印刷装置
【課題】印刷ヘッドの温度上昇を有効に抑制する。
【解決手段】印刷装置は、印刷媒体を支持する支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、複数の貫通孔を介して支持部材の支持面側の空気を吸引する吸引機構と、印刷媒体を支持部材の支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、支持部材の支持面に対向するノズル形成面にノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備える。複数の貫通孔は、支持部材上の領域の内、印刷装置の対応印刷媒体の内のノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されている。非対向領域に形成された複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の貫通孔を含む。
【解決手段】印刷装置は、印刷媒体を支持する支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、複数の貫通孔を介して支持部材の支持面側の空気を吸引する吸引機構と、印刷媒体を支持部材の支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、支持部材の支持面に対向するノズル形成面にノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備える。複数の貫通孔は、支持部材上の領域の内、印刷装置の対応印刷媒体の内のノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されている。非対向領域に形成された複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の貫通孔を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、印刷装置に関し、特に、インクを吐出して印刷媒体上に文字や図形、画像を記録する印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
印刷ヘッドに形成された複数のノズルからインクを吐出して印刷媒体上に文字や図形、画像を記録するインクジェットプリンターが広く普及している。このようなインクジェットプリンターでは、印刷ヘッドの各ノズルに対応して設けられたノズルアクチュエーター（ピエゾ素子やヒーター等）が駆動回路によって駆動されることにより、所定のタイミングで所定量のインクがノズルから吐出される（例えば、特許文献１ないし４参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−１６０８９５号公報
【特許文献２】特開２００７−９０８３５号公報
【特許文献３】特開２００５−１７００５０号公報
【特許文献４】実開昭６２−５９４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
インクジェットプリンターによる印刷動作時には、ノズルアクチュエーターや駆動回路等からの発熱によって印刷ヘッドの温度が上昇する。印刷ヘッドの温度が過度に上昇すると、ノズルアクチュエーターや駆動回路等に不具合が発生したり、ノズルアクチュエーターを駆動するための駆動波形が不正確となって適切な量のインクが吐出されなかったりするおそれがある。そのため、印刷ヘッドの過度の温度上昇を防止するために、一定時間あるいは一定量の印刷動作後に、印刷動作を休止したり印刷速度を低下させたりする対応が必要となる場合があり、利便性の低下を招いている。特に、印刷速度や印刷解像度が向上すると共に印刷ヘッドの高密度化が進んだ近年では、印刷ヘッドの温度上昇抑制は大きな課題となっている。
【０００５】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、印刷ヘッドの温度上昇を有効に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【０００７】
［適用例１］印刷装置であって、
印刷媒体を支持すると共に、印刷媒体を支持する表面である支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、
前記複数の貫通孔を介して前記支持部材の前記支持面側の空気を吸引する吸引機構と、
印刷媒体を前記支持部材の前記支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、
前記支持部材の前記支持面に対向するノズル形成面に前記送り方向に交差するノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備え、
前記複数の貫通孔は、前記支持部材上の領域の内、前記印刷装置の対応印刷媒体の内の前記ノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、前記最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されており、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の前記貫通孔を含む、印刷装置。
【０００８】
この印刷装置では、支持部材上の対向領域だけでなく非対向領域にも複数の貫通孔が形成されているため、最大印刷媒体を使用して印刷を行う場合にも、非対向領域に形成された複数の貫通孔は印刷媒体によって塞がれない。そのため、吸引機構が吸引動作を行うと、非対向領域に形成された複数の貫通孔を介して、支持部材の支持面側の空間から反対側の空間へと至る方向に空気が流動し、この空気の流動によって、印刷ヘッドからの発熱により温度が上昇した支持部材の支持面側の空気が反対側の空間へと排出される。従って、この印刷装置では、印刷ヘッドの温度上昇を有効に抑制することができる。
【０００９】
［適用例２］適用例１に記載の印刷装置であって、
前記対向領域を挟んだ２つの前記非対向領域の内の一方に前記複数の貫通孔が形成されており、他方の前記非対向領域には前記貫通孔は形成されていない、印刷装置。
【００１０】
この印刷装置では、印刷ヘッドが存在する支持部材の支持面側の空間において、貫通孔が形成されていない非対向領域から貫通孔が形成された非対向領域に向かう方向の空気の流動が発生する。そのため、この印刷装置では、この空気の流動により印刷ヘッドの温度上昇をノズル列方向全体にわたって偏り無く抑制することができる。
【００１１】
［適用例３］適用例２に記載の印刷装置であって、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、前記対向領域から遠い前記貫通孔ほど径が大きい、印刷装置。
【００１２】
この印刷装置では、貫通孔が形成されていない非対向領域から貫通孔が形成された非対向領域に向かう方向の空気の流動をより効率的に発生させることができ、印刷ヘッドの温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【００１３】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷ヘッドの温度上昇を抑制する方法および装置等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施例におけるプリンター２０の概略構成を示す説明図である。
【図２】プリンター２０における印刷ヘッド５０付近の構成をより詳細に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
Ａ．実施例：
Ｂ．変形例：
【００１６】
Ａ．実施例：
図１は、本発明の実施例におけるプリンター（印刷装置）２０の概略構成を示す説明図である。本実施例のプリンター２０は、インクを吐出することによって印刷媒体としての用紙Ｐ上にインクドットを形成し、これにより、図示しないホストコンピューターから供給された印刷データに応じた文字、図形、画像等を記録するインクジェットプリンターである。
【００１７】
プリンター２０は、所定の表面（以下、「支持面ＳＳ」とも呼ぶ、図２（ａ）参照）上に用紙Ｐを支持するプラテン８０と、用紙Ｐをプラテン８０の支持面ＳＳ上で所定の方向（以下、「紙送り方向」と呼ぶ）に搬送する搬送機構と、複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッド５０と、プリンター２０の各部を制御する制御ユニット３０と、を備えている。
【００１８】
用紙Ｐを搬送する搬送機構は、紙送りモーター７４を有している。紙送りモーター７４の回転は、ギヤトレイン（不図示）を介して用紙搬送ローラー（同）に伝達され、用紙搬送ローラーの回転により用紙Ｐは紙送り方向に沿って搬送される。
【００１９】
プリンター２０には、それぞれ所定の色（例えば、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、ブラック（Ｋ））のインクが収容された複数のインクカートリッジ４２が搭載されている。インクカートリッジ４２に収容されたインクは、インク流路７２を介して印刷ヘッド５０に供給される。
【００２０】
図２は、プリンター２０における印刷ヘッド５０付近の構成をより詳細に示す説明図である。図２（ａ）には、紙送り方向に直交する方向（以下、「ノズル列方向」と呼ぶ）から見た印刷ヘッド５０付近の構成を示しており、図２（ｂ）には、プラテン８０の支持面ＳＳ側から見た印刷ヘッド５０付近の構成を示している。
【００２１】
印刷ヘッド５０は、プラテン８０の支持面ＳＳに対向するノズル形成面ＮＳに形成された複数のノズル５３を有している。複数のノズル５３は、各インク色用のノズル列を構成する。各ノズル列は、ノズル列方向に沿って、プリンター２０が対応可能な用紙Ｐの内の最大幅を有する最大用紙Ｐｗの全幅にわたって、並んで配置された複数のノズル５３により構成される。このように、本実施例のプリンター２０は、印刷ヘッド５０の主走査を伴わずに印刷を行ういわゆるラインヘッド型インクジェットプリンターである。なお、各ノズル列を構成する複数のノズル５３は、ノズル列方向に沿って一直線上に並んで配置されている必要はなく、例えばノズル列方向に沿って千鳥状に並んで配置されているとしてもよい。また、ノズル列方向は、紙送り方向に交差する方向であれば、必ずしも紙送り方向に直交する方向でなくてよい。図２（ｂ）には、１つのインク色についてのノズル列のみを図示しており、他のインク色のノズル列の図示を省略している。
【００２２】
印刷ヘッド５０は、各ノズル５３からインクを吐出するための図示しない機構、例えばノズルアクチュエーター（本実施例ではピエゾ素子）やノズルアクチュエーターを駆動する駆動回路を有している。ノズルアクチュエーターが駆動回路により駆動されると、ノズル５３に連通するキャビティー（圧力室）内の振動板が変位してキャビティー内に圧力変化を生じさせ、その圧力変化によって対応するノズル５３からインクが吐出される。
【００２３】
制御ユニット３０（図１）は、各種演算処理を実行するＣＰＵ３１と、プログラムやデータを一時的に格納・展開するＲＡＭ３８と、ＣＰＵ３１が実行するプログラム等を格納するＲＯＭ３７と、印刷ヘッド５０を駆動するヘッド駆動回路３３と、を含んでいる。ＣＰＵ３１は、ＲＯＭ３７に記憶されたプログラムをＲＡＭ３８に展開して実行することにより、紙送りモーター７４等の動作を制御して、用紙Ｐの搬送動作等を実行させる。また、ヘッド駆動回路３３は、印刷データに基づき印刷ヘッド５０を制御して、印刷ヘッド５０に形成された複数のノズル５３からインクを吐出させる。これらの制御により、用紙Ｐ上の適切な位置にインクドットが形成され、用紙Ｐ上に文字や図形、画像が記録される。なお、ＣＰＵ３１が実現する機能の少なくとも一部は、制御ユニット３０が備える電気回路がその回路構成に基づいて動作することによって実現されてもよい。
【００２４】
図２（ａ）および図２（ｂ）に示すように、プラテン８０は、支持面ＳＳに連通する複数の貫通孔８２を有している。複数の貫通孔８２は、プラテン８０の支持面ＳＳ側の空間とプラテン８０を挟んだ反対側の空間とを連通している。また、プリンター２０は、当該反対側の空間に配置され、複数の貫通孔８２を介してプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気を吸引する吸引機構としてのファン７６を備えている。本実施例のプリンター２０では、３つのファン７６が、印刷ヘッド５０のノズル形成面ＮＳに対向する位置に、ノズル列方向に沿って並んで配置されている。
【００２５】
制御ユニット３０によってファン７６が駆動されると、複数の貫通孔８２を介してプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気が吸引されるため、用紙Ｐはプラテン８０の支持面ＳＳ上に吸着される。用紙Ｐは、プラテン８０の支持面ＳＳに吸着された状態で、搬送機構によってプラテン８０上を紙送り方向に搬送される。そのため、印刷ヘッド５０による用紙Ｐへのインク吐出の際の用紙Ｐの浮き上がりを防止することができ、印刷精度の低下が抑制される。
【００２６】
図２（ｂ）には、プリンター２０が対応可能な用紙Ｐの内の最大幅を有する最大用紙Ｐｗが搬送される位置を破線で示している。本明細書では、プラテン８０上の領域の内、搬送される最大用紙Ｐｗが対向する領域を「対向領域Ｒｃ」と呼ぶ。また、ノズル列方向に沿って対向領域Ｒｃの両側に位置し、搬送される最大用紙Ｐｗが対向しない（すなわち、いずれの用紙Ｐも対向することのない）領域を「非対向領域Ｒｐ（Ｒｐ１およびＲｐ２）」と呼ぶ。最大用紙Ｐｗより幅の小さい用紙Ｐを使用する際には、対向領域Ｒｃの内の一部（中央付近の領域）のみが用紙Ｐに対向し、残りの一部（縁部付近の領域）は用紙Ｐに対向しない。
【００２７】
図２（ｂ）に示すように、本実施例のプリンター２０では、貫通孔８２は、プラテン８０上の対向領域Ｒｃと非対向領域Ｒｐとの両方に形成されている。より具体的には、貫通孔８２は、対向領域Ｒｃと、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内の一方（Ｒｐ１）とに形成され、他方の非対向領域Ｒｐ（Ｒｐ２）には形成されていない。
【００２８】
対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２（以下、「第１の貫通孔８２ｓ」とも呼ぶ）の径はすべて略均一である。一方、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２は、径の互いに異なる複数の貫通孔８２（対向領域Ｒｃに比較的近い位置に配置された複数の第２の貫通孔８２ｍおよび対向領域Ｒｃから比較的遠い位置に配置された複数の第３の貫通孔８２ｌ）を含んでいる。非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２（第２の貫通孔８２ｍおよび第３の貫通孔８２ｌ）は、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２（第１の貫通孔８２ｓ）より径が大きい。また、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２の内、対向領域Ｒｃから遠い第３の貫通孔８２ｌは、対向領域Ｒｃに近い第２の貫通孔８２ｍより径が大きい。すなわち、本実施例では、非対向領域Ｒｐに形成された複数の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きい。
【００２９】
以上説明したように、本実施例のプリンター２０では、プラテン８０上の対向領域Ｒｃだけでなく非対向領域Ｒｐにも貫通孔８２が形成されているため、最大用紙Ｐｗを使用して印刷を行う場合にも、非対向領域Ｒｐに形成された貫通孔８２（第２の貫通孔８２ｍおよび第３の貫通孔８２ｌ）は用紙Ｐによって塞がれない。そのため、最大用紙Ｐｗを使用して印刷を行う場合にも、ファン７６が駆動されると、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２を介して、プラテン８０の支持面ＳＳ側の空間（すなわち、印刷ヘッド５０が存在する空間）からプラテン８０の反対側の空間へと至る方向に空気が流動する。プリンター２０の印刷動作時には、ノズルアクチュエーターや駆動回路からの発熱によって印刷ヘッド５０の温度が上昇するが、上述した空気の流動によって、印刷ヘッド５０からの発熱により温度が上昇したプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気がプラテン８０の反対側の空間へと排出されるため、印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。また、最大用紙Ｐｗより幅の小さい用紙Ｐを使用して印刷を行う場合には、非対向領域Ｒｐに形成された貫通孔８２に加えて、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２の一部を介しても、上記のように空気が流動し、やはり、印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。このように、本実施例のプリンター２０では、使用する用紙Ｐの幅に関わらず、ファン７６により発生する空気の流動によって印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。
【００３０】
また、本実施例のプリンター２０では、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内、一方の非対向領域Ｒｐ１には貫通孔８２が形成されているが、他方の非対向領域Ｒｐ２には貫通孔８２は形成されていないため、印刷ヘッド５０が存在するプラテン８０の支持面ＳＳ側の空間において、貫通孔８２が形成されていない非対向領域Ｒｐ２から貫通孔８２が形成された非対向領域Ｒｐ１に向かう方向（すなわちノズル列方向）の空気の流動が発生する。そのため、この空気の流動により、印刷ヘッド５０の温度上昇をノズル列方向全体にわたって偏り無く抑制することができる。
【００３１】
また、本実施例のプリンター２０では、非対向領域Ｒｐ１に形成された複数の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きくなっている。そのため、上述したノズル列方向の空気流動をより効率的に発生させることができ、印刷ヘッド５０の温度上昇をより効率的に抑制することができる。なお、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２の径はすべて略均一であるため、用紙Ｐをプラテン８０に吸着させる力は用紙Ｐの面方向に沿って略均等に働き、用紙Ｐ全体にわたって用紙Ｐの浮き上がりを良好に防止することができる。
【００３２】
Ｂ．変形例：
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【００３３】
上記実施例におけるプリンター２０の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、ノズルアクチュエーターとしてピエゾ素子（圧電素子）を用いているが、ピエゾ素子の代わりに、磁歪素子等の他の素子や、インク通路に配置した発熱素子（ヒーター）によりインク通路内に発生する気泡を用いてインクを吐出する機構といった他のアクチュエーターを用いるとしてもよい。また、プリンター２０を構成する各部材の材料は、上記実施例において述べた機能や性能を奏する限りにおいて、他の種々の材料に変更可能である。
【００３４】
また、上記実施例では、プラテン８０の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内の一方（非対向領域Ｒｐ１）に形成され、他方の非対向領域Ｒｐ（非対向領域Ｒｐ２）には形成されていないとしているが、両方の非対向領域Ｒｐに貫通孔８２が形成されているとしてもよい。また、上記実施例では、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きくなっているが、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２が径の互いに異なる複数の貫通孔８２を含んでいれば、必ずしもこのような径の大小関係でなくても、印刷ヘッド５０が存在するプラテン８０の支持面ＳＳ側の空間における空気の流動を発生させることができ、印刷ヘッド５０の温度上昇をノズル列方向全体にわたって抑制することができる。
【００３５】
また、上記実施例では、プリンター２０は、複数色のインクで印刷を行うカラープリンターであるとしているが、本発明は、単色インクで印刷を行うモノクロプリンターにも適用可能である。また、上記実施例では、プリンター２０は、ホストコンピューターから印刷データを受信して印刷処理を行うとしているが、これに代えて、プリンター２０は、例えば、メモリーカードから取得した画像データや所定のインターフェイスを介してデジタルカメラから取得した画像データ、スキャナーによって取得した画像データ等に基づき印刷データを生成して印刷処理を行うものとしてもよい。
【００３６】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【００３７】
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア（コンピュータープログラム）は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやＣＤ−ＲＯＭのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のＲＡＭやＲＯＭ等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【００３８】
２０…プリンター
３０…制御ユニット
３１…ＣＰＵ
３３…ヘッド駆動回路
３７…ＲＯＭ
３８…ＲＡＭ
４２…インクカートリッジ
５０…印刷ヘッド
５３…ノズル
７２…インク流路
７４…紙送りモーター
７６…ファン
８０…プラテン
８２…貫通孔
Ｐ…用紙
ＳＳ…支持面
ＮＳ…ノズル形成面
Ｒｃ…対向領域
Ｒｐ…非対向領域
【技術分野】
【０００１】
本発明は、印刷装置に関し、特に、インクを吐出して印刷媒体上に文字や図形、画像を記録する印刷装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
印刷ヘッドに形成された複数のノズルからインクを吐出して印刷媒体上に文字や図形、画像を記録するインクジェットプリンターが広く普及している。このようなインクジェットプリンターでは、印刷ヘッドの各ノズルに対応して設けられたノズルアクチュエーター（ピエゾ素子やヒーター等）が駆動回路によって駆動されることにより、所定のタイミングで所定量のインクがノズルから吐出される（例えば、特許文献１ないし４参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−１６０８９５号公報
【特許文献２】特開２００７−９０８３５号公報
【特許文献３】特開２００５−１７００５０号公報
【特許文献４】実開昭６２−５９４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
インクジェットプリンターによる印刷動作時には、ノズルアクチュエーターや駆動回路等からの発熱によって印刷ヘッドの温度が上昇する。印刷ヘッドの温度が過度に上昇すると、ノズルアクチュエーターや駆動回路等に不具合が発生したり、ノズルアクチュエーターを駆動するための駆動波形が不正確となって適切な量のインクが吐出されなかったりするおそれがある。そのため、印刷ヘッドの過度の温度上昇を防止するために、一定時間あるいは一定量の印刷動作後に、印刷動作を休止したり印刷速度を低下させたりする対応が必要となる場合があり、利便性の低下を招いている。特に、印刷速度や印刷解像度が向上すると共に印刷ヘッドの高密度化が進んだ近年では、印刷ヘッドの温度上昇抑制は大きな課題となっている。
【０００５】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、印刷ヘッドの温度上昇を有効に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【０００７】
［適用例１］印刷装置であって、
印刷媒体を支持すると共に、印刷媒体を支持する表面である支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、
前記複数の貫通孔を介して前記支持部材の前記支持面側の空気を吸引する吸引機構と、
印刷媒体を前記支持部材の前記支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、
前記支持部材の前記支持面に対向するノズル形成面に前記送り方向に交差するノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備え、
前記複数の貫通孔は、前記支持部材上の領域の内、前記印刷装置の対応印刷媒体の内の前記ノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、前記最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されており、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の前記貫通孔を含む、印刷装置。
【０００８】
この印刷装置では、支持部材上の対向領域だけでなく非対向領域にも複数の貫通孔が形成されているため、最大印刷媒体を使用して印刷を行う場合にも、非対向領域に形成された複数の貫通孔は印刷媒体によって塞がれない。そのため、吸引機構が吸引動作を行うと、非対向領域に形成された複数の貫通孔を介して、支持部材の支持面側の空間から反対側の空間へと至る方向に空気が流動し、この空気の流動によって、印刷ヘッドからの発熱により温度が上昇した支持部材の支持面側の空気が反対側の空間へと排出される。従って、この印刷装置では、印刷ヘッドの温度上昇を有効に抑制することができる。
【０００９】
［適用例２］適用例１に記載の印刷装置であって、
前記対向領域を挟んだ２つの前記非対向領域の内の一方に前記複数の貫通孔が形成されており、他方の前記非対向領域には前記貫通孔は形成されていない、印刷装置。
【００１０】
この印刷装置では、印刷ヘッドが存在する支持部材の支持面側の空間において、貫通孔が形成されていない非対向領域から貫通孔が形成された非対向領域に向かう方向の空気の流動が発生する。そのため、この印刷装置では、この空気の流動により印刷ヘッドの温度上昇をノズル列方向全体にわたって偏り無く抑制することができる。
【００１１】
［適用例３］適用例２に記載の印刷装置であって、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、前記対向領域から遠い前記貫通孔ほど径が大きい、印刷装置。
【００１２】
この印刷装置では、貫通孔が形成されていない非対向領域から貫通孔が形成された非対向領域に向かう方向の空気の流動をより効率的に発生させることができ、印刷ヘッドの温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【００１３】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷ヘッドの温度上昇を抑制する方法および装置等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施例におけるプリンター２０の概略構成を示す説明図である。
【図２】プリンター２０における印刷ヘッド５０付近の構成をより詳細に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
Ａ．実施例：
Ｂ．変形例：
【００１６】
Ａ．実施例：
図１は、本発明の実施例におけるプリンター（印刷装置）２０の概略構成を示す説明図である。本実施例のプリンター２０は、インクを吐出することによって印刷媒体としての用紙Ｐ上にインクドットを形成し、これにより、図示しないホストコンピューターから供給された印刷データに応じた文字、図形、画像等を記録するインクジェットプリンターである。
【００１７】
プリンター２０は、所定の表面（以下、「支持面ＳＳ」とも呼ぶ、図２（ａ）参照）上に用紙Ｐを支持するプラテン８０と、用紙Ｐをプラテン８０の支持面ＳＳ上で所定の方向（以下、「紙送り方向」と呼ぶ）に搬送する搬送機構と、複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッド５０と、プリンター２０の各部を制御する制御ユニット３０と、を備えている。
【００１８】
用紙Ｐを搬送する搬送機構は、紙送りモーター７４を有している。紙送りモーター７４の回転は、ギヤトレイン（不図示）を介して用紙搬送ローラー（同）に伝達され、用紙搬送ローラーの回転により用紙Ｐは紙送り方向に沿って搬送される。
【００１９】
プリンター２０には、それぞれ所定の色（例えば、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、ブラック（Ｋ））のインクが収容された複数のインクカートリッジ４２が搭載されている。インクカートリッジ４２に収容されたインクは、インク流路７２を介して印刷ヘッド５０に供給される。
【００２０】
図２は、プリンター２０における印刷ヘッド５０付近の構成をより詳細に示す説明図である。図２（ａ）には、紙送り方向に直交する方向（以下、「ノズル列方向」と呼ぶ）から見た印刷ヘッド５０付近の構成を示しており、図２（ｂ）には、プラテン８０の支持面ＳＳ側から見た印刷ヘッド５０付近の構成を示している。
【００２１】
印刷ヘッド５０は、プラテン８０の支持面ＳＳに対向するノズル形成面ＮＳに形成された複数のノズル５３を有している。複数のノズル５３は、各インク色用のノズル列を構成する。各ノズル列は、ノズル列方向に沿って、プリンター２０が対応可能な用紙Ｐの内の最大幅を有する最大用紙Ｐｗの全幅にわたって、並んで配置された複数のノズル５３により構成される。このように、本実施例のプリンター２０は、印刷ヘッド５０の主走査を伴わずに印刷を行ういわゆるラインヘッド型インクジェットプリンターである。なお、各ノズル列を構成する複数のノズル５３は、ノズル列方向に沿って一直線上に並んで配置されている必要はなく、例えばノズル列方向に沿って千鳥状に並んで配置されているとしてもよい。また、ノズル列方向は、紙送り方向に交差する方向であれば、必ずしも紙送り方向に直交する方向でなくてよい。図２（ｂ）には、１つのインク色についてのノズル列のみを図示しており、他のインク色のノズル列の図示を省略している。
【００２２】
印刷ヘッド５０は、各ノズル５３からインクを吐出するための図示しない機構、例えばノズルアクチュエーター（本実施例ではピエゾ素子）やノズルアクチュエーターを駆動する駆動回路を有している。ノズルアクチュエーターが駆動回路により駆動されると、ノズル５３に連通するキャビティー（圧力室）内の振動板が変位してキャビティー内に圧力変化を生じさせ、その圧力変化によって対応するノズル５３からインクが吐出される。
【００２３】
制御ユニット３０（図１）は、各種演算処理を実行するＣＰＵ３１と、プログラムやデータを一時的に格納・展開するＲＡＭ３８と、ＣＰＵ３１が実行するプログラム等を格納するＲＯＭ３７と、印刷ヘッド５０を駆動するヘッド駆動回路３３と、を含んでいる。ＣＰＵ３１は、ＲＯＭ３７に記憶されたプログラムをＲＡＭ３８に展開して実行することにより、紙送りモーター７４等の動作を制御して、用紙Ｐの搬送動作等を実行させる。また、ヘッド駆動回路３３は、印刷データに基づき印刷ヘッド５０を制御して、印刷ヘッド５０に形成された複数のノズル５３からインクを吐出させる。これらの制御により、用紙Ｐ上の適切な位置にインクドットが形成され、用紙Ｐ上に文字や図形、画像が記録される。なお、ＣＰＵ３１が実現する機能の少なくとも一部は、制御ユニット３０が備える電気回路がその回路構成に基づいて動作することによって実現されてもよい。
【００２４】
図２（ａ）および図２（ｂ）に示すように、プラテン８０は、支持面ＳＳに連通する複数の貫通孔８２を有している。複数の貫通孔８２は、プラテン８０の支持面ＳＳ側の空間とプラテン８０を挟んだ反対側の空間とを連通している。また、プリンター２０は、当該反対側の空間に配置され、複数の貫通孔８２を介してプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気を吸引する吸引機構としてのファン７６を備えている。本実施例のプリンター２０では、３つのファン７６が、印刷ヘッド５０のノズル形成面ＮＳに対向する位置に、ノズル列方向に沿って並んで配置されている。
【００２５】
制御ユニット３０によってファン７６が駆動されると、複数の貫通孔８２を介してプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気が吸引されるため、用紙Ｐはプラテン８０の支持面ＳＳ上に吸着される。用紙Ｐは、プラテン８０の支持面ＳＳに吸着された状態で、搬送機構によってプラテン８０上を紙送り方向に搬送される。そのため、印刷ヘッド５０による用紙Ｐへのインク吐出の際の用紙Ｐの浮き上がりを防止することができ、印刷精度の低下が抑制される。
【００２６】
図２（ｂ）には、プリンター２０が対応可能な用紙Ｐの内の最大幅を有する最大用紙Ｐｗが搬送される位置を破線で示している。本明細書では、プラテン８０上の領域の内、搬送される最大用紙Ｐｗが対向する領域を「対向領域Ｒｃ」と呼ぶ。また、ノズル列方向に沿って対向領域Ｒｃの両側に位置し、搬送される最大用紙Ｐｗが対向しない（すなわち、いずれの用紙Ｐも対向することのない）領域を「非対向領域Ｒｐ（Ｒｐ１およびＲｐ２）」と呼ぶ。最大用紙Ｐｗより幅の小さい用紙Ｐを使用する際には、対向領域Ｒｃの内の一部（中央付近の領域）のみが用紙Ｐに対向し、残りの一部（縁部付近の領域）は用紙Ｐに対向しない。
【００２７】
図２（ｂ）に示すように、本実施例のプリンター２０では、貫通孔８２は、プラテン８０上の対向領域Ｒｃと非対向領域Ｒｐとの両方に形成されている。より具体的には、貫通孔８２は、対向領域Ｒｃと、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内の一方（Ｒｐ１）とに形成され、他方の非対向領域Ｒｐ（Ｒｐ２）には形成されていない。
【００２８】
対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２（以下、「第１の貫通孔８２ｓ」とも呼ぶ）の径はすべて略均一である。一方、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２は、径の互いに異なる複数の貫通孔８２（対向領域Ｒｃに比較的近い位置に配置された複数の第２の貫通孔８２ｍおよび対向領域Ｒｃから比較的遠い位置に配置された複数の第３の貫通孔８２ｌ）を含んでいる。非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２（第２の貫通孔８２ｍおよび第３の貫通孔８２ｌ）は、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２（第１の貫通孔８２ｓ）より径が大きい。また、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２の内、対向領域Ｒｃから遠い第３の貫通孔８２ｌは、対向領域Ｒｃに近い第２の貫通孔８２ｍより径が大きい。すなわち、本実施例では、非対向領域Ｒｐに形成された複数の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きい。
【００２９】
以上説明したように、本実施例のプリンター２０では、プラテン８０上の対向領域Ｒｃだけでなく非対向領域Ｒｐにも貫通孔８２が形成されているため、最大用紙Ｐｗを使用して印刷を行う場合にも、非対向領域Ｒｐに形成された貫通孔８２（第２の貫通孔８２ｍおよび第３の貫通孔８２ｌ）は用紙Ｐによって塞がれない。そのため、最大用紙Ｐｗを使用して印刷を行う場合にも、ファン７６が駆動されると、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２を介して、プラテン８０の支持面ＳＳ側の空間（すなわち、印刷ヘッド５０が存在する空間）からプラテン８０の反対側の空間へと至る方向に空気が流動する。プリンター２０の印刷動作時には、ノズルアクチュエーターや駆動回路からの発熱によって印刷ヘッド５０の温度が上昇するが、上述した空気の流動によって、印刷ヘッド５０からの発熱により温度が上昇したプラテン８０の支持面ＳＳ側の空気がプラテン８０の反対側の空間へと排出されるため、印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。また、最大用紙Ｐｗより幅の小さい用紙Ｐを使用して印刷を行う場合には、非対向領域Ｒｐに形成された貫通孔８２に加えて、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２の一部を介しても、上記のように空気が流動し、やはり、印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。このように、本実施例のプリンター２０では、使用する用紙Ｐの幅に関わらず、ファン７６により発生する空気の流動によって印刷ヘッド５０の温度上昇を抑制することができる。
【００３０】
また、本実施例のプリンター２０では、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内、一方の非対向領域Ｒｐ１には貫通孔８２が形成されているが、他方の非対向領域Ｒｐ２には貫通孔８２は形成されていないため、印刷ヘッド５０が存在するプラテン８０の支持面ＳＳ側の空間において、貫通孔８２が形成されていない非対向領域Ｒｐ２から貫通孔８２が形成された非対向領域Ｒｐ１に向かう方向（すなわちノズル列方向）の空気の流動が発生する。そのため、この空気の流動により、印刷ヘッド５０の温度上昇をノズル列方向全体にわたって偏り無く抑制することができる。
【００３１】
また、本実施例のプリンター２０では、非対向領域Ｒｐ１に形成された複数の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きくなっている。そのため、上述したノズル列方向の空気流動をより効率的に発生させることができ、印刷ヘッド５０の温度上昇をより効率的に抑制することができる。なお、対向領域Ｒｃに形成された貫通孔８２の径はすべて略均一であるため、用紙Ｐをプラテン８０に吸着させる力は用紙Ｐの面方向に沿って略均等に働き、用紙Ｐ全体にわたって用紙Ｐの浮き上がりを良好に防止することができる。
【００３２】
Ｂ．変形例：
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【００３３】
上記実施例におけるプリンター２０の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、ノズルアクチュエーターとしてピエゾ素子（圧電素子）を用いているが、ピエゾ素子の代わりに、磁歪素子等の他の素子や、インク通路に配置した発熱素子（ヒーター）によりインク通路内に発生する気泡を用いてインクを吐出する機構といった他のアクチュエーターを用いるとしてもよい。また、プリンター２０を構成する各部材の材料は、上記実施例において述べた機能や性能を奏する限りにおいて、他の種々の材料に変更可能である。
【００３４】
また、上記実施例では、プラテン８０の貫通孔８２は、対向領域Ｒｃを挟んだ２つの非対向領域Ｒｐの内の一方（非対向領域Ｒｐ１）に形成され、他方の非対向領域Ｒｐ（非対向領域Ｒｐ２）には形成されていないとしているが、両方の非対向領域Ｒｐに貫通孔８２が形成されているとしてもよい。また、上記実施例では、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２は、対向領域Ｒｃから遠い貫通孔８２ほど径が大きくなっているが、非対向領域Ｒｐ１に形成された貫通孔８２が径の互いに異なる複数の貫通孔８２を含んでいれば、必ずしもこのような径の大小関係でなくても、印刷ヘッド５０が存在するプラテン８０の支持面ＳＳ側の空間における空気の流動を発生させることができ、印刷ヘッド５０の温度上昇をノズル列方向全体にわたって抑制することができる。
【００３５】
また、上記実施例では、プリンター２０は、複数色のインクで印刷を行うカラープリンターであるとしているが、本発明は、単色インクで印刷を行うモノクロプリンターにも適用可能である。また、上記実施例では、プリンター２０は、ホストコンピューターから印刷データを受信して印刷処理を行うとしているが、これに代えて、プリンター２０は、例えば、メモリーカードから取得した画像データや所定のインターフェイスを介してデジタルカメラから取得した画像データ、スキャナーによって取得した画像データ等に基づき印刷データを生成して印刷処理を行うものとしてもよい。
【００３６】
また、上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【００３７】
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア（コンピュータープログラム）は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやＣＤ−ＲＯＭのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のＲＡＭやＲＯＭ等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【００３８】
２０…プリンター
３０…制御ユニット
３１…ＣＰＵ
３３…ヘッド駆動回路
３７…ＲＯＭ
３８…ＲＡＭ
４２…インクカートリッジ
５０…印刷ヘッド
５３…ノズル
７２…インク流路
７４…紙送りモーター
７６…ファン
８０…プラテン
８２…貫通孔
Ｐ…用紙
ＳＳ…支持面
ＮＳ…ノズル形成面
Ｒｃ…対向領域
Ｒｐ…非対向領域
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷装置であって、
印刷媒体を支持すると共に、印刷媒体を支持する表面である支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、
前記複数の貫通孔を介して前記支持部材の前記支持面側の空気を吸引する吸引機構と、
印刷媒体を前記支持部材の前記支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、
前記支持部材の前記支持面に対向するノズル形成面に前記送り方向に交差するノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備え、
前記複数の貫通孔は、前記支持部材上の領域の内、前記印刷装置の対応印刷媒体の内の前記ノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、前記最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されており、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の前記貫通孔を含む、印刷装置。
【請求項２】
請求項１に記載の印刷装置であって、
前記対向領域を挟んだ２つの前記非対向領域の内の一方に前記複数の貫通孔が形成されており、他方の非対向領域には前記貫通孔は形成されていない、印刷装置。
【請求項３】
請求項２に記載の印刷装置であって、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、前記対向領域から遠い前記貫通孔ほど径が大きい、印刷装置。
【請求項１】
印刷装置であって、
印刷媒体を支持すると共に、印刷媒体を支持する表面である支持面に連通する複数の貫通孔を有する支持部材と、
前記複数の貫通孔を介して前記支持部材の前記支持面側の空気を吸引する吸引機構と、
印刷媒体を前記支持部材の前記支持面上で所定の送り方向に搬送する搬送機構と、
前記支持部材の前記支持面に対向するノズル形成面に前記送り方向に交差するノズル列方向に沿って並んで形成された複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、を備え、
前記複数の貫通孔は、前記支持部材上の領域の内、前記印刷装置の対応印刷媒体の内の前記ノズル列方向に沿った最大幅を有する最大印刷媒体が対向する対向領域と、前記最大印刷媒体が対向しない非対向領域と、の両方に形成されており、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、径が互いに異なる複数の前記貫通孔を含む、印刷装置。
【請求項２】
請求項１に記載の印刷装置であって、
前記対向領域を挟んだ２つの前記非対向領域の内の一方に前記複数の貫通孔が形成されており、他方の非対向領域には前記貫通孔は形成されていない、印刷装置。
【請求項３】
請求項２に記載の印刷装置であって、
前記非対向領域に形成された前記複数の貫通孔は、前記対向領域から遠い前記貫通孔ほど径が大きい、印刷装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１３−１０７３０５（Ｐ２０１３−１０７３０５Ａ）
【公開日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２５４７０８（Ｐ２０１１−２５４７０８）
【出願日】平成２３年１１月２２日（２０１１．１１．２２）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年６月６日（２０１３．６．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月２２日（２０１１．１１．２２）
【出願人】（０００００２３６９）セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Ｆターム（参考）】
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