説明

印刷装置

【課題】 Windows(登録商標)のアプリケーションソフト(Word、Excel等)による印刷で、不具合が発生した場合に、16進ダンプ印刷機能を使用して、紙送りコマンドを解析して紙送り量を算出し、印刷位置不正の原因を容易に追求出来るようにすること。
【解決手段】 16進ダンプ印刷において、上位装置から紙送りコマンドを受信した場合に、頁先頭からの紙送り量を算出すると共に、算出した紙送り量を印刷して、かつ、算出した紙送り量が頁長に達した場合、または、頁長設定コマンドを受信した場合に、改行して印刷することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位装置から受信したデータを16進で印刷する機能を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置には、上位装置からの受信データを16進に変換して印刷する機能(以下16進ダンプ印刷という。)があり、上位装置からどのような印刷データが送られて来ているかを解析する事が出来る。
【0003】
Windows(登録商標)のアプリケーションソフト(Word、Excel等)による印刷の場合、上位装置からの受信データは、イメージデータと紙送りコマンドの組み合わせによるものが殆どであり、印刷位置不正が発生した場合は、紙送りコマンドの解析結果から原因を追求出来る事が多い。16進ダンプ印刷を使用した場合、単に印刷データを始めから終わりまで全て16進に変換して印刷するので、印刷結果の多くはイメージデータであり、大量の印刷結果から紙送りコマンドを検索、解析して紙送り量を算出しなければならず、原因を追求するのに時間がかかるという欠点があった。
【0004】
16進ダンプ印刷を備えた印刷装置において、文字データと制御コードの切れ目毎に改行を実施する印刷装置(例えば、特許文献1参照。)や、文字データ、制御コード、無効コードを受信した場合に区別して印刷を実施する印刷装置(例えば、特許文献2参照。)がある。しかし、これらの16進ダンプ印刷機能を使用した場合、イメージデータと紙送りコマンドを区別する事は容易だが、コマンドを解析して紙送り量を算出しなければならず、原因を追求するのに時間がかかる。
【0005】
【特許文献1】特開平05−158757号公報
【0006】
【特許文献2】特開平08−072313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
Windows(登録商標)のアプリケーションソフト(Word、Excel等)による印刷の場合、上位装置からの受信データは、イメージデータと紙送りコマンドの組み合わせによるものが殆どであり、印刷位置不正が発生して、原因を追究する為に、16進ダンプ印刷機能を使用して得た大量の印刷結果から、紙送りコマンドを検索、解析して紙送り量を算出するのに時間がかかるという点である。
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、印刷位置不正の原因を容易に追求できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、16進ダンプ印刷において、上位装置から紙送りコマンドを受信した場合に、頁先頭からの紙送り量を算出すると共に、算出した紙送り量を印刷して、かつ、算出した紙送り量が頁長に達した場合、または、頁長設定コマンドを受信した場合に、改行して印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の通り本発明の印刷装置は、16進ダンプ印刷において、上位装置から紙送りコマンドを受信した場合に、紙送りコマンドを解析し、頁先頭からの紙送り量を算出すると共に、算出した紙送り量を印刷して、算出した紙送り量が頁長に達した場合、または、頁長設定コマンドを受信した場合に、改行して印刷する事により、頁単位で印刷位置不正の原因を容易に追求出来るという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例のフローチャートである。16進ダンプ印刷において、上位装置からデータを受信(処理11)し、受信したデータを16進に変換して印刷を実施(処理12)して、受信データが頁長設定コマンドか否かを判別(処理13)し、頁長設定コマンドであれば、改行処理を実施(処理18)し、次のデータ受信(処理11)に移行する。
【0013】
受信データが頁長設定コマンドでなければ、受信データが紙送りコマンドか否かを判別(処理14)し、紙送りコマンドでなければ、次のデータ受信(処理11)に移行する。
【0014】
受信データが紙送りコマンドであれば、頁先頭からの紙送り量を算出(処理15)して、算出した紙送り量を印刷(処理16)する。算出した紙送り量が頁長に達したか否かを判別(処理17)して、頁長に達していなければ、次のデータ受信(処理11)に移行する。頁長に達していた場合は、改行処理を実施(処理19)し、次のデータ受信(処理11)に移行する。
【0015】
図2は、従来の16進ダンプ印刷結果例であり、印刷データを始めから終わりまで全て16進に変換して印刷している。
【0016】
図3は、本発明における、受信データが紙送りコマンドであった場合に、16進ダンプ印刷結果の該当する紙送りコマンドデータを印刷している行の脇に、頁先頭からの紙送り量を印刷している16進ダンプ印刷結果例である。
【0017】
図5は、本発明における、改行処理を実施している16進ダンプ印刷結果例である。算出した紙送り量が頁長に達した場合(頁長が900dotで、900dotまで算出した場合)、または、受信データが頁長設定コマンドであった場合に、改行を実施している16進ダンプ印刷結果例である。
【0018】
従って、16進ダンプ印刷において、紙送りコマンドを解析して、算出した紙送り量を16進ダンプ印刷結果の脇に印刷する事により、印刷位置不正の原因を容易に追求することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例のフローチャートである。
【図2】16進ダンプ印刷結果を示す図である。
【図3】本発明により算出した紙送り量を印刷している16進ダンプ印刷結果を示す図である。
【図4】図3に示した16進ダンプの印刷結果に対応する紙送りコマンドを示す図である。
【図5】本発明により改行処理を実施している16進ダンプ印刷結果を示す図である。
【図6】図5に示した16進ダンプの印刷結果に対応する紙送りコマンド、頁長設定コマンドを示す図である。
【符号の説明】
【0020】
11はデータ受信部、12は16進変換印刷処理、13は受信データが頁長設定コマンドかを判別する手段、14は受信データが紙送りコマンドかを判別する手段、15は紙送り量を算出する手段、16は算出した紙送り量を印刷する手段、17は算出した紙送り量が頁長に達しているかを比較する手段、18は改行する手段である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から受信したデータを16進で印刷する機能を備えた印刷装置において、受信データを受信する手段と、該受信手段で受信したデータが紙送りコマンドであるかを判別する手段と、頁先頭からの紙送り量を算出する手段と、該手段で算出した値を印刷する手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記頁先頭からの紙送り量を算出する手段で算出した値と頁長を判別する手段と、頁先頭からの紙送り量が頁長に達した場合に改行する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
受信したデータが頁長設定コマンドであるかを判別する手段と、頁長設定コマンドであった場合に改行する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−168289(P2007−168289A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369803(P2005−369803)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】