印刷装置、情報処理装置、印刷装置の制御方法、情報処理装置の制御方法、及び、プログラム
【課題】印刷ジョブの指定メディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアへの印刷を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷可能にすること。
【解決手段】ホストコンピュータ2000が、1又は複数の指定メディア503と1又は複数の給紙検索メディア504とを組み合わせたグループ502を1又は複数定義したメディアグループ定義150を付加した印刷ジョブを生成して印刷装置1000に送信する。印刷装置1000では、受信した印刷ジョブからメディアグループ定義150を取得し、印刷ジョブに含まれるページごとに、メディアグループ定義150から、該ページの指定メディアに対応する給紙検索メディアを取得し、該給紙検索メディアを収納している給紙段を、給紙段情報160に基づいて検索し、該検索された給紙段から印刷メディアを給紙して前記ページを印刷する。
【解決手段】ホストコンピュータ2000が、1又は複数の指定メディア503と1又は複数の給紙検索メディア504とを組み合わせたグループ502を1又は複数定義したメディアグループ定義150を付加した印刷ジョブを生成して印刷装置1000に送信する。印刷装置1000では、受信した印刷ジョブからメディアグループ定義150を取得し、印刷ジョブに含まれるページごとに、メディアグループ定義150から、該ページの指定メディアに対応する給紙検索メディアを取得し、該給紙検索メディアを収納している給紙段を、給紙段情報160に基づいて検索し、該検索された給紙段から印刷メディアを給紙して前記ページを印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、情報処理装置、印刷装置の制御方法、情報処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のホストコンピュータからネットワーク経由でジョブが送信され、展開、保存、印刷といった処理を並列に処理可能な印刷装置が知られている。このような印刷装置の中には、小型から中型でオフィスに設置され、複数のユーザが各自のジョブを投入、印刷し、印刷結果を取得するオフィス向けの機器がある。
【0003】
また上記のような機器とは別に、比較的大型で、専用のオペレータがついて運用されるものがある。このような機器の場合、複数のホストコンピュータからジョブが投入され、オペレータが用紙を入れ替える、ジョブ順序を入れ替えるといった操作をして、印刷効率を高めるもので、POD向けの機器と言われる。なお、PODは、プリントオンデマンド(Print On Demand)を示す。
【0004】
従来より印刷装置には、給紙する用紙を指定する条件として、用紙サイズ、給紙段の指定以外に、印刷メディア(以下、メディア)の種類の指定が可能なものが存在する。メディアの種類(若しくはメディアタイプ)とは、用紙の表面性、坪量、形状、色といった紙の違いに名称をつけて表現したもので、機器で固有に定義したものが用意されている。例えば、「厚紙」、「OHPシート」、「再生紙」、「色紙」、「コート紙」といったものである。なお、機器で固有に定義されたものだけでなく、ユーザが固有にメディア若しくはメディアタイプを定義して機器に追加登録する方法もある。
【0005】
また、従来より印刷装置には、自動給紙段選択と自動給紙段切替という機能を持つものが知られている。
自動給紙段選択とは、ジョブ開始時、給紙段が指定されていない場合に、指定された用紙サイズ及びメディアの種類から自動的に最適な給紙段を選択する機能である。
自動給紙段切替とは、既にジョブが実行されて給紙が行われている途中で、その給紙段の用紙が無くなった、若しくは一定以下の量になった際に、他の給紙段で同じ用紙サイズを持つものに自動的に給紙段を切り替え、印刷を継続する機能である。
【0006】
オフィスでは一般に、ユーザが特殊な用紙を使うことは少なく、メディアの種類を指定せずに印刷装置にジョブを投入することが多い(例えば、後述する図4(B))。印刷装置で、メディアの種類が指定されなかった場合には、機種ごとに固定で決定された動作を行う(例えば、普通紙、薄紙、再生紙、色紙、厚紙の範囲から用紙を選択して印刷する)。
【0007】
オフィス機では元々サポートされているメディアの種類が少なく、また特殊な用紙が給紙段に置かれていることは稀であるため、メディアの指定なしでも問題は少なかった。また、特殊な用紙を運用している機器を使う場合も、例えば、ユーザが普通紙を明示的に指定したジョブ(例えば、後述する図4(C))であれば、普通紙以外のメディア種類の用紙は給紙されないため、特に問題は起こらなかった。
【0008】
POD向けの環境では、ユーザが特殊な用紙を指定するのは稀ではない。細かくページごとにメディアの種類を指定する、若しくは、給紙段を指定しておき、オペレータがその用紙を用意する、といった使い方が主である。そのような環境では、ページごとに異なるメディアが指定されたジョブ(例えば図4(D))が使用される。
【0009】
特許文献1では、給紙段を指定しなくても、使われたくない用紙を使用しない方法として、開いている給紙段からは用紙を給紙しないという技術が提案されている。この技術を用いれば、使いたい範囲の給紙段だけで自動給紙段選択及び自動給紙段切替を行うことができる。
【0010】
近年、オフィス向けの機器は、プリンタエンジン速度の向上とコントローラの処理の高速化により、筐体は小さいままPOD向けの大型機種に性能が近づきつつある。
POD向けの機器は、大型で設置場所も大きな面積が必要となるため、簡単には予備の装置を設置できない。そこで専用機よりは機能、速度や耐久性は多少劣るが、高速なオフィス機を予備として設置するケースが出て来ている。
【0011】
そこで、プリンタエンジンやコントローラハードウェアは高速オフィス向けだが、オペレータ向けの操作性も付加したLitePODモデルと言われる機器も出てきている。1台で高速なオフィス機とPOD機の機能を兼用することができれば、製造コストが下がり、ユーザにも安く提供できる。
【0012】
また、特許文献2では、複数の給紙トレイをグループ化して、1つの給紙トレイが空になった場合にグループ化されている別の給紙トレイに給紙を切り替える画像形成装置において、用紙属性の異なる用紙を収容する給紙トレイはグループから除外し、用紙属性が同じグループに入れるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−57944号公報
【特許文献2】特開2009−256076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
近年、リサイクルの観点から、オフィスでも内部向け資料やドラフト印刷には再生紙を使用、外部向け資料は普通紙を使う、といった使い分けが必要になってきている。しかし、そのように複数のメディア種類の用紙がセットされている機器に対して、再生紙でも普通紙でも構わないため「用紙指定なし」でジョブを投入すると、上述の自動給紙段選択機能により色紙が給紙されてしまう等の事態が発生する場合がある(課題a)。
【0015】
また、上述のような運用が行われている機器では、ジョブで普通紙を明示的に指定すれば普通紙が給紙される。しかしながら、もし普通紙が用紙切れになった場合に再生紙が別の給紙段に十分にあった場合でも、普通紙と再生紙ではメディア種類が異なるため自動給紙段切替は機能せず、機器は用紙切れのメッセージを表示して停止ししてしまう。そうするとユーザは用紙を入れ替えるか、給紙段を強制的に切り替えるか等の作業を行う必要がなり、手間がかかることになる(課題b)。
【0016】
なお、これらの課題は、特許文献1の技術を用いれば、必要な用紙がある給紙段のみ閉じて、他の給紙段を開けておけば避けられる。しかし、専用オペレータがつくPOD機ならともかく、不特定多数のユーザが使用するオフィス機では、ジョブの投入前にユーザが給紙段を操作するのは煩雑であり、非現実的である。
【0017】
なお、特許文献2の技術を用いれば、上述のように、1つの給紙トレイが空になった場合でも、グループ化されている別の給紙トレイに給紙を切り替えて印刷することができる。しかし、特許文献2の技術では、用紙属性の同じ用紙がセットされた給紙トレイを複数用意しておく必要があり、多くの種類の用紙を給紙トレイにセットする必要がある環境では給紙トレイの数が不足し、対応できない。
【0018】
また、専用のPOD機器(専用機)が設置された環境では、専用機のスケジュールが一杯のため、オペレータが予備のLitePOD機にジョブを振り替えることがある。この振り替えられたジョブが専用機でしかサポートされていない用紙、例えば片面コート紙1を要求していた場合、片面コート紙1をサポートしていないLitePOD機では、エラーを発生するか若しくはデフォルトの用紙、例えば普通紙を給紙することとなる。
【0019】
なお、ユーザの要求としては、そのジョブでどうしても片面コート紙1を使用する必然があるわけではなく、LitePOD機でサポートしている片面コート紙2を使用しても構わないといった場合もある。しかし、このような場合でも、LitePOD機では、エラー発生若しくは意図しない用紙(普通紙)を給紙して印刷してしまうという問題がある(課題c)。このように、ジョブで指定したメディア種類と同一の用紙が印刷装置に存在しない場合、従来の技術では柔軟な対応ができなかった。
【0020】
また、上述のようにリサイクル等の観点から、ドラフト印刷には再生紙を使用し、外部向け資料では普通紙及び一部のページで片面コート紙1を用いたい等のように、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更したいといった要求がある。しかし、特許文献2では、印刷装置の給紙トレイをグループ化する構成のため、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更することができない(課題d)。
【0021】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した課題を解決するために、本発明が提供する印刷装置は、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信手段と、前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明が提供する情報処理装置は、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷システムの一例を示す概略図である。
【図2】ホストコンピュータ2000、3000、4000の内部構成を示す概略図である。
【図3】印刷装置1000に内蔵されるコントローラの内部構成及びその周辺構成を示す概略図である。
【図4】印刷ジョブの構成を示す図である。
【図5】実施例1のメディアグループ定義を説明する図である。
【図6】メディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUI2001上の表示例である。
【図7】実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132の給紙段検索処理(図7のS16及びS22)の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
【図10】実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
【図11】実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施例3における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明に係るシステムの一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す印刷システムの一例を示す概略図である。
図1において、1はLAN等のネットワークである。1000は印刷装置である。2000、3000、4000はホストコンピュータであり、これらのホストコンピュータから送られたジョブは、ネットワーク1を経由して印刷装置1000に送られる。
印刷装置1000では、ホストコンピュータ2000、3000、4000から送られたジョブを実行して、印刷メディア(シート)に印刷を行う。
【0027】
図2は、ホストコンピュータ2000、3000、4000の内部構成を示す概略図である。図2では、ホストコンピュータ2000と記載されているがホストコンピュータ3000、4000も同様の構成である。
【0028】
図2において、2001はディスプレイ、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイス、キーボードといったユーザインタフェース(UI)である。
2010は外部インタフェースであり、主にネットワーク1に接続するためのネットワークインタフェースである。
2020はプリンタドライバであり、印刷装置1000へジョブを投入する。2030はスプーラであり、印刷装置1000へジョブを投入する際に一時的にデータを保管するためのものである。
【0029】
2040はメディアグループ定義アプリケーションプログラム(以下、メディアグループ定義アプリケーション)であり、メディアグループ定義ファイル2050を作成、修正するためのアプリケーションプログラムである。メディアグループ定義ファイル2050は、後述する図5に示すようなメディアグループ定義の情報を記録したファイルである。ユーザは、UI2001からメディアグループ定義アプリケーション2040を立ち上げ、メディアグループ定義ファイル2050を新規に作成する、若しくは既存のメディアグループ定義ファイル2050を修正する。
【0030】
本実施例のホストコンピュータでは、ユーザがジョブの印刷を行う際、プリンタドライバ2020にて、スプーラ2030にスプールされているPDLデータからなるジョブに対し、作成したメディアグループ定義ファイル2050をジョブ属性として付与できる。印刷ジョブは、メディアグループ定義ファイル2050とともに、外部インタフェース2010からネットワーク1経由で印刷装置1000に送られる。
【0031】
なお、ホストコンピュータ2000、3000、4000は、パーソナルコンピュータ(PC)等の一般的なコンピュータ(情報処理装置)である。本実施例では特に図示しないが、ホストコンピュータ2000、3000、4000には、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、外部記憶装置(HDDやSSD等)といったハードウェアが備えられている。なお、図2に示した構成の一部は、ホストコンピュータのCPUが外部記憶装置やROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される機能や、外部記憶装置やRAMにコンピュータ読み取り可能に記録されるデータ等である。
【0032】
図3は、印刷装置1000に内蔵されるコントローラの内部構成及びその周辺構成を示す概略図である。
図3において、100は、印刷装置1000のコントローラである。110は外部インタフェースであり、主にネットワーク1に接続するためのネットワークインタフェースである。
【0033】
120はジョブ解析部であり、外部インタフェース110で受信したジョブを解析し、ジョブ・ページ制御に関する情報(ページ属性を含む)をジョブ・ページ制御情報131として抜き出す。また、ジョブ解析部120は、外部インタフェース110で受信したジョブからPDLデータ140を抜き出す。また、ジョブ解析部120は、外部インタフェース110で受信したジョブからメディアグループ定義150を抜き出す。160は、プリントエンジン200からコントローラ100に通知される給紙段情報(収納情報)である。
【0034】
130はジョブ制御部であり、ジョブ解析部120で解析されたジョブの実行を制御するものであり、給紙制御部132にジョブ処理の開始を指示する。給紙制御部132は、ジョブ制御部130からの指示によりジョブ処理を開始し、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150、及び給紙段情報160に基づいて、プリントエンジン200の給紙段211、212、213から用紙を給紙する給紙段(収納手段)を決定する。
141はレンダラであり、PDLデータ140をレンダリングしてイメージデータ142を生成する。143はシッパであり、イメージデータ142をプリントエンジン200に送る。
【0035】
プリントエンジン200は、給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213を有し、給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を給紙段情報160として、コントローラ100に伝える。
また、プリントエンジン200は、給紙制御部132で決定された給紙段から用紙を給紙し、該給紙した用紙に、シッパ143から送られたイメージデータを印刷する。
【0036】
300は印刷装置1000に付属するUIであり、給紙段情報160やジョブのステータス等のコントローラ100が保持する情報を表示したり、ユーザによる入力を受け付けてコントローラ100に伝える。
なお、コントローラ100には、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、外部記憶装置(HDDやSSD等)といったハードウェアが備えられている。図3に示したコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される機能や、外部記憶装置やRAMにコンピュータ読み取り可能に記録されるデータ等である。
【0037】
図4は、印刷ジョブの構成を示す図である。
図4(A)は、一般的な印刷ジョブの構成の一例である。
ジョブ500の先頭には、ジョブ全体に影響するジョブ属性501があり、最初のページのページ属性511、最初のページのPDLデータであるページデータ512が続く。印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、以降のページもページ毎にページ属性とページデータの組で構成される。
【0038】
図4(B)、図4(C)は、ジョブ500の構成に従った一般的なオフィスで使用されるジョブの内容の一例である。
図4(B)に示した例では、各ページのページ属性として、メディア指定なし、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
【0039】
図4(C)に示した例では、各ページのページ属性として、普通紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
図4(D)は、図4(A)で説明したジョブ500の構成に従った、POD(Print On Demand)目的で使用されるジョブの内容の一例である。
【0040】
図4(D)に示したPOD目的で使用されるジョブ内容の例では、1ページ目のページ属性として、片面コート紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。また、2ページ目のページ属性として、色紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。さらに、3ページ目のページ属性として、メディア指定なし、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
【0041】
図5は、実施例1のメディアグループ定義を説明する図である。
図5(A)は、メディアグループ定義の一つの定義例である。
実施例1のメディアグループ定義150は、1又は複数のグループ502のリストである。各グループ502は、1又は複数の指定メディア503と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア504との組み合わせで定義される。給紙検索メディア504には、指定メディア503で指定されている印刷メディア種類が印刷ジョブで指定された場合に使用が許可される1又は複数の印刷メディア種類が指定される。即ち、メディアグループ定義150は、1又は複数の印刷メディア種類(指定メディア503)と該印刷メディア種類が印刷ジョブで指定された場合に使用が許可される1又は複数の印刷メディア種類(給紙検索メディア504)との組み合わせ(グループ502)を1又は複数定義する定義情報である。
【0042】
メディアグループ定義150は、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020にて、図5(A)に示すように、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加され、印刷装置1000に送信される。即ち、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020は、図5(A)に示すような定義情報が、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加(指定)された印刷ジョブを印刷装置1000に送信可能である。そして、印刷装置1000は、図5(A)に示すような定義情報が、付加(指定)された印刷ジョブをホストコンピュータ2000、3000、4000から受信可能である。
【0043】
印刷装置1000で受信されたジョブは、コントローラ100内のジョブ解析部120により解析され、ジョブからメディアグループ定義150が取得される。
【0044】
コントローラ100内の給紙制御部132では、ジョブから取得されたメディアグループ定義150を用いて、各ページで指定されたメディアを指定メディア503に含まれるグループ502を取得する。さらに、給紙制御部132では、取得したグループ502の給紙検索メディア504に含まれるメディアが収納(以下、セット)された給紙段を検索して、該検索された給紙段からメディアを給紙して印刷を行う。即ち、給紙メディア503と給紙検索メディア504が1対多、又は、多対多のグループの場合、給紙制御部132は、複数のメディアを検索する。しかし、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対1のグループの場合、給紙制御部132は、そのメディアしか検索しない。
【0045】
以下、図5(B)〜図5(D)を用いてメディアグループ定義150の内容を具体的に説明する。
図5(B)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図5(B)に示すメディアグループ定義は、比較的検索範囲の広い、一般のオフィス向けの定義内容である。即ち、指定メディアに対応する給紙検索メディアの数が比較的多いメディアグループ定義である。
【0046】
図5(B)に示すメディアグループ定義では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙/再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1/厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0047】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、普通紙、再生紙1、再生紙2のいずれかがセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0048】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙制御部132は、再生紙1又は再生紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0049】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙制御部132も同様に、厚紙1又は厚紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0050】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「色紙」の場合、給紙制御部132は、色紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、ジョブの或るページの指定メディアが「普通紙」の場合も同様に、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0051】
図5(C)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図5(C)に示すメディアグループ定義は、比較的検索範囲の狭い、POD向けの定義内容である。
【0052】
図5(C)に示すメディアグループ定義では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1/片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0053】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。また、ジョブの或るページの指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙制御部132は、片面コート紙1又は片面コート紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0054】
図5(D)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
上述の図5(B)若しくは図5(C)では、対象とするメディアを列挙する形式になっているが、各ジョブに対象とする全メディアに対応する全グループを含むメディアグループ定義を付与するとデータとして大きくなってしまうため、機器のデフォルト値との差分だけを定義した場合の形式を表している。即ち、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対1のグループを省略し、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対多、多対1、及び、多対多のグループのみをメディアグループ定義に含める形式を表している。なお、図5(D)では、図5(C)と同一のメディアグループ定義を表している。
即ち、印刷装置1000が受信する印刷ジョブは、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義するメディアグループ定義150と、メディアグループ定義150で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報(ページ属性501内のメディア指定)とが設定された印刷ジョブである。
【0055】
以下、図6を参照して、メディアグループ定義アプリケーション2040を用いたメディアグループ定義ファイル2050の作成方法について説明する。
図6は、メディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUI2001上の表示例である。
【0056】
図6に示すUIは、ホストコンピュータ2000、3000、4000のメディアグループ定義アプリケーション2040によりUI2001に表示される。即ち、図6に示すUIは、ホストコンピュータ2000、3000、4000のCPUが外部記憶装置にコンピュータ読み取り可能に記録されたメディアグループ定義アプリケーション2040を実行することにより、UI2001に表示されるUI画面である。以下、図6のUI画面1300からメディアグループ定義を行う方法について説明する。
【0057】
まず、ユーザはUI2001により「グループ」1301をクリックすると表示されるメニューからグループを追加する操作を行う。その際、ユーザはUI2001により、グループ番号を入力する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、UI画面1300に新たなグループを追加する。
【0058】
次に、ユーザはUI2001により、追加したグループをクリックすると表示されるメニューから「指定メディア」を追加する操作を行う。その際、ユーザは、メディアの種類(印刷メディア種類)を選択する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、グループに指定メディアを追加する。なお、1つのグループに複数の指定メディアを追加させる場合には、この操作を複数回行う。この場合、同一番号のグループがUI上に追加されて、該追加されたグループに指定メディアが追加される。
【0059】
次に、ユーザはUI2001により、追加した指定メディアをクリックすると表示されるメニュー1302から「給紙検索メディア」を追加する操作を行う。その際、ユーザはUI2001により、メディアの種類を選択する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、指定メディアに対応する給紙検索メディアを追加する。なお、この操作を複数回行うことで、1つの指定メディアに対して、複数の給紙検索メディアを追加可能である。
【0060】
最後に、ユーザはUI2001によりOKボタン1303をクリックすると、メディアグループ定義アプリケーション2040は、UI画面1300で作成されたメディアグループ定義情報に基づいて、メディアグループ定義ファイル2050を外部記憶装置上に生成する。
【0061】
以下、図7を参照して、実施例1における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図7は、実施例1における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0062】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。なお、PDLデータ140は、レンダラ141により非同期にレンダリングされイメージデータ142として蓄積されていく。
【0063】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(給紙段情報取得処理)(S11)。
【0064】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(メディアグループ定義情報取得処理)(S12)、S13に処理を進める。
【0065】
S13では、給紙制御部132は、ジョブの全ページの処理を終了したか否かを判定し(S13)、まだ全ページの処理を終了していないと判定した場合(S13でNo)、S14に処理を進める。
【0066】
給紙制御部132は、ジョブ・ページ制御情報131から未処理の最初のページのページ属性を取得する(S14)。
【0067】
次に、給紙制御部132は、上記S14で取得したページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にある(含まれている)かどうかをチェックする(S15)。
【0068】
そして、上記ページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にない(含まれていない)と判定した場合(S15でNo)、給紙制御部132は、S16に処理を進める。
【0069】
S16では、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされているか検索する(給紙段検索処理)。なお、給紙段検索処理の詳細は後述する図8に示す。
【0070】
そして、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200のどの給紙段にもセットされていない(検索結果が「該当用紙なし」)と判定した場合(S17でYes)、S18に処理を進める。
【0071】
S18では、給紙制御部132は、ページ属性で指定される用紙がないことをUI300に表示し、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200にセットされるのを待つ(S18)。なお、プリントエンジン200は、給紙段211〜213に用紙がセットされると、給紙段情報160を更新するものとする。
【0072】
そして、給紙制御部132は、給紙段情報160により、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされたことを検知すると、その給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。
【0073】
一方、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200に存在する(検索結果が「該当用紙あり」)と判定した場合(S17でNo)、そのままS19に処理を進める。S19では、給紙制御部132は、上記S16で検索した用紙がセットされた給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。
【0074】
なお、ページ属性で給紙段が指定されている場合は、上記S16の代わりに、その給紙段に上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされているか判定する。そして、上記ページ属性で指定される給紙段に、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされていないと判定した場合、S18に処理を進めるものとする。一方、上記ページ属性で指定される給紙段に、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされていると判定した場合、そのままS19に処理を進めるものとする。
【0075】
上記S19の印刷処理が終了したら、給紙制御部132は、次のページの処理に移し(S20)、上記S13に処理を戻す。
【0076】
また、上記S15において、上記S14で取得したページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にある(含まれている)と判定した場合(S15でYes)、給紙制御部132は、S21に処理を進める。
【0077】
S21では、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内の最初のメディアを一つピックアップする処理(メディア取得処理)を行い、S22に処理を進める。例えば、メディアグループ定義150が図5(B)で、ページ属性で指定されるメディア種類が「メディア指定なし」の場合、給紙制御部132は、最初のメディアとして「普通紙」を取得する。
【0078】
S22では、給紙制御部132は、メディアをピックアップできなかった(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア504内にもう未処理のメディアが無い)か否かを判定する。そして、メディアをピックアップできた(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア504内に未処理のメディアがあった)と判定した場合(S22でNo)、S23に処理を進める。
【0079】
S23では、給紙制御部132は、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされているか検索する(給紙段検索処理)。なお、給紙段検索処理の詳細は後述する図8に示す。
【0080】
そして、給紙制御部132は、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれの給紙段にもセットされていない(検索結果が「該当用紙なし」)と判定した場合(S24でNo)、S25に処理を進める。S25では、給紙制御部132は、ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内の次のメディアを一つピックアップする処理(メディア取得処理)を行い、S22に処理を戻す。
【0081】
一方、上記S24において、給紙制御部132が、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされている(検索結果が「該当用紙あり」)と判定した場合(S24でYes)、S19に処理を進める。S19では、給紙制御部132は、上記S23で検索した用紙がセットされた給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う。この後は、同様であるので説明は省略する。
【0082】
一方、上記S22において、給紙制御部132が、メディアをピックアップできなかった(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内にもう未処理のメディアが無い)と判定した場合(S22でYes)、S26に処理を進める。
【0083】
S26では、給紙制御部132は、ページ属性で指定されるメディア種類に対応する用紙がないことをUI300に表示し、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200にセットされるのを待つ。なお、プリントエンジン200は、給紙段211〜213に用紙がセットされると、給紙段情報160を更新するものとする。そして、給紙制御部132は、給紙段情報160により、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされたことを検知すると、その給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。この後は、同様であるので説明は省略する。
【0084】
そして、上記S13において、給紙制御部132が、ジョブの全ページの処理が終了したと判定した場合(S13でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
なお、このフローチャートでは、用紙がなく停止した状態でジョブをキャンセルする処理や、代わりの用紙サイズを使用するといった処理は、説明を簡単にするために省略してある。
【0085】
以下、図8を参照して、図7のS16及びS23の給紙段検索処理について説明する。
図8は、印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132の給紙段検索処理(図7のS16及びS23)の一例を示すフローチャートである。
【0086】
給紙制御部132は、給紙段検索処理を開始すると、まずS31において、最初の給紙段からチェックを開始する(最初の給紙段a211を現在の給紙段に設定する処理を行う)。
【0087】
次にS32において、給紙制御部132は、全ての給紙段について処理を終了した(現在の給紙段に設定する未処理の給紙段が存在しない)か否かを判定し、未だ終了していないと判定した場合(S32でNo)、S33に処理を進める。
【0088】
S33では、給紙制御部132は、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致するか否かを判定する。
そして、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致すると判定した場合(S33でYes)、給紙制御部132は、S34に処理を進める。
【0089】
S34では、給紙制御部132は、現在の給紙段に用紙があるかどうかを判定し、もし現在の給紙段に用紙が存在すると判定した場合(S34でYes)、検索結果を「該当用紙がある」として、図7のフローチャートに処理を戻す(S35)。
【0090】
また、給紙制御部132は、現在の給紙段に用紙が存在しないと判定した場合(S34でNo)、給紙制御部132は、S36に処理を進める。
【0091】
また、給紙制御部132は、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致しないと判定した場合(S33でNo)も、S36に処理を進める。
【0092】
S36では、給紙制御部132は、次の給紙段を現在の給紙段に設定する処理を行い、S32に処理を戻す。
そして上記S32にて、給紙制御部132は、全ての給紙段について処理を終了した(現在の給紙段に設定する未処理の給紙段が存在しない)と判定した場合(S32でYes)、検索結果を「該当用紙なし」とし、図7のフローチャートに処理を戻す(S37)。
【0093】
以下、実施例1の効果について具体例を用いて説明する。
(例1)例えば、再生紙でも普通紙でも構わないので早く多くのページを印刷したいオフィスユーザが、自分のジョブをホストコンピュータ2000から印刷装置1000に送る際に、プリンタドライバ2020で図5(B)にあるメディアグループ定義を付けて送信したとする。すると、印刷装置1000は、プリントエンジン200の給紙段から普通紙が存在するものを探して給紙して印刷を開始する。そして、もしその給紙段の用紙がなくなったとしても、印刷装置1000は、他の給紙段に再生紙1若しくは再生紙2があれば、給紙元をそれらの給紙段に切り替え、印刷処理を継続できる。また、仮に他の給紙段に再生紙1や再生紙2以外の用紙(例えば色紙や厚紙、コート紙等)があっても、それらの給紙段から用紙が給紙されてしまうことはなく、ユーザの意図しない用紙に印刷されてしまうといった不具合を防ぐことができる。このように、実施例1の印刷システムでは、ジョブで指示された種類の用紙が用紙切れの場合でも、ユーザが、用紙を入れ替える作業や、給紙段を強制的に切り替えるか作業をできるだけ抑えることができ、ユーザの手間を抑えることができる。また、用紙属性の同じ用紙を複数の給紙段にセットする必要もなく、有限個の給紙段を効率良く利用できる。
【0094】
(例2)例えば、コート紙であれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないページを含む印刷物を出力したいユーザが、専用POD機には今片面コート紙1しか設置されていないことを知っていたため、そのページに片面コート紙1を指定してジョブを生成したとする。しかし、その後になって専用POD機で他のジョブを実行されていて当分使用できないことが分かったので、ユーザは、上記の印刷を予備のLitePOD機である印刷装置1000で行うことにした。そして、ユーザは、印刷装置1000にジョブを送信する際、プリンタドライバ2020で図5(C)にあるメディアグループ定義を付けて送信した。ここで仮に、印刷装置1000が片面コート紙1をサポートしておらず、片面コート紙2しかサポートできないとしても、印刷装置1000は片面コート紙2がある給紙段を見つけて印刷を行うことができる。このように、実施例1の印刷装置では、ジョブの属性で指定したメディア種類の用紙が印刷装置1000に存在しない場合でも、自動給紙切替の対象となるメディアを制御し、エラーの発生や意図しない用紙への印刷を抑えることができる。また、ジョブの属性でメディアの種類を指定していない場合でも、メディアグループ定義でユーザが「メディア指定なし」の場合に対応させて指定したメディアの中から用紙を給紙して印刷することができる。
【0095】
なお、ユーザにはジョブ投入時にメディアグループ定義を選択する手間がかかるが、オフィスの使い方しかしないのであれば、一旦プリンタドライバで固定の設定をしておけば、その後の手間はかからない。また専用POD機からLitePOD機にジョブを振り代える際には、問題が発生しそうなケースを回避する典型的なパターンを用意しておき、目的に応じて選択するのであれば、これも大した手間にはならない。これにより一台で高速なオフィス機とPOD機の機能を兼ねることができることがわかる。
【0096】
また、リサイクル等の観点から、ドラフト印刷には再生紙を使用し、外部向け資料では普通紙及び一部のページで片面コート紙1を用いたい場合、ジョブ単位でジョブに付加するメディアグループ定義を変更するだけで、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更することができる。
【0097】
したがって、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる。
【実施例2】
【0098】
上記実施例1では、ページが要求する用紙サイズとメディアの種類が同じであれば、どのページも許容されるメディアの種類は同じとなる。しかし、ページの属性、例えばそのページがカラーページの場合とモノクロページの場合で、異なるメディアが使えたほうが良い場合もある。例えば、モノクロページであれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないが、カラーページの場合は厳密に片面コート紙1と片面コート2を使い分けて印刷したい、という場合がある。このような要求を実現するための構成を実施例2として以下に示す。
なお、実施例2のシステム構成、ホストコンピュータの構成、印刷装置の構成、印刷ジョブの構成は、図1〜図4に示した実施例1と同一であるので説明を省略する。
【0099】
図9、図10は、実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
図9は、メディアグループ定義の一つの定義例である。
実施例2のメディアグループ定義150は、モノクロ印刷用の定義情報であるモノクロページ用メディアグループ定義601と、カラー印刷用の定義情報であるカラーページ用メディアグループ定義610を含む。
【0100】
モノクロページ用メディアグループ定義601は、1又は複数のグループ602のリストである。各グループ602は、1又は複数の指定メディア603と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア604との組み合わせで定義される。
【0101】
カラーページ用メディアグループ定義610は、1又は複数のグループ605のリストである。各グループ605は、1又は複数の指定メディア606と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア607との組み合わせで定義される。
なお、モノクロページのグループ602とカラーページのグループ605は特に相関関係がなくても構わない。
【0102】
メディアグループ定義150は、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020にて、図9に示すように、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加され、印刷装置1000に送信される。印刷装置1000で受信されたジョブは、コントローラ100内のジョブ解析部120により解析され、ジョブからメディアグループ定義150が取得される。
【0103】
以下、図10を用いて図9に示したメディアグループ定義150の内容を具体的に説明する。
図10は、図9の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図10に示すモノクロページ用メディアグループ定義601では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙/再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1/厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1/片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0104】
また、図10に示すカラーページ用メディアグループ定義610では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0105】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、普通紙、再生紙1、再生紙2のいずれかがセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0106】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙制御部132は、モノクロページでもカラーページでも、再生紙1又は再生紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0107】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、厚紙1又は厚紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、厚紙1がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、厚紙2の場合も同様である。
【0108】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、片面コート紙1又は片面コート紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、片面コート紙1がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、片面コート紙2の場合も同様である。
【0109】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「色紙」の場合、給紙制御部132は、モノクロページでもカラーページでも、色紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、普通紙の場合も同様である。
即ち、図10に示すメディアグループ定義の例は、モノクロページであれば再生紙1でも再生紙2でも構わない、厚紙1でも厚紙2でも構わない、また片面コート紙1でも片面コート紙2構わない。ところがカラーページであれば再生紙1と再生紙2は構わないが、厚紙1と厚紙2は厳密に切り分けたい、また片面コート紙1と片面コート紙2は厳密に切り分けたい、という要求に即した、メディアグループ定義の例である。
【0110】
なお、実施例2のメディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUIについては、図6に示したUIを、モノクロページ用、カラーページ用にそれぞれ起動させて作成するものとする。
【0111】
以下、図11を参照して、実施例2における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図11は、実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0112】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。なお、PDLデータ140は、レンダラ141により非同期にレンダリングされイメージデータ142として蓄積されていく。また、各ページがモノクロページかカラーページかを判定するための情報は、ジョブ・ページ制御情報131に含まれる。
【0113】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(S51)。
【0114】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(S52)、S53に処理を進める。
【0115】
S53では、給紙制御部132は、ジョブの全ページの処理を終了したか否かを判定し(S53)、まだ全ページの処理を終了していないと判定した場合(S53でNo)、S54に処理を進める。
【0116】
給紙制御部132は、ジョブ・ページ制御情報131から未処理の最初のページを現在のページとし、現在のページのページ属性、及び、現在のページがモノクロページかカラーページかを判定するための情報を取得する(S54)。
【0117】
次に、給紙制御部132は、上記S54で取得した情報に基づいて現在のページがカラーページであるか否かを判定する(S55)。
【0118】
そして、現在のページがカラーページであると判定した場合(S55でYes)、給紙制御部132は、カラーページ用メディアグループ定義610をメディアグループ定義として使用して、S58〜S69の処理を実行ように決定する(S56)。
【0119】
一方、現在のページがモノクロページであると判定した場合(S55でNo)、給紙制御部132は、モノクロページ用メディアグループ定義601をメディアグループ定義として使用して、S58〜S69の処理を実行ように決定する(S57)。
以降のS58〜S69の処理は、図7のS15〜S26と同様のため説明を省略する。
そして、上記S53において、給紙制御部132が、ジョブの全ページの処理が終了したと判定した場合(S53でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
なお、このフローチャートでは、用紙がなく停止した状態でジョブをキャンセルする処理や、代わりの用紙サイズを使用するといった処理は、説明を簡単にするために省略してある。
【0120】
以上に説明したように、上述の実施例1の効果に加え、実施例2では、モノクロページであれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないが、カラーページでは厳密に片面コート紙1と片面コート2を使い分けて印刷したい要求にも対応できる、フレキシブルな給紙段決定を行うことができる。
【0121】
なお、実施例2では、ページの属性ごとに専用のメディアグループ定義を用いる(カラーページとモノクロページで専用のメディアグループ定義を用いる)構成を説明した。しかし、カラーページ、モノクロページだけではなく、その他のページの属性ごとに専用のメディアグループ定義を用いる構成でもよい。
【0122】
例えば、文字ページ、写真ページ、文字・写真混在ページというページの属性に対応させて、文字ページ用、写真ページ用、文字・写真混在ページ用のメディアグループ定義をそれぞれ含むメディアグループ定義ファイルを用いる構成でもよい。
【0123】
また、印刷物に光沢を出すための光沢度調整用の特殊印刷剤(クリアトナー)を有色印刷剤(有色トナー)に重ねて印刷可能な印刷装置の場合、クリアトナーを使用するクリアコートページ、クリアトナーを使用しない非クリアコートページというページの属性に対応させて、クリアコートページ用、非クリアコートページ用のメディアグループ定義をそれぞれ含むメディアグループ定義ファイルを用いる構成でもよい。
【実施例3】
【0124】
実施例3では、複数の形式のメディアグループ定義に対応可能な実施例について説明する。例えば、図5(A)に示したような実施例1の形式(第1の形式)のメディアグループ定義でも、図9に示したような実施例2の形式(第2の形式)のメディアグループ定義でも対応可能な実施例について説明する。以下、第1実施例及び第2実施例との差分を説明する。
【0125】
以下、図12を参照して、実施例3における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図12は、実施例3における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0126】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。
【0127】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(S71)。
【0128】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(S72)、S73に処理を進める。
【0129】
S73では、給紙制御部132は、上記S72で取得したメディアグループ定義150が第1の形式であるか第2の形式であるかを判定する。
そして、第1の式であると判定した場合(S72でYes)、給紙制御部132は、図7のS13〜S26の処理を実行する。
一方、第2式であると判定した場合(S72でNo)、給紙制御部132は、図11のS53〜S69の処理を実行する。
【0130】
以上示したように、複数の形式のメディアグループ定義を使い分けて、さまざまなケースに応じて、柔軟な給紙段決定を行うことができる。
【0131】
(他の実施例)
上記各実施例では、メディアグループ定義をユーザがプリンタドライバUIから指示して印刷ジョブに付加して印刷装置に送る構成を示した。しかし、常時決まったメディアグループ定義を印刷装置に送るようにしてもよい。
また、ユーザごとに予めきめられたメディアグループ定義を印刷装置に送るようにしてもよい。
【0132】
ページ属性で指定されるメディア種類が指定メディア503となるメディアグループ定義150の給紙検索メディア504に複数のメディアが含まれる場合には、以下に示すような所定の方法でメディアを選択する。例えば、ジョブで指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア内のメディアの検索順(即ち、給紙段を決定する優先順)は、定義順としてもよいし、給紙検索メディア内のメディアに優先順位を付しておき、該優先順位の順に給紙検索メディア内のメディアを検索する(即ち、給紙段を決定する)構成でもよい。
また、ジョブで指定されるメディア種類を優先的に検索する(即ち、優先して給紙段を決定する)ように構成してもよい。
また、例えば指定メディアが「指定メディアなし」の場合に給紙検索メディアを「普通紙」とするメディアグループ定義が予め印刷装置1000に設定されていたとしても、ジョブで指定されたメディアグループ定義を優先するように構成してもよい。これにより、予め印刷装置1000に設定されたメディアグループ定義ではなく、独自のメディアグループ定義を用いたいユーザの利便性が向上する。
また、上記各実施例では、印刷メディア種類をメディアグループ定義として定義していたが、本発明はこれに限るものではない。例えば印刷メディアのサイズなど、印刷で使用する印刷メディア(シート)を特定するための情報を、図5のメディアグループ定義のようにグループとして定義し、ページ属性511で当該グループのいずれを使用するか指定するようにしてもよい。
【0133】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0134】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等のプロセッサ)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0135】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0136】
1 ネットワーク
1000 印刷装置
2000、3000、4000 ホストコンピュータ
2020 プリンタドライバ
2040 メディアグループ定義アプリケーション
2050 メディアグループ定義ファイル
100 コントローラ
120 ジョブ解析部
130 ジョブ制御部
132 給紙制御部
200 プリントエンジン
211、212、213 給紙段
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、情報処理装置、印刷装置の制御方法、情報処理装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のホストコンピュータからネットワーク経由でジョブが送信され、展開、保存、印刷といった処理を並列に処理可能な印刷装置が知られている。このような印刷装置の中には、小型から中型でオフィスに設置され、複数のユーザが各自のジョブを投入、印刷し、印刷結果を取得するオフィス向けの機器がある。
【0003】
また上記のような機器とは別に、比較的大型で、専用のオペレータがついて運用されるものがある。このような機器の場合、複数のホストコンピュータからジョブが投入され、オペレータが用紙を入れ替える、ジョブ順序を入れ替えるといった操作をして、印刷効率を高めるもので、POD向けの機器と言われる。なお、PODは、プリントオンデマンド(Print On Demand)を示す。
【0004】
従来より印刷装置には、給紙する用紙を指定する条件として、用紙サイズ、給紙段の指定以外に、印刷メディア(以下、メディア)の種類の指定が可能なものが存在する。メディアの種類(若しくはメディアタイプ)とは、用紙の表面性、坪量、形状、色といった紙の違いに名称をつけて表現したもので、機器で固有に定義したものが用意されている。例えば、「厚紙」、「OHPシート」、「再生紙」、「色紙」、「コート紙」といったものである。なお、機器で固有に定義されたものだけでなく、ユーザが固有にメディア若しくはメディアタイプを定義して機器に追加登録する方法もある。
【0005】
また、従来より印刷装置には、自動給紙段選択と自動給紙段切替という機能を持つものが知られている。
自動給紙段選択とは、ジョブ開始時、給紙段が指定されていない場合に、指定された用紙サイズ及びメディアの種類から自動的に最適な給紙段を選択する機能である。
自動給紙段切替とは、既にジョブが実行されて給紙が行われている途中で、その給紙段の用紙が無くなった、若しくは一定以下の量になった際に、他の給紙段で同じ用紙サイズを持つものに自動的に給紙段を切り替え、印刷を継続する機能である。
【0006】
オフィスでは一般に、ユーザが特殊な用紙を使うことは少なく、メディアの種類を指定せずに印刷装置にジョブを投入することが多い(例えば、後述する図4(B))。印刷装置で、メディアの種類が指定されなかった場合には、機種ごとに固定で決定された動作を行う(例えば、普通紙、薄紙、再生紙、色紙、厚紙の範囲から用紙を選択して印刷する)。
【0007】
オフィス機では元々サポートされているメディアの種類が少なく、また特殊な用紙が給紙段に置かれていることは稀であるため、メディアの指定なしでも問題は少なかった。また、特殊な用紙を運用している機器を使う場合も、例えば、ユーザが普通紙を明示的に指定したジョブ(例えば、後述する図4(C))であれば、普通紙以外のメディア種類の用紙は給紙されないため、特に問題は起こらなかった。
【0008】
POD向けの環境では、ユーザが特殊な用紙を指定するのは稀ではない。細かくページごとにメディアの種類を指定する、若しくは、給紙段を指定しておき、オペレータがその用紙を用意する、といった使い方が主である。そのような環境では、ページごとに異なるメディアが指定されたジョブ(例えば図4(D))が使用される。
【0009】
特許文献1では、給紙段を指定しなくても、使われたくない用紙を使用しない方法として、開いている給紙段からは用紙を給紙しないという技術が提案されている。この技術を用いれば、使いたい範囲の給紙段だけで自動給紙段選択及び自動給紙段切替を行うことができる。
【0010】
近年、オフィス向けの機器は、プリンタエンジン速度の向上とコントローラの処理の高速化により、筐体は小さいままPOD向けの大型機種に性能が近づきつつある。
POD向けの機器は、大型で設置場所も大きな面積が必要となるため、簡単には予備の装置を設置できない。そこで専用機よりは機能、速度や耐久性は多少劣るが、高速なオフィス機を予備として設置するケースが出て来ている。
【0011】
そこで、プリンタエンジンやコントローラハードウェアは高速オフィス向けだが、オペレータ向けの操作性も付加したLitePODモデルと言われる機器も出てきている。1台で高速なオフィス機とPOD機の機能を兼用することができれば、製造コストが下がり、ユーザにも安く提供できる。
【0012】
また、特許文献2では、複数の給紙トレイをグループ化して、1つの給紙トレイが空になった場合にグループ化されている別の給紙トレイに給紙を切り替える画像形成装置において、用紙属性の異なる用紙を収容する給紙トレイはグループから除外し、用紙属性が同じグループに入れるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−57944号公報
【特許文献2】特開2009−256076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
近年、リサイクルの観点から、オフィスでも内部向け資料やドラフト印刷には再生紙を使用、外部向け資料は普通紙を使う、といった使い分けが必要になってきている。しかし、そのように複数のメディア種類の用紙がセットされている機器に対して、再生紙でも普通紙でも構わないため「用紙指定なし」でジョブを投入すると、上述の自動給紙段選択機能により色紙が給紙されてしまう等の事態が発生する場合がある(課題a)。
【0015】
また、上述のような運用が行われている機器では、ジョブで普通紙を明示的に指定すれば普通紙が給紙される。しかしながら、もし普通紙が用紙切れになった場合に再生紙が別の給紙段に十分にあった場合でも、普通紙と再生紙ではメディア種類が異なるため自動給紙段切替は機能せず、機器は用紙切れのメッセージを表示して停止ししてしまう。そうするとユーザは用紙を入れ替えるか、給紙段を強制的に切り替えるか等の作業を行う必要がなり、手間がかかることになる(課題b)。
【0016】
なお、これらの課題は、特許文献1の技術を用いれば、必要な用紙がある給紙段のみ閉じて、他の給紙段を開けておけば避けられる。しかし、専用オペレータがつくPOD機ならともかく、不特定多数のユーザが使用するオフィス機では、ジョブの投入前にユーザが給紙段を操作するのは煩雑であり、非現実的である。
【0017】
なお、特許文献2の技術を用いれば、上述のように、1つの給紙トレイが空になった場合でも、グループ化されている別の給紙トレイに給紙を切り替えて印刷することができる。しかし、特許文献2の技術では、用紙属性の同じ用紙がセットされた給紙トレイを複数用意しておく必要があり、多くの種類の用紙を給紙トレイにセットする必要がある環境では給紙トレイの数が不足し、対応できない。
【0018】
また、専用のPOD機器(専用機)が設置された環境では、専用機のスケジュールが一杯のため、オペレータが予備のLitePOD機にジョブを振り替えることがある。この振り替えられたジョブが専用機でしかサポートされていない用紙、例えば片面コート紙1を要求していた場合、片面コート紙1をサポートしていないLitePOD機では、エラーを発生するか若しくはデフォルトの用紙、例えば普通紙を給紙することとなる。
【0019】
なお、ユーザの要求としては、そのジョブでどうしても片面コート紙1を使用する必然があるわけではなく、LitePOD機でサポートしている片面コート紙2を使用しても構わないといった場合もある。しかし、このような場合でも、LitePOD機では、エラー発生若しくは意図しない用紙(普通紙)を給紙して印刷してしまうという問題がある(課題c)。このように、ジョブで指定したメディア種類と同一の用紙が印刷装置に存在しない場合、従来の技術では柔軟な対応ができなかった。
【0020】
また、上述のようにリサイクル等の観点から、ドラフト印刷には再生紙を使用し、外部向け資料では普通紙及び一部のページで片面コート紙1を用いたい等のように、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更したいといった要求がある。しかし、特許文献2では、印刷装置の給紙トレイをグループ化する構成のため、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更することができない(課題d)。
【0021】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上述した課題を解決するために、本発明が提供する印刷装置は、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信手段と、前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明が提供する情報処理装置は、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷システムの一例を示す概略図である。
【図2】ホストコンピュータ2000、3000、4000の内部構成を示す概略図である。
【図3】印刷装置1000に内蔵されるコントローラの内部構成及びその周辺構成を示す概略図である。
【図4】印刷ジョブの構成を示す図である。
【図5】実施例1のメディアグループ定義を説明する図である。
【図6】メディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUI2001上の表示例である。
【図7】実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132の給紙段検索処理(図7のS16及びS22)の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
【図10】実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
【図11】実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施例3における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明に係るシステムの一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す印刷システムの一例を示す概略図である。
図1において、1はLAN等のネットワークである。1000は印刷装置である。2000、3000、4000はホストコンピュータであり、これらのホストコンピュータから送られたジョブは、ネットワーク1を経由して印刷装置1000に送られる。
印刷装置1000では、ホストコンピュータ2000、3000、4000から送られたジョブを実行して、印刷メディア(シート)に印刷を行う。
【0027】
図2は、ホストコンピュータ2000、3000、4000の内部構成を示す概略図である。図2では、ホストコンピュータ2000と記載されているがホストコンピュータ3000、4000も同様の構成である。
【0028】
図2において、2001はディスプレイ、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイス、キーボードといったユーザインタフェース(UI)である。
2010は外部インタフェースであり、主にネットワーク1に接続するためのネットワークインタフェースである。
2020はプリンタドライバであり、印刷装置1000へジョブを投入する。2030はスプーラであり、印刷装置1000へジョブを投入する際に一時的にデータを保管するためのものである。
【0029】
2040はメディアグループ定義アプリケーションプログラム(以下、メディアグループ定義アプリケーション)であり、メディアグループ定義ファイル2050を作成、修正するためのアプリケーションプログラムである。メディアグループ定義ファイル2050は、後述する図5に示すようなメディアグループ定義の情報を記録したファイルである。ユーザは、UI2001からメディアグループ定義アプリケーション2040を立ち上げ、メディアグループ定義ファイル2050を新規に作成する、若しくは既存のメディアグループ定義ファイル2050を修正する。
【0030】
本実施例のホストコンピュータでは、ユーザがジョブの印刷を行う際、プリンタドライバ2020にて、スプーラ2030にスプールされているPDLデータからなるジョブに対し、作成したメディアグループ定義ファイル2050をジョブ属性として付与できる。印刷ジョブは、メディアグループ定義ファイル2050とともに、外部インタフェース2010からネットワーク1経由で印刷装置1000に送られる。
【0031】
なお、ホストコンピュータ2000、3000、4000は、パーソナルコンピュータ(PC)等の一般的なコンピュータ(情報処理装置)である。本実施例では特に図示しないが、ホストコンピュータ2000、3000、4000には、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、外部記憶装置(HDDやSSD等)といったハードウェアが備えられている。なお、図2に示した構成の一部は、ホストコンピュータのCPUが外部記憶装置やROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される機能や、外部記憶装置やRAMにコンピュータ読み取り可能に記録されるデータ等である。
【0032】
図3は、印刷装置1000に内蔵されるコントローラの内部構成及びその周辺構成を示す概略図である。
図3において、100は、印刷装置1000のコントローラである。110は外部インタフェースであり、主にネットワーク1に接続するためのネットワークインタフェースである。
【0033】
120はジョブ解析部であり、外部インタフェース110で受信したジョブを解析し、ジョブ・ページ制御に関する情報(ページ属性を含む)をジョブ・ページ制御情報131として抜き出す。また、ジョブ解析部120は、外部インタフェース110で受信したジョブからPDLデータ140を抜き出す。また、ジョブ解析部120は、外部インタフェース110で受信したジョブからメディアグループ定義150を抜き出す。160は、プリントエンジン200からコントローラ100に通知される給紙段情報(収納情報)である。
【0034】
130はジョブ制御部であり、ジョブ解析部120で解析されたジョブの実行を制御するものであり、給紙制御部132にジョブ処理の開始を指示する。給紙制御部132は、ジョブ制御部130からの指示によりジョブ処理を開始し、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150、及び給紙段情報160に基づいて、プリントエンジン200の給紙段211、212、213から用紙を給紙する給紙段(収納手段)を決定する。
141はレンダラであり、PDLデータ140をレンダリングしてイメージデータ142を生成する。143はシッパであり、イメージデータ142をプリントエンジン200に送る。
【0035】
プリントエンジン200は、給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213を有し、給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を給紙段情報160として、コントローラ100に伝える。
また、プリントエンジン200は、給紙制御部132で決定された給紙段から用紙を給紙し、該給紙した用紙に、シッパ143から送られたイメージデータを印刷する。
【0036】
300は印刷装置1000に付属するUIであり、給紙段情報160やジョブのステータス等のコントローラ100が保持する情報を表示したり、ユーザによる入力を受け付けてコントローラ100に伝える。
なお、コントローラ100には、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、外部記憶装置(HDDやSSD等)といったハードウェアが備えられている。図3に示したコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される機能や、外部記憶装置やRAMにコンピュータ読み取り可能に記録されるデータ等である。
【0037】
図4は、印刷ジョブの構成を示す図である。
図4(A)は、一般的な印刷ジョブの構成の一例である。
ジョブ500の先頭には、ジョブ全体に影響するジョブ属性501があり、最初のページのページ属性511、最初のページのPDLデータであるページデータ512が続く。印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、以降のページもページ毎にページ属性とページデータの組で構成される。
【0038】
図4(B)、図4(C)は、ジョブ500の構成に従った一般的なオフィスで使用されるジョブの内容の一例である。
図4(B)に示した例では、各ページのページ属性として、メディア指定なし、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
【0039】
図4(C)に示した例では、各ページのページ属性として、普通紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
図4(D)は、図4(A)で説明したジョブ500の構成に従った、POD(Print On Demand)目的で使用されるジョブの内容の一例である。
【0040】
図4(D)に示したPOD目的で使用されるジョブ内容の例では、1ページ目のページ属性として、片面コート紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。また、2ページ目のページ属性として、色紙、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。さらに、3ページ目のページ属性として、メディア指定なし、給紙段AUTO、用紙サイズA4が指定されている。
【0041】
図5は、実施例1のメディアグループ定義を説明する図である。
図5(A)は、メディアグループ定義の一つの定義例である。
実施例1のメディアグループ定義150は、1又は複数のグループ502のリストである。各グループ502は、1又は複数の指定メディア503と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア504との組み合わせで定義される。給紙検索メディア504には、指定メディア503で指定されている印刷メディア種類が印刷ジョブで指定された場合に使用が許可される1又は複数の印刷メディア種類が指定される。即ち、メディアグループ定義150は、1又は複数の印刷メディア種類(指定メディア503)と該印刷メディア種類が印刷ジョブで指定された場合に使用が許可される1又は複数の印刷メディア種類(給紙検索メディア504)との組み合わせ(グループ502)を1又は複数定義する定義情報である。
【0042】
メディアグループ定義150は、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020にて、図5(A)に示すように、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加され、印刷装置1000に送信される。即ち、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020は、図5(A)に示すような定義情報が、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加(指定)された印刷ジョブを印刷装置1000に送信可能である。そして、印刷装置1000は、図5(A)に示すような定義情報が、付加(指定)された印刷ジョブをホストコンピュータ2000、3000、4000から受信可能である。
【0043】
印刷装置1000で受信されたジョブは、コントローラ100内のジョブ解析部120により解析され、ジョブからメディアグループ定義150が取得される。
【0044】
コントローラ100内の給紙制御部132では、ジョブから取得されたメディアグループ定義150を用いて、各ページで指定されたメディアを指定メディア503に含まれるグループ502を取得する。さらに、給紙制御部132では、取得したグループ502の給紙検索メディア504に含まれるメディアが収納(以下、セット)された給紙段を検索して、該検索された給紙段からメディアを給紙して印刷を行う。即ち、給紙メディア503と給紙検索メディア504が1対多、又は、多対多のグループの場合、給紙制御部132は、複数のメディアを検索する。しかし、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対1のグループの場合、給紙制御部132は、そのメディアしか検索しない。
【0045】
以下、図5(B)〜図5(D)を用いてメディアグループ定義150の内容を具体的に説明する。
図5(B)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図5(B)に示すメディアグループ定義は、比較的検索範囲の広い、一般のオフィス向けの定義内容である。即ち、指定メディアに対応する給紙検索メディアの数が比較的多いメディアグループ定義である。
【0046】
図5(B)に示すメディアグループ定義では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙/再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1/厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0047】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、普通紙、再生紙1、再生紙2のいずれかがセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0048】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙制御部132は、再生紙1又は再生紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0049】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙制御部132も同様に、厚紙1又は厚紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0050】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「色紙」の場合、給紙制御部132は、色紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、ジョブの或るページの指定メディアが「普通紙」の場合も同様に、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0051】
図5(C)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図5(C)に示すメディアグループ定義は、比較的検索範囲の狭い、POD向けの定義内容である。
【0052】
図5(C)に示すメディアグループ定義では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1/片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0053】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。また、ジョブの或るページの指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙制御部132は、片面コート紙1又は片面コート紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0054】
図5(D)は、図5(A)の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
上述の図5(B)若しくは図5(C)では、対象とするメディアを列挙する形式になっているが、各ジョブに対象とする全メディアに対応する全グループを含むメディアグループ定義を付与するとデータとして大きくなってしまうため、機器のデフォルト値との差分だけを定義した場合の形式を表している。即ち、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対1のグループを省略し、指定メディア503と給紙検索メディア504が1対多、多対1、及び、多対多のグループのみをメディアグループ定義に含める形式を表している。なお、図5(D)では、図5(C)と同一のメディアグループ定義を表している。
即ち、印刷装置1000が受信する印刷ジョブは、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義するメディアグループ定義150と、メディアグループ定義150で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報(ページ属性501内のメディア指定)とが設定された印刷ジョブである。
【0055】
以下、図6を参照して、メディアグループ定義アプリケーション2040を用いたメディアグループ定義ファイル2050の作成方法について説明する。
図6は、メディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUI2001上の表示例である。
【0056】
図6に示すUIは、ホストコンピュータ2000、3000、4000のメディアグループ定義アプリケーション2040によりUI2001に表示される。即ち、図6に示すUIは、ホストコンピュータ2000、3000、4000のCPUが外部記憶装置にコンピュータ読み取り可能に記録されたメディアグループ定義アプリケーション2040を実行することにより、UI2001に表示されるUI画面である。以下、図6のUI画面1300からメディアグループ定義を行う方法について説明する。
【0057】
まず、ユーザはUI2001により「グループ」1301をクリックすると表示されるメニューからグループを追加する操作を行う。その際、ユーザはUI2001により、グループ番号を入力する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、UI画面1300に新たなグループを追加する。
【0058】
次に、ユーザはUI2001により、追加したグループをクリックすると表示されるメニューから「指定メディア」を追加する操作を行う。その際、ユーザは、メディアの種類(印刷メディア種類)を選択する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、グループに指定メディアを追加する。なお、1つのグループに複数の指定メディアを追加させる場合には、この操作を複数回行う。この場合、同一番号のグループがUI上に追加されて、該追加されたグループに指定メディアが追加される。
【0059】
次に、ユーザはUI2001により、追加した指定メディアをクリックすると表示されるメニュー1302から「給紙検索メディア」を追加する操作を行う。その際、ユーザはUI2001により、メディアの種類を選択する操作を行う。これらの操作により、メディアグループ定義アプリケーション2040は、指定メディアに対応する給紙検索メディアを追加する。なお、この操作を複数回行うことで、1つの指定メディアに対して、複数の給紙検索メディアを追加可能である。
【0060】
最後に、ユーザはUI2001によりOKボタン1303をクリックすると、メディアグループ定義アプリケーション2040は、UI画面1300で作成されたメディアグループ定義情報に基づいて、メディアグループ定義ファイル2050を外部記憶装置上に生成する。
【0061】
以下、図7を参照して、実施例1における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図7は、実施例1における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0062】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。なお、PDLデータ140は、レンダラ141により非同期にレンダリングされイメージデータ142として蓄積されていく。
【0063】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(給紙段情報取得処理)(S11)。
【0064】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(メディアグループ定義情報取得処理)(S12)、S13に処理を進める。
【0065】
S13では、給紙制御部132は、ジョブの全ページの処理を終了したか否かを判定し(S13)、まだ全ページの処理を終了していないと判定した場合(S13でNo)、S14に処理を進める。
【0066】
給紙制御部132は、ジョブ・ページ制御情報131から未処理の最初のページのページ属性を取得する(S14)。
【0067】
次に、給紙制御部132は、上記S14で取得したページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にある(含まれている)かどうかをチェックする(S15)。
【0068】
そして、上記ページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にない(含まれていない)と判定した場合(S15でNo)、給紙制御部132は、S16に処理を進める。
【0069】
S16では、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされているか検索する(給紙段検索処理)。なお、給紙段検索処理の詳細は後述する図8に示す。
【0070】
そして、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200のどの給紙段にもセットされていない(検索結果が「該当用紙なし」)と判定した場合(S17でYes)、S18に処理を進める。
【0071】
S18では、給紙制御部132は、ページ属性で指定される用紙がないことをUI300に表示し、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200にセットされるのを待つ(S18)。なお、プリントエンジン200は、給紙段211〜213に用紙がセットされると、給紙段情報160を更新するものとする。
【0072】
そして、給紙制御部132は、給紙段情報160により、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされたことを検知すると、その給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。
【0073】
一方、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がプリントエンジン200に存在する(検索結果が「該当用紙あり」)と判定した場合(S17でNo)、そのままS19に処理を進める。S19では、給紙制御部132は、上記S16で検索した用紙がセットされた給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。
【0074】
なお、ページ属性で給紙段が指定されている場合は、上記S16の代わりに、その給紙段に上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされているか判定する。そして、上記ページ属性で指定される給紙段に、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされていないと判定した場合、S18に処理を進めるものとする。一方、上記ページ属性で指定される給紙段に、上記ページ属性で指定される用紙サイズとメディア種類がセットされていると判定した場合、そのままS19に処理を進めるものとする。
【0075】
上記S19の印刷処理が終了したら、給紙制御部132は、次のページの処理に移し(S20)、上記S13に処理を戻す。
【0076】
また、上記S15において、上記S14で取得したページ属性で指定されるメディア種類がメディアグループ定義150内の指定メディア503にある(含まれている)と判定した場合(S15でYes)、給紙制御部132は、S21に処理を進める。
【0077】
S21では、給紙制御部132は、上記ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内の最初のメディアを一つピックアップする処理(メディア取得処理)を行い、S22に処理を進める。例えば、メディアグループ定義150が図5(B)で、ページ属性で指定されるメディア種類が「メディア指定なし」の場合、給紙制御部132は、最初のメディアとして「普通紙」を取得する。
【0078】
S22では、給紙制御部132は、メディアをピックアップできなかった(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア504内にもう未処理のメディアが無い)か否かを判定する。そして、メディアをピックアップできた(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア504内に未処理のメディアがあった)と判定した場合(S22でNo)、S23に処理を進める。
【0079】
S23では、給紙制御部132は、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされているか検索する(給紙段検索処理)。なお、給紙段検索処理の詳細は後述する図8に示す。
【0080】
そして、給紙制御部132は、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれの給紙段にもセットされていない(検索結果が「該当用紙なし」)と判定した場合(S24でNo)、S25に処理を進める。S25では、給紙制御部132は、ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内の次のメディアを一つピックアップする処理(メディア取得処理)を行い、S22に処理を戻す。
【0081】
一方、上記S24において、給紙制御部132が、ピックアップしたメディア種類で、且つ、ページ属性で指定される用紙サイズのメディアが、プリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされている(検索結果が「該当用紙あり」)と判定した場合(S24でYes)、S19に処理を進める。S19では、給紙制御部132は、上記S23で検索した用紙がセットされた給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う。この後は、同様であるので説明は省略する。
【0082】
一方、上記S22において、給紙制御部132が、メディアをピックアップできなかった(ページ属性で指定されるメディア種類に対応する指定メディア503に対応する給紙検索メディア504内にもう未処理のメディアが無い)と判定した場合(S22でYes)、S26に処理を進める。
【0083】
S26では、給紙制御部132は、ページ属性で指定されるメディア種類に対応する用紙がないことをUI300に表示し、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200にセットされるのを待つ。なお、プリントエンジン200は、給紙段211〜213に用紙がセットされると、給紙段情報160を更新するものとする。そして、給紙制御部132は、給紙段情報160により、該当するメディアの用紙がプリントエンジン200のいずれかの給紙段にセットされたことを検知すると、その給紙段を給紙する給紙段に決定する。そして、給紙制御部132は該給紙段から用紙を給紙するようプリントエンジン200に伝え、プリントエンジンはシッパ143と同期して用紙への印刷を行う(S19)。この後は、同様であるので説明は省略する。
【0084】
そして、上記S13において、給紙制御部132が、ジョブの全ページの処理が終了したと判定した場合(S13でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
なお、このフローチャートでは、用紙がなく停止した状態でジョブをキャンセルする処理や、代わりの用紙サイズを使用するといった処理は、説明を簡単にするために省略してある。
【0085】
以下、図8を参照して、図7のS16及びS23の給紙段検索処理について説明する。
図8は、印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132の給紙段検索処理(図7のS16及びS23)の一例を示すフローチャートである。
【0086】
給紙制御部132は、給紙段検索処理を開始すると、まずS31において、最初の給紙段からチェックを開始する(最初の給紙段a211を現在の給紙段に設定する処理を行う)。
【0087】
次にS32において、給紙制御部132は、全ての給紙段について処理を終了した(現在の給紙段に設定する未処理の給紙段が存在しない)か否かを判定し、未だ終了していないと判定した場合(S32でNo)、S33に処理を進める。
【0088】
S33では、給紙制御部132は、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致するか否かを判定する。
そして、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致すると判定した場合(S33でYes)、給紙制御部132は、S34に処理を進める。
【0089】
S34では、給紙制御部132は、現在の給紙段に用紙があるかどうかを判定し、もし現在の給紙段に用紙が存在すると判定した場合(S34でYes)、検索結果を「該当用紙がある」として、図7のフローチャートに処理を戻す(S35)。
【0090】
また、給紙制御部132は、現在の給紙段に用紙が存在しないと判定した場合(S34でNo)、給紙制御部132は、S36に処理を進める。
【0091】
また、給紙制御部132は、現在の給紙段に設定されている用紙のサイズ及びメディア種類と、検索中の用紙のサイズ及びメディア種類とが合致しないと判定した場合(S33でNo)も、S36に処理を進める。
【0092】
S36では、給紙制御部132は、次の給紙段を現在の給紙段に設定する処理を行い、S32に処理を戻す。
そして上記S32にて、給紙制御部132は、全ての給紙段について処理を終了した(現在の給紙段に設定する未処理の給紙段が存在しない)と判定した場合(S32でYes)、検索結果を「該当用紙なし」とし、図7のフローチャートに処理を戻す(S37)。
【0093】
以下、実施例1の効果について具体例を用いて説明する。
(例1)例えば、再生紙でも普通紙でも構わないので早く多くのページを印刷したいオフィスユーザが、自分のジョブをホストコンピュータ2000から印刷装置1000に送る際に、プリンタドライバ2020で図5(B)にあるメディアグループ定義を付けて送信したとする。すると、印刷装置1000は、プリントエンジン200の給紙段から普通紙が存在するものを探して給紙して印刷を開始する。そして、もしその給紙段の用紙がなくなったとしても、印刷装置1000は、他の給紙段に再生紙1若しくは再生紙2があれば、給紙元をそれらの給紙段に切り替え、印刷処理を継続できる。また、仮に他の給紙段に再生紙1や再生紙2以外の用紙(例えば色紙や厚紙、コート紙等)があっても、それらの給紙段から用紙が給紙されてしまうことはなく、ユーザの意図しない用紙に印刷されてしまうといった不具合を防ぐことができる。このように、実施例1の印刷システムでは、ジョブで指示された種類の用紙が用紙切れの場合でも、ユーザが、用紙を入れ替える作業や、給紙段を強制的に切り替えるか作業をできるだけ抑えることができ、ユーザの手間を抑えることができる。また、用紙属性の同じ用紙を複数の給紙段にセットする必要もなく、有限個の給紙段を効率良く利用できる。
【0094】
(例2)例えば、コート紙であれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないページを含む印刷物を出力したいユーザが、専用POD機には今片面コート紙1しか設置されていないことを知っていたため、そのページに片面コート紙1を指定してジョブを生成したとする。しかし、その後になって専用POD機で他のジョブを実行されていて当分使用できないことが分かったので、ユーザは、上記の印刷を予備のLitePOD機である印刷装置1000で行うことにした。そして、ユーザは、印刷装置1000にジョブを送信する際、プリンタドライバ2020で図5(C)にあるメディアグループ定義を付けて送信した。ここで仮に、印刷装置1000が片面コート紙1をサポートしておらず、片面コート紙2しかサポートできないとしても、印刷装置1000は片面コート紙2がある給紙段を見つけて印刷を行うことができる。このように、実施例1の印刷装置では、ジョブの属性で指定したメディア種類の用紙が印刷装置1000に存在しない場合でも、自動給紙切替の対象となるメディアを制御し、エラーの発生や意図しない用紙への印刷を抑えることができる。また、ジョブの属性でメディアの種類を指定していない場合でも、メディアグループ定義でユーザが「メディア指定なし」の場合に対応させて指定したメディアの中から用紙を給紙して印刷することができる。
【0095】
なお、ユーザにはジョブ投入時にメディアグループ定義を選択する手間がかかるが、オフィスの使い方しかしないのであれば、一旦プリンタドライバで固定の設定をしておけば、その後の手間はかからない。また専用POD機からLitePOD機にジョブを振り代える際には、問題が発生しそうなケースを回避する典型的なパターンを用意しておき、目的に応じて選択するのであれば、これも大した手間にはならない。これにより一台で高速なオフィス機とPOD機の機能を兼ねることができることがわかる。
【0096】
また、リサイクル等の観点から、ドラフト印刷には再生紙を使用し、外部向け資料では普通紙及び一部のページで片面コート紙1を用いたい場合、ジョブ単位でジョブに付加するメディアグループ定義を変更するだけで、ジョブ単位で給紙する用紙を柔軟に変更することができる。
【0097】
したがって、印刷ジョブで指定したメディアが印刷装置の給紙段にセットされていない場合や、印刷ジョブでメディア指定がない場合でも、ユーザの意図しないメディアに印刷されてしまう事態の発生を防止し、ユーザが許容できるメディアに印刷を行うことができる。
【実施例2】
【0098】
上記実施例1では、ページが要求する用紙サイズとメディアの種類が同じであれば、どのページも許容されるメディアの種類は同じとなる。しかし、ページの属性、例えばそのページがカラーページの場合とモノクロページの場合で、異なるメディアが使えたほうが良い場合もある。例えば、モノクロページであれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないが、カラーページの場合は厳密に片面コート紙1と片面コート2を使い分けて印刷したい、という場合がある。このような要求を実現するための構成を実施例2として以下に示す。
なお、実施例2のシステム構成、ホストコンピュータの構成、印刷装置の構成、印刷ジョブの構成は、図1〜図4に示した実施例1と同一であるので説明を省略する。
【0099】
図9、図10は、実施例2のメディアグループ定義を説明する図である。
図9は、メディアグループ定義の一つの定義例である。
実施例2のメディアグループ定義150は、モノクロ印刷用の定義情報であるモノクロページ用メディアグループ定義601と、カラー印刷用の定義情報であるカラーページ用メディアグループ定義610を含む。
【0100】
モノクロページ用メディアグループ定義601は、1又は複数のグループ602のリストである。各グループ602は、1又は複数の指定メディア603と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア604との組み合わせで定義される。
【0101】
カラーページ用メディアグループ定義610は、1又は複数のグループ605のリストである。各グループ605は、1又は複数の指定メディア606と、これらに対応する1又は複数の給紙検索メディア607との組み合わせで定義される。
なお、モノクロページのグループ602とカラーページのグループ605は特に相関関係がなくても構わない。
【0102】
メディアグループ定義150は、ホストコンピュータ2000、3000、4000のプリンタドライバ2020にて、図9に示すように、ジョブ属性の一つとしてジョブに付加され、印刷装置1000に送信される。印刷装置1000で受信されたジョブは、コントローラ100内のジョブ解析部120により解析され、ジョブからメディアグループ定義150が取得される。
【0103】
以下、図10を用いて図9に示したメディアグループ定義150の内容を具体的に説明する。
図10は、図9の定義に従って作られたメディアグループ定義の内容の一例である。
図10に示すモノクロページ用メディアグループ定義601では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙/再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」又は「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1/厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」又は「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1/片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0104】
また、図10に示すカラーページ用メディアグループ定義610では、指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「色紙」の場合、給紙検索メディアが「色紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「普通紙」の場合、給紙検索メディアが「普通紙」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙検索メディアが「再生紙1/再生紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙検索メディアが「厚紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「厚紙2」の場合、給紙検索メディアが「厚紙2」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙1」となるグループが定義されている。また、指定メディアが「片面コート紙2」の場合、給紙検索メディアが「片面コート紙2」となるグループが定義されている。
【0105】
例えば、ジョブの或るページの指定メディアが「指定メディアなし」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、普通紙、再生紙1、再生紙2のいずれかがセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、普通紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0106】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「再生紙1」又は「再生紙2」の場合、給紙制御部132は、モノクロページでもカラーページでも、再生紙1又は再生紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。
【0107】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「厚紙1」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、厚紙1又は厚紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、厚紙1がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、厚紙2の場合も同様である。
【0108】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「片面コート紙1」の場合、給紙制御部132は、モノクロページの場合、片面コート紙1又は片面コート紙2がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。一方、カラーページの場合、給紙制御部132は、片面コート紙1がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、片面コート紙2の場合も同様である。
【0109】
また、ジョブの或るページの指定メディアが「色紙」の場合、給紙制御部132は、モノクロページでもカラーページでも、色紙がセットされている給紙段を検索し、該検索された給紙段をそのページの給紙段に決定する。なお、普通紙の場合も同様である。
即ち、図10に示すメディアグループ定義の例は、モノクロページであれば再生紙1でも再生紙2でも構わない、厚紙1でも厚紙2でも構わない、また片面コート紙1でも片面コート紙2構わない。ところがカラーページであれば再生紙1と再生紙2は構わないが、厚紙1と厚紙2は厳密に切り分けたい、また片面コート紙1と片面コート紙2は厳密に切り分けたい、という要求に即した、メディアグループ定義の例である。
【0110】
なお、実施例2のメディアグループ定義ファイル2050を作成するメディアグループ定義アプリケーション2040のUIについては、図6に示したUIを、モノクロページ用、カラーページ用にそれぞれ起動させて作成するものとする。
【0111】
以下、図11を参照して、実施例2における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図11は、実施例2における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0112】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。なお、PDLデータ140は、レンダラ141により非同期にレンダリングされイメージデータ142として蓄積されていく。また、各ページがモノクロページかカラーページかを判定するための情報は、ジョブ・ページ制御情報131に含まれる。
【0113】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(S51)。
【0114】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(S52)、S53に処理を進める。
【0115】
S53では、給紙制御部132は、ジョブの全ページの処理を終了したか否かを判定し(S53)、まだ全ページの処理を終了していないと判定した場合(S53でNo)、S54に処理を進める。
【0116】
給紙制御部132は、ジョブ・ページ制御情報131から未処理の最初のページを現在のページとし、現在のページのページ属性、及び、現在のページがモノクロページかカラーページかを判定するための情報を取得する(S54)。
【0117】
次に、給紙制御部132は、上記S54で取得した情報に基づいて現在のページがカラーページであるか否かを判定する(S55)。
【0118】
そして、現在のページがカラーページであると判定した場合(S55でYes)、給紙制御部132は、カラーページ用メディアグループ定義610をメディアグループ定義として使用して、S58〜S69の処理を実行ように決定する(S56)。
【0119】
一方、現在のページがモノクロページであると判定した場合(S55でNo)、給紙制御部132は、モノクロページ用メディアグループ定義601をメディアグループ定義として使用して、S58〜S69の処理を実行ように決定する(S57)。
以降のS58〜S69の処理は、図7のS15〜S26と同様のため説明を省略する。
そして、上記S53において、給紙制御部132が、ジョブの全ページの処理が終了したと判定した場合(S53でYes)、本フローチャートの処理を終了する。
なお、このフローチャートでは、用紙がなく停止した状態でジョブをキャンセルする処理や、代わりの用紙サイズを使用するといった処理は、説明を簡単にするために省略してある。
【0120】
以上に説明したように、上述の実施例1の効果に加え、実施例2では、モノクロページであれば片面コート紙1でも片面コート紙2でも構わないが、カラーページでは厳密に片面コート紙1と片面コート2を使い分けて印刷したい要求にも対応できる、フレキシブルな給紙段決定を行うことができる。
【0121】
なお、実施例2では、ページの属性ごとに専用のメディアグループ定義を用いる(カラーページとモノクロページで専用のメディアグループ定義を用いる)構成を説明した。しかし、カラーページ、モノクロページだけではなく、その他のページの属性ごとに専用のメディアグループ定義を用いる構成でもよい。
【0122】
例えば、文字ページ、写真ページ、文字・写真混在ページというページの属性に対応させて、文字ページ用、写真ページ用、文字・写真混在ページ用のメディアグループ定義をそれぞれ含むメディアグループ定義ファイルを用いる構成でもよい。
【0123】
また、印刷物に光沢を出すための光沢度調整用の特殊印刷剤(クリアトナー)を有色印刷剤(有色トナー)に重ねて印刷可能な印刷装置の場合、クリアトナーを使用するクリアコートページ、クリアトナーを使用しない非クリアコートページというページの属性に対応させて、クリアコートページ用、非クリアコートページ用のメディアグループ定義をそれぞれ含むメディアグループ定義ファイルを用いる構成でもよい。
【実施例3】
【0124】
実施例3では、複数の形式のメディアグループ定義に対応可能な実施例について説明する。例えば、図5(A)に示したような実施例1の形式(第1の形式)のメディアグループ定義でも、図9に示したような実施例2の形式(第2の形式)のメディアグループ定義でも対応可能な実施例について説明する。以下、第1実施例及び第2実施例との差分を説明する。
【0125】
以下、図12を参照して、実施例3における給紙制御部132のジョブ処理について説明する。
図12は、実施例3における印刷装置1000のコントローラ100の給紙制御部132のジョブ処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、印刷装置1000のコントローラ100内の給紙制御部132により実行される。例えば、印刷装置1000のコントローラ100の構成の一部は、コントローラ100のCPUがROMにコンピュータ読み取り可能に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
【0126】
コントローラ100は、ホストコンピュータ2000からネットワーク1経由でジョブを受け取ると、ジョブ解析部120によりジョブを解析し、PDLデータ140、ジョブ・ページ制御情報131、メディアグループ定義150にデータを分ける。そしてジョブ制御部130からの指示により給紙制御部132がジョブ処理を開始する。
【0127】
給紙制御部132は、ジョブ処理を開始すると、まず給紙段情報160からプリントエンジン200にある給紙段a211、給紙段b212、給紙段c213の情報を取得する(S71)。
【0128】
次に、給紙制御部132は、メディアグループ定義150を取得し(S72)、S73に処理を進める。
【0129】
S73では、給紙制御部132は、上記S72で取得したメディアグループ定義150が第1の形式であるか第2の形式であるかを判定する。
そして、第1の式であると判定した場合(S72でYes)、給紙制御部132は、図7のS13〜S26の処理を実行する。
一方、第2式であると判定した場合(S72でNo)、給紙制御部132は、図11のS53〜S69の処理を実行する。
【0130】
以上示したように、複数の形式のメディアグループ定義を使い分けて、さまざまなケースに応じて、柔軟な給紙段決定を行うことができる。
【0131】
(他の実施例)
上記各実施例では、メディアグループ定義をユーザがプリンタドライバUIから指示して印刷ジョブに付加して印刷装置に送る構成を示した。しかし、常時決まったメディアグループ定義を印刷装置に送るようにしてもよい。
また、ユーザごとに予めきめられたメディアグループ定義を印刷装置に送るようにしてもよい。
【0132】
ページ属性で指定されるメディア種類が指定メディア503となるメディアグループ定義150の給紙検索メディア504に複数のメディアが含まれる場合には、以下に示すような所定の方法でメディアを選択する。例えば、ジョブで指定されるメディア種類に対応する給紙検索メディア内のメディアの検索順(即ち、給紙段を決定する優先順)は、定義順としてもよいし、給紙検索メディア内のメディアに優先順位を付しておき、該優先順位の順に給紙検索メディア内のメディアを検索する(即ち、給紙段を決定する)構成でもよい。
また、ジョブで指定されるメディア種類を優先的に検索する(即ち、優先して給紙段を決定する)ように構成してもよい。
また、例えば指定メディアが「指定メディアなし」の場合に給紙検索メディアを「普通紙」とするメディアグループ定義が予め印刷装置1000に設定されていたとしても、ジョブで指定されたメディアグループ定義を優先するように構成してもよい。これにより、予め印刷装置1000に設定されたメディアグループ定義ではなく、独自のメディアグループ定義を用いたいユーザの利便性が向上する。
また、上記各実施例では、印刷メディア種類をメディアグループ定義として定義していたが、本発明はこれに限るものではない。例えば印刷メディアのサイズなど、印刷で使用する印刷メディア(シート)を特定するための情報を、図5のメディアグループ定義のようにグループとして定義し、ページ属性511で当該グループのいずれを使用するか指定するようにしてもよい。
【0133】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0134】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等のプロセッサ)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0135】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0136】
1 ネットワーク
1000 印刷装置
2000、3000、4000 ホストコンピュータ
2020 プリンタドライバ
2040 メディアグループ定義アプリケーション
2050 メディアグループ定義ファイル
100 コントローラ
120 ジョブ解析部
130 ジョブ制御部
132 給紙制御部
200 プリントエンジン
211、212、213 給紙段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、前記指定情報はページ毎に印刷で使用するグループを指定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記定義情報は、カラー印刷用の定義情報とモノクロ印刷用の定義情報とから構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記指定情報で指定されるグループに複数のシート情報が含まれる場合には、前記印刷手段は所定の方法で選択されたシート情報が示すシートを用いて前記印刷ジョブを実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷手段は、前記印刷ジョブに設定される優先順位に基づいて、前記複数のシート情報の中から特定のシート情報を選択することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記シート情報は、前記シートの種類を特定するための情報であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、
前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、前記指定情報はページ毎に印刷で使用するグループを指定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記定義情報は、カラー印刷用の定義情報とモノクロ印刷用の定義情報とから構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記シート情報は、前記シートの種類を特定するための情報であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
受信手段が、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信ステップと、
印刷手段が、前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
生成手段が、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成ステップと、
送信手段が、前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、
前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信手段と、
前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、前記指定情報はページ毎に印刷で使用するグループを指定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記定義情報は、カラー印刷用の定義情報とモノクロ印刷用の定義情報とから構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記指定情報で指定されるグループに複数のシート情報が含まれる場合には、前記印刷手段は所定の方法で選択されたシート情報が示すシートを用いて前記印刷ジョブを実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷手段は、前記印刷ジョブに設定される優先順位に基づいて、前記複数のシート情報の中から特定のシート情報を選択することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記シート情報は、前記シートの種類を特定するための情報であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、
前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記印刷ジョブが複数ページの印刷を行う印刷ジョブの場合、前記指定情報はページ毎に印刷で使用するグループを指定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記定義情報は、カラー印刷用の定義情報とモノクロ印刷用の定義情報とから構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記シート情報は、前記シートの種類を特定するための情報であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
受信手段が、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを受信する受信ステップと、
印刷手段が、前記指定情報で指定されたグループに含まれるシート情報が示すシートを用いて、前記印刷ジョブを実行する印刷ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項12】
生成手段が、印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成ステップと、
送信手段が、前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
印刷で使用可能なシートを特定するためのシート情報のうち、1又は複数のシート情報を1つのグループとして定義する定義情報を生成する生成手段と、
前記定義情報と、当該定義情報で定義された複数のグループのうちいずれのグループを印刷で使用するかを指定する指定情報とが設定された印刷ジョブを印刷装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−91492(P2012−91492A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160465(P2011−160465)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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