印刷装置及び印刷方法
【課題】所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うこと。
【解決手段】搬送方向に関する領域において、上流側背景色ノズル列と下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、上流側カラーノズル列と下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、搬送方向に関する領域において、上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、カラーノズル列によりカラー画像を形成し下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、を行わせる制御部であって、1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部を備える。
【解決手段】搬送方向に関する領域において、上流側背景色ノズル列と下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、上流側カラーノズル列と下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、搬送方向に関する領域において、上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、カラーノズル列によりカラー画像を形成し下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、を行わせる制御部であって、1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクを噴射するヘッドを移動させ印刷を行うインクジェットプリンタが開発されている。このようなプリンターの中には、例えば白色インクを噴射して背景画像を形成し、さらにカラーインクを噴射してカラー画像を形成することができるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−5878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷領域において、背景画像のみを印刷する領域と、背景画像及びカラー画像を印刷する領域が存在する場合もある。また、他の組み合わせとして、カラー画像のみを印刷する領域が存在する場合もある。そうすると、背景画像のみ又はカラー画像のみを印刷する単独領域と、背景画像及びカラー画像を印刷する重ね領域と、の印刷を適切に切り替えて行うことが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】プリンター1の全体構成ブロック図である。
【図2】プリンター1の斜視図である。
【図3】ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。
【図4】本実施形態における単独領域と重ね領域を説明する図である。
【図5A】切り替えパターン1の第1説明図である。
【図5B】切り替えパターン1の第2説明図である。
【図6A】切り替えパターン1の第3説明図である。
【図6B】切り替えパターン1の第4説明図である。
【図7】本実施形態における印刷モードを説明する図である。
【図8】両面印刷の説明図である。
【図9A】切り替えパターン2の第1説明図である。
【図9B】切り替えパターン2の第2説明図である。
【図9C】切り替えパターン2の第3説明図である。
【図10A】切り替えパターン2の第4説明図である。
【図10B】切り替えパターン2の第5説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0009】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことができる。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記重ね領域印刷において、前記媒体上に前記背景色インクを着弾させてから前記カラーインクを着弾させる背景画像先印刷モードと、前記媒体上に前記カラーインクを着弾させてから前記背景色インクを着弾させる背景画像後印刷モードと、の印刷モードを備えることが望ましい。
このようにすることで、カラー画像を媒体表面から視認する場合と、カラー画像を媒体裏面から視認する場合と、の両方に対応することができる。
【0011】
また、前記背景画像後印刷モードにおいて、前記背景色インクを前記媒体に着弾させた後に、さらに前記カラーインクを着弾させることが望ましい。
このようにすることによって、両面印刷を行うことができるようになる。
【0012】
また、前記交差方向の移動のうち往路方向及び復路方向のいずれか一方の方向においてインクを噴射することが望ましい。
このようにすることで、適切に単独領域の印刷、及び、重ね領域の印刷を行うことができる。さらに、往路方向のみの印刷か復路方向の印刷かによって、背景先形成モードと背景後形成モードを容易に切り替えることができるようにもなる。
【0013】
また、前記背景色インクは白色のインクであることが望ましい。
このようにすることで、白色をベースとした背景画像を形成することができる。
【0014】
また、前記背景色インクはメタリック調のインクであることとしてもよい。
このようにすることで、メタリックをベースとした背景画像を形成することができる。
【0015】
また、前記制御部は、前記媒体上において前記背景色インクと前記カラーインクとを混色させ前記背景画像を調色することが望ましい。
このようにすることで、調色された背景画像を提供することができる。
【0016】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部と、
を備えた印刷装置における印刷方法であって、
前記媒体において前記単独領域印刷を行う領域と前記重ね領域印刷を行う領域を判別することと、
前記判別の結果に基づいて、前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させることと、
を含む印刷方法。
このようにすることで、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことができる。
【0017】
===実施形態===
以下、印刷装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて実施形態を説明する。
【0018】
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図である。図2は、プリンター1の斜視図である。コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。なお、コンピューター60には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するためのプログラム(プリンタードライバー)がインストールされている。プリンタードライバーは、CD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されていたり、インターネットを介してコンピューターにダウンロード可能であったりする。
【0019】
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
【0020】
搬送ユニット20は、媒体Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送させるものである。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する移動方向に移動させるためのものであり、キャリッジ31を有する。
【0021】
ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41を有する。ヘッド41はキャリッジユニット30のキャリッジ31によって移動方向に移動する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)が設けられている。
【0022】
図3は、ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。なお、図はヘッド41の上面から仮想的にノズルを見た図である。ヘッド41の下面には、180個のノズルが搬送方向に所定の間隔(ノズルピッチD)で並んだノズル列が5列形成されている。図示するように、白インクを噴射するホワイトノズル列W・ブラックインクを噴射するブラックノズル列K・シアンインクを噴射するシアンノズル列C・マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列M・イエローインクを噴射するイエローノズル列Yが、移動方向に並んでいる。なお、各ノズル列が有する180個のノズルに対して、搬送方向の下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。
【0023】
このようなプリンター1では、移動方向に沿って移動するヘッド41からインク滴を断続的に噴射させて媒体上にドットを形成するドット形成処理と、媒体をヘッド41に対して搬送方向に搬送する搬送処理とが繰り返される。そうすることで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる媒体上の位置に、後のドット形成処理にてドットを形成することができ、媒体上に2次元の画像を印刷することができる。なお、ヘッド41がインク滴を噴射しながら移動方向に1回移動する動作(1回のドット形成処理・噴射動作)を「パス」と呼ぶ。
【0024】
図4は、本実施形態における単独領域と重ね領域を説明する図である。図には、媒体Sと、この媒体上における単独領域と重ね領域が示されている。単独領域とは、背景画像及びカラー画像のいずれか一方が形成される領域である。重ね領域とは、背景画像及びカラー画像のいずれもが形成される領域である。ここで、領域は、搬送方向に関して切り分けられる。このように、領域が搬送方向に関して切り分けられるのは、ヘッドが搬送方向と交差する方向に移動しつつインクを噴射してこれらの画像を形成するからである。
【0025】
背景画像は、例えば、白色のインクによって形成されたり、メタリック調のインクによって形成されたりする。カラー画像は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのインクによって形成される。尚、背景画像は、白色に他のカラーインクを少量混ぜるようにして調色が行われることとしてもよい。
【0026】
図4には、カラー画像として「A」の文字が印刷されている様子が示されているが、搬送方向に関してカラー画像が存在する領域が重ね領域である。一方、搬送方向に関してカラー画像が存在せず、背景画像だけが形成されている領域が単独領域である。
【0027】
なお、図4には、単独領域として、背景色のみが形成されている領域と、背景色の上にカラー画像が形成されている様子を示しているが、単独領域としてカラー画像のみが形成されていてもよいし、重ね領域としてカラー画像が先に形成され、その上に背景画像が形成されることとしてもよい。
【0028】
本実施形態では、上述のような単独領域の印刷と重ね領域との印刷を1つの媒体上で切り替えて行う(以下、切り替え印刷という)ことができるように、ヘッド41におけるノズルを以下に説明するように用いている。
【0029】
<切り替えパターン1>
図5Aは、切り替えパターン1の第1説明図であり、図5Bは、切り替えパターン1の第2説明図である。本来、図5Aと図5Bに示される切り替えパターンの説明図は、1つの図面であったが、紙面の都合上、2図に分割してある。図5Aと図5Bは、それぞれに示された符号Aの太線部分において結合する。このように両図を参照することによって、切り替えパターン1(その1)の全体図が完成する。
【0030】
図には、ノズルピッチDのヘッドが示されている。また、図では説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数が10個に減らされて描かれている。また、4色インク(YMCK)を各々噴射するノズル列がまとめて「カラーノズル列Co」と示されている。さらに、図には、媒体の搬送方向が示され、ヘッドの媒体に対する相対的な搬送量が示されている。尚、インクを噴射しているときのヘッドの移動方向(噴射時移動方向)は、紙面の右側から左側に向かう方向である。
【0031】
また、各パスが示され、各パスにおいて使用されるノズル番号が、円、三角形、及び、四角形によって囲まれている。各記号の意味は次の通りである。
円:重ね領域においてカラー画像を形成するノズル
三角形:重ね領域において背景画像を形成するノズル
四角形:単独領域においてカラー画像を形成するノズル
尚、単独領域において、三角形で囲われたノズルからはインクは噴射されない。
【0032】
このような条件に従って印刷を行うと、単独領域での印刷では、上流側のカラーノズル列(ノズル#6〜10)と下流側のカラーノズル列(ノズル#1〜#5)の全てを用いて、カラー画像の印刷が行われる。
【0033】
また、重ね領域での印刷では、上流側のホワイトノズル列(上流側の背景色ノズル列に相当し。ノズル#6〜10)により背景画像を形成し、下流側のカラーノズル列(ノズル#1〜#5)によりカラー画像を形成する。
【0034】
図6Aは、切り替えパターン1の第3説明図であり、図6Bは、切り替えパターン1の第4説明図である。ここでも、図6Aと図6Bに示される説明図は、本来、1つの図面であったが、紙面の都合上、2図に分割されたものである。これらの図も、それぞれに示された符号Bの太線部分において結合する。このように両図を参照することにより、切り替えパターン1の全体図(その2)が完成する。
【0035】
前述の図5A及び図5Bは、重ね領域の印刷から単独領域の印刷への遷移を説明する図であった。図6A及び図6Bは、単独領域の印刷から重ね領域の印刷への遷移を説明する図である。尚、付されている各符号が示す意味は、図5A及び図5Bのものと同じである。
【0036】
このように、切り替えパターン1に示されるように印刷を行うことによって、単独領域の印刷から重ね領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。また、重ね領域の印刷から単独領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。
【0037】
図7は、本実施形態における印刷モードを説明する図である。プリンター1は、カラー画像を印刷面側から見るように印刷する「表刷りモード」と、カラー画像を媒体側(画像形成側の反対側)から見るように印刷する「裏刷りモード」のうちの、何れか一方のモードにて媒体上に画像を形成することができる。尚、前述の切り替えパターン1では、重ね領域において表刷りモードの印刷が行われている。
【0038】
裏刷りモードの印刷を行うには、例えば、噴射時移動方向を反対にすることによって(すなわち、紙面左側から右側に向かう方向)、先にカラー画像を形成し、その上に背景画像を形成することができるようになる。
【0039】
また、上記説明では、単独領域ではカラー画像を印刷するものとして説明を行ったが、単独領域において三角形の記号で示されたノズルを用いることとして背景画像のみを形成することができる。
【0040】
<調色について>
ところで、白インクのみを使用して背景画像を印刷すると、背景画像を印刷する白インクの色そのものの色が背景画像の色となる。しかし、同じように白インクと呼ばれるインクであっても、インクの材料などによって白色の色味が若干異なる。そのため、使用する白インクによってユーザーが所望する色とは異なる色の背景画像が印刷されてしまう場合がある。また、印刷物によっては、単純な白色ではなく、若干の有彩色を有する背景画像が所望されることもある。また、白い媒体を用いる場合、白い媒体においても、媒体の種類によって白色の色味が若干異なる。そのため、白い媒体に背景画像を印刷する際に、背景画像の白色と媒体の白色とが異なると、背景画像が目立ってしまう。
【0041】
そこで、白インクと共に、少量のカラーインク(YMCK)を適宜使用して、所望の白色の背景画像(調整された白色の背景画像)を印刷することもできる。例えば、図5A及び図5Bに示す実施形態では、重ね領域の上流側のホワイトノズル列(#6〜#10)で背景画像を形成するとともに、隣接する上流側のカラーノズル列(#6〜#10)からも少量のインクを吐出させる。このように、白インクとカラーインクで背景画像を印刷することで、白インクが若干の色彩を有する場合に、その色彩を打ち消すインクと共に背景画像を印刷することで、背景画像を無彩色に近づけることもできる。
【0042】
図8は、両面印刷の説明図である。前述の重ね領域の印刷では、背景画像の片面に対してカラー画像が形成されていたが、さらに他方の面にもカラー画像を印刷することにより、より多くの情報を印刷することができるようになる。このような両面印刷を行うために、ヘッド41におけるノズルを以下に説明するように用いることもできる。
【0043】
<切り替えパターン2>
図9Aは、切り替えパターン2の第1説明図であり、図9Bは、切り替えパターン2の第2説明図であり、図9Cは、切り替えパターン2の第3説明図である。これらの図面も本来は1つの図面であったが、紙面の都合上、3図に分割してある。図9Aと図9Bは、それぞれに示された符号Cの太線部分において結合する。図9Bと図9Cは、それぞれに示された符号Dの太線部分において結合する。このように、両図を参照することによって、切り替えパターン2(その1)の全体図が完成する。
【0044】
ここでは、説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数が10個に減らされて描かれている。また、前述の実施形態において重ね領域として示されていたのが、両面領域として示されている。さらに、各パスが示され、各パスにおいて使用されるノズル番号が、円、三角形、四角形、及び、五角形によって囲まれている。各記号の意味は次の通りである。
円:両面領域においてカラー画像(表面)を形成するノズル
三角形:両面領域において背景画像を形成するノズル
四角形:単独領域においてカラー画像を形成するノズル
五角形:両面領域においてカラー画像(裏面)を形成するノズル
尚、単独領域において、三角形で囲われたノズルからはインクは噴射されない。
【0045】
図10Aは、切り替えパターン2の第4説明図であり、図10Bは、切り替えパターン2の第5説明図である。これらの図も、それぞれに示された符号Eの太線部分において結合する。このように両図を参照することにより、切り替えパターン2の全体図(その2)が完成する。
【0046】
前述の図9A〜図9Cは、両面領域の印刷から単独領域への遷移を説明する図であった。図10A〜図10Bは、単独領域の印刷から両面領域の印刷への遷移を説明する図である。尚、付されている各符号が示す意味は、図9A〜図9Cのものと同じである。
【0047】
このように、切り替えパターン2に示されるように印刷を行うことによって、両面領域の印刷から単独領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。また、単独領域の印刷から両面領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。
【0048】
尚、両面領域は、両面印刷の送りで記録が行われることを優先して、カラー画像の画質が優先される。結果的に、切り替え時における単独領域では、記録を行わないノズルがある。これは、同じラスターにノズルが2回あたるものがあるためである。本実施例では、最初にあたるノズルが記録することにするが、勿論、後に当たるノズルで記録を行うこととしてもよい。また、2回のノズルでそれぞれ画素を間引いて、1ラスターを記録する、所謂オーバーラップ印刷を行うこととしてもよい。
【0049】
また、上述の両面領域の印刷において、表面を形成するカラー画像及び裏面を形成するカラー画像のうちいずれか一方のデータを無しとすることで、片面の重ね領域の印刷を行うこともできる。よって、両面領域と片面の重ね領域とが近接(混在)している場合には、上記両面領域の印刷を行えば、両者の領域に対応することも可能となる。
【0050】
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、1つのヘッドにおける上流側のノズル列と下流側のノズル列を用いて説明したが、ヘットは1つに限られない。例えば、上流側に第1ヘッドを設け、下流側に第2ヘッドを設けることもできる。それぞれのヘッドは、カラーインクのノズル列と、ホワイトノズル列を備える。このようにすることによっても、第1ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を上流側のノズル列とすることができ、第2ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を下流側のノズル列とすることができる。
【0051】
上述の実施形態では、印刷装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0052】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0053】
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクを噴射するヘッドを移動させ印刷を行うインクジェットプリンタが開発されている。このようなプリンターの中には、例えば白色インクを噴射して背景画像を形成し、さらにカラーインクを噴射してカラー画像を形成することができるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−5878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷領域において、背景画像のみを印刷する領域と、背景画像及びカラー画像を印刷する領域が存在する場合もある。また、他の組み合わせとして、カラー画像のみを印刷する領域が存在する場合もある。そうすると、背景画像のみ又はカラー画像のみを印刷する単独領域と、背景画像及びカラー画像を印刷する重ね領域と、の印刷を適切に切り替えて行うことが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】プリンター1の全体構成ブロック図である。
【図2】プリンター1の斜視図である。
【図3】ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。
【図4】本実施形態における単独領域と重ね領域を説明する図である。
【図5A】切り替えパターン1の第1説明図である。
【図5B】切り替えパターン1の第2説明図である。
【図6A】切り替えパターン1の第3説明図である。
【図6B】切り替えパターン1の第4説明図である。
【図7】本実施形態における印刷モードを説明する図である。
【図8】両面印刷の説明図である。
【図9A】切り替えパターン2の第1説明図である。
【図9B】切り替えパターン2の第2説明図である。
【図9C】切り替えパターン2の第3説明図である。
【図10A】切り替えパターン2の第4説明図である。
【図10B】切り替えパターン2の第5説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0009】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことができる。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記重ね領域印刷において、前記媒体上に前記背景色インクを着弾させてから前記カラーインクを着弾させる背景画像先印刷モードと、前記媒体上に前記カラーインクを着弾させてから前記背景色インクを着弾させる背景画像後印刷モードと、の印刷モードを備えることが望ましい。
このようにすることで、カラー画像を媒体表面から視認する場合と、カラー画像を媒体裏面から視認する場合と、の両方に対応することができる。
【0011】
また、前記背景画像後印刷モードにおいて、前記背景色インクを前記媒体に着弾させた後に、さらに前記カラーインクを着弾させることが望ましい。
このようにすることによって、両面印刷を行うことができるようになる。
【0012】
また、前記交差方向の移動のうち往路方向及び復路方向のいずれか一方の方向においてインクを噴射することが望ましい。
このようにすることで、適切に単独領域の印刷、及び、重ね領域の印刷を行うことができる。さらに、往路方向のみの印刷か復路方向の印刷かによって、背景先形成モードと背景後形成モードを容易に切り替えることができるようにもなる。
【0013】
また、前記背景色インクは白色のインクであることが望ましい。
このようにすることで、白色をベースとした背景画像を形成することができる。
【0014】
また、前記背景色インクはメタリック調のインクであることとしてもよい。
このようにすることで、メタリックをベースとした背景画像を形成することができる。
【0015】
また、前記制御部は、前記媒体上において前記背景色インクと前記カラーインクとを混色させ前記背景画像を調色することが望ましい。
このようにすることで、調色された背景画像を提供することができる。
【0016】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部と、
を備えた印刷装置における印刷方法であって、
前記媒体において前記単独領域印刷を行う領域と前記重ね領域印刷を行う領域を判別することと、
前記判別の結果に基づいて、前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させることと、
を含む印刷方法。
このようにすることで、所謂単独領域と重ね領域との印刷を適切に切り替えて行うことができる。
【0017】
===実施形態===
以下、印刷装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて実施形態を説明する。
【0018】
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図である。図2は、プリンター1の斜視図である。コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。なお、コンピューター60には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するためのプログラム(プリンタードライバー)がインストールされている。プリンタードライバーは、CD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されていたり、インターネットを介してコンピューターにダウンロード可能であったりする。
【0019】
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
【0020】
搬送ユニット20は、媒体Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送させるものである。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する移動方向に移動させるためのものであり、キャリッジ31を有する。
【0021】
ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41を有する。ヘッド41はキャリッジユニット30のキャリッジ31によって移動方向に移動する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)が設けられている。
【0022】
図3は、ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。なお、図はヘッド41の上面から仮想的にノズルを見た図である。ヘッド41の下面には、180個のノズルが搬送方向に所定の間隔(ノズルピッチD)で並んだノズル列が5列形成されている。図示するように、白インクを噴射するホワイトノズル列W・ブラックインクを噴射するブラックノズル列K・シアンインクを噴射するシアンノズル列C・マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列M・イエローインクを噴射するイエローノズル列Yが、移動方向に並んでいる。なお、各ノズル列が有する180個のノズルに対して、搬送方向の下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。
【0023】
このようなプリンター1では、移動方向に沿って移動するヘッド41からインク滴を断続的に噴射させて媒体上にドットを形成するドット形成処理と、媒体をヘッド41に対して搬送方向に搬送する搬送処理とが繰り返される。そうすることで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる媒体上の位置に、後のドット形成処理にてドットを形成することができ、媒体上に2次元の画像を印刷することができる。なお、ヘッド41がインク滴を噴射しながら移動方向に1回移動する動作(1回のドット形成処理・噴射動作)を「パス」と呼ぶ。
【0024】
図4は、本実施形態における単独領域と重ね領域を説明する図である。図には、媒体Sと、この媒体上における単独領域と重ね領域が示されている。単独領域とは、背景画像及びカラー画像のいずれか一方が形成される領域である。重ね領域とは、背景画像及びカラー画像のいずれもが形成される領域である。ここで、領域は、搬送方向に関して切り分けられる。このように、領域が搬送方向に関して切り分けられるのは、ヘッドが搬送方向と交差する方向に移動しつつインクを噴射してこれらの画像を形成するからである。
【0025】
背景画像は、例えば、白色のインクによって形成されたり、メタリック調のインクによって形成されたりする。カラー画像は、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックのインクによって形成される。尚、背景画像は、白色に他のカラーインクを少量混ぜるようにして調色が行われることとしてもよい。
【0026】
図4には、カラー画像として「A」の文字が印刷されている様子が示されているが、搬送方向に関してカラー画像が存在する領域が重ね領域である。一方、搬送方向に関してカラー画像が存在せず、背景画像だけが形成されている領域が単独領域である。
【0027】
なお、図4には、単独領域として、背景色のみが形成されている領域と、背景色の上にカラー画像が形成されている様子を示しているが、単独領域としてカラー画像のみが形成されていてもよいし、重ね領域としてカラー画像が先に形成され、その上に背景画像が形成されることとしてもよい。
【0028】
本実施形態では、上述のような単独領域の印刷と重ね領域との印刷を1つの媒体上で切り替えて行う(以下、切り替え印刷という)ことができるように、ヘッド41におけるノズルを以下に説明するように用いている。
【0029】
<切り替えパターン1>
図5Aは、切り替えパターン1の第1説明図であり、図5Bは、切り替えパターン1の第2説明図である。本来、図5Aと図5Bに示される切り替えパターンの説明図は、1つの図面であったが、紙面の都合上、2図に分割してある。図5Aと図5Bは、それぞれに示された符号Aの太線部分において結合する。このように両図を参照することによって、切り替えパターン1(その1)の全体図が完成する。
【0030】
図には、ノズルピッチDのヘッドが示されている。また、図では説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数が10個に減らされて描かれている。また、4色インク(YMCK)を各々噴射するノズル列がまとめて「カラーノズル列Co」と示されている。さらに、図には、媒体の搬送方向が示され、ヘッドの媒体に対する相対的な搬送量が示されている。尚、インクを噴射しているときのヘッドの移動方向(噴射時移動方向)は、紙面の右側から左側に向かう方向である。
【0031】
また、各パスが示され、各パスにおいて使用されるノズル番号が、円、三角形、及び、四角形によって囲まれている。各記号の意味は次の通りである。
円:重ね領域においてカラー画像を形成するノズル
三角形:重ね領域において背景画像を形成するノズル
四角形:単独領域においてカラー画像を形成するノズル
尚、単独領域において、三角形で囲われたノズルからはインクは噴射されない。
【0032】
このような条件に従って印刷を行うと、単独領域での印刷では、上流側のカラーノズル列(ノズル#6〜10)と下流側のカラーノズル列(ノズル#1〜#5)の全てを用いて、カラー画像の印刷が行われる。
【0033】
また、重ね領域での印刷では、上流側のホワイトノズル列(上流側の背景色ノズル列に相当し。ノズル#6〜10)により背景画像を形成し、下流側のカラーノズル列(ノズル#1〜#5)によりカラー画像を形成する。
【0034】
図6Aは、切り替えパターン1の第3説明図であり、図6Bは、切り替えパターン1の第4説明図である。ここでも、図6Aと図6Bに示される説明図は、本来、1つの図面であったが、紙面の都合上、2図に分割されたものである。これらの図も、それぞれに示された符号Bの太線部分において結合する。このように両図を参照することにより、切り替えパターン1の全体図(その2)が完成する。
【0035】
前述の図5A及び図5Bは、重ね領域の印刷から単独領域の印刷への遷移を説明する図であった。図6A及び図6Bは、単独領域の印刷から重ね領域の印刷への遷移を説明する図である。尚、付されている各符号が示す意味は、図5A及び図5Bのものと同じである。
【0036】
このように、切り替えパターン1に示されるように印刷を行うことによって、単独領域の印刷から重ね領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。また、重ね領域の印刷から単独領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。
【0037】
図7は、本実施形態における印刷モードを説明する図である。プリンター1は、カラー画像を印刷面側から見るように印刷する「表刷りモード」と、カラー画像を媒体側(画像形成側の反対側)から見るように印刷する「裏刷りモード」のうちの、何れか一方のモードにて媒体上に画像を形成することができる。尚、前述の切り替えパターン1では、重ね領域において表刷りモードの印刷が行われている。
【0038】
裏刷りモードの印刷を行うには、例えば、噴射時移動方向を反対にすることによって(すなわち、紙面左側から右側に向かう方向)、先にカラー画像を形成し、その上に背景画像を形成することができるようになる。
【0039】
また、上記説明では、単独領域ではカラー画像を印刷するものとして説明を行ったが、単独領域において三角形の記号で示されたノズルを用いることとして背景画像のみを形成することができる。
【0040】
<調色について>
ところで、白インクのみを使用して背景画像を印刷すると、背景画像を印刷する白インクの色そのものの色が背景画像の色となる。しかし、同じように白インクと呼ばれるインクであっても、インクの材料などによって白色の色味が若干異なる。そのため、使用する白インクによってユーザーが所望する色とは異なる色の背景画像が印刷されてしまう場合がある。また、印刷物によっては、単純な白色ではなく、若干の有彩色を有する背景画像が所望されることもある。また、白い媒体を用いる場合、白い媒体においても、媒体の種類によって白色の色味が若干異なる。そのため、白い媒体に背景画像を印刷する際に、背景画像の白色と媒体の白色とが異なると、背景画像が目立ってしまう。
【0041】
そこで、白インクと共に、少量のカラーインク(YMCK)を適宜使用して、所望の白色の背景画像(調整された白色の背景画像)を印刷することもできる。例えば、図5A及び図5Bに示す実施形態では、重ね領域の上流側のホワイトノズル列(#6〜#10)で背景画像を形成するとともに、隣接する上流側のカラーノズル列(#6〜#10)からも少量のインクを吐出させる。このように、白インクとカラーインクで背景画像を印刷することで、白インクが若干の色彩を有する場合に、その色彩を打ち消すインクと共に背景画像を印刷することで、背景画像を無彩色に近づけることもできる。
【0042】
図8は、両面印刷の説明図である。前述の重ね領域の印刷では、背景画像の片面に対してカラー画像が形成されていたが、さらに他方の面にもカラー画像を印刷することにより、より多くの情報を印刷することができるようになる。このような両面印刷を行うために、ヘッド41におけるノズルを以下に説明するように用いることもできる。
【0043】
<切り替えパターン2>
図9Aは、切り替えパターン2の第1説明図であり、図9Bは、切り替えパターン2の第2説明図であり、図9Cは、切り替えパターン2の第3説明図である。これらの図面も本来は1つの図面であったが、紙面の都合上、3図に分割してある。図9Aと図9Bは、それぞれに示された符号Cの太線部分において結合する。図9Bと図9Cは、それぞれに示された符号Dの太線部分において結合する。このように、両図を参照することによって、切り替えパターン2(その1)の全体図が完成する。
【0044】
ここでは、説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数が10個に減らされて描かれている。また、前述の実施形態において重ね領域として示されていたのが、両面領域として示されている。さらに、各パスが示され、各パスにおいて使用されるノズル番号が、円、三角形、四角形、及び、五角形によって囲まれている。各記号の意味は次の通りである。
円:両面領域においてカラー画像(表面)を形成するノズル
三角形:両面領域において背景画像を形成するノズル
四角形:単独領域においてカラー画像を形成するノズル
五角形:両面領域においてカラー画像(裏面)を形成するノズル
尚、単独領域において、三角形で囲われたノズルからはインクは噴射されない。
【0045】
図10Aは、切り替えパターン2の第4説明図であり、図10Bは、切り替えパターン2の第5説明図である。これらの図も、それぞれに示された符号Eの太線部分において結合する。このように両図を参照することにより、切り替えパターン2の全体図(その2)が完成する。
【0046】
前述の図9A〜図9Cは、両面領域の印刷から単独領域への遷移を説明する図であった。図10A〜図10Bは、単独領域の印刷から両面領域の印刷への遷移を説明する図である。尚、付されている各符号が示す意味は、図9A〜図9Cのものと同じである。
【0047】
このように、切り替えパターン2に示されるように印刷を行うことによって、両面領域の印刷から単独領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。また、単独領域の印刷から両面領域の印刷を切り替えて行うことができるようになる。
【0048】
尚、両面領域は、両面印刷の送りで記録が行われることを優先して、カラー画像の画質が優先される。結果的に、切り替え時における単独領域では、記録を行わないノズルがある。これは、同じラスターにノズルが2回あたるものがあるためである。本実施例では、最初にあたるノズルが記録することにするが、勿論、後に当たるノズルで記録を行うこととしてもよい。また、2回のノズルでそれぞれ画素を間引いて、1ラスターを記録する、所謂オーバーラップ印刷を行うこととしてもよい。
【0049】
また、上述の両面領域の印刷において、表面を形成するカラー画像及び裏面を形成するカラー画像のうちいずれか一方のデータを無しとすることで、片面の重ね領域の印刷を行うこともできる。よって、両面領域と片面の重ね領域とが近接(混在)している場合には、上記両面領域の印刷を行えば、両者の領域に対応することも可能となる。
【0050】
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、1つのヘッドにおける上流側のノズル列と下流側のノズル列を用いて説明したが、ヘットは1つに限られない。例えば、上流側に第1ヘッドを設け、下流側に第2ヘッドを設けることもできる。それぞれのヘッドは、カラーインクのノズル列と、ホワイトノズル列を備える。このようにすることによっても、第1ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を上流側のノズル列とすることができ、第2ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を下流側のノズル列とすることができる。
【0051】
上述の実施形態では、印刷装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0052】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0053】
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記重ね領域印刷において、
前記媒体上に前記背景色インクを着弾させてから前記カラーインクを着弾させる背景画像先印刷モードと、
前記媒体上に前記カラーインクを着弾させてから前記背景色インクを着弾させる背景画像後印刷モードと、
の印刷モードを備える、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記背景画像後印刷モードにおいて、前記背景色インクを前記媒体に着弾させた後に、さらに前記カラーインクを着弾させる、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記交差方向の移動のうち往路方向及び復路方向のいずれか一方の方向においてインクを噴射する、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記背景色インクは白色のインクである、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記背景色インクはメタリック調のインクである、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記媒体上において前記背景色インクと前記カラーインクとを混色させ前記背景画像を調色する、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部と、
を備えた印刷装置における印刷方法であって、
前記媒体において前記単独領域印刷を行う領域と前記重ね領域印刷を行う領域を判別することと、
前記判別の結果に基づいて、前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させることと、
を含む印刷方法。
【請求項1】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部であって、
1つの前記媒体において前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させる制御部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記重ね領域印刷において、
前記媒体上に前記背景色インクを着弾させてから前記カラーインクを着弾させる背景画像先印刷モードと、
前記媒体上に前記カラーインクを着弾させてから前記背景色インクを着弾させる背景画像後印刷モードと、
の印刷モードを備える、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記背景画像後印刷モードにおいて、前記背景色インクを前記媒体に着弾させた後に、さらに前記カラーインクを着弾させる、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記交差方向の移動のうち往路方向及び復路方向のいずれか一方の方向においてインクを噴射する、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記背景色インクは白色のインクである、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記背景色インクはメタリック調のインクである、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記媒体上において前記背景色インクと前記カラーインクとを混色させ前記背景画像を調色する、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列と前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを移動させる移動部と、
(G)前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列と前記下流側背景色ノズル列による背景画像の形成、及び、前記上流側カラーノズル列と前記下流側カラーノズル列によるカラー画像の形成、のいずれか一方を行う単独領域印刷と、
前記搬送方向に関する領域において、前記上流側背景色ノズル列により背景画像を形成し前記下流側カラーノズル列によりカラー画像を形成すること、及び、前記カラーノズル列によりカラー画像を形成し前記下流側背景色ノズル列により背景画像を形成すること、のいずれか一方を行う重ね領域印刷と、
を行わせる制御部と、
を備えた印刷装置における印刷方法であって、
前記媒体において前記単独領域印刷を行う領域と前記重ね領域印刷を行う領域を判別することと、
前記判別の結果に基づいて、前記単独領域印刷と前記重ね領域印刷とを切り替えて印刷させることと、
を含む印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2012−30513(P2012−30513A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172571(P2010−172571)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]