説明

印刷装置

【課題】本発明は温室効果ガスの排出権が付与された消耗品や交換部品を使用する際、このような製品を使用していることをユーザが常に意識できる印刷装置を提供するものである。
【解決手段】トナーカートリッジ等の消耗品や交換部品が装着された印刷装置であって、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶する記憶手段と、印刷データの印刷処理を行うと共に、該印刷データの印刷処理の際、前記記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、前記印刷データの印刷結果と共に、エコロジーマークの印刷を行う印刷制御手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガスの排出権が付与された消耗品、若しくは交換部品を使用する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、地球環境の保持が世界的に叫ばれ、地球温暖化防止会議を中心としてCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出規制が実現化に向かっている。このような状況において、印刷装置においてもCO2削減に対応する取り組みが行われ、関連する特許出願も行われている。
【0003】
例えば、特許文献1は、印刷装置を含む情報処理装置において、用紙等の資源を使用する際の目標値を設定し、現在の資源の使用状態から将来の資源の使用量を予測し、目標達成が不可能な場合には使用を中止し、目標達成のためのリポートを発行する発明を開示する。
【0004】
また、特許文献2は、一定期間画像形成装置を使用することによって消費される電力量と同じ期間画像形成装置で消費される消耗品の消費量をCO2に換算し、CO2排出量低減のための推奨モードを提言し、CO2排出の改善予測を行う発明を開示する。
一方、各企業は環境保護推進を目的としたトナーカートリッジ等の消耗品や交換部品の販売を行い、温室効果ガス削減に関するユーザの意識の高まりを期待している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−249563号公報
【特許文献2】特開2002−006696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザにとって、環境保護推進を目的としたトナーカートリッジ等の消耗品や交換部品は、購入時においてはエコロジー製品であることを意識しているが、以後の使用中、エコロジー製品の使用の認識が薄れることが常である。環境保護の推進のためには、印刷装置を使用して作業を行うユーザ一人一人が、常時温室効果ガス削減の意識を持つことが重要である。
【0007】
そこで、本発明は温室効果ガスの排出権が付与された消耗品や交換部品を使用する際、このような製品を使用していることをユーザが常に意識できる印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は第1の発明によれば、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶する記憶手段と、印刷データの印刷処理を行うと共に、該印刷データの印刷処理の際、前記記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、前記印刷データの印刷結果と共に、エコロジーマークの印刷を行う印刷制御手段とを有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0009】
また、上記課題は第2の発明によれば、前記印刷制御手段は、前記エコロジーマークの印刷に代えて、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品の装着を報知するエコロジー報知文字列の印刷制御を行う印刷装置を提供することによって達成できる。
【0010】
また、上記課題は第3の発明によれば、エコロジー印刷の情報を記憶する第1の記憶手段と、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶するエコロジー印刷を行う際、第1のエコロジーマークの印刷を行うと共に、前記第2の記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、更に第2のエコロジーマークの印刷を行う印刷制御手段とを有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0011】
また、上記課題は第4の発明によれば、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶手段に記憶する記憶処理と、印刷データの印刷処理を行うと共に、該印刷データの印刷処理の際、前記記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、前記印刷データの印刷結果と共に、エコロジーマークの印刷を行う印刷制御処理とを行う印刷制御方法を提供することによって達成できる。
【0012】
また、上記課題は第5の発明によれば、エコロジー印刷の情報を第1の記憶手段に記憶する第1の処理と、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を第2の記憶手段に記憶する第2の処理と、前記第1の記憶手段に記憶するエコロジー印刷を行う際、第1のエコロジーマークの印刷を行うと共に、前記第2の記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、更に第2のエコロジーマークの印刷を行う印刷制御処理とを行う印刷制御方法を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プリンタ装置等の印刷装置を使用する際、エコロジーマーク又はエコロジー報知文字列の印刷によって、消耗品又は交換部品の装着によるCO2等の温室効果ガスの排出量削減に関する環境保護の意識を想起させ、環境保護の推進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。
【図2】エコレベル印刷情報部のデータ構成を示す図である。
【図3】カートリッジ識別情報部のデータ構成を示す図である。
【図4】実施形態1の処理動作を説明するフローチャートであり、データ描画部の処理を説明するフローチャートである。
【図5】実施形態1の処理動作を説明するフローチャートであり、エコレベル印刷制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図6】実施形態2の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。
【図7】実施形態2の処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】実施形態3の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。
【図9】付加文字列記憶部に登録された付加文字列の一例を示す図である。
【図10】実施形態3の処理動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。同図において、プリンタ装置1はホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)に接続されている。プリンタ装置1は、印刷データ受信/解析部2、データ描画部3、データ転送部4、エコレベル印刷制御部5、エコレベル印刷情報部6、画像メモリ7、カートリッジ識別情報部8、カートリッジ識別部9、及びプリンタエンジン10で構成されている。
【0016】
プリンタ装置1は、印刷データ受信/解析部2に供給されるパーソナルコンピュータ(PC)からの印刷データを受信し、コマンド解析を行って描画データに変換する。データ描画部3は、印刷データ受信/解析部2によって解析された描画データを画像メモリ7に展開する。データ転送部4はデータ描画部3の指示に従って画像メモリ7に展開された描画データをプリンタエンジン10に送信し、プリンタエンジン10を駆動して用紙(記録媒体)への印字処理を行う。
【0017】
エコレベル印刷制御部5は、印刷を行うドキュメントのエコロジーに対する貢献度を表す印刷制御を行い、エコレベル印刷情報部6に登録された情報に基づいてエコレベル印刷の指示及び制御を行う。
【0018】
図2は、エコレベル印刷情報部6のデータ構成を示す図である。同図に示すように、エコレベル印刷情報部6には、「両面印刷」、「マルチページ」、「トナーセーブ」の各エコロジー印刷に関する項目と共に、各エコロジー項目のなし/ありの情報が記憶されている。エコレベル印刷制御部5は上記エコレベル印刷情報部6に登録された情報に基づいて、エコレベル印刷を行う。尚、「両面印刷」はプリンタエンジン10によって用紙(記録媒体)の表面及び裏面に印字を行い用紙の消費を減らす処理であり、「マルチページ」は1枚の用紙に2頁分、4頁分、・・を縮小印刷し、トナー消費や用紙の消費を抑える処理であり、「トナーセーブ」は現像器等への印加電圧を制御してトナー消費や電力消費を抑える処理である。
【0019】
また、図3はカートリッジ識別情報部8のデータ構成を示し、カートリッジ識別情報部8には「カーボンオフセットカートリッジ」、又は「非カーボンオフセットカートリッジ」の情報が登録されている。また、カートリッジ識別情報部8はカートリッジ識別部9から上記情報を取得する。
【0020】
尚、カートリッジ識別部9はプリンタエンジン10に装着されたトナーカートリッジからの情報によって上記識別情報を取得する。
【0021】
次に、本例の処理動作を説明する。
図4及び図5は、本例の処理動作を説明するフローチャートであり、図4はデータ描画部3の処理を示し、図5はエコレベル印刷制御部5の処理を示す。
【0022】
先ず、図4に示すフローチャートにおいて、印刷装置1の印刷データ受信/解析部2は前述のように、パーソナルコンピュータ(PC)から供給された印刷データを受信し、印刷データの解析処理を行い、印刷データ受信/解析部2による印刷データの受け渡しが有るか判断する(ステップ(以下、Sで示す)1)。この印刷データ受信/解析部2による印刷データの受け渡しは、印刷データ受信/解析部2による印刷データの解析処理が一定量終了したタイミングで実行される。
【0023】
ここで、印刷データ受信/解析部2からの印刷データの受け渡しがあると(S1がYES)、データ描画部3は描画処理を行う(S2)。この描画処理は、印刷データ受信/解析部2から転送されたデータを画像メモリ7に展開する処理である。この処理が、例えば1ページ分完了すると(S3がYES)、エコレベル印刷情報部6にエコレベル印刷の実行を通知する(S4)。
【0024】
エコレベル印刷制御部5はデータ描画部3からエコレベル印刷実行の通知があると(S5(図5に示すフローチャート)がYES)、カートリッジ識別情報部8を参照する(S6)。このとき、カートリッジ識別情報部8にはカートリッジ識別部9によってプリンタエンジン10に装着されたトナーカートリッジの識別情報が入力しており、カートリッジ識別情報に「カーボンオフセットカートリッジ」が登録されていれば(S7がYES)、エコレベル印刷情報部6の情報に従ってエコレベル印刷を実行し(S8)、データ描画部3にエコレベル印刷完了を通知する(S9)。
【0025】
ここで、エコレベル印刷情報部6には前述のように、「両面印刷」、「マルチページ」、「トナーセーブ」の各エコロジー項目と共に、それぞれのエコロジー印刷を行うか否か(なし/あり)の情報が記憶されており、上記エコレベル印刷情報部6に登録された情報に従ってエコレベル印刷制御部5は画像メモリ7に描画処理を行う。
【0026】
尚、カートリッジ識別情報部8に「非カーボンオフセットカートリッジ」の登録が行われている場合(S7がNO)、直ちに判断処理の終了を通知する(S9)。
【0027】
一方、データ描画部3ではエコレベル印刷制御部5から上記エコレベル印刷終了の通知を受信すると(S10がYES)、データ描画部3に印刷開始の指示を行い(S11)、データ転送部4によって画像メモリ7に展開された描画データをプリンタエンジン10に転送する。このようにしてプリンタエンジン10に転送されたデータは、プリンタエンジン10の駆動によって用紙(記録媒体)に印字され、印刷装置1の排紙トレイに排出される。
【0028】
その後、印刷データ受信/解析部2から受け渡されたデータの全てに対して描画処理が完了したか判断し(S12)、受け渡された全てのデータに対して描画処理が完了するまで上記処理を繰り返す(S1〜S12)。
【0029】
以上のように処理することによって、プリンタエンジン10では画像メモリ7に展開された描画データに基づいて印刷出力を行い、CO2排出権付きのトナーカートリッジが装着されていることに基づくエコロジーマークの印刷が行われる。尚、エコロジーマークの印刷は、例えば印刷物の欄外(余白領域)に印刷する。
したがって、ユーザは印刷結果を見ることによって、エコロジーマークを認識し、CO2排出量の削減に関する環境保護の意識を想起させ、環境保護の推進を図ることができる。
【0030】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図6は、本実施形態の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。同図において、プリンタ装置1はホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)に接続されている。本例のプリンタ装置についても、基本的な構成は前述の図1と同様であり、印刷データ受信/解析部2、データ描画部3、データ転送部4、エコレベル印刷制御部5、エコレベル印刷情報部6、画像メモリ7、カートリッジ識別情報部8、カートリッジ識別部9、及びプリンタエンジン10で構成されている。
【0031】
本例のプリンタ装置1は、エコレベル印刷制御部5に記憶されたエコロジー項目に関する情報に基づいてエコロジーマークを印刷し、更にCO2排出権付きのトナーカートリッジが使用されている場合にはエコロジーマークを追加して印刷する構成である。
【0032】
次に、本例の処理動作を説明する。
本例においても、先ず図4のフローチャートで説明した処理が実行され、印刷データ受信/解析部2は前述のように、パーソナルコンピュータ(PC)から供給された印刷データを受信し、印刷データの解析処理を行い、データ描画部3によって画像メモリ7への描画処理が行われる。そして、例えば1ページ分の描画処理が完了すると(S3がYES)、エコレベル印刷情報部6にエコレベル印刷の実行を通知する(S4)。
【0033】
一方、エコレベル印刷制御部5では図7に示すフローチャートに従って処理を行い、先ずデータ描画部3からエコレベル印刷実行の通知があると(ステップ(以下、STで示す)1がYES)、初期値としてポイント0を設定する(ST2)。尚、このポイントの設定は、例えばエコレベル印刷制御部5に内蔵するカウンタ5aに設定する。
【0034】
次に、エコレベル印刷制御部5はエコレベル印刷情報部6に登録された「両面印刷」のエコロジー項目が「あり」に設定されているか判断する(ST3)。ここで、エコレベル印刷情報部6に登録された「両面印刷」のエコロジー項目が「あり」に設定されていれば(ST3がYES)、ポイント1を加算する(ST4)。具体的には、上記カウンタ5aのカウント値を“1”に設定する。尚、エコレベル印刷情報部6に登録された「両面印刷」のエコロジー項目が「なし」に設定されていれば(ST3がNO)、ポイントを加算することなく次の処理に移る。
【0035】
次に、エコレベル印刷制御部5はエコレベル印刷情報部6に登録された「マルチページ」のエコロジー項目が「あり」に設定されているか判断する(ST5)。ここで、「マルチページ」のエコロジー項目が「あり」に設定されていれば(ST3がYES)、更にポイント1を加算する(ST6)。具体的には、上記カウンタ5aのカウント値を+1する。また、エコレベル印刷情報部6に登録された「マルチページ」のエコロジー項目が「なし」に設定されていれば(ST5がNO)、ポイントを加算することなく次の処理に移る。
【0036】
同様にして、次にエコレベル印刷制御部5はエコレベル印刷情報部6に登録された「トナーセーブ」のエコロジー項目が「あり」に設定されているか判断する(ST7)。ここで、「トナーセーブ」のエコロジー項目が「あり」に設定されていれば(ST7がYES)、更にポイント1を加算する(ST8)。具体的には、上記カウンタ5aのカウント値を+1する。また、エコレベル印刷情報部6に登録された「トナーセーブ」のエコロジー項目が「なし」に設定されていれば(ST7がNO)、ポイントを加算することなく次の処理に移る。
【0037】
次に、エコレベル印刷制御部5はカートリッジ識別情報部8を参照し(ST9)、CO2排出権付きトナーカートリッジが装着されているか判断する。この判断は、前述の実施形態1において説明したように、プリンタエンジン10に装着されたトナーカートリッジの情報をカートリッジ識別部9が読み取ることによってカートリッジ識別部9に登録された情報であり、前述の「カーボンオフセットカートリッジ」の登録がされている場合(ST10がYES)、ポイント1を加算する(ST11)。具体的には、上記カウンタ5aのカウント値を+1する。一方、「非カーボンオフセットカートリッジ」の登録がされている場合(ST10がNO)、ポイントを加算することなく次の処理に移る。
【0038】
以上の処理によって、カウンタ5aにはエコロジー項目の印刷処理が増加する毎にポイントが加算され、CO2排出権付きトナーカートリッジが装着されている場合、更にポイントが加算される。
【0039】
次に、エコレベル印刷情報部6はカウンタ5aに計数されたカウント値が“1”以上であるか判断する(ST12)。そして、カウンタ5aに計数されたカウント値が“1”以上である場合(ST12がYES)、ポイント数に従ってエコロジーマークを画像メモリ7に描画し(ST13)、データ描画部3にエコレベル印刷の終了を通知する(ST14)。
【0040】
一方、データ描画部3ではエコレベル印刷制御部5から上記エコレベル印刷終了の通知を受信すると、前述の図4に示すフローチャートに従ってデータ描画部3に印刷開始の指示を行い、データ転送部4によって画像メモリ7に展開された描画データをプリンタエンジン10に転送する。このようにしてプリンタエンジン10に転送されたデータは、プリンタエンジン10の駆動によって用紙(記録媒体)に印字され、印刷装置1の排紙トレイに排出される。
【0041】
その後、印刷データ受信/解析部2から受け渡されたデータの全てに対して描画処理が完了したか判断し、受け渡された全てのデータに対して描画処理が完了するまで上記処理を繰り返す。
【0042】
以上のように処理することによって、印刷出力には「両面印刷」、「マルチページ」、「トナーセーブ」の各エコロジー印刷の処理数、及びCO2排出権付きのトナーカートリッジの装着の有無に従った数のエコロジーマークの印刷を行うことができる。尚、エコロジーマークの印刷は、例えば印刷物の欄外(余白領域)に印刷する。
【0043】
したがって、ユーザは印刷結果を見ることによって、エコロジーマークを認識し、CO2排出量の削減に貢献しているレベルをエコロジーマークの数によって認識することができる。
【0044】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図8は、本実施形態の印刷装置としてのプリンタ装置のシステム構成図である。同図において、プリンタ装置1はホスト機器であるパーソナルコンピュータ(PC)に接続されており、基本的な構成は前述の図1及び図6と同様である。但し、本例のプリンタ装置11は、印刷データ受信/解析部2、データ描画部3、データ転送部4、エコレベル印刷制御部5、画像メモリ7、カートリッジ識別情報部8、カートリッジ識別部9、プリンタエンジン10、及び付加文字列記憶部12で構成され、前述のエコレベル印刷情報部6に代えて付加文字列記憶部12が配設されている。
【0045】
図9は上記付加文字列記憶部12に登録された付加文字列の一例である。付加文字列記憶部12に登録される文字列は、印刷出力されることによってCO2排出権付きトナーカートリッジが装着され、CO2排出量の削減に関する認識を想起する内容である。尚、本例では“カーボンオフセットカートリッジ使用”の文字列が登録されている。
【0046】
本例のプリンタ装置1は、CO2排出権付きトナーカートリッジが装置に装着されていた場合、付加文字列記憶部12に登録された付加文字列の情報を印刷出力する構成である。以下、本例の処理動作を説明する。
【0047】
本例においても、先ず図4のフローチャートで説明した処理が実行され、印刷データ受信/解析部2は前述のように、パーソナルコンピュータ(PC)から供給された印刷データを受信し、印刷データの解析処理を行い、データ描画部3によって画像メモリ7への描画処理が行われる。そして、例えば1ページ分の描画処理が完了すると(S3がYES)、エコレベル印刷情報部6にエコレベル印刷の実行を通知する(S4)。
【0048】
エコレベル印刷制御部5では、図10に示すフローチャートに従って処理を行い、上記データ描画部3からエコレベル印刷実行の通知があると(ステップ(以下、STPで示す)1がYES)、カートリッジ識別情報部8を参照する(STP2)。本例においても、カートリッジ識別情報部8にはカートリッジ識別部9によってプリンタエンジン10に装着されたトナーカートリッジの識別情報が入力しており、カートリッジ識別情報に「カーボンオフセットカートリッジ」が登録されていれば(STP3がYES)、付加文字列記憶部12の文字列の情報を画像メモリ7に描画する(STP4)。そして、エコレベル印刷制御部5からデータ描画部3にエコレベル印刷完了を通知する(STP5)。
【0049】
尚、カートリッジ識別情報部8に「非カーボンオフセットカートリッジ」の登録が行われている場合には、直ちにデータ描画部3に対して判断処理の終了を通知する(STP4がNO、STP5)。
【0050】
データ描画部3ではエコレベル印刷制御部5から上記エコレベル印刷終了の通知を受信すると、前述の図4に示すフローチャートに従ってデータ描画部3に印刷開始の指示を行い、データ転送部4によって画像メモリ7に展開された描画データをプリンタエンジン10に転送する。このようにしてプリンタエンジン10に転送されたデータは、プリンタエンジン10の駆動によって用紙(記録媒体)に印字され、印刷装置1の排紙トレイに排出される。
【0051】
その後、印刷データ受信/解析部2から受け渡されたデータの全てに対して描画処理が完了したか判断し、受け渡された全てのデータに対して描画処理が完了するまで上記処理を繰り返す。
【0052】
以上のように処理することによって、プリンタエンジン10では画像メモリ7に展開された描画データに基づいて印刷出力を行い、CO2排出権付きのトナーカートリッジが装着されている場合、前述の“カーボンオフセットカートリッジ使用”の文字列が印刷される。尚、上記文字列の印刷は、例えば印刷物の欄外(余白領域)に印刷する。
【0053】
したがって、ユーザは上記印刷結果を読むことによって、プリンタ装置11に装着されたトナーカートリッジがCO2排出権付きであることを報知し、CO2排出量の削減に関する環境保護に懇献していることを認識させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・プリンタ装置
2・・・印刷データ受信/解析部
3・・・データ描画部
4・・・データ転送部
5・・・エコレベル印刷制御部
6・・・エコレベル印刷情報部
7・・・画像メモリ
8・・・カートリッジ識別情報部
9・・・カートリッジ識別部
10・・プリンタエンジン
11・・プリンタ装置
12・・付加文字列記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶する記憶手段と、
印刷データの印刷処理を行うと共に、該印刷データの印刷処理の際、前記記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、前記印刷データの印刷結果と共に、エコロジーマークの印刷を行う印刷制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷制御手段は、前記エコロジーマークの印刷に代えて、CO2排出権付きの消耗品又は交換部品の装着を報知するエコロジー報知文字列の印刷制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
エコロジー印刷の情報を記憶する第1の記憶手段と、
CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶するエコロジー印刷を行う際、第1のエコロジーマークの印刷を行うと共に、前記第2の記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、更に第2のエコロジーマークの印刷を行う印刷制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を記憶手段に記憶する記憶処理と、
印刷データの印刷処理を行うと共に、該印刷データの印刷処理の際、前記記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、前記印刷データの印刷結果と共に、エコロジーマークの印刷を行う印刷制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項5】
エコロジー印刷の情報を第1の記憶手段に記憶する第1の処理と、
CO2排出権付きの消耗品又は交換部品が装着されたことを検出し、該装着情報を第2の記憶手段に記憶する第2の処理と、
前記第1の記憶手段に記憶するエコロジー印刷を行う際、第1のエコロジーマークの印刷を行うと共に、前記第2の記憶手段に前記消耗品又は交換部品の装着情報が記憶されているとき、更に第2のエコロジーマークの印刷を行う印刷制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−25427(P2011−25427A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170820(P2009−170820)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】