説明

印刷装置

【課題】光ディスクのような剛体の媒体が装置本体に装填されているときには、操作者が切断手段を動作させようとしてもその動作を禁止して前記剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】光ディスクが装置本体2に装填されたときには、その装填に応じて挿通口カバー24が挿通口23を開放する開放位置に移動し、この移動により、テープ状印刷媒体切断用の切断手段30を操作するための操作体37がその挿通口カバー24によりロックされる。したがって、光ディスクDに対する印刷を行なう際には、切断手段30に対する操作が不能となり、このため切断手段30が不用意に動作して光ディスクDを傷付けたり、切断手段30が故障するような不都合を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの記録が可能な記録媒体のような剛体の媒体やテープ状の印刷媒体とを選択的に装置本体内に装填して印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクなどの記録媒体のレーベル面に印刷を行う印刷装置が開発されている。特開2003−72175号公報(特許文献1)には、光ディスクに印刷する印刷装置が開示されている。この印刷装置は、光ディスクを支持するトレイと、このトレイに支持されたディスクに対して印刷を行うプリンタ機構とを備えている。
【0003】
トレイは、装置本体の内部と外部との間に渡って移動可能に設けられている。プリンタ機構は、往復移動が可能なキャリッジを備え、このキャリッジは装置本体内の所定の位置に配置され、装置本体内に収納されたトレイの上で往復移動するようになっている。このキャリッジには、サーマルヘッドが搭載されているとともに、インクリボンを保持したインクリボンカセットが着脱可能に装着されている。
【0004】
そしてこの印刷装置では、装置本体内に配置されたトレイ上に支持される光ディスクに対して、キャリッジに搭載されて往復移動するサーマルヘッドによってインクリボンを用いて熱転写印刷を行う構成となっている。
【0005】
また、従来から印刷用テープに印刷を行い、そのテープを切断してラベルを作成する印刷装置も広く用いられている。この印刷装置は、印刷用テープとインクリボンを保持するテープカセットを装置本体のカセット装填部に装着し、印刷用テープを搬送するとともに、サーマルヘッドを駆動してインクリボンで印刷用テープに熱転写印刷を行い、その印刷後の印刷用テープを排出口から装置本体外に排出する際に、その排出口の近傍に設けたカッタによって印刷済の印刷用テープを切断してラベルを作成するものである。このような印刷用テープに印刷する印刷装置は、特開平7−314747号公報(特許文献2)などに開示されている。
【特許文献1】特開2003−72175号公報
【特許文献2】特開平7−314747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光ディスクのレーベル面にタイトルなどの文字列を印刷するとともに、その光ディスクの収納ケースにも光ディスクのレーベル面に印刷したものと同じ文字列を印刷したラベルを貼り付けて管理したいことがある。
【0007】
そのような場合には、前記特許文献1の光ディスク印刷用の印刷装置を用いて光ディスクのレーベル面に光ディスクに記録されている電子データの内容に関するタイトルなどの文字列を印刷し、次に前記特許文献2のテープ印刷用の印刷装置を用いて光ディスクに印刷した文字列と同じ文字列をテープに印刷することでラベルを作成し、このラベルを光ディスクの収納ケースに貼り付けることになる。
【0008】
しかしながら、上述のように、光ディスクのレーベル面に直に印刷する一方、収納ケースに貼り付けるラベル用のテープに印刷をする場合には、光ディスク印刷用のプリンタ装置とテープ印刷用のプリンタ装置の2台のプリンタ装置を用いて別々に印刷を行なう必要がある。
【0009】
また、光ディスクとその収納ケースとの関係の場合に限らず、単独で光ディスクのレーベル面に必要な文字列を印刷したり、ラベル用のテープに印刷をする必要が生じることも多々生じるが、このような場合にも、異なるタイプの2台の印刷装置を準備しなければならない。
【0010】
そこで、本発明者らは、単一のサーマルヘッド及び単一の印刷手段を備える1台の印刷装置で、光ディスクへの印刷と、ラベルを作成するための印刷用テープへの印刷とを可能にした印刷装置を開発し、特願2004−299322号として特許出願をしてある。
【0011】
ところが、このような印刷装置では、印刷用テープへの印刷が可能な機能を有しているため切断機構を備えたものになる。そして、切断すべき印刷用テープと、切断すべきでない光ディスクなどの剛体の媒体とを共通の印刷手段により印刷を行うことになるが、光ディスクへの印刷のときに切断機構が誤って動作すると光ディスクが破損し、またシート状の印刷用テープの切断用に設計されている切断機構が光ディスクに対して動作すれば切断機構が故障してしまうことになる。特に、装置本体上に操作者が操作するための操作部を有し、この操作部の操作により切断機構が動作するように構成された手動操作方式の場合には、光ディスクへの印刷時に操作者が不注意により装置本体上に露出する操作部に手を触れて切断機構を動作させてしまう虞がある。
【0012】
本発明は、上述のような不都合の発生を解消するためになされたものであり、光ディスクのような剛体の媒体が装置本体に装填されているときには、操作者が切断手段を動作させようとしてもその動作を禁止して前記剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記記録媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は、前記操作阻止手段が、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明は、前記操作阻止手段が、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、前記装置本体の外部から操作可能な操作部を有し、該操作部を操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させない遮断手段を設けたことを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明は、装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、操作者が操作部を操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、操作者の手動操作により動作する手動操作手段と、前記手動操作手段が操作者によって操作されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させない遮断手段を設けたことを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明は、前記手動操作手段が、前記装置本体に前記剛体の媒体を装填するために設けられた開口部を開閉自在に覆い、前記剛体の媒体の装填時に操作者が開放操作するカバー部材で構成され、前記遮断手段が、前記カバー部材が操作者によって開放操作されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させないように構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明は、装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることを検出する検出手段と、駆動源により駆動されて操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段と、前記検出手段によって前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることが検出されたときに、前記駆動源を制御して前記操作阻止手段を動作させる制御手段とを設けたことを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明は、前記操作阻止手段が、前記駆動源により駆動されて前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成さていることを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明は、前記操作阻止手段が、前記駆動源により駆動されて前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴としている。
【0022】
請求項10の発明は、装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、前記装置本体に前記剛体の媒体を装填するため設けられた開口部を開閉自在に覆い、前記記録媒体の装填時に操作者が開放操作するカバー部材と、操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、前記カバー部材が操作者によって開放操作されることに連動して操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段を設けたことを特徴としている。
【0023】
請求項11の発明は、前記操作阻止手段が、前記カバー部材が開放されることに連動して前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項12の発明は、前記操作阻止手段が、前記カバー部材が開放されることに連動して前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴としている。
【0025】
請求項13の発明は、前記剛体の媒体がデータを記録可能な記録媒体であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されると、これに連動して操作者による切断手段の操作が操作阻止手段により阻止されるため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されることに連動して切断手段が不動作状態にロックされるため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されることに連動して切断手段を操作する操作部が操作不能に遮蔽されため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されると、これに連動して遮断手段が動作して操作者による操作部の操作が切断手段に伝達されないため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、手動操作手段が操作者によって操作されると、これに連動して遮断手段が動作して操作者による操作部の操作が切断手段に伝達されないため、操作者が剛体の媒体を装置本体に装填する際に、前記手動操作手段の操作を行えば、操作者が切断手段を動作させることができなくなり、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0031】
請求項6の発明によれば、装置本体に剛体の媒体を装填するための開口部のカバー部材が操作者によって操作されると、これに連動して遮断手段が動作して操作者による操作部の操作が切断手段に伝達されないため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0032】
請求項7の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されると、これが検出手段により検出され、この検出に基づいて駆動源により切断手段の操作を阻止する操作阻止手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0033】
請求項8の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されると、これが検出手段により検出され、この検出に基づいて駆動源により切断手段の操作をロックするロック手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0034】
請求項9の発明によれば、装置本体に剛体の媒体が装填されると、これが検出手段により検出され、この検出に基づいて駆動源により切断手段の操作体を操作不能に遮蔽する遮蔽手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0035】
請求項10の発明によれば、装置本体に剛体の媒体を装填するための開口部のカバー部材を操作者が開放操作すると、これに連動して操作者による切断手段の操作を阻止する操作阻止手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0036】
請求項11の発明によれば、装置本体に剛体の媒体を装填するための開口部のカバー部材を操作者が開放操作すると、これに連動して切断手段を不動作状態にロックするロック手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【0037】
請求項12の発明によれば、装置本体に剛体の媒体を装填するための開口部のカバー部材を操作者が開放操作すると、これに連動して切断手段の操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段が動作するため、剛体の媒体が装置本体に装填されているときには操作者が切断手段を動作させることができず、したがって切断手段による剛体の媒体に対する傷付けや切断手段の故障を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
図1は本発明の第1の実施形態に係る印刷装置の全体の斜視図、図2はその印刷装置に光ディスクを装填した状態の斜視図、図3はその印刷装置の開閉蓋を開いた状態の斜視図である。また、図4はその印刷装置の装填部の構成を示す平面図である。
【0040】
この印刷装置1は、CD−RやDVD−Rなどのデータの記録が可能なディスク状の剛体の記録媒体(光ディスク)のレーベル面(印刷面)に直に印刷することができるとともに、テープ状印刷媒体(印刷用テープ)にも印刷することができるようになっている。
【0041】
この印刷装置1は、幅寸法及び奥行寸法に比べて高さ寸法が小さい扁平な箱型形状の装置本体2を備えており、この装置本体2の上面にキー入力部3及び表示部4が設けられている。キー入力部3は、印刷する文字列のデータを入力する文字キー、印刷開始を指示する印刷キー、表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、及び入力された文字列の編集処理、各種設定処理、印刷処理等に必要な種々の制御キーを備えている。表示部4は液晶表示装置であり、入力されたデータや処理内容などの必要な情報を表示する。
【0042】
装置本体2は、カセット及び光ディスクDを装填するための装填部6を有し、この装填部6の上面側のカセットを交換するための開口が開閉蓋5により開閉される。装填部6には、図5(A)、(B)に示すテープカセット70と、図6(A)、(B)に示すリボンカセット85とが選択的に装填される。テープカセット70は、カセットケース73内に印刷用テープ71及びインクリボン72を保持し、リボンカセット85はカセットケース88内にインクリボン87を保持してなる。
【0043】
印刷用テープ71に印刷を行なう場合には、図7に示すように装填部6にテープカセット70を装填し、光ディスクDのレーベル面に印刷を行なう場合には、図8に示すように装填部6にリボンカセット85と光ディスクDを装填する。テープカセット70とリボンカセット85はその外径形状がほぼ同一となっている。装填部6に光ディスクDを装填するときには、図2に示すように光ディスクDを起立させ、その起立状態で装置本体2内に挿入する。
【0044】
装填部6には、図3及び図4に示すようにプラテンローラ7と印刷ヘッドとしてのサーマルヘッド8とが対向して設けられると共に、リボン巻取軸9が設けられている。プラテンローラ7は、装填部6にテープカセット70が装填されたときに、回転軸7aの軸回り方向に回転して、そのテープカセット70の印刷用テープ71及びインクリボン72を重ねてサーマルヘッド8との間に挟んで装置本体2の右側の下流側に搬送し、また装填部6にリボンカセット85及び光ディスクDが装填されたときに、インクリボン87及び光ディスクDを重ねてサーマルヘッド8との間に挟んで装置本体2の右側の下流側に搬送する搬送手段として機能する。サーマルヘッド8は、ヘッドカバー8a内に回動可能に設けられ、装填部6にテープカセット70が装填されたときに、インクリボン72を介して印刷用テープ71に印刷を行ない、また装填部6にリボンカセット85が装填されたときに、そのインクリボン87を介して光ディスクDに印刷を行なう印刷手段として機能する。
【0045】
リボン巻取軸9は、印刷に使用されたテープカセット70のインクリボン72及びリボンカセット85のインクリボン87をそれぞれのカセットケース73、88内に巻き取って回収する。装填部6には、テープカセット70及びリボンカセット85に係合してそれを所定位置に支持するための複数の支持台10a、10b、10cや係合部10eが設けられている。また、装填部6には、テープカセット70の装填の有無、及びその装填されたテープカセット70のテープサイズについての種別を判別するための複数のテープカセット検出スイッチ11a、11b、リボンカセット85の装填の有無を検出するためのリボンカセット検出スイッチ12、光ディスクDが装置本体2内の所定のセット位置に装填されたことを検出するディスク検出センサ13が設けられている。
【0046】
装填部6の奥側端部の内底部分には、この装填部6に起立状態で装填され、プラテンローラ7とサーマルヘッド8との間に挟まれて搬送される光ディスクDを案内する搬送路15が設けられている。この搬送路15は、凹溝状をなし、装置本体2の内部から外部に通じるように装置本体2の左右方向に沿って直線状に形成されている。この搬送路15の底面は案内面15aとなっており、プラテンローラ7とサーマルヘッド8とで挟まれて搬送される光ディスクDは、その下端部が前記案内面15aに当接する状態で搬送路15に沿って案内される。
【0047】
搬送路15は、装置本体2の内部側が搬送の上流側で、装置本体2の外部側が下流側である。そして、この搬送路15の長さ方向の所定の位置において、搬送路15を間に挟んで互いに対向するように前記プラテンローラ7とサーマルヘッド8とが配置され、この位置が印刷位置になっている。この搬送路15の一部、すなわち光ディスクDの搬送路15の前記印刷位置の近傍からその下流側の区間は印刷用テープ71の搬送路ともなっている。
【0048】
搬送路15の下流側の端部は、装置本体2の側部に形成された挿脱部16を介して外部に通じ、装置本体2の内部で印刷された印刷用テープ71や光ディスクDはこの挿脱部16に向けて搬送される。装置本体2には、挿脱部16の近傍において、印刷された印刷用テープ71の先端側の印刷済部分を切断してラベルとする手動操作式の切断手段30が設けられている。
【0049】
装置本体2に設けられた搬送路15の上流側端部は、挿脱部16から挿入されて装置本体2の内部に装填される光ディスクDの挿入側の外周端部を受け止めて光ディスクDを所定のセット位置に位置決する位置決め部15bとなっている。また、搬送路15の下流側端部は、挿脱部16と隣接して印刷後の光ディスクDが排出される位置である排出部15cとなっている。光ディスクDが所定のセット位置に装填されたことを検出する前記ディスク検出センサ13は、発光部と受光部とを有する透過型の光学センサであり、起立状態の光ディスクDの最下端部を搬送路15内の所定の位置で検出して光ディスクDが装填部6内の所定のセット位置にセットされたことを検出する。
【0050】
装置本体2の上に設けられた前記開閉蓋5は、装置本体2の後部上面にヒンジ25を介して上下方向に回動自在に枢着され、装置本体2の表示部4及び装填部6に対応する位置には透明な窓20が設けられている。この開閉蓋5には、光ディスクDを通す開口部としてスリット状の挿通口23が形成されている。この挿通口23は、開閉蓋5の一端部寄りの位置から他端部側に向って直線状に延び、その他側部側の端部が開閉蓋5の端部外方に開放されている。そしてこの挿通口23は、開閉蓋5の閉合状態において、前記搬送路15の垂直方向の上方に位置してその搬送路15と対向するように配置されている。
【0051】
開閉蓋5の閉合状態において、前記挿脱部16から光ディスクDを起立状態で挿入したときには、その光ディスクDは前記搬送路15及び挿通口23に沿って移動して装填部6のセット位置に達する。この際、光ディスクDはそのほぼ上半部が挿通口23から装置本体2の上方に突出する。印刷動作時には、光ディスクDは挿通口23内に挿通された状態で搬送路15内を上流側から下流側に搬送され、その搬送中に光ディスクDに対して印刷が行なわれる。そして光ディスクDが搬送路15の下流側端部の排出部15cの位置まで搬送されて印刷動作が終了する。
【0052】
印刷用テープ71の印刷済部分を切断するための前記切断手段30の構造を図9に示してある。この切断手段30は、固定刃31と可動刃32とを備え、これら固定刃31と可動刃32は前記搬送路15を隔てて互いに対向するように設けられている。固定刃31は垂直に起立するように装置本体2に固定されている。可動刃32はアーム部32aを一体に有するL状をなし、その中間部がピン33を介して回動可能に支持され、その回動動作により可動刃32が固定刃31に接離して印刷済みの印刷用テープ71を切断するようになっている。
【0053】
装置本体2には可動刃32を操作するための操作部としての操作体37が設けられている。この操作体37は図1ないし図3に示すように、装置本体2の上面右奥の隅部に配置され、装置本体2に対して上下動可能に設けられている。操作体37は下面に突起37aを一体的に有し、この突起37aと装置本体2の内底面との間に圧縮スプリング38が設けられ、このスプリング38により操作体37の上部が装置本体2の上面から一定の高さだけ突出するように弾性的に付勢されている。突起37aの側面にはピン39が設けられている。また、前記可動刃32のアーム部32aの先端部にはその長さ方向に長いU字状の切欠部40が形成され、この切欠部40内に前記ピン39が摺動自在に嵌合され、この切欠部40とピン39との嵌合により操作体37が下方に押し下げられた際に、可動刃32がピン33を中心に時計回り方向に回動して固定刃31に重なるように接触して印刷用テープ71を切断するようになっている。
【0054】
開閉蓋5の上には、前記挿通口23の長さ方向に沿う細長板状の挿通口カバー24が設けられている。この挿通口カバー24は、開閉蓋5の上面に形成された凹部5a内にスライド可能に嵌合されている。そしてこの挿通口カバー24が凹部5a内で装置本体2の前後方向にスライドすることにより前記挿通口23が開閉される。
【0055】
挿通口カバー24の下面には突起24aが設けられ、この突起24aが前記凹部5aの底面に形成された装置本体2の前後方向に長い長孔5bを通してその下方に突出し、この突起24aと開閉蓋5の下面の支持部5cとの間に圧縮スプリング43が設けられ、このスプリング43により挿通口カバー24が装置本体2の前方側方向に弾性的に付勢され、この付勢力で通常時には挿通口カバー24が前記挿通口23を閉じる位置に保持されている。
【0056】
前記切断手段30の操作体37は、前記開閉蓋5の右側端部の外側にその右側端部と隣接するように配置されている。そして開閉蓋5に設けられた挿通口カバー24の右側端部つまり装置本体2の挿脱部16に向く側の端部は、開閉蓋5の右側端部からその外方側に突出し、その突出部が係合部24bとなっている。この係合部24bは、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置に配置するもとで前記操作体37の上部側面に対向する状態にある。そして操作体37の上部側面には前記係合部24bと係脱可能なスリット状の係合溝37aが形成されている。
【0057】
前記係合部24bの挿脱部16に向く側の端縁は、平面視で装置本体2の後方側から前方側に向かって装置本体2の内側に傾斜する傾斜部24cとなっている。光ディスクDを挿脱部16から起立状態で搬送路15に沿うように挿入したときには、その光ディスクDの挿入側端部が挿通口カバー24の前記傾斜部24cに突き当り、この突き当りに応じてその傾斜部24cの傾斜に基づき挿通口カバー24が光ディスクDに押されて装置本体2の後方側に前記スプリング43に抗して移動し、この移動により前記係合部24bが操作体37の係合溝37a内に進入し、操作体37がロックされるようになっている。
【0058】
また、開閉蓋5の下面には、光ディスクDが装置本体2の上方側から前記挿通口23を通して装填部6内に誤って挿入されるのを防止するための挿入阻止部材29が設けられている。この挿入阻止部材29はほぼJ字状をなし、前記挿通口23と平行に設けられた軸26を介して開閉蓋5に回動可能に取り付けられ、スプリング29aによって図9における時計回り方向に弾性的に付勢され、通常時には挿通口23の下方に位置してその挿通口23と対向するように保持されている。
【0059】
挿入阻止部材29は挿通口23の長さ方向に沿うように延び、前記挿脱部16に向く側の端部は、平面視で軸26側からその反対側の自由端側に向けて傾斜する傾斜部となっている。そして、光ディスクDを起立状態で挿脱部16から搬送路15に沿うように挿入するときに、光ディスクDの下端部が搬送路15の底面の案内面15aに当接した状態で、光ディスクDの挿入端部側の下半部側の外縁が前記傾斜部に突き当たり、この突き当りで挿入阻止部材29が軸26を中心にスプリング29aに抗して反時計回り方向に回動して挿通口23の下方側が開放され、これにより光ディスクDの装填部6への挿入が可能になる。
前記挿通口カバー24を手動で装置本体2の後方側にスライドさせて挿通口23を開き、この状態で誤って光ディスクDを装置本体2の上方側から挿通口23を通して挿入しようとしたときには、光ディスクDが挿入阻止部材29にその真上から突き当たり、これにより光ディスクDが挿入阻止部材29により受止められて装置本体2内へのそれ以上の挿入が阻止される。
【0060】
この印刷装置1では、プラテンローラ7及びサーマルヘッド8が搬送路15に臨むようにして装填部6内に立設されている。そして、この装填部6にインクリボンカセット85を装填して光ディスクDへの印刷を行なう場合には、インクリボンカセット85のインクリボン87は幅方向を垂直向きにして搬送路15の上流側から下流側に向く水平方向に搬送される。
【0061】
挿脱部16から搬送路15に沿って起立状態で光ディスクDを装置本体2内に向けて挿入する場合は、インクリボン87のインク面と光ディスクDのレーベル面(印刷面)とが向かい合い、かつインクリボン87の搬送方向(リボン送り方向)と光ディスクDの挿入方向とが平行となる関係にあるため、光ディスクDの装置本体2内への挿入時に光ディスクDによってインクリボン87を引っ掛ける虞はない。すなわち、光ディスクDはインクリボン87の送りの方向と平行な方向に向いて装置本体2内へ挿入され、したがってそのインクリボン87を捩ったり傷つけるようなことなく円滑に挿入される。
【0062】
これに対し、装置本体2の上方側から挿通口23を通して起立状態で光ディスクDを装置本体2内に誤って挿入すると、インクリボン87のインク面と光ディスクDのレーベル面とが向かい合い、かつインクリボン87の搬送方向(リボン送り方向)と光ディスクDの挿入方向とが直交する関係となる。このように、リボン送り方向と光ディスクDの挿入方向とが直交関係になると、光ディスクDの挿入時にインクリボン87を引っ掛けて傷めてしまうことがある。この印刷装置1では、挿入阻止部材29を挿通口23に対向して設けることで、この挿通口23を通してインクリボンの搬送方向(リボン送り方向)と直交する方向から光ディスクDが挿入されることを防止している。
【0063】
次に、装填部6に装填される前記テープカセット70及びリボンカセット85について図5及び図6を参照して更に説明する。テープカセット70は、図5(A)、(B)に示すようにカセットケース73を備え、このカセットケース73の内部に、印刷用テープ71を巻回したテープコア74、未使用のインクリボン72を巻回したリボン供給コア75、印刷に使用された使用済部分のインクリボン72を巻き取るリボン巻取コア76がそれぞれ収納されている。また、カセットケース73には、その外壁の一部を凹状に成形してなるサーマルヘッド8が挿入されるヘッド挿入部77が設けられ、このヘッド挿入部77内にカセットケース73の内部から印刷用テープ71及びインクリボン72が繰出され、印刷に使用されたインクリボン72が巻取コア76に巻き取られてカセットケース73内に還流するように構成されている。
【0064】
カセットケース73のコーナー部分には、前記装填部6の支持台10a、10b、10cに対応する被支持部78、79、80が設けられている。被支持部78には、テープカセット検出スイッチ11a、11bに対応して、これらスイッチをオン・オフするべく、カセットの種別に応じて図5(A)に示す破線で示す切欠き81、82が設けられている。ここでは、切欠き81、82のいずれか一方が設けられるもの、全く設けられないものの3種類がある。また、被支持部80には、リボンカセット検出スイッチ12に対応して切欠き83が設けられている。
【0065】
リボンカセット85は、図6(A)、(B)に示すようにカセットケース88を備え、このカセットケース88の内部に、未使用のインクリボン87を巻回したリボン供給コア90、印刷に使用された使用済部分のインクリボン87を巻き取るリボン巻取コア91がそれぞれ収納されている。また、カセットケース88には、その外壁の一部を凹状に成形してなるサーマルヘッド8が挿入されるヘッド挿入部92が設けられ、このヘッド挿入部92内にカセットケース88の内部からインクリボン87が繰出され、印刷に使用されたインクリボン87が巻取コア91に巻き取られてカセットケース88内に還流するように構成されている。
【0066】
カセットケース88のコーナー部分には、前記支持台10a、10b、10cに対応する被支持部93、94、95が設けられている。被支持部93には、テープカセット検出スイッチ11a、11bに対応して、これらスイッチをオフするべく、切欠き96が設けられている。また、リボンカセット検出スイッチ12に対応する被支持部95には切欠きが設けられず、これによりスイッチオンする。
【0067】
このような構成において、テープカセット70が印刷装置1の装填部6内に装填されると、サーマルヘッド8がカセットケース73のヘッド挿入部77内に配置されるとともにリボン巻取軸9がリボン巻取コア76に嵌入する。また、リボンカセット85が印刷装置1の装填部6内に装填されると、サーマルヘッド8がカセットケース88のヘッド挿入部92内に配置されるとともにリボン巻取軸9がリボン巻取コア91に嵌入する。
【0068】
この印刷装置1で光ディスクDのレーベル面にそのタイトルなどの情報を印刷するときには、図3に示すように、開閉蓋5を開き、装填部6内にリボンカセット85を装填し、開閉蓋5を閉じる。次に、図2及び図8に示すように、光ディスクDをそのレーベル面を印刷装置1の手前側に向けた起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入し、更に搬送路15に沿って移動させて装填部6内に装填する。この際、光ディスクDは、その下端部が搬送路15内に、また上下方向の略中間部が開閉蓋5の挿通口23に挿入される状態でその搬送路15及び挿通口23にガイドされながら移動する。光ディスクDが挿通口23に挿入される際には、その光ディスクDに押されて挿通口カバー24がスプリング43に抗して装置本体2の後方側に向けて移動し、この挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝27a内に進入して係合し、この係合で操作体37がロックされ、下方への押し込みが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。
【0069】
そして、光ディスクDへの印刷が終了して、光ディスクDを装置本体2から取り出すと、光ディスクDが挿脱部16から取り除かれることによりスプリング43の付勢力で挿通口カバー24が装置本体2の前方側に向けて移動し、この移動で挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝37aから離脱し、操作体37のロックが解除されるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0070】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷する場合には、光ディスクDへの印刷の場合と異なり、テープカセット70の全体が装填部6内に納まるから挿通口カバー24を開く必要がなく、このため挿通口カバー24はスプリング43の付勢力で挿通口23を閉じる位置に保持される。したがって、切断手段30の操作体37は操作可能な状態にあり、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷を行ない、その印刷済み部分の印刷用テープ71が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37に指先を当て、この操作体37をスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させ、その可動刃32と固定刃31とで印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0071】
このように、第1の実施形態の印刷装置1によれば、光ディスクDを挿通口23に通して装置本体2に装填するときに、その動作で挿通口カバー24が移動して挿通口23が開放されると共に、切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の係合部24bによりロックされ、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクDを装填して印刷を行なうときに、操作体37に誤って手を触れて押圧するようなことがあっても、可動刃32が動作せず、光ディスクDを傷付けるようなことがない。
【0072】
図10ないし図12には第2の実施形態を示してあり、この実施形態における切断手段30の操作体37は第1の実施形態の場合と同様に、装置本体2に対して上下動可能に設けられ、圧縮スプリング38により上方に弾性的に付勢されているが、この第2の実施形態ではこの操作体37の上面が通常時に装置本体2の上面とほぼ面一となるように保持され、この操作体37を操作者が指先で下方に押し込むことにより、可動刃32が固定刃31に接近する方向に回動するようになっている。そして、通常時には、図10及び図12(A)に示すように、挿通口カバー24は圧縮スプリング43により装置本体2の前側方向に向けて弾性的に付勢され、この付勢力で挿通口23を閉じる位置に保持されている。
【0073】
この第2の実施形態の場合には、図11に示すように、光ディスクDを起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入すると、光ディスクDが挿通口カバー24の傾斜部24cに突き当り、その挿通口カバー24が押されてスプリング43に抗して装置本体2の後方側に向けて移動し、この挿通口カバー24の端部が操作体37の上面に重なる位置に配置され、図11及び図12(B)に示すように、その操作体37により操作体37が遮蔽される。したがって、操作体37を操作者が指先で下方への押し込むことが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。
【0074】
そして、光ディスクDへの印刷が終了して、光ディスクDを装置本体2から取り出すと、光ディスクDが挿通口23から取り除かれることによりスプリング43の付勢力で挿通口カバー24が装置本体2の前方側に向けて移動し、この移動で挿通口カバー24の端部が操作体37の上面から離脱してその上面が開放されるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0075】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷する場合には、光ディスクDへの印刷の場合と異なり、テープカセット70の全体が装填部6内に納まるから挿通口カバー24を開く必要がなく、このため挿通口カバー24はスプリング43の付勢力で挿通口23を閉じる位置に保持される。したがって、切断手段30の操作体37は操作可能な状態にあり、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷を行ない、その印刷済み部分の印刷用テープ71が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37を指先でスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させ、その可動刃32と固定刃31とで印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0076】
このように、第2の実施形態の印刷装置1においても、光ディスクDを挿通口23に通して装置本体2に装填するときに、その動作で挿通口カバー24が移動して挿通口23が開放されると共に、切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の端部で遮蔽され、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクDを装填して印刷を行なうときに、操作体37を誤って操作して光ディスクDを傷付けるような不都合を招くことがない。
【0077】
図13ないし図15には第3の実施形態を示してあり、この実施形態における切断手段30の操作体37は第1の実施形態の場合と同様に、装置本体2に対して上下動可能に設けられ、圧縮スプリング38により上方に弾性的に付勢されているとともに、その上面が装置本体2の上面から一定の高さだけ突出するように保持され、その突出した上部側面には挿通口カバー24の端部の係合部24bと係脱可能なスリット状の係合溝37aが形成されている。そしてこの第3の実施形態では、開閉蓋5の凹部5a内にスライド可能に設けられた挿通口カバー24が手動で装置本体2の前後方向にスライドさせる構成となっている。挿通口カバー24の上面中間部にはその手動操作用の摘み24dが設けられ、また挿通口カバー24における係合部24bの上面には、その係合部24bが操作体37の係合溝37a内に進入した際にその係合溝37aの上面に軽く圧接して挿通口カバー24を位置決めする隆起部24eが一体に突出形成されている。
【0078】
通常時には、図13及び図15(A)に示すように、挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置に保持されている。そして光ディスクに印刷をするときには、図14及び図15(B)に示すように、摘み24dに指先を掛けて挿通口カバー24を装置本体2の後方側にスライド移動させて挿通口23を開く。挿通口カバー24を装置本体2の後方側に移動させると、この挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝27a内に進入して係合し、この係合で操作体37がロックされ、下方への押し込みが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。なお、挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝27a内に進入して係合した際には、挿通口カバー24の隆起部24eが係合溝27aの上面に軽く圧接し、これにより挿通口カバー24がその係合位置に位置決めされる。
【0079】
そして、光ディスクDへの印刷が終了して、光ディスクDを装置本体2から取り出した後に、挿通口カバー24を装置本体2の前方側に向けてスライド移動させる。この移動で挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝37aから離脱し、操作体37のロックが解除されるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0080】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷する場合には、開閉蓋5を開き、装填部6内にテープカセット70を装填し、開閉蓋5を閉じるだけで、光ディスクDへの印刷の場合と異なり、挿通口カバー24を開く必要がなく、このため挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置にそのまま配置させ、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷を行なう。この際、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置にあるから、切断手段30の操作体37が操作可能な状態にあり、したがって印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37に指先でスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させて印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0081】
このように、この第3の実施形態の印刷装置1においては、光ディスクDに印刷をする際に、挿通口23を開くために挿通口カバー24を手動で装置本体2の後方側に移動させると、切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の係合部24bによりロックされ、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクDを装填して印刷を行なうときに、操作体37に誤って手を触れて押圧するようなことがあっても、可動刃32が動作せず、光ディスクDを傷付けるようなことがない。
【0082】
図16ないし図18には第4の実施形態を示してあり、この実施形態における切断手段30の操作体37は第2の実施形態の場合と同様に、装置本体2に対して上下動可能に設けられ、圧縮スプリング38により上方に弾性的に付勢されているとともに、その上面が装置本体2の上面とほぼ面一となるように保持されている。そして第3の実施形態の場合と同様に、開閉蓋5の凹部5a内にスライド可能に設けられた挿通口カバー24が手動で装置本体2の前後方向にスライドさせる構成となっている。挿通口カバー24の上面中間部にはその手動操作用の摘み24dが設けられ、また挿通口カバー24の縁部には弾性変形が可能な係合爪24fが一体的に設けられている。そして挿通口カバー24が嵌合された凹部5aの上面には前記係合爪24fと係脱可能な凹溝5dが形成されている。
【0083】
通常時には、図10及び図18(A)に示すように、挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置に保持されている。そして光ディスクに印刷をするときには、図14及び図18(B)に示すように、摘み24dに指先を掛けて挿通口カバー24を装置本体2の後方側にスライド移動させて挿通口23を開く。挿通口カバー24を装置本体2の後方側に移動させると、この挿通口カバー24の端部が操作体37の上面に重なってその上面が遮蔽され、この遮蔽で操作体37の下方への押し込みが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。なお、挿通口カバー24が操作体37の上面を遮蔽する遮蔽位置に移動した際には、係合爪24fが凹溝5dに係合し、これにより挿通口カバー24がその遮蔽位置に位置決めされる。
【0084】
そして、光ディスクDへの印刷が終了して、光ディスクDを装置本体2から取り出した後に、前記係合爪24fと凹溝5dとの係合を手先で外し、挿通口カバー24を装置本体2の前方側に向けてスライド移動させる。この移動で挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の上面から離脱し、操作体37の遮蔽が解除されてその上面が開放されるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0085】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷をする場合には、開閉蓋5を開き、装填部6内にテープカセット70を装填し、開閉蓋5を閉じるだけで、光ディスクDへの印刷の場合と異なり、挿通口カバー24を開く必要がなく、このため挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置にそのまま配置させ、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷を行なう。この際、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置にあるから、切断手段30の操作体37が操作可能な状態にあり、したがって印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37に指先でスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させて印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0086】
このように、この第4の実施形態の印刷装置1においても、光ディスクDに印刷をする際に、挿通口23を開くために挿通口カバー24を手動で装置本体2の後方側に移動させると、切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の端部で遮蔽され、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクDを装填して印刷を行なうときに、操作体37を誤って操作して光ディスクDを傷付けるような不都合を招くことがな。
【0087】
図19及び図20には第5の実施形態を示してあり、この実施形態における切断手段30の操作体37は第1及び第3の実施形態の場合と同様に、装置本体2に対して上下動可能に設けられ、圧縮スプリング38により上方に弾性的に付勢されているとともに、その上面が装置本体2の上面から一定の高さだけ突出するように保持され、その突出した上部側面に挿通口カバー24の端部の係合部24bと係脱可能なスリット状の係合溝37aが形成されている。また、挿通口カバー24の下面には突起24aが設けられ、この突起24aが前記凹部5aの底面に形成された装置本体2の前後方向に長い長孔5bを通してその下方に突出している。
【0088】
そしてこの第5の実施形態では、開閉蓋5の下面に挿通口カバー24を駆動する駆動源としてのソレノイド50が取り付けられている。このソレノイド50は装置本体2の前後側方向に進退移動するプランジャ51を備え、このプランジャ51の一端側の端部に前記挿通口カバー24の突起24aが結合されている。プランジャ51は不図示のスプリングにより装置本体2の前方側方向に弾性的に付勢され、その付勢力で通常時には後退位置に保持されている。また、装置本体2の挿脱部16の起立壁面部には光ディスク検出手段としての光センサ55が設けられている。この光センサ55は例えば光透過型のセンサで、光ディスクが装置本体2の挿脱部16に挿入された際にそれを光学的に検出してその信号を制御部に送るようになっている。なお、挿脱部16には光ディスクが挿入され、また印刷用テープ71の印刷済み部分が通ることになるが、前記光センサ55は印刷用テープ71の印刷済み部分が通る位置を避け、光ディスクのみを検出することが可能な挿脱部16の起立壁面の上部に配置されている。
【0089】
通常時には、図19及び図20(A)に示すように、ソレノイド50のプランジャ51に結合された挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置に保持されている。そして光ディスクに印刷をするときに、光ディスクを挿脱部16に挿入すると、その光ディスクが光センサ55により検出され、この検出による信号に基づいて制御部による制御でソレノイド50が通電され、図20(B)に示すようにプランジャ51が挿通口カバー24と一体的に装置本体2の後方側方向に突出移動する。そして挿通口カバー24が装置本体2の後方側方向に移動することで、挿通口23が開放され、その挿通口23への光ディスクの挿入が可能となり、また挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝27a内に進入して係合し、この係合で操作体37がロックされ、下方への押し込みが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。
【0090】
そして、光ディスクへの印刷が終了して、光ディスクを装置本体2の挿脱部16から取り出すと、それが光センサ55で検出され、この検出の信号に基づいて制御部による制御でソレノイド50の通電が切れ、プランジャ51が装置本体2の前方側方向に不図示のスプリングの付勢力で挿通口カバー24と一体的に移動し、この移動で挿通口カバー24の係合部24bが操作体37の係合溝37aから離脱し、操作体37のロックが解除されるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0091】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷する場合には、開閉蓋5を開き、装填部6内にテープカセット70を装填し、開閉蓋5を閉じるだけであり、したがって挿脱部16の光センサ55は何ら動作せず、挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置にそのまま保持され、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷が行なわれる。この際、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置にあるから、切断手段30の操作体37が操作可能な状態にあり、したがって印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37に指先でスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させて印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。なお、印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16を通る際には、光センサ55の配置位置を避けて通り、このため光センサ55は何ら動作しない。
【0092】
このように、この第5の実施形態の印刷装置1においては、光ディスクに印刷をする際に、光ディスクを挿脱部16に挿入すると、その動作に応じてソレノイド50に駆動されて挿通口カバー24が装置本体2の後方側に移動して挿通口23が開放されると共に切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の係合部24bによりロックされ、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクDを装填して印刷を行なうときに、操作体37を誤って操作して光ディスクDを傷付けるような不都合を招くことがない。
【0093】
図21には第6の実施形態を示してあり、この実施形態は前記第5の実施形態と同様に装置本体2の挿脱部に光ディスク検出手段としての光センサが設けられ、その光センサの信号に基づいて動作するソレノイド50により挿通口カバー24が駆動されるようになっている。そして、挿通口カバー24がソレノイド50により駆動されて装置本体2の後方側方向に移動した際に、前記第2及び第4の実施形態の場合と同様に切断手段30の操作体37の上面がその挿通口カバー24の端部で遮蔽され、この遮蔽で操作体37に対する操作が不能となるように構成されている。
【0094】
通常時には、図21(A)に示すように、ソレノイド50のプランジャ51に結合された挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置に保持されている。そして光ディスクに印刷をするときに、光ディスクを挿脱部16に挿入すると、その光ディスクが光センサにより検出され、この検出による信号に基づいて制御部による制御でソレノイド50が通電され、図21(B)に示すようにプランジャ51が挿通口カバー24と一体的に装置本体2の後方側方向に突出移動する。そして挿通口カバー24が装置本体2の後方側方向に移動することで、挿通口23が開放され、その挿通口23への光ディスクの挿入が可能となり、また挿通口カバー24の端部で操作体37の上面が遮蔽され、この遮蔽で操作体37の下方への押し込みが不能となる。すなわち、切断手段30に対する操作が不能となる。
【0095】
そして、光ディスクへの印刷が終了して、光ディスクを装置本体2の挿脱部16から取り出すと、それが光センサ55で検出され、この検出の信号に基づいて制御部による制御でソレノイド50の通電が切れ、プランジャ51が装置本体2の前方側方向に不図示のスプリングの付勢力で挿通口カバー24と一体的に移動し、この移動で挿通口カバー24が操作体37の上面から離脱し、操作体37の操作が可能な状態になるとともに、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる元の位置に復帰する。
【0096】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷をする場合には、開閉蓋5を開き、装填部6内にテープカセット70を装填し、開閉蓋5を閉じるだけであり、したがって挿脱部16の光センサは何ら動作せず、挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置にそのまま保持され、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷が行なわれる。この際、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置にあるから、切断手段30の操作体37が操作可能な状態にあり、したがって印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16に排出されて停止した際に、切断手段30の操作体37を指先でスプリング38に抗して下方に押し込み、可動刃32を回動させて印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0097】
このように、この第6の実施形態の印刷装置1においても、光ディスクに印刷をする際に、光ディスクを挿脱部に挿入すると、その動作に応じてソレノイド50に駆動されて挿通口カバー24が装置本体2の後方側に移動して挿通口23が開放されると共に切断手段30の操作体37がその挿通口カバー24の端部で遮蔽され、切断手段30の操作が不能となり、したがって装置本体2に光ディスクを装填して印刷を行なうときに、操作体37を誤って操作して光ディスクDを傷付けるような不都合を招くことがない。
【0098】
図22及び図23には第7の実施形態を示してある。この実施形態においては、前記第1ないし第4の実施形態の場合と同様に、挿通口カバー24は圧縮スプリング43により装置本体2の前方側方向に弾性的に付勢され、その付勢力で通常時には挿通口23を閉じる位置に保持されているが、この挿通口カバー24が装置本体2の後方側方向に移動しても挿通口カバー24の端部が切断手段30の操作体37と係合したり、操作体37の上面を遮蔽する関係になく、操作体37は挿通口カバー24の移動に関らず常時装置本体2の上面に露出する状態にある。そして前記挿通口カバー24は、前記第1及び第2の実施形態の場合と同様に、挿脱部16に対する光ディスクDの挿入に連動して装置本体2の後方側方向に移動するようになっている。
【0099】
操作体37は装置本体2に上下動可能に設けられていると共に、圧縮スプリング38により上方に弾性的に付勢されているが、この操作体37と可動刃32との間には、その操作体37の動作を可動刃32に伝達する伝達機構60と共にその伝達機構60を遮断することが可能な遮断手段61が設けられている。伝達機構60は操作体37と可動刃32との間に設けられた回動レバー64を備えている。この回動レバー64は上端部が支持ピン65を介して操作体37に回動自在に枢着され、この回動レバー64の下端部に係合ピン66が取り付けられ、この係合ピン66が可動刃32のアーム部32aの先端部に形成されたU字状の切欠部40内に摺動自在に嵌合され、この係合ピン66と切欠部40との嵌合により操作体37が下方に押し下げられた際に、可動刃32がピン33を中心に時計回り方向に回動して固定刃31に重なるように接触して印刷用テープ71を切断するようになっている。回動レバー64にはスプリング68が設けられ、このスプリング68により回動レバー64は時計回り方向に弾性的に付勢されている。また、可動刃32にはスプリング69が設けられ、このスプリング69により可動刃32は反時計回り方向に弾性的に付勢され、かつその反時計回り方向の回動範囲がストッパ56により規制されている。
【0100】
装置本体2内には遮断手段61を構成する押し板57が設けられている。この押し板57は、挿通口カバー24の下面に設けられた突起24aの下端部と前記回動レバー64の係合ピン66との間に位置してその突起24aの下端部と前記係合ピン66との双方に対向するように垂直に配置され、かつ装置本体2の前後方向に対して平行移動が可能な状態に保持されている。
【0101】
通常時には、図22(A)に示すように、挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置に保持されている。そして、光ディスクDを起立状態で挿脱部16から装置本体2内に挿入すると、これに連動して図22(B)に示すように挿通口カバー24がスプリング43に抗して装置本体2の後方側に向けて移動し挿通口23が開放される。また、挿通口カバー24が装置本体2の後方側に向けて移動するときに、突起24aが押し板57に当り、この押し板57が挿通口カバー24と一体的に装置本体2の後方側方向に平行移動し、この押し板57が回動レバー64の係合ピン66に当り、これに応じて回動レバー64がスプリング68に抗して反時計回り方向に回動し、係合ピン66が可動刃32の切欠部40から離脱し、操作体37の動作を可動刃32に伝達する伝達機構60が遮断される。
【0102】
したがって、装置本体2の光ディスクDを装填した状態で、図23(B)に示すように操作体37を操作者が指先で下方に押し込むように操作したときには、操作体37が下方に移動するだけで、その動作が可動刃32に伝達されず、このため光ディスクDを傷付けるようなことがない。
【0103】
そして、光ディスクDへの印刷が終了して、光ディスクDを装置本体2から取り出すと、光ディスクDが挿通口23から取り除かれることによりスプリング43の付勢力で挿通口カバー24が装置本体2の前方側に向けて移動し、この移動で回動レバー64がスプリング68の付勢力で時計回り方向に回動し、押し板57が装置本体2の前方側方向に平行移動するとともに、係合ピン66が可動刃32の切欠部40内に進入して係合し、操作体37と可動刃32との連動が可能となる。
【0104】
一方、テープカセット70を装填部6に装填して印刷用テープ71に印刷をする場合には、開閉蓋5を開き、装填部6内にテープカセット70を装填し、開閉蓋5を閉じるだけで、光ディスクDへの印刷の場合と異なり、挿通口カバー24を開く必要がなく、このため挿通口カバー24は挿通口23を閉じる位置にそのまま配置され、この状態でテープカセット70の印刷用テープ71に対する印刷が行なわれる。この際、挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置にあるから、操作体37を操作して切断手段30を動作させることが可能な状態にあり、したがって印刷用テープ71の印刷済み部分が挿脱部16に排出されて停止した際に、図23(A)に示すように操作体37を下方に押し込むように操作して、可動刃32を回動させて印刷用テープ71の印刷済み部分を切断してラベルを作製する。
【0105】
このように、この第7の実施形態の印刷装置1においても、光ディスクDを挿通口23に通して装置本体2に装填するときに、その動作で挿通口カバー24が移動して挿通口23が開放されると共に、操作体37と切断手段30との間の伝達機構60が遮断され、したがって操作体37を不用意に操作することがあっても切断手段30が動作せず、光ディスクDを傷付けるような不都合を招くことがない。
【0106】
前記第7の実施形態形態では、挿通口カバー24を光ディスクDの装填の動作に連動させるようにしたが、前記第3及び第4の実施形態の場合のように、挿通口カバー24を操作者による手動操作で移動させる構成とし、その挿通口カバー24が挿通口23を閉じる位置から開放する位置に操作者による操作で移動した際に、その動作で操作体37と切断手段30との間の伝達機構60を遮断して操作体37の動作が切断手段30に伝達されないように構成する場合であってもよい。
【0107】
また、この発明の印刷装置では、記録媒体などの剛体の媒体に対して切断手段を動作させない機能を有するものであるが、剛体の媒体としては、光ディスクなどの記録媒体に限らず、プラスチックのカードなどの場合であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図2】その印刷装置に光ディスクを装填した状態の斜視図。
【図3】その印刷装置の開閉蓋を開いた状態の斜視図。
【図4】その印刷装置の装填部の構造を示す平面図。
【図5】その印刷装置に使用されるテープカセットを示す図。
【図6】その印刷装置に使用されるリボンカセットを示す図。
【図7】その印刷装置の装填部にテープカセットを装填したときの状態を示す平面図。
【図8】その印刷装置の装填部にリボンカセットを装填したときの状態を示す平面図。
【図9】その印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図11】その印刷装置に光ディスクを装填した状態の斜視図。
【図12】その印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図14】その印刷装置の挿通口カバーを操作した状態の斜視図。
【図15】その印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図17】その印刷装置の挿通口カバーを操作した状態の斜視図。
【図18】その印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る印刷装置の全体の外観を示す斜視図。
【図20】その印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図21】本発明の第6の実施形態に係る印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図22】本発明の第7の実施形態に係る印刷装置の切断手段の周辺部分の構造を示す図。
【図23】その印刷装置の切断手段の動作時と、動作遮断時の状態とを示す図。
【符号の説明】
【0109】
1…印刷装置
2…装置本体
5…開閉蓋
6…装填部
7…プラテンローラ
8…サーマルヘッド
15…搬送路
16…挿脱部
23…挿通口
24…挿通口カバー
30…切断手段
31…固定刃
32…可動刃
32a…アーム部
33…ピン
37…操作体
37a…係合溝
38…圧縮スプリング
40…切欠部
43…圧縮スプリング
50…ソレノイド
51…プランジャ
55…光センサ
57…押し板
60…伝達機構
61…遮断手段
64…回動レバー
65…支持ピン
66…係合ピン
68…スプリング
69…スプリング
70…テープカセット
71…印刷用テープ
72…インクリボン
85…インクリボンカセット
87…インクリボン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、
操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記記録媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、
前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段が設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記操作阻止手段は、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記操作阻止手段は、前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、
前記装置本体の外部から操作可能な操作部を有し、該操作部を操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、
前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させない遮断手段を設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、
操作者が操作部を操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、
操作者の手動操作により動作する手動操作手段と、
前記手動操作手段が操作者によって操作されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させない遮断手段を設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記手動操作手段は、前記装置本体に前記剛体の媒体を装填するために設けられた開口部を開閉自在に覆い、前記剛体の媒体の装填時に操作者が開放操作するカバー部材で構成され、
前記遮断手段は、前記カバー部材が操作者によって開放操作されることに連動して操作者による前記操作部の操作を前記切断手段に伝達させないように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、
操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、
前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることを検出する検出手段と、
駆動源により駆動されて操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段と、
前記検出手段によって前記装置本体に前記剛体の媒体が装填されることが検出されたときに、前記駆動源を制御して前記操作阻止手段を動作させる制御手段とを設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記操作阻止手段は、前記駆動源により駆動されて前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成さていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記操作阻止手段は、前記駆動源により駆動されて前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項10】
装置本体に選択的に装填される、剛体の媒体と印刷媒体とに情報を印刷することが可能な印刷手段と、
前記装置本体に前記剛体の媒体を装填するため設けられた開口部を開閉自在に覆い、前記記録媒体の装填時に操作者が開放操作するカバー部材と、
操作者が操作することにより前記印刷手段によって印刷された前記印刷媒体を切断する切断手段とを備えた印刷装置であって、
前記カバー部材が操作者によって開放操作されることに連動して操作者による前記切断手段の操作を阻止する操作阻止手段を設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
前記操作阻止手段は、前記カバー部材が開放されることに連動して前記切断手段を不動作状態にロックするロック手段で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記操作阻止手段は、前記カバー部材が開放されることに連動して前記切断手段を操作する操作部を操作不能に遮蔽する遮蔽手段で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記剛体の媒体はデータを記録可能な記録媒体であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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