説明

印刷装置

【課題】画質調整や紙詰まりなどの要因で印刷が一時停止した場合でもその影響を受けることなく、精度よく印刷速度を測定できるようにする。
【解決手段】印刷速度計測部5は、印刷データの受信開始から印刷データを印刷した記録媒体の排出までの時間に基づいて印刷データの印刷時間を計測し、その印刷時間と記録媒体の印刷枚数とにより単位時間あたりの記録媒体の印刷枚数で示される印刷速度を計算する。プリンタエンジン7は、印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷が一時的に停止し、再度印刷を再開する際、印刷すべき印刷データとは別に予め用意した印刷データを少なくとも1頁分だけ印刷し、その後印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷を再開する。このとき印刷速度計測部5は、印刷が一時停止する直前の印刷頁の排出から上記の別に用意した少なくとも1頁分の印刷データによる印刷頁の排出までの時間を除いて、印刷時間を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、より詳細には、課金処理等に対応するために印刷速度を自動計測する手段を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタなど画像データを記録紙等の媒体に印刷する印刷装置において、ユーザが実際に印刷装置を使用した実時間や印刷量に応じてユーザに対する課金処理を行うようにしたサービスが提供されている。このような印刷装置では、例えば、印刷処理を開始してから印刷を終了するまでの実印刷時間を自動計測し、計測した実印刷時間と印刷枚数とに基づいて印刷速度(単位時間当たりの印刷枚数)を計算し、その印刷速度に対応して課金処理を行うことができるようにしたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、印刷ジョブに基づく印刷処理の開始から印刷処理の終了までに要する実印刷時間に基づき実印刷速度を計測する実印刷速度計測手段を有し、この実印刷速度に基づき課金処理を行うようにした画像形成装置が開示されている。この実印刷速度計測手段は、印刷処理が一時停止した場合にはその時間を除外して実印刷時間を求めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−241412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の印刷装置では、実印刷時間を計測して課金処理を行う場合、印刷データの受信待ちの時間や紙詰まりなどにより印刷が一時停止した時間を計測時間から差し引いて実印刷時間としていた。しかしながら、そのような手法では、一時停止後の印刷再開時に印刷速度が低下することを考慮していないため、最高パフォーマンスにおける実印刷時間を計測することができなかった。従って計測された時間に基づいて印刷速度を計算して課金処理を行うと、印刷パフォーマンスの変動を考慮することができず、ユーザにとって不利益が生じることがある。つまり、従来では、実印刷時間を計測する際に一時停止後の印刷パフォーマンスの変化に適切に対応することができない、という課題があった。
【0006】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、画質調整や紙詰まりなどの要因で印刷が一時停止した場合でも、その影響を受けることなく精度よく印刷速度を計算できるようにした印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、印刷ジョブを受信し、該受信した印刷ジョブに含まれる印刷データを記録媒体に印刷する画像形成部を有する印刷装置において、前記印刷データの受信開始から前記印刷データを印刷した記録媒体の排出までの時間に基づいて印刷データの印刷時間を計測し、該計測した印刷時間と該印刷時間に印刷した記録媒体の印刷枚数とにより単位時間あたりの記録媒体の印刷枚数で示される印刷速度を得る印刷速度計測部を有し、前記画像形成部は、印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷が一時的に停止し、再度印刷を再開する際、印刷すべき印刷データとは別に予め用意した印刷データを少なくとも1頁分だけ印刷し、該少なくとも1頁分を印刷した後、前記印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷を再開し、該印刷速度計測部は、前記印刷が一時停止する直前の印刷頁の排出から前記別に用意した1頁分の印刷データによる印刷頁の排出までの時間を除いて、前記印刷時間を計測することを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記印刷速度計測部が、前記印刷ジョブにおける印刷データを作成したアプリケーション名、印刷ジョブ名、印刷頁数、印刷ジョブID、該印刷ジョブの受信開始時刻、印刷データの各頁の排紙時刻のいずれかまたは複数をネットワークを通じて外部機器へ送信することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記印刷速度計測部による前記印刷速度の計算結果に基づいて、複数の印刷データについて測定した印刷速度を一覧にした印刷速度結果データを生成する印刷速度結果データ生成部と、該印刷速度結果データ生成部で生成した印刷速度結果データの記録媒体への印刷、電子メールによる送信、所定のサーバへのアップロードのいずれかまたは複数を行う手段と、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画質調整や紙詰まりなどの要因で印刷が一時停止した場合でもその影響を受けることなく、精度よく印刷速度を計測できるようにした印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による印刷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】印刷装置の印刷速度計測部が印刷速度を計測するときの処理例を説明する図である。
【図3】本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】印刷処理中に印刷が一時停止したときの印刷速度を計測するときの処理例を示す図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の印刷速度計測部が印刷速度を計測するときの処理例を説明する図である、
【図6】本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の更に他の例を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の更に他の例を説明するためのフローチャートである。
【図9】印刷速度結果データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明による印刷装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。印刷装置1は、ネットワーク11に接続され、例えばPC(Personal Computer)12などの情報処理装置から指示された印刷ジョブを受信して、記録紙などの記録媒体に印刷(画像形成)が可能となっている。
印刷装置1は、タッチパネルやキーなどのユーザインタフェース2と、装置の各要素を制御する制御部3と、ネットワーク11とのインタフェースを構成するネットワークIF(インタフェース)4と、印刷速度を自動計測する印刷速度計測部5と、印刷速度計測部5の計測結果に基づいて印刷速度結果データを生成する印刷速度結果データ生成部6とを有している。
【0013】
さらに印刷装置1は、PC12等の外部機器との通信を制御する通信部9と、画像データやプログラムなどを記憶する記憶部8と、印刷データの印刷を行うプリンタエンジン7と、PC12等から指示された印刷ジョブに従ってプリンタエンジン7で印刷を行うための印刷画像データを生成する印刷画像データ生成部10とを有している。
例えば、PC12等のアプリケーションにより作成された印刷データは、PC12等のプリンタドライバによってページ記述言語で記述されたデータ(PDLデータ)に変換され、印刷ジョブとして印刷装置1に送信される。
【0014】
印刷装置1の印刷画像データ生成部10は、受信したPDLデータに含まれるコマンドを解析して、描画オブジェクト及びその属性を示す情報を含む中間データを生成し、生成した中間データをレンダリングすることによって印刷画像データであるラスタイメージデータを生成する。プリンタエンジン7では、生成されたラスタイメージデータに基いて、記録用紙等の記録媒体に印刷を行う。プリンタエンジン7は、本発明の画像形成部に相当する。
【0015】
また、印刷画像データ生成部10は、印刷データの受信待ちや紙詰まり等の所定の要因によってプリンタエンジン7による印刷処理が一時停止し、その後の停止すべき要因が解決して印刷を再開する場合、印刷ジョブの印刷データとは別に予め記憶部8に記憶させて用意した少なくとも1頁分の画像データを用いて、追加の印刷データを生成する。プリンタエンジン7は、印刷の一時停止後の再開時に追加の印刷データを印刷し、その後印刷ジョブの印刷データの印刷を再開する。従って追加の印刷データは、印刷すべき印刷ジョブに含まれない別の印刷データである。
【0016】
印刷速度計測部5は、プリンタエンジン7が印刷を行う際に印刷速度を自動計測する。印刷速度は、単位時間当たりの印刷頁数で表すことができる。そして印刷速度の計測においては、印刷データの受信待ちや紙詰まり等の要因により印刷処理が一時停止した後、印刷を再開する場合、印刷が一時停止する直前の印刷頁の排出から、上記の予め別に用意した少なくとも1頁分の印刷データによる印刷頁の排出までの時間を除いて印刷時間を計測する。再開後の印刷は、印刷速度が低下するため、印刷時間として計測してしまうことは適当ではないためである。この場合、印刷速度の低下が1頁を印刷する間に回復する場合には、上記の予め別に用意した印刷データを1頁分の印刷データとすればよい。また、印刷装置の性能等の要因により、1頁を印刷するまでに印刷速度が回復しない場合、例えば印刷速度の回復に2頁分の印刷時間を要する場合には、上記の予め別に用意した印刷データを2頁分の印刷データとする。つまり、予め別に用意する印刷データの頁数は、印刷装置における印刷速度の低下の回復時間に応じて決められるもので、少なくとも1頁分の印刷データを用意する。
【0017】
また、印刷速度計測部5は、印刷ジョブの印刷データの受信から1頁目の印刷頁の排出までの時間は計測時間から除くようにする。1頁目の排出までには、印刷データを受信してから印刷データを生成するまでの処理時間が含まれるため、実印刷時間として計測することは適切ではない。そして印刷速度計測部5は、計測した印刷時間と、その印刷時間に対応する印刷頁数とに基づいて、印刷速度(単位時間当たりの印刷枚数)を自動計算する。
【0018】
印刷速度結果データ生成部6は、印刷速度計測部5の計測結果に基づいて、複数の印刷データについて測定した印刷速度を一覧にした印刷速度結果データを生成する。
また、印刷装置は、受信した印刷ジョブにおける印刷データを作成したアプリケーション名、印刷ジョブ名、印刷頁数、印刷ジョブID、印刷ジョブの受信開始時刻、印刷データの各頁の排紙時刻のいずれかまたは複数をネットワークを通じて外部機器へ送信する手段を有する。さらに印刷装置は、印刷速度結果データ生成部6で生成した印刷速度結果データを記録媒体へ印刷し、もしくは電子メールにより送信し、所定のサーバへのアップロードする手段を有する。これらの処理は、いずれかまたは複数を実行することができる。
上記の各手段は、制御部3、印刷速度計測部5、通信部9、ネットワークIF4によって実現される。
【0019】
図2は、印刷装置の印刷速度計測部が印刷速度を計測するときの処理例を説明する図で、印刷処理が一時停止しない場合の通常の印刷速度の計測処理を示すものである。
ここでは印刷装置1にて、1枚目からN枚目までの記録媒体に順に印刷データの印刷が行われたものとする。記録媒体には記録紙が使用され、印刷処理により印刷頁が順に排紙されるものとする。この排紙は印刷された記録媒体の排出に相当する。
【0020】
印刷装置1が印刷データを受信してから1枚目の印刷頁が排紙されるまでにa秒かかり、印刷装置1で印刷データを受信してからN枚目の印刷頁が排紙されるまでb秒かかったものとする。この場合、1枚の印刷に必要な時間p(秒)は、
p=(b−a)/(N−1)となる。
ここでは、印刷ジョブの印刷データの受信から1頁目の印刷頁の排紙までの時間aは計測時間から除く。1頁目の排出までには、印刷データを受信してから印刷データを生成するまでの処理時間が含まれるため、実印刷時間にとして計測すると誤差が生じて適切ではないためである。
【0021】
従って、単位時間あたりの印刷頁数を示す印刷速度S(頁/分)は、
S =60/p
=60×(N−1)/(b−a)
として表すことができる。
【0022】
図3は、本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の一例を説明するためのフローチャートで、上記図2に示す一時停止がないときの処理例を示すものである。
まず、印刷装置1で印刷すべき印刷データを受信すると(ステップS101)、印刷速度計測部5では時間計測を開始する(ステップS102)。印刷した頁が排紙されると(ステップS103)、印刷データの受信から排紙までの時間を記録する(ステップS104)。次に印刷データの全頁の排紙が完了しているか否かを判別し(ステップS105)、完了していなければステップS103に戻り、次の頁を印刷する。また、全頁の排紙が完了していれば、印刷時間に基づく印刷速度を計算する(ステップS106)。印刷速度計測部5は、印刷データの受信開始から印刷データを印刷した記録媒体の排出までの時間に基づいて印刷時間を計測するが、本例の場合、印刷データの受信から最終頁の排紙までの時間から、1頁目の排紙までの時間を除いた印刷時間を計測する。そして計測した印刷時間と、その印刷時間に相当する印刷頁数とから印刷速度を計算する。
【0023】
図4は、印刷処理中に印刷が一時停止したときの印刷速度を計測するときの処理例を示す図で、印刷を再開するときに印刷速度が低下した部分も計測時間に含めるようにした比較例を示すものである。
印刷装置1では、1枚目からN枚目までの記録紙に順に画像データの印刷を行う際に、M−1枚目の印刷が終了して排紙されたときに印刷データの受信待ちや紙詰まりなどの要因で印刷が停止し、その後印刷が再開されてM枚目からN枚目までの印刷頁が排紙されたものとする。
ここでは印刷装置1が印刷データを受信してから1枚目の印刷頁が排紙されるまでにa秒かかり、印刷装置1で印刷データを受信してからM−1枚目の印刷頁が排紙されるまでb秒かかり、印刷停止が解除されてからN枚目の印刷頁が排紙されるまでc秒かかったものとする。
【0024】
この場合、1枚の印刷に必要な時間p(秒)は、
p=(b+c−a)/(N−1)となる。従って、
印刷速度S(頁/分) = 60/p
=60×(N−1)/(b+c−a)
として表すことができる。
この比較例では、印刷停止から印刷再開された後の最初の頁(M枚目)の印刷は、印刷速度が低下し、最高パフォーマンスの能力が発揮されない。また、印刷装置の性能によっては、印刷再開後の2頁以上の時間において印刷速度が低下する。ここでM枚目で印刷速度が低下するものとすると、計測時間c秒のなかに印刷速度が低下したM枚目の印刷時間も含まれていることから、課金処理等の根拠とするためにはユーザに不利益が生じて不適切なものとなる。
【0025】
図5は、本発明に係る画像形成装置の印刷速度計測部が印刷速度を計測するときの処理例を説明する図で、印刷処理中に印刷が一時停止した場合に新規頁を追加して印刷速度を計算する処理例を示すものである。
印刷装置1にて、1枚目からN枚目までの記録紙に順に画像データの印刷を行うときに、M−1枚目の印刷が終了して排紙されたときに印刷データの受信待ちや紙詰まりなどの要因で印刷が一時停止し、その後印刷が再開されてM枚目からN枚目まで排紙されたものとする。この場合、印刷の再開時には、M頁目を印刷する間に、予め別に用意した1頁分の印刷データを新規追加頁として印刷する。印刷再開後の最初の印刷頁は、印刷速度が低下するため、この頁の印刷時間を印刷時間として計測しないようにするためである。また、印刷速度の低下が回復するのに2頁以上の印刷時間が必要な場合には、印刷時間を計測しない2頁以上の印刷データを用意する。以下では印刷速度の低下が1頁以内であり、予め1頁分の印刷データを用意したものとする。
【0026】
ここで印刷装置1が印刷データを受信してから1枚目の印刷頁が排紙されるまでにa秒かかり、印刷装置1で印刷データを受信してからM−1枚目の印刷頁が排紙されるまで b秒かかり、印刷停止した後新規の追加頁を印刷し、追加頁が排紙された後N枚目の印刷頁が排紙されるまでc秒かかったものとする。
【0027】
この場合、1枚の印刷に必要な時間p(秒)は、
p=(b+c−a)/(N−1)となる。従って、
印刷速度S(頁/分) =60/p
=60×(N―1)(b+c−a)
として表すことができる。
【0028】
図6は、本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の一例を説明するためのフローチャートで、上記図5に示す一時停止があったときの処理例を示すものである。
まず、印刷装置が印刷すべき印刷データを受信すると(ステップS201)、印刷速度計測部5では時間計測を開始する(ステップS202)。そして印刷した頁が排紙されると(ステップS203)、印刷データの受信から排紙までの時間を記録する(ステップS204)。ここで紙詰まりなどによって印刷が停止したか否かを判別する(ステップS205)。印刷停止していなければ、印刷データの全頁の排紙が完了しているか否かを判別し(ステップS206)、完了していなければステップS203に戻り、次の頁を印刷する。また、全頁の排紙が完了していれば、1頁の排紙までの時間と、最終頁の排紙までの時間および印刷頁数から印刷速度を計算する(ステップS207)。
【0029】
上記ステップS205で印刷が停止した場合、時間計測を停止する(ステップS208)。時間計測の停止のタイミングは、印刷が停止する直前の印刷頁の排出時点とする。そして印刷が再開されると(ステップS209)、新規頁を追加して印刷する(ステップS209)。そして追加した新規頁が排紙されると(ステップS211)、時間計測を再開し(ステップS212)、ステップS203に戻り、再開後の印刷頁を排紙させる。時間計測の再開のタイミングは、新規の印刷頁が排出されたタイミングとする。この処理により、印刷が一時停止する直前の印刷頁の排出から、別に用意した少なくとも1頁分の新規の印刷データによる印刷頁の排出までの時間を除いて、印刷時間を計測することができる。これにより、印刷速度が低下した印刷再開後の印刷処理の影響を受けることなく、同じ条件で印刷時間を計測することができるようになる。
【0030】
また、上記のような処理を行うことにより、毎回同じ条件で印刷時間を計測できるので、ソフトウェアやハードウェアの変更を行なった場合でも、変更後のスペック通りの速度が得られているかどうかを精度よく確認することができる。また、時間計測に人間が介在しないので、誤差やヒューマンエラーを除外することができる。この他、カタログスペックに記載するための印刷速度を正確に測定することができる等の効果が得られる。
【0031】
図7は、本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の更に他の例を説明するためのフローチャートで、印刷頁の排紙時にジョブ名やアプリケーション名などの情報を外部機器に送信するときの処理の一例を示すものである。
まず、印刷装置が印刷すべき印刷データを受信すると(ステップS301)、印刷速度計測部5では時間計測を開始する(ステップS302)。そして印刷した頁が排紙されると(ステップS303)、印刷データの受信から排紙までの時間を記録する(ステップS304)。そして、その印刷ジョブのジョブ名、アプリケーション名、ジョブID、頁番号、排紙時刻などの情報を外部送信する(ステップS305)。ここでは、印刷装置は、所定の外部機器に対してネットワークを介して上記の情報を送信する処理を行う。
【0032】
そして、紙詰まりなどによって印刷が停止したか否かを判別する(ステップS306)。印刷停止していなければ、印刷データの全頁の排紙が完了しているか否かを判別し(ステップS307)、完了していなければステップS303に戻り、次の頁を印刷する。また、全頁の排紙が完了していれば、1頁の排紙までの時間と、最終頁の排紙までの時間および印刷頁数から印刷速度を計算する(ステップS308)。
【0033】
上記ステップS306で印刷が停止した場合、時間計測を停止する(ステップS309)。そして印刷が再開されると(ステップS310)、新規頁を追加して印刷する(ステップS311)。そして追加した新規頁が排紙されると(ステップS312)、時間計測を再開し(ステップS313)、ステップS303に戻り、再開後の印刷頁を排紙させる。
【0034】
図8は、本発明の印刷装置における印刷速度の計測処理の更に他の例を説明するためのフローチャートで、印刷速度の計測結果データを作成して、印刷したり電子メールにて送信するときの処理の一例を示すものである。
まず、印刷装置が印刷すべき印刷データを受信すると(ステップS401)、印刷速度計測部5では時間計測を開始する(ステップS402)。そして印刷した頁が排紙されると(ステップS403)、印刷データの受信から排紙までの時間を記録する(ステップS404)。ここで紙詰まりなどによって印刷が停止したか否かを判別する(ステップS405)。印刷停止していなければ、印刷データの全頁の排紙が完了しているか否かを判別し(ステップS406)、完了していなければステップS403に戻り、次の頁を印刷する。また、全頁の排紙が完了していれば、1頁の排紙までの時間と、最終頁の排紙までの時間および印刷頁数から印刷速度を計算する(ステップS407)。
【0035】
そして、印刷速度の計測結果の一覧を示す印刷速度結果データを作成し(ステップS408)、そのデータを印刷し、もしくは電子メールで送信し、もしくは所定のサーバにアップロードする(ステップS409)。また、これらの処理の複数を行ってもよい。
【0036】
上記ステップS405で印刷が停止した場合、時間計測を停止する(ステップS410)。そして印刷が再開されると(ステップS411)、新規頁を追加して印刷する(ステップS412)。そして追加した新規頁が排紙されると(ステップS413)、時間計測を再開し(ステップS414)、ステップS403に戻り、再開後の印刷頁を排紙させる。
【0037】
図9は、印刷速度結果データの例を示す図である。印刷装置1の印刷速度結果データ生成部6は、印刷速度計測部5による印刷速度の計測結果に基づいて、図9に示すような印刷速度結果データを生成する。
図9の印刷速度測定結果データは、印刷ジョブごとに画像データの作成に使用したアプリケーション(101)、印刷ジョブのファイル名(102)、印刷頁数(103)、印刷処理のT1P(104),TLP(105)、PPM(106)が記載される。ここでT1Pは印刷開始から1頁目を排紙するまでの時間(Time of 1st page)であり、TLPは印刷開始から最終頁を排紙するまでの時間(Time of last page)であり、PPMは印刷速度(1分間当たりの印刷頁数)(Page per minute)である。
この印刷側結果データは、記録紙等の記録媒体へ印刷したり、電子メールにより外部機器に送信したり、所定のサーバへのアップロードすることができる。また、これらのいずれかまたは複数を行うようにしてもよい。印刷速度測定結果データを紙等に印刷することで、データの閲覧ができ利便性を高まめることができる。また、印刷速度測定結果データを外部機器等へデータを送信することで、外部アプリケーションとの連携をとることができ、データ活用の幅を広げることができる。
【符号の説明】
【0038】
1…印刷装置、2…ユーザインタフェース、3…制御部、4…ネットワークIF、5…印刷速度計測部、6…印刷速度結果データ生成部、7…プリンタエンジン、8…記憶部、9…通信部、10…印刷画像データ生成部、11…ネットワーク、12…PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに含まれる印刷データを記録媒体に印刷する画像形成部を有する印刷装置において、
前記印刷データの受信開始から前記印刷データを印刷した記録媒体の排出までの時間に基づいて印刷データの印刷時間を計測し、該計測した印刷時間と該印刷時間に印刷した記録媒体の印刷枚数とにより単位時間あたりの記録媒体の印刷枚数で示される印刷速度を得る印刷速度計測部を有し、
前記画像形成部は、印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷が一時的に停止し、再度印刷を再開する際、印刷すべき印刷データとは別に予め用意した印刷データを少なくとも1頁分だけ印刷し、該少なくとも1頁分を印刷した後、前記印刷ジョブに含まれる印刷データの印刷を再開し、
該印刷速度計測部は、前記印刷が一時停止する直前の印刷頁の排出から前記別に用意した1頁分の印刷データによる印刷頁の排出までの時間を除いて、前記印刷時間を計測することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブにおける印刷データを作成したアプリケーション名、印刷ジョブ名、印刷頁数、印刷ジョブID、該印刷ジョブの受信開始時刻、印刷データの各頁の排紙時刻のいずれかまたは複数をネットワークを通じて外部機器へ送信する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷速度計測部による前記印刷速度の計測結果に基づいて、複数の印刷データについて計測した印刷速度を一覧にした印刷速度結果データを生成する印刷速度結果データ生成部と、
該印刷速度結果データ生成部で生成した印刷速度結果データの記録媒体への印刷、電子メールによる送信、所定のサーバへのアップロードのいずれかまたは複数を行う手段と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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