説明

印刷開示範囲制御方法、印刷システム、印刷管理サーバ、および印刷装置

【課題】 少ない管理情報で、印刷開示範囲を制御すること。
【解決手段】 文書の印刷開示範囲を制御する方法は、文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込み、文書を印刷しようとする特定のユーザの識別情報を受け取り、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書の印刷開示範囲を制御する印刷開示範囲制御方法、印刷システム、コンピュータ端末、印刷管理サーバ、印刷装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複合機などの印刷出力装置への印刷において、セキュリティ確保の観点から印刷要求した者のみが印刷を行うことを担保する技術は、従来から種々提案されている。
【0003】
特に、印刷要求した者以外の第三者が印刷物を受け取ることを想定した印刷制御方法として、特許文献1は、印刷ジョブに印刷開示権限リストを付加する方式を提案している。すなわち、特許文献1は、印刷ジョブの付加情報として印刷可能な第三者またはグループの識別情報を付与し、指定された第三者またはグループに属する第三者のみ印刷ジョブを印刷することを可能とする方法を提案している。
【0004】
また、特許文献2は、電子文書全体のみならず部分的な処理権限の設定を可能した電子文書処理装置を開示している。特許文献2では、電子文書を複数のオブジェクトに分割し、各ユーザ若しくはユーザグループ毎に当該オブジェクトに対する処理権限(例えば、印刷不可、印刷可)を設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−071196号公報
【特許文献2】特開2007−304775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1および2には、それぞれ、以下に述べるような問題がある。
【0007】
特許文献1では、印刷ジョブ単位に印刷開示権限リストが付加されるため、第三者は印刷そのものができるか否かという制御しかできず、文書の例えば特定の章・節・ページのみを印刷不可とし、それ以外は印刷可能するなどの細やかな制御が困難である。
【0008】
特許文献2では、各ユーザ若しくはユーザグループ毎に当該オブジェクトに対する処理権限を設定しているので、ユーザやユーザグループが多い場合には、多数の情報を記憶する必要がある。
【0009】
本発明の目的は、少ない管理情報で、文書の印刷開示範囲を制御することができる、印刷開示範囲制御方法、印刷システム、コンピュータ端末、印刷管理サーバ、印刷装置、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の印刷開示範囲制御方法は、文書の印刷開示範囲を制御する方法であって、文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込むステップと、文書を印刷しようとする特定のユーザの識別情報を受け取るステップと、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷するステップと、を含む。
【0011】
本発明の印刷システムは、コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷管理サーバの管理の下に印刷出力装置が印刷する印刷システムであって、コンピュータ端末は、作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして印刷管理サーバに送信する印刷ジョブ生成手段と、を含み、印刷管理サーバは、コンピュータ端末から送信されてきた印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、を含み、印刷出力装置は、特定のユーザを認証して、認証情報を送出する認証送出手段と、修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む。
【0012】
本発明のコンピュータ端末は、印刷ジョブを作成するコンピュータ端末であって、作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、記開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成手段と、を含む。
【0013】
本発明の印刷管理サーバは、印刷ジョブを管理する印刷管理サーバであって、作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、を含む。
【0014】
また、本発明の印刷システムは、コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷装置が印刷する印刷システムであって、コンピュータ端末は、作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして印刷装置に送信する印刷データ生成手段と、を含み、印刷装置は、コンピュータ端末から送信されてきた印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む。
【0015】
本発明の印刷装置は、印刷ジョブを印刷する印刷装置であって、作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む。
【0016】
本発明のプログラムは、印刷ジョブをコンピュータ端末に作成させるプログラムであって、コンピュータ端末に、作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成機能と、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成機能と、を実現させるためのものである。
【0017】
また、本発明のプログラムは、印刷ジョブを印刷管理サーバに管理させるプログラムであって、印刷管理サーバに、作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、を実現させるためのものである。
【0018】
さらに、本発明のプログラムは、印刷ジョブを印刷装置に印刷させるプログラムであって、印刷装置に、作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証機能と、認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、記憶装置から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、修正した印刷ジョブを印刷する印刷機能と、を実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る印刷開示範囲制御方法は、少ない管理情報で、文書の印刷開示範囲を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷開示範囲制御方法が適用される印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】文書の一例を示す図である。
【図3】図2に示した文書に、図1に示した印刷システムの印刷開示範囲設定手段によって印刷開示範囲と開示先とを指定した文書と、印刷開示可否との対応関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
【0022】
文書は一般的な構造として、テキストと画像の組み合わせで成り立っている。そこで、本発明の実施の形態では、この文書の構造に着目し、個々の画像および文書作成者が任意に挿入した区切りにより生成された文字列および画像の集合体(以下、「ブロック」と呼ぶ)単位に、特定のユーザやユーザグループへの印刷開示可否を指定し、その開示権限と印刷物を受け取るために印刷出力装置にて認証を行った者の識別情報との比較により、そのブロックを印刷してもよいか否かを制御する。これにより、印刷出力装置で認証を行った者に許可された開示権限の範囲内でのみ印刷がなされた文書を受け取らせることができる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態の特徴について説明する。
【0024】
本発明の実施の形態は、文書を構成するテキストや画像の集合体であるブロック単位に、印刷開示可否を指定することを特徴とし、第三者が印刷物を受け取る場合でも許可された開示権限の範囲のみ印刷された文書を受け取ることを可能とする、印刷開示範囲制御方法である。
【0025】
本発明の実施の形態は、文書の構造に対して付与される開示権限を、構造化された印刷データ中のオブジェクト(ブロック)に設定することで、印刷データを第三者が印刷する場合でも必要な構造のみをマスクした印刷物を提供できることを特徴とする印刷方法である。
【実施例1】
【0026】
次に、本発明の第1の実施例の構成について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1を参照すると、本発明の第1の実施例に係る印刷開示範囲制御方法が適用される印刷システムは、文書の印刷要求を行うためのコンピュータ端末1と、実際に印刷物4の印刷を行う印刷出力装置3と、印刷ジョブをスプールして印刷出力装置3からの要求に対して、印刷の管理を行う印刷管理サーバ2と、から構成されている。
【0028】
コンピュータ端末1は、アプリケーション(AP)11と、印刷ジョブ生成部12とを含む。アプリケーション(AP)11は、印刷開示範囲設定手段111と、印刷要求手段112とを含む。印刷ジョブ生成部12は、構造解析部121と、印刷データ生成部122とを含む。
【0029】
印刷管理サーバ2は、印刷ジョブ受付部21と、印刷管理部22と、印刷データ送信部23と、スプール(記憶装置)24と、認証受付部(認証情報受信部)25と、権限管理データベース(権限管理DB)26とを含む。
【0030】
印刷出力装置3は、印刷ジョブ受付部31と、印刷部32と、認証手段33と、認証情報送信部34とを含む。
【0031】
これらの手段は、それぞれ概略次のように動作する。
【0032】
文書作成者が、コンピュータ端末1でアプリケーション(AP)11を用いて文書を作成する。この際、文書作成者は、アプリケーション(AP)11の印刷開示範囲設定手段111を用いて、印刷開示範囲と開示先とを指定する。文書作成者は、このように印刷開示範囲と開示先とを指定した文書を、印刷要求手段112により印刷要求する。印刷要求手段112により発行された印刷要求は、印刷ジョブ生成部12に渡される。印刷ジョブ生成部12は、構造解析部121で構造解析を行い、印刷データ生成部122で印刷ジョブを生成して、その印刷ジョブを印刷管理サーバ2へ送る。
【0033】
印刷管理サーバ2では、印刷ジョブ受付部21が印刷ジョブを受け取ると、印刷管理部22でスループ(記憶装置)24にスプール(記憶)して、印刷出力装置3からの印刷ジョブ送信指示を待つ。
【0034】
印刷出力装置3では、認証手段33で印刷を許可するための認証を行うと、認証情報送信部34から印刷管理サーバ2へ、認証者の識別情報と印刷ジョブ情報とを送信する。
【0035】
印刷管理サーバ2において、この印刷ジョブ送信指示を受信した認証受付部(認証情報受信部)25は、権限管理DB26を参照して、当該識別情報が属するユーザグループ情報を印刷管理部22に渡す。印刷管理部22は、印刷すべきデータ中のブロック単位に、開示範囲指定とユーザグループ情報とを突き合わせる。印刷管理部22は、「開示可」であれば、当該ブロックをそのままとし、「開示不可」であれば、当該ブロックの内容を代替イメージに置き換えて、印刷データ送信部23を介して、印刷出力装置3に印刷ジョブを送る。
【0036】
印刷出力装置3は、印刷ジョブ受付部31で印刷ジョブを受け取り、印刷部32を介して印刷部4の印刷を行う。
【0037】
次に、本発明の第1の実施例の動作について詳細に説明する。
【0038】
図1のコンピュータ端末1に含まれるアプリケーション(AP)11を用いて文書を作成する際に、文書作成者は、印刷開示範囲設定手段111を用いて、「印刷開示範囲」と開示先の「ユーザまたはユーザグループ識別情報」とを指定する。
【0039】
ここで、「印刷開示範囲」は、章・節・段落といった文書の一般的な構造単位(以下、これを「ブロック」と呼ぶ)毎に指定することができる。そして、ブロック単位に、開示先の「ユーザまたはユーザグループ識別情報」を指定できるものとする。「ユーザまたはユーザグループ識別情報」は、名前、ID番号、暗号化された電子的識別情報などである。開示先の「ユーザまたはユーザグループ識別情報」は、開示先情報とも呼ばれる。
【0040】
換言すれば、アプリケーション(AP)11は、作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込みデータを作成する文書作成手段として動作する。
【0041】
一般的な文書では、図2のように、このブロックが入れ子構造をなしている。図2に示す例において、文書は、ブロック1とブロック2とから構成されている。ブロック1は、ブロック11とブロック12とから構成されている。ブロック11は、テキストと画像とを含む。ブロック12は、ブロック121を含む。ブロック121は、テキストと画像とを含む。
【0042】
一方、ブロック2は、ブロック21とブロック22とから構成されている。ブロック21はブロック211を含む。ブロック211はテキストを含む。ブロック22はブロック221を含む。ブロック221は、テキストと画像とを含む。
【0043】
図3は、図2に示した文書に、図1に示した印刷システムの印刷開示範囲設定手段111によって印刷開示範囲と開示先とを指定した文書と、印刷開示可否との対応関係を示す図である。
【0044】
図3に示す例において、文書には、開示先情報として”everyone”が指定されている。ブロック11には、開示先情報として“部門A”が指定されている。ブロック2には、開示先情報として“部門A,B”が指定されている。ブロック221には、開示先情報として“管理職”が指定されている。
【0045】
図3に示されるように、本実施例では、開示先情報を明に指定していないブロックについては、上位のブロックの開示先情報を既定値として引継ぐようにしている。開示先情報を明に指定したブロックは、指定された開示先情報を持つ。開示先情報は、文書の各ブロックの属性情報として保持される。例えば、XML(extensible markup language)形式の文書であれば、当該ブロックのタグ情報のプロパティ中に開示先情報を持つ形式となる。
【0046】
アプリケーション(AP)11の印刷開示範囲設定手段111にて印刷開示範囲設定と開示先とを設定した後、文書作成者は、印刷要求手段112により印刷要求を行う。印刷要求手段112を介して、開示先埋め込み文書データが印刷ジョブ生成部12に渡される。
【0047】
印刷ジョブ生成部12では、構造解析部121が開示先埋め込み文書データの構造を解析し、文書中のブロックを先頭から順にページ単位に配置していく。このとき、ブロックがページを跨ってしまう場合、構造解析部121は、ブロックを分割するか次ページに送るかをブロックの属性情報から判断する。ブロックを分割する場合、構造解析部121は、開示先情報も分割後のブロックにそれぞれ反映する。構造解析部121は、各ページへのブロック配置を確定し、印刷データ生成部122は、ページ単位の印刷データに変換して印刷ジョブを生成し、印刷ジョブを印刷管理サーバ2に送る。
【0048】
すなわち、印刷ジョブ生成部12は、開示先埋め込み文書データを印刷ジョブとして印刷管理サーバ2に送信する印刷ジョブ生成手段として働く。
【0049】
印刷管理サーバ2では、印刷ジョブ受付部21で印刷ジョブを受け取り、印刷管理部22においてスプール24にスプール管理する。すなわち、印刷ジョブ受付部21と印刷管理部22との組合せは、コンピュータ端末1から送信されてきた印刷ジョブを記憶装置(スプール)24に記憶する印刷ジョブ記憶手段(21,22)として働く。
【0050】
印刷者(すなわち、当該文書を印刷しようとする特定のユーザ)は、次のようにして、印刷出力装置3にて印刷ジョブを印刷して印刷物4を受け取る。
【0051】
まず、認証手段33において、印刷者(特定のユーザ)の認証を行う。この認証は、印刷出力装置3のパネルにおけるIDの入力、記録可能なICカードに認証情報を格納しておいてICカードをICカードリーダにかざす、指紋生体認証を使用する、などの公知の認証方法を用いてよい。認証手段33で認証を行った、印刷者(特定のユーザ)のユーザ識別情報と印刷ジョブ識別情報とを、認証情報として、認証情報送信部34を介して印刷管理サーバ2に送る。
【0052】
すなわち、認証手段33と認証情報送信部34との組合せは、特定のユーザを認証して、認証情報を送出する認証送出手段(33,34)として働く。
【0053】
印刷管理サーバ2では、認証受付部(認証情報受信部)25が印刷出力装置3からの認証情報を受け取り、権限管理DB26を参照して、当該識別情報の保持者が所属するユーザグループ識別情報を全て取り出し、ユーザ識別情報/ユーザグループ識別情報を印刷管理部22に渡す。ここでは、ユーザグループ識別情報を単に識別情報とも呼ぶ。
【0054】
詳述すると、権限管理DB26は、複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を予め格納している。そして、認証受付部25は、認証情報を受け取り、権限管理DB26を参照して、認証情報により認証された特定のユーザの属する全ての識別情報を取り出す。とにかく、認証受付部25と権限管理DB26との組合せは、文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段(25,26)として働く。
【0055】
印刷管理部22は、スプール(記憶装置)24から対象となる印刷ジョブを取り出し、各ブロックの開示先情報と認証受付部(認証情報受信部)25から渡されたユーザ識別情報/ユーザグループ識別情報(識別情報)とを比較する。ユーザ識別情報/ユーザグループ識別情報が開示先情報と一致する場合、印刷管理部22は、開示可能として当該ブロックの印刷データをそのまま採用する。一方、ユーザ識別情報/ユーザグループ識別情報が開示先情報と一致しない場合、印刷管理部22は、開示不可と判断して、印刷データを印刷する範囲に代替データとして「印刷不可」といったデータを埋め込む。印刷管理部22は、全てのブロックについて開示可否判断を行い、生成された印刷データを修正した印刷ジョブとして、印刷データ送信部23を介して印刷出力装置3に送信する。
【0056】
すなわち、印刷管理部22と印刷データ送信部23との組合せは、記憶装置(スプール)24から読み出した印刷ジョブに対して、識別情報が開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段(22,23)として働く。
【0057】
印刷出力装置3では、当該修正した印刷ジョブを印刷ジョブ受付部31が受け取って、それを印刷部32が印刷物4として印刷する。すなわち、印刷ジョブ受付部31と印刷部32との組合せは、修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段(31,32)として動作する。
【0058】
これにより、印刷物4においては、開示可能なブロックはそのまま印刷され、開示不可なブロックは「印刷不可」のようなマスクされた状態で印刷される。したがって、印刷者(特定のユーザ)の開示権限に応じた印刷物提供が可能となる。
【0059】
次に、本発明の第1の実施例の効果について説明する。
【0060】
第1の実施例の第1の効果は、印刷する文書において文書作成者が任意に指定するブロックの構造に対して、誰に開示可能とするかを指定することで、ブロック単位の印刷開示制御を可能としたことである。
【0061】
また、第1の実施例の第2の効果は、開示先情報を文書データに埋め込んでおくだけで、当該ブロックの内容を変更する必要がないため、開示先に応じて文書データを複数用意する必要がなく、文書作成者の負担も軽減することができることである。
【0062】
さらに、第1の実施例の第3の効果は、文書データを複数のブロックに区切り、ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んでいるので、管理情報を少なくできることである。
【実施例2】
【0063】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0064】
上述した第1の実施例では、文書中のブロックのプロパティ情報として開示先情報を埋め込み、印刷ジョブに開示先情報が含まれる方法を取っている。
【0065】
これに対して、第2の実施例では、文書データとは別にメタ情報として文書構造を保持する方式を採用する。具体的には、文書データの文書構造と開示先情報とをメタ情報として別ファイル(メタ情報ファイル)に格納し、文書データとともに保管しておく。スプール24(図1参照)には文書データから生成される印刷データのみが格納され、印刷する際に保管しておいたメタ情報を参照して開示先情報を取得し、開示可否を判断する。
【0066】
このような構成の第2の実施例でも、上述した第1の実施例と同様の特徴や効果を奏する。
【実施例3】
【0067】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
【0068】
第3の実施例では、印刷出力装置にCPU、メモリ、HDDなどを備えて、印刷管理サーバの役割を印刷出力装置に担わせている。印刷管理サーバの役割は、印刷ジョブのスプールと、開示先情報と認証情報とを比較しての開示可否判断であるので、第3の実施例では、これらの役割を印刷出力装置に備えるようにしている。
【0069】
換言すれば、第3の実施定では、図1に示した印刷管理サーバ2と印刷出力装置3と組み合せたものを、一台の印刷装置として構成している。その場合、その印刷装置は、図1の印刷管理サーバ2および印刷出力装置3の構成要素から、認証情報送信部34、印刷データ送信部23、および印刷ジョブ受付部31が省略された装置である。
【0070】
このような構成の第3の実施例でも、上述した第1の実施例と同等の効果を奏する。
【0071】
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0072】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0073】
(付記1) 文書の印刷開示範囲を制御する方法であって、
前記文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込むステップと、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの識別情報を受け取るステップと、
前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷するステップと、
を含む印刷開示範囲制御方法。
【0074】
(付記2) 前記複数のブロックは入れ子構造をなしており、
前記開示先情報を明に指定していないブロックについては、当該ブロックの上位のブロックに埋め込まれた開示先情報を規定値として引き継ぐステップを更に有する、付記1に記載の印刷開示範囲制御方法。
【0075】
(付記3) 前記開示先情報を埋め込むステップの代わりに、前記文書データの文書構造と前記開示先情報とをメタ情報としてメタ情報ファイルに格納するステップを含む、付記1又は2に記載の印刷開示範囲制御方法。
【0076】
(付記4) コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷管理サーバの管理の下に印刷出力装置が印刷する印刷システムにおいて、
前記コンピュータ端末は、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして前記印刷管理サーバに送信する印刷ジョブ生成手段と、を含み、
前記印刷管理サーバは、
前記コンピュータ端末から送信されてきた前記印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、を含み、
前記印刷出力装置は、
前記特定のユーザを認証して、前記認証情報を送出する認証送出手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む
印刷システム。
【0077】
(付記5) 前記ユーザ識別情報取得手段は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を格納する権限管理データベースと、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す認証受付部と、
を含む付記4に記載の印刷システム。
【0078】
(付記6) 前記印刷データ修正手段は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理部と、
該印刷管理部で修正した印刷ジョブを、前記印刷出力装置へ送信する印刷データ送信部と、
を含む付記4又は5に記載の印刷システム。
【0079】
(付記7) 前記認証送出手段は、
前記特定のユーザの認証を行う認証手段と、
該認証手段で認証された前記認証情報を前記印刷管理サーバへ送信する認証情報送信部と、
を含む付記4乃至6のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0080】
(付記8) 前記印刷手段は、
前記修正した印刷ジョブを受け取る印刷ジョブ受付部と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷部と、
を含む付記4乃至7のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0081】
(付記9) 印刷ジョブを作成するコンピュータ端末であって、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成手段と、
を含むコンピュータ端末。
【0082】
(付記10) 前記複数のブロックは入れ子構造をなしており、
前記開示先情報を明に指定していないブロックについては、当該ブロックの上位のブロックに埋め込まれた開示先情報が規定値として引き継がれる、付記9に記載のコンピュータ端末。
【0083】
(付記11) 前記文書作成手段は、前記開示先埋め込み文書データを作成する代わりに、前記文書データの文書構造と前記開示先情報とをメタ情報としてメタ情報ファイルに格納する、付記又は10に記載のコンピュータ端末。
【0084】
(付記12) 印刷ジョブを管理する印刷管理サーバであって、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
を含む印刷管理サーバ。
【0085】
(付記13) 前記ユーザ識別情報取得手段は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を格納する権限管理データベースと、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す認証受付部と、
を含む付記12に記載の印刷管理サーバ。
【0086】
(付記14) 前記印刷データ修正手段は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理部と、
該印刷管理部で修正した印刷ジョブを、印刷出力装置へ送信する印刷データ送信部と、
を含む付記12又は13に記載の印刷管理サーバ。
【0087】
(付記15) コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷装置が印刷する印刷システムにおいて、
前記コンピュータ端末は、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして前記印刷装置に送信する印刷データ生成手段と、を含み、
前記印刷装置は、
前記コンピュータ端末から送信されてきた前記印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む
印刷システム。
【0088】
(付記16) 前記ユーザ識別情報取得手段は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を格納する権限管理データベースと、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す認証受付部と、
を含む付記15に記載の印刷システム。
【0089】
(付記17) 前記印刷データ修正手段は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理部から成る付記15又は16に記載の印刷システム。
【0090】
(付記18) 印刷ジョブを印刷する印刷装置であって、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、
を含む印刷装置。
【0091】
(付記19) 前記ユーザ識別情報取得手段は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を格納する権限管理データベースと、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す認証受付部と、
を含む付記18に記載の印刷装置。
【0092】
(付記20) 前記印刷データ修正手段は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理部から成る付記18又は19に記載の印刷装置。
【0093】
(付記21) 印刷ジョブをコンピュータ端末に作成させるプログラムであって、前記コンピュータ端末に、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成機能と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0094】
(付記22) 前記複数のブロックは入れ子構造をなしており、前記コンピュータ端末に、
前記開示先情報を明に指定していないブロックについては、当該ブロックの上位のブロックに埋め込まれた開示先情報が規定値として引き継がせる機能を、さらに実現させるための、付記21に記載のプログラム。
【0095】
(付記23) 前記文書作成機能は、前記開示先埋め込み文書データを作成する代わりに、前記文書データの文書構造と前記開示先情報とをメタ情報としてメタ情報ファイルに格納する機能から成る、付記21又は22に記載のプログラム。
【0096】
(付記24) 印刷ジョブを印刷管理サーバに管理させるプログラムであって、前記印刷管理サーバに、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0097】
(付記25) 前記ユーザ識別情報取得機能は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を、権限管理データベースに予め格納する機能と、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す機能と、
を含む付記24に記載のプログラム。
【0098】
(付記26) 前記印刷データ修正機能は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理機能と、
該印刷管理機能で修正した印刷ジョブを、印刷出力装置へ送信する印刷データ送信機能と、
を含む付記24又は25に記載のプログラム。
【0099】
(付記27) 印刷ジョブを印刷装置に印刷させるプログラムであって、前記印刷装置に、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証機能と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷機能と、
を実現させるプログラム。
【0100】
(付記28) 前記ユーザ識別情報取得機能は、
複数のユーザの各々が所属するユーザグループの識別情報を、権限管理データベースに予め格納する機能と、
前記認証情報を受け取り、前記権限管理データベースを参照して、前記認証情報により認証された前記特定のユーザの属する全ての前記識別情報を取り出す認証受付機能と、
を含む付記27に記載のプログラム。
【0101】
(付記29) 前記印刷データ修正機能は、
前記記憶装置から対象となる前記印刷ジョブを取り出し、前記識別情報と前記開示先情報とを比較して、一致するブロックについてはそのままとし、不一致のブロックについては印刷不可としたデータを埋め込むように修正する印刷管理機能から成る付記27又は28に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0102】
1 ・・・ コンピュータ端末
11 ・・・ アプリケーション(AP)
111 ・・・ 印刷開示範囲設定手段
112 ・・・ 印刷要求手段
12 ・・・ 印刷ジョブ生成部
121 ・・・ 構造解析部
122 ・・・ 印刷データ生成部
2 ・・・ 印刷管理サーバ
21 ・・・ 印刷ジョブ受付部
22 ・・・ 印刷管理部
23 ・・・ 印刷データ送信部
24 ・・・ スプール(記憶装置)
25 ・・・ 認証受付部(認証情報受信部)
26 ・・・ 権限管理データベース(権限管理DB)
3 ・・・ 印刷出力装置
31 ・・・ 印刷ジョブ受付部
32 ・・・ 印刷部
33 ・・・ 認証手段
34 ・・・ 認証情報送信部
4 ・・・ 印刷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の印刷開示範囲を制御する方法であって、
前記文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込むステップと、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの識別情報を受け取るステップと、
前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷するステップと、
を含む印刷開示範囲制御方法。
【請求項2】
前記複数のブロックは入れ子構造をなしており、
前記開示先情報を明に指定していないブロックについては、当該ブロックの上位のブロックに埋め込まれた開示先情報を規定値として引き継ぐステップを更に有する、請求項1に記載の印刷開示範囲制御方法。
【請求項3】
コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷管理サーバの管理の下に印刷出力装置が印刷する印刷システムにおいて、
前記コンピュータ端末は、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして前記印刷管理サーバに送信する印刷ジョブ生成手段と、を含み、
前記印刷管理サーバは、
前記コンピュータ端末から送信されてきた前記印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、を含み、
前記印刷出力装置は、
前記特定のユーザを認証して、前記認証情報を送出する認証送出手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む
印刷システム。
【請求項4】
印刷ジョブを作成するコンピュータ端末であって、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成手段と、
を含むコンピュータ端末。
【請求項5】
印刷ジョブを管理する印刷管理サーバであって、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
を含む印刷管理サーバ。
【請求項6】
コンピュータ端末から送信された印刷ジョブを、印刷装置が印刷する印刷システムにおいて、
前記コンピュータ端末は、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成手段と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして前記印刷装置に送信する印刷データ生成手段と、を含み、
前記印刷装置は、
前記コンピュータ端末から送信されてきた前記印刷ジョブを記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、を含む
印刷システム。
【請求項7】
印刷ジョブを印刷する印刷装置であって、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶手段と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証手段と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正手段と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷手段と、
を含む印刷装置。
【請求項8】
印刷ジョブをコンピュータ端末に作成させるプログラムであって、前記コンピュータ端末に、
作成された文書を表す文書データを複数のブロックに区切って、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報を埋め込んだ、開示先埋め込み文書データを作成する文書作成機能と、
前記開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして出力する印刷ジョブ生成機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
印刷ジョブを印刷管理サーバに管理させるプログラムであって、前記印刷管理サーバに、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザの認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
印刷ジョブを印刷装置に印刷させるプログラムであって、前記印刷装置に、
作成された文書を表す文書データが複数のブロックに区切られ、前記ブロック毎に開示可能なユーザまたはユーザグループを指定する開示先情報が埋め込まれた、開示先埋め込み文書データを前記印刷ジョブとして記憶装置に記憶する印刷ジョブ記憶機能と、
前記文書を印刷しようとする特定のユーザを認証して、認証情報を出力する認証機能と、
前記認証情報から、当該特定のユーザの識別情報を取得するユーザ識別情報取得機能と、
前記記憶装置から読み出した前記印刷ジョブに対して、前記識別情報が前記開示先情報と一致するブロックのみを印刷可能に修正して、修正した印刷ジョブを出力する印刷データ修正機能と、
前記修正した印刷ジョブを印刷する印刷機能と、
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−174078(P2012−174078A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36634(P2011−36634)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】