印字検査システム
【課題】印字機と、画像入力装置を備えた検査機と、タッチパネルを備えた操作表示器を組み合わせ、印字機および検査機の操作および確認を合理的に、且つ、統合的に行うようにした印字検査システムを提供すること。
【解決手段】各種印字情報を被印字物に印字するための印字機1と、該印字機による印字内容を検査する検査機2とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システム。
【解決手段】各種印字情報を被印字物に印字するための印字機1と、該印字機による印字内容を検査する検査機2とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種印字情報を被印字対象物に印字するための印字機と、その印字内容などを検査するための検査機とを有機的に結合して、印字機の操作および確認、並びに、検査機の操作および確認を合理的に、且つ、統合的に行うようにした印字検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、印字機は、印字内容を選択し、決定するための操作部と、被印字対象物に対して印字を行う印字部とを備えたものからなっており、例えば、選択された賞味期限などの印字情報を被印字対象物上に印字する装置である。この発明の適用例としての当該印字機は、熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタ、あるいは、これらに類する各種プリンタである。
【0003】
一方、上記印字機に対して、印字された印字内容を検査するための検査機が併用されている。この検査機は、通常、前記印字機とは別個に準備される単独の装置であって、印字確認やパターンマッチングなどの手法により、印字品位などを検査する装置である。
【0004】
従来、一般的には、上記する印字機と検査機とは、別個の装置として構成されているものであり、それぞれが複数の操作部並びに表示部などを保有するものであった。
【0005】
従って、図7に示すように、当該印字機に対して、検査機を組み合わせて使用すると、複数の操作部および表示部が広域的に位置するため、例えば、検査機が印字の異常を発見した場合、図7中、手前の操作位置P1にいるオペレータは、印字機および検査機の双方の操作部並びに表示部をそれぞれ個別に確認し、且つ、操作して、異常の判断を行っていた。
【0006】
図7に示す従来例に基づいて、印字機51に対して、個別に準備された検査機52を組み合わせ、これにより、プラスチックフィルムなどの包材CPに対する印字および検査の態様について説明する。図7に示す例において、印字機51の制御−操作系統は、当該印字機51の制御を行う制御回路を含む制御ボックス53と、この制御ボックス53に備え付けられた操作パネル54とを具備するものからなっている。
一方、検査機52は、CCDカメラなどの画像入力装置55と、専ら、検査画像をモニタリングするモニタ表示器56と制御ボックス53内の制御回路によって構成されている。
【0007】
このように、複数の表示器を必要とする従来の構成例では、広域的な占有設置空間を必要とする上、費用も多くなると言う欠点を有していた。また、オペレータは、往々にして、検査機52の表示部56に表示される実際のカメラの印字内容に注目するがため、別画面に表示される例えば印字リボンの残量が少なくなっていることには気付かない。択一的に表示を切り替える方法は別画面を見比べる方法より不便になるなどの問題点も指摘されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−162116号公報
【特許文献2】特開2000−109033号公報
【0009】
特許文献2に記載の包装機における印字検査装置では、印字検査に従って、生産を中止するなどの処置は可能であっても、印字装置の不具合(例えばリボン残量が少ないことなど)を知ることはできない。
【0010】
図9は、従来の検査機の画面61(モニタ画面56に表示される)であり、中央部領域Zにおける賞味期限印字情報Z1、並びに製造日印字情報Z2の数字を検査している画面である。その検査結果は、1行目、2行目として、表示箇所R1、R2に、例えば、緑色文字で表示される。読み取った年月日が、R3に表示される現在日時と一致しており、賞味期限が規定の日数を加算した値になっている場合、表示箇所R3に、「OK」の文字が表示される。印字欠けがあって、正常に読み取れない場合は、表示箇所R3に、赤色で「NG」と表示される。
【0011】
図10は、従来の印字機設定画面71(操作パネル54に表示される)を示すものであり、印字機51の状態が表示されている。印字機の状態エリアE1には、「ホスト接続」、データ表示エリアE2には、「(なし)」が表示されている。図11は、従来の印字機エラー表示の状態を示すものであって、印字機の状態エリアE1には、E3に表示される「リボン切れ」という「エラー」、データ表示エリアE2には、「サンプルABC」が表示されている。
【0012】
上記するような、従来の印字検査装置では、被印字対象物に対して印字するための印字機と、全く個別の検査機とによって構成されており、それぞれが複数の操作部並びに表示部などを有するものであって、その結果、複数の操作部および表示部が広域的に位置するため、検査機が印字の異常を発見した場合、オペレータは、印字機および検査機の双方の操作部並びに表示部をそれぞれ個別に確認し、操作しなければならず、迅速で、且つ、正確な作業が極めて困難なものであった。
【0013】
さらに、従来の印字検査装置では、個々に独立していて、それぞれが操作部並びに表示部を備えている印字機および検査機を用いるものからなっているので、これらを設置する上において、広域的な占有設置空間を必要とする点、さらには、費用が多くなるという等の問題点を有していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、この発明は、上記する従来の技術にみられる問題点を解消しようとするものであり、感熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタなどの印字機と、CCDカメラなどの画像入力装置を備えた検査機と、タッチパネルを備えた操作表示器を組み合わせ、印字機の操作および確認、並びに、検査機の操作および確認を合理的に、且つ、統合的に行うようにした印字検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、上記目的を達成するにあたって、具体的には、各種印字情報を被印字物に印字するための印字機と、該印字機による印字内容を検査する検査機とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システムを構成するものである。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成になるこの発明の印字検査システムは、印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことにより、各種印字情報、例えば、製造日および賞味期限などの印字、並びに、その印字内容の検査とを、迅速に、且つ、正確に行うことができる。
【0017】
さらに、この発明になる印字検査システムによれば、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を、タッチパネルを備えた一画面において操作・確認することができるので、作業の省力化に適合し、且つ、作業空間の省スペース化適合するなどの点においても極めて有効に作用するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明になる印字検査システムの具体的な一実施例を示す概略的な斜視図である。
【図2】図2は、この発明になる印字検査システムの適用にかかるフローチャート図である。
【図3】図3は、この発明になる印字検査システムにおいて、印字機と検査機の表示を統合した画面の例を示す概略的な正面図である。
【図4】図4は、印字機に問題が発生した画面を示す概略的な正面図である。
【図5】図5は、印字検査において問題が発生した画面の例を示す概略的な正面図である。
【図6】図6は、図5に示す問題が発生した画面についての詳細画面を示す概略的な正面図である。
【図7】図7は、従来例になる印字機と検査機とを、ただ単に組み合わせただけの印字検査装置の具体例を示す概略的な斜視図である。
【図8】図8は、従来例になる印字検査装置のフローチャート図である。
【図9】図9は、従来の検査機の画面(モニタ画面)を示す概略的な正面図である。
【図10】図10は、従来の印字機設定画面(操作パネルに表示された)であって、印字機の状態が表示されている状態を示す概略的な正面図である。
【図11】図11は、従来の印字機エラー表示画面を示す概略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明になる印字検査システムについて、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、当該印字検査システムSは、例えば、プラスチックフィルムなどの包材CPでなる被印字物に対し、各種印字情報を印字する印字機1と、該印字機1による印字内容を検査する検査機2とを含むものによって構成されている。
【0020】
この発明において、前記印字機1は、感熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタ、あるいはこれらに類するプリンタにより構成されており、前記検査機2は、CCDカメラなどの画像入力装置5と、検査画像をモニタリングするモニタ表示器6とによって構成されている。前記モニタ表示器6は、操作タッチパネル4を備えたものからなっている。
【0021】
前記モニタ表示器6には、印字検査内容として、実際に撮影したカメラのモニタ表示、印字検査項目、異常の有無などを表示すると共に、印字機の印字内容(賞味期限の日付)、印字リボンの有無(ニアエンド、残量表示など)、印字機のエラー(印字ヘッド過熱、印字ヘッド故障など)の情報を表示する。
通常は、カメラのモニタ表示で実際の印字状態を見ている。例えば、印字リボンの残量が少なくなれば、カメラのモニタ表示に注目していても、容易に認識できる位置に警告表示することでオペレータに注意させ、事前にインクリボンの交換、補充を行うことができる。
【0022】
図1に示す実施例において、タッチパネル4を備えたモニタ表示器6は、これにより、印字機1と検査機2の両方の操作・表示を行うことができる。制御ボックス3は、印字機1の制御を行う回路と、検査機2の制御を行う回路が搭載されている。この制御ボックス3には、モニタも操作パネルもないため、接地場所が特定されることがなく、自由な場所に設置することができる。当該制御ボックス3の設置時に、操作・視認性を考慮する必要がない。
前記CCDカメラなどによる画像入力装置5およびモニタ表示器6は、制御ボックス3に接続されている。
【0023】
図3は、この発明になる印字検査システムにおいて、印字機1と検査機2の表示を統合した画面の例を示すものである。タッチパネル4を備えたモニタ表示器6は、図3に示すように、一つの画面を構成し、例えば、その左側に、検査機制御パネル7が設けてあり、右側に、印字機制御パネル8が設けてある。前記検査機制御パネル7には、例えば、「電源」「エラー」「検査停止」の項目9、10、11および各表示灯12、13、14が設けてあり、その下方に、「設定」「検査停止」「エラー解除」の操作キー15、16、17が設けてある。
【0024】
前記印字機制御パネル8には、例えば、「電源」「エラー」の項目18、19、および各表示灯20、21が設けてあり、その下方に、「印字濃度」の薄・濃を示す表示22が設けてある。さらに、その下方には、例えば、「設定」「ポーズ」「フィード」「エラー解除」の操作キー23、24、25、26が設けてある。前記モニタ表示器6における画面の中央部は、表示部として構成されている。
【0025】
このような画面を有するタッチパネル4を備えたモニタ表示器6の作動態様について説明する。図3は、中央部領域Zにおける賞味期限印字情報Z1および製造日印字情報Z2の数字を検査している画面である。
その検査結果は、1行目、2行目として表示箇所R1、R2に、例えば、緑色文字で表示される。読み取った年月日が、R3に表示される現在日時と一致しており、賞味期限が規定の日数を加算した値になっている場合、表示箇所R3に、「OK」の文字が表示される。印字欠けがあって、正常に読み取れない場合は、表示箇所R3に、赤色で「NG」と表示される。
【0026】
次いで、印字機1側に問題が発生した場合には、図4に示す画面に移行する。図4では、例えば、印字機1側に、リボン切れが発生した場合、印字機制御パネル8における「エラー」の項目に、赤ランプが点灯し、当該画面中央部領域Zに、例えば、「プリンタエラー」「リボン切れ」などの比較的大きな文字が表示される。
【0027】
さらに、検査機2側に問題が発生した場合には、図5に示す画面に移行する。図5では、例えば、検査機2側に文字欠けが発生した場合、検査機制御パネル7における「エラー」の項目に赤色ランプが点灯し、当該画面中央部領域Zに、例えば、「印字検査エラー」「文字欠け」などの比較的大きな文字が表示されるようになっている。
【0028】
上記する「文字欠け」の場合の詳細を、図6に示す。この画面では、文字欠けによる問題が生じた文字を、そのまま表示することができるようになっている。
【符号の説明】
【0029】
S 印字検査システム
CP プラスチックフィルムなどの包材
1 印字機
2 検査機
3 制御ボックス
4 操作タッチパネル
5 CCDカメラなどの画像入力装置
6 モニタ表示器
7 検査機制御パネル
8 印字機制御パネル
9、10、11 「電源」「エラー」「検査停止」の項目
12、13、14 各表示灯
15、16、17 「設定」「検査停止」「エラー解除」の操作キー
18、19 「電源」「エラー」の項目
20、21 各表示灯
22 「印字濃度」の薄・濃を示す表示
23、24、25、26 「設定」「ポーズ」「フィード」「エラー解除」
Z 中央部領域
Z1 賞味期限印字情報
Z2 製造日印字情報
R1 1行目表示箇所
R2 2行目表示箇所
R3 現在日時表示箇所
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種印字情報を被印字対象物に印字するための印字機と、その印字内容などを検査するための検査機とを有機的に結合して、印字機の操作および確認、並びに、検査機の操作および確認を合理的に、且つ、統合的に行うようにした印字検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、印字機は、印字内容を選択し、決定するための操作部と、被印字対象物に対して印字を行う印字部とを備えたものからなっており、例えば、選択された賞味期限などの印字情報を被印字対象物上に印字する装置である。この発明の適用例としての当該印字機は、熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタ、あるいは、これらに類する各種プリンタである。
【0003】
一方、上記印字機に対して、印字された印字内容を検査するための検査機が併用されている。この検査機は、通常、前記印字機とは別個に準備される単独の装置であって、印字確認やパターンマッチングなどの手法により、印字品位などを検査する装置である。
【0004】
従来、一般的には、上記する印字機と検査機とは、別個の装置として構成されているものであり、それぞれが複数の操作部並びに表示部などを保有するものであった。
【0005】
従って、図7に示すように、当該印字機に対して、検査機を組み合わせて使用すると、複数の操作部および表示部が広域的に位置するため、例えば、検査機が印字の異常を発見した場合、図7中、手前の操作位置P1にいるオペレータは、印字機および検査機の双方の操作部並びに表示部をそれぞれ個別に確認し、且つ、操作して、異常の判断を行っていた。
【0006】
図7に示す従来例に基づいて、印字機51に対して、個別に準備された検査機52を組み合わせ、これにより、プラスチックフィルムなどの包材CPに対する印字および検査の態様について説明する。図7に示す例において、印字機51の制御−操作系統は、当該印字機51の制御を行う制御回路を含む制御ボックス53と、この制御ボックス53に備え付けられた操作パネル54とを具備するものからなっている。
一方、検査機52は、CCDカメラなどの画像入力装置55と、専ら、検査画像をモニタリングするモニタ表示器56と制御ボックス53内の制御回路によって構成されている。
【0007】
このように、複数の表示器を必要とする従来の構成例では、広域的な占有設置空間を必要とする上、費用も多くなると言う欠点を有していた。また、オペレータは、往々にして、検査機52の表示部56に表示される実際のカメラの印字内容に注目するがため、別画面に表示される例えば印字リボンの残量が少なくなっていることには気付かない。択一的に表示を切り替える方法は別画面を見比べる方法より不便になるなどの問題点も指摘されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−162116号公報
【特許文献2】特開2000−109033号公報
【0009】
特許文献2に記載の包装機における印字検査装置では、印字検査に従って、生産を中止するなどの処置は可能であっても、印字装置の不具合(例えばリボン残量が少ないことなど)を知ることはできない。
【0010】
図9は、従来の検査機の画面61(モニタ画面56に表示される)であり、中央部領域Zにおける賞味期限印字情報Z1、並びに製造日印字情報Z2の数字を検査している画面である。その検査結果は、1行目、2行目として、表示箇所R1、R2に、例えば、緑色文字で表示される。読み取った年月日が、R3に表示される現在日時と一致しており、賞味期限が規定の日数を加算した値になっている場合、表示箇所R3に、「OK」の文字が表示される。印字欠けがあって、正常に読み取れない場合は、表示箇所R3に、赤色で「NG」と表示される。
【0011】
図10は、従来の印字機設定画面71(操作パネル54に表示される)を示すものであり、印字機51の状態が表示されている。印字機の状態エリアE1には、「ホスト接続」、データ表示エリアE2には、「(なし)」が表示されている。図11は、従来の印字機エラー表示の状態を示すものであって、印字機の状態エリアE1には、E3に表示される「リボン切れ」という「エラー」、データ表示エリアE2には、「サンプルABC」が表示されている。
【0012】
上記するような、従来の印字検査装置では、被印字対象物に対して印字するための印字機と、全く個別の検査機とによって構成されており、それぞれが複数の操作部並びに表示部などを有するものであって、その結果、複数の操作部および表示部が広域的に位置するため、検査機が印字の異常を発見した場合、オペレータは、印字機および検査機の双方の操作部並びに表示部をそれぞれ個別に確認し、操作しなければならず、迅速で、且つ、正確な作業が極めて困難なものであった。
【0013】
さらに、従来の印字検査装置では、個々に独立していて、それぞれが操作部並びに表示部を備えている印字機および検査機を用いるものからなっているので、これらを設置する上において、広域的な占有設置空間を必要とする点、さらには、費用が多くなるという等の問題点を有していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、この発明は、上記する従来の技術にみられる問題点を解消しようとするものであり、感熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタなどの印字機と、CCDカメラなどの画像入力装置を備えた検査機と、タッチパネルを備えた操作表示器を組み合わせ、印字機の操作および確認、並びに、検査機の操作および確認を合理的に、且つ、統合的に行うようにした印字検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、上記目的を達成するにあたって、具体的には、各種印字情報を被印字物に印字するための印字機と、該印字機による印字内容を検査する検査機とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システムを構成するものである。
【発明の効果】
【0016】
以上の構成になるこの発明の印字検査システムは、印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことにより、各種印字情報、例えば、製造日および賞味期限などの印字、並びに、その印字内容の検査とを、迅速に、且つ、正確に行うことができる。
【0017】
さらに、この発明になる印字検査システムによれば、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を、タッチパネルを備えた一画面において操作・確認することができるので、作業の省力化に適合し、且つ、作業空間の省スペース化適合するなどの点においても極めて有効に作用するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明になる印字検査システムの具体的な一実施例を示す概略的な斜視図である。
【図2】図2は、この発明になる印字検査システムの適用にかかるフローチャート図である。
【図3】図3は、この発明になる印字検査システムにおいて、印字機と検査機の表示を統合した画面の例を示す概略的な正面図である。
【図4】図4は、印字機に問題が発生した画面を示す概略的な正面図である。
【図5】図5は、印字検査において問題が発生した画面の例を示す概略的な正面図である。
【図6】図6は、図5に示す問題が発生した画面についての詳細画面を示す概略的な正面図である。
【図7】図7は、従来例になる印字機と検査機とを、ただ単に組み合わせただけの印字検査装置の具体例を示す概略的な斜視図である。
【図8】図8は、従来例になる印字検査装置のフローチャート図である。
【図9】図9は、従来の検査機の画面(モニタ画面)を示す概略的な正面図である。
【図10】図10は、従来の印字機設定画面(操作パネルに表示された)であって、印字機の状態が表示されている状態を示す概略的な正面図である。
【図11】図11は、従来の印字機エラー表示画面を示す概略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明になる印字検査システムについて、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、当該印字検査システムSは、例えば、プラスチックフィルムなどの包材CPでなる被印字物に対し、各種印字情報を印字する印字機1と、該印字機1による印字内容を検査する検査機2とを含むものによって構成されている。
【0020】
この発明において、前記印字機1は、感熱転写式プリンタ、インクジェットプリンタ、あるいはこれらに類するプリンタにより構成されており、前記検査機2は、CCDカメラなどの画像入力装置5と、検査画像をモニタリングするモニタ表示器6とによって構成されている。前記モニタ表示器6は、操作タッチパネル4を備えたものからなっている。
【0021】
前記モニタ表示器6には、印字検査内容として、実際に撮影したカメラのモニタ表示、印字検査項目、異常の有無などを表示すると共に、印字機の印字内容(賞味期限の日付)、印字リボンの有無(ニアエンド、残量表示など)、印字機のエラー(印字ヘッド過熱、印字ヘッド故障など)の情報を表示する。
通常は、カメラのモニタ表示で実際の印字状態を見ている。例えば、印字リボンの残量が少なくなれば、カメラのモニタ表示に注目していても、容易に認識できる位置に警告表示することでオペレータに注意させ、事前にインクリボンの交換、補充を行うことができる。
【0022】
図1に示す実施例において、タッチパネル4を備えたモニタ表示器6は、これにより、印字機1と検査機2の両方の操作・表示を行うことができる。制御ボックス3は、印字機1の制御を行う回路と、検査機2の制御を行う回路が搭載されている。この制御ボックス3には、モニタも操作パネルもないため、接地場所が特定されることがなく、自由な場所に設置することができる。当該制御ボックス3の設置時に、操作・視認性を考慮する必要がない。
前記CCDカメラなどによる画像入力装置5およびモニタ表示器6は、制御ボックス3に接続されている。
【0023】
図3は、この発明になる印字検査システムにおいて、印字機1と検査機2の表示を統合した画面の例を示すものである。タッチパネル4を備えたモニタ表示器6は、図3に示すように、一つの画面を構成し、例えば、その左側に、検査機制御パネル7が設けてあり、右側に、印字機制御パネル8が設けてある。前記検査機制御パネル7には、例えば、「電源」「エラー」「検査停止」の項目9、10、11および各表示灯12、13、14が設けてあり、その下方に、「設定」「検査停止」「エラー解除」の操作キー15、16、17が設けてある。
【0024】
前記印字機制御パネル8には、例えば、「電源」「エラー」の項目18、19、および各表示灯20、21が設けてあり、その下方に、「印字濃度」の薄・濃を示す表示22が設けてある。さらに、その下方には、例えば、「設定」「ポーズ」「フィード」「エラー解除」の操作キー23、24、25、26が設けてある。前記モニタ表示器6における画面の中央部は、表示部として構成されている。
【0025】
このような画面を有するタッチパネル4を備えたモニタ表示器6の作動態様について説明する。図3は、中央部領域Zにおける賞味期限印字情報Z1および製造日印字情報Z2の数字を検査している画面である。
その検査結果は、1行目、2行目として表示箇所R1、R2に、例えば、緑色文字で表示される。読み取った年月日が、R3に表示される現在日時と一致しており、賞味期限が規定の日数を加算した値になっている場合、表示箇所R3に、「OK」の文字が表示される。印字欠けがあって、正常に読み取れない場合は、表示箇所R3に、赤色で「NG」と表示される。
【0026】
次いで、印字機1側に問題が発生した場合には、図4に示す画面に移行する。図4では、例えば、印字機1側に、リボン切れが発生した場合、印字機制御パネル8における「エラー」の項目に、赤ランプが点灯し、当該画面中央部領域Zに、例えば、「プリンタエラー」「リボン切れ」などの比較的大きな文字が表示される。
【0027】
さらに、検査機2側に問題が発生した場合には、図5に示す画面に移行する。図5では、例えば、検査機2側に文字欠けが発生した場合、検査機制御パネル7における「エラー」の項目に赤色ランプが点灯し、当該画面中央部領域Zに、例えば、「印字検査エラー」「文字欠け」などの比較的大きな文字が表示されるようになっている。
【0028】
上記する「文字欠け」の場合の詳細を、図6に示す。この画面では、文字欠けによる問題が生じた文字を、そのまま表示することができるようになっている。
【符号の説明】
【0029】
S 印字検査システム
CP プラスチックフィルムなどの包材
1 印字機
2 検査機
3 制御ボックス
4 操作タッチパネル
5 CCDカメラなどの画像入力装置
6 モニタ表示器
7 検査機制御パネル
8 印字機制御パネル
9、10、11 「電源」「エラー」「検査停止」の項目
12、13、14 各表示灯
15、16、17 「設定」「検査停止」「エラー解除」の操作キー
18、19 「電源」「エラー」の項目
20、21 各表示灯
22 「印字濃度」の薄・濃を示す表示
23、24、25、26 「設定」「ポーズ」「フィード」「エラー解除」
Z 中央部領域
Z1 賞味期限印字情報
Z2 製造日印字情報
R1 1行目表示箇所
R2 2行目表示箇所
R3 現在日時表示箇所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種印字情報を被印字物に印字するための印字機と、該印字機による印字内容を検査する検査機とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システム。
【請求項1】
各種印字情報を被印字物に印字するための印字機と、該印字機による印字内容を検査する検査機とを含み、前記印字機および検査機の操作を行う操作部と、前記印字機の印字情報および検査機の検査情報とを統合して表示する表示部とを一画面に設け、印字機の操作・確認、並びに、検査機の操作・確認を行うようにしたことを特徴とする印字検査システム。
【図1】
【図2】
【図7】
【図8】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図7】
【図8】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−260627(P2010−260627A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114655(P2009−114655)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(504238286)株式会社エムエスティ (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(504238286)株式会社エムエスティ (8)
【Fターム(参考)】
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