印刷装置
【課題】 簡便に複写機能を有する書類を作成することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】 レーザプリント部201は、製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷する。塗布部202は、顕色剤を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、発色剤を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、印刷媒体上の所定の範囲であって、印刷物となった場合に合わさる2面に対して第一の液体と第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する。
【解決手段】 レーザプリント部201は、製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷する。塗布部202は、顕色剤を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、発色剤を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、印刷媒体上の所定の範囲であって、印刷物となった場合に合わさる2面に対して第一の液体と第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機能を有する用紙に関する技術として、例えば、領収用紙の2つの折り畳み箇所を折り畳むことにより処理票印刷用紙の裏面と本証印刷用紙の表面が接した状態で処理票印刷用紙の表面側から記入した文字が本証印刷用紙の表面に印字されるように処理票印刷用紙の裏面及び本証印刷用紙の表面に設けられた表面処理部からなる領収書用紙、領収書管理装置、領収書管理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−50692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記の領収用紙のようなノンカーボン用紙の印刷は、特定の印刷工場でしか対応できず、注文から納品までのリードタイムは長期間(約1ヶ月)を要するという問題がある。さらに一括で大量印刷するため、帳票レイアウト変更時の廃棄ロス金額が大きくなるという問題がある。また、大量注文を前提にしているため、一部の記載内容を変更する可変印刷への対応が困難であるという問題がある。例えば支店名称、担当営業の氏名等を個別に印刷するのが困難であるという問題がある。
その為、ドットインパクトプリンタと感圧紙の組合せが今も用いられるが、ドットインパクトプリンタは動作時の騒音が大きいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、簡便に複写機能を有する書類を作成することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上述した課題を解決すべくなされたもので、本発明による印刷装置においては、製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷可能な印刷装置であって、顕色剤又は発色剤の一方を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、顕色剤又は発色剤の他方を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、印刷媒体上の所定の範囲であって、印刷物となった場合に合わさる2面に対して第一の液体と第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する塗布手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の印刷装置は、簡便に複写機能を有する書類を作成することができる。特にいわゆるノンカーボン複写等の筆圧で複写可能な複写可能部分を含む帳票において、文字や画像の印刷レイアウトや複写可能部分のレイアウトを自在に変更して、いわゆるオンデマンドで帳票印刷を行うことが出来る。これによって例えばノンカーボン複写部分を含む伝票用紙の廃棄ロスを防止し、又多様なノンカーボン複写部分を含む伝票を簡単に利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態における印刷装置としてMFP(マルチファンクションペリフェラル)を含む印刷システムであって、複写機能を有する伝票(申込書)を印刷する印刷システムについて説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態における印刷装置(MFP)を含む印刷システムのシステム構成を示す図である。図1に示すように、MFP101、パソコン102、及び携帯端末103は互いにネットワーク100を介して接続されている。MFP101の詳細については図2で説明する。又、パソコン102の詳細については図3で説明する。携帯端末103の詳細については図15で説明する。ネットワーク100は典型的にはLAN(無線又は有線のローカルエリアネットワーク)であるが、専用デジタル回線やATM等でもよく、データ通信が可能であれば良い。
【0010】
次に、図1に示したMFP101のハードウェア構成について説明する。
図2は、図1に示したMFP101のハードウェア構成を示す概念図である。図2に示すように、MFP101は、レーザプリント部201、塗布部202、スキャン部203、製本・ステープル部204、FAX部205、制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208から構成されている。また、MFP101は、図2に示していないが、液晶表示・操作パネル、電源部、及び用紙格納部を更に備える構成である。
【0011】
レーザプリント部201は、いわゆるレーザプリンタの主要部分でありトナーカートリッジや定着ドラムを含む構成である。塗布部202は、印刷用紙に発色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第1の塗布液と、顕色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第2の塗布液とをそれぞれ塗布する機能を備えている。塗布部202の詳細は後で図6乃至図9で詳細に説明する。
【0012】
また、以下の説明において、発色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第1の塗布液を単に発色剤と呼称し、顕色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第2の塗布液を単に顕色剤とする。尚、本実施形態においては、第1の塗布液及び第2の塗布液ともにマイクロカプセルを有するが、この限りではなく、第1の塗布液又は第2の塗布液のどちらか一方において発色剤又は顕色剤をマイクロカプセルに内包していればよく、他方においては、発色剤又は顕色剤と溶媒を混合した液でよい。また、溶媒とは、例えば水とアルコールの混合液であり、更に、印刷用紙に塗布後に剥げ落ちたりしないよう機能する結合剤や接着剤などのバインダを含んで好適である。このバインダにより、発色剤や顕色剤がより丈夫に印刷用紙に付着する。
【0013】
スキャン部203は、白色光を原稿へ照射する投射部及び投射光の反射光を記録するCCD(Charge Coupled Device)によって原稿の画像を読み取る機能を備えており、いわゆるスキャナの主要部分と同様の構成を備えている。製本・ステープル部204は、複数の用紙をソートしたり、ソート後の用紙を2つ折りにしてステープルで綴じたりする機能を備えている。レーザプリント部201や塗布部202で印刷処理された用紙(原稿)は、この製本・ステープル部204を通って排出される。
【0014】
FAX部205は、ファクシミリの主要部分であり電話回線を通じて所定のフォーマットの画像情報を送受信する機能を備えている。制御部206は、MFP200の各部を制御する機能を備えており、CPU(中央処理装置)209を含んでいる。記憶部207は、ハードウェアの制御プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)や主にCPU209がプログラム実行中にワークエリアとして利用するRAM(Random Access Memory)や、主にアプリケーションプログラムや帳票レイアウトを記憶するハードディスクを備えている。
【0015】
尚、制御部206と記憶部207を、フラッシュメモリ及びRAMとCPU及び各種インタフェース回路を内蔵するワンチップマイコンで構成しても良く、ワンチップマイコンに加えて、ハードディスクやRAMやROMの少なくとも1つを加えた構成としても良い。更にワンチップマイコンの代りにワンチップマイコンに周辺のアナログ回路用のオペアンプや周辺のデジタル回路用のフリップフロップを含んだいわゆるSOC(システムオンチップ)を用いても良いし、専用設計のICであるいわゆるASICを用いても良い。LAN I/F部208はネットワーク100を介してデータを送受信する機能を備えており、具体的にはいわゆるNIC(LANアダプタ)により構成される。
【0016】
次に、図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を説明する。
図3は、図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、パソコン102は、システムバス20、CPU21、RAM22、ROM23、LANアダプタ24、ビデオアダプタ25、キーボード26、マウス27、ハードディスク28、及びCD−ROMドライブ29から構成され、一般的なパソコンと同様の構成である。
【0017】
次に、図1に示した印刷システムにおいて、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷レイアウトの編集・登録処理を行う場合について説明する。
図4は、図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷レイアウトの編集・登録処理を示すフローチャートである。図4に示すステップS401乃至ステップS403の処理は、パソコン102のCPU21の制御の下で処理が実行される。また、ステップS421乃至ステップS430の処理は、MFP101のCPU209の制御の下で処理が実行される。
【0018】
但し、図4のフローチャートが実行される前提として、例えば、以下の処理が既に終了しているとする。まず、パソコン102は、MFP101の印刷レイアウト編集用のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることで、帳票レイアウト一覧の画面情報をMFP101から受信している。利用者がこの画面情報において特定の帳票レイアウトを選択すると、パソコン102は、特定の帳票レイアウトを選択したことを示す選択情報をMFP101に送信する。これにより、MFP101は、折り返し、選択された帳票レイアウトを編集可能な画面情報(以下、レイアウト画面情報とする)をパソコン102へ送信する。これにより、パソコン102は、レイアウト画面情報を受信する。
【0019】
尚、選択された帳票レイアウト情報は、MFP101の記憶部207のハードディスクからRAMに読み出されて記憶されている。この帳票レイアウト情報には罫線や網掛けの情報や、帳票名等の印刷位置が固定された文字データや、帳票毎の可変文字印刷用フィールドの位置及び文字数文字タイプを含んでいる。また、パソコン102から印刷レイアウト編集用のURLを指定する情報をMFP101へ送信した場合に、MFP101は、折り返しユーザID及びパスワードをパソコン102に要求する画面情報を送信しても良い。
【0020】
まず、ステップS401において、パソコン102は、受信したレイアウト画面情報により、図9に示す帳票レイアウト編集画面901を表示画面に表示する。図9は、本実施形態においてパソコン102に表示される帳票レイアウト編集画面例を示す図である。図9に示すように、帳票レイアウト編集画面901は、眼鏡の申込書の帳票を編集する画面例である。帳票レイアウト編集画面901においては、上ページと中ページから構成される2枚組の帳票の表裏両面(合計4面)について文字の入力や、発色剤や顕色剤の塗布範囲の指定を行う画面例である。具体的には、帳票レイアウト編集画面901には、上ページの表面のレイアウトを編集する上表910、上ページの裏面のレイアウトを編集する上裏912、中ページの表面のレイアウトを編集する中表914、中ページ裏面のレイアウトを編集する中裏916が表示されている。また、上裏912には発色剤を含む第1の塗布液の塗布範囲913が示されており、中表914には、それに対応する位置(重なり合う位置)に顕色剤を含む第2の塗布液の塗布範囲915が示されている。尚、塗布範囲915の周囲には、上表910の氏名記入欄911と同様に氏名記入欄としての枠が設けられている。
【0021】
また、帳票レイアウト編集画面901は、フォーム選択ボタン902、塗布範囲指定ボタン903、印刷実行ボタン904、次画面ボタン905、登録ボタン906、及びキャンセルボタン907などの種々の機能ボタンを備える。フォーム選択ボタン902は、利用者が帳票のフォームを選択したい場合に押下するボタンである。塗布範囲指定ボタン903は、上述した塗布範囲913や914の指定を行う際に押下するボタンである。印刷実行ボタン904は、帳票レイアウト編集画面901を終了して印刷処理へと移行したい場合に押下するボタンである。次画面ボタン905は、帳票に更に3枚目、4枚目のページがある場合に、その3枚目、4枚目の表裏両面の編集画面へと移行するためのボタンである。登録ボタン906は、編集結果をMFP101に登録したい場合に押下するボタンである。キャンセルボタン907は、編集処理を中止したい場合に押下するボタンである。
【0022】
次に、図4の処理において所定の時間間隔でCPU21は、ステップS402に処理を進める。ステップS402においては、パソコン102は、利用者が帳票レイアウト編集画面901に対して編集操作(テキストの入力、各機能ボタンの押下)を行ったか否かを判断する。ここで、編集操作がなかったと判断した場合(ステップS402のNo)には、パソコン102はステップS401に戻る。また、編集操作があったと判断された場合(ステップS402のYes)には、パソコン102は、ステップS403に進み、編集情報をMFP101に送信する。ここで、編集情報とは、特定の機能ボタンが押下されたことを意味する情報や、入力又は削除されたテキスト及びその位置を意味する情報である。次に、ステップS404に進み、パソコン102は、編集情報を送信したMFP101からのレイアウト画面情報の受信待ち状態となる。ステップS404において、パソコン102は、MFP101からレイアウト画面情報を受信した場合には、ステップS401に戻る。
【0023】
次に、上述したパソコン102におけるステップS403の処理に応じてMFP101で行われる処理について説明する。まず、ステップS421において、MFP101は、編集情報を受信して、記憶部207のRAMに記憶する。本実施形態の編集情報としては、文字の変更などの通常の編集情報の他に、ノンカーボン用液体(第1及び第2の塗布液)の塗布範囲を指定する塗布範囲指定ボタン903が押下され、塗布範囲が指定された場合の編集情報(以下、ノンカーボン範囲指定情報とする)、印刷実行ボタン904やキャンセルボタン907が押下された場合の編集情報(以下、終了情報とする)、及び登録ボタン905が押下された場合の編集情報(以下、登録情報とする)のいずれかである。
【0024】
次に、ステップS422において、制御部206は、記憶部207に記憶した編集情報に対してノンカーボン範囲指定情報であるか否かの判定を行う。ここで、編集情報がノンカーボン範囲指定情報であると判定した場合(ステップS422のYes)には、制御部206は、ステップS423へ進み、記憶部207のRAMに記録している帳票レイアウト情報を仮更新する処理を行う。尚、仮更新とは編集中の更新であることを示し、後述するステップS425のYesで編集処理が終了した時点で更新データが確定する。次に、ステップS424において、制御部206は、更新された帳票レイアウト情報に基づいてレイアウト画面情報を生成して、パソコン102に送信し、ステップS421に戻り、MFP101は編集情報受信待ち状態になる。また、パソコン102においては、レイアウト画面情報を受信したと判断して(ステップS404のYes)、ステップS401に戻る。
【0025】
また、ステップS423において、ノンカーボン範囲指定情報でないと判定した場合(ステップS422のNo)には、制御部206は、ステップS425に進み、終了指示を含む編集情報(終了情報)であるか否かを判定する。ここで、終了指示を含むと判定した場合(ステップS425のYes)には、制御部206は、編集処理を終了する。この際、印刷実行ボタン904を押下したことによる終了指示であれば、後述する図5に示す印刷処理を行う。
【0026】
また、ステップS425で終了指示ではないと判定した場合は、ステップS426へ進み、制御部206は、編集情報が登録指示を含む情報(登録情報)であるか否かを判定する。ここで、登録情報であると判定した場合は、ステップS427の処理へ進み、制御部206は、登録指示された編集後の記憶部207のRAMに記憶されている帳票レイアウト情報を、記憶部207のハードディスクに上書する。次に、ステップS428において、制御部206は、帳票レイアウトの登録が完了した旨のメッセージをパソコン102に表示させるための画面情報を生成して、パソコン102へ送信する。これにより、パソコン102において、ステップS404の受信処理及びステップS401のレイアウト画面の表示処理が行われる。また、MFP101は、ステップS421に戻り、編集情報受信待ち状態になる。
【0027】
ステップS426において登録情報ではないと判定した場合は、ステップS429の処理へ進み、制御部206は、記憶部207のRAMの帳票レイアウト情報を更新する。即ち、ノーカーボンの範囲指定、終了情報、及び登録情報ではない編集情報は、例えばテキストの挿入や削除等を指示する編集情報と判断して、制御部206は、その編集情報を反映した帳票レイアウト情報に更新する処理を行う。
【0028】
次に、ステップS430において、制御部206は、更新された帳票レイアウト情報に基づいてレイアウト画面情報を生成して、パソコン102へ送信する。これにより、パソコン102は、ステップS404の受信処理を経て、ステップS401に戻る。また、MFP101は、ステップS421に戻り編集情報受信待ち状態になる。尚、本実施形態のステップS401では、所定の時間間隔でCPU21は処理をステップS402に進めているが、ボタンの押下やキーボードからの入力等で割り込みを発生させて、割り込み発生時に処理をステップS402に進めても良い。
【0029】
以上に示したように、MFP101は、利用者の操作するパソコン102に、複写部分(ノンカーボン部分)を任意に設定可能な帳票レイアウト編集画面901を提供することができる。これにより、利用者は、パソコン102において、帳票のレイアウトを作成すると共に、複写機能を付与したいノンカーボン部分を任意に指定することができる。また、図4の処理を行うことで、MFP101は、利用者による編集結果を反映した帳票レイアウト情報を記憶部207に格納する。
【0030】
次に、図1に示した印刷システムにおいて、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷処理を行う場合について説明する。
図5は、図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷処理を示すフローチャートである。図5において、ステップS501乃至ステップS505は、パソコン102のCPU21の制御の下で処理が実行される。また、ステップS521乃至ステップS527は、MFP101のCPU209の制御の下で処理が実行される。
【0031】
また、図5のフローチャートの処理が実行される前提として、パソコン102では複写部分を含む伝票を印刷可能なアプリケーションプログラムが実行されており、アプリケーションプログラムで印刷処理が選択され、プリンタドライバが起動されたものとする。具体的には、図4の処理で説明したように、パソコン102において、利用者が帳票レイアウト編集画面901の印刷実行ボタン904を押下することで、プリンタドライバが起動される。
【0032】
ステップS501において、パソコン102は、プリンタドライバの画面を表示画面に表示する。次に、所定の時間間隔でCPU21は処理をステップS502に進める。ステップS502において、パソコン102は、キャンセルボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、押下されたと判定した場合(ステップS502のYes)には、パソコン102は、印刷処理を終了する。また、押下されていないと判定した場合(ステップS502のNo)には、パソコン102はステップS503の処理へ進み、印刷ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS503)。
【0033】
ここで、印刷ボタンが押下されたと判定した場合(ステップS503のYes)には、パソコン102は、ステップS504へ進む。また、印刷ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS503のNo)には、パソコン102は、ステップS501の処理へ戻る。
【0034】
ステップS504においては、パソコン102は、上記アプリケーションプログラムで作成したデータとプリンタドライバ画面での設定に基いて印刷設定データを含む印刷データを生成してハードディスク28に記憶する。次に、ステップS505において、パソコン102は、印刷データをMFP101に送信する。これにより、ステップS521において、MFP101は、印刷データを受信して記憶部207のハードディスクに記憶する。
【0035】
次に、ステップS522において、MFP101のレーザプリント部201は、文字及び画像部分を用紙に印刷する。両面印刷や製本印刷が指定された場合は、その指定に応じて印刷を行う。
【0036】
次に、ステップS523において、MFP101は、ノンカーボン用の液体の塗布が指定されているか否かを判定する。具体的には、MFP101は、図4の処理で記憶部207に登録された帳票レイアウト情報を参照してノンカーボン部分の有無を判定する。ここで、ノンカーボン用の液体の塗布指定があると判断した場合(ステップS523のYes)には、MFP101は、ステップS524の処理へ進む。また、ノンカーボン用の液体の塗布指定が無いと判断した場合(ステップS523のNo)には、MFP101は、ステップS525の処理へ戻る。
【0037】
ステップS524においては、MFP101の塗布部202は、ノンカーボン用の第1の塗布液及び第2の塗布液を、用紙の指定された塗布範囲に塗布する処理を行い、ステップS525へ進む。
【0038】
ステップS525において、MFP101は、製本印刷が指定されたか否かを判定する。ここで製本印刷が指定されたと判定した場合(ステップS525のYes)には、MFP101は、ステップS526へ進み、製本ステープル部204により用紙に対するステープル処理や紙折り処理を行う。また、製本印刷がしていされていないと判定した場合(ステップS525のNo)には、MFP101は、ステップS527へ進み、用紙を外部に排出して、印刷処理を終了する。
【0039】
以上の処理に示すように、MFP101は、塗布部202を備えることで、用紙に対してノンカーボン部分となるよう、発色剤を含む第1の塗布液や顕色剤を含む第2の塗布液を塗布することができる。これにより、MFP101は、普通紙を利用してノンカーボン部分を含む帳票の印刷が可能であり、更に製本・ステープル部204を利用することで印刷した各帳票をまとめる製本印刷が可能になる。
【0040】
また、MFP101は、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷レイアウトの編集・登録サービスや印刷サービスを実現する帳票レイアウト編集画面901をブラウザ閲覧可能な情報形式でパソコン102に提供する。これにより、パソコン102側ではいわゆるブラウザをインストールしておくだけで、MFP101に記憶されている帳票レイアウトを選択して、レイアウトを編集し、ノンカーボンの塗布範囲を指定し、印刷指示を行うなどの処理をMFP101へ要求/指示できる。
【0041】
以上に説明したように、本実施形態のMFP101は、プレプリント紙(ノンカーボン用紙)をストックしておかなくても、適宜既存のフォームを流用して普通紙にノンカーボン帳票を印刷することができる。特に様々な種類のノンカーボン帳票を使用する業務における帳票作成や、契約書等で署名する人数が変わることに応じてノンカーボン部分の大きさを変える帳票の作成に対して顕著な効果を奏する。
【0042】
次に、図2に示した塗布部202の詳細な構成例について説明する。
図6は、図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す側面図である。また、図7は、図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す上面図である。図2のレーザプリント部201で文字や図形を印刷された用紙が、塗布部22に入力される。具体的には、図6の左上部分から右方向に送出された印刷用紙はローラーB603とローラーB604に挟みこまれて右方向に送られ、更にローラーB604とローラー613と用紙ガイド630によって向きが反対側(向かって左方向)に送出され、ローラー614と615に挟みこまれ、用紙ガイド611と612に導かれて左方向にフィードされ、裏面用塗布ヘッド601で指定位置に第1の塗布液又は第2の塗布液(ノンカーボン用液体)が塗布される。
【0043】
裏面の所定位置に第1の塗布液が塗布された印刷用紙は、ローラーA605とローラーB606に挟みこまれて更に左方向に送られ、ローラーB606とローラー618乃至620によって向きを反対側(向かって右方向)にして送出される。次に、ローラー616と617に挟みこまれて右方向にフィードされ、表面用塗布ヘッド602で指定位置に第1の塗布液又は第2の塗布液が塗布される。右方向への移動する間、印刷用紙は、ローラー621乃至627によってガイドされる。裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602は、不図示のベルトの駆動によって、摺動ガイド部609及び610に沿って水平方向(図6において手前又は奥へ向かう方向)に動くことができる。
【0044】
表面の所定位置にノンカーボン用液体が塗布された印刷用紙はローラーA607とローラーA608に挟みこまれて右方向に送られ、製本・ステープル部204を通って外部に排出される。
【0045】
ここでローラーA605と607、608及びローラー616乃至627は、図7に示すように駆動軸に幅が5ミリ乃至20ミリ程度の3個のゴムローラーを有するローラーであって、両端のゴムローラーは用紙の端に位置するローラーである。ローラーB603、604、606は、幅が用紙幅+10ミリ程度のゴムローラーである。これは、通常用紙の端の5ミリ乃至10程度の範囲にはノンカーボン用の液体を塗布する必要がないので、このような構成とすることによって、塗布面と各ローラーが接触せずに用紙を外部に排紙することができるので塗布されたノンカーボン用液体の乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の低下を防止することができる。なお、用紙表面及び裏面の両方にノンカーボン用の液体を塗布しない場合には、各ローラーの回転速度を高速に切り替えて速やかに排紙するよう構成しても良い。また、送風口631からは表面用塗布ヘッド602により塗布された第2の塗布液を乾燥させるための空気を印刷用紙に送風する。
【0046】
また、ローラー616及びローラー619は駆動軸と3個のゴムローラーから構成され、3つのゴムローラーのうち中央のゴムローラーは駆動軸に固定されているが、両端のゴムローラーは、軸の回転方向では駆動軸と一体となっているが、駆動軸の長手方向には動かすことができるので、用紙幅に合わせて用紙の端部をフィードすることができる。
【0047】
次に、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例について説明する。図8(a)は、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例の側面図を示す図である。図8(b)は、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602(以下、単に塗布ヘッド601、602とする)の構成例の上面図を示す図である。図8(a)、(b)に示すように、塗布ヘッド601、602は、第1の塗布液が装填されている発色剤タンクと第2の塗布液が装填されている顕色剤タンクとを備え、それぞれのタンクに下に第1の塗布液や第2の塗布液を吐出するノズルが設けられている。
【0048】
次に、ノンカーボン部分を有する帳票の出力例を示し説明する。
図14は、本実施形態でのノンカーボン帳票の出力例を示す図である。図14の出力例では、2枚の用紙を2つ折りにして製本印刷し合計8ページの帳票を出力する場合を示している。図14の左上部分は製本後表紙及び裏表紙になる部分であり、左上部分の真中の実線は折り目を示している。図14の左下部分は表紙及び裏表紙の裏面であり、図14の右上部分は製本印刷時の中側の用紙の表であり、図14の右下部分は中側の用紙の裏の印刷面を示している。
【0049】
図14に示すノンカーボン帳票の編集処理例を示すと、まず、第1の手順として左上部分の下側(表表紙)にノンカーボン用記入欄(署名欄)が設定されると、RAMのワークエリアにその設定が記憶される。次に、第2の手順として、制御部206は、表表紙にノンカーボン用署名欄が設定されたことを判定して、対応する各3ヶ所(合計6ヶ所)に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布範囲を設定する。
【0050】
次に、右上部分の「コンタクトレンズ加工依頼書」では、個人情報が不要なので、第3の手順として、帳票印刷レイアウト画面で右下部分の下側の塗布箇所の削除指令が編集者のキーボード又はマウスの入力に基いて入力される。第4の手順として、入力に基いて制御部206のCPU209によってRAMのワークエリアより対応する塗布範囲の設定が削除されると、残る塗布面は5箇所となる。第5の手順として、制御部206は、CPU209によって削除された塗布範囲に対向する面を特定して、その面の塗布範囲の設定も削除する。具体的には、図14の右下部分の下側の塗布箇所の削除に応じて対向する左下部分の上側の塗布面の設定を削除する。これにより、図14に示すように、結局4箇所に顕色剤又は発色剤を塗布する塗布範囲が設定される。
【0051】
中側の用紙の表面(8ページの帳票の3ページ目)に記入欄が設定された場合は、同様に対応する各2ヶ所(合計4ヶ所)に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布が設定される。更に3枚以上の用紙を用いた場合も同様の処理を行う。なお、MFP101において、帳票の2つ折り部分の近くにミシン目を設ける機能を有すれば、製本後の帳票において各ページの切り離しが容易になる。
【0052】
以上の編集処理によれば、本実施形態のMFP101は、複数ページから成る帳票において、1ページ目にノンカーボン用記入欄が設定されたことを判定して、他のページの対応する位置に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布範囲を対で設定することができる。これにより、ノンカーボン塗布位置の一方を指定すると、対応する位置(紙折り位置を基準にした対称位置)に他方の塗布位置が設定されるので位置指定が1回で済むという効果を奏する。
【0053】
また、本実施形態のMFP101は、特定箇所の顕色剤の塗布範囲の設定が削除されると、対応する発色剤の塗布範囲の設定を自動で削除することができる。同様に、本実施形態のMFP101は、特定箇所の発色剤の塗布範囲の設定が削除されると、対応する顕色剤の塗布範囲の設定を削除することができる。このような処理を行うことで、ノンカーボン部分の設定を含む帳票編集を効率良く行うことができる環境を提供できるとともに、又ノンカーボン部分となる発色剤や顕色剤の塗布範囲の設定ミスを防止することができる。
【0054】
本実施形態に用いる印刷用紙としては、ノンカーボン用液体の受容性に優れ、素早く乾燥状態にすることで機内汚れやオフセットを防ぐ用紙が好適である。
具体例としては、以下に示す要件を満たす用紙が好適である。
・サイズ性の低い用紙(坪量81.4グラム以下の紙で40秒以下)。
・填料(てんりょう)が多い用紙、顔料塗布された用紙、特にシリカ等の吸液性の高い填料及び顔料を使用した用紙。
・低密度の用紙(0.7g/cm3以下)。
【0055】
ここで、サイズ性とは、用紙の水浸透を防ぐ性質で、疎水性の物質を塗布して調節する。古くは万年筆での筆記性を上げるために考え出された。また、填料とは、紙の中に混ぜられている鉱物質の微粉末を意味する。また、顔料とは、填料とほぼ同じだが、用紙の表面に塗布している微粉末を指す場合が多い。また、ここでは鉱物質の粉末が水分を吸収することを期待した。また、顔料によって裏抜け防止効果がある。また、低密度とは、密度の低い用紙は表面がラフで穴が多くあり、その間に液体を吸い込むことを意味する。さらに寸法安定性に優れている用紙であることも重要である。また、液体(水)に触れて紙が波打ったり、局所的にぼこついたりする現象(コックリング)を少なく押さえた用紙が好ましい。
【0056】
また、印刷用紙は非塗工紙(塗っていない紙、いわゆる普通紙)に限定されず、再生紙でも構わない。又耐水紙やフィルム等の特殊メディアも上記に準ずる特性を持つことで使用可能である。
【0057】
[第2の実施形態]
本発明を、コンビニエンスストア(以下、コンビニとする)での宅配便伝票の作成・保管システムに適用した場合を、第2の実施形態として説明する。具体的には、例えば、事前に自宅PCから住所・氏名・電話番号等を入力(又はコンビニに設置された専用端末から入力)してコンビニで伝票を印刷し、2回目からは携帯端末103の認証により、この伝票を呼び出して簡単に伝票を作成できる印刷システムについて説明する。尚、専用端末とは、例えばパソコン又はキオスク端末などである。また、携帯端末103は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDAなどのモバイル端末である。特に携帯電話にICチップを組込んだもの(例えば登録商標の「フェリカ」等)を用いると好適である。
【0058】
第2の実施形態における印刷システムは、図1のシステム構成図において、MFP101の代りに、図10に示すようなネットワーク対応のインクジェット式の印刷装置1200を設定して、宅配便等の伝票の保管及び印刷を行うシステムである。図10に示すように、印刷装置1200は、ノンカーボン用液体の塗布を行う塗布部1202を有するインクジェットプリント部1201、用紙の排出を行う用紙排出部1204、印刷装置1200内の各部やデータの流れを制御する制御部1206、記憶部1207、及びLAN I/F部1208から構成されている。尚、図10の制御部1206、記憶部1207、及びLAN I/F部1208は、図2に示した制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208と同様の機能を有する。記憶部207のハードディスクには後述する伝票用データが記憶されている。
【0059】
図15は、図1に示した携帯端末103の詳細なハードウェア構成例を示す図である。図15に示すように、携帯端末103は、システムバス30、CPU31、RAM32、ROM33、通信アダプタ34、液晶表示部35、及び操作ボタン36から構成され、例えば携帯電話などと同様の構成である。なお、ICチップについては図15では省略されているが、バス30にICチップを接続しても良いし、RAM32の一部をICチップの代替として用いても良い(この場合のRAM32は不揮発性とし、認証用データは暗号化する)。
【0060】
例えば、コンビニに印刷装置1200と専用端末(不図示)を置き、専用端末の記憶部に登録用アプリケーションを記憶しておき、専用端末から印刷装置1200に、伝票用データとして自宅住所と自宅電話番号、送付先住所・氏名・電話番号を所定数登録し、記憶部1207のハードディスクに記憶する。記憶した住所等のデータは次回以降携帯端末103で認証してから参照して、必要な箇所を修正した上で宅配便伝票を印刷する。認証は具体的には携帯端末103が携帯電話であるならば、電話番号をiRDAで印刷装置1200に送信することでパスワードの代用とするが、携帯電話本体のICチップのデータやICカード機能を備えたクレジットカードやICカード機能を備えたプリペイドカード等を用いて認証及び支払いを行っても良い。なお、専用端末を用いず、印刷装置1200の液晶操作画面から文字入力を可能にして伝票用データを入力/修正するよう構成しても良い。
【0061】
このように構成することで、専用伝票を用意しなくても普通紙でノンカーボンの宅配便伝票を印刷することが可能となる。さらに荷送人の住所や氏名、電話番号を予め印刷できるので、顧客にとって非常に便宜である。又、コンビニエンスストア側にとっても、伝票の記入のために長時間カウンタを占領されることがなくなり、待ち行列の短縮を期待できる。
【0062】
図11は、図10に示した印刷装置1200の塗布ヘッドの側面図例及び上面図例を示す図である。図11に示すように、CYMKの各色インクタンクと、発色剤タンク及び顕色剤タンクを備えている。このような塗布ヘッドを2個備えることにより用紙を一方向に搬送する形式で両面印刷を実現できる。
【0063】
[第3の実施形態]
本発明を、第2の実施形態と同様に宅配便伝票の作成・保管システムに適用した場合であって、印刷装置としてレーザビーム式の印刷を行うレーザプリンタを用いた場合を、第3の実施形態として説明する。具体的には、第3の実施形態における印刷システムは、図1のシステム構成図において、MFP101の代りに、図12に示すようなネットワーク対応のレーザプリンタ1400を設置して、宅配便等の伝票の保管及び印刷を行うシステムである。本実施形態では、帳票レイアウト情報や帳票レイアウトソフトウェアはパソコン102のハードディスク28に記憶されており、CPU21の制御の基で適宜RAM22に読み出される。図12のレーザプリンタ1400はレーザプリント部1401、塗布部1402、用紙排出部1404、制御部1406、記憶部1407、及びLAN I/F部1408を備えている。尚、図12の制御部1406、記憶部1407、及びLAN I/F部1408は、図2に示した制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208と同様の機能を有する。
【0064】
図13は、本実施形態での帳票の出力例(製本印刷の表紙部分のみ)を示す図である。図13に示すように、取り寄せ依頼者の個人情報及び取り寄せを依頼された製品の写真画像及び署名欄を備え、この帳票の裏側にはノンカーボン用の液体を塗布する。このように本実施形態の印刷システムによれば専用のノンカーボン紙(プレプリント用紙)がなくても、個別の帳票レイアウトを作成して文字情報や画像情報を普通用紙に印刷した後に、所定の範囲をノンカーボン部分となるよう発色剤や顕色剤を塗布することができるので、ノンカーボン帳票を自由に作成して印刷することができる。
【0065】
また、本実施形態の印刷システムでは、ノンカーボン塗布位置のレイアウト変更を自在に行うことができ、例えば契約書で署名する当事者の人数に応じて書名欄の位置や数を簡単に変更することができる。更に担当者別の個別印刷やシリアルナンバーの印刷も実現できる。これにより、従来柔軟なレイアウト変更を可能にするために必要だったドットインパクトプリンタが不要になる。更に、用紙レイアウトの変更に伴うプレプリント用紙の廃却による無駄がなくなる。複数のノンカーボン帳票を使用する場合でも、紙帳票を在庫として保管する必要がない。
【0066】
尚、本発明の利用分野としては、例えば、法令用紙、商品引換証、不動産賃貸契約書、自賠責保険証書、各種申込書等のノンカーボン帳票の編集及び印刷に広く用いることができ、特にノンカーボンの記入箇所の異なる多数の種類の帳票を使用する場合や、帳票レイアウトの変更が頻繁に生じる場合に好適である。
【0067】
また、上述したMPF101は、図4や図5などで示した処理機能を実現する為のプログラムを記憶部207より読み出してCPU209が実行することによりその機能を実現させるものであったが、この限りではなく、各処理の全部または一部の機能を専用のハードウェアにより実現してもよい。
また、上述した記憶部207は、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されてもよい。
【0068】
また、上述したMPF101において、図4や図5に示す各種処理を行う機能を実現する為のプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各処理を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0069】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0070】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0071】
また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態における印刷装置を含む印刷システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示したMFP101のハードウェア構成を示す概念図である。
【図3】図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷レイアウトの編集・登録処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す側面図である。
【図7】図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す上面図である。
【図8】図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例の側面図及び上面図を示す図である。
【図9】本実施形態においてパソコン102に表示される帳票レイアウト編集画面例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるインクジェット式の印刷装置のハードウェア構成を示す概念図である。
【図11】図10に示した印刷装置1200の塗布ヘッドの側面図例及び上面図例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態におけるレーザビーム式の印刷装置のハードウェア構成を示す概念図である。
【図13】本実施形態での帳票の出力例(製本印刷の表紙部分のみ)を示す図である。
【図14】本実施形態でのノンカーボン帳票の出力例を示す図である。
【図15】図1に示した携帯端末103の詳細なハードウェア構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
100 ネットワーク
101 MFP
102 パソコン
103 携帯端末
201 レーザプリント部
202 塗布部
204 製本・ステープル部
206 制御部
207 記憶部
208 LAN I/F部
209 CPU
1200 印刷装置
1201 インクジェットプリント部
1202 塗布部
1204 用紙排出部
1206 制御部
1207 記憶部
1208 LAN I/F部
1400 レーザプリンタ
1401 レーザプリント部
1402 塗布部
1404 用紙排出部
1406 制御部
1407 記憶部
1408 LAN I/F部
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機能を有する用紙に関する技術として、例えば、領収用紙の2つの折り畳み箇所を折り畳むことにより処理票印刷用紙の裏面と本証印刷用紙の表面が接した状態で処理票印刷用紙の表面側から記入した文字が本証印刷用紙の表面に印字されるように処理票印刷用紙の裏面及び本証印刷用紙の表面に設けられた表面処理部からなる領収書用紙、領収書管理装置、領収書管理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−50692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記の領収用紙のようなノンカーボン用紙の印刷は、特定の印刷工場でしか対応できず、注文から納品までのリードタイムは長期間(約1ヶ月)を要するという問題がある。さらに一括で大量印刷するため、帳票レイアウト変更時の廃棄ロス金額が大きくなるという問題がある。また、大量注文を前提にしているため、一部の記載内容を変更する可変印刷への対応が困難であるという問題がある。例えば支店名称、担当営業の氏名等を個別に印刷するのが困難であるという問題がある。
その為、ドットインパクトプリンタと感圧紙の組合せが今も用いられるが、ドットインパクトプリンタは動作時の騒音が大きいという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、簡便に複写機能を有する書類を作成することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上述した課題を解決すべくなされたもので、本発明による印刷装置においては、製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷可能な印刷装置であって、顕色剤又は発色剤の一方を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、顕色剤又は発色剤の他方を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、印刷媒体上の所定の範囲であって、印刷物となった場合に合わさる2面に対して第一の液体と第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する塗布手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の印刷装置は、簡便に複写機能を有する書類を作成することができる。特にいわゆるノンカーボン複写等の筆圧で複写可能な複写可能部分を含む帳票において、文字や画像の印刷レイアウトや複写可能部分のレイアウトを自在に変更して、いわゆるオンデマンドで帳票印刷を行うことが出来る。これによって例えばノンカーボン複写部分を含む伝票用紙の廃棄ロスを防止し、又多様なノンカーボン複写部分を含む伝票を簡単に利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態における印刷装置としてMFP(マルチファンクションペリフェラル)を含む印刷システムであって、複写機能を有する伝票(申込書)を印刷する印刷システムについて説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態における印刷装置(MFP)を含む印刷システムのシステム構成を示す図である。図1に示すように、MFP101、パソコン102、及び携帯端末103は互いにネットワーク100を介して接続されている。MFP101の詳細については図2で説明する。又、パソコン102の詳細については図3で説明する。携帯端末103の詳細については図15で説明する。ネットワーク100は典型的にはLAN(無線又は有線のローカルエリアネットワーク)であるが、専用デジタル回線やATM等でもよく、データ通信が可能であれば良い。
【0010】
次に、図1に示したMFP101のハードウェア構成について説明する。
図2は、図1に示したMFP101のハードウェア構成を示す概念図である。図2に示すように、MFP101は、レーザプリント部201、塗布部202、スキャン部203、製本・ステープル部204、FAX部205、制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208から構成されている。また、MFP101は、図2に示していないが、液晶表示・操作パネル、電源部、及び用紙格納部を更に備える構成である。
【0011】
レーザプリント部201は、いわゆるレーザプリンタの主要部分でありトナーカートリッジや定着ドラムを含む構成である。塗布部202は、印刷用紙に発色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第1の塗布液と、顕色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第2の塗布液とをそれぞれ塗布する機能を備えている。塗布部202の詳細は後で図6乃至図9で詳細に説明する。
【0012】
また、以下の説明において、発色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第1の塗布液を単に発色剤と呼称し、顕色剤を内包するマイクロカプセルと溶媒を混合した第2の塗布液を単に顕色剤とする。尚、本実施形態においては、第1の塗布液及び第2の塗布液ともにマイクロカプセルを有するが、この限りではなく、第1の塗布液又は第2の塗布液のどちらか一方において発色剤又は顕色剤をマイクロカプセルに内包していればよく、他方においては、発色剤又は顕色剤と溶媒を混合した液でよい。また、溶媒とは、例えば水とアルコールの混合液であり、更に、印刷用紙に塗布後に剥げ落ちたりしないよう機能する結合剤や接着剤などのバインダを含んで好適である。このバインダにより、発色剤や顕色剤がより丈夫に印刷用紙に付着する。
【0013】
スキャン部203は、白色光を原稿へ照射する投射部及び投射光の反射光を記録するCCD(Charge Coupled Device)によって原稿の画像を読み取る機能を備えており、いわゆるスキャナの主要部分と同様の構成を備えている。製本・ステープル部204は、複数の用紙をソートしたり、ソート後の用紙を2つ折りにしてステープルで綴じたりする機能を備えている。レーザプリント部201や塗布部202で印刷処理された用紙(原稿)は、この製本・ステープル部204を通って排出される。
【0014】
FAX部205は、ファクシミリの主要部分であり電話回線を通じて所定のフォーマットの画像情報を送受信する機能を備えている。制御部206は、MFP200の各部を制御する機能を備えており、CPU(中央処理装置)209を含んでいる。記憶部207は、ハードウェアの制御プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)や主にCPU209がプログラム実行中にワークエリアとして利用するRAM(Random Access Memory)や、主にアプリケーションプログラムや帳票レイアウトを記憶するハードディスクを備えている。
【0015】
尚、制御部206と記憶部207を、フラッシュメモリ及びRAMとCPU及び各種インタフェース回路を内蔵するワンチップマイコンで構成しても良く、ワンチップマイコンに加えて、ハードディスクやRAMやROMの少なくとも1つを加えた構成としても良い。更にワンチップマイコンの代りにワンチップマイコンに周辺のアナログ回路用のオペアンプや周辺のデジタル回路用のフリップフロップを含んだいわゆるSOC(システムオンチップ)を用いても良いし、専用設計のICであるいわゆるASICを用いても良い。LAN I/F部208はネットワーク100を介してデータを送受信する機能を備えており、具体的にはいわゆるNIC(LANアダプタ)により構成される。
【0016】
次に、図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を説明する。
図3は、図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、パソコン102は、システムバス20、CPU21、RAM22、ROM23、LANアダプタ24、ビデオアダプタ25、キーボード26、マウス27、ハードディスク28、及びCD−ROMドライブ29から構成され、一般的なパソコンと同様の構成である。
【0017】
次に、図1に示した印刷システムにおいて、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷レイアウトの編集・登録処理を行う場合について説明する。
図4は、図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷レイアウトの編集・登録処理を示すフローチャートである。図4に示すステップS401乃至ステップS403の処理は、パソコン102のCPU21の制御の下で処理が実行される。また、ステップS421乃至ステップS430の処理は、MFP101のCPU209の制御の下で処理が実行される。
【0018】
但し、図4のフローチャートが実行される前提として、例えば、以下の処理が既に終了しているとする。まず、パソコン102は、MFP101の印刷レイアウト編集用のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることで、帳票レイアウト一覧の画面情報をMFP101から受信している。利用者がこの画面情報において特定の帳票レイアウトを選択すると、パソコン102は、特定の帳票レイアウトを選択したことを示す選択情報をMFP101に送信する。これにより、MFP101は、折り返し、選択された帳票レイアウトを編集可能な画面情報(以下、レイアウト画面情報とする)をパソコン102へ送信する。これにより、パソコン102は、レイアウト画面情報を受信する。
【0019】
尚、選択された帳票レイアウト情報は、MFP101の記憶部207のハードディスクからRAMに読み出されて記憶されている。この帳票レイアウト情報には罫線や網掛けの情報や、帳票名等の印刷位置が固定された文字データや、帳票毎の可変文字印刷用フィールドの位置及び文字数文字タイプを含んでいる。また、パソコン102から印刷レイアウト編集用のURLを指定する情報をMFP101へ送信した場合に、MFP101は、折り返しユーザID及びパスワードをパソコン102に要求する画面情報を送信しても良い。
【0020】
まず、ステップS401において、パソコン102は、受信したレイアウト画面情報により、図9に示す帳票レイアウト編集画面901を表示画面に表示する。図9は、本実施形態においてパソコン102に表示される帳票レイアウト編集画面例を示す図である。図9に示すように、帳票レイアウト編集画面901は、眼鏡の申込書の帳票を編集する画面例である。帳票レイアウト編集画面901においては、上ページと中ページから構成される2枚組の帳票の表裏両面(合計4面)について文字の入力や、発色剤や顕色剤の塗布範囲の指定を行う画面例である。具体的には、帳票レイアウト編集画面901には、上ページの表面のレイアウトを編集する上表910、上ページの裏面のレイアウトを編集する上裏912、中ページの表面のレイアウトを編集する中表914、中ページ裏面のレイアウトを編集する中裏916が表示されている。また、上裏912には発色剤を含む第1の塗布液の塗布範囲913が示されており、中表914には、それに対応する位置(重なり合う位置)に顕色剤を含む第2の塗布液の塗布範囲915が示されている。尚、塗布範囲915の周囲には、上表910の氏名記入欄911と同様に氏名記入欄としての枠が設けられている。
【0021】
また、帳票レイアウト編集画面901は、フォーム選択ボタン902、塗布範囲指定ボタン903、印刷実行ボタン904、次画面ボタン905、登録ボタン906、及びキャンセルボタン907などの種々の機能ボタンを備える。フォーム選択ボタン902は、利用者が帳票のフォームを選択したい場合に押下するボタンである。塗布範囲指定ボタン903は、上述した塗布範囲913や914の指定を行う際に押下するボタンである。印刷実行ボタン904は、帳票レイアウト編集画面901を終了して印刷処理へと移行したい場合に押下するボタンである。次画面ボタン905は、帳票に更に3枚目、4枚目のページがある場合に、その3枚目、4枚目の表裏両面の編集画面へと移行するためのボタンである。登録ボタン906は、編集結果をMFP101に登録したい場合に押下するボタンである。キャンセルボタン907は、編集処理を中止したい場合に押下するボタンである。
【0022】
次に、図4の処理において所定の時間間隔でCPU21は、ステップS402に処理を進める。ステップS402においては、パソコン102は、利用者が帳票レイアウト編集画面901に対して編集操作(テキストの入力、各機能ボタンの押下)を行ったか否かを判断する。ここで、編集操作がなかったと判断した場合(ステップS402のNo)には、パソコン102はステップS401に戻る。また、編集操作があったと判断された場合(ステップS402のYes)には、パソコン102は、ステップS403に進み、編集情報をMFP101に送信する。ここで、編集情報とは、特定の機能ボタンが押下されたことを意味する情報や、入力又は削除されたテキスト及びその位置を意味する情報である。次に、ステップS404に進み、パソコン102は、編集情報を送信したMFP101からのレイアウト画面情報の受信待ち状態となる。ステップS404において、パソコン102は、MFP101からレイアウト画面情報を受信した場合には、ステップS401に戻る。
【0023】
次に、上述したパソコン102におけるステップS403の処理に応じてMFP101で行われる処理について説明する。まず、ステップS421において、MFP101は、編集情報を受信して、記憶部207のRAMに記憶する。本実施形態の編集情報としては、文字の変更などの通常の編集情報の他に、ノンカーボン用液体(第1及び第2の塗布液)の塗布範囲を指定する塗布範囲指定ボタン903が押下され、塗布範囲が指定された場合の編集情報(以下、ノンカーボン範囲指定情報とする)、印刷実行ボタン904やキャンセルボタン907が押下された場合の編集情報(以下、終了情報とする)、及び登録ボタン905が押下された場合の編集情報(以下、登録情報とする)のいずれかである。
【0024】
次に、ステップS422において、制御部206は、記憶部207に記憶した編集情報に対してノンカーボン範囲指定情報であるか否かの判定を行う。ここで、編集情報がノンカーボン範囲指定情報であると判定した場合(ステップS422のYes)には、制御部206は、ステップS423へ進み、記憶部207のRAMに記録している帳票レイアウト情報を仮更新する処理を行う。尚、仮更新とは編集中の更新であることを示し、後述するステップS425のYesで編集処理が終了した時点で更新データが確定する。次に、ステップS424において、制御部206は、更新された帳票レイアウト情報に基づいてレイアウト画面情報を生成して、パソコン102に送信し、ステップS421に戻り、MFP101は編集情報受信待ち状態になる。また、パソコン102においては、レイアウト画面情報を受信したと判断して(ステップS404のYes)、ステップS401に戻る。
【0025】
また、ステップS423において、ノンカーボン範囲指定情報でないと判定した場合(ステップS422のNo)には、制御部206は、ステップS425に進み、終了指示を含む編集情報(終了情報)であるか否かを判定する。ここで、終了指示を含むと判定した場合(ステップS425のYes)には、制御部206は、編集処理を終了する。この際、印刷実行ボタン904を押下したことによる終了指示であれば、後述する図5に示す印刷処理を行う。
【0026】
また、ステップS425で終了指示ではないと判定した場合は、ステップS426へ進み、制御部206は、編集情報が登録指示を含む情報(登録情報)であるか否かを判定する。ここで、登録情報であると判定した場合は、ステップS427の処理へ進み、制御部206は、登録指示された編集後の記憶部207のRAMに記憶されている帳票レイアウト情報を、記憶部207のハードディスクに上書する。次に、ステップS428において、制御部206は、帳票レイアウトの登録が完了した旨のメッセージをパソコン102に表示させるための画面情報を生成して、パソコン102へ送信する。これにより、パソコン102において、ステップS404の受信処理及びステップS401のレイアウト画面の表示処理が行われる。また、MFP101は、ステップS421に戻り、編集情報受信待ち状態になる。
【0027】
ステップS426において登録情報ではないと判定した場合は、ステップS429の処理へ進み、制御部206は、記憶部207のRAMの帳票レイアウト情報を更新する。即ち、ノーカーボンの範囲指定、終了情報、及び登録情報ではない編集情報は、例えばテキストの挿入や削除等を指示する編集情報と判断して、制御部206は、その編集情報を反映した帳票レイアウト情報に更新する処理を行う。
【0028】
次に、ステップS430において、制御部206は、更新された帳票レイアウト情報に基づいてレイアウト画面情報を生成して、パソコン102へ送信する。これにより、パソコン102は、ステップS404の受信処理を経て、ステップS401に戻る。また、MFP101は、ステップS421に戻り編集情報受信待ち状態になる。尚、本実施形態のステップS401では、所定の時間間隔でCPU21は処理をステップS402に進めているが、ボタンの押下やキーボードからの入力等で割り込みを発生させて、割り込み発生時に処理をステップS402に進めても良い。
【0029】
以上に示したように、MFP101は、利用者の操作するパソコン102に、複写部分(ノンカーボン部分)を任意に設定可能な帳票レイアウト編集画面901を提供することができる。これにより、利用者は、パソコン102において、帳票のレイアウトを作成すると共に、複写機能を付与したいノンカーボン部分を任意に指定することができる。また、図4の処理を行うことで、MFP101は、利用者による編集結果を反映した帳票レイアウト情報を記憶部207に格納する。
【0030】
次に、図1に示した印刷システムにおいて、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷処理を行う場合について説明する。
図5は、図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷処理を示すフローチャートである。図5において、ステップS501乃至ステップS505は、パソコン102のCPU21の制御の下で処理が実行される。また、ステップS521乃至ステップS527は、MFP101のCPU209の制御の下で処理が実行される。
【0031】
また、図5のフローチャートの処理が実行される前提として、パソコン102では複写部分を含む伝票を印刷可能なアプリケーションプログラムが実行されており、アプリケーションプログラムで印刷処理が選択され、プリンタドライバが起動されたものとする。具体的には、図4の処理で説明したように、パソコン102において、利用者が帳票レイアウト編集画面901の印刷実行ボタン904を押下することで、プリンタドライバが起動される。
【0032】
ステップS501において、パソコン102は、プリンタドライバの画面を表示画面に表示する。次に、所定の時間間隔でCPU21は処理をステップS502に進める。ステップS502において、パソコン102は、キャンセルボタンが押下されたか否かを判定する。ここで、押下されたと判定した場合(ステップS502のYes)には、パソコン102は、印刷処理を終了する。また、押下されていないと判定した場合(ステップS502のNo)には、パソコン102はステップS503の処理へ進み、印刷ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS503)。
【0033】
ここで、印刷ボタンが押下されたと判定した場合(ステップS503のYes)には、パソコン102は、ステップS504へ進む。また、印刷ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS503のNo)には、パソコン102は、ステップS501の処理へ戻る。
【0034】
ステップS504においては、パソコン102は、上記アプリケーションプログラムで作成したデータとプリンタドライバ画面での設定に基いて印刷設定データを含む印刷データを生成してハードディスク28に記憶する。次に、ステップS505において、パソコン102は、印刷データをMFP101に送信する。これにより、ステップS521において、MFP101は、印刷データを受信して記憶部207のハードディスクに記憶する。
【0035】
次に、ステップS522において、MFP101のレーザプリント部201は、文字及び画像部分を用紙に印刷する。両面印刷や製本印刷が指定された場合は、その指定に応じて印刷を行う。
【0036】
次に、ステップS523において、MFP101は、ノンカーボン用の液体の塗布が指定されているか否かを判定する。具体的には、MFP101は、図4の処理で記憶部207に登録された帳票レイアウト情報を参照してノンカーボン部分の有無を判定する。ここで、ノンカーボン用の液体の塗布指定があると判断した場合(ステップS523のYes)には、MFP101は、ステップS524の処理へ進む。また、ノンカーボン用の液体の塗布指定が無いと判断した場合(ステップS523のNo)には、MFP101は、ステップS525の処理へ戻る。
【0037】
ステップS524においては、MFP101の塗布部202は、ノンカーボン用の第1の塗布液及び第2の塗布液を、用紙の指定された塗布範囲に塗布する処理を行い、ステップS525へ進む。
【0038】
ステップS525において、MFP101は、製本印刷が指定されたか否かを判定する。ここで製本印刷が指定されたと判定した場合(ステップS525のYes)には、MFP101は、ステップS526へ進み、製本ステープル部204により用紙に対するステープル処理や紙折り処理を行う。また、製本印刷がしていされていないと判定した場合(ステップS525のNo)には、MFP101は、ステップS527へ進み、用紙を外部に排出して、印刷処理を終了する。
【0039】
以上の処理に示すように、MFP101は、塗布部202を備えることで、用紙に対してノンカーボン部分となるよう、発色剤を含む第1の塗布液や顕色剤を含む第2の塗布液を塗布することができる。これにより、MFP101は、普通紙を利用してノンカーボン部分を含む帳票の印刷が可能であり、更に製本・ステープル部204を利用することで印刷した各帳票をまとめる製本印刷が可能になる。
【0040】
また、MFP101は、複写部分(ノンカーボン部分)を含む伝票(申込書)の印刷レイアウトの編集・登録サービスや印刷サービスを実現する帳票レイアウト編集画面901をブラウザ閲覧可能な情報形式でパソコン102に提供する。これにより、パソコン102側ではいわゆるブラウザをインストールしておくだけで、MFP101に記憶されている帳票レイアウトを選択して、レイアウトを編集し、ノンカーボンの塗布範囲を指定し、印刷指示を行うなどの処理をMFP101へ要求/指示できる。
【0041】
以上に説明したように、本実施形態のMFP101は、プレプリント紙(ノンカーボン用紙)をストックしておかなくても、適宜既存のフォームを流用して普通紙にノンカーボン帳票を印刷することができる。特に様々な種類のノンカーボン帳票を使用する業務における帳票作成や、契約書等で署名する人数が変わることに応じてノンカーボン部分の大きさを変える帳票の作成に対して顕著な効果を奏する。
【0042】
次に、図2に示した塗布部202の詳細な構成例について説明する。
図6は、図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す側面図である。また、図7は、図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す上面図である。図2のレーザプリント部201で文字や図形を印刷された用紙が、塗布部22に入力される。具体的には、図6の左上部分から右方向に送出された印刷用紙はローラーB603とローラーB604に挟みこまれて右方向に送られ、更にローラーB604とローラー613と用紙ガイド630によって向きが反対側(向かって左方向)に送出され、ローラー614と615に挟みこまれ、用紙ガイド611と612に導かれて左方向にフィードされ、裏面用塗布ヘッド601で指定位置に第1の塗布液又は第2の塗布液(ノンカーボン用液体)が塗布される。
【0043】
裏面の所定位置に第1の塗布液が塗布された印刷用紙は、ローラーA605とローラーB606に挟みこまれて更に左方向に送られ、ローラーB606とローラー618乃至620によって向きを反対側(向かって右方向)にして送出される。次に、ローラー616と617に挟みこまれて右方向にフィードされ、表面用塗布ヘッド602で指定位置に第1の塗布液又は第2の塗布液が塗布される。右方向への移動する間、印刷用紙は、ローラー621乃至627によってガイドされる。裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602は、不図示のベルトの駆動によって、摺動ガイド部609及び610に沿って水平方向(図6において手前又は奥へ向かう方向)に動くことができる。
【0044】
表面の所定位置にノンカーボン用液体が塗布された印刷用紙はローラーA607とローラーA608に挟みこまれて右方向に送られ、製本・ステープル部204を通って外部に排出される。
【0045】
ここでローラーA605と607、608及びローラー616乃至627は、図7に示すように駆動軸に幅が5ミリ乃至20ミリ程度の3個のゴムローラーを有するローラーであって、両端のゴムローラーは用紙の端に位置するローラーである。ローラーB603、604、606は、幅が用紙幅+10ミリ程度のゴムローラーである。これは、通常用紙の端の5ミリ乃至10程度の範囲にはノンカーボン用の液体を塗布する必要がないので、このような構成とすることによって、塗布面と各ローラーが接触せずに用紙を外部に排紙することができるので塗布されたノンカーボン用液体の乾燥時間を確保しつつ、印刷速度の低下を防止することができる。なお、用紙表面及び裏面の両方にノンカーボン用の液体を塗布しない場合には、各ローラーの回転速度を高速に切り替えて速やかに排紙するよう構成しても良い。また、送風口631からは表面用塗布ヘッド602により塗布された第2の塗布液を乾燥させるための空気を印刷用紙に送風する。
【0046】
また、ローラー616及びローラー619は駆動軸と3個のゴムローラーから構成され、3つのゴムローラーのうち中央のゴムローラーは駆動軸に固定されているが、両端のゴムローラーは、軸の回転方向では駆動軸と一体となっているが、駆動軸の長手方向には動かすことができるので、用紙幅に合わせて用紙の端部をフィードすることができる。
【0047】
次に、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例について説明する。図8(a)は、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例の側面図を示す図である。図8(b)は、図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602(以下、単に塗布ヘッド601、602とする)の構成例の上面図を示す図である。図8(a)、(b)に示すように、塗布ヘッド601、602は、第1の塗布液が装填されている発色剤タンクと第2の塗布液が装填されている顕色剤タンクとを備え、それぞれのタンクに下に第1の塗布液や第2の塗布液を吐出するノズルが設けられている。
【0048】
次に、ノンカーボン部分を有する帳票の出力例を示し説明する。
図14は、本実施形態でのノンカーボン帳票の出力例を示す図である。図14の出力例では、2枚の用紙を2つ折りにして製本印刷し合計8ページの帳票を出力する場合を示している。図14の左上部分は製本後表紙及び裏表紙になる部分であり、左上部分の真中の実線は折り目を示している。図14の左下部分は表紙及び裏表紙の裏面であり、図14の右上部分は製本印刷時の中側の用紙の表であり、図14の右下部分は中側の用紙の裏の印刷面を示している。
【0049】
図14に示すノンカーボン帳票の編集処理例を示すと、まず、第1の手順として左上部分の下側(表表紙)にノンカーボン用記入欄(署名欄)が設定されると、RAMのワークエリアにその設定が記憶される。次に、第2の手順として、制御部206は、表表紙にノンカーボン用署名欄が設定されたことを判定して、対応する各3ヶ所(合計6ヶ所)に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布範囲を設定する。
【0050】
次に、右上部分の「コンタクトレンズ加工依頼書」では、個人情報が不要なので、第3の手順として、帳票印刷レイアウト画面で右下部分の下側の塗布箇所の削除指令が編集者のキーボード又はマウスの入力に基いて入力される。第4の手順として、入力に基いて制御部206のCPU209によってRAMのワークエリアより対応する塗布範囲の設定が削除されると、残る塗布面は5箇所となる。第5の手順として、制御部206は、CPU209によって削除された塗布範囲に対向する面を特定して、その面の塗布範囲の設定も削除する。具体的には、図14の右下部分の下側の塗布箇所の削除に応じて対向する左下部分の上側の塗布面の設定を削除する。これにより、図14に示すように、結局4箇所に顕色剤又は発色剤を塗布する塗布範囲が設定される。
【0051】
中側の用紙の表面(8ページの帳票の3ページ目)に記入欄が設定された場合は、同様に対応する各2ヶ所(合計4ヶ所)に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布が設定される。更に3枚以上の用紙を用いた場合も同様の処理を行う。なお、MFP101において、帳票の2つ折り部分の近くにミシン目を設ける機能を有すれば、製本後の帳票において各ページの切り離しが容易になる。
【0052】
以上の編集処理によれば、本実施形態のMFP101は、複数ページから成る帳票において、1ページ目にノンカーボン用記入欄が設定されたことを判定して、他のページの対応する位置に同じサイズの顕色剤と発色剤の塗布範囲を対で設定することができる。これにより、ノンカーボン塗布位置の一方を指定すると、対応する位置(紙折り位置を基準にした対称位置)に他方の塗布位置が設定されるので位置指定が1回で済むという効果を奏する。
【0053】
また、本実施形態のMFP101は、特定箇所の顕色剤の塗布範囲の設定が削除されると、対応する発色剤の塗布範囲の設定を自動で削除することができる。同様に、本実施形態のMFP101は、特定箇所の発色剤の塗布範囲の設定が削除されると、対応する顕色剤の塗布範囲の設定を削除することができる。このような処理を行うことで、ノンカーボン部分の設定を含む帳票編集を効率良く行うことができる環境を提供できるとともに、又ノンカーボン部分となる発色剤や顕色剤の塗布範囲の設定ミスを防止することができる。
【0054】
本実施形態に用いる印刷用紙としては、ノンカーボン用液体の受容性に優れ、素早く乾燥状態にすることで機内汚れやオフセットを防ぐ用紙が好適である。
具体例としては、以下に示す要件を満たす用紙が好適である。
・サイズ性の低い用紙(坪量81.4グラム以下の紙で40秒以下)。
・填料(てんりょう)が多い用紙、顔料塗布された用紙、特にシリカ等の吸液性の高い填料及び顔料を使用した用紙。
・低密度の用紙(0.7g/cm3以下)。
【0055】
ここで、サイズ性とは、用紙の水浸透を防ぐ性質で、疎水性の物質を塗布して調節する。古くは万年筆での筆記性を上げるために考え出された。また、填料とは、紙の中に混ぜられている鉱物質の微粉末を意味する。また、顔料とは、填料とほぼ同じだが、用紙の表面に塗布している微粉末を指す場合が多い。また、ここでは鉱物質の粉末が水分を吸収することを期待した。また、顔料によって裏抜け防止効果がある。また、低密度とは、密度の低い用紙は表面がラフで穴が多くあり、その間に液体を吸い込むことを意味する。さらに寸法安定性に優れている用紙であることも重要である。また、液体(水)に触れて紙が波打ったり、局所的にぼこついたりする現象(コックリング)を少なく押さえた用紙が好ましい。
【0056】
また、印刷用紙は非塗工紙(塗っていない紙、いわゆる普通紙)に限定されず、再生紙でも構わない。又耐水紙やフィルム等の特殊メディアも上記に準ずる特性を持つことで使用可能である。
【0057】
[第2の実施形態]
本発明を、コンビニエンスストア(以下、コンビニとする)での宅配便伝票の作成・保管システムに適用した場合を、第2の実施形態として説明する。具体的には、例えば、事前に自宅PCから住所・氏名・電話番号等を入力(又はコンビニに設置された専用端末から入力)してコンビニで伝票を印刷し、2回目からは携帯端末103の認証により、この伝票を呼び出して簡単に伝票を作成できる印刷システムについて説明する。尚、専用端末とは、例えばパソコン又はキオスク端末などである。また、携帯端末103は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDAなどのモバイル端末である。特に携帯電話にICチップを組込んだもの(例えば登録商標の「フェリカ」等)を用いると好適である。
【0058】
第2の実施形態における印刷システムは、図1のシステム構成図において、MFP101の代りに、図10に示すようなネットワーク対応のインクジェット式の印刷装置1200を設定して、宅配便等の伝票の保管及び印刷を行うシステムである。図10に示すように、印刷装置1200は、ノンカーボン用液体の塗布を行う塗布部1202を有するインクジェットプリント部1201、用紙の排出を行う用紙排出部1204、印刷装置1200内の各部やデータの流れを制御する制御部1206、記憶部1207、及びLAN I/F部1208から構成されている。尚、図10の制御部1206、記憶部1207、及びLAN I/F部1208は、図2に示した制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208と同様の機能を有する。記憶部207のハードディスクには後述する伝票用データが記憶されている。
【0059】
図15は、図1に示した携帯端末103の詳細なハードウェア構成例を示す図である。図15に示すように、携帯端末103は、システムバス30、CPU31、RAM32、ROM33、通信アダプタ34、液晶表示部35、及び操作ボタン36から構成され、例えば携帯電話などと同様の構成である。なお、ICチップについては図15では省略されているが、バス30にICチップを接続しても良いし、RAM32の一部をICチップの代替として用いても良い(この場合のRAM32は不揮発性とし、認証用データは暗号化する)。
【0060】
例えば、コンビニに印刷装置1200と専用端末(不図示)を置き、専用端末の記憶部に登録用アプリケーションを記憶しておき、専用端末から印刷装置1200に、伝票用データとして自宅住所と自宅電話番号、送付先住所・氏名・電話番号を所定数登録し、記憶部1207のハードディスクに記憶する。記憶した住所等のデータは次回以降携帯端末103で認証してから参照して、必要な箇所を修正した上で宅配便伝票を印刷する。認証は具体的には携帯端末103が携帯電話であるならば、電話番号をiRDAで印刷装置1200に送信することでパスワードの代用とするが、携帯電話本体のICチップのデータやICカード機能を備えたクレジットカードやICカード機能を備えたプリペイドカード等を用いて認証及び支払いを行っても良い。なお、専用端末を用いず、印刷装置1200の液晶操作画面から文字入力を可能にして伝票用データを入力/修正するよう構成しても良い。
【0061】
このように構成することで、専用伝票を用意しなくても普通紙でノンカーボンの宅配便伝票を印刷することが可能となる。さらに荷送人の住所や氏名、電話番号を予め印刷できるので、顧客にとって非常に便宜である。又、コンビニエンスストア側にとっても、伝票の記入のために長時間カウンタを占領されることがなくなり、待ち行列の短縮を期待できる。
【0062】
図11は、図10に示した印刷装置1200の塗布ヘッドの側面図例及び上面図例を示す図である。図11に示すように、CYMKの各色インクタンクと、発色剤タンク及び顕色剤タンクを備えている。このような塗布ヘッドを2個備えることにより用紙を一方向に搬送する形式で両面印刷を実現できる。
【0063】
[第3の実施形態]
本発明を、第2の実施形態と同様に宅配便伝票の作成・保管システムに適用した場合であって、印刷装置としてレーザビーム式の印刷を行うレーザプリンタを用いた場合を、第3の実施形態として説明する。具体的には、第3の実施形態における印刷システムは、図1のシステム構成図において、MFP101の代りに、図12に示すようなネットワーク対応のレーザプリンタ1400を設置して、宅配便等の伝票の保管及び印刷を行うシステムである。本実施形態では、帳票レイアウト情報や帳票レイアウトソフトウェアはパソコン102のハードディスク28に記憶されており、CPU21の制御の基で適宜RAM22に読み出される。図12のレーザプリンタ1400はレーザプリント部1401、塗布部1402、用紙排出部1404、制御部1406、記憶部1407、及びLAN I/F部1408を備えている。尚、図12の制御部1406、記憶部1407、及びLAN I/F部1408は、図2に示した制御部206、記憶部207、及びLAN I/F部208と同様の機能を有する。
【0064】
図13は、本実施形態での帳票の出力例(製本印刷の表紙部分のみ)を示す図である。図13に示すように、取り寄せ依頼者の個人情報及び取り寄せを依頼された製品の写真画像及び署名欄を備え、この帳票の裏側にはノンカーボン用の液体を塗布する。このように本実施形態の印刷システムによれば専用のノンカーボン紙(プレプリント用紙)がなくても、個別の帳票レイアウトを作成して文字情報や画像情報を普通用紙に印刷した後に、所定の範囲をノンカーボン部分となるよう発色剤や顕色剤を塗布することができるので、ノンカーボン帳票を自由に作成して印刷することができる。
【0065】
また、本実施形態の印刷システムでは、ノンカーボン塗布位置のレイアウト変更を自在に行うことができ、例えば契約書で署名する当事者の人数に応じて書名欄の位置や数を簡単に変更することができる。更に担当者別の個別印刷やシリアルナンバーの印刷も実現できる。これにより、従来柔軟なレイアウト変更を可能にするために必要だったドットインパクトプリンタが不要になる。更に、用紙レイアウトの変更に伴うプレプリント用紙の廃却による無駄がなくなる。複数のノンカーボン帳票を使用する場合でも、紙帳票を在庫として保管する必要がない。
【0066】
尚、本発明の利用分野としては、例えば、法令用紙、商品引換証、不動産賃貸契約書、自賠責保険証書、各種申込書等のノンカーボン帳票の編集及び印刷に広く用いることができ、特にノンカーボンの記入箇所の異なる多数の種類の帳票を使用する場合や、帳票レイアウトの変更が頻繁に生じる場合に好適である。
【0067】
また、上述したMPF101は、図4や図5などで示した処理機能を実現する為のプログラムを記憶部207より読み出してCPU209が実行することによりその機能を実現させるものであったが、この限りではなく、各処理の全部または一部の機能を専用のハードウェアにより実現してもよい。
また、上述した記憶部207は、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されてもよい。
【0068】
また、上述したMPF101において、図4や図5に示す各種処理を行う機能を実現する為のプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各処理を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0069】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0070】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0071】
また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態における印刷装置を含む印刷システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示したMFP101のハードウェア構成を示す概念図である。
【図3】図1に示したパソコン102のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷レイアウトの編集・登録処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した印刷システムにおいて、ノンカーボン部分を含む伝票の印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す側面図である。
【図7】図2に示した塗布部202の詳細な構成例を示す上面図である。
【図8】図6に示した裏面用塗布ヘッド601及び表面用塗布ヘッド602の構成例の側面図及び上面図を示す図である。
【図9】本実施形態においてパソコン102に表示される帳票レイアウト編集画面例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるインクジェット式の印刷装置のハードウェア構成を示す概念図である。
【図11】図10に示した印刷装置1200の塗布ヘッドの側面図例及び上面図例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態におけるレーザビーム式の印刷装置のハードウェア構成を示す概念図である。
【図13】本実施形態での帳票の出力例(製本印刷の表紙部分のみ)を示す図である。
【図14】本実施形態でのノンカーボン帳票の出力例を示す図である。
【図15】図1に示した携帯端末103の詳細なハードウェア構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
100 ネットワーク
101 MFP
102 パソコン
103 携帯端末
201 レーザプリント部
202 塗布部
204 製本・ステープル部
206 制御部
207 記憶部
208 LAN I/F部
209 CPU
1200 印刷装置
1201 インクジェットプリント部
1202 塗布部
1204 用紙排出部
1206 制御部
1207 記憶部
1208 LAN I/F部
1400 レーザプリンタ
1401 レーザプリント部
1402 塗布部
1404 用紙排出部
1406 制御部
1407 記憶部
1408 LAN I/F部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字又は画像の少なくとも何れか一つを含む帳票を印刷可能な印刷装置であって、
顕色剤又は発色剤の一方を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、
顕色剤又は発色剤の他方を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、
前記印刷媒体上の所定の範囲であって、前記印刷物となった場合に合わさる2面に対して前記第一の液体と前記第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する塗布手段と
を具備し、前記印刷された帳票は前記塗布手段により塗布された顕色剤及び発色剤によって複写機能を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷媒体を2つ折りにして前記印刷物となるよう製本処理を行う製本処理手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
ネットワークを介して利用者端末と通信を行う通信手段と、
前記利用者端末からの要求に応じて、前記印刷媒体上における前記第一の液体と前記第二の液体の塗布範囲を指定する指定手段及び前記印刷媒体上における文字や画像の配置を指定するレイアウト手段を含むレイアウト画面を提供するレイアウト画面提供手段と
を更に具備し、
前記塗布手段は、前記指定手段により指定された前記塗布範囲に基づいて前記第一の液体と前記第二の液体を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記塗布範囲及び文字や画像の配置情報を含む印刷レイアウトに関する情報である印刷レイアウト情報を格納する印刷レイアウト格納手段と、
前記通信手段を介して前記利用者端末より前記印刷レイアウトの変更指示を示す情報である編集情報を受信する受信手段と
を更に具備することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記指定手段は、利用者から前記第一の液体を塗布する第一の塗布範囲が指定された場合に、前記第1の塗布範囲に対応する位置に前記第二の液体を塗布する第二の塗布範囲を設定することを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第一の液体及び前記第二の液体は、前記印刷媒体上により丈夫に付着するためのバインダを更に含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
少なくとも使用する印刷レイアウトを特定する情報と帳票の文字データを含む帳票情報記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記帳票は宅配便用の伝票であり、前記文字データは荷送人の住所・氏名・電話番号を少なくとも含むことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記塗布手段は、前記印刷媒体の表面用と裏面用の2つを具備することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記塗布手段は前記印刷媒体の幅と略同一幅の第1のローラーと、駆動軸に対して幅5ミリ幅乃至20ミリ幅の小幅ローラーを少なくとも2つ前記印刷媒体の幅と略同一幅の間隔で備える第2のローラーとを具備し、
前記第2のローラーは、前記印刷媒体の幅の変化に応じて、前記駆動軸の長手方向における前記小幅ローラーの間隔を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷処理する印刷方式は、インクジェット方式又はレーザビーム方式であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項1】
製本処理後に複数ページから構成される印刷物となる一つ又は複数の印刷媒体に対して、文字又は画像の少なくとも何れか一つを含む帳票を印刷可能な印刷装置であって、
顕色剤又は発色剤の一方を含む第一の液体を貯蔵する第一の貯蔵手段と、
顕色剤又は発色剤の他方を含む第二の液体を貯蔵する第二の貯蔵手段と、
前記印刷媒体上の所定の範囲であって、前記印刷物となった場合に合わさる2面に対して前記第一の液体と前記第二の液体をそれぞれ対と成るように塗布する塗布手段と
を具備し、前記印刷された帳票は前記塗布手段により塗布された顕色剤及び発色剤によって複写機能を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷媒体を2つ折りにして前記印刷物となるよう製本処理を行う製本処理手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
ネットワークを介して利用者端末と通信を行う通信手段と、
前記利用者端末からの要求に応じて、前記印刷媒体上における前記第一の液体と前記第二の液体の塗布範囲を指定する指定手段及び前記印刷媒体上における文字や画像の配置を指定するレイアウト手段を含むレイアウト画面を提供するレイアウト画面提供手段と
を更に具備し、
前記塗布手段は、前記指定手段により指定された前記塗布範囲に基づいて前記第一の液体と前記第二の液体を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記塗布範囲及び文字や画像の配置情報を含む印刷レイアウトに関する情報である印刷レイアウト情報を格納する印刷レイアウト格納手段と、
前記通信手段を介して前記利用者端末より前記印刷レイアウトの変更指示を示す情報である編集情報を受信する受信手段と
を更に具備することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記指定手段は、利用者から前記第一の液体を塗布する第一の塗布範囲が指定された場合に、前記第1の塗布範囲に対応する位置に前記第二の液体を塗布する第二の塗布範囲を設定することを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第一の液体及び前記第二の液体は、前記印刷媒体上により丈夫に付着するためのバインダを更に含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
少なくとも使用する印刷レイアウトを特定する情報と帳票の文字データを含む帳票情報記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記帳票は宅配便用の伝票であり、前記文字データは荷送人の住所・氏名・電話番号を少なくとも含むことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記塗布手段は、前記印刷媒体の表面用と裏面用の2つを具備することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記塗布手段は前記印刷媒体の幅と略同一幅の第1のローラーと、駆動軸に対して幅5ミリ幅乃至20ミリ幅の小幅ローラーを少なくとも2つ前記印刷媒体の幅と略同一幅の間隔で備える第2のローラーとを具備し、
前記第2のローラーは、前記印刷媒体の幅の変化に応じて、前記駆動軸の長手方向における前記小幅ローラーの間隔を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷媒体に対して、文字及び画像を印刷処理する印刷方式は、インクジェット方式又はレーザビーム方式であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−103214(P2006−103214A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294489(P2004−294489)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(390002761)キヤノン販売株式会社 (656)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(390002761)キヤノン販売株式会社 (656)
【Fターム(参考)】
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