印字装置
【課題】
本発明の課題は、電子ペーパーの技術をリライタブルラベルに適用し、このリライタブルラベルに印字されている情報を物品に貼着した状態で容易に書き換えることができる印字装置を提供することである。
【解決手段】
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部１２と、
上記電荷を照射する電荷照射面Ａを有する電荷照射部１１と、
上記電荷照射面Ａの側部に突起状に設け、上記電荷照射面Ａと上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイド１３と、
を備える印字装置１０を形成する。
本発明の課題は、電子ペーパーの技術をリライタブルラベルに適用し、このリライタブルラベルに印字されている情報を物品に貼着した状態で容易に書き換えることができる印字装置を提供することである。
【解決手段】
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部１２と、
上記電荷を照射する電荷照射面Ａを有する電荷照射部１１と、
上記電荷照射面Ａの側部に突起状に設け、上記電荷照射面Ａと上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイド１３と、
を備える印字装置１０を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、リライタブルラベルに電荷を照射し印字を行う印字装置に関し、詳しくは、物品に貼着されているリライタブルラベルに容易に印字を行うことができる印字装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
最近、非接触で再書き込み可能な印字媒体として、電子ペーパー（リライタブルペーパー）の技術がある。
電子ペーパーは、書き込み方式により、電子分流体方式、マイクロカプセル型電気詠動方式、液晶方式などの種々のタイプのものが挙げられる。
このような電子ペーパーでは、電荷を照射して形成する電荷パターンに応じて極性の向きが変わる磁性物質により情報の書き込み（表示）が行われる。
電子ペーパーの情報書き換えを行う場合には、設置型の専用の情報書き込み装置で行われている。
一般的な電子ペーパーに関する公知情報を特許文献１に示す。
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−１３９７３５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、電子ペーパーの技術をラベルに適用し、物品に貼着したラベルに対して、直接情報を書き込むことができる印字装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本願発明は、
電荷を照射してリライタブルラベルの印字面に印字を行う印字装置において、
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部と、
上記電荷を照射する電荷照射面を有する電荷照射部と、
上記電荷照射面の側部に突起状に設け、上記電荷照射面と上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイドと、
を備える印字装置を提供する。
【０００６】
印字面と電荷照射面とは、ガイドの突状部分をリライタブルラベルの所望位置に容易に設置することができる。
また、位置合わせすることにより、電荷照射面に対する印字面の距離が一定に保たれる。
本発明の印字装置は、リライタブルラベルの貼付状態に関わらず、印字面に対する電荷照射面の位置をガイドで固定して印字を行うことができる。
【０００７】
また、
印字装置のガイドは、上記電荷照射面と上記印字面とを平行に位置決めする形状に形成した。
ガイドによる位置決めが行われると、印字面と照射面とが平行になり、電荷の照射距離が一定に保たれる。
【０００８】
更に、
印字装置の電荷照射面は、上記印字面以上の面積を有する形状に形成した。
印字面全体を電荷照射面で覆うことができるので、電荷照射部やリライタブルラベルを移動させることなく、一旦ガイドで位置決めした位置にて印字面全体に電荷の照射が可能になる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の印字装置は、商品に貼着したリライタブルラベルに対する印字のための位置合わせをガイドの利用により容易に行うことができる。従って、商品に貼着した状態のリライタブルラベルに対する情報の書き換えを容易に行うことができる。
また、電荷の照射距離を一定にできるので、全印字面における印字の照射エネルギーが一定になり、印字精度が向上する。
また、印字面全体を電荷照射面全体で覆うことができるので、１リライタブルラベルに対する印字処理において電荷照射面や印字面を移動することなく、印字面の全範囲に電荷の照射が可能になる。照射面や印字面の移動動作が不要になる分、ラベル単位の印字処理効率が向上する。更に、移動動作がないため、電荷照射時の照射位置ずれも回避することができ、印字精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
本発明の印字装置は、電荷が照射されて情報をリライタブルに書き込むことができる印字媒体全般に用いることができる。
図１及び図２は、本発明の印字装置の実施の一例形態を示す説明図である。
印字装置１０の基本構成は、電荷照射部１１と、電荷発生部１２と、ガイド１３とを備える。
電荷照射部１１は、放電電極１１１と放電電極１１１を配置する共通電極１１２とから構成する。
放電電極１１１は、電荷照射単位である。電荷照射面積が小さいほど表示解像度を高めることができる。
共通電極１１２は、放電電極１１１をマトリックスに配置するように平面状に形成する。共通電極１１２に放電電極１１１が配置されたものが電荷照射面Ａとなる。共通電極１１２は、放電電極１１１に一定の電圧を等しく負荷する。
ここで電荷照射面Ａの面積は、用いるリライタブルラベルの印字面Ｂ（後述）の面積より大きく形成した。電荷照射面Ａの面積を印字面Ｂの面積より大きくすることに限定するものではない。
【００１１】
電荷発生部１２は、加電圧手段と加熱手段１２２とを備える。
加電圧手段は、外部から電源供給を受け電圧調整する変圧機能を有するものでも、バッテリー機能のものでも構わない。共通電極１１２に電圧を負荷できるものであればよい。
また、電荷発生部１２は、印字装置１０を把持できる形状とする。把持形状とすることで、印字装置１０の携帯性が向上する。
加熱手段１２２は、発熱抵抗体１２２１と駆動電極１２２２とを備える。
発熱抵抗体１２２１は、所定の抵抗値を有し通電することにより発熱する物質である。発熱抵抗体１２２１は、放電電極１１１と１対１対応になるようにマトリックス配置する。
発熱抵抗体１２２１には、夫々駆動電極１２２２が２次元配線されている。この配線座標を図示しない制御部にて選択することにより、通電する発熱抵抗体１２２１が選択される。
選択した発熱抵抗体１２２１は通電により発熱し、その熱は対応する放電電極１１１に供給される。
【００１２】
図３は、電荷照射部１１と電荷発生部１２との接続状態の説明図である。
電荷照射部１１と電荷発生部１２とは、放電電極１１１と対応する発熱抵抗体１２２１とが絶縁体を介して接合している。
発熱抵抗体１２２１発生した熱により対応する放電電極１１１が加熱される。放電電極１１１は、熱の供給量に応じてマイナス電荷を放出する。
【００１３】
図４は、ガイド１３の説明図である。
ガイド１３は、矩形の電荷照射面Ａの相対する辺に一対設けた。ガイド１３は夫々、印字面（矩形）と電荷照射面Ａとの位置合わせを行い易いように、印字面Ｂの側辺がガイド１３の突状先端面１３１の内周と合わすことができる同じ立方体形状とした。
従って、ガイド１３の位置合わせを行うことにより電荷照射面Ａと印字面Ｂとが平行に位置することになる。
また、ガイド１３には、突出先端面１３１に露出する接地電圧の電極１３２を配してある。
【００１４】
図５は、本発明の印字装置１０に用いる一例リライタブルラベルの説明図である。
リライタブルラベル２０の情報表示手段としては、ここでは、一般にツイストボール方式と言われているものにより行うものを採用した。
リライタブルラベル２０は、表示層２１と、表示層２１の一面に積層した基材２２と、基材２２に積層した接着層２３と、表示層２１の他面に積層した駆動電圧調節層２４とを備えて構成されている。表示層２１の表面が印字面Ｂとなる。
【００１５】
基材２２は、樹脂からなる支持材２２１と、支持材の一面に一様に蒸着された
ＩＴＯ電極２２２とから構成されている。ＩＴＯ電極２２２が表示層２１に接している。ＩＴＯ電極２２２は、表示層２１の側部から露出するように形成している。
接着層２３は、被着体と所望の接着状態を形成する接着剤を基材２２の他面に塗
布して形成されている。
駆動電圧調節層２４は、透明な半導電性樹脂であり、透明な樹脂に導電性材料を
混入させることで所望の表面固有抵抗を有するように形成されている。
【００１６】
図６は、表示層２１の説明図である。
表示層２１は、情報表示を行う複数の双極磁性球体（ツイストボール）２１１と、ツイ
ストボール２１１を回動可能に格納する複数の透明球体カプセル２１２と、カプセル２１２をマトリックス配置して層形成する透明樹脂２１３とを備えて構成する。
ツイストボール２１１は、極性により異なる色が付与されているため、情報の識別が
可能になる。ここでは、マイナス極性半球表面に黒色、プラス極性半球に白色を施している。
【００１７】
図７は、情報表示の説明図である。
ツイストボール２１１は、照射される電荷の大きさにより、顕色度合いが変化する。例えば、電荷照射量に応じて、黒色のみ、黒白混在、白色のみが表示するようにツイストボールが回転する。
このように、印字面Ｂには２値（白黒表示）だけではなく、グラデーション表示を加えた情報表示が可能になる。
【００１８】
印字装置１０を用いて商品に貼着しているリライタブルラベル２０に情報を書き込む場合は、次のようにして行われる。
ここでは、携帯仕様の情報書き込みに情報書き込みにマイナス電荷を照射する印字装置１０を用いる。
図８は、印字装置１０とリライタブルラベル２０の位置合わせの説明図である。
先ず、ガイド１３を利用して情報の書き替えを行うリライタブルラベル２０の印字面Ｂと照射面Ａとの位置合わせを行う。位置合わせは、ガイド１３幅の中に印字面Ｂが位置するようにし、印字面Ｂから露出しているＩＴＯ電極２２２に、ガイドの突出先端面３１（接地電極）が接触するようにする。この位置合わせにより、印字装置１０とリライタブルラベル２０との間に電荷照射時に回路が形成される。
【００１９】
（情報のリセット）
情報を書き込むリライタブルラベル２０は、既に情報が書き込まれて箱に貼付されている。そのまま情報の上書をすると正しい情報が表示されなくなるため、情報表示を一旦リセットする。
印字装置１０は、マイナス電荷を照射して情報の書き込みを行うことから、リライタブルラベル２０の情報をリセットするためには、プラス電荷を印字面Ｂに照射する必要がある。これは、情報の書き込みの場合と逆の電圧を電荷照射面Ａ−ＩＴＯ電極２２２間に負荷することにより行うことができる。このリセット操作により、印字面Ｂ全面は白色表示になる。
【００２０】
（情報の書き込み）
次に、書き換える情報の電荷パターンを、駆動電圧調節層２４の表面に形成する。
電荷発生部１２は、電荷パターン形成に必要な電荷を照射する放電電極１１１を加熱するため、対応する発熱抵抗体１２２１を選択して加熱を行う。加熱は、制御部にて選択した電極１３２に通電した結果、電流が流れる発熱抵抗体１２２１により行われる。
【００２１】
加熱された放電電極１１１は、加熱度合い（温度と照射時間）が大きいほど多くのマイナス電荷を放出する。
放出されたマイナス電荷は、磁場作用により照射先である駆動電圧調節層２４の表面に垂直に照射する。このようにして、駆動電圧調節層２４の表面には、マイナス電荷のパターンが形成される。
【００２２】
マイナス電荷のパターンは、駆動電圧調節層２４の絶縁作用により駆動電圧調節層２４の表面に暫く滞在する。
マイナス電荷が滞在する２次元位置に対応するツイストボール２１１は、電荷の強さに応じてプラス極性が表示するように回転する。
ツイストボール２１１の回転は、マイナス電荷の強さとツイストボール２１１のプラス極性とが磁気的に釣り合った位置で停止する。
【００２３】
その後、駆動電圧調節層２４の表面に形成された電荷パターンは、表面に保持されることなく駆動電圧調節層２４の導電作用により経時的に消滅する。
ツイストボール２１１の回動位置は分子間力等の影響で保持されるので、情報表示の固定が可能になる。
【００２４】
このように、印字装置１０は、商品から剥がすことなく商品に貼着した状態のリライタブルラベル２０の印字面Ｂに対して、電荷照射面Ａを容易に位置合わせして情報の書き込みを行う。
従って、本願発明の印字装置を用いれば、リライタブルラベルを商品から剥離し、情報のリライトを行い、再度商品に貼着するという作業が不要となり、情報書き換え処理効率を大幅に向上することができる。
【００２５】
なお、実施例において、本願発明の印字装置で用いる印字媒体としてツイストボール方式で情報表示を行うリライタブルラベルを用いて説明したが、これに限定されることなく、電荷照射によりリライト可能なリライタブルメディア（ラベルに限定されない）であればよい。
また、実施例では印字面を挟む形状のガイドを用いたが、印字面周辺を囲う
形状のガイドでも、複数の支柱体のガイドであってもよい。
また、照射するマイナス電荷の調整の変数を加熱度合いとしたが、電荷照射面−ＩＴＯ電極間に負荷する電圧も変数として用いることができる。
また、照射電荷は、マイナス電荷だけではなく、プラス電荷を用いることができる。
また、印字装置は、商品搬送ラインに設け、情報書き込み時にリライタブルラベルとの位置合わせを行う構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】実施の形態にかかる印字装置の説明図である。
【図２】印字装置の内部構成の説明図である。
【図３】印字装置の内部構成の説明図である。
【図４】ガイドの説明図である。
【図５】実施例で用いたリライタブルラベルの説明図である。
【図６】リライタブルラベルの表示層の説明図である。
【図７】表示状態の説明図である。
【図８】印字装置とリライタブルラベルの位置合わせ状態の説明図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ 印字装置
１１ 電荷照射部
１１１ 放電電極
１１２ 共通電極
１２ 電荷発生部
１２１ 加電圧手段
１２２ 加熱手段
１２２１ 発熱抵抗体
１２２２ 駆動電極
１３ ガイド
１３１ 突出先端面
１３２ 配線
２０ リライタブルラベル
２１ 表示層
２１１ ツイストボール
２１２ カプセル
２１３ 透明樹脂
２２ 基材
２２１ 支持材
２２２ ＩＴＯ電極
２３ 接着層
２４ 駆動電圧調節層
Ａ 電荷照射面
Ｂ 印字面
【技術分野】
【０００１】
本発明は、リライタブルラベルに電荷を照射し印字を行う印字装置に関し、詳しくは、物品に貼着されているリライタブルラベルに容易に印字を行うことができる印字装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
最近、非接触で再書き込み可能な印字媒体として、電子ペーパー（リライタブルペーパー）の技術がある。
電子ペーパーは、書き込み方式により、電子分流体方式、マイクロカプセル型電気詠動方式、液晶方式などの種々のタイプのものが挙げられる。
このような電子ペーパーでは、電荷を照射して形成する電荷パターンに応じて極性の向きが変わる磁性物質により情報の書き込み（表示）が行われる。
電子ペーパーの情報書き換えを行う場合には、設置型の専用の情報書き込み装置で行われている。
一般的な電子ペーパーに関する公知情報を特許文献１に示す。
【０００３】
【特許文献１】特開２００８−１３９７３５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、電子ペーパーの技術をラベルに適用し、物品に貼着したラベルに対して、直接情報を書き込むことができる印字装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本願発明は、
電荷を照射してリライタブルラベルの印字面に印字を行う印字装置において、
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部と、
上記電荷を照射する電荷照射面を有する電荷照射部と、
上記電荷照射面の側部に突起状に設け、上記電荷照射面と上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイドと、
を備える印字装置を提供する。
【０００６】
印字面と電荷照射面とは、ガイドの突状部分をリライタブルラベルの所望位置に容易に設置することができる。
また、位置合わせすることにより、電荷照射面に対する印字面の距離が一定に保たれる。
本発明の印字装置は、リライタブルラベルの貼付状態に関わらず、印字面に対する電荷照射面の位置をガイドで固定して印字を行うことができる。
【０００７】
また、
印字装置のガイドは、上記電荷照射面と上記印字面とを平行に位置決めする形状に形成した。
ガイドによる位置決めが行われると、印字面と照射面とが平行になり、電荷の照射距離が一定に保たれる。
【０００８】
更に、
印字装置の電荷照射面は、上記印字面以上の面積を有する形状に形成した。
印字面全体を電荷照射面で覆うことができるので、電荷照射部やリライタブルラベルを移動させることなく、一旦ガイドで位置決めした位置にて印字面全体に電荷の照射が可能になる。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の印字装置は、商品に貼着したリライタブルラベルに対する印字のための位置合わせをガイドの利用により容易に行うことができる。従って、商品に貼着した状態のリライタブルラベルに対する情報の書き換えを容易に行うことができる。
また、電荷の照射距離を一定にできるので、全印字面における印字の照射エネルギーが一定になり、印字精度が向上する。
また、印字面全体を電荷照射面全体で覆うことができるので、１リライタブルラベルに対する印字処理において電荷照射面や印字面を移動することなく、印字面の全範囲に電荷の照射が可能になる。照射面や印字面の移動動作が不要になる分、ラベル単位の印字処理効率が向上する。更に、移動動作がないため、電荷照射時の照射位置ずれも回避することができ、印字精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
本発明の印字装置は、電荷が照射されて情報をリライタブルに書き込むことができる印字媒体全般に用いることができる。
図１及び図２は、本発明の印字装置の実施の一例形態を示す説明図である。
印字装置１０の基本構成は、電荷照射部１１と、電荷発生部１２と、ガイド１３とを備える。
電荷照射部１１は、放電電極１１１と放電電極１１１を配置する共通電極１１２とから構成する。
放電電極１１１は、電荷照射単位である。電荷照射面積が小さいほど表示解像度を高めることができる。
共通電極１１２は、放電電極１１１をマトリックスに配置するように平面状に形成する。共通電極１１２に放電電極１１１が配置されたものが電荷照射面Ａとなる。共通電極１１２は、放電電極１１１に一定の電圧を等しく負荷する。
ここで電荷照射面Ａの面積は、用いるリライタブルラベルの印字面Ｂ（後述）の面積より大きく形成した。電荷照射面Ａの面積を印字面Ｂの面積より大きくすることに限定するものではない。
【００１１】
電荷発生部１２は、加電圧手段と加熱手段１２２とを備える。
加電圧手段は、外部から電源供給を受け電圧調整する変圧機能を有するものでも、バッテリー機能のものでも構わない。共通電極１１２に電圧を負荷できるものであればよい。
また、電荷発生部１２は、印字装置１０を把持できる形状とする。把持形状とすることで、印字装置１０の携帯性が向上する。
加熱手段１２２は、発熱抵抗体１２２１と駆動電極１２２２とを備える。
発熱抵抗体１２２１は、所定の抵抗値を有し通電することにより発熱する物質である。発熱抵抗体１２２１は、放電電極１１１と１対１対応になるようにマトリックス配置する。
発熱抵抗体１２２１には、夫々駆動電極１２２２が２次元配線されている。この配線座標を図示しない制御部にて選択することにより、通電する発熱抵抗体１２２１が選択される。
選択した発熱抵抗体１２２１は通電により発熱し、その熱は対応する放電電極１１１に供給される。
【００１２】
図３は、電荷照射部１１と電荷発生部１２との接続状態の説明図である。
電荷照射部１１と電荷発生部１２とは、放電電極１１１と対応する発熱抵抗体１２２１とが絶縁体を介して接合している。
発熱抵抗体１２２１発生した熱により対応する放電電極１１１が加熱される。放電電極１１１は、熱の供給量に応じてマイナス電荷を放出する。
【００１３】
図４は、ガイド１３の説明図である。
ガイド１３は、矩形の電荷照射面Ａの相対する辺に一対設けた。ガイド１３は夫々、印字面（矩形）と電荷照射面Ａとの位置合わせを行い易いように、印字面Ｂの側辺がガイド１３の突状先端面１３１の内周と合わすことができる同じ立方体形状とした。
従って、ガイド１３の位置合わせを行うことにより電荷照射面Ａと印字面Ｂとが平行に位置することになる。
また、ガイド１３には、突出先端面１３１に露出する接地電圧の電極１３２を配してある。
【００１４】
図５は、本発明の印字装置１０に用いる一例リライタブルラベルの説明図である。
リライタブルラベル２０の情報表示手段としては、ここでは、一般にツイストボール方式と言われているものにより行うものを採用した。
リライタブルラベル２０は、表示層２１と、表示層２１の一面に積層した基材２２と、基材２２に積層した接着層２３と、表示層２１の他面に積層した駆動電圧調節層２４とを備えて構成されている。表示層２１の表面が印字面Ｂとなる。
【００１５】
基材２２は、樹脂からなる支持材２２１と、支持材の一面に一様に蒸着された
ＩＴＯ電極２２２とから構成されている。ＩＴＯ電極２２２が表示層２１に接している。ＩＴＯ電極２２２は、表示層２１の側部から露出するように形成している。
接着層２３は、被着体と所望の接着状態を形成する接着剤を基材２２の他面に塗
布して形成されている。
駆動電圧調節層２４は、透明な半導電性樹脂であり、透明な樹脂に導電性材料を
混入させることで所望の表面固有抵抗を有するように形成されている。
【００１６】
図６は、表示層２１の説明図である。
表示層２１は、情報表示を行う複数の双極磁性球体（ツイストボール）２１１と、ツイ
ストボール２１１を回動可能に格納する複数の透明球体カプセル２１２と、カプセル２１２をマトリックス配置して層形成する透明樹脂２１３とを備えて構成する。
ツイストボール２１１は、極性により異なる色が付与されているため、情報の識別が
可能になる。ここでは、マイナス極性半球表面に黒色、プラス極性半球に白色を施している。
【００１７】
図７は、情報表示の説明図である。
ツイストボール２１１は、照射される電荷の大きさにより、顕色度合いが変化する。例えば、電荷照射量に応じて、黒色のみ、黒白混在、白色のみが表示するようにツイストボールが回転する。
このように、印字面Ｂには２値（白黒表示）だけではなく、グラデーション表示を加えた情報表示が可能になる。
【００１８】
印字装置１０を用いて商品に貼着しているリライタブルラベル２０に情報を書き込む場合は、次のようにして行われる。
ここでは、携帯仕様の情報書き込みに情報書き込みにマイナス電荷を照射する印字装置１０を用いる。
図８は、印字装置１０とリライタブルラベル２０の位置合わせの説明図である。
先ず、ガイド１３を利用して情報の書き替えを行うリライタブルラベル２０の印字面Ｂと照射面Ａとの位置合わせを行う。位置合わせは、ガイド１３幅の中に印字面Ｂが位置するようにし、印字面Ｂから露出しているＩＴＯ電極２２２に、ガイドの突出先端面３１（接地電極）が接触するようにする。この位置合わせにより、印字装置１０とリライタブルラベル２０との間に電荷照射時に回路が形成される。
【００１９】
（情報のリセット）
情報を書き込むリライタブルラベル２０は、既に情報が書き込まれて箱に貼付されている。そのまま情報の上書をすると正しい情報が表示されなくなるため、情報表示を一旦リセットする。
印字装置１０は、マイナス電荷を照射して情報の書き込みを行うことから、リライタブルラベル２０の情報をリセットするためには、プラス電荷を印字面Ｂに照射する必要がある。これは、情報の書き込みの場合と逆の電圧を電荷照射面Ａ−ＩＴＯ電極２２２間に負荷することにより行うことができる。このリセット操作により、印字面Ｂ全面は白色表示になる。
【００２０】
（情報の書き込み）
次に、書き換える情報の電荷パターンを、駆動電圧調節層２４の表面に形成する。
電荷発生部１２は、電荷パターン形成に必要な電荷を照射する放電電極１１１を加熱するため、対応する発熱抵抗体１２２１を選択して加熱を行う。加熱は、制御部にて選択した電極１３２に通電した結果、電流が流れる発熱抵抗体１２２１により行われる。
【００２１】
加熱された放電電極１１１は、加熱度合い（温度と照射時間）が大きいほど多くのマイナス電荷を放出する。
放出されたマイナス電荷は、磁場作用により照射先である駆動電圧調節層２４の表面に垂直に照射する。このようにして、駆動電圧調節層２４の表面には、マイナス電荷のパターンが形成される。
【００２２】
マイナス電荷のパターンは、駆動電圧調節層２４の絶縁作用により駆動電圧調節層２４の表面に暫く滞在する。
マイナス電荷が滞在する２次元位置に対応するツイストボール２１１は、電荷の強さに応じてプラス極性が表示するように回転する。
ツイストボール２１１の回転は、マイナス電荷の強さとツイストボール２１１のプラス極性とが磁気的に釣り合った位置で停止する。
【００２３】
その後、駆動電圧調節層２４の表面に形成された電荷パターンは、表面に保持されることなく駆動電圧調節層２４の導電作用により経時的に消滅する。
ツイストボール２１１の回動位置は分子間力等の影響で保持されるので、情報表示の固定が可能になる。
【００２４】
このように、印字装置１０は、商品から剥がすことなく商品に貼着した状態のリライタブルラベル２０の印字面Ｂに対して、電荷照射面Ａを容易に位置合わせして情報の書き込みを行う。
従って、本願発明の印字装置を用いれば、リライタブルラベルを商品から剥離し、情報のリライトを行い、再度商品に貼着するという作業が不要となり、情報書き換え処理効率を大幅に向上することができる。
【００２５】
なお、実施例において、本願発明の印字装置で用いる印字媒体としてツイストボール方式で情報表示を行うリライタブルラベルを用いて説明したが、これに限定されることなく、電荷照射によりリライト可能なリライタブルメディア（ラベルに限定されない）であればよい。
また、実施例では印字面を挟む形状のガイドを用いたが、印字面周辺を囲う
形状のガイドでも、複数の支柱体のガイドであってもよい。
また、照射するマイナス電荷の調整の変数を加熱度合いとしたが、電荷照射面−ＩＴＯ電極間に負荷する電圧も変数として用いることができる。
また、照射電荷は、マイナス電荷だけではなく、プラス電荷を用いることができる。
また、印字装置は、商品搬送ラインに設け、情報書き込み時にリライタブルラベルとの位置合わせを行う構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】実施の形態にかかる印字装置の説明図である。
【図２】印字装置の内部構成の説明図である。
【図３】印字装置の内部構成の説明図である。
【図４】ガイドの説明図である。
【図５】実施例で用いたリライタブルラベルの説明図である。
【図６】リライタブルラベルの表示層の説明図である。
【図７】表示状態の説明図である。
【図８】印字装置とリライタブルラベルの位置合わせ状態の説明図である。
【符号の説明】
【００２７】
１０ 印字装置
１１ 電荷照射部
１１１ 放電電極
１１２ 共通電極
１２ 電荷発生部
１２１ 加電圧手段
１２２ 加熱手段
１２２１ 発熱抵抗体
１２２２ 駆動電極
１３ ガイド
１３１ 突出先端面
１３２ 配線
２０ リライタブルラベル
２１ 表示層
２１１ ツイストボール
２１２ カプセル
２１３ 透明樹脂
２２ 基材
２２１ 支持材
２２２ ＩＴＯ電極
２３ 接着層
２４ 駆動電圧調節層
Ａ 電荷照射面
Ｂ 印字面
【特許請求の範囲】
【請求項１】
電荷を照射してリライタブルラベルの印字面に印字を行う印字装置において、
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部と、
上記電荷を照射する電荷照射面を有する電荷照射部と、
上記電荷照射面の側部に突起状に設け、上記電荷照射面と上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイドと、
を備える印字装置。
【請求項２】
上記ガイドは、上記電荷照射面と上記印字面とを平行に位置決めする形状に形成したことを特徴とする請求項１記載の印字装置。
【請求項３】
上記電荷照射面は、上記印字面以上の面積を有する形状に形成したことを特徴とする請求項１または２記載の印字装置。
【請求項１】
電荷を照射してリライタブルラベルの印字面に印字を行う印字装置において、
駆動電圧を供給する加電圧手段と電荷を照射するための加熱手段とを備える電荷発生部と、
上記電荷を照射する電荷照射面を有する電荷照射部と、
上記電荷照射面の側部に突起状に設け、上記電荷照射面と上記印字面との位置決め及び距離を定めるガイドと、
を備える印字装置。
【請求項２】
上記ガイドは、上記電荷照射面と上記印字面とを平行に位置決めする形状に形成したことを特徴とする請求項１記載の印字装置。
【請求項３】
上記電荷照射面は、上記印字面以上の面積を有する形状に形成したことを特徴とする請求項１または２記載の印字装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１１−２０９５１９（Ｐ２０１１−２０９５１９Ａ）
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−７７４２３（Ｐ２０１０−７７４２３）
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）株式会社サトー (1,153)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）株式会社サトー (1,153)
【Ｆターム（参考）】
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