説明

原子炉内検査工法

【課題】沸騰水型原子炉における事故発生時に、シールドプラグ、原子炉格納容器の上蓋、及び原子炉圧力容器の上蓋を取り外すことなく、原子炉圧力容器内を検査できること。
【解決手段】原子炉圧力容器6内を検査する原子炉内検査工法において、原子炉圧力容器から延び原子炉格納容器4を貫通する配管12に隔離弁13が設置され、この隔離弁よりも原子炉格納容器4に対して外側に外側弁14が設置されており、配管12における外側弁14の原子炉格納容器4に対して外側に、開閉可能なアクセス口15を設置し、このアクセス口から配管12内に検査装置16を投入した後に、アクセス口15を閉鎖し、次に、検査装置16を隔離弁13と外側弁14との間に移動した後に、外側弁14を閉止し隔離弁13を開放し、その後、検査装置16を原子炉圧力容器6内へ移動してこの原子炉圧力容器内を検査するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事故発生時に沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内を検査する原子炉内検査工法に関する。
【背景技術】
【0002】
炉心溶融等の過酷事故が発生した原子炉では、原子炉内の状況を早急に把握する必要があるが、原子炉炉内に放射性物質が飛散している場合など、シールドプラグ、原子炉格納容器の上蓋、及び原子炉圧力容器の上蓋を容易に取外せない状況が想定される。
【0003】
非特許文献1では、炉心溶融が発生した米国スリーマイルアイランド(TMI)原子力発電所における事故後の原子炉の調査として、上部制御棒駆動機構の貫通孔から原子炉内に検査装置を投入したことが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】TMI−2 DEFUELING TOOLS ENGINERING REPORT、Bechtel North American Power Corporation、GEND−INF−073、1986年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、原子炉上部の貫通孔から原子炉内にアクセスして、原子炉を開放せずに原子炉内を検査する工法は、TMI原子力発電所のように、原子炉上部から原子炉内まで伸びた貫通孔を有する加圧水型原子炉(PWR)では有効である。しかしながら、沸騰水型原子炉(BWR)では、原子炉上部から原子炉圧力容器内に直接アクセス可能な貫通孔が存在しないため、上述の工法を採用することができない。
【0006】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、沸騰水型原子炉における炉心溶融等の過酷事故発生時に、原子炉ウェルを閉止するシールドプラグ、原子炉格納容器の上蓋、及び原子炉圧力容器の上蓋を取り外すことなく、原子炉圧力容器内を検査できる原子炉内検査工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る原子炉内検査工法は、原子炉圧力容器内を検査する原子炉内検査工法において、前記原子炉圧力容器から延び格納容器を貫通する配管に第1の弁が設置され、この第1の弁よりも前記格納容器に対して外側に第2の弁が設置されており、前記配管における前記第2の弁の前記格納容器に対して外側に、開閉可能なアクセス口を設置し、前記アクセス口から前記配管内に検査装置を投入した後に、前記アクセス口を閉鎖し、次に、前記検査装置を前記第1の弁と前記第2の弁との間に移動した後に、前記第2の弁を閉止し前記第1の弁を開放し、その後、前記検査装置を前記原子炉圧力容器内へ移動し、この検査装置により前記原子炉圧力容器内を検査することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の実施形態に係る原子炉内検査工法は、原子炉圧力容器内を検査する原子炉内検査工法において、前記原子炉圧力容器から延び炉格納容器を貫通する配管に第1の弁が設置され、この第1の弁よりも前記格納容器に対して外側に第2の弁が設置されており、前記配管における前記第1の弁と前記第2の弁との間に、開閉可能なアクセス口を設置し、前記アクセス口から前記配管内に検査装置を投入した後に、前記アクセス口を閉鎖し前記第1の弁を開放し、次に、前記検査装置を前記原子炉圧力容器内へ移動し、この検査装置により前記原子炉圧力容器内を検査することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原子炉圧力容器から原子炉格納容器を貫通して延びる配管内に検査装置を投入し、この検査装置を原子炉圧力容器まで移動させて、この原子炉圧力容器内を検査することから、沸騰水型原子炉における炉心溶融等の過酷事故発生時に、原子炉ウェルを閉止するシールドプラグ、原子炉格納容器の上蓋、及び原子炉圧力容器の上蓋を取り外すことなく、原子炉圧力容器内を検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る原子炉内検査工法の第1実施形態を実施する沸騰水型原子炉を示す断面図。
【図2】図1における格納容器バウンダリを示す断面図。
【図3】図1の沸騰水型原子炉に実施する原子炉内検査工法の第1実施形態を示す概念図。
【図4】本発明に係る原子炉内検査工法の第2実施形態を示す概念図。
【図5】本発明に係る原子炉内検査工法の第3実施形態を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図3)
図1は、本発明に係る原子炉内検査工法の第1実施形態を実施する沸騰水型原子炉を示す断面図である。図2は、図1における格納容器バウンダリを示す断面図である。
【0012】
これらの図1及び図2に示すように、沸騰水型原子炉(BWR)10では、原子炉建屋1は、オペレーティングフロア2、原子炉ウェル3、格納容器としての原子炉格納容器4、及び各種の機器を配置した多数の部屋から構成されている。原子炉ウェル3はシールドプラグ5で閉止される。また、原子炉格納容器4内には原子炉圧力容器6が設置されている。この原子炉圧力容器6内に、炉心7、蒸気乾燥器8、シュラウドヘッド9、及び各種の炉内構造物が設置されている。
【0013】
沸騰水型原子炉10では、通常、オペレーティングフロア2上でシールドプラグ5、原子炉格納容器4の上蓋4A、原子炉圧力容器6の上蓋6A、蒸気乾燥器8、シュラウドヘッド9を順番に取り外して炉心7へアクセスする。
【0014】
また、格納容器バウンダリ11(図2)は主に原子炉格納容器4で構成され、原子炉圧力容器6から延びる配管12が原子炉格納容器4を貫通する部位には、第1の弁としての隔離弁13が設置される。この隔離弁13は、原子炉格納容器4と共に格納容器バウンダリ11を構成している。配管12には、隔離弁13の原子炉格納容器4に対して外側(つまり原子炉圧力容器6から離反する側)に、各系統の目的に応じた第2の弁(以下、外側弁)14が設置されている。
【0015】
上述のような沸騰水型原子炉10において、本実施形態の原子炉内検査工法の第1実施形態が原子炉圧力容器6内を検査する上で必要な設備について、図3を用いて説明する。この設備は、アクセス口15と検査装置16と前記外側弁14とを備えたものである。
【0016】
アクセス口15は、配管12における外側弁14の外側、つまり原子炉圧力容器6から離反する側に設置されたものであり、開閉可能に構成される。このアクセス口15は、検査装置16の投入及び回収用に設けられたものであり、検査装置16の投入後には閉鎖される。この閉鎖中に、アクセス口15は、配管12と同等以上の気密及び液密機能を果たす。アクセス口15は、例えば配管12の中途に穴を開けて設置するものとしてもよいが、配管系の強度等の観点から、例えば、プラントや配管系によっては計装系ラインが不要になって閉止された閉止フランジや分岐部が存在するので、それらを開放・流用して設置する、あるいは配管系を構成する一部の既設配管を、あらかじめ作成したアクセス口設置済みの新規配管と交換する、といった手法が望ましい。
【0017】
検査装置16は、原子炉圧力容器6内を検査するものであり、アクセス口15、隔離弁13及び外側弁14を通過可能な大きさに形成されると共に、遠隔で操作可能に構成されている。また、外側弁14は、隔離弁13を開放したときに、この隔離弁13の代わりに格納容器バウンダリ11を構成する。ここで、隔離弁13や外側弁14閉鎖時の水密性の観点から、検査装置16は無線式であることが望ましい。
【0018】
次に、本実施形態の原子炉内検査工法を、図3を用いて説明する。
まず、検査装置16をアクセス口15から配管12内に投入し、その後、アクセス口15を閉鎖する。次に、検査装置16を隔離弁13と外側弁14の間に移動した後に、外側弁14を閉止し、隔離弁13を開放する。これ以降、隔離弁13を開放している間、格納容器バウンダリ11は隔離弁13から外側弁14に移る。即ち、外側弁14が新たな格納容器バウンダリ11を構成する。その後、検査装置16を原子圧力容器6内に移動させ、この検査装置16により原子圧力容器6内、特に炉心7を検査する。
【0019】
検査装置16による原子圧力容器6内の検査終了後、検査装置16を配管12内において、隔離弁13と外側弁14との間に移動する。次に、隔離弁13を閉止して格納容器バウンダリ11を復旧した後、外側弁14を開放する。その後、アクセス口15を開放して、このアクセス口15から検査装置16を回収した後、アクセス口15を閉鎖する。
【0020】
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
【0021】
(1)原子炉圧力容器6から原子炉格納容器4を貫通して延びる配管12内に検査装置16を投入し、この検査装置16を原子炉圧力容器6まで移動させて、この原子炉圧力容器6内を検査することから、沸騰水型原子炉10における炉心溶融などの過酷事故発生時に、原子炉ウェル3を閉止するシールドプラグ5、原子炉格納容器4の上蓋4A、及び原子炉圧力容器6の上蓋6Aを取り外すことなく、原子炉圧力容器6内の特に炉心7を検査できる。
【0022】
従って、オペレーティングフロア2上で放射線量が増加している場合にも、作業員の被爆を大幅に低減できる。また、オペレーティングフロア2での機器類及び作業環境が整っていない場合にも、他の場所から配管12を利用して原子炉圧力容器6内の検査を実施できる。また、シールドプラグ5、原子炉格納容器4の上蓋4A、及び原子炉圧力容器6の上蓋6Aを開放しないため、原子炉圧力容器6内の放射性物質の飛散を防止することが可能である。
【0023】
(2)検査装置16を配管12と原子炉圧力容器6との間で移動させ、この検査装置16により原子炉圧力容器6内を検査させているときには、外側弁14により水密が確保されている。このため、検査装置16のアクセスルートにおいて原子炉圧力容器6内外が完全に連通されることなく、原子炉圧力容器6内を安全に検査できる。
【0024】
[B]第2実施形態(図4)
図4は、本発明に係る原子炉内検査工法の第2実施形態を示す概念図である。この第2実施形態において、前記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0025】
本実施形態の原子炉内検査工法が前記第1実施形態と異なる点は、アクセス口20の設置位置とその構造であり、これにより、格納容器バウンダリ11を隔離弁13から外側弁14及び第2扉22(後述)に変更する点である。
【0026】
つまり、アクセス口20は、配管12における隔離弁13と外側弁14との間に設置される。そして、このアクセス口20は、外側に第1扉21を、内側に第2扉22を備えた二重扉を有する構造に構成される。これらの第1扉21及び第2扉22は、配管12と同等以上の気密及び液密機能を果たす。
【0027】
次に、本実施形態の原子炉内検査工法を説明する。
アクセス口20から配管12内に検査装置16を投入した後にアクセス口20を閉鎖する。即ち、第1扉21を開放して検査装置16を投入した後、この第1扉21を閉鎖する。次に、第2扉22を開放して検査装置16を配管12内に投入した後、この第2扉22を閉鎖する。これらの第1扉21及び第2扉22の閉鎖によってアクセス口20を閉鎖する。
【0028】
このアクセス口20の閉鎖後、隔離弁13を開放して、アクセス口20の第2扉22及び外側弁14を新たな格納容器バウンダリ11とする。次に、検査装置16を原子炉圧力容器6内へ移動させ、この検査装置16により原子炉圧力容器6内、特に炉心7を検査する。
【0029】
この検査終了後、検査装置16を配管12内において隔離弁13と外側弁14との間に移動し、隔離弁13を閉止して格納容器バウンダリ11を復旧する。その後、アクセス口20の第2扉22を開放して、検査装置16を第1扉21と第2扉22間に移動させ、第2扉22を閉鎖する。次に、第1扉21を開放して検査装置16を回収し、この第1扉21を閉鎖する。
【0030】
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、前記第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)を奏する。
【0031】
(3)アクセス口20が、配管12において隔離弁13と外側弁14との間に設置されたので、検査装置16の原子炉圧力容器6への移動距離を短縮できると共に、外側弁14の開閉操作が必要ないので、検査工法を簡素化できる。更に、検査装置16を配管12に投入してから回収するまでの間、外側弁14が常時閉止されているので、配管12における外側弁14の下流側が汚染水により汚染されることを確実に防止できる。
【0032】
[C]第3実施形態(図5)
図5は、本発明に係る原子炉内検査工法の第3実施形態を示す概念図である。この第3実施形態において、前記第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0033】
本実施形態の原子炉内検査工法が前記第2実施形態と異なる点は、隔離弁13が故障により作動しない場合に、検査装置16をアクセス口20から配管12内に投入する前に、加工装置30をアクセス口20から配管12内に投入し、このアクセス口20を閉鎖した後、投入した加工装置30により隔離弁13を加工(例えば、加工装置30をドリルとして隔離弁13を貫通する)して、この隔離弁13を開放する点である。
【0034】
つまり、第1扉21を開放して加工装置30をアクセス口20内に投入し、第1扉21を閉鎖する。次に、第2扉22を開放して加工装置30を配管12内に移動させ、第2扉22を第1扉21と同様に閉鎖する。その後、加工装置30を用いて隔離弁13を加工し、開放する。これ以降、格納容器バウンダリ11は、隔離弁13から外側弁14及び第2扉22に変更される。
【0035】
隔離弁13の加工後、第2扉22を開放して、加工装置30を第1扉21と第2扉22との間に移動させる。次に、第2扉22を閉鎖し、その後第1扉21を開放して加工装置30を回収する。
【0036】
次に、検査装置16をアクセス口20内に投入して第1扉21を閉鎖する。次に、第2扉22を開放して検査装置16を配管12内に移動させ、第2扉22を第1扉21と同様に閉鎖して、この第2扉22と外側弁14により格納容器バウンダリ11を構成する。
【0037】
その後、検査装置16を、開放された隔離弁13を通過させて原子炉圧力容器6内まで移動させ、この検査装置16により原子炉圧力容器6内の特に炉心7を検査する。検査終了後、第2扉22を開放して、検査装置16を第1扉21と第2扉22との間に移動させる。次に、第2扉22を閉鎖した後第1扉21を開放して検査装置16を回収し、第1扉21を閉鎖する。
【0038】
以上のように構成されたことから、本実施形態においても、前記第1及び第2実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
【0039】
(4)検査装置16をアクセス口20から配管12内に投入する前に、加工装置30をアクセス口20に投入し、この加工装置30によって隔離弁13を加工して開放することから、故障などにより隔離弁13が開閉動作しない場合にも対処でき、検査装置16により原子炉圧力容器6内を検査できる。
【0040】
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形してもよく、また、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0041】
例えば、前記各実施形態では、配管12に配置された既設の外側弁14を用いるものとして説明したが、この既設の外側弁14に代えて、配管12において隔離弁13の外側(つまり原子炉圧力容器6から離反する側)に図示しない仮設の弁を設置し、この仮設の弁を用いるものとしてもよい。また、上述したように配管の一部を置換しアクセス口を設置する場合、アクセス口と仮設弁を有する新規配管を既設配管と交換するものとしてもよい。
【0042】
また、各実施形態では原子炉格納容器4の隔離弁13とそのすぐ外側の弁14を用いるものとして説明したが、使用する弁はこれに限られず、配管系で直列的に配置された2つの弁であればよい。実際のプラントでは、配管系の設計、既設弁の健全性、放射線量による作業員のアクセス制限等、状況による制約が考えられるが、本発明は直列的に配置された2つの弁があれば適用でき、実施に好適な箇所を広範囲から選定することが可能である。また、第3実施形態で説明したように隔離弁13を開放して閉鎖不能となる場合、その外側に配置された2つの弁の間もしくは外側から検査装置16等を投入することとすれば、隔離弁13の1つ外側の弁を隔離弁の代替として運用することが可能である。
【0043】
さらに、上述した仮設弁2つとアクセス口を有する新設配管と既設配管を置換して、この2つの仮設弁を用いてもよい。この場合、仮設弁をケーブルが貫通していても水密性を維持できる構造の弁とすれば、有線式の検査装置を投入することも可能となる。
【0044】
なお、各実施形態では格納容器バウンダリ11が健全であることを前提に、隔離弁13や外側弁14等の開閉と格納容器バウンダリ11を関連付けて説明したが、これは原子炉圧力容器6内部とアクセス口15、20の連通性の遮断に関する説明を簡便にするためである。実際の原子炉事故時には、原子炉格納容4器の損傷等によって根本的に格納容器バウンダリ11が維持されていないことが想定され得るため、必ずしも各実施形態で説明した通りに格納容器バウンダリ11の構成が変更されるものではない。本発明は、上述の通り原子炉ウェル3を閉止するシールドプラグ5等を取り外すことなく、原子炉圧力容器6内を検査可能とすることにあり、格納容器バウンダリ11の有無に関わらずその効果を奏するものである。
【符号の説明】
【0045】
3 原子炉ウェル
4 原子炉格納容器(格納容器)
4A 上蓋
5 シールドプラグ
6 原子炉圧力容器
6A 上蓋
10 沸騰水型原子炉
12 配管
13 隔離弁(第1の弁)
14 外側弁(第2の弁)
15 アクセス口
16 検査装置
20 アクセス口
21 第1扉
22 第2扉
30 加工装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器内を検査する原子炉内検査工法において、
前記原子炉圧力容器から延び格納容器を貫通する配管に第1の弁が設置され、この第1の弁よりも前記格納容器に対して外側に第2の弁が設置されており、
前記配管における前記第2の弁の前記格納容器に対して外側に、開閉可能なアクセス口を設置し、
前記アクセス口から前記配管内に検査装置を投入した後に、前記アクセス口を閉鎖し、
次に、前記検査装置を前記第1の弁と前記第2の弁との間に移動した後に、前記第2の弁を閉止し前記第1の弁を開放し、
その後、前記検査装置を前記原子炉圧力容器内へ移動し、この検査装置により前記原子炉圧力容器内を検査することを特徴とする原子炉内検査工法。
【請求項2】
原子炉圧力容器内を検査する原子炉内検査工法において、
前記原子炉圧力容器から延び格納容器を貫通する配管に第1の弁が設置され、この第1の弁よりも前記格納容器に対して外側に第2の弁が設置されており、
前記配管における前記第1の弁と前記第2の弁との間に、開閉可能なアクセス口を設置し、
前記アクセス口から前記配管内に検査装置を投入した後に、前記アクセス口を閉鎖し前記第1の弁を開放し、
次に、前記検査装置を前記原子炉圧力容器内へ移動し、この検査装置により前記原子炉圧力容器内を検査することを特徴とする原子炉内検査工法。
【請求項3】
前記アクセス口は、外側の第1扉と内側の第2扉とを備えた二重扉を有し、
前記第1扉を開放して検査装置を投入した後、この第1扉を閉鎖し、
次に、前記第2扉を開放して前記検査装置を配管内に投入した後、この第2扉を閉鎖し、
これらの第1扉及び第2扉の閉鎖により前記アクセス口を閉鎖することを特徴とする請求項2に記載の原子炉内検査工法。
【請求項4】
前記検査装置をアクセス口から配管内に投入する前に、前記アクセス口から加工装置を前記配管内に投入し、
次にアクセス口を閉鎖し、
その後、前記加工装置により前記代1の弁を加工して開放することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原子炉内検査工法。
【請求項5】
前記検査装置による原子炉圧力容器内の検査後、前記検査装置を配管内において第1の弁の外側まで移動し、
次に、前記第1の弁を閉止し、
その後、アクセス口から前記検査装置を回収することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の原子炉内検査工法。
【請求項6】
前記配管に仮設の弁を、前記第2の弁に代えて、前記第1の弁の前記格納容器に対して外側に設置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の原子炉内検査工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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