説明

印字装置、ラベル作成方法及びラベル作成方法に関するプログラムが記憶された記憶媒体

【課題】 ラベル貼付面が2つに分割された貼付対象物の分割位置部分に、斜めに貼り付けるラベルを作成する印字装置を提供する。
【解決手段】 本発明の印字装置は、印刷手段と、ラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定手段と、基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく該基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定手段と、ラベルを切断する目安となる切断位置マークを印刷するラベル領域内の位置を算出する切断分割位置算出手段と、文字列の印刷データに切断位置マークの印刷データを付加した印刷データを生成する印刷データ生成手段と、印刷手段を制御して、印刷データ生成手段により生成された印刷データに基づいてテープ部材に文字列を印刷する印刷制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的に分割されたラベル貼付面を有する貼付対象物の分割部分に斜めに貼り付けるラベルを作成する印字装置と、そのラベルを作成するためのラベル作成方法と、そのラベル作成方法に係るプログラムが記憶された記憶媒体と、に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードなどの入力手段から入力され、あるいは、他の機器から受けた文字データに基づいてテープ部材に文字列を印刷することによりラベルを作成する印字装置が広く使用されている。近年の印字装置は、種々の幅のテープ部材に印刷が可能となったため、ファイル等に貼り付けるインデックスラベルやショーウィンドウ等に貼り付けるPOP用のラベル等、多種多様な用途のラベルを作成するのに用いられている(例えば、特開平5−57985号公報(特許文献1))。
【0003】
そして、このようなラベルの使用形態としては、作成したラベルを単一のラベル貼付面を有する貼付対象物に貼り付けるのが普通であるが、例えば、両開き扉の左右扉の境界部分、あるいは物品の収納箱の本体と蓋の境界部分等、ラベル貼付面が2つに分割された貼付対象物に対して、ラベルを2つに分割して貼り付けることが考えられる。本願の出願人は、先の出願(特願2009−028194号)において、分割されたラベル貼付面の分割位置部分に貼付するためのラベルを作成する印字装置についての提案をしている。この印字装置では、テープ部材へのラベルの印字途中において、ラベル領域の中央部分でテープ部材のテープ長方向と直交する方向にテープカットを行うことにより、2分割されたラベル貼付面の分割位置部分に貼付可能なラベルを作成するようにしている。
【0004】
また、ラベルの使用形態としては、注目を得るために、あるいは表示内容を強調するために等を目的として、貼付対象物における所定の基準方向(縦方向又は横方向)に対して傾けた状態でラベルを貼り付けることが行われる。本願出願人は、他の先の出願(特願2010−007147号)において、貼付対象物上の所定の基準方向に対して所定角度傾いた状態で貼付可能なラベルを作成することができる印字装置の提案をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−57985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、両開き扉の左右扉や箱物の本体と蓋等、2つに分割されたラベル貼付面の分割位置部分に対して貼付するためのラベルを作成することや、貼付対象物上の基準方向に対して所望の角度傾いた状態で貼付可能なラベルを作成することの提案はされているが、さらに、ラベル貼付面の分割位置部分に、貼付対象物上の基準方向に対して所定角度傾けてラベルを貼り付ける使用形態も考えられる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の印字装置では勿論のこと、上記先の出願の印字装置でも、上記他の先の出願の印字装置でも、ラベル貼付面の分割位置部分に、貼付対象物上の基準方向に対して所定角度傾けて貼り付ける使用形態のラベルを作成することについて、考慮されていない。
【0008】
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物上に定めた基準方向に対して傾けた状態で貼付する形態での使用が可能なラベルを作成することができる印字装置と、このような使用形態のラベルを作成するラベル作成方法と、このラベル作成方法に係るプログラムが記憶された記憶媒体と、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る印字装置は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置であって、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段と、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定手段と、前記分割方向設定手段により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定手段と、前記分割方向設定手段により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定手段により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出手段と、前記切断分割位置算出手段により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷手段を制御して、前記印刷データ生成手段により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
第1の発明に係る印字装置によれば、ラベル貼付面の分割方向を設定し、その分割方向と平行又は直交方向に決められる基準方向に対するラベルの傾き角度を設定し、その基準方向及び傾き角度に基づいてラベル領域の分割切断位置を求め、その分割切断位置を表す切断分割位置マークを付加してテープ部材に文字列を印刷してラベルを作成するように構成したため、作成したラベルを切断分割位置マークにしたがって2つのラベル片に切断すれば、その2つのラベル片の夫々の切断端部をラベル貼付面の分割境界部分に位置合わせして両ラベル貼付面に貼り付けることにより、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して設定した角度だけ傾けた状態にしてラベルの貼付を行うことができる。
【0011】
また、第2の発明に係る印字装置は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置であって、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段と、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定手段と、前記分割方向設定手段により設定される前記分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定手段と、前記分割方向設定手段により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定手段により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の前記分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンデータの分割位置を求める分割位置算出手段と、印刷すべき文字列のパターンを前記分割位置算出手段により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷手段を制御して、前記印刷データ生成手段により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
第2の発明に係る印字装置によれば、ラベル貼付面の分割方向を設定し、その分割方向と平行又は直交方向に決められる基準方向に対するラベルの傾き角度を設定し、その基準方向及び傾き角度に基づいて、ラベル貼付面の分割位置に対応させて文字列のパターンの分割位置を求め、その分割位置で文字列のパターンを分割するとともに、分割した文字列の夫々の分割位置に分割位置マークを付加し、かつ余白領域帯を形成して夫々分割した文字列のパターンを印刷するように構成したため、分割位置マーク部分を貼付対象物のラベル貼付面の分割位置部分の境界位置に位置合わせし、分割された文字列が印刷されるラベル領域から延在する余白領域帯を分割位置マーク部分で折り曲げてラベル貼付面と所定角度をなす端面部分に貼り付けることにより、正確に貼付位置を位置合わせしてラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して設定した角度だけ傾けた状態にしてラベルの貼付を行うことができる。
【0013】
また、上記第1及び上記第2の発明に係る印字装置において、前記印刷データ生成手段が、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成することを特徴としている。
【0014】
また、第3の発明に係るラベル作成方法は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置におけるラベル作成方法であって、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出処理と、前記切断分割位置算出処理により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成処理と、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御処理と、を実行することを特徴としている。
【0015】
また、第4の発明に係るラベル作成方法は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置におけるラベル作成方法であって、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の前記分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンデータの分割位置を求める分割位置算出処理と、印刷すべき文字列のパターンデータを前記分割位置算出処理により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成処理と、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御処理と、を実行することを特徴としている。
【0016】
上記第3及び第4の発明に係るラベル作成方法において、前記印刷データ生成処理は、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成する処理を実行することを特徴としている。
【0017】
また、第5の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置に実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出処理と、前記切断分割位置算出処理により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成処理と、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御処理と、を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴としている。
【0018】
また、第6の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置に実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定処理と、前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の前記分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンデータの分割位置を求める分割位置算出処理と、印刷すべき文字列のパターンデータを前記分割位置算出処理により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成処理と、前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御処理と、を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴としている。
【0019】
また、第5及び第6の発明に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、前記印刷データ生成処理として、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成する処理を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成可能な印字装置を提供することができる。また、そのようなラベルを作成可能なラベル作成方法を提供することができ、そのラベル作成方法に係るプログラムが記憶された記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る印字装置の平面図である。
【図2】上記印字装置の内部拡大図及びテープカセットの斜視図である。
【図3】上記印字装置の電子回路のブロック図である。
【図4】上記印字装置で作成した横書きラベルを貼付対象物に貼り付けた状態を示す図である。
【図5】上記印字装置で作成した縦書きラベルを貼付対象物に貼り付けた状態を示す図である。
【図6】上記印字装置で作成した横書きラベルの正面図及び貼付方法の説明図である。
【図7】上記印字装置で作成した縦書きラベルの正面図及び貼付方法の説明図である。
【図8】上記印字装置で切断位置マークが印刷されたラベルを作成する場合の制御フローを示すフローチャートである。
【図9】上記印字装置でラベルを作成する場合に切断位置マークや位置合わせマークの座標位置を算出する方法についての説明図である。
【図10】上記印字装置でラベルを作成する場合に切断位置マークや位置合わせマークの座標位置を算出する方法についての説明図である。
【図11】他の実施形態における印字装置で作成したラベルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。図1は、本発明の実施形態に係る印字装置1の外観を示す平面図であり、図2は、この印字装置1の内部拡大図及びテープカセット21の斜視図であり、図3は、この印字装置1の電子回路のブロック図である。
【0023】
本実施形態に係る印字装置1は、両開き扉のようにラベル貼付面が物理的に分割されてなる貼付対象物における各ラベル貼付面の分割位置部分に、貼付対象物に定めた所定の基準方向に対して所定角度傾いた状態で貼付するラベルを作成する場合に、切断位置の目印となる切断位置マークを文字列等とともに印刷する機能を有している。以下、この印字装置1について詳細に述べる。
【0024】
印字装置1は、図1に示すように、筐体2の上面に、入力部3としての各種のキーやボタンを備え、また表示部4としての液晶表示装置を備えている。また、印字装置1は、筐体2の側面に印刷されたテープ部材31が筐体2外に排出されるテープ排出口7を備えている。なお、図示しないが、印字装置1は、パーソナルコンピュータなどの外部機器と接続するための入力端子、電源コードが接続される電源端子、メモリーカードなどの記憶媒体が挿入される挿入口あるいはUSB端子なども備えている。また、印字装置1は、筐体2の底部にテープカセット21を着脱するための図2に示すカセット装填部8を備えるとともに、このカセット装填部8の開口部を覆う蓋を備えている。
【0025】
入力部3は、文字データを入力する文字入力キー、印刷開始を指示する印刷キー、表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、印刷モードの設定や各種設定処理を行う種々の制御キーによって構成されている。また、表示部4には、入力された文字データに基づく文字、各種の設定のための選択メニュー、各種の処理に関するメッセージなどが表示される。
【0026】
次に、本実施形態に係る印字装置1の内部構成について述べる。印字装置1の筐体2の内部には、図2に示すように、テープ部材31及びインクリボン38を収容したテープカセット21を装填するためのカセット装填部8が形成されている。また、カセット装填部8内には、テープ部材31に印刷を行う印刷機構61と、テープ部材31をテープ長方向に搬送するプラテンローラ12と、を備える。
【0027】
さらに、印字装置1のカセット装填部8内には、テープカセット21を所定の位置に支持するためのカセット受部15が形成され、カセット装填部8の一端部には、筐体2の外に通じるテープ排出口7が形成されている。また、このテープ排出口7には、テープ部材31の印字テープ及び剥離テープを同時に切断するフルカット機構17が組み込まれている。
【0028】
印刷機構61は、印刷手段であるサーマルヘッド11と、テープ部材31及びインクリボン38をサーマルヘッド11とで挟んで圧接するプラテンローラ12と、から構成される。また、テープカセット21は、カセットケース22を備え、このカセットケース22の内部には、テープ部材31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン38が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン38を巻き取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。また、テープカセット21のカセットケース22には、カセット装填部8内にテープカセット21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部26が形成されている。
【0029】
また、カセットケース22の隅部には、カセット装填部8のカセット受部15と係合し、このカセット受部15によって支持される被係合部29が形成されている。また、このカセットケース22の被係合部29には、図示しないがテープカセット21に収納されるテープ部材31の幅に応じて所定の形状に形成されたカセット識別部が設けられている。さらに、カセット装填部8のカセット受部15には、カセットケース22の被係合部29に形成されたカセット識別部に対応する複数個のカセット判別スイッチ44が設けられている。
【0030】
そして、カセットケース22がカセット装填部8に装填されると、カセットケース22の被係合部29に形成されたカセット識別部がカセット装填部8のカセット受部15に設けられた複数個のカセット判別スイッチ44に係合し、選択的にこのカセット判別スイッチ44がオンオフ動作することにより、テープカセット21に収納されるテープ部材31のテープ幅が判別される。
【0031】
この印字装置1では、印刷の指示がなされると、プラテンローラ12が駆動され、テープ部材31及びインクリボン38がテープカセット21から重ねられた状態で繰り出されてサーマルヘッド11の印刷位置に搬送される。そして、印刷位置では、印刷データに基づいてサーマルヘッド11が発熱駆動され、インクリボン38のインクがテープ部材31に熱転写されてテープ部材31に印刷が行われる。そして、テープ部材31に印刷が完了すると、プラテンローラ12の駆動によってテープ部材31がさらに搬送されて印刷済の部分がテープ排出口7から外部に排出され、フルカット機構17によって印刷テープと剥離テープとが同時に幅方向に切断される。
【0032】
次に、印字装置1の回路構成について述べる。この印字装置1は、図3に示すように、制御手段としての制御部40を備える。そして、この制御部40には、ROM41、RAM42、入力部3や、表示部4を駆動する表示部駆動回路66が接続されている。また、制御部40には、サーマルヘッド11を駆動するヘッド駆動回路51と、プラテンローラ12を駆動するための搬送用モータ46を駆動する搬送用モータ駆動回路52と、カセット判別スイッチ44とが接続されている。さらに、制御部40には、フルカット機構17を稼働するカッターモータ48を駆動するカッターモータ駆動回路53が接続されている。
【0033】
この制御部40は、CPUであって、入力部3からのキー操作信号に応じて、又は、自動でROM41に予め記憶されているシステムプログラム、メモリーカードに記憶された制御プログラム、外部機器から読み込まれた制御プログラムなどを起動させ、RAM42をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。
【0034】
ROM41は、入力部3から入力された文字等を印刷するためのプログラムや文字フォント、後述する切断位置マークや位置合わせマークのパターンなどが記憶され、制御部40で読み取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。このROM41としては、EPROMなどの書込みが可能なROMが使用される場合もあり、EPROMが使用された場合にはROM41が補助記憶装置としても機能する。
【0035】
RAM42は、キー入力された文字や文字間隔、縦書き、横書きなどの書式情報等を記憶する入力データメモリ、入力された印刷情報が展開された印刷データが記憶される印刷データメモリ、表示部4に表示される表示データが記憶される表示データメモリなどの各領域が確保され、印刷処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタなどが設けられている。また、RAM42は、ラベルに印刷する文字列のデータや、書式データ、ラベル長のデータ、切断位置マークのデータ等が記憶される。
【0036】
カッターモータ駆動回路53は、フルカット機構17を稼働させるカッターモータ48を駆動する。カセット判別スイッチ44は、上述したカセット装填部8に装填されたテープカセット21の種別からテープ部材31の幅を判別するスイッチであり、装填されたテープカセット21の判別結果の信号を制御部40に送出する。
【0037】
さて、本実施形態における印字装置1は、ラベル貼付面が物理的に分割されてなる貼付対象物における各ラベル貼付面の分割位置部分に、貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するものであるが、まず、貼付対象物にラベルを貼り付けた状態について述べる。図4は、貼付対象物100としての両開き扉における左右扉の分割位置部分に両扉に連続してPOP用ラベル80を斜めに貼り付けた状態を示す図である。また、図5は、貼付対象物100としての小箱における本体部と蓋部との分割位置部分に連続してラベル80を斜めに貼り付けた状態を示す図である。
【0038】
図4に示すラベル80は、テープ部材31のテープ長方向に横書きで文字列を印刷する横書き印刷モードで印刷された横書きラベル81である。この横書きラベル81は、当該ラベル81の中央部分を中心としてラベル81のテープ長方向を2分する中心線を右方向に所定角度θ傾けた線で切断されて、第一ラベル81aと第二ラベル81bとに分割されている。また、貼付対象物100は、両開きの自動扉であって、左右2つに物理的に分割された第一ラベル貼付面100aと第二ラベル貼付面100bとを有している。そして、貼付対象物100には、横書きラベル81を貼付する場合に基準となる基準方向111が横方向(水平方向)、すなわち、左右の扉が合わさってなる分割線と直交する方向に予め定められている。
【0039】
第一ラベル81aは、切断線81cが第一ラベル貼付面100aの右端辺に沿うように第一ラベル貼付面100aに貼付されている。また、第二ラベル81bは、切断線81cが第二ラベル貼付面100bの左端辺に沿うように第二ラベル貼付面100bに貼付されている。すなわち、横書きラベル81は、貼付対象物100上の基準方向111に対して左方向に所定角度θ傾いた状態で貼付対象物100に貼付されることとなり、貼付対象物100である自動扉が開いた状態では、図4(b)に示すように、各ラベル81a,81bが分割された状態となるが、貼付対象物100である自動扉が閉じた状態では、図4(a)に示したように、第一ラベル81aと第二ラベル81bとが連続した一枚のラベルのように視認できることとなる。
【0040】
図5に示すラベル80は、テープ部材31のテープ長方向に縦書きで文字列を印刷する縦書き印刷モードで印刷された縦書きラベル82である。この縦書きラベル82は、当該ラベル82の中央部分を中心としてラベル82のテープ長方向を2分する中心線を左方向に所定角度θ傾けた線で切断されて、第一ラベル82aと第二ラベル82bとに分割されている。また、貼付対象物100は、下方に位置する本体部と上方に位置する蓋部とからなり、蓋部が背面で本体部に蝶番を介して連結され、この蝶番によって蓋部は本体部に対して開閉自在とされている。すなわち、この貼付対象物100は、蓋部側に位置する第一ラベル貼付面100aと本体部側に位置する第二ラベル貼付面100bとを複数(左右両側面及び正面に)有している。そして、貼付対象物100には、縦書きラベル82を貼付する場合に基準となる基準方向113が縦方向(鉛直方向)、すなわち、本体部と蓋部とが合わさってなる分割線と直交する方向に予め定められている。
【0041】
この第一ラベル82aは、切断線82cが第一ラベル貼付面100aの下端辺、すなわち、蓋部の下端辺に沿うように第一ラベル貼付面100aに貼付されている。また、第二ラベル82bは、切断線82cが第二ラベル貼付面100bの上端辺、すなわち、本体部の上端辺に沿うように第二ラベル貼付面100bに貼付されている。よって、縦書きラベル82は、貼付対象物100の縦方向に延在する基準方向113に対して右方向に所定角度θ傾いた状態で貼付対象物100に貼付されることとなり、貼付対象物100である小箱の蓋部が開いた状態では、図5(b)に示すように、各ラベル82a,82bが分割された状態となるが、蓋部が閉じた状態では、図5(a)に示したように、第一ラベル82aと第二ラベル82bとが連続した一枚のラベルのように視認できることとなる。
【0042】
次に、上述の貼付形態で貼付対象物100に貼り付けられるラベル80について述べる。図6(a)は、貼付対象物100の基準方向111に対して位置合わせに用いる位置合わせマーク85と、分割する位置を表示する切断位置マーク87と、が文字列等とともに印刷された横書きラベル81の拡大図であり、図6(b)は、当該横書きラベル81を貼付対象物100に貼り付ける方法に関しての説明図である。また、図7(a)は、位置合わせマーク85と、切断位置マーク87と、が文字列等とともに印刷された縦書きラベル82の拡大図であり、図7(b)は、当該縦書きラベル82を貼付対象物100に貼り付ける方法に関しての説明図である。
【0043】
図6(a)に示すように、印字装置1で作成した横書きラベル81において、位置合わせマーク85や切断位置マーク87は、ラベル81の幅方向を2分するテープ長方向に延在するテープ長方向中心線81dとラベル81のテープ長方向を2分するテープ幅方向に延在するテープ幅方向中心線81eとを、中心点Oを中心に貼付状態におけるラベル81の傾き方向とは逆方向に所定角度θ回転させてできる直線81d',81e'上に印刷される。すなわち、位置合わせマーク85は、テープ長方向中心線81dを中心点Oを中心に右方向にθ回転させて、この回転後の直線81d'上におけるラベル領域内の所定の位置に印刷される。また、切断位置マーク87は、テープ幅方向中心線81eを中心点Oを中心に右方向にθ回転させ、ラベル領域内にこの回転後の直線81e'を表示するように印刷されてなる。なお、図において中心点Oが黒丸で表されているが、実際に印刷されるものではない。
【0044】
この横書きラベル81は、作成されたラベルを使用者が切断位置マーク87を参考にして鋏等で切断することにより第一ラベル81aと第二ラベル81bに分割され、分割された各ラベル81a,81bは、図6(b)に示すように、貼付対象物100の基準方向111上に位置合わせマーク85(85a,85b)が位置し、かつ、ラベル81の切断線81cが貼付対象物100の分割された稜線に沿うように貼付対象物100に貼り付けられる。このように貼り付けられることにより、横書きラベル81は、図4に示したような貼付状態で貼付対象物100に貼り付けられることとなる。
【0045】
また、図7(a)に示すように、印字装置1で作成した縦書きラベル82において、位置合わせマーク85や切断位置マーク87は、ラベル82の幅方向を2分するテープ長方向中心線82dとラベル82のテープ長方向を2分するテープ幅方向中心線82eとを、中心点Oを中心に貼付状態におけるラベル82の傾き方向とは逆方向に所定角度θ回転させてできる直線82d',82e'上に印刷される。すなわち、位置合わせマーク85は、テープ長方向中心線82dを中心点Oを中心に左方向にθ回転させて、この回転後の直線82d'上におけるラベル領域内の所定の位置に印刷される。また、切断位置マーク87は、テープ幅方向中心線82eを中心点Oを中心に左方向にθ回転させ、ラベル領域内にこの回転後の直線82e'を表示するように印刷されてなる。
【0046】
この縦書きラベル82は、作成されたラベルを使用者が切断位置マーク87を参考にして鋏等で切断することにより第一ラベル82aと第二ラベル82bに分割され、分割された各ラベル82a,82bは、図7(b)に示すように、貼付対象物100の基準方向113上に位置合わせマーク85(85a,85b)が位置し、かつ、ラベル82の切断線82cが貼付対象物100の分割された稜線に沿うように貼付対象物100に貼り付けられる。このように貼り付けられることにより、縦書きラベル82は、図5に示したような貼付状態で貼付対象物100に貼り付けられることとなる。
【0047】
なお、横書きラベル81の場合は貼付対象物100における水平方向に基準方向111を設定し、縦書きラベル82の場合は貼付対象物100における鉛直方向に基準方向113を設定するのが好適である。このように設定することにより、各位置合わせマーク85a,85b間の距離を離すことができる、又は、位置合わせマーク85として直線を用いる場合には直線の長さを長くできるため、ラベル80を貼付対象物100に貼り付ける場合に、位置合わせにおける誤差を小さく抑えることができるからである。すなわち、直線に2点のマークを合わせて、又は、直線に直線を重ね合わせて位置合わせする場合、直線の距離が長い、又は、2点間の距離が離れている方が誤差を小さく抑えることができるためである。
【0048】
次に、このような位置合わせマーク85及び切断位置マーク87が文字列等とともに印刷されたラベル80を作成するためのラベル作成方法の制御フローについて述べる。図8は、印字装置1における制御フローを示すフローチャートである。制御部40は、図8に示すように、印刷する文字列を使用者に入力させるため表示部4に文字列の編集画面を表示させて、使用者に印刷する文字列を入力させ(ステップS101)、入力された文字列の情報をRAM42に格納する。次に、制御部40は、テープ長方向に横書きで文字列を印刷する横書き印刷モード、あるいは、テープ長方向に縦書きで文字列を印刷する縦書き印刷モードを使用者に選択させる設定画面を表示部4に表示させて、使用者の選択にしたがって印刷モードの設定を行い(ステップS105)、印刷モードの情報をRAM42に格納する。
【0049】
ステップS105の後、制御部40は、分割方向設定手段として、貼付対象物100におけるラベル80を貼付する面の分割方向、すなわち、貼付対象物100が縦方向に分割されているか横方向に分割されているかを使用者に選択させる画面を表示部4に表示させて、使用者の選択にしたがってラベル貼付面の分割方向を設定し(ステップS110)、ラベル貼付面の分割方向の情報をRAM42に格納する。そして、制御部40は、傾き角度設定手段として、表示部4に使用者にラベル80の傾き角度θを入力させる画面を表示させて、入力部3によって入力された値をラベル80の傾き角度θとして設定し(ステップS115)、傾き角度の情報をRAM42に格納する。この傾き角度θの設定では、使用者が正の数値を入力した場合にはラベル80が左方向に傾くものとし、使用者が負の数値を入力した場合にはラベル80が右方向に傾くものとする。
【0050】
そして、制御部40は、印刷キーが操作されるまで待機し(ステップS120)、印刷キーが操作された場合には、RAM42に格納された文字列の情報からラベル長Lの算出を行い(ステップS125)、カセット判別スイッチ44から送出される信号からカセット装填部8に装着されているテープカセット21のテープ幅Wを判別し(ステップS130)、さらに、作成するラベル80の中心点Oの位置を算出(ステップS135)し、RAM42にこれらの情報を格納する。
【0051】
次に、制御部40は、作成するラベル80が横書きラベル81であるか否か、すなわち、横書きラベル81であるか縦書きラベル82であるかを判定し(ステップS140)、ラベル80が横書きの場合、制御部40は、ステップS110における分割方向が縦方向であるか否か、すなわち、貼付対象物100の分割方向が縦方向であるか横方向であるかを判定する(ステップS145)。分割方向が縦方向である場合、制御部40は、切断分割位置算出手段及び位置合わせマーク位置算出手段として、ラベル領域内における切断位置マーク87を印刷する位置、及び、位置合わせマーク85を印刷する位置を算出し(ステップS150、ステップS155)、算出した情報をRAM42に格納する。
【0052】
この切断位置マーク87を印刷する位置の算出(ステップS150)において、制御部40は、ラベル領域内におけるテープ幅方向中心線81eを中心点Oを中心に−θ回転させた直線81e'上に、切断位置マーク87を印刷する座標位置を決定する。すなわち、図9(a)に示すように、テープ長方向をx、幅方向をyとすると、直線81e'は、中心点Oを原点としたy=−x・cotanθという式で表すことができるため、制御部40は、この直線81e'の式y=−x・cotanθを利用して切断位置マーク87を印刷する座標位置を算出する。なお、この切断位置マーク87は、図4や図5では直線となっているが、直線に限定されるものではなく、切断する位置を表示することができ、かつ、位置合わせマーク85との区別が付けば丸、三角、四角、その他のマーク等、あらゆるマークを用いることができる。
【0053】
また、位置合わせマーク85を印刷する位置の算出(ステップS155)において、制御部40は、ラベル領域内におけるテープ長方向中心線81dを中心点Oを中心に−θ回転させた直線81d'上に、位置合わせマーク85を印刷する座標位置を決定する。すなわち、直線81d'は、中心点Oを原点としたy=−x・tanθという式で表すことができるため、制御部40は、この直線y=−x・tanθを利用して位置合わせマーク85を印刷する座標位置を算出する。なお、この位置合わせマーク85に関しても、切断位置マーク87との区別が付けば丸、三角、四角、直線、その他のマーク等、あらゆるマークを用いることができる。
【0054】
ステップS155の後、制御部40は、印刷データ生成手段として、RAM42に格納された文字列の情報に位置合わせマーク85及び切断位置マーク87の情報を付加して印刷データを作成し(ステップS160)、印刷制御手段として、ヘッド駆動回路51を制御してサーマルヘッド11を印刷データにしたがって駆動し、テープ部材31に印刷を実行し(ステップS165)、ラベル80(81)の後端部分をフルカットしてラベル作成処理を終了する。
【0055】
ステップS145において、貼付対象物における分割方向が横方向である場合、制御部40は、切断位置マーク87を印刷する位置、及び、位置合わせマーク85を印刷する位置を算出し(ステップS170)、算出した情報をRAM42に格納する。すなわち、制御部40は、図9(b)に示すように、テープ長方向中心線81dを中心点Oを中心に−θ回転させた直線81d'であるy=−x・tanθの直線上のラベル領域内に、切断位置マーク87を印刷する座標位置を決定する。また、制御部40は、同一直線81d'上に位置合わせマーク85を印刷する座標位置を決定する。なお、図9(b)においては、切断位置マーク87と位置合わせマーク85とを両方印刷しているも、切断位置マーク87に位置合わせマーク85を兼用させるようにしてもよい。ステップS145の後、制御手段は、ステップS160及びステップS165を実行し、ラベル80(81)の後端部分をフルカットしてラベル作成処理を終了する。
【0056】
ステップS140にて作成するラベル80が縦書きラベル82である場合、制御部40は、ステップS110における分割方向が縦方向であるか否かを判定する(ステップS175)。ステップS175において、分割方向が縦方向である場合、制御部40は、切断位置マーク87を印刷する位置、及び、位置合わせマーク85を印刷する位置を算出し(ステップS180)、算出した情報をRAM42に格納する。すなわち、制御部40は、図10(a)に示すように、テープ長方向中心線82dを中心点Oを中心に−θ回転させた直線82d'上に切断位置マーク87及び位置合わせマーク85を印刷する座標位置を算出する。この直線82d'は、テープ長方向をx、幅方向をyとすると、中心点Oを原点としたy=−x・tanθという式で表すことができ、制御部40は、この式y=−x・tanθの直線82d'上のラベル領域内に、切断位置マーク87を印刷する座標位置を決定する。また、制御部40は、同一直線82d'上に位置合わせマーク85を印刷する座標位置を決定する。なお、ステップS170と同様に、切断位置マーク87に位置合わせマーク85を兼用させるようにしてもよい。ステップS180の後、制御手段は、ステップS160及びステップS165を実行し、ラベル80(82)の後端部分をフルカットしてラベル作成処理を終了する。
【0057】
ステップS175において、分割方向が横方向である場合、制御部40は、切断位置マーク87を印刷する位置、及び、位置合わせマーク85を印刷する位置を算出し(ステップS185、ステップS190)、算出した情報をRAM42に格納する。具体的に制御部40は、ラベル領域内におけるテープ幅方向中心線82eを中心点Oを中心に−θ回転させた直線82e'上のラベル領域内に、切断位置マーク87を印刷する位置を算出する(ステップS185)。すなわち、図10(b)に示すように、直線82e'は、中心点Oを原点としたy=−x・cotanθという式で表すことができ、制御部40は、この式y=−x・cotanθの直線82e'上におけるラベル領域内に、切断位置マーク87を印刷する座標位置を決定する。
【0058】
次に、制御部40は、ラベル領域内におけるテープ長方向中心線82dを中心点Oを中心に−θ回転させた直線82d'上に位置合わせマーク85を印刷する位置を算出する(ステップS190)。この直線82d'は、y=−x・tanθという式で表すことができ、制御部40は、この直線82d'上におけるラベル領域内に、位置合わせマーク85を印刷する座標位置を算出する。そして、ステップS190の後、制御手段は、ステップS160及びステップS165を実行し、ラベル80(82)の後端部分をフルカットしてラベル作成処理を終了する。
【0059】
このように作成した本実施形態のラベル80は、図6(b)及び図7(b)に示したように、切断位置マーク87が印刷されているため、この切断位置マーク87を参考にして2枚のラベル(81a,81b又は82a,82b)に容易に切断することができる。よって、2つに分割されたラベル貼付面100a,100bを有する貼付対象物100の両ラベル貼付面100a,100bの分割位置部分に貼り付けるラベル80を容易に作成できることとなる。また、切断線81c,82cをラベル貼付面100a,100bの分割線に沿わせて貼り付けることで、分割されたラベル80を容易に貼付対象物100に貼り付けることができる。
【0060】
また、切断位置マーク87と一緒に位置合わせマーク85も印刷されているため、切断位置マーク87によって2枚のラベル(81a,81b又は82a,82b)に分割した後、この2枚のラベル(81a,81b又は82a,82b)の切断線をラベル貼付面100a,100bの分割線に沿わせ、かつ、位置合わせマーク85を基準方向111,113に合わせて貼り付けることにより、分割されたラベル80を基準方向111,113に対して所定の角度で容易に貼付対象物100に貼り付けることができる。
【0061】
なお、図11(a)に示すように、第一ラベル83aと第二ラベル83bとの間に所定の余白領域帯83cを設けてラベル83を作成する構成としてもよい。すなわち、上述した実施形態では、第一ラベル81a,82aと第二ラベル81b,82bとの間に切断位置マーク87を印刷する構成としているが、この切断位置マーク87のテープ長方向における前後に所定間隔の余白領域帯を設けてもよい。この場合、制御部40は、印刷すべき文字列のパターンデータを分割した2つのパターンデータとして生成し、この2つのパターンデータの夫々の分割位置の両側に余白領域帯を設け、第一ラベル83a用の第一印刷データと第二ラベル83b用の第二印刷データとを生成する。このように切断位置マーク87の両側に余白領域帯を設けることにより、貼付対象物100の分割部分から外方に突出したラベルの余白領域帯部分を貼付対象物100の分割面に折り返した状態で貼付対象物100に貼り付けることができるため、剥がれ難い状態でラベル83を貼り付けることができる。
【0062】
また、このように余白領域帯83cを設ける場合、図11(b)に示すように、第一ラベル83aの後端部分と第二ラベル83bの前端部分に貼付対象物100の分割線と位置合わせするための位置合わせマーク86a,86bを印刷する構成としてもよい。このように位置合わせマーク86a,86bを印刷することにより、第一ラベル83aと第二ラベル83bを貼付対象物100の分割線に位置合わせマーク(分割位置マーク)86a,86bを合わせて貼付することができるため、ラベル83を貼付対象物100上の基準方向111,113に対して所定角度θ傾いた状態で容易に貼り付けることができる。
【0063】
さらに、図11(c)に示すように、第一ラベル84aと第二ラベル84bとの間に所定の余白領域帯84cを設け、この余白領域帯84c内でフルカット機構17により自動で切断することにより第一ラベル84aと第二ラベル84bとを分割した状態で作成する構成としてもよい。このような構成することにより、手作業で分割する必要がないため、少ない作業で第一ラベル84aと第二ラベル84bを貼付対象物100に貼付することができる。なお、このように自動で第一ラベル84aと第二ラベル84bとの間を分割してラベルを作成する場合、第一ラベル84aに印刷される文字列の後、及び第二ラベル84bに印刷される文字列の前に、貼付対象物100の分割線との位置合わせに用いる位置合わせマーク88a,88bを印刷する構成としてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、貼付対象物100が2つに分割されて2枚のラベル貼付面100a,100bを有している場合について述べているも、これに限定されるものではなく、印字装置1は、シャッターやブラインドのように3つ以上のラベル貼付面に分割されている貼付対象物100に貼り付けるラベルも作成できる。この場合、ラベル作成の制御フローにおいて、制御部40が分割数設定手段として分割数を入力させる画面を表示部4に表示させ、使用者が入力した分割数をラベルの分割数として設定し、さらに、分割幅設定手段として複数のラベル貼付面の幅を入力させる画面を表示部4に表示させ、使用者が入力したラベル貼付面の幅を切断位置マーク間の幅として設定し、印刷実行時に、これらの情報を基にして文字列の印刷データに複数の切断位置マークの印刷データを付加して印刷データを生成する構成とすればよい。
【0065】
なお、図8のフローチャートに示した処理は、コンピュータに実現させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、あるいは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施形態で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等でプログラムを実行させることにより、本実施形態の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、印字装置1に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取り可能であって、読み取ったプログラムにしたがって制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0066】
また、本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 印字装置 2 筐体
3 入力部 4 表示部
7 テープ排出口 8 カセット装填部
11 サーマルヘッド 12 プラテンローラ
15 カセット受部 17 フルカット機構
21 テープカセット 22 カセットケース
23 テープコア 24 リボン供給コア
25 リボン巻取コア 26 ヘッド配置部
29 被係合部 31 テープ部材
38 インクリボン 40 制御部
41 ROM 42 RAM
44 カセット判別スイッチ 46 搬送用モータ
48 カッターモータ 51 ヘッド駆動回路
52 搬送用モータ駆動回路 53 カッターモータ駆動回路
61 印刷機構 66 表示部駆動回路
80 ラベル 81 横書きラベル
81a 第一ラベル 81b 第二ラベル
81c 切断線 81d 長方向中心線
81e テープ幅方向中心線 82 縦書きラベル
82a 第一ラベル
82b 第二ラベル 82c 切断線
82d テープ長方向中心線 82d テープ長方向中心線
82e テープ幅方向中心線 83 ラベル
83a 第一ラベル 83b 第二ラベル
83c 余白領域帯 84a 第一ラベル
84b 第二ラベル 84c 余白領域帯
85,85a,85b 位置合わせマーク
86a,86b 位置合わせマーク(分割位置マーク)
87 切断位置マーク 88a,88b位置合わせマーク
100 貼付対象物 100a 第一ラベル貼付面
100b 第二ラベル貼付面 111 基準方向
113 基準方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置であって、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段と、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定手段と、
前記分割方向設定手段により設定される前記分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定手段と、
前記分割方向設定手段により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定手段により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出手段と、
前記切断分割位置算出手段により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷手段を制御して、前記印刷データ生成手段により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置であって、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段と、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定手段と、
前記分割方向設定手段により設定される前記分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定手段と、
前記分割方向設定手段により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定手段により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンの分割位置を求める分割位置算出手段と、
印刷すべき文字列のパターンを前記分割位置算出手段により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷手段を制御して、前記印刷データ生成手段により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印字装置。
【請求項3】
前記印刷データ生成手段は、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印字装置。
【請求項4】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置におけるラベル作成方法であって、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出処理と、
前記切断分割位置算出処理により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成処理と、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御処理と、
を実行することを特徴とするラベル作成方法。
【請求項5】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置におけるラベル作成方法であって、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き角度設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンデータの分割位置を求める分割位置算出処理と、
印刷すべき文字列のパターンデータを前記分割位置算出処理により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成処理と、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御処理と、
を実行することを特徴とするラベル作成方法。
【請求項6】
前記印刷データ生成処理では、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成する処理を実行することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のラベル作成方法。
【請求項7】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態として貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置に実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾き角度を設定する傾き角度設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の分割位置に対応させて前記テープ部材に文字列が印刷されるラベル領域内でそのテープ部材を切断してラベル領域を分割する位置を求める切断分割位置算出処理と、
前記切断分割位置算出処理により求めた切断分割位置を表す切断位置マークの印刷データを付加して前記ラベル領域に対して文字列を印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成処理と、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された印刷データに基づいて前記テープ部材に前記切断位置マークを付加して文字列を印刷する印刷制御処理と、
を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項8】
ラベル貼付面が2つに分割されてなる貼付対象物の当該複数の両ラベル貼付面の分割位置部分に、当該貼付対象物に定めた基準方向に対して傾けた状態にして貼付するラベルを作成するべくテープ部材に文字列を印刷する印字装置に実行させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記2つのラベル貼付面の分割方向を設定する分割方向設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される前記ラベル貼付面の分割方向と平行な方向又は直交する方向のいずれかを前記基準方向とするときに、その基準方向に対して傾けた状態でラベルを貼付するべく、その基準方向に対するラベルの傾きの角度を設定する傾き角度設定処理と、
前記分割方向設定処理により設定される分割方向に対する前記基準方向及び前記傾き情報設定処理により設定される傾き角度に基づいて、前記2つのラベル貼付面の前記分割位置に対応させて2つに分割する前記テープ部材に印刷する文字列のパターンデータの分割位置を求める分割位置算出処理と、
印刷すべき文字列のパターンデータを前記分割位置算出処理により求めた分割位置で分割した2つのパターンデータとして生成するとともに、その2つのパターンデータの夫々の分割位置に分割位置マークの印刷データを付加し、かつ夫々の分割位置の端部に余白領域帯を形成するための印刷データを付加して、第一の印刷データ及び第二の印刷データを生成する印刷データ生成処理と、
前記テープ部材に印刷を行う印刷手段を制御して、前記印刷データ生成処理により生成された第一の印刷データ及び第二の印刷データに基づいて、前記テープ部材の2つの領域に対して、前記分割位置マークを付加し、かつ前記余白領域帯を形成して前記分割位置で分割した文字列を印刷する印刷制御処理と、
を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項9】
前記印刷データ生成処理では、前記ラベルを前記基準方向に位置合わせして貼り付けるための位置合わせマークを前記ラベル領域内に印刷するべく、その位置合わせマークの印刷データをさらに付加して印刷データを生成する処理を実行させるためのプログラムが記憶されたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−11682(P2012−11682A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150900(P2010−150900)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】