御・文書管理部14は、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、をユーザ認証管理部13に渡して、認証を要求する。
【0078】
ステップS32に続いてステップS33に進み、制御・文書管理部14は、認証が成功したか否かを判定する。制御・文書管理部14は、認証が成功したと判定すると(ステップS33においてYES)、ステップS35に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS33においてNO)、ステップS34に進む。
【0079】
ステップS34では、制御・文書管理部14より、認証が失敗した旨の情報を受け取った操作部18が、図14に示されるような認証が失敗した旨のエラー画面230を作成し、オペレーションパネル上に表示する。図14は、エラー画面を示す図(その1)である。
【0080】
一方、図12のステップS35では、制御・文書管理部14が、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、消去しようとしている印刷中のジョブの所有者とが、一致するか否かを判定する。制御・文書管理部14は、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、消去しようとしている印刷中のジョブの所有者とが、一致すると判定すると(ステップS35においてYES)、ステップS39に進み、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、消去しようとしている印刷中のジョブの所有者とが、一致しないと判定すると(ステップS35においてNO)、ステップS36に進む。
【0081】
例えば、制御・文書管理部14は、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、印刷制御情報格納部121に格納されている対応する情報の項目「所有者ID」の値と、を比較して、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、消去しようとしている印刷中のジョブの所有者とが、一致するか否かを判定する。
【0082】
ステップS36では、制御・文書管理部14が、消去しようとしている印刷中のジョブがゲストジョブか否かを判定する。制御・文書管理部14は、消去しようとしている印刷中のジョブがゲストジョブであると判定すると(ステップS36においてYES)、ステップS38に進み、消去しようとしている印刷中のジョブがゲストジョブでないと判定すると(ステップS36においてNO)、ステップS37に進む。
【0083】
例えば、制御・文書管理部14は、印刷制御情報格納部121に格納されている対応する情報の項目「ゲストジョブ?」の値を参照し、処理対象となっているジョブがゲストジョブか否かを判定する。
【0084】
ステップS37では、制御・文書管理部14より、印刷中のジョブがゲストジョブでない旨の情報を受け取った操作部18が、図15に示されるような、機能(ジョブリセット機能)を利用する権限がない旨のエラー画面240を作成し、オペレーションパネル上に表示する。図15は、エラー画面を示す図(その2)である。
【0085】
一方、図12のステップS38では、制御・文書管理部14より、印刷中のジョブがゲストジョブである旨の情報を受け取った操作部18が、図16に示されるような操作確認画面250を作成し、オペレーションパネル上に表示する。図16は、操作確認画面を示す図(その1)である。図16に示されるように、ゲストジョブを一般のユーザが操作する場合には、情報の一部がマスクされて表示される。このように、プリンタ1を操作する権限があるユーザに対しては、ゲストジョブのジョブリセットや後述する蓄積文書の印刷等、一定の操作を保証するにしても、一部の情報を遮断することで安全性を高めることができる。
【0086】
一方、図12のステップS39では、制御・文書管理部14より、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、消去しようとしている印刷中のジョブの所有者とが、一致する旨の情報を受け取った操作部18が、図17に示されるような操作確認画面250を作成し、オペレーションパネル上に表示する。図17は、操作確認画面を示す図(その2)である。図17に示されるように、所有者が印刷ジョブを操作する場合には、図16と比べて、情報がマスクされず、画面に表示される。
【0087】
以下、文書の蓄積処理の一例を、図18に示す。図18は、文書蓄積処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
例えば、図9に示したようなゲストジョブ設定処理の後、制御・文書管理部14は、ステップS70において、処理対象となっているジョブはゲストジョブか否かを判定する。制御・文書管理部14は、処理対象となっているジョブがゲストジョブであると判定すると(ステップS70においてYES)、ステップS72に進み、処理対象となっているジョブがゲストジョブでないと判定すると(ステップS70においてNO)、ステップS71に進む。
【0089】
例えば、制御・文書管理部14は、印刷制御情報格納部121に格納されている対応する情報の項目「ゲストジョブ?」の値を参照し、処理対象となっているジョブがゲストジョブか否かを判定する。
【0090】
ステップS71では、制御・文書管理部14が、処理対象となっているジョブの文書を蓄積するか否かを判定する。制御・文書管理部14は、処理対象となっているジョブの文書を蓄積すると判定すると(ステップS71においてYES)、ステップS72に進み、処理対象となっているジョブの文書を蓄積しないと判定すると(ステップS71においてNO)、処理を終了する。例えば文書の蓄積を行わないジョブは、画像形成部15等に渡され、印刷が実行される。
【0091】
例えば、制御・文書管理部14は、印刷制御情報格納部121に格納されている対応する情報の項目「文書蓄積」の値を参照し、文書を蓄積するか否かを判定する。
【0092】
ステップS72では、制御・文書管理部14が、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、を併せて、文書として蓄積文書格納部141に格納する。
【0093】
図18に示したような文書蓄積処理を行うことによって、例えばゲストジョブの文書は、常にプリンタ1に蓄積することができる。
【0094】
以下、蓄積文書の印刷処理を、図19から図22を用いて説明する。図19は、蓄積文書操作画面の一例を示す図である。
【0095】
操作部18は、ユーザから要求に応じて、図19に示されるような蓄積文書操作画面260を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0096】
図20は、蓄積文書印刷処理の一例を示すフローチャートである。ステップS80において、操作部18は、図19に示されるような蓄積文書操作画面260において、文書印刷ボタン261がユーザによって押された旨のイベントを受け取ると、図13に示したようなログインユーザー名及びログインパスワード入力画面220を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0097】
ステップS80に続いてステップS81に進み、操作部18は、図13に示されるようなログインユーザー名及びログインパスワード入力画面220において、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されて実行ボタン221がユーザによって押されたか否かを判定する。操作部18は、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されて実行ボタン221がユーザによって押されたと判定すると(ステップS81においてYES)、ステップS82に進み、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、がユーザによって入力されていない又は入力されていても実行ボタン221が押されていないと判定すると(ステップS81においてNO)、ステップS81の処理を繰り返す。
【0098】
ステップS82において、操作部18を介して、ユーザによって入力されたログインユーザー名と、ログインパスワードと、を受け取った制御・文書管理部14は、ログインユーザー名と、ログインパスワードと、をユーザ認証管理部13に渡して、認証を要求する。
【0099】
ステップS82に続いてステップS83に進み、制御・文書管理部14は、認証が成功したか否かを判定する。制御・文書管理部14は、認証が成功したと判定すると(ステップS83においてYES)、ステップS85に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS33においてNO)、ステップS84に進む。
【0100】
ステップS84では、制御・文書管理部14より、認証が失敗した旨の情報を受け取った操作部18が、図14に示されるような認証が失敗した旨のエラー画面230を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0101】
一方、図20のステップS85では、操作部18が、ユーザによって入力されたログインユーザー名の蓄積文書と、ゲストジョブの蓄積文書と、を含むリストを作成すると共に、該作成したリストを含む図21に示すような蓄積文書選択画面270を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0102】
図21は、蓄積文書選択画面を示す図(その1)である。図21に示されるように、蓄積文書選択画面270は、蓄積文書のリストや、印刷継続ボタン271等を含む。
【0103】
図20において、ステップS85に続いてステップS86に進み、操作部18は、図21に示されるような蓄積文書選択画面270において、蓄積文書が選択され、印刷継続ボタン271がユーザによって押されたか否かを判定する。操作部18は、蓄積文書が選択され、印刷継続ボタン271がユーザによって押されたと判定すると(ステップS86においてYES)、ステップS87に進み、ユーザによって蓄積文書が選択されていない又は蓄積文書が選択されていても印刷継続ボタン271が押されていないと判定すると(ステップS86においてNO)、ステップS86の処理を繰り返す。
【0104】
ステップS87では、操作部18を介して、ユーザが指定した蓄積文書を識別する文書ID等を受け取った制御・文書管理部14は、該文書IDに基づいて、蓄積文書格納部141より蓄積文書(例えば、印刷制御情報21と、画像形成情報22と)を取得する。
【0105】
ステップS87に続いてステップS88に進み、制御・文書管理部14は、ステップS87において取得した印刷制御情報の所有者IDを、ユーザによって入力されたログインユーザー名に書き換える。
【0106】
ステップS88に続いてステップS89に進み、制御・文書管理部14は、所有者IDを書き替えた印刷制御情報21と、画像形成情報22と、を例えば画像形成部15に渡して、印刷処理の実行を要求する。
【0107】
ステップS89に続いてステップS90に進み、印刷実行部17等より印刷結果等を受け取った制御・文書管理部14は、所有者IDを書き替えた印刷制御情報21と、印刷結果と、を基に、ジョブ履歴格納部142に、ジョブ履歴情報を格納する。
【0108】
図20等に示した処理を行うことによって、蓄積文書の印刷(又は再印刷)については、印刷指示を行ったユーザのジョブとすることができ、ゲストジョブの蓄積文書についても、課金管理や、エラー管理の対象とすることができる。
【0109】
なお、図20のステップS83において、認証が成功した旨及び、ユーザによって入力されたログインユーザー名及びログインパスワードが管理者のものである旨の情報をユーザ認証管理部13より受け取った場合、制御・文書管理部14は、該情報を操作部18に渡し、ステップS85において、操作部18は、図22に示すような蓄積文書選択画面280を作成し、オペレーションパネル上に表示する。
【0110】
図22は、蓄積文書選択画面を示す図(その2)である。図22に示される蓄積文書選択画面280は、図21に示した蓄積文書選択画面270に比べて、一括印刷ボタン272が含まれている。
【0111】
ユーザがプリンタ1の管理者であった場合、図22に示されるような画面をオペレーションパネル上に表示することによって、管理者は、例えば蓄積文書が大量にあり、それらを一度に印刷したいような場合であっても、一括印刷ボタン272を用いてリストに表示されている蓄積文書の一括印刷をプリンタ1に指示することができる。
【0112】
一括印刷ボタン272が押された旨のイベントを、操作部18を介して受け取った制御・文書管理部14は、図20のステップS87においてリストに含まれる文書ID全てに基づいて、蓄積文書格納部141より蓄積文書(例えば、印刷制御情報21と、画像形成情報22と)を取得し、図20のステップS88以下の処理を実行する。
【0113】
(実施例2)
実施例1では、図6に示したように、印刷ジョブに認証情報が含まれていないものをゲストジョブとする例を用いて説明を行ったが、以下、図23に示すように、ゲストジョブであることを明示的に示す識別情報等を印刷制御情報21に含めるようにしてもよい。以下、実施例2では、実施例1とは異なる点について説明を行う。
【0114】
図23は、ゲストジョブを示す図(その2)である。図23に示されるジョブには、上述したように、ゲストジョブであることを明示的に表すゲストジョブ識別情報「GUEST=TRUE」(又は「TRUE」)が含まれている。
【0115】
図23に示されるようなジョブを受け取ると、印刷データ解析部12は、図7に示すようなNVRAM143に設定されているゲストジョブを許可するか否かの情報を参照し、ゲストジョブが許可されていると判定すると、図23に示すようなジョブをゲストジョブとして、ゲストジョブであることを示すフラグ(YES)を、項目「ゲストジョブを許可する?」の値として印刷制御情報格納部121に格納する。
【0116】
以下、印刷制御情報格納部121に格納されている情報の他の例を、図24に示す。図24は、印刷制御情報格納部に格納されている情報の例を示す図(その3)である。
【0117】
図24に示される印刷制御情報格納部121に格納されている情報は、図8に示した印刷制御情報格納部121に格納されている情報に比べて、所有者IDと、所有者表示名称と、の値が格納されている。これは、図23に示したように、実施例2のゲストジョブには認証情報が含まれているからである。
【0118】
このように、ゲストジョブに所有者の情報が含まれることによって、ジョブの扱いはゲストジョブとして、例えば誰にでも閲覧や、再印刷等の処理を可能にするものの、オペレーションパネルに表示する画面では、例えば図17に示すように、所有者の情報(認証情報)を基に、名前やユーザID等を表示したり、印刷枚数の管理では、所有者の情報を基に、管理したりすることが可能となる。
【0119】
以下、実施例1の場合の印刷枚数の管理を、図25を用いて説明する。図25は、アドレス帳の概念図(その1)である。
【0120】
図25に示されるように、実施例1の場合は、ゲストジョブに認証情報が含まれないため、ゲストが例えば印刷を行うと、ログインID「Guest」の行の当月利用枚数が例えば42から53にカウントアップされる。
【0121】
以下、実施例2の場合の印刷枚数の管理を、図26を用いて説明する。図26は、アドレス帳の概念図(その2)である。
【0122】
図26に示されるように、実施例2の場合は、ゲストジョブに認証情報が含まれるため、ゲストジョブとして印刷が行われても、認証情報に含まれる、例えばログインID「Taro」の行の当月利用枚数が例えば238から259にカウントアップされる。
【0123】
以下、印刷制御情報格納部121の項目「ゲストジョブ?」に値を設定する等の、ゲストジョブ設定処理の他の例を、図27を用いて説明する。図27は、ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その2)である。
【0124】
ステップS100において、印刷データ解析部12は、通信部11を介して受け取った印刷ジョブを解析して、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、に分離する。
【0125】
ステップS100に続いてステップS101に進み、印刷データ解析部12は、印刷制御情報21からゲストジョブ識別情報を抽出する。
【0126】
ステップS101に続いてステップS102に進み、印刷データ解析部12は、ステップS101におけるゲストジョブ識別情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブ識別情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS102においてYES)、ステップS103に進み、ゲストジョブ識別情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS102においてNO)、ステップS105に進む。
【0127】
ステップS103では、印刷データ解析部12が、NVRAM143等に設定されている情報の項目「ゲストジョブを許可する?」の値を参照し、ゲストジョブが許可されているか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブが許可されていると判定すると(ステップS103においてYES)、ステップS104に進み、ゲストジョブが許可されていないと判定すると(ステップS103においてNO)、ステップS105に進む。
【0128】
ステップS104では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、ゲストジョブとして情報を格納する(図24参照)。
【0129】
一方、ステップS105では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報21から認証情報を抽出する。
【0130】
ステップS105に続いてステップS106に進み、印刷データ解析部12は、ステップS105における認証情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS106においてYES)、ステップS107に進み、認証情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS106においてNO)、ステップS109に進む。
【0131】
ステップS107では、印刷データ解析部12が、ステップS106において抽出した認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡して認証を要求する。
【0132】
ステップS107に続いてステップS108に進み、印刷データ解析部12は、認証が成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証が成功したと判定すると(ステップS108においてYES)、ステップS110に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS108においてNO)、ステップS109に進む。例えば印刷データ解析部12は、ユーザ認証管理部13が、認証が成功した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が成功したと判定し、ユーザ認証管理部13が、認証が失敗した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が失敗したと判定する。
【0133】
ステップS109では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0134】
一方、ステップS110では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、認証が成功した印刷ジョブとして、情報を格納する(図4参照)。
【0135】
図27に示したような処理を行うことによって、ゲストジョブが許可されている場合、プリンタ1は、印刷ジョブにゲストジョブ識別情報が含まれているジョブをゲストジョブとして、例えば印刷制御情報格納部121等にゲストジョブとして値(例えばYES)を、対応する情報の項目に設定することができる。
【0136】
(実施例3)
実施例1では、図6に示したように、印刷ジョブに認証情報が含まれていないものをゲストジョブとする例を用いて説明を行った。また、実施例2では、図23に示したように、印刷ジョブにゲストジョブ識別情報が含まれているものをゲストジョブとする例を用いて説明を行った。しかしながら、実施例1のゲストジョブの条件、「印刷ジョブに認証情報が含まれていない」又は実施例2のゲストジョブの条件、「印刷ジョブにゲストジョブ識別情報が含まれている」に、ジョブを受け取ったI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fとして設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブを判定するようにしてもよい。
【0137】
但し、以下では説明の簡略化のため、プリンタ1は、実施例1のゲストジョブの条件、「印刷ジョブに認証情報が含まれていない」に、新たに、ジョブを受け取ったI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fとして設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブを判定するものとして説明を行う。なお、このことは本発明の実施を制限するものではない。以下、実施例3では、実施例1及び/又は実施例2とは異なる点について説明を行う。
【0138】
以下、NVRAM143に設定されている情報の他の例を、図28を用いて説明する。図28は、NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その2)である。
【0139】
図28に示されるように、NVRAM143に設定されている情報は、項目と、値と、を含み、項目は、「ゲストジョブを許可する?」と、「ゲスト扱いにするI/F」と、を含む。項目「ゲスト扱いにするI/F」の値には、例えば、「指定しない」とか、「IEEE1284」とか、「IEEE1394」等が格納されている。
【0140】
例えばプリンタ1の管理者は、操作部18等を介して、NVRAM143に設定されている項目「ゲスト扱いにするI/F」の値を、設定することができる。
【0141】
以下、印刷制御情報格納部121の項目「ゲストジョブ?」に値を設定する等の、ゲストジョブ設定処理の他の例を、図29を用いて説明する。図29は、ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その3)である。
【0142】
ステップS120において、印刷データ解析部12は、通信部11を介して受け取った印刷ジョブを解析して、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、に分離する。
【0143】
ステップS120に続いてステップS121に進み、印刷データ解析部12は、印刷制御情報21から認証情報を抽出する。
【0144】
ステップS121に続いてステップS122に進み、印刷データ解析部12は、ステップS121における認証情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS122においてYES)、ステップS123に進み、認証情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS122においてNO)、ステップS127に進む。
【0145】
ステップS123では、印刷データ解析部12が、ステップS121において抽出した認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡して認証を要求する。
【0146】
ステップS123に続いてステップS124に進み、印刷データ解析部12は、認証が成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証が成功したと判定すると(ステップS124においてYES)、ステップS125に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS124においてNO)、ステップS126に進む。例えば印刷データ解析部12は、ユーザ認証管理部13が、認証が成功した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が成功したと判定し、ユーザ認証管理部13が、認証が失敗した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が失敗したと判定する。
【0147】
ステップS125では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、認証が成功した印刷ジョブとして、情報を格納する(図4参照)。
【0148】
一方、ステップS126では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0149】
また、ステップS127では、印刷データ解析部12が、NVRAM143等に設定されている情報の項目「ゲストジョブを許可する?」の値を参照し、ゲストジョブが許可されているか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブが許可されていると判定すると(ステップS127においてYES)、ステップS128に進み、ゲストジョブが許可されていないと判定すると(ステップS127においてNO)、ステップS130に進む。
【0150】
ステップS128では、印刷データ解析部12が、通信部11等から受け取った、該印刷ジョブをホストコンピュータ2等から受け取ったI/Fと、NVRAM143に設定されている情報の項目「ゲスト扱いにするI/F」の値と、に基づいて、該印刷ジョブを受け取ったI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fか否かを判定する。印刷データ解析部12は、該印刷ジョブを受け取ったI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fであると判定すると(ステップS128においてYES)、ステップS129に進み、該印刷ジョブを受け取ったI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fでないと判定すると(ステップS128においてNO)、ステップS130に進む。
【0151】
ステップS129では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、ゲストジョブとして情報を格納する(図8参照)。
【0152】
一方、ステップS130では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0153】
図29に示したように、ゲストジョブとすることを、所定のI/Fを介して受け取ったジョブに限定することによって、実施例1や実施例2に比べて、ゲストジョブを受付ける状況を、想定している範囲に限定することができる。
【0154】
(実施例4)
実施例3では、実施例1又は実施例2のゲストジョブの判定条件に、ジョブをホストコンピュータ2等から受け取った際のI/Fが、ゲスト扱いにするI/Fとしてプリンタ1に設定されている否かの判定条件を加えて、ゲストジョブか否かの判定を行う例を用いて説明を行った。しかしながら、実施例1又は実施例2のゲストジョブの判定条件に、ネットワークを介してジョブを受け取った際のホストコンピュータ2等のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスとしてプリンタ1に設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0155】
但し、以下では説明の簡略化のため、プリンタ1は、実施例1のゲストジョブの条件、「印刷ジョブに認証情報が含まれていない」に、新たに、ジョブを受け取った際のクライアント(例えばホストコンピュータ2)のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスとして設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブを判定するものとして説明を行う。なお、このことは本発明の実施を制限するものではない。以下、実施例4では、実施例1や、実施例2、実施例3とは異なる点について説明を行う。
【0156】
以下、NVRAM143に設定されている情報の他の例を、図30を用いて説明する。図30は、NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その3)である。
【0157】
図30に示されるように、NVRAM143に設定されている情報は、項目と、値と、を含み、項目は、「ゲストジョブを許可する?」と、「ゲスト扱いにする装置」と、を含む。項目「ゲスト扱いにする装置」の値には、例えば、「指定しない」とか、「192.168.○○.××.」等のIPアドレスが格納されている。
【0158】
例えばプリンタ1の管理者は、操作部18等を介して、NVRAM143に設定されている項目「ゲスト扱いにする装置」の値を、設定することができる。
【0159】
以下、印刷制御情報格納部121の項目「ゲストジョブ?」に値を設定する等の、ゲストジョブ設定処理の他の例を、図31を用いて説明する。図31は、ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その4)である。
【0160】
ステップS140において、印刷データ解析部12は、通信部11を介して受け取った印刷ジョブを解析して、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、に分離する。
【0161】
ステップS140に続いてステップS141に進み、印刷データ解析部12は、印刷制御情報21から認証情報を抽出する。
【0162】
ステップS141に続いてステップS142に進み、印刷データ解析部12は、ステップS141における認証情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS142においてYES)、ステップS143に進み、認証情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS142においてNO)、ステップS147に進む。
【0163】
ステップS143では、印刷データ解析部12が、ステップS141において抽出した認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡して認証を要求する。
【0164】
ステップS143に続いてステップS144に進み、印刷データ解析部12は、認証が成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証が成功したと判定すると(ステップS144においてYES)、ステップS145に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS144においてNO)、ステップS146に進む。例えば印刷データ解析部12は、ユーザ認証管理部13が、認証が成功した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が成功したと判定し、ユーザ認証管理部13が、認証が失敗した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が失敗したと判定する。
【0165】
ステップS145では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、認証が成功した印刷ジョブとして、情報を格納する(図4参照)。
【0166】
一方、ステップS146では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0167】
また、ステップS147では、印刷データ解析部12が、NVRAM143等に設定されている情報の項目「ゲストジョブを許可する?」の値を参照し、ゲストジョブが許可されているか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブが許可されていると判定すると(ステップS147においてYES)、ステップS148に進み、ゲストジョブが許可されていないと判定すると(ステップS147においてNO)、ステップS150に進む。
【0168】
ステップS148では、印刷データ解析部12が、通信部11等から受け取った、該印刷ジョブを、ネットワークを介してホストコンピュータ2等から受け取った際に取得したIPアドレスと、NVRAM143に設定されている情報の項目「ゲスト扱いにする装置」の値と、に基づいて、該印刷ジョブを受け取った際に取得したホストコンピュータ2等のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスか否かを判定する。印刷データ解析部12は、該印刷ジョブを受け取った際に取得したホストコンピュータ2等のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスであると判定すると(ステップS148においてYES)、ステップS149に進み、該印刷ジョブを受け取った際に取得したホストコンピュータ2等のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスでないと判定すると(ステップS148においてNO)、ステップS150に進む。
【0169】
ステップS149では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、ゲストジョブとして情報を格納する(図8参照)。
【0170】
一方、ステップS150では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0171】
図31に示したように、ゲストジョブとすることを、所定のホストコンピュータ2等から受け取ったジョブに限定することによって、実施例1や実施例2に比べて、ゲストジョブを受付ける状況を、想定している範囲に限定することができる。
【0172】
(実施例5)
実施例4では、実施例1又は実施例2のゲストジョブの判定条件に、ネットワークを介してジョブを受け取った際のホストコンピュータ2等のIPアドレスが、ゲスト扱いにするIPアドレスとしてプリンタ1に設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブか否かの判定を行う例を用いて説明を行った。しかしながら、実施例1又は実施例2のゲストジョブの判定条件に、画像形成情報22に含まれるPDL種が、ゲスト扱いにするPDL種(又はプリンタ言語)としてプリンタ1に設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0173】
但し、以下では説明の簡略化のため、プリンタ1は、実施例1のゲストジョブの条件、「印刷ジョブに認証情報が含まれていない」に、新たに、画像形成情報22に含まれるPDL種が、ゲスト扱いにするPDL種としてプリンタ1に設定されているか否かの判定条件を加えて、ゲストジョブを判定するものとして説明を行う。なお、このことは本発明の実施を制限するものではない。以下、実施例5では、実施例1や、実施例2、実施例3、実施例4とは異なる点について説明を行う。
【0174】
以下、NVRAM143に設定されている情報の他の例を、図32を用いて説明する。図32は、NVRAMに設定されている情報の例を示す図(その4)である。
【0175】
図32に示されるように、NVRAM143に設定されている情報は、項目と、値と、を含み、項目は、「ゲストジョブを許可する?」と、「ゲスト扱いにするプリンタ言語」と、を含む。項目「ゲスト扱いにするプリンタ言語」の値には、例えば、「指定しない」とか、「PCL」、「RPDL」等のプリンタ言語(PDL種)が格納されている。
【0176】
例えばプリンタ1の管理者は、操作部18等を介して、NVRAM143に設定されている項目「ゲスト扱いにするプリンタ言語」の値を、設定することができる。
【0177】
以下、印刷制御情報格納部121の項目「ゲストジョブ?」に値を設定する等の、ゲストジョブ設定処理の他の例を、図33を用いて説明する。図33は、ゲストジョブ設定処理を示すフローチャート(その5)である。
【0178】
ステップS160において、印刷データ解析部12は、通信部11を介して受け取った印刷ジョブを解析して、印刷制御情報21と、画像形成情報22と、に分離する。
【0179】
ステップS160に続いてステップS161に進み、印刷データ解析部12は、印刷制御情報21から認証情報を抽出する。
【0180】
ステップS161に続いてステップS162に進み、印刷データ解析部12は、ステップS161における認証情報の抽出が、成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証情報の抽出に成功したと判定すると(ステップS162においてYES)、ステップS163に進み、認証情報の抽出に失敗したと判定すると(ステップS162においてNO)、ステップS167に進む。
【0181】
ステップS163では、印刷データ解析部12が、ステップS161において抽出した認証情報を、ユーザ認証管理部13に渡して認証を要求する。
【0182】
ステップS163に続いてステップS164に進み、印刷データ解析部12は、認証が成功したか否かを判定する。印刷データ解析部12は、認証が成功したと判定すると(ステップS164においてYES)、ステップS165に進み、認証が失敗したと判定すると(ステップS164においてNO)、ステップS166に進む。例えば印刷データ解析部12は、ユーザ認証管理部13が、認証が成功した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が成功したと判定し、ユーザ認証管理部13が、認証が失敗した旨の応答を印刷データ解析部12に返すと、認証が失敗したと判定する。
【0183】
ステップS165では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、認証が成功した印刷ジョブとして、情報を格納する(図4参照)。
【0184】
一方、ステップS166では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0185】
また、ステップS167では、印刷データ解析部12が、NVRAM143等に設定されている情報の項目「ゲストジョブを許可する?」の値を参照し、ゲストジョブが許可されているか否かを判定する。印刷データ解析部12は、ゲストジョブが許可されていると判定すると(ステップS167においてYES)、ステップS168に進み、ゲストジョブが許可されていないと判定すると(ステップS167においてNO)、ステップS170に進む。
【0186】
ステップS168では、印刷データ解析部12が、画像形成情報22に含まれるPDL種と、NVRAM143に設定されている情報の項目「ゲスト扱いにするプリンタ言語」の値と、に基づいて、画像形成情報22に含まれるPDL種が、ゲスト扱いにするプリンタ言語か否かを判定する。印刷データ解析部12は、画像形成情報22に含まれるPDL種が、ゲスト扱いにするプリンタ言語であると判定すると(ステップS168においてYES)、ステップS169に進み、画像形成情報22に含まれるPDL種が、ゲスト扱いにするプリンタ言語でないと判定すると(ステップS168においてNO)、ステップS170に進む。
【0187】
ステップS169では、印刷データ解析部12が、印刷制御情報格納部121に、ゲストジョブとして情報を格納する(図8参照)。
【0188】
一方、ステップS170では、印刷データ解析部12が、ジョブを破棄する。
【0189】
図33に示したように、ゲストジョブとすることを、所定のプリンタ言語に限定することによって、実施例1や実施例2に比べて、ゲストジョブを受付ける状況を、想定している範囲に限定することができる。
【0190】
上述したように、本発明によれば、様々な印刷ジョブに対応して、利用者制限に係るサービスと、課金管理に係るサービスと、を効率的に提供することができる。
【0191】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0192】
1 プリンタ
2 ホストコンピュータ
11 通信部
12 印刷データ解析部
13 ユーザ認証管理部
14 制御・文書管理部
15 画像形成部
16 印刷実行部
17 印刷エンジン
18 操作部
21 印刷制御情報
22 画像形成情報
121 印刷制御情報格納部
122 画像形成情報格納部
131 アドレス帳
141 蓄積文書格納部
142 ジョブ履歴格納部
143 NVRAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0193】
【特許文献1】特開2003−276281号公報
【特許文献2】特開2003−303073号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの認証を行う認証手段を有する印刷装置であって、
所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段において判定された判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する実行手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記所定の情報は、前記印刷ジョブに含まれる、ユーザの認証に係るユーザ認証情報であることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記所定の情報は、前記印刷ジョブに含まれる、前記印刷ジョブが前記ゲストジョブであることを示すゲストジョブ識別情報であることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
当該印刷装置は複数のプリンタ制御言語を受け付け可能であって、
前記判定手段は、前記所定の情報に加え、前記複数のプリンタ制御言語の内、特定のプリンタ制御言語で記述された前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項1乃至3何れか一項記載の印刷装置。
【請求項5】
当該印刷装置は複数のインターフェースを有し、
前記判定手段は、前記所定の情報に加え、前記複数のインターフェースの内、特定のインターフェースを介して受け取った前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項1乃至3何れか一項記載の印刷装置。
【請求項6】
当該印刷装置はネットワークを介して複数の端末と接続されており、
前記判定手段は、前記所定の情報に加え、前記複数の端末の内、特定の端末から受け取った前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項1乃至3何れか一項記載の印刷装置。
【請求項7】
前記ゲストジョブの存在を許可するか否かを設定可能なことを特徴とする請求項1乃至6何れか一項記載の印刷装置。
【請求項8】
前記認証手段において認証されたユーザに対して、前記ゲストジョブに係る操作を許可することを特徴とする請求項1乃至7何れか一項記載の印刷装置。
【請求項9】
前記認証手段において認証されたユーザが、当該印刷装置の管理者権限を有しない場合は、前記ゲストジョブに係る文書の情報を隠蔽して表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8何れか一項記載の印刷装置。
【請求項10】
前記認証手段において認証されたユーザが行った前記ゲストジョブに係る操作を、前記ユーザが行ったジョブとして記録する記録手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至9何れか一項記載の印刷装置。
【請求項11】
印刷ジョブに、ユーザの認証に係るユーザ認証情報と、当該印刷ジョブが前記ゲストジョブであることを示すゲストジョブ識別情報と、が含まれていた場合、前記判定手段では、当該印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱い、前記記録手段では、前記認証手段において認証されたユーザが行った前記ゲストジョブに係る操作を、前記ユーザが行ったジョブとして記録することを特徴とする請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
印刷ジョブに係る文書を蓄積する文書蓄積手段を更に有し、
前記ゲストジョブに係る文書は、一度、前記文書蓄積手段に蓄積された後、前記認証手段において認証されたユーザからの要求に基づいて印刷されることを特徴とする請求項1乃至11何れか一項記載の印刷装置。
【請求項13】
前記認証手段において認証されたユーザが、当該印刷装置の管理者権限を有する場合は、前記文書蓄積手段に蓄積された文書の一括印刷指示を許可することを特徴とする請求項12記載の印刷装置。
【請求項14】
ユーザの認証を行う認証手段を有する印刷装置における印刷方法であって、
所定の情報に基づいて、印刷ジョブを、文書の印刷及び/又は文書の蓄積に係る権限が制限されたゲストジョブとして扱うか否かを判定する判定段階と、
前記判定段階において判定された判定結果に基づいて、文書の印刷及び/又は文書の蓄積を実行する実行段階と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項15】
前記所定の情報は、前記印刷ジョブに含まれる、ユーザの認証に係るユーザ認証情報であることを特徴とする請求項14記載の印刷方法。
【請求項16】
前記所定の情報は、前記印刷ジョブに含まれる、前記印刷ジョブが前記ゲストジョブであることを示すゲストジョブ識別情報であることを特徴とする請求項14記載の印刷方法。
【請求項17】
前記印刷装置は複数のプリンタ制御言語を受け付け可能であって、
前記判定段階は、前記所定の情報に加え、前記複数のプリンタ制御言語の内、特定のプリンタ制御言語で記述された前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項14乃至16何れか一項記載の印刷方法。
【請求項18】
前記印刷装置は複数のインターフェースを有し、
前記判定段階は、前記所定の情報に加え、前記複数のインターフェースの内、特定のインターフェースを介して受け取った前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項14乃至16何れか一項記載の印刷方法。
【請求項19】
前記印刷装置はネットワークを介して複数の端末と接続されており、
前記判定段階は、前記所定の情報に加え、前記複数の端末の内、特定の端末から受け取った前記印刷ジョブを前記ゲストジョブとして扱うことを特徴とする請求項14乃至16何れか一項記載の印刷方法。
【請求項20】
請求項14乃至19何れか一項記載の印刷方法をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷プログラム。
【請求項21】
請求項20記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−58522(P2010−58522A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282848(P2009−282848)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【分割の表示】特願2004−196801(P2004−196801)の分割
【原出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】