説明

印字装置

【課題】本発明は、リストバンド自体が連続して形成されたラベル連続体に印字を行うことができ、リストバンドの形状に切り抜く作業を無くすことができると共に、カス取り部分をなくして省資源化に貢献することができる印字装置を提供することを課題とする。
【解決手段】リストバンドのセンタラインに形成されている孔を検出して検出信号を出力する位置検出センサ15と、位置検出センサ15から出力される検出信号の中から、印字領域3の位置を把握するための基準となる基準孔の検出信号を選別する検出信号選別部36とを設け、検出信号選別部36によって選別された基準孔の検出信号に基づく印字タイミングで印字領域3に印字を施すように構成することにより、リストバンドのセンタラインに形成されている基準孔に基づいて、印字タイミングを決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リストバンドに印字を施す印字装置に関し、特にリストバンドが連続して形成されているリストバンド連続体を搬送しながら印字を施す印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリンタやインクジェットプリンタ等の印字装置を利用して印字加工する従来のリストバンドは、帯状のバンド本体に切り離し部で切り離し可能に区画形成され、さらに、バンド本体が長手方向に連続形成されているリストバンド連続体として提供されており、印字加工にリストバンドの形状に切り抜いて使用される。また、リストバンドに切り抜いた後は、カス取り部分となる帯状のバンド本体には、印字位置決めのためのタイミングマークの印刷や、印字位置決めのための穴又は切り欠きの形成が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来技術では、リストバンドの形状に切り抜く作業を要すると共に、リストバンドに切り抜いた後のバンド本体がカス取り部分となってゴミとなるため、資源が無駄になってしまうという問題点があった。
【0004】
【特許文献1】特開2005−133265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リストバンド自体が連続して形成されたラベル連続体に印字を行うことができ、リストバンドの形状に切り抜く作業を無くすことができると共に、カス取り部分をなくして省資源化に貢献することができる印字装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、印字領域が設けられていると共に、前記印字領域を挟んで固定孔と複数の調整孔とがセンタライン上にそれぞれ形成されているリストバンドが、連続して形成されているリストバンド連続体を搬送しながら、前記印字領域に印字を施す印字装置であって、前記リストバンドのセンタラインに形成されている孔を検出して検出信号を出力する位置検出手段と、該位置検出手段から出力される検出信号の中から、前記印字領域の位置を把握するための基準となる基準孔の検出信号を選別する検出信号選別手段とを具備し、前記検出信号選別手段によって選別された前記基準孔の検出信号に基づく印字タイミングで前記印字領域に印字を施すことを特徴とする印字装置に存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記リストバンド連続体をカットするカッタ手段を具備し、前記カッタ手段は、前記検出信号選別手段によって選別された前記基準孔の検出信号に基づくカットタイミングで前記リストバンド連続体をカットし、前記印字領域に印字が施された前記リストバンドを切り離すことを特徴とする請求項1記載の印字装置に存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記リストバンドのセンタラインには、前記固定孔および前記調整孔とは、搬送方向における長さが異なる位置検出孔が前記基準孔として形成されており、前記検出信号選別手段は、位置検出手段から出力される検出信号のパルス幅に基づいて、前記位置検出手段から出力される検出信号の中から前記位置検出孔の検出信号を前記基準孔の検出信号として選別することを特徴とする請求項1又は2記載の印字装置に存する。
また請求項4記載の発明の要旨は、前記検出信号選別手段は、位置検出手段から出力される検出信号の出力間隔に基づいて、前記位置検出手段から出力される検出信号の中から前記基準孔の検出信号を選別することを特徴とする請求項1又は2記載の印字装置に存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の印字装置は、リストバンドのセンタラインに形成されている孔を検出して検出信号を出力する位置検出手段と、位置検出手段から出力される検出信号の中から、印字領域の位置を把握するための基準となる基準孔の検出信号を選別する検出信号選別手段とを設け、検出信号選別手段によって選別された基準孔の検出信号に基づく印字タイミングで印字領域に印字を施すように構成することにより、リストバンドのセンタラインに形成されている基準孔に基づいて、印字タイミングを決めることができるため、カス取り部分となる帯状のバンド本体が設けられていない、リストバンド自体が連続して形成されたラベル連続体に印字を行うことができ、リストバンドの形状に切り抜く作業を無くすことができると共に、カス取り部分をなくして省資源化に貢献することができるという効果を奏する。
【0008】
さらに、本発明の印字装置は、リストバンド連続体をカットするカッタ手段を設け、検出信号選別手段によって選別された基準孔の検出信号に基づくカットタイミングでリストバンド連続体をカットし、印字領域に印字が施されたリストバンドを切り離すように構成することにより、リストバンドのセンタラインに形成されている基準孔に基づいて、カットタイミングを決めることができるため、カス取り部分となる帯状のバンド本体が設けられていない、リストバンド自体が連続して形成されたラベル連続体から、印字領域に印字が施されたリストバンドを切り離して発行することができ、作業効率が向上するという効果を奏する。
【0009】
さらに、本発明の印字装置は、リストバンドのセンタラインに、固定孔および調整孔とは、搬送方向における長さが異なる位置検出孔が基準孔として形成し、検出信号選別手段において、位置検出手段から出力される検出信号のパルス幅に基づいて、位置検出手段から出力される検出信号の中から位置検出孔の検出信号を基準孔の検出信号として選別することにより、リストバンドのセンタラインに位置検出孔を基準孔として形成するだけで、リストバンドのセンタラインに形成されている位置検出孔に基づいて、印字タイミングを決めることができるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本発明の印字装置は、検出信号選別手段において、位置検出手段から出力される検出信号の出力間隔に基づいて、位置検出手段から出力される検出信号の中から基準孔の検出信号を選別することにより、既存の固定孔もしくは調整孔のいずれかに基づいて、印字タイミングを決めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る印字装置の第1の実施の形態の構成を示す構成図であり、図2は、本発明に係る印字装置の第1の実施の形態に用いられる被印字媒体の構成を示す斜視図であり、図3は、図2に示すリストバンドの装着動作を説明する説明図であり、図4は、図2に示すリストバンドの構成を示す平面図であり、図5は、図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【0013】
第1の実施の形態の印字装置は、図1を参照すると、ステップモータ等の回転角度を制御可能な搬送モータ10によって回転駆動されるプラテンローラ11と、発熱体がプラテンローラ11に対向する面に形成されているサーマルヘッド12とを有し、感熱発色層が形成された帯状の被印字媒体1の表面側がサーマルヘッド12の発熱体に接触するように、被印字媒体1をプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に挟持搬送し、サーマルヘッド12の発熱体を選択的に発熱させることにより、被印字媒体1の感熱発色層を感熱発色させて所望の文字、バーコード等の印字を施し、カッタ部13によって、単葉の被印字媒体1に切り離されて発行されるように構成されている。なお、被印字媒体1に感熱発色層を設けずに熱転写リボンをプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に挟持搬送する熱転写搬送ユニットを設け、熱転写リボンのインクを被印字媒体1に転写させて印字を施すようにしても良い。
【0014】
第1の実施の形態の印字装置に用いられる被印字媒体1は、図2に示すように、医療現場や遊園地等で使用されるリストバンド2が連続して形成されているリストバンド連続体であり、ロール状に巻き回された状態で用紙供給部14に装填される。リストバンド2には、印字が施される印字領域3が設けられていると共に、印字領域3を挟んで、印字領域3よりも搬送方向の前方側に2個の固定孔4が、印字領域3よりも搬送方向の後方側に固定孔4と同一形状の8個の調整孔5が、幅方向の中央、すなわちセンタライン上にそれぞれ形成されており、図3(a)および(b)に示すように、留め具6によって、固定孔4のいずれかと調整孔5のいずれかを固定することで、巻き径を調整して腕に装着できるようになっている。また、リストバンド2において、固定孔4の搬送方向の前方側、且つセンタライン上には、印字領域3およびカット位置Cを把握するための基準となる基準孔として機能する位置検出孔7が形成されており、図4を参照すると、位置検出孔7の搬送方向における長さLは、固定孔4および調整孔5の搬送方向における長さMよりも長く設定されている。なお、図2および図4に符号Cは、カッタ部13によって切り離されるカット位置を示している。
【0015】
図1を参照すると、用紙供給部14からプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に搬送される被印字媒体1を上下に挟むように発光素子と受光素子とが配置された透過型センサが、リストバンド2に形成されている位置検出孔7を検出する位置検出センサ15として設けられており、位置検出孔7の検出信号は、位置検出センサ15から制御部30に入力され、制御部30は、位置検出孔7の検出信号に基づく印字タイミング、すなわち、図4に示す印字領域3の先端位置Xがサーマルヘッド12とプラテンローラ11との間に到達するタイミングで、サーマルヘッド12と、プラテンローラ11を回転駆動する搬送モータ10とを制御して、ホスト40から受信した印字データをリストバンド2の印字領域3に印字すると共に、位置検出孔7の検出信号に基づくカットタイミング、図4に示すカット位置Cがカッタ部13に到達するタイミングで、カッタ部13を制御して、カット位置Cをカットする。なお、位置検出センサ15として、反射型センサを用いるようにしても良い。
【0016】
制御部30は、パーソナルコンピュータ等のホスト40が外部インタフェース(外部I/F)21を介して接続され、外部I/F21を介して、外部に接続されたホスト40との間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっており、図5を参照すると、所定の制御プログラムが記憶されているROM(read only memory)31と、ROM31に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(central processing unit)32と、CPU32が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(random access memory)33と、搬送モータ10にパルス信号等の駆動信号を供給し、搬送モータを回転させる搬送制御部34と、CPU32からの指示に基づいてサーマルヘッド12に印字動作を行わせる印字制御部35と、CPU32の制御下、位置検出センサ15から入力された検出信号から位置検出センサ15の検出信号を選別し、選別した位置検出センサ15の検出信号をデジタルのデータに変換することでピッチ信号としてCPU32に供給する検出信号選別部36と、CPU32からの指示に基づいてカッタ部13を駆動させるカッタ制御部37とを備えている。
【0017】
リストバンド2において、位置検出孔7と、固定孔4および調整孔5とは、センタライン上に形成されているため、位置検出センサ15から検出信号選別部36には、位置検出孔7の検出信号と共に、固定孔4および調整孔5の検出信号も入力される。従って、検出信号選別部36では、位置検出孔7と、固定孔4および調整孔5との搬送方向における長さの違いに基づいて、位置検出孔7の検出信号を選別する。すなわち、位置検出孔7の搬送方向における長さLは、固定孔4および調整孔5の搬送方向における長さMよりも長く設定されているため、同一速度で搬送している場合には、検出信号のパルス幅が長いものが位置検出孔7の検出信号として選別される。なお、第1の実施の形態では、位置検出孔7の搬送方向における長さLを、固定孔4および調整孔5の搬送方向における長さMよりも長く設定し、検出信号のパルス幅が長いものを位置検出孔7の検出信号として選別したが、位置検出孔7の搬送方向における長さLを、固定孔4および調整孔5の搬送方向における長さMよりも短く設定し、検出信号のパルス幅が短いものを位置検出孔7の検出信号として選別するようにしても良く、また、位置検出孔7の検出信号として選別する検出信号のパルス幅を、入力部22の入力や、ホスト40から設定できるようにしても良い。
【0018】
次に、第1の実施の形態におけるリストバンド2の発行動作について図6を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明に係る印字装置の第1の実施の形態におけるリストバンドの発行動作を説明するためのフローチャートである。
【0019】
リストバンド2の印字領域3の先端Xが印字位置、すなわちサーマルヘッド12とプラテンローラ11との間に位置する状態で、CPU32は、ホスト40からの印字データの受信を監視しており(ステップA1)、外部I/F21を介してホスト40から送信されてきた印字データを受信すると、ホスト40より送信されてきた印字データに対応するビットマップイメージデータをRAM33の描画領域に展開する。
【0020】
次に、CPU32は、RAM33の描画領域に展開したビットマップイメージデータの印字を印字制御部35に指示すると共に、搬送制御部34に対して被印字媒体1の搬送方向への搬送を指示し、印字制御部35は、CPU32からの指示に基づいて、RAM33の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに対応して、サーマルヘッド12に対して制御信号を供給すると共に、搬送制御部34は、CPU32からの指示に基づいて、搬送モータ10に対して所定の駆動信号を供給して搬送モータ10を回転駆動させ、これにより、プラテンローラ11とサーマルヘッド12とで挟持搬送されながらリストバンド2の印字領域3に印字データが印字される(ステップA2)。
【0021】
次に、CPU32は、搬送制御部34による被印字媒体1の搬送方向への搬送を継続させると共に(ステップA3)、検出信号選別部36からのピッチ信号の入力、すなわち位置検出センサ15による位置検出孔7の検出を監視する(ステップA4)。なお、ステップA3〜A4では、印字領域3の搬送方向の後方側に形成されている調整孔5が位置検出センサ15によって検出されることになるが、検出信号選別部36において、調整孔5の検出信号のパルス幅が位置検出孔7の検出信号のパルス幅よりも短いため、調整孔5の検出信号は、無視されることになる。また、リストバンド2において、位置検出孔7が印字領域3よりも搬送方向の前方側に形成されているため、印字領域3に印字が施されたリストバンド2に後続する次のリストバンド2(以下、次リストバンド2と称す)の位置検出孔7が検出されることになる。
【0022】
ステップA4で検出信号選別部36からピッチ信号が入力されると、CPU32は、ピッチ信号によって、次リストバンド2の搬送方向の前方側のカット位置C、すなわち印字領域3に印字が施されたリストバンド2の後方側のカット位置Cと、次リストバンド2の印字領域3の先端Xとの位置を把握し、次リストバンド2の搬送方向の前方側のカット位置Cがカッタ部13に到達するのを監視する(ステップA5)。なお、位置検出孔7に対する前方側のカット位置Cおよび印字領域3の先端Xの位置関係は、ROM31等に予め設定されているものとし、CPU32は、予め設定されている位置関係に基づいて、次リストバンド2の搬送方向の前方側のカット位置Cと、次リストバンド2の印字領域3の先端Xとの位置を把握する。また、位置検出孔7に対する前方側のカット位置Cおよび印字領域3の先端Xの位置関係は、リストバンド2の種類によって異なるため、入力部22の入力や、ホスト40から設定できるようにしても良い。
【0023】
ステップA5で、次リストバンド2の搬送方向の前方側のカット位置Cがカッタ部13に到達すると、CPU32は、搬送制御部34に対して搬送の停止を指示すると共に、カッタ制御部37に対してカットを指示し、搬送制御部34は、被印字媒体1の搬送方向への搬送を停止させ(ステップA6)、カッタ制御部37は、次リストバンド2の搬送方向の前方側のカット位置C、すなわち印字領域3に印字が施されたリストバンド2の後方側のカット位置Cをカッタ部13によってカットする(ステップA7)。これにより、印字領域3に印字が施されたリストバンド2が切り離されて発行されることになる。
【0024】
次に、CPU32は、搬送制御部34に対して被印字媒体1の逆方向への搬送を指示し、搬送制御部34は、CPU32からの指示に基づいて、搬送モータ10に対して所定の駆動信号を供給して搬送モータ10を逆方向に回転駆動させ、被印字媒体1を逆方向に搬送する(ステップA8)。また、CPU32は、次リストバンド2の印字領域3の先端Xが印字位置に到達するのを監視する(ステップA9)。なお、ステップA7の段階で、次リストバンド2の印字領域3の先端Xが印字位置まで到達していない場合には、ステップA8では、被印字媒体1は、搬送方向に搬送されることになる。
【0025】
次リストバンド2の印字領域3の先端Xが印字位置に到達すると、CPU32は、搬送制御部34に対して搬送の停止を指示し、搬送制御部34は、被印字媒体1の逆方向への搬送を停止させ(ステップA10)、ステップA1に戻る。
【0026】
なお、第1の実施の形態では、リストバンド2において、固定孔4の搬送方向の前方側に位置検出孔7を形成するように構成したが、位置検出孔7の形成位置は、任意である。
【0027】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、リストバンド2のセンタラインに形成されている孔を検出して検出信号を出力する位置検出センサ15と、位置検出センサ15から出力される検出信号の中から、印字領域3の位置を把握するための基準となる基準孔の検出信号を選別する検出信号選別部36とを設け、検出信号選別部36によって選別された基準孔の検出信号に基づく印字タイミングで印字領域3に印字を施すように構成することにより、リストバンド2のセンタラインに形成されている基準孔に基づいて、印字タイミングを決めることができるため、カス取り部分となる帯状のバンド本体が設けられていない、リストバンド2自体が連続して形成されたラベル連続体に印字を行うことができ、リストバンド2の形状に切り抜く作業を無くすことができると共に、カス取り部分をなくして省資源化に貢献することができるという効果を奏する。
【0028】
さらに、第1の実施の形態によれば、リストバンド連続体をカットするカッタ部13を設け、検出信号選別部36によって選別された基準孔の検出信号に基づくカットタイミングでカッタ部13によってリストバンド連続体をカットし、印字領域3に印字が施されたリストバンド2を切り離すように構成することにより、リストバンド2のセンタラインに形成されている基準孔に基づいて、カットタイミングを決めることができるため、カス取り部分となる帯状のバンド本体が設けられていない、リストバンド2自体が連続して形成されたラベル連続体から、印字領域3に印字が施されたリストバンド2を切り離して発行することができ、作業効率が向上するという効果を奏する。
【0029】
さらに、第1の実施の形態によれば、リストバンド2のセンタラインに、固定孔4および調整孔5とは、搬送方向における長さが異なる位置検出孔7が基準孔として形成し、検出信号選別部36において、位置検出センサ15から出力される検出信号のパルス幅に基づいて、位置検出センサ15から出力される検出信号の中から位置検出孔7の検出信号を基準孔の検出信号として選別することにより、リストバンド2のセンタラインに位置検出孔7を基準孔として形成するだけで、リストバンド2のセンタラインに形成されている位置検出孔7に基づいて、印字タイミングを決めることができるという効果を奏する。
【0030】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明に係る印字装置の第2の実施の形態に用いられる被印字媒体の構成を示す平面図である。
【0031】
第2の実施の形態では、リストバンド2に位置検出孔7を形成することなく、固定孔4もしくは調整孔5のいずれかを基準孔、すなわち位置検出孔7として用いる点で第1の実施の形態と異なっている。
【0032】
図7を参照すると、リストバンド2において、隣接する固定孔4の間隔Aおよび隣接する調整孔5の間隔B(間隔Aと間隔Bとは同一であっても異なっていても良い)と、最も後方側に位置する固定孔4と最も前方側に位置する調整孔5の間隔Cと、最も後方側に位置する調整孔5と後続するリストバンド2において最も前方側に位置する固定孔4との間隔Dとがそれぞれ異なるように設定されており、検出信号選別部36では、固定孔4もしくは調整孔5が検出される間隔、すなわち検出信号の出力間隔に基づいて調整孔5のいずれかを基準孔として選別する。例えば、最も前方側に位置する固定孔4aを基準孔とする場合には、先に検出信号が入力された後、間隔Dに引き続く検出信号を基準孔となる固定孔4aの検出信号として選別することができる。また、前方側から2番目に位置する固定孔4bを基準孔とする場合には、先に検出信号が入力された後、間隔Dに引き続く2個目の検出信号を基準孔となる固定孔4bの検出信号として選別することができる。同様に、調整孔5を基準孔とする場合には、先に検出信号が入力された後、間隔Cに引き続くn番目(n=1〜8)検出信号を基準孔となる調整孔5の検出信号として選別することができる。
【0033】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、検出信号選別部36において、位置検出センサ15から出力される検出信号の出力間隔に基づいて、位置検出センサ15から出力される検出信号の中から基準孔の検出信号を選別することにより、既存の固定孔4もしくは調整孔5のいずれかに基づいて、印字タイミングを決めることができるという効果を奏する。
【0034】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る印字装置の第1の実施の形態の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る印字装置の第1の実施の形態に用いられる被印字媒体の構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示すリストバンドの装着動作を説明する説明図である。
【図4】図2に示すリストバンドの構成を示す平面図である。
【図5】図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る印字装置の第1の実施の形態におけるリストバンドの発行動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明に係る印字装置の第2の実施の形態に用いられる被印字媒体の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 被印字媒体
2 リストバンド
3 印字領域
4 固定孔
4a、4b 固定孔
5 調整孔
6 留め具
7 位置検出孔
10 搬送モータ
11 プラテンローラ
12 サーマルヘッド
13 カッタ部
14 用紙供給部
15 位置検出センサ
21 外部I/F
22 入力部
30 制御部
31 ROM
32 CPU
33 RAM
34 搬送制御部
35 印字制御部
36 検出信号選別部
37 カッタ制御部
40 ホスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字領域が設けられていると共に、前記印字領域を挟んで固定孔と複数の調整孔とがセンタライン上にそれぞれ形成されているリストバンドが、連続して形成されているリストバンド連続体を搬送しながら、前記印字領域に印字を施す印字装置であって、
前記リストバンドのセンタラインに形成されている孔を検出して検出信号を出力する位置検出手段と、
該位置検出手段から出力される検出信号の中から、前記印字領域の位置を把握するための基準となる基準孔の検出信号を選別する検出信号選別手段とを具備し、
前記検出信号選別手段によって選別された前記基準孔の検出信号に基づく印字タイミングで前記印字領域に印字を施すことを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記リストバンド連続体をカットするカッタ手段を具備し、
前記カッタ手段は、前記検出信号選別手段によって選別された前記基準孔の検出信号に基づくカットタイミングで前記リストバンド連続体をカットし、前記印字領域に印字が施された前記リストバンドを切り離すことを特徴とする請求項1記載の印字装置。
【請求項3】
前記リストバンドのセンタラインには、前記固定孔および前記調整孔とは、搬送方向における長さが異なる位置検出孔が前記基準孔として形成されており、
前記検出信号選別手段は、位置検出手段から出力される検出信号のパルス幅に基づいて、前記位置検出手段から出力される検出信号の中から前記位置検出孔の検出信号を前記基準孔の検出信号として選別することを特徴とする請求項1又は2記載の印字装置。
【請求項4】
前記検出信号選別手段は、位置検出手段から出力される検出信号の出力間隔に基づいて、前記位置検出手段から出力される検出信号の中から前記基準孔の検出信号を選別することを特徴とする請求項1又は2記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234118(P2009−234118A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84821(P2008−84821)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】