印刷装置
【課題】記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされにくい印刷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 S107において、CPU31は、比較対象ジョブのジャム発生確率より処理対象ジョブのジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:YES)、続いて、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であるか判断し(S108)、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以内であると判断する場合(S108:YES)、処理対象ジョブのユーザに処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを通知する(S109)。
【解決手段】 S107において、CPU31は、比較対象ジョブのジャム発生確率より処理対象ジョブのジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:YES)、続いて、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であるか判断し(S108)、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以内であると判断する場合(S108:YES)、処理対象ジョブのユーザに処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを通知する(S109)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録用紙の紙詰まりの検出機能を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿から読み取った画像データに基づいて記録用紙に画像を印刷するコピー動作中において、記録用紙の詰まりが搬送路内で発生した場合に、搬送路のみの動作を停止させるが、原稿の読み取りは継続させ、RAMに原稿から読み取った画像データを記憶させる印刷装置が知られている。この印刷装置は、記録用紙の詰まりが解消されると、記録用紙の詰まりにより印刷出力が中断されたページの画像データをRAMから読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて印刷出力動作を再開させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−259064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが記録用紙の詰まりを解消しても、何度も記録用紙の詰まりが搬送路内で発生しまうことがある。この様な場合、記録用紙の種類、使用する用紙トレイ及び片面印刷又は両面印刷であるか等の印刷条件を変えなければ、ユーザが記録用紙の詰まりを解消しても、再び記録用紙の詰まりが搬送路内で発生しまうことがある。例えば、厚紙に印刷する場合に記録用紙の詰まりが多いときは、紙詰まりを解消しても、記録用紙の種類を厚紙から普通紙に変更等しなければ、再び記録用紙の詰まりが発生する可能性が高い。このため、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブが記録用紙の詰まりを起こすことで、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされるという問題があった。
【0005】
そこで、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされにくい印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の印刷装置は、記録用紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、印刷ジョブの印刷中に搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が高確率かを、印刷待ちの印刷ジョブの中に、先に印刷指示された印刷ジョブの印刷条件と後に印刷指示された印刷ジョブとの印刷条件から判断する確率判断部と、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブを印刷部に印刷させる制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする。ここで、記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率は、記録用紙1枚のジャム発生確率であっても、印刷ジョブごとのジャム発生確率であってもよい。
【0007】
この構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブを後で印刷することで、高確率と判断される印刷ジョブによる記録用紙の詰まりの発生を抑止することとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされにくくなる。
【0008】
また、制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを除いた印刷ジョブが存在しない場合、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷部に印刷を開始させるようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、印刷待ちの印刷ジョブの中に、高確率と判断される印刷ジョブしか存在しない場合は、不必要な記録用紙の詰まりの発生を抑止することがなくなり、高確率と判断される印刷ジョブについて印刷が行われないという事態を回避することができる。
【0010】
また、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが、発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを追い越すことを許容する条件である追い越し条件を満たす発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在するか否かを判断するジョブ判断部を備え、制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、追い越し条件を満たす確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しないとジョブ判断部が判断する場合、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷部に印刷させてもよい。
【0011】
このような構成によれば、印刷待ちの印刷ジョブの中に、高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、追い越し条件を満たす高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しない場合、高確率と判断される印刷ジョブの印刷が後回しになることがなくなり、いつまでも印刷対象とされた印刷ジョブが印刷されない事態を回避することができる。
【0012】
また、追い越し条件は、印刷枚数が確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブより少ないという条件であってもよい。
【0013】
このような構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブの印刷枚数高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷枚数より少ない場合、高確率と判断される印刷ジョブが印刷されることとなり、高確率と判断される印刷ジョブのユーザが長い間待たされる事態を回避することができる。
【0014】
また、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件を、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更する変更部を備え、制御部は、変更部により率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更された場合に、変更された印刷条件に基づいて制御を行なってもよい。
【0015】
このような構成によれば、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更される印刷ジョブに基づいて印刷されることとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0016】
記録用紙を搬送部に給紙する給紙部を備え、変更部は、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と給紙部とを変更してもよい。
【0017】
このような構成によれば、紙詰まりの発生確率が高確率でないと判断されるようになり、ユーザの手を煩わせることなく紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0018】
また、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブがある場合に、制御部が確率判断部により発生確率が高確率とでない判断される印刷ジョブの印刷を開始させる旨を報知する報知部を備えていていもよい。
【0019】
このような構成によれば、ユーザは高確率印刷ジョブの印刷が開始されないことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
報知部は、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と給紙部とを変更することを報知するようにしてもよい。
【0021】
このような構成によれば、ユーザは記録用紙の種類と給紙部とが変更されることを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0022】
この目的を達成するために、本発明の印刷装置は、記録用紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、印刷ジョブの印刷中に搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が所定の発生確率を超えるかを印刷ジョブの印刷条件から判断する確率判断部と、確率判断部により発生確率が所定の発生確率を超えると判断される印刷ジョブが印刷部によって印刷されることを禁止する制御を行う制御部と、を備えるようにしてもよい。
【0023】
この構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブを後で印刷することで、高確率と判断される印刷ジョブによる記録用紙の詰まりの発生を禁止することとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされなくなる。
【0024】
また、確率判断部は、発生確率が所定の確率を超える高確率かを、印刷部による印刷中に記録用紙の詰まりが発生すると予想される第一の発生確率に基づいて判断し、制御部は、確率判断部により第一の発生確率より発生確率を超えると判断される第一印刷ジョブを、印刷待ちの印刷ジョブの中の最後に印刷順序を入れ替えるようにしてもよい。
【0025】
このような構成によれば、第一の発生確率より発生確率を超えると判断される印刷ジョブは印刷順序が後になり、第一の発生確率より発生確率を超えると判断される印刷ジョブの紙詰まりにより、他のユーザの印刷が記録用紙の詰まりが解消されるまで待たされる事態を回避することができる。
【0026】
また、確率判断部は、発生確率が所定の確率を超える高確率かを高低を第一の発生確率より発生確率の低い第二の発生確率に基づいて判断し、制御部は、確率判断部により第二の発生確率を発生確率が超えないと判断される第二印刷ジョブを、確率判断部により第二の発生確率を発生確率が超えると判断される第三印刷ジョブよりも先に印刷するようにしてもよい。
【0027】
このような構成によれば、第二の発生確率より発生確率を超えないと判断される第二印刷ジョブの印刷は不必要に待たされることがなくなり、ユーザの利便性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】プリンタの内部構成を示した概略図である。
【図3】記録用紙タイプのジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図4】トレイのジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図5】印字面のジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る印刷順序変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るキャンセル処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る第1の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る第2の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
1.印刷システムの電気的構成
図1は、本実施形態の印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。印刷システム1は、端末装置10(例えばパーソナルコンピュータ 情報処理装置の一例)とプリンタ30(印刷装置の一例)とを備える。
【0030】
端末装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、キーボードやポインティングデバイス等を有する操作部15、液晶ディスプレイ(表示部の一例)等を有する表示部16、通信回線20に接続されるネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)17等を備えている。ハードディスクドライブ14には、OSや、印刷用のデータを作成可能なアプリケーションソフト、プリンタ30を制御するためのプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されている。
【0031】
プリンタ30は、CPU31(確率判断部、制御部、ジョブ判断部、変更部の一例)、ROM32、RAM33、ハードディスクドライブ(HDD)34、操作部35、表示部36(表示部の一例)、印刷部37(印刷部の一例)、搬送機構38(搬送部の一例)、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)39、シート検知部40等を備えている。ROM32には、プリンタ30の動作を制御するための各種プログラムが記録されており、CPU31は、ROM32から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM33に記憶させながら、プリンタ30の動作を制御する。
【0032】
RAM33には、印刷用キュー等が記憶されており、ハードディスクドライブ34には、後述するジャム情報テーブル等が記憶されている。
【0033】
操作部35は、複数のボタンを備え、ユーザによって印刷開始の指示などの各種の入力操作が可能である。表示部36は、液晶ディスプレイやランプ等を備えており、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。印刷部37は、記録用紙Wに印刷を行う。ネットワークインターフェイス39は、通信回線20を介して外部の端末装置10等に接続されており、相互のデータ通信が可能となっている。搬送機構38及びシート検知部40については後述する。
【0034】
2.プリンタの内部構成
図2はプリンタ30の内部構成を示した概略図である。
【0035】
プリンタ30は、収納部41、搬送機構38、上述の印刷部37、定着器43及び排出トレイ45等を備えている。
【0036】
収納部41は、プリンタ30の底部に設けられており、例えば、標準トレイT1とオプショントレイT2との複数のトレイTを備え、各トレイTに記録用紙Wが収納されている。
【0037】
搬送機構38は、ピックアップローラ47、レジストレーションローラ49、シート搬送用のベルト51、及び、反転機構53等を備える。ピックアップローラ47は、トレイTに収納された記録用紙Wを1枚ずつ取り出してレジストレーションローラ49へと搬送する。レジストレーションローラ49は、搬送されてきた記録用紙Wの姿勢を整えて、所定のタイミングでベルト51上に送り出す。
【0038】
印刷部37は、画像データに基づいて、周知の帯電―露光―現像―転写―定着の電子写真方式によって記録用紙W上に画像を印刷する。例えば、ベルト51により搬送される記録用紙Wに対し、所定の印刷位置Xにて、例えば端末装置10から受信した印刷データに基づくモノクロ画像やカラー画像を形成する。画像が形成された記録用紙Wは、定着器43で熱定着され、排出トレイ45上へと排出される。なお、トレイTからの記録用紙Wを印刷位置Xに導くための経路(図2の実線矢印部分)を、印刷搬送パスP1という。
【0039】
反転機構53は、排出ローラ55、反転搬送パスP2(図2の点線矢印部分)、フラッパ59、複数の反転搬送ローラ61等を備えている。例えば両面連続方式で両面印刷する場合には、記録用紙Wは、印刷部37により裏面(トレイTに収納されていたときの下面)に画像が印刷され、その後、一旦排出ローラ55まで搬送される。そして、当該排出ローラ55の逆回転により、記録用紙Wは、フラッパ59、反転搬送パスP2、複数の反転搬送ローラ61、レジストローラ49を介して搬送され、表裏が反転された状態でベルト51上に送り出される。そして、その記録用紙Wは印刷部37により表面(トレイTに収納されていたときの上面)に画像が印刷された後に排出トレイ45上へと排出される。
【0040】
シート検知部40は、複数のセンサ40A、40Bを有し、各センサ40A、40Bは、搬送機構38内の各搬送位置における記録用紙Wの有無に応じた検知信号を出力する。CPU31は、各センサ40A、40Bから、記録用紙Wの有りを示す検知信号を規定時間以上継続して受けた場合、あるいは、規定時間以上継続して受けない場合に、各搬送位置でジャム(記録用紙詰まり)が発生したと判断する。第1の実施形態では、図2に示すように、印刷搬送パスP1にセンサ40Aが設けられ、また、反転搬送パスP2にセンサ40Bが設けられているため、CPU31は、印刷搬送パスP1、反転搬送パスP2のどちらでジャムが発生したかも判断することができる。
【0041】
3.ジャム情報テーブル
図3〜5は、記録用紙タイプ、トレイT、印字面ごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶したジャム情報テーブルである。ジャム情報テーブルは、印刷を行う度に、ジャム回数、印刷枚数及びジャム発生確率が更新される。なお、図3〜5の記録用紙1枚あたりのジャム発生確率は、例えば最近1ヶ月のプリンタ30の使用履歴から求められ、ピックアップローラ47、レジストレーションローラ49等の経年変化により高くなっているため、厚紙等のジャム発生確率が高くなっている。また、工場出荷時から図3〜5に示すような値とはなっていない。
【0042】
図3は、記録用紙タイプごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶した記録用紙タイプのジャム情報テーブル200の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、記録用紙の厚みによって異なる。
【0043】
図4は、トレイTごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶したトレイTのジャム情報テーブル210の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、トレイTによるピックアップローラ47からレジストレーションローラ49までの搬送経路の長さの違い、又は、使用頻度により部品等の使用頻度によって異なる。
【0044】
図5は、印刷面ごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶した印刷面のジャム情報テーブル220の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、片面印刷であるか両面印刷であるか搬送経路の長さにより異なる。片面印刷では印刷搬送パスP1だけを使うが、両面印刷では印刷搬送パスP1と反転搬送パスP2とを使うので、搬送経路の長さが異なる。
【0045】
記録用紙1枚あたりのジャム発生確率は、記録用紙タイプ、トレイT、印字面ごとにプリンタ30において発生したジャムの発生確率であり、本実施形態では、各ジャムの発生回数をプリンタ30での記録用紙Wの累積印刷枚数で除算して算出される。なお、両面印刷の場合は2枚とはカウントせず、1枚とカウントする。
【0046】
4.印刷処理
図6は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷順序を変更する印刷順序変更処理の流れを示すフローチャートである。CPU31は、ユーザからプリンタ30の操作部35を介して印刷指示をすると、印刷指示のあった時刻の順に印刷ジョブをRAM33の印刷用キューに記憶させる。また、末端装置10の操作部15を介して印刷指示をする場合も同様である。さらに、CPU31は、印刷指示とは別に定期的に、印刷順序変更処理を実行する。
【0047】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、印刷順序変更処理を終了する。
【0048】
一方、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、印刷用キューの先頭にある印刷ジョブを処理対象ジョブに決定し(S102)、印刷用キューに印刷ジョブが複数あるか判断する(S103)。
【0049】
S103において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数ないと判断する場合(S103:NO)、処理対象ジョブを印刷部37に印刷させて(S112)、印刷順序変更処理を終了する。これは、処理対象ジョブにおいてジャムが発生しても他のジョブがなく、処理対象ジョブのユーザ以外に迷惑がかかることが少ないと考えられるからである。
【0050】
一方、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数あると判断する場合(S103:YES)、印刷用キューにおける処理対象ジョブと処理対象ジョブ以外の印刷ジョブ比較対象ジョブに決定する(S104)。
【0051】
次に、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であるか判断し(S105)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満であると判断する場合(S105:NO)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。そして、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率とのうち、どちらのジャム発生確率が高いか判断する(S107)。
【0052】
例えば、図3の記録用紙タイプのジャム発生確率テーブル200において、厚紙は、印刷枚数30枚のうち4回、ジャムを発生させているためジャム発生確率は13%であるので、処理対象ジョブは、CPU31にジャム発生確率が高い印刷ジョブと判断され、比較対象ジョブと比較される。
【0053】
一方、S105において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動して(S111)、印刷順序変更処理を終了する。例えば、図3の記録用紙タイプのジャム発生確率テーブル200において、光沢紙は、印刷枚数15枚のうち3回、ジャムを発生させているため光沢紙1枚あたりのジャム発生確率は20%である。このため、光沢紙の処理対象ジョブを印刷用キューの最後の印刷ジョブとなるように印刷順序が変更される。
【0054】
ここで、S105及びS106のジャム発生率の判断では、まず、処理対象ジョブ及び比較対象ジョブの記録用紙タイプ、使用するトレイT、及び、片面印刷か両面印刷かの印刷条件の情報に基づき、記録用紙タイプのジャム情報テーブル200、トレイTのジャム情報テーブル210及び印刷面のジャム情報テーブル220の中からジャム発生確率の最も高いジャム発生確率を、CPU31が抽出する。次に、CPU31が、抽出したジャム発生確率が所定のジャム発生確率を超えているか否かを判断する。つまり、絶対比較を行っている。
【0055】
S107において、CPU31は、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:YES)、続いて、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であるか判断する(S108)。なお、S107やS108のように相対的に印刷ジョブを比較することで、処理対象ジョブと比較対象ジョブとのうち、確実に記録用紙1枚のジャム発生確率が低い印刷ジョブについて先に印刷することができる。
【0056】
例えば、処理対象ジョブの印刷枚数が10枚である場合、比較対象ジョブの印刷枚数が5枚であって、処理対象ジョブの印刷枚数より少なければ、比較対象ジョブの印刷にかかる時間は、処理対象ジョブの印刷にかかる時間よりも短くなる。一方、比較対象ジョブの印刷枚数が500枚であって、処理対象ジョブの印刷枚数より多い場合は、比較対象ジョブのジャム発生確率が処理対象ジョブのジャム発生確率より低くても、比較対象ジョブの印刷にかかる時間は、処理対象ジョブの印刷にかかる時間よりも長くなる。このため、先に印刷指示した処理対象ジョブのユーザが長く待たされることがあり、処理対象ジョブのユーザにとって不便であるので、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であると判断する場合(S108:YES)、処理対象ジョブのユーザに処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを通知させる(S109)。
【0057】
具体的には、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブのため後続のジョブ○○を先に印刷します」というメッセージ300を処理対象ジョブのユーザの末端装置10の表示部16に表示させるように、処理対象ジョブのユーザの末端装置10にデータを送信する。そして、CPU31が表示部16にメッセージ300を表示させる。また、処理対象ジョブのユーザが処理対象ジョブのユーザの末端装置10の付近でなく、プリンタ30の付近にいることも想定されるので、CPU31は、表示部36にも同様にメッセージ300を表示させる。
【0058】
次に、CPU31は、比較対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S110)、印刷順序変更処理を終了する。
【0059】
なお、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:NO)、及び、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以上であると判断する場合(S108:NO)のいずれかに該当するときは、処理対象ジョブのジャム発生確率が低いので、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S112)、印刷順序変更処理を終了する。
【0060】
また、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブが3つ以上ある場合、CPU31は、比較対象ジョブより処理対象ジョブの記録用紙1枚のジャム発生確率が低いと、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させる。そして、CPU31が次回の印刷順序変更処理を実行するときに、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブが処理対象ジョブに決定され(S102)、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブの次の印刷ジョブが比較対象ジョブに決定される(S104)。
【0061】
一方、CPU31は、処理対象ジョブより比較対象ジョブの記録用紙1枚のジャム発生確率が低いと、比較対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させる。そして、CPU31が次回の印刷順序変更処理を実行するときに、処理対処ジョブは変更されず、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブの次の印刷ジョブが比較対象ジョブに決定される(S104)。
【0062】
(第1の実施形態の効果)
CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、S109やS110において処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを許可したり、S111において処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動したりするので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブによるジャムの発生を抑止することとなり、記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされにくくなる。
【0063】
また、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数ないと判断する場合(S103:NO)、処理対象ジョブを印刷部37に印刷させるので(S112)、ジャム発生確率が高い可能性がある処理対象ジョブの印刷を不必要に抑止することがなくなり、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブについて印刷が行われないという事態を回避することができる。
【0064】
また、CPU31が処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:NO)、又は、CPU31が比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以上であると判断する場合(S108:NO)、処理対象ジョブが比較対象ジョブよりも印刷が後になることがなくなり、いつまでも処理対象ジョブに基づいて印刷されない事態を回避することができる。
【0065】
また、比較対象ジョブのジャム発生確率が処理対象ジョブのジャム発生確率より低くても、比較対象ジョブの印刷枚数が多い場合、先に印刷指示した処理対象ジョブのユーザが長く待たされにくくなる。なお、追い越し条件は、所定の印刷枚数で区切ってもよいし、印刷枚数が処理対象ジョブより少ない枚数であることでもよい。また、追い越し条件は、所定の印刷枚数以内の比較対象ジョブであることであったが、所定時間以内に投入された比較対象ジョブ、所定数の比較対象ジョブ、所定のユーザの比較対象ジョブを追い越し条件としてもよい。
【0066】
また、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブのため後続のジョブ○○を先に印刷します」というメッセージ300を、処理対象ジョブのユーザの末端装置10の表示部16に表示させる。また、CPU31は、表示部36にも同様にメッセージ300を表示させるので、ユーザは処理対処ジョブの印刷が開始されないことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0067】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動するので(S111)、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上の処理対象ジョブの印刷が印刷用キューにある印刷ジョブの最後となり、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上の処理対象ジョブの印刷により、他のユーザの印刷が記録用紙の詰まりが解消されるまで待たされる事態を回避することができる。ここで、第一の発生確率は、20%であり、一つの印刷ジョブに基づく印刷中にジャムが発生する可能性が高い値である。また、第一ジョブは、録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上である印刷ジョブである。
【0068】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させるので(S112)、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満である処理対象ジョブのユーザは不必要に待たされることがなくなり、ユーザの利便性が増す。ここで、第二の発生確率は、10%であり、第二確率ジョブは、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であるジョブである。また、第三確率ジョブは、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上20%未満の印刷ジョブである。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ジャム発生確率が高い印刷ジョブをキャンセルする実施形態である。
【0070】
図8は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定をキャンセルするキャンセル処理の流れを示すフローチャートである。図8及び図9を参照しながら、キャンセル処理について説明する。
【0071】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であるか判断する(S105)。
【0072】
S105において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューから削除し、処理対象ジョブをキャンセルする(S210)。そして、CPU31は、処理対象ジョブをキャンセルされたことを、表示部36を介してユーザに通知し(S220)、キャンセル処理を終了する。例えば、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブは印刷することができません。ジョブを削除します。」というような内容のメッセージ310を表示部36に表示させる。
【0073】
一方、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満であると判断する場合(S105:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、キャンセル処理を終了する。
【0074】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、キャンセル処理を終了する。
【0075】
(第2の実施形態の効果)
CPU31は、ジャム発生確率が特に高いと判断する処理対象ジョブを印刷用キューから削除し、処理対象ジョブをキャンセルするので(S210)、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブの印刷を禁止することとなり、録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされなくなる。
【0076】
また、CPU31は、処理対象ジョブをキャンセルされたことを、表示部36を介してユーザに通知するので(S220)、ユーザは、印刷ジョブが印刷されないとことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0077】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更し、印刷する実施形態である。なお、第1の実施形態と同じ箇所については、適宜省略しながら説明する。
【0078】
図10は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定を変更する第1の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。図10及び図11を参照しながら、第1の印刷設定変更処理について説明する。
【0079】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。
【0080】
S106において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更する(S310)。そして、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更されたことを、表示部36を介してユーザに通知させ(S320)、続いて、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0081】
例えば、CPU31は、図4のトレイTのジャム情報テーブル210からオプショントレイT2のジャム発生確率が10%であるので、トレイTの設定をオプショントレイT2からジャム発生確率が0.4%の標準トレイT1に変更する。そして、CPU31は、「オプショントレイはジャム発生確率が高いため、標準トレイの記録用紙から印刷します。」というような内容のメッセージ320を表示部36に表示させる。
【0082】
一方、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0083】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0084】
(第3の実施形態の効果)
CPU31は、ジャム発生確率が高いと判断する処理対象ジョブの印刷条件が、ジャム発生確率の低い印刷条件に変更させ(S310)、変更されたジャム発生確率の低い印刷条件の処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を開始させるので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0085】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更するので(S310)、紙詰まりの発生確率が低くなり、ユーザの手を煩わせることなく紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0086】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更されたことを、表示部36を介してユーザに通知させるので(S320)、ユーザは記録用紙の種類と給紙部とが変更されることを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0087】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態の変形例であり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ユーザにジャム発生確率の低い記録用紙への変更又はトレイTへの変更することを促し、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更がされると、印刷が行われる実施形態である。なお、第1から第3の実施形態と同じ箇所については、適宜省略しながら説明する。
【0088】
図12は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定を変更する第2の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。図12及び図13を参照しながら、第2の印刷設定変更処理について説明する。
【0089】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。
【0090】
S106において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更することを、表示部36を介してユーザに通知させるか、端末装置10の表示部16に表示することにより通知させるかし(S410)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされたか判断する(S420)。そして、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされたと判断する場合(S420:YES)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0091】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされなかったと判断する場合(S420:NO)、印刷用キューから処理対象ジョブを削除、処理対象ジョブをキャンセルする(S210)。そして、削除した処理対象ジョブのユーザに、処理対象ジョブについて記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を変更して再送信することを、端末装置10の表示部16に表示させることによりユーザに通知して(S430)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0092】
一方、CPU31は、印刷対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0093】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0094】
(第4の実施形態の効果)
CPU31は、記録用紙の詰まりの発生確率が高いと判断する場合に、ユーザにジャム発生確率の低い記録用紙への変更又はトレイTへの変更することを促し(S410)、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更がされると(S420:YES)、印刷を行わせるので(S230)、変更されたジャム発生確率の低い印刷条件の処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を開始させるので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0095】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされなかったと判断する場合(S420:NO)、処理対象ジョブをキャンセルするので(S210)、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブの印刷を禁止することとなり、記録用紙Wの詰まりの発生により印刷が他のユーザの印刷が記録用紙Wの詰まりが解消されるまで待たされないようにすることで、他のユーザに迷惑がかかりにくくなる。
【0096】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更することを、表示部36を介してユーザに通知させるか、端末装置10の表示部16に表示することにより通知させるので(S410)、紙詰まりの発生確率が低くなるようにユーザに促すことなり、ユーザが紙詰まりを解除する手間を減らす可能性を高くすることができる。
【0097】
(その他の実施形態)
(1)第1〜4の実施形態では、プリンタ30の底部に設けられたトレイTを例示したが、本発明はこれに限られない。例えばプリンタ30の前面に開口形成された挿入口(図示せず)からレジストレーションローラ49へと導くための手差しトレイ(図示せず)などであってもよい。また、マニュアル方式において、この手差しトレイを利用するものであってもよい。
【0098】
(2)第1〜4の実施形態では、各センサ40Aからの検知信号に基づき各方式におけるジャム発生確率の高低を判断したが、本発明はこれに限られない。例えば予め各方式(最大枚数)と、ジャムの発生確率とを実験的に求めておいて、その対応関係テーブルをハードディスクドライブ34に記憶しておき、CPU31がこの対応関係テーブルを参照してジャム発生確率の高低を判断してもよい。また、温度、湿度、色数(カラー、モノクロ)、シートWの材質(厚紙、普通紙、OHP)、トレイTの種類、累積印刷枚数、ローラ回転数等の少なくともいずれかと、ジャムの発生確率とを実験的に求めておいて、その対応関係テーブルをハードディスクドライブ34に記憶しておき、CPU31がこの対応関係テーブルを参照してジャム発生確率の高低を判断してもよい。
【0099】
(3)第1の実施形態では、S107において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率との相対的な比較を行っているが、S105やS106のように所定のジャム発生確率であるか絶対的な比較行ってもよい。例えば、S107に代えて、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満である実施形態であってもよい。また、S105やS106を相対的な比較に代えてもよく、CPU31は、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動する(S111)実施形態であってもよい。
【0100】
(4)第1の実施形態では、S105、S106及びS107において、印刷ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率について判断していたが、印刷ジョブごとのジャム発生確率を判断する実施形態であってもよい。例えば、印刷ジョブごとのジャム発生確率は、印刷ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と印刷ジョブの印刷枚数とに基づいて求めればよい。
【0101】
(5)第1の実施形態では、印刷用キューの先頭の2つの印刷ジョブについて比較する実施形態であったが、処理対象ジョブと印刷用キューにある他の印刷ジョブとについて比較する実施形態であってもよい。例えば、処理対象ジョブと印刷用キューにある他の印刷ジョブとを比較していくときに比較対象を特定する比較用ポインタを、処理対象ジョブの次の印刷ジョブに移動して、比較用ポインタがさす印刷ジョブを比較対象ジョブに決定する(S104)。そして、比較対象ジョブについて、S107〜S110の判断が終わると、比較対象ジョブの次の印刷ジョブに比較用ポインタを移動して、S107〜S110の判断をする。これを印刷用キューにある全ての印刷ジョブについて行う。
【0102】
(6)第1の実施形態において、印刷用キューに記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上のジョブが複数あり、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満のジョブがない場合は、記録用紙1枚のジャム発生確率が小さい順に別途印刷されるようにしてもよい。また、ユーザが操作部36から印刷指示をしたとき、印刷させてもよい。
【0103】
(7)第1〜4の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置の実施形態について説明したが、インクジェット方式の画像形成装置にも適用することができる。
【0104】
(8)以上、第1〜4の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 印刷システム
10 端末装置
11 CPU
14 ハードディスクドライブ
15 操作部
30 プリンタ
31 CPU
38 搬送機構
40 記録用紙検知部
P1 印刷搬送パス
P2 反転搬送パス
T トレイ
W 記録用紙
X 印刷位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録用紙の紙詰まりの検出機能を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿から読み取った画像データに基づいて記録用紙に画像を印刷するコピー動作中において、記録用紙の詰まりが搬送路内で発生した場合に、搬送路のみの動作を停止させるが、原稿の読み取りは継続させ、RAMに原稿から読み取った画像データを記憶させる印刷装置が知られている。この印刷装置は、記録用紙の詰まりが解消されると、記録用紙の詰まりにより印刷出力が中断されたページの画像データをRAMから読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて印刷出力動作を再開させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−259064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが記録用紙の詰まりを解消しても、何度も記録用紙の詰まりが搬送路内で発生しまうことがある。この様な場合、記録用紙の種類、使用する用紙トレイ及び片面印刷又は両面印刷であるか等の印刷条件を変えなければ、ユーザが記録用紙の詰まりを解消しても、再び記録用紙の詰まりが搬送路内で発生しまうことがある。例えば、厚紙に印刷する場合に記録用紙の詰まりが多いときは、紙詰まりを解消しても、記録用紙の種類を厚紙から普通紙に変更等しなければ、再び記録用紙の詰まりが発生する可能性が高い。このため、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブが記録用紙の詰まりを起こすことで、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされるという問題があった。
【0005】
そこで、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされにくい印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の印刷装置は、記録用紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、印刷ジョブの印刷中に搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が高確率かを、印刷待ちの印刷ジョブの中に、先に印刷指示された印刷ジョブの印刷条件と後に印刷指示された印刷ジョブとの印刷条件から判断する確率判断部と、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブを印刷部に印刷させる制御を行う制御部と、を備えることを特徴とする。ここで、記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率は、記録用紙1枚のジャム発生確率であっても、印刷ジョブごとのジャム発生確率であってもよい。
【0007】
この構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブを後で印刷することで、高確率と判断される印刷ジョブによる記録用紙の詰まりの発生を抑止することとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされにくくなる。
【0008】
また、制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを除いた印刷ジョブが存在しない場合、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷部に印刷を開始させるようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、印刷待ちの印刷ジョブの中に、高確率と判断される印刷ジョブしか存在しない場合は、不必要な記録用紙の詰まりの発生を抑止することがなくなり、高確率と判断される印刷ジョブについて印刷が行われないという事態を回避することができる。
【0010】
また、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが、発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを追い越すことを許容する条件である追い越し条件を満たす発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在するか否かを判断するジョブ判断部を備え、制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、追い越し条件を満たす確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しないとジョブ判断部が判断する場合、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷部に印刷させてもよい。
【0011】
このような構成によれば、印刷待ちの印刷ジョブの中に、高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、追い越し条件を満たす高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しない場合、高確率と判断される印刷ジョブの印刷が後回しになることがなくなり、いつまでも印刷対象とされた印刷ジョブが印刷されない事態を回避することができる。
【0012】
また、追い越し条件は、印刷枚数が確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブより少ないという条件であってもよい。
【0013】
このような構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブの印刷枚数高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷枚数より少ない場合、高確率と判断される印刷ジョブが印刷されることとなり、高確率と判断される印刷ジョブのユーザが長い間待たされる事態を回避することができる。
【0014】
また、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件を、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更する変更部を備え、制御部は、変更部により率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更された場合に、変更された印刷条件に基づいて制御を行なってもよい。
【0015】
このような構成によれば、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更される印刷ジョブに基づいて印刷されることとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0016】
記録用紙を搬送部に給紙する給紙部を備え、変更部は、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と給紙部とを変更してもよい。
【0017】
このような構成によれば、紙詰まりの発生確率が高確率でないと判断されるようになり、ユーザの手を煩わせることなく紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0018】
また、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブがある場合に、制御部が確率判断部により発生確率が高確率とでない判断される印刷ジョブの印刷を開始させる旨を報知する報知部を備えていていもよい。
【0019】
このような構成によれば、ユーザは高確率印刷ジョブの印刷が開始されないことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
報知部は、確率判断部により発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、確率判断部により発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と給紙部とを変更することを報知するようにしてもよい。
【0021】
このような構成によれば、ユーザは記録用紙の種類と給紙部とが変更されることを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0022】
この目的を達成するために、本発明の印刷装置は、記録用紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、印刷ジョブの印刷中に搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が所定の発生確率を超えるかを印刷ジョブの印刷条件から判断する確率判断部と、確率判断部により発生確率が所定の発生確率を超えると判断される印刷ジョブが印刷部によって印刷されることを禁止する制御を行う制御部と、を備えるようにしてもよい。
【0023】
この構成によれば、高確率と判断される印刷ジョブを後で印刷することで、高確率と判断される印刷ジョブによる記録用紙の詰まりの発生を禁止することとなり、記録用紙の詰まりの発生確率が高い印刷ジョブにより記録用紙の詰まりの発生確率が低い印刷ジョブの印刷が待たされなくなる。
【0024】
また、確率判断部は、発生確率が所定の確率を超える高確率かを、印刷部による印刷中に記録用紙の詰まりが発生すると予想される第一の発生確率に基づいて判断し、制御部は、確率判断部により第一の発生確率より発生確率を超えると判断される第一印刷ジョブを、印刷待ちの印刷ジョブの中の最後に印刷順序を入れ替えるようにしてもよい。
【0025】
このような構成によれば、第一の発生確率より発生確率を超えると判断される印刷ジョブは印刷順序が後になり、第一の発生確率より発生確率を超えると判断される印刷ジョブの紙詰まりにより、他のユーザの印刷が記録用紙の詰まりが解消されるまで待たされる事態を回避することができる。
【0026】
また、確率判断部は、発生確率が所定の確率を超える高確率かを高低を第一の発生確率より発生確率の低い第二の発生確率に基づいて判断し、制御部は、確率判断部により第二の発生確率を発生確率が超えないと判断される第二印刷ジョブを、確率判断部により第二の発生確率を発生確率が超えると判断される第三印刷ジョブよりも先に印刷するようにしてもよい。
【0027】
このような構成によれば、第二の発生確率より発生確率を超えないと判断される第二印刷ジョブの印刷は不必要に待たされることがなくなり、ユーザの利便性が増す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】プリンタの内部構成を示した概略図である。
【図3】記録用紙タイプのジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図4】トレイのジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図5】印字面のジャム情報テーブルの一例を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る印刷順序変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るキャンセル処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る第1の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る第2の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】表示部に表示するメッセージの一例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
1.印刷システムの電気的構成
図1は、本実施形態の印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。印刷システム1は、端末装置10(例えばパーソナルコンピュータ 情報処理装置の一例)とプリンタ30(印刷装置の一例)とを備える。
【0030】
端末装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、キーボードやポインティングデバイス等を有する操作部15、液晶ディスプレイ(表示部の一例)等を有する表示部16、通信回線20に接続されるネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)17等を備えている。ハードディスクドライブ14には、OSや、印刷用のデータを作成可能なアプリケーションソフト、プリンタ30を制御するためのプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されている。
【0031】
プリンタ30は、CPU31(確率判断部、制御部、ジョブ判断部、変更部の一例)、ROM32、RAM33、ハードディスクドライブ(HDD)34、操作部35、表示部36(表示部の一例)、印刷部37(印刷部の一例)、搬送機構38(搬送部の一例)、ネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)39、シート検知部40等を備えている。ROM32には、プリンタ30の動作を制御するための各種プログラムが記録されており、CPU31は、ROM32から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM33に記憶させながら、プリンタ30の動作を制御する。
【0032】
RAM33には、印刷用キュー等が記憶されており、ハードディスクドライブ34には、後述するジャム情報テーブル等が記憶されている。
【0033】
操作部35は、複数のボタンを備え、ユーザによって印刷開始の指示などの各種の入力操作が可能である。表示部36は、液晶ディスプレイやランプ等を備えており、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。印刷部37は、記録用紙Wに印刷を行う。ネットワークインターフェイス39は、通信回線20を介して外部の端末装置10等に接続されており、相互のデータ通信が可能となっている。搬送機構38及びシート検知部40については後述する。
【0034】
2.プリンタの内部構成
図2はプリンタ30の内部構成を示した概略図である。
【0035】
プリンタ30は、収納部41、搬送機構38、上述の印刷部37、定着器43及び排出トレイ45等を備えている。
【0036】
収納部41は、プリンタ30の底部に設けられており、例えば、標準トレイT1とオプショントレイT2との複数のトレイTを備え、各トレイTに記録用紙Wが収納されている。
【0037】
搬送機構38は、ピックアップローラ47、レジストレーションローラ49、シート搬送用のベルト51、及び、反転機構53等を備える。ピックアップローラ47は、トレイTに収納された記録用紙Wを1枚ずつ取り出してレジストレーションローラ49へと搬送する。レジストレーションローラ49は、搬送されてきた記録用紙Wの姿勢を整えて、所定のタイミングでベルト51上に送り出す。
【0038】
印刷部37は、画像データに基づいて、周知の帯電―露光―現像―転写―定着の電子写真方式によって記録用紙W上に画像を印刷する。例えば、ベルト51により搬送される記録用紙Wに対し、所定の印刷位置Xにて、例えば端末装置10から受信した印刷データに基づくモノクロ画像やカラー画像を形成する。画像が形成された記録用紙Wは、定着器43で熱定着され、排出トレイ45上へと排出される。なお、トレイTからの記録用紙Wを印刷位置Xに導くための経路(図2の実線矢印部分)を、印刷搬送パスP1という。
【0039】
反転機構53は、排出ローラ55、反転搬送パスP2(図2の点線矢印部分)、フラッパ59、複数の反転搬送ローラ61等を備えている。例えば両面連続方式で両面印刷する場合には、記録用紙Wは、印刷部37により裏面(トレイTに収納されていたときの下面)に画像が印刷され、その後、一旦排出ローラ55まで搬送される。そして、当該排出ローラ55の逆回転により、記録用紙Wは、フラッパ59、反転搬送パスP2、複数の反転搬送ローラ61、レジストローラ49を介して搬送され、表裏が反転された状態でベルト51上に送り出される。そして、その記録用紙Wは印刷部37により表面(トレイTに収納されていたときの上面)に画像が印刷された後に排出トレイ45上へと排出される。
【0040】
シート検知部40は、複数のセンサ40A、40Bを有し、各センサ40A、40Bは、搬送機構38内の各搬送位置における記録用紙Wの有無に応じた検知信号を出力する。CPU31は、各センサ40A、40Bから、記録用紙Wの有りを示す検知信号を規定時間以上継続して受けた場合、あるいは、規定時間以上継続して受けない場合に、各搬送位置でジャム(記録用紙詰まり)が発生したと判断する。第1の実施形態では、図2に示すように、印刷搬送パスP1にセンサ40Aが設けられ、また、反転搬送パスP2にセンサ40Bが設けられているため、CPU31は、印刷搬送パスP1、反転搬送パスP2のどちらでジャムが発生したかも判断することができる。
【0041】
3.ジャム情報テーブル
図3〜5は、記録用紙タイプ、トレイT、印字面ごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶したジャム情報テーブルである。ジャム情報テーブルは、印刷を行う度に、ジャム回数、印刷枚数及びジャム発生確率が更新される。なお、図3〜5の記録用紙1枚あたりのジャム発生確率は、例えば最近1ヶ月のプリンタ30の使用履歴から求められ、ピックアップローラ47、レジストレーションローラ49等の経年変化により高くなっているため、厚紙等のジャム発生確率が高くなっている。また、工場出荷時から図3〜5に示すような値とはなっていない。
【0042】
図3は、記録用紙タイプごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶した記録用紙タイプのジャム情報テーブル200の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、記録用紙の厚みによって異なる。
【0043】
図4は、トレイTごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶したトレイTのジャム情報テーブル210の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、トレイTによるピックアップローラ47からレジストレーションローラ49までの搬送経路の長さの違い、又は、使用頻度により部品等の使用頻度によって異なる。
【0044】
図5は、印刷面ごとに、ジャム回数、印刷枚数及び記録用紙1枚あたりのジャム発生確率を記憶した印刷面のジャム情報テーブル220の一例を示した図である。例えば、ジャム発生確率は、片面印刷であるか両面印刷であるか搬送経路の長さにより異なる。片面印刷では印刷搬送パスP1だけを使うが、両面印刷では印刷搬送パスP1と反転搬送パスP2とを使うので、搬送経路の長さが異なる。
【0045】
記録用紙1枚あたりのジャム発生確率は、記録用紙タイプ、トレイT、印字面ごとにプリンタ30において発生したジャムの発生確率であり、本実施形態では、各ジャムの発生回数をプリンタ30での記録用紙Wの累積印刷枚数で除算して算出される。なお、両面印刷の場合は2枚とはカウントせず、1枚とカウントする。
【0046】
4.印刷処理
図6は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷順序を変更する印刷順序変更処理の流れを示すフローチャートである。CPU31は、ユーザからプリンタ30の操作部35を介して印刷指示をすると、印刷指示のあった時刻の順に印刷ジョブをRAM33の印刷用キューに記憶させる。また、末端装置10の操作部15を介して印刷指示をする場合も同様である。さらに、CPU31は、印刷指示とは別に定期的に、印刷順序変更処理を実行する。
【0047】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、印刷順序変更処理を終了する。
【0048】
一方、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、印刷用キューの先頭にある印刷ジョブを処理対象ジョブに決定し(S102)、印刷用キューに印刷ジョブが複数あるか判断する(S103)。
【0049】
S103において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数ないと判断する場合(S103:NO)、処理対象ジョブを印刷部37に印刷させて(S112)、印刷順序変更処理を終了する。これは、処理対象ジョブにおいてジャムが発生しても他のジョブがなく、処理対象ジョブのユーザ以外に迷惑がかかることが少ないと考えられるからである。
【0050】
一方、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数あると判断する場合(S103:YES)、印刷用キューにおける処理対象ジョブと処理対象ジョブ以外の印刷ジョブ比較対象ジョブに決定する(S104)。
【0051】
次に、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であるか判断し(S105)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満であると判断する場合(S105:NO)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。そして、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率とのうち、どちらのジャム発生確率が高いか判断する(S107)。
【0052】
例えば、図3の記録用紙タイプのジャム発生確率テーブル200において、厚紙は、印刷枚数30枚のうち4回、ジャムを発生させているためジャム発生確率は13%であるので、処理対象ジョブは、CPU31にジャム発生確率が高い印刷ジョブと判断され、比較対象ジョブと比較される。
【0053】
一方、S105において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動して(S111)、印刷順序変更処理を終了する。例えば、図3の記録用紙タイプのジャム発生確率テーブル200において、光沢紙は、印刷枚数15枚のうち3回、ジャムを発生させているため光沢紙1枚あたりのジャム発生確率は20%である。このため、光沢紙の処理対象ジョブを印刷用キューの最後の印刷ジョブとなるように印刷順序が変更される。
【0054】
ここで、S105及びS106のジャム発生率の判断では、まず、処理対象ジョブ及び比較対象ジョブの記録用紙タイプ、使用するトレイT、及び、片面印刷か両面印刷かの印刷条件の情報に基づき、記録用紙タイプのジャム情報テーブル200、トレイTのジャム情報テーブル210及び印刷面のジャム情報テーブル220の中からジャム発生確率の最も高いジャム発生確率を、CPU31が抽出する。次に、CPU31が、抽出したジャム発生確率が所定のジャム発生確率を超えているか否かを判断する。つまり、絶対比較を行っている。
【0055】
S107において、CPU31は、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:YES)、続いて、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であるか判断する(S108)。なお、S107やS108のように相対的に印刷ジョブを比較することで、処理対象ジョブと比較対象ジョブとのうち、確実に記録用紙1枚のジャム発生確率が低い印刷ジョブについて先に印刷することができる。
【0056】
例えば、処理対象ジョブの印刷枚数が10枚である場合、比較対象ジョブの印刷枚数が5枚であって、処理対象ジョブの印刷枚数より少なければ、比較対象ジョブの印刷にかかる時間は、処理対象ジョブの印刷にかかる時間よりも短くなる。一方、比較対象ジョブの印刷枚数が500枚であって、処理対象ジョブの印刷枚数より多い場合は、比較対象ジョブのジャム発生確率が処理対象ジョブのジャム発生確率より低くても、比較対象ジョブの印刷にかかる時間は、処理対象ジョブの印刷にかかる時間よりも長くなる。このため、先に印刷指示した処理対象ジョブのユーザが長く待たされることがあり、処理対象ジョブのユーザにとって不便であるので、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚未満であると判断する場合(S108:YES)、処理対象ジョブのユーザに処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを通知させる(S109)。
【0057】
具体的には、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブのため後続のジョブ○○を先に印刷します」というメッセージ300を処理対象ジョブのユーザの末端装置10の表示部16に表示させるように、処理対象ジョブのユーザの末端装置10にデータを送信する。そして、CPU31が表示部16にメッセージ300を表示させる。また、処理対象ジョブのユーザが処理対象ジョブのユーザの末端装置10の付近でなく、プリンタ30の付近にいることも想定されるので、CPU31は、表示部36にも同様にメッセージ300を表示させる。
【0058】
次に、CPU31は、比較対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S110)、印刷順序変更処理を終了する。
【0059】
なお、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:NO)、及び、比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以上であると判断する場合(S108:NO)のいずれかに該当するときは、処理対象ジョブのジャム発生確率が低いので、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S112)、印刷順序変更処理を終了する。
【0060】
また、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブが3つ以上ある場合、CPU31は、比較対象ジョブより処理対象ジョブの記録用紙1枚のジャム発生確率が低いと、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させる。そして、CPU31が次回の印刷順序変更処理を実行するときに、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブが処理対象ジョブに決定され(S102)、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブの次の印刷ジョブが比較対象ジョブに決定される(S104)。
【0061】
一方、CPU31は、処理対象ジョブより比較対象ジョブの記録用紙1枚のジャム発生確率が低いと、比較対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させる。そして、CPU31が次回の印刷順序変更処理を実行するときに、処理対処ジョブは変更されず、今回の印刷順序変更処理における比較対象ジョブの次の印刷ジョブが比較対象ジョブに決定される(S104)。
【0062】
(第1の実施形態の効果)
CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、S109やS110において処理対象ジョブが比較対象ジョブに追い越されることを許可したり、S111において処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動したりするので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブによるジャムの発生を抑止することとなり、記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされにくくなる。
【0063】
また、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブが複数ないと判断する場合(S103:NO)、処理対象ジョブを印刷部37に印刷させるので(S112)、ジャム発生確率が高い可能性がある処理対象ジョブの印刷を不必要に抑止することがなくなり、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブについて印刷が行われないという事態を回避することができる。
【0064】
また、CPU31が処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合(S107:NO)、又は、CPU31が比較対象ジョブの印刷枚数が10枚以上であると判断する場合(S108:NO)、処理対象ジョブが比較対象ジョブよりも印刷が後になることがなくなり、いつまでも処理対象ジョブに基づいて印刷されない事態を回避することができる。
【0065】
また、比較対象ジョブのジャム発生確率が処理対象ジョブのジャム発生確率より低くても、比較対象ジョブの印刷枚数が多い場合、先に印刷指示した処理対象ジョブのユーザが長く待たされにくくなる。なお、追い越し条件は、所定の印刷枚数で区切ってもよいし、印刷枚数が処理対象ジョブより少ない枚数であることでもよい。また、追い越し条件は、所定の印刷枚数以内の比較対象ジョブであることであったが、所定時間以内に投入された比較対象ジョブ、所定数の比較対象ジョブ、所定のユーザの比較対象ジョブを追い越し条件としてもよい。
【0066】
また、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブのため後続のジョブ○○を先に印刷します」というメッセージ300を、処理対象ジョブのユーザの末端装置10の表示部16に表示させる。また、CPU31は、表示部36にも同様にメッセージ300を表示させるので、ユーザは処理対処ジョブの印刷が開始されないことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0067】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動するので(S111)、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上の処理対象ジョブの印刷が印刷用キューにある印刷ジョブの最後となり、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上の処理対象ジョブの印刷により、他のユーザの印刷が記録用紙の詰まりが解消されるまで待たされる事態を回避することができる。ここで、第一の発生確率は、20%であり、一つの印刷ジョブに基づく印刷中にジャムが発生する可能性が高い値である。また、第一ジョブは、録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上である印刷ジョブである。
【0068】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させるので(S112)、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満である処理対象ジョブのユーザは不必要に待たされることがなくなり、ユーザの利便性が増す。ここで、第二の発生確率は、10%であり、第二確率ジョブは、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であるジョブである。また、第三確率ジョブは、記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上20%未満の印刷ジョブである。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ジャム発生確率が高い印刷ジョブをキャンセルする実施形態である。
【0070】
図8は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定をキャンセルするキャンセル処理の流れを示すフローチャートである。図8及び図9を参照しながら、キャンセル処理について説明する。
【0071】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であるか判断する(S105)。
【0072】
S105において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上であると判断する場合(S105:YES)、処理対象ジョブを印刷用キューから削除し、処理対象ジョブをキャンセルする(S210)。そして、CPU31は、処理対象ジョブをキャンセルされたことを、表示部36を介してユーザに通知し(S220)、キャンセル処理を終了する。例えば、CPU31は、「ジャム発生率が高いジョブは印刷することができません。ジョブを削除します。」というような内容のメッセージ310を表示部36に表示させる。
【0073】
一方、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満であると判断する場合(S105:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、キャンセル処理を終了する。
【0074】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、キャンセル処理を終了する。
【0075】
(第2の実施形態の効果)
CPU31は、ジャム発生確率が特に高いと判断する処理対象ジョブを印刷用キューから削除し、処理対象ジョブをキャンセルするので(S210)、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブの印刷を禁止することとなり、録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率と判断される印刷ジョブにより記録用紙Wの詰まりの発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷が待たされなくなる。
【0076】
また、CPU31は、処理対象ジョブをキャンセルされたことを、表示部36を介してユーザに通知するので(S220)、ユーザは、印刷ジョブが印刷されないとことを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0077】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更し、印刷する実施形態である。なお、第1の実施形態と同じ箇所については、適宜省略しながら説明する。
【0078】
図10は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定を変更する第1の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。図10及び図11を参照しながら、第1の印刷設定変更処理について説明する。
【0079】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。
【0080】
S106において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更する(S310)。そして、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更されたことを、表示部36を介してユーザに通知させ(S320)、続いて、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0081】
例えば、CPU31は、図4のトレイTのジャム情報テーブル210からオプショントレイT2のジャム発生確率が10%であるので、トレイTの設定をオプショントレイT2からジャム発生確率が0.4%の標準トレイT1に変更する。そして、CPU31は、「オプショントレイはジャム発生確率が高いため、標準トレイの記録用紙から印刷します。」というような内容のメッセージ320を表示部36に表示させる。
【0082】
一方、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0083】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、第1の印刷設定変更処理を終了する。
【0084】
(第3の実施形態の効果)
CPU31は、ジャム発生確率が高いと判断する処理対象ジョブの印刷条件が、ジャム発生確率の低い印刷条件に変更させ(S310)、変更されたジャム発生確率の低い印刷条件の処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を開始させるので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0085】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更するので(S310)、紙詰まりの発生確率が低くなり、ユーザの手を煩わせることなく紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0086】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更されたことを、表示部36を介してユーザに通知させるので(S320)、ユーザは記録用紙の種類と給紙部とが変更されることを把握しやすくなり、ユーザの利便性が増す。
【0087】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第3の実施形態の変形例であり、印刷ジョブのジャム発生確率が高い場合には、ユーザにジャム発生確率の低い記録用紙への変更又はトレイTへの変更することを促し、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更がされると、印刷が行われる実施形態である。なお、第1から第3の実施形態と同じ箇所については、適宜省略しながら説明する。
【0088】
図12は、ジャム発生確率の高い印刷ジョブの印刷設定を変更する第2の印刷設定変更処理の流れを示すフローチャートである。図12及び図13を参照しながら、第2の印刷設定変更処理について説明する。
【0089】
まず、CPU31は、RAM33に記憶されている印刷用キューに印刷ジョブがあるか判断し(S101)、印刷用キューに印刷ジョブがあると判断する場合(S101:YES)、続いて、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であるか判断する(S106)。
【0090】
S106において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更することを、表示部36を介してユーザに通知させるか、端末装置10の表示部16に表示することにより通知させるかし(S410)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされたか判断する(S420)。そして、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされたと判断する場合(S420:YES)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0091】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされなかったと判断する場合(S420:NO)、印刷用キューから処理対象ジョブを削除、処理対象ジョブをキャンセルする(S210)。そして、削除した処理対象ジョブのユーザに、処理対象ジョブについて記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を変更して再送信することを、端末装置10の表示部16に表示させることによりユーザに通知して(S430)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0092】
一方、CPU31は、印刷対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満であると判断する場合(S106:NO)、処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を実行させ(S230)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0093】
なお、S101において、CPU31は、印刷用キューに印刷ジョブがないと判断する場合(S101:NO)、第2の印刷設定変更処理を終了する。
【0094】
(第4の実施形態の効果)
CPU31は、記録用紙の詰まりの発生確率が高いと判断する場合に、ユーザにジャム発生確率の低い記録用紙への変更又はトレイTへの変更することを促し(S410)、ジャム発生確率の低い記録用紙Wへの変更又はトレイTへの変更がされると(S420:YES)、印刷を行わせるので(S230)、変更されたジャム発生確率の低い印刷条件の処理対象ジョブに基づいて印刷部37に印刷を開始させるので、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブに基づいて印刷が行われない事態を少なくすることができる。
【0095】
また、CPU31は、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定の変更がされなかったと判断する場合(S420:NO)、処理対象ジョブをキャンセルするので(S210)、ジャム発生確率が高い処理対象ジョブの印刷を禁止することとなり、記録用紙Wの詰まりの発生により印刷が他のユーザの印刷が記録用紙Wの詰まりが解消されるまで待たされないようにすることで、他のユーザに迷惑がかかりにくくなる。
【0096】
また、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以上であると判断する場合(S106:YES)、記録用紙Wの設定又はトレイTの設定を処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%以下となる設定に変更することを、表示部36を介してユーザに通知させるか、端末装置10の表示部16に表示することにより通知させるので(S410)、紙詰まりの発生確率が低くなるようにユーザに促すことなり、ユーザが紙詰まりを解除する手間を減らす可能性を高くすることができる。
【0097】
(その他の実施形態)
(1)第1〜4の実施形態では、プリンタ30の底部に設けられたトレイTを例示したが、本発明はこれに限られない。例えばプリンタ30の前面に開口形成された挿入口(図示せず)からレジストレーションローラ49へと導くための手差しトレイ(図示せず)などであってもよい。また、マニュアル方式において、この手差しトレイを利用するものであってもよい。
【0098】
(2)第1〜4の実施形態では、各センサ40Aからの検知信号に基づき各方式におけるジャム発生確率の高低を判断したが、本発明はこれに限られない。例えば予め各方式(最大枚数)と、ジャムの発生確率とを実験的に求めておいて、その対応関係テーブルをハードディスクドライブ34に記憶しておき、CPU31がこの対応関係テーブルを参照してジャム発生確率の高低を判断してもよい。また、温度、湿度、色数(カラー、モノクロ)、シートWの材質(厚紙、普通紙、OHP)、トレイTの種類、累積印刷枚数、ローラ回転数等の少なくともいずれかと、ジャムの発生確率とを実験的に求めておいて、その対応関係テーブルをハードディスクドライブ34に記憶しておき、CPU31がこの対応関係テーブルを参照してジャム発生確率の高低を判断してもよい。
【0099】
(3)第1の実施形態では、S107において、CPU31は、処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率との相対的な比較を行っているが、S105やS106のように所定のジャム発生確率であるか絶対的な比較行ってもよい。例えば、S107に代えて、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が10%未満である実施形態であってもよい。また、S105やS106を相対的な比較に代えてもよく、CPU31は、比較対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率より処理対象ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率が高いと判断する場合、処理対象ジョブを印刷用キューの最後に移動する(S111)実施形態であってもよい。
【0100】
(4)第1の実施形態では、S105、S106及びS107において、印刷ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率について判断していたが、印刷ジョブごとのジャム発生確率を判断する実施形態であってもよい。例えば、印刷ジョブごとのジャム発生確率は、印刷ジョブの印刷条件における記録用紙1枚のジャム発生確率と印刷ジョブの印刷枚数とに基づいて求めればよい。
【0101】
(5)第1の実施形態では、印刷用キューの先頭の2つの印刷ジョブについて比較する実施形態であったが、処理対象ジョブと印刷用キューにある他の印刷ジョブとについて比較する実施形態であってもよい。例えば、処理対象ジョブと印刷用キューにある他の印刷ジョブとを比較していくときに比較対象を特定する比較用ポインタを、処理対象ジョブの次の印刷ジョブに移動して、比較用ポインタがさす印刷ジョブを比較対象ジョブに決定する(S104)。そして、比較対象ジョブについて、S107〜S110の判断が終わると、比較対象ジョブの次の印刷ジョブに比較用ポインタを移動して、S107〜S110の判断をする。これを印刷用キューにある全ての印刷ジョブについて行う。
【0102】
(6)第1の実施形態において、印刷用キューに記録用紙1枚のジャム発生確率が20%以上のジョブが複数あり、記録用紙1枚のジャム発生確率が20%未満のジョブがない場合は、記録用紙1枚のジャム発生確率が小さい順に別途印刷されるようにしてもよい。また、ユーザが操作部36から印刷指示をしたとき、印刷させてもよい。
【0103】
(7)第1〜4の実施形態では、電子写真方式の画像形成装置の実施形態について説明したが、インクジェット方式の画像形成装置にも適用することができる。
【0104】
(8)以上、第1〜4の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 印刷システム
10 端末装置
11 CPU
14 ハードディスクドライブ
15 操作部
30 プリンタ
31 CPU
38 搬送機構
40 記録用紙検知部
P1 印刷搬送パス
P2 反転搬送パス
T トレイ
W 記録用紙
X 印刷位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用紙を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記印刷ジョブの印刷中に前記搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が高確率かを、印刷待ちの印刷ジョブの中に、先に印刷指示された印刷ジョブの印刷条件と後に印刷指示された印刷ジョブとの印刷条件から判断する確率判断部と、
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブを前記印刷部に印刷させる制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを除いた印刷ジョブが存在しない場合、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて前記印刷部に印刷を開始させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが、前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを追い越すことを許容する条件である追い越し条件を満たす前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在するか否かを判断するジョブ判断部を備え、
前記制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、前記追い越し条件を満たす確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しないと前記ジョブ判断部が判断する場合、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて前記印刷部に印刷させることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記追い越し条件は、印刷枚数が前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブより少ないという条件であることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件を、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更する変更部を備え、
前記制御部は、前記変更部により前記率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更された場合に、変更された印刷条件に基づいて制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
記録用紙を前記搬送部に給紙する給紙部を備え、
前記変更部は、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と前記給紙部とを変更することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブがある場合に、前記制御部が前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷を開始させる旨を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記報知部は、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と前記給紙部とを変更することを報知することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
記録用紙を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記印刷ジョブの印刷中に前記搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が所定の発生確率を超えるかを前記印刷ジョブの印刷条件から判断する確率判断部と、
前記確率判断部により前記発生確率が所定の発生確率を超えると判断される印刷ジョブが前記印刷部によって印刷されることを禁止する制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
前記確率判断部は、前記発生確率が所定の確率を超えるかを、前記印刷部による印刷中に記録用紙の詰まりが発生すると予想される第一の発生確率に基づいて判断し、
前記制御部は、前記確率判断部により前記第一の発生確率より前記発生確率を超えると判断される第一印刷ジョブを、印刷待ちの印刷ジョブの中の最後に印刷順序を入れ替えることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記確率判断部は、前記発生確率が所定の確率を超えるかを前記第一の発生確率より前記発生確率の低い第二の発生確率に基づいて判断し、
前記制御部は、前記確率判断部により前記第二の発生確率を前記発生確率が超えないと判断される第二印刷ジョブを、前記確率判断部により前記第二の発生確率を前記発生確率が超えると判断される第三印刷ジョブよりも先に印刷することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【請求項1】
記録用紙を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記印刷ジョブの印刷中に前記搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が高確率かを、印刷待ちの印刷ジョブの中に、先に印刷指示された印刷ジョブの印刷条件と後に印刷指示された印刷ジョブとの印刷条件から判断する確率判断部と、
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブを前記印刷部に印刷させる制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを除いた印刷ジョブが存在しない場合、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて前記印刷部に印刷を開始させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが、前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブを追い越すことを許容する条件である追い越し条件を満たす前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在するか否かを判断するジョブ判断部を備え、
前記制御部は、印刷待ちの印刷ジョブの中に、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブよりも後に印刷指示された前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブであって、かつ、前記追い越し条件を満たす確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブが存在しないと前記ジョブ判断部が判断する場合、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブに基づいて前記印刷部に印刷させることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記追い越し条件は、印刷枚数が前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブより少ないという条件であることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件を、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更する変更部を備え、
前記制御部は、前記変更部により前記率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更された場合に、変更された印刷条件に基づいて制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
記録用紙を前記搬送部に給紙する給紙部を備え、
前記変更部は、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と前記給紙部とを変更することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブがある場合に、前記制御部が前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷ジョブの印刷を開始させる旨を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記報知部は、前記確率判断部により前記発生確率が高確率と判断される印刷ジョブの印刷条件が、前記確率判断部により前記発生確率が高確率でないと判断される印刷条件に変更されるように記録用紙の種類と前記給紙部とを変更することを報知することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
記録用紙を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される記録用紙に、印刷ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記印刷ジョブの印刷中に前記搬送部において記録用紙の詰まりが発生する確率である発生確率が所定の発生確率を超えるかを前記印刷ジョブの印刷条件から判断する確率判断部と、
前記確率判断部により前記発生確率が所定の発生確率を超えると判断される印刷ジョブが前記印刷部によって印刷されることを禁止する制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
前記確率判断部は、前記発生確率が所定の確率を超えるかを、前記印刷部による印刷中に記録用紙の詰まりが発生すると予想される第一の発生確率に基づいて判断し、
前記制御部は、前記確率判断部により前記第一の発生確率より前記発生確率を超えると判断される第一印刷ジョブを、印刷待ちの印刷ジョブの中の最後に印刷順序を入れ替えることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記確率判断部は、前記発生確率が所定の確率を超えるかを前記第一の発生確率より前記発生確率の低い第二の発生確率に基づいて判断し、
前記制御部は、前記確率判断部により前記第二の発生確率を前記発生確率が超えないと判断される第二印刷ジョブを、前記確率判断部により前記第二の発生確率を前記発生確率が超えると判断される第三印刷ジョブよりも先に印刷することを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−157992(P2012−157992A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17567(P2011−17567)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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