卵包装容器
【課題】凹凸のある卵包装容器に封止フィルムを確実に綺麗に被せる。
【解決手段】プラスチック製の卵包装容器の本体部1に鶏卵を収容する。卵包装容器の蓋部2を閉じて、蓋部2に十字形状の封止フィルム4を載せる。封止フィルム4の第1の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。封止フィルム4の第2の腕部を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。このようにすることにより、卵包装容器に封止フィルム4を確実に綺麗に被せて封止できる。卵包装容器に凹凸があっても、封止フィルム4にラベルを貼って商品名などの表示ができる。
【解決手段】プラスチック製の卵包装容器の本体部1に鶏卵を収容する。卵包装容器の蓋部2を閉じて、蓋部2に十字形状の封止フィルム4を載せる。封止フィルム4の第1の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。封止フィルム4の第2の腕部を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。このようにすることにより、卵包装容器に封止フィルム4を確実に綺麗に被せて封止できる。卵包装容器に凹凸があっても、封止フィルム4にラベルを貼って商品名などの表示ができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵包装容器に関し、特に、フィルムで包んだ卵包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鶏卵包装用の容器は、鶏卵を収容するプラスチック製の本体部と、本体部にヒンジ部で接続されたプラスチック製の蓋部とからなっている。プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、卵包装容器の蓋部を閉じる。蓋部を閉じるために、本体部の鍔部と蓋部の鍔部を係合させて融着したり、ステープラーで止めたりしている。また、苺やトマトなどの野菜類や、納豆や菓子類を包装する容器では、帯状のフィルムで包むことで、封止する方法も行われている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
【0003】
特許文献1に開示された「食品用帯掛け機」は、弾性容器の周囲に帯状のフィルムを巻き付ける低コストの食品用帯掛け機であり、フィルムを薄くできるものである。カッターによる切断位置に、リールから連続フィルムを送る。その際、定張力化手段で連続フィルムの張力を一定にする。弾性容器の周囲に巻き付けられたフィルムの重ね合わされた両端部を、超音波融着器で超音波により融着する。
【0004】
特許文献2に開示された「卵包装容器」は、開く方向の強い弾力を緩和させた卵包装容器である。開閉自在な身部分と蓋部分とを、折り曲げ可能な連結部分で連結する。閉じた状態において卵保持用空間を形成するように、隔壁によって仕切られた複数の凹部を設ける。連結部分に、連結部分の弾力を緩和する断続的な切れ目を設けた。
【0005】
特許文献3に開示された「フィルム包装装置」は、簡単な構成で低コストであり、包装作業効率が良好なフィルム包装装置である。フィルムロールから繰り出されるフィルムを、搬送部で挟持して搬送する。搬送部から送られてきたフィルムを、切断部で所定幅に切断する。切断された帯フィルムの両端側を把持した状態で、被せ動作部で被包装物に被せる。被せ動作部の被せ動作位置を含む供給ラインに、被包装物供給部で被包装物を供給する。第1点当たり把持手段で、フィルムの両端側を点当たり状に押圧して解放自在に把持しつつ、搬送部と協働して、フィルムを被せ動作部側に搬送する。挟持搬送の前後の仮押さえを行い、搬送を補助する。さらに、所定長さに切断された帯フィルム両端を、第2点当たり把持機構で押さえる。これにより、上面側からの被せ動作時に、円滑に被包装物上面に被せながら、第2点当たり把持機構を離脱し帯掛けを行う。
【特許文献1】特開平08-207901号公報
【特許文献2】特開平09-040052号公報
【特許文献3】特開2005-088957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の帯掛方法で卵包装容器に包装フィルムを被せると、次のような問題がある。卵包装容器は、鶏卵の形状に合わせて容器を凹凸にしてあるので、従来の帯掛方法では、ずれたり皺が寄ったりして、確実に綺麗に包装することができない。そのため、商品名のラベルを貼ることができないか、貼っても読みにくくなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、卵包装容器に、確実に綺麗に包装フィルムを被せて封止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では、鶏卵を収容する本体部と、本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、本体部と蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器の封止フィルムを、第1の腕部が卵包装容器の長手方向の側部を回って、本体部の底部で端同士が接着されており、第2の腕部が卵包装容器の短手方向の側部を回って本体部の底部で接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされているように構成した。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成したことにより、卵包装容器に、包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができるので、卵包装容器に凹凸があっても包装フィルムラベルを貼って商品名などの表示ができる。また、卵包装容器を封止するための鍔部が不要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図12を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0012】
図1は、本発明の実施例1における卵包装容器の概観図である。図1(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図1(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図2(a)は、卵包装容器の横断面図である。図2(b)は、卵包装容器の縦断面図である。図2(c)は、十字形状の封止フィルムである。図1と図2において、本体部1は、卵を収容する部分である。蓋部2は、卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む十字形状のフィルムである。卵包装容器は、プラスチック製でもよいし、植物性の素材を利用したものでもよい。これらを代表してプラスチック製という。
【0013】
図3は、卵包装容器を封止フィルムで包む処理手順を説明する図である。図3(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図3(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図3(c)は、卵包装容器に十字形状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図3(d)は、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。図3(e)は、十字形状の封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0014】
上記のように構成された本発明の実施例1における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図1と図2を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。封止フィルム4の第1の両側の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。第2の両側の腕部を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部の底部で端同士を接着する。接着方法は、加熱接着でもよいし、超音波接着でもよいし、高周波接着でもよいし、接着剤による接着でもよい。周知の適当な接着方法を適宜選択して適用すればよい。こうして、十字形状の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを包む。
【0015】
卵包装容器は、鶏卵の形状に合わせて作られているので、本体部1も蓋部2も凹凸がある。これにそのまま封止フィルム4を被せると、凹凸に従って皺が寄ってしまう。これを避けるために、本体部1と蓋部2の突起部分に、封止フィルム4を、剥離容易な接着剤などで仮止めする。こうすることにより、封止フィルム4に皺が寄らなくなり、綺麗に包装できる。封止フィルム4に商品名や説明書きなどのラベルを貼っても、支障無く読み取ることができる。封止フィルム4自体に商品名などを印刷してもよい。具体的には、図1(a)に示すように、本体部1と蓋部2に平面状の部分を設けて、封止フィルム4をそこに仮止めして、平らに維持できるようにする。このような形状の卵包装容器は、鶏卵を保持する部分の面積が小さくなるので、確実に鶏卵を保持する必要がある場合は、図1(b)に示すように、鶏卵の形状に合致した形状の卵包装容器を使用する。この場合は、封止フィルム4を幅広にして、突起部に封止フィルム4を仮止めする。仮止めは、封止フィルム4がずれない程度の強さがあればよく、封止フィルム4を剥がす際に、容易に剥がれるように弱く接着する程度でよい。仮止めの箇所は、蓋部2上側4隅の4点程度と、本体部1底部4隅の4点程度でよい。
【0016】
次に、図3を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図3(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図3(b)に示す状態にする。図3(c)に示すように、卵包装容器に十字形状の封止フィルム4を載せる。実際は自動包装機で包装するので、封止フィルム4を卵包装容器に接する状態にする作業態様は様々であるが、それらを包括して載せると表現することにする。図3(d)に示すように、十字形状の封止フィルム4の第1の腕部を長手方向の側部に回して、適度な張力で本体部1と蓋部2に密着させて、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。仮止めのためには、蓋部2上側4隅の4点と、本体部1底部4隅の4点に、剥離容易な接着剤を予め塗っておけばよい。次に、図3(e)に示すように、十字形状の封止フィルム4の第2の腕部を短手方向の側部に回して、適度な張力で本体部1と蓋部2に密着させて、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その後、必要に応じて、封止フィルム4の上にラベルなどを貼る。
【0017】
上記のように、本発明の実施例1では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例2】
【0018】
本発明の実施例2は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して、第1の封止フィルムと本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0019】
図4は、本発明の実施例2における卵包装容器の概観図である。実施例2における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1と同じであるが、2本の帯状のフィルムを用いる点が異なる。図4(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図4(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図5(a)は、卵包装容器の横断面図である。図5(b)は、卵包装容器の縦断面図である。図5(c)は、2本の帯状の封止フィルムである。図4と図5において、本体部1は、鶏卵を収容する部分である。蓋部2は、鶏卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む帯状のフィルムである。これを2本用いる。
【0020】
図6は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図6(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図6(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図6(c)は、卵包装容器に帯状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図6(d)は、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。図6(e)は、帯状の第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0021】
上記のように構成された本発明の実施例2における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図4と図5を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。第1の封止フィルム4を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。第2の封止フィルム4を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。こうして、帯状の2本の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを十字形状に包む。
【0022】
次に、図6を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図6(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図6(b)に示す状態にする。図6(c)に示すように、卵包装容器に、帯状の第1の封止フィルム4を載せる。図6(d)に示すように、帯状の第1の封止フィルム4を長手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。図6(e)に示すように、帯状の第2の封止フィルム4を、第1の封止フィルム4の中央部に仮止め接着し、短手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その他の点は、実施例1と同じである。
【0023】
上記のように、本発明の実施例2では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部をかぶせて、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して、第1の封止フィルムと本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例3】
【0024】
本発明の実施例3は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0025】
図7は、本発明の実施例3における卵包装容器の概観図である。実施例3における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1、2と同じであるが、十字形状の封止フィルムの2本の腕部を用いる点が異なる。図7(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図7(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図8(a)は、卵包装容器の横断面図である。図8(b)は、十字形状の封止フィルムである。図8(c)は、封止フィルムの接着方法を示す図である。図7と図8において、本体部1は、鶏卵を収容する部分である。蓋部2は、鶏卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む十字形状のフィルムである。接着装置5は、封止フィルムを接着する装置である。接着台6は、封止フィルムを接着するための受け台である。
【0026】
図9は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図9(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図9(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図9(c)は、卵包装容器に十字形状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図9(d)は、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0027】
上記のように構成された本発明の実施例3における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図7と図8を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。封止フィルム4の長い方の両側の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。例えば、図5(d)に示す方法で接着する。こうして、十字形状の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを包む。封止フィルム4の腕部の短い部分は、ラベルを貼る部分を広くするためである。また、封止フィルム4を剥がす際に容易に剥がせるように、手掛かり部分として設けた部分でもある。
【0028】
次に、図9を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図9(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図9(b)に示す状態にする。図9(c)に示すように、卵包装容器に十字形状の封止フィルム4を載せる。図9(d)に示すように、十字形状の封止フィルム4の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その他の点は、実施例1、2と同じである。
【0029】
上記のように、本発明の実施例3では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例4】
【0030】
本発明の実施例4は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、筒状の熱収縮性封止フィルムに入れて、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、熱収縮させて封じた卵包装容器である。
【0031】
図10は、本発明の実施例4における卵包装容器の概観図である。実施例4における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1〜3と同じであるが、熱収縮性封止フィルムを用いる点が異なる。図10(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図10(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図11(a)は、卵包装容器の横断面図である。図11(b)は、筒状の熱収縮性の封止フィルムである。図10と図11において、本体部1は、卵を収容する部分である。蓋部2は、卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む筒状の熱収縮性フィルムである。
【0032】
図12は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図12(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図12(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図12(c)は、卵包装容器を筒状の封止フィルムに入れた状態を示す図である。図12(d)は、筒状の熱収縮性封止フィルムを熱収縮した状態を示す図である。
【0033】
上記のように構成された本発明の実施例4における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図10と図11を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。熱収縮性の封止フィルム4に、卵包装容器を入れ、加熱して熱収縮させる。こうして、筒状の熱収縮性封止フィルムで、本体部1と蓋部2とを包む。
【0034】
次に、図12を参照しながら、卵包装容器を熱収縮性封止フィルムで包む手順を説明する。図12(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に卵を収容して閉じ、図12(b)に示す状態にする。図12(c)に示すように、卵包装容器を筒状の熱収縮性封止フィルム4に入れる。本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めする。図12(d)に示すように、筒状の熱収縮性封止フィルム4を、赤外線や熱風などで熱収縮させる。あまり強く収縮させると皺が寄るので、適度な張力になるように調節する。その他の点は、実施例1〜3と同じである。
【0035】
上記のように、本発明の実施例4では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、筒状の熱収縮性封止フィルムに入れて、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、熱収縮性させて封じた構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の卵包装容器は、フィルムで包んだ卵包装容器として最適である。卵包装容器以外の食品容器などに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1における卵包装容器の概観図である。
【図2】本発明の実施例1における卵包装容器の断面図と、十字形状の封止フィルムの概念図である。
【図3】本発明の実施例1における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図4】本発明の実施例2における卵包装容器の概観図である。
【図5】本発明の実施例2における卵包装容器の断面図と、封止フィルムの概念図である。
【図6】本発明の実施例2における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図7】本発明の実施例3における卵包装容器の概観図である。
【図8】本発明の実施例3における卵包装容器の断面図と、十字形状の封止フィルムの概念図である。
【図9】本発明の実施例3における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図10】本発明の実施例4における卵包装容器の概観図である。
【図11】本発明の実施例4における卵包装容器の断面図と、封止フィルムの概念図である。
【図12】本発明の実施例4における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
1 本体部
2 蓋部
3 ヒンジ部
4 封止フィルム
5 接着装置
6 接着台
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵包装容器に関し、特に、フィルムで包んだ卵包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鶏卵包装用の容器は、鶏卵を収容するプラスチック製の本体部と、本体部にヒンジ部で接続されたプラスチック製の蓋部とからなっている。プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、卵包装容器の蓋部を閉じる。蓋部を閉じるために、本体部の鍔部と蓋部の鍔部を係合させて融着したり、ステープラーで止めたりしている。また、苺やトマトなどの野菜類や、納豆や菓子類を包装する容器では、帯状のフィルムで包むことで、封止する方法も行われている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
【0003】
特許文献1に開示された「食品用帯掛け機」は、弾性容器の周囲に帯状のフィルムを巻き付ける低コストの食品用帯掛け機であり、フィルムを薄くできるものである。カッターによる切断位置に、リールから連続フィルムを送る。その際、定張力化手段で連続フィルムの張力を一定にする。弾性容器の周囲に巻き付けられたフィルムの重ね合わされた両端部を、超音波融着器で超音波により融着する。
【0004】
特許文献2に開示された「卵包装容器」は、開く方向の強い弾力を緩和させた卵包装容器である。開閉自在な身部分と蓋部分とを、折り曲げ可能な連結部分で連結する。閉じた状態において卵保持用空間を形成するように、隔壁によって仕切られた複数の凹部を設ける。連結部分に、連結部分の弾力を緩和する断続的な切れ目を設けた。
【0005】
特許文献3に開示された「フィルム包装装置」は、簡単な構成で低コストであり、包装作業効率が良好なフィルム包装装置である。フィルムロールから繰り出されるフィルムを、搬送部で挟持して搬送する。搬送部から送られてきたフィルムを、切断部で所定幅に切断する。切断された帯フィルムの両端側を把持した状態で、被せ動作部で被包装物に被せる。被せ動作部の被せ動作位置を含む供給ラインに、被包装物供給部で被包装物を供給する。第1点当たり把持手段で、フィルムの両端側を点当たり状に押圧して解放自在に把持しつつ、搬送部と協働して、フィルムを被せ動作部側に搬送する。挟持搬送の前後の仮押さえを行い、搬送を補助する。さらに、所定長さに切断された帯フィルム両端を、第2点当たり把持機構で押さえる。これにより、上面側からの被せ動作時に、円滑に被包装物上面に被せながら、第2点当たり把持機構を離脱し帯掛けを行う。
【特許文献1】特開平08-207901号公報
【特許文献2】特開平09-040052号公報
【特許文献3】特開2005-088957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の帯掛方法で卵包装容器に包装フィルムを被せると、次のような問題がある。卵包装容器は、鶏卵の形状に合わせて容器を凹凸にしてあるので、従来の帯掛方法では、ずれたり皺が寄ったりして、確実に綺麗に包装することができない。そのため、商品名のラベルを貼ることができないか、貼っても読みにくくなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、卵包装容器に、確実に綺麗に包装フィルムを被せて封止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では、鶏卵を収容する本体部と、本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、本体部と蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器の封止フィルムを、第1の腕部が卵包装容器の長手方向の側部を回って、本体部の底部で端同士が接着されており、第2の腕部が卵包装容器の短手方向の側部を回って本体部の底部で接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされているように構成した。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成したことにより、卵包装容器に、包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができるので、卵包装容器に凹凸があっても包装フィルムラベルを貼って商品名などの表示ができる。また、卵包装容器を封止するための鍔部が不要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図12を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0012】
図1は、本発明の実施例1における卵包装容器の概観図である。図1(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図1(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図2(a)は、卵包装容器の横断面図である。図2(b)は、卵包装容器の縦断面図である。図2(c)は、十字形状の封止フィルムである。図1と図2において、本体部1は、卵を収容する部分である。蓋部2は、卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む十字形状のフィルムである。卵包装容器は、プラスチック製でもよいし、植物性の素材を利用したものでもよい。これらを代表してプラスチック製という。
【0013】
図3は、卵包装容器を封止フィルムで包む処理手順を説明する図である。図3(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図3(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図3(c)は、卵包装容器に十字形状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図3(d)は、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。図3(e)は、十字形状の封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0014】
上記のように構成された本発明の実施例1における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図1と図2を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。封止フィルム4の第1の両側の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。第2の両側の腕部を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部の底部で端同士を接着する。接着方法は、加熱接着でもよいし、超音波接着でもよいし、高周波接着でもよいし、接着剤による接着でもよい。周知の適当な接着方法を適宜選択して適用すればよい。こうして、十字形状の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを包む。
【0015】
卵包装容器は、鶏卵の形状に合わせて作られているので、本体部1も蓋部2も凹凸がある。これにそのまま封止フィルム4を被せると、凹凸に従って皺が寄ってしまう。これを避けるために、本体部1と蓋部2の突起部分に、封止フィルム4を、剥離容易な接着剤などで仮止めする。こうすることにより、封止フィルム4に皺が寄らなくなり、綺麗に包装できる。封止フィルム4に商品名や説明書きなどのラベルを貼っても、支障無く読み取ることができる。封止フィルム4自体に商品名などを印刷してもよい。具体的には、図1(a)に示すように、本体部1と蓋部2に平面状の部分を設けて、封止フィルム4をそこに仮止めして、平らに維持できるようにする。このような形状の卵包装容器は、鶏卵を保持する部分の面積が小さくなるので、確実に鶏卵を保持する必要がある場合は、図1(b)に示すように、鶏卵の形状に合致した形状の卵包装容器を使用する。この場合は、封止フィルム4を幅広にして、突起部に封止フィルム4を仮止めする。仮止めは、封止フィルム4がずれない程度の強さがあればよく、封止フィルム4を剥がす際に、容易に剥がれるように弱く接着する程度でよい。仮止めの箇所は、蓋部2上側4隅の4点程度と、本体部1底部4隅の4点程度でよい。
【0016】
次に、図3を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図3(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図3(b)に示す状態にする。図3(c)に示すように、卵包装容器に十字形状の封止フィルム4を載せる。実際は自動包装機で包装するので、封止フィルム4を卵包装容器に接する状態にする作業態様は様々であるが、それらを包括して載せると表現することにする。図3(d)に示すように、十字形状の封止フィルム4の第1の腕部を長手方向の側部に回して、適度な張力で本体部1と蓋部2に密着させて、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。仮止めのためには、蓋部2上側4隅の4点と、本体部1底部4隅の4点に、剥離容易な接着剤を予め塗っておけばよい。次に、図3(e)に示すように、十字形状の封止フィルム4の第2の腕部を短手方向の側部に回して、適度な張力で本体部1と蓋部2に密着させて、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その後、必要に応じて、封止フィルム4の上にラベルなどを貼る。
【0017】
上記のように、本発明の実施例1では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの第1の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、封止フィルムの第2の腕部を短手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例2】
【0018】
本発明の実施例2は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して、第1の封止フィルムと本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0019】
図4は、本発明の実施例2における卵包装容器の概観図である。実施例2における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1と同じであるが、2本の帯状のフィルムを用いる点が異なる。図4(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図4(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図5(a)は、卵包装容器の横断面図である。図5(b)は、卵包装容器の縦断面図である。図5(c)は、2本の帯状の封止フィルムである。図4と図5において、本体部1は、鶏卵を収容する部分である。蓋部2は、鶏卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む帯状のフィルムである。これを2本用いる。
【0020】
図6は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図6(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図6(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図6(c)は、卵包装容器に帯状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図6(d)は、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。図6(e)は、帯状の第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0021】
上記のように構成された本発明の実施例2における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図4と図5を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。第1の封止フィルム4を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。第2の封止フィルム4を、卵包装容器の短手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。こうして、帯状の2本の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを十字形状に包む。
【0022】
次に、図6を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図6(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図6(b)に示す状態にする。図6(c)に示すように、卵包装容器に、帯状の第1の封止フィルム4を載せる。図6(d)に示すように、帯状の第1の封止フィルム4を長手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。図6(e)に示すように、帯状の第2の封止フィルム4を、第1の封止フィルム4の中央部に仮止め接着し、短手方向の側部に回して、本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その他の点は、実施例1と同じである。
【0023】
上記のように、本発明の実施例2では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部をかぶせて、帯状の第1の封止フィルムを長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着し、第2の封止フィルムを短手方向の側部に回して、第1の封止フィルムと本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例3】
【0024】
本発明の実施例3は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した卵包装容器である。
【0025】
図7は、本発明の実施例3における卵包装容器の概観図である。実施例3における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1、2と同じであるが、十字形状の封止フィルムの2本の腕部を用いる点が異なる。図7(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図7(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図8(a)は、卵包装容器の横断面図である。図8(b)は、十字形状の封止フィルムである。図8(c)は、封止フィルムの接着方法を示す図である。図7と図8において、本体部1は、鶏卵を収容する部分である。蓋部2は、鶏卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む十字形状のフィルムである。接着装置5は、封止フィルムを接着する装置である。接着台6は、封止フィルムを接着するための受け台である。
【0026】
図9は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図9(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図9(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図9(c)は、卵包装容器に十字形状の封止フィルムを載せた状態を示す図である。図9(d)は、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して本体部の底部で接着した状態を示す図である。
【0027】
上記のように構成された本発明の実施例3における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図7と図8を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。封止フィルム4の長い方の両側の腕部を、卵包装容器の長手方向の側部に回して、本体部1の底部で端同士を接着する。例えば、図5(d)に示す方法で接着する。こうして、十字形状の封止フィルム4で、本体部1と蓋部2とを包む。封止フィルム4の腕部の短い部分は、ラベルを貼る部分を広くするためである。また、封止フィルム4を剥がす際に容易に剥がせるように、手掛かり部分として設けた部分でもある。
【0028】
次に、図9を参照しながら、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する。図9(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に鶏卵を収容して閉じ、図9(b)に示す状態にする。図9(c)に示すように、卵包装容器に十字形状の封止フィルム4を載せる。図9(d)に示すように、十字形状の封止フィルム4の腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部1の底部で端同士を接着する。その他の点は、実施例1、2と同じである。
【0029】
上記のように、本発明の実施例3では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、十字形状の封止フィルムの腕部を長手方向の側部に回して、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、本体部の底部で端同士を接着した構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【実施例4】
【0030】
本発明の実施例4は、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、筒状の熱収縮性封止フィルムに入れて、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、熱収縮させて封じた卵包装容器である。
【0031】
図10は、本発明の実施例4における卵包装容器の概観図である。実施例4における卵包装容器の基本的な構成は、実施例1〜3と同じであるが、熱収縮性封止フィルムを用いる点が異なる。図10(a)は、平面状の部分を設けた卵包装容器である。図10(b)は、平面状の部分がない卵包装容器である。図11(a)は、卵包装容器の横断面図である。図11(b)は、筒状の熱収縮性の封止フィルムである。図10と図11において、本体部1は、卵を収容する部分である。蓋部2は、卵の上部を覆う部分である。ヒンジ部3は、本体部と蓋部を連結して一体化する部分である。封止フィルム4は、卵包装容器を包む筒状の熱収縮性フィルムである。
【0032】
図12は、卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。図12(a)は、開いた状態の卵包装容器である。図12(b)は、鶏卵を収容して閉じた状態の卵包装容器である。図12(c)は、卵包装容器を筒状の封止フィルムに入れた状態を示す図である。図12(d)は、筒状の熱収縮性封止フィルムを熱収縮した状態を示す図である。
【0033】
上記のように構成された本発明の実施例4における卵包装容器の製造方法を説明する。最初に、図10と図11を参照しながら、卵包装容器の概要を説明する。プラスチック製の卵包装容器の本体部1と蓋部2は、ヒンジ部3で接続されて一体化されている。本体部1に鶏卵を収容する。熱収縮性の封止フィルム4に、卵包装容器を入れ、加熱して熱収縮させる。こうして、筒状の熱収縮性封止フィルムで、本体部1と蓋部2とを包む。
【0034】
次に、図12を参照しながら、卵包装容器を熱収縮性封止フィルムで包む手順を説明する。図12(a)に示すような開いた状態の卵包装容器に卵を収容して閉じ、図12(b)に示す状態にする。図12(c)に示すように、卵包装容器を筒状の熱収縮性封止フィルム4に入れる。本体部1の複数箇所と蓋部2の複数箇所に仮止めする。図12(d)に示すように、筒状の熱収縮性封止フィルム4を、赤外線や熱風などで熱収縮させる。あまり強く収縮させると皺が寄るので、適度な張力になるように調節する。その他の点は、実施例1〜3と同じである。
【0035】
上記のように、本発明の実施例4では、卵包装容器を、鶏卵を収容したプラスチック製の本体部に蓋部を被せて、筒状の熱収縮性封止フィルムに入れて、本体部の複数箇所と蓋部の複数箇所に仮止めし、熱収縮性させて封じた構成としたので、卵包装容器に包装フィルムを確実に綺麗に被せて封止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の卵包装容器は、フィルムで包んだ卵包装容器として最適である。卵包装容器以外の食品容器などに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1における卵包装容器の概観図である。
【図2】本発明の実施例1における卵包装容器の断面図と、十字形状の封止フィルムの概念図である。
【図3】本発明の実施例1における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図4】本発明の実施例2における卵包装容器の概観図である。
【図5】本発明の実施例2における卵包装容器の断面図と、封止フィルムの概念図である。
【図6】本発明の実施例2における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図7】本発明の実施例3における卵包装容器の概観図である。
【図8】本発明の実施例3における卵包装容器の断面図と、十字形状の封止フィルムの概念図である。
【図9】本発明の実施例3における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【図10】本発明の実施例4における卵包装容器の概観図である。
【図11】本発明の実施例4における卵包装容器の断面図と、封止フィルムの概念図である。
【図12】本発明の実施例4における卵包装容器を封止フィルムで包む手順を説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
1 本体部
2 蓋部
3 ヒンジ部
4 封止フィルム
5 接着装置
6 接着台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記封止フィルムは、第1の腕部が前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、第2の腕部が前記卵包装容器の短手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項2】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に十字形状の封止フィルムを載せ、前記封止フィルムの第1の腕部を前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着し、前記封止フィルムの第2の腕部を前記卵包装容器の短手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項3】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む帯状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、第1の封止フィルムは、前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、第2の封止フィルムは、前記卵包装容器の短手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項4】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に帯状の第1の封止フィルムを載せ、前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着し、前記蓋部に帯状の第2の封止フィルムを載せ、前記卵包装容器の短手方向の側部に回して、前記第1の封止フィルムと前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項5】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記封止フィルムは、両側の腕部が前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項6】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に十字形状の封止フィルムを載せ、両側の腕部を前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項7】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む筒状の熱収縮性封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記熱収縮性封止フィルムは、前記本体部と前記蓋部とを包んで熱収縮されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項8】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記卵包装容器を筒状の熱収縮性封止フィルムに入れ、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記熱収縮性封止フィルムを熱収縮させることを特徴とする卵包装方法。
【請求項1】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記封止フィルムは、第1の腕部が前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、第2の腕部が前記卵包装容器の短手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項2】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に十字形状の封止フィルムを載せ、前記封止フィルムの第1の腕部を前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着し、前記封止フィルムの第2の腕部を前記卵包装容器の短手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項3】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む帯状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、第1の封止フィルムは、前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、第2の封止フィルムは、前記卵包装容器の短手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項4】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に帯状の第1の封止フィルムを載せ、前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着し、前記蓋部に帯状の第2の封止フィルムを載せ、前記卵包装容器の短手方向の側部に回して、前記第1の封止フィルムと前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項5】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む十字形状の封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記封止フィルムは、両側の腕部が前記卵包装容器の長手方向の側部を回って前記本体部の底部で端同士が接着されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項6】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記蓋部に十字形状の封止フィルムを載せ、両側の腕部を前記卵包装容器の長手方向の側部に回して、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記本体部の底部で端同士を接着することを特徴とする卵包装方法。
【請求項7】
鶏卵を収容する本体部と、前記本体部とヒンジ部で接続された蓋部と、前記本体部と前記蓋部とを包む筒状の熱収縮性封止フィルムとを具備するプラスチック製の卵包装容器であって、前記熱収縮性封止フィルムは、前記本体部と前記蓋部とを包んで熱収縮されており、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めされていることを特徴とする卵包装容器。
【請求項8】
プラスチック製の卵包装容器の本体部に鶏卵を収容し、前記卵包装容器の蓋部を閉じて、前記卵包装容器を筒状の熱収縮性封止フィルムに入れ、前記本体部の複数箇所と前記蓋部の複数箇所に仮止めし、前記熱収縮性封止フィルムを熱収縮させることを特徴とする卵包装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−276858(P2007−276858A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108252(P2006−108252)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000124166)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000124166)
【Fターム(参考)】
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