説明

原子炉格納容器水位温度計測装置

【課題】原子力発電所の苛酷事故時により、原子炉格納容器内に水ないし海水等の冷却材が溜った場合でも、その原子炉格納容器内の冷却材の有無、または液位(水位)と温度を計測できる原子炉格納容器水位温度計測装置を提供する。
【解決手段】原子炉圧力容器2を収容する原子炉格納容器3と、原子炉格納容器3内にその高さ方向に複数配設されて原子炉格納容器3の温度を検出する温度検出器4,4,4と、を具備している。そして、温度検出器4,4,…により原子炉格納容器3内の温度を検出する一方、各温度検出器4により検出された温度検出値を、これら温度検出器が水等冷却材により水没したときの温度検出値と比較参照することにより、原子炉格納容器3内の冷却材の有無を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉格納容器水位温度計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の原子炉格納容器は、その内部の雰囲気が通常空気であることから、原子炉格納容器の水位検出設備としては、フロート式の水位検出器のみが配設され、原子炉格納容器のパージラインとベントラインの2箇所にのみ設けられている。また、従来の原子炉格納容器では、その内部に、内部の雰囲気温度を計測する温度検出器を多数配置している。
【0003】
図8(A),(B),(C)に示すように、従来の温度検出器aは、温度を検出する温度検出ケーブルであるMIケーブルbに、端子台cを介して接続用ケーブルdを接続し、このMIケーブルbと端子台cを保護管e内に収容するように構成されている。MIケーブルbはステンレス製の内管b1内に、電気絶縁物b2を充填し、この充填物b1内に、一対または2対の熱電対b3,b3,…を相互に径方向に所要の間隔を置いて並設し、かつ軸方向に埋設している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、万一、原子力発電所の苛酷事故により原子炉圧力容器が損傷し、原子炉圧力容器内に注入された水ないし海水等の冷却材が原子炉格納容器内に溜まった場合には、従来の水位検出設備では、設置されている水位検出器の箇所でしか水ないし海水の水位を検出できない。
【0005】
また、温度検出器aが水ないし海水等の冷却材に水没または冠水してしまった場合には、温度検出器aやケーブルdの途中の端子台cで短絡が発生し正確な温度を検出できない。しかも、この端子台cは、接続用ケーブルdをねじにより固定するので、防水構造に構成することが容易ではない。また、原子炉圧力容器内に注入された水や海水等の冷却材により原子炉圧力容器が冷却されているか否かを判断することもできなくなる。
【0006】
このように、原子炉格納容器内に水ないし海水等冷却材が溜った場合でも、その水位を監視することはこれまで想定されていなかった。
【0007】
本発明は、原子力発電所の苛酷事故時により、原子炉格納容器内に水ないし海水等の冷却材が溜った場合でも、その原子炉格納容器内の冷却材の有無、または液位(水位)と温度を計測できる原子炉格納容器水位温度計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る原子炉格納容器水位温度計測装置は、原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、この原子炉格納容器内にその高さ方向に複数配設されて原子炉格納容器の温度を検出する温度検出器と、を具備する。そして、前記温度検出器により原子炉格納容器内の温度を検出する一方、前記各温度検出器により検出された温度検出値を、これら温度検出器が水等冷却材により水没したときの温度検出値と比較参照することにより、原子炉格納容器内の冷却材の有無を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原子炉格納容器内に水や海水等の冷却材が溜った場合でも、原子炉格納容器内の温度を温度検出器により検出する精度の向上を図ることができると共に、原子炉格納容器内の冷却材の有無を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る原子炉格納容器の温度検出器の正面模式図、(B)は同,温度検出器の底部端面図、(C)は同(A),(B)で示すMIケーブルの拡大横断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る原子炉格納施設の要部模式図。
【図3】(A)は本発明の第2の実施形態に係る原子炉格納容器の温度検出器の正面模式図、(B)は同,温度検出器の底部端面図、(C)は同(A),(B)で示すMIケーブルの拡大横断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る原子炉格納施設の要部模式図。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る原子炉格納施設の要部模式図。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る原子炉格納施設の要部模式図。
【図7】本発明の第6の実施形態に係る原子炉格納施設の要部模式図。
【図8】(A)は従来の原子炉格納容器の温度検出器の正面模式図、(B)は同,温度検出器の底部端面図、(C)は同(A),(B)で示すMIケーブルの拡大横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0012】
(第1の実施形態)
図2に示すように、第1の実施形態に係る原子炉格納施設1は、原子炉圧力容器2を収容する原子炉格納容器3と、この原子炉格納容器3内に配設された複数の温度検出器4,4,…と、パージライン5およびベントライン6に、原子炉格納容器3の水位検出器としてそれぞれ配設されたフロート式の水位検出器5a,6aと、を具備している。
【0013】
複数の温度検出器4,4,…は原子炉格納容器3内にて、その高さ方向に所要の間隔を置いて配設されている。
【0014】
さらに、原子炉格納施設1は、原子炉格納容器3内の雰囲気の冷却を行うと共に、放射性よう素を除去する格納容器スプレー冷却系、水−金属反応で発生した可燃性ガスの格納容器内での燃焼を防止する可燃性ガス濃度制御系、および原子炉格納容器から漏洩したFP(核分裂生成物)が直接外部に放出されないように機能する原子炉建屋(二次格納施設)とこのFPをフィルタで除去し、排気筒より高所放出する非常用ガス処理系(SGTS)を具備している。但し、図2中、これら系は図示省略している。
【0015】
原子炉格納容器3は、原子炉圧力容器2や図示しない冷却系再循環ループなどを格納するドライウェルDおよび圧力抑制ケーブルを備えた圧力抑制室7を有し、ドライウェルDと圧力抑制室7は鋼製ベント管8により連結される。
【0016】
このために、冷却材喪失事故時、原子炉格納容器3のドライウェルD内に放出された蒸気と水の混合物はベント管8を通して圧力抑制室7のプール水中に導かれ、ここで蒸気は冷却し凝縮される。これにより、原子炉格納容器3の内圧の上昇を効果的に抑制することができる。さらに、原子炉格納容器3の内外を貫通する配管の原子炉格納容器貫通部であるペネトレーション9には図示省略の隔離弁を設け、放出されたFPを原子炉格納容器3内に保留することができる。
【0017】
図1(A)〜(C)に示すように、上記温度検出器4は、金属製保護管4a内にMIケーブル4bを収容している。保護管4aは、図1(A)中上部4a1と、この上部4a1にねじ結合される中空管状の下部4a2とを有し、下部4a2には複数の小孔4c,4c,…が成形されている。
【0018】
MIケーブル4bが保護管4aに固定されている。また、保護管4aは、その上部4a上に、開閉蓋のドーム状頭部4a3を設け、この頭部4a3の側頭部外面に防水コネクタ4dを配設している。
【0019】
この防水コネクタ4dは防水機能を有し、温度検出用ケーブルの一例であるMIケーブル4bと接続用ケーブル4eとを着脱可能かつ防水可能に接続している。各接続用ケーブル4eは、図2に示す原子炉格納容器3のペネトレーション9を経て原子炉格納容器3の外部に延伸し、図示省略の中央操作盤等の図示しない温度水位検出装置に接続される。この温度水位検出装置は、温度検出器4により検出された温度検出値に基づいて原子炉格納容器3内の温度や温度分布、水や海水等の冷却材の有無、液位(水位)を検出する。
【0020】
図1(C)に示すように、MIケーブル4bは、例えばステンレス製等の内管4b1内に、例えば酸化マグネシウム等の電気絶縁物4bを充填し、この充填物4bのほぼ中央部内に、温度検出部材である1対または2対の熱電対4b3,4b3,…を、その径方向に互いに所要の間隔を置いて並設し、かつ軸方向に埋設し、これら熱電対4b3,4b3,…により、原子炉格納容器3内の温度を検出する。
【0021】
さらに、この温度検出器4,4,…の温度検出値は上記温度水位検出装置に与えられ、原子炉格納容器3内の温度と水の有無、水位が検出される。
【0022】
したがって、この原子炉格納施設1によれば、万一、原子炉圧力容器2の損傷等により原子炉格納容器3内に水や海水等の冷却材が溜り、温度検出器4が冠水または水没した場合でも、MIケーブル4bと接続用ケーブル4eは防水コネクタ4dにより防水可能に接続されているので、MIケーブル4bと接続用ケーブル4eの接続部が水や海水等の冷却材によりショートすることを防止または低減できる。
【0023】
その結果、万一、原子炉格納容器3内に水や海水等の冷却材(以下、単に水ともいう)が溜った場合でも、温度検出器4と温度水位検出装置により原子炉格納容器3内の温度を検出する検出精度の向上を図ることができる。
【0024】
また、温度水位検出装置により、原子炉格納容器3内の水の有無や水位も検出できる。
【0025】
すなわち、各温度検出器4の温度検出値は、温度検出器4が水没している時と、水没していない時(気相時)とで相違するので、予めこれらの温度検出値データを採集し、参照データとして温度水位検出装置のメモリ等に記録しておく。また、温度水位検出装置のメモリには、複数の温度検出器4の原子炉格納容器3内の配置高さのデータを予め保存しておく。
【0026】
このために、各温度検出器4によりそれぞれ検出された温度検出値について、上記参照データを比較参照することにより、各温度検出器4が水没しているか否か、すなわち水の有無を検出することができる。
【0027】
また水没が検出された温度検出器4のうち、最も高い位置にある温度検出器4の配置高さを原子炉格納容器3内の水位であると判断することができる。
【0028】
なお、上記複数の温度検出器4,4,…の接続用ケーブル4e,4e,…は、図2に示すように1つのペネトレーション9に集中的に挿通させてもよいが、複数のペネトレーション9,9,…までそれぞれ個別に延在させてもよい。
【0029】
(第2の実施形態)
図3(A)は第2の実施形態に係る原子炉格納施設1Aの第2の温度検出器41の正面模式図、(B)は同,第2の温度検出器41の底部端面図、(C)は同(A),(B)で示す第2の温度検出器41のMIケーブル4bの拡大横断面図である。第2の実施形態に係る原子炉格納施設1Aは、上記原子炉格納施設1において、その温度検出器4を第2の温度検出器41に置換した点に特徴がある。
【0030】
図3(A)〜(C)に示すように、第2の温度検出器41は、金属製円管状の保護管41aを有する。この保護管41aは上記図1で示す温度検出器4のドーム状頭部4a3を削除している。保護管41aの一端子(図3では上端)に、電気絶縁性を有する端栓41bと、止めねじのコンプレッションフィッティング41cを上下二段に設け、MIケーブル41dを、これら端栓41bとコンプレッションフィッティング41cに水密に貫通させた状態で保護管41aに電気的に絶縁させた状態で固定し、外部に延伸させている。
【0031】
そして、図3(C)に示すようにMIケーブル41dは、内管4a内に収容された電気絶縁性を有する円柱状のシール部材4b2のほぼ中央部内に、複数、例えば2本一対の熱電対4b3,4b3と、一対のヒータ線10,10とを、その径方向にそれぞれ所要の間隔を置いて並設し、かつ軸方向に埋設している。
【0032】
そして、ヒータ線10,10を通電して、発熱させたときに、熱電対4b3,4b3により検出された温度検出値を、第2の温度検出器41が水没している時と、水没していない時(気相時)のデータを各温度検出器41毎に予め記録し、参照データとして、例えば温度水位検出位置のメモリ等に蓄積しておく。
【0033】
このために、ヒータ線10,10を通電して発熱させた時に検出された熱電対4b3,4b3の温度検出値を上記参照データと比較することにより、水や海水等冷却材の有無を検出することができる。
【0034】
そして、複数の第2の温度検出器41,41,…は、原子炉格納容器3内にて、高さ方向に所要の間隔を置いて配設されているので、上記第1の実施形態と同様、水の有りを検出した温度検出器41の配置高さから原子炉格納容器3内の水位を検出できる。
【0035】
すなわち、本実施形態によれば、原子炉格納容器3内に水や海水等冷却材が溜った場合でも、複数の温度検出器41,41,…により、原子炉格納容器3内の温度と水位を共に検出できる。
【0036】
そして、MIケーブル41dを上記従来の端子台cや防水コネクタ4dを介さずに直接ペネトレーション9に延伸させてもよい。これによれば、水没してショートし易い端子台cを削除しているので、ショートすることを低減できる。このために、原子炉格納容器3内に水が溜った場合でも、原子炉格納容器3内の温度、水の有無、水位を検出できる。
【0037】
さらに、端子台cや防水コネクタ4dを削除するので、構成の簡単化とコスト低減を図ることができる。
【0038】
さらにまた、第2の温度検出器41はMIケーブル41dの温度検出部分を電気絶縁性を有する端栓41bにより保護管41aに固定しているので、第2の温度検出器41の水没の有無を検出できる。すなわち、第2の温度検出器41が水没していないとき(気相時)は、MIケーブル4bと保護管4aの電気絶縁が確保されるので、温度を高精度で検出することができる。一方、第2の温度検出器41が水没した場合には、MIケーブル4bと保護管4bが水により通電するので、MIケーブルbと保護管4bの通電状態が非水没(気相)時の温度検出値と相違する。すなわち、第2の温度検出器41における、MIケーブルbと保護管4bの通電状態が水没時と非水没時とでは相違するので、第2の温度検出器41の水没の有無を検出できる。
【0039】
(第3の実施形態)
図4は本発明の第3の実施形態に係る原子炉格納施設1Aの要部模式図である。この原子炉格納施設1Aは、上記第2の実施形態に係る第2の温度検出器41のMIケーブル41dまたは図1で示す接続用ケーブル4eを、各第2の温度検出器41の近傍にそれぞれ配設されている複数のペネトレーション9,9,…にそれぞれ延在させ、または挿通させた点に特徴がある。
【0040】
この原子炉格納施設1Aによれば、複数のペネトレーション9,9,…の幾つかにおいて、MIケーブル41dまたは接続用ケーブル4eが短絡を発生した場合でも、それ以外のペネトレーション9,9,…に配設されているMIケーブル41dまたは接続用ケーブル4eに接続されている温度検出器4,41を使用して原子炉格納容器3内の温度、水の有無、水位を検出できる。
【0041】
(第4の実施形態)
図5は本発明の第4の実施形態に係る原子炉格納施設1Bの要部模式図である。この原子炉格納施設1Bは、圧力抑制室7内の圧力を検出する圧力抑制室圧力検出器11と、原子炉格納容器3内のドライウェルDの圧力を検出する原子炉格納容器圧力検出器12とを設け、この圧力抑制室圧力検出器11により検出された圧力抑制室内の圧力検出値と、原子炉格納容器圧力検出器12により検出された原子炉格納容器3内の圧力検出値との差から原子炉格納容器3内の水位を検出する点に特徴がある。
【0042】
すなわち、圧力抑制室圧力検出器11により検出された圧力抑制室7の検出圧力と、原子炉格納容器圧力検出器12により検出された原子炉格納容器3内の検出圧力との差が水頭圧差となるので、これら両検出値の差を、原子炉格納容器3内の水位との相関関係を予め記録した参照データと比較参照することにより、原子炉格納容器3の水位を水頭圧差から算出することができる。
【0043】
(第5の実施形態)
図6は本発明の第5の実施形態に係る原子炉格納施設1Cの要部模式図である。この原子炉格納施設1Cは、原子炉格納容器圧力検出器12とECCS系(非常用炉心冷却系)ポンプ圧力検出器13とを設け、このECCS系ポンプ圧力検出器13により検出されたECCS系ポンプ15の吐出側の圧力検出値と、原子炉格納容器圧力検出器12により検出された圧力検出値との差から原子炉格納容器3内の水位を検出する点に特徴がある。
【0044】
すなわち、ECCS系ポンプ圧力検出器13により検出されたECCS系14のECCS系ポンプ15の吐出側の検出圧力と、原子炉格納容器圧力検出器12により検出された原子炉格納容器3の検出圧力との差が水頭圧差となるので、これら両検出値の差と、原子炉格納容器3内の水位との相関関係を予め記録した参照データを参照することにより、原子炉格納容器3の水位を水頭圧差から算出することができる。
【0045】
(第6の実施形態)
図7は本発明の第6の実施形態に係る原子炉格納施設1Dの要部模式図である。この原子炉格納施設1Dは、原子炉格納容器3内の例えば底部に、温度センサ内蔵超音波センサ16を設けた点に特徴がある。
【0046】
温度センサ内蔵超音波センサ16は原子炉格納容器3内に溜った水の水面に超音波を送波し、水面で反射された反射波を受波することにより、原子炉格納容器3内の溜水の水位を検出する。温度センサ内蔵超音波センサ16はケーブル17に電気的に接続され、このケーブル17はペネトレーション9を挿通して原子炉格納容器3の外部に延在し、図示省略の温度水位検出装置に電気的に接続される。温度水位検出装置はケーブル17を介して温度センサ内蔵超音波センサ16に、その検出を制御する制御信号を与える一方、温度センサ内蔵超音波センサ16により検出された水位検出信号と温度検出信号とを受信し、原子炉格納容器3内の水位と温度を検出する。
【0047】
また、温度センサ内蔵超音波センサ16は内蔵の温度センサにより、原子炉格納容器3内の温度を検出できるので、この検出温度により、雰囲気温度により伝播時間が変化する超音波の温度による影響を補正することができる。
【0048】
このために、温度センサ内蔵超音波センサ16による水位検出精度の向上を図ることができる。また直接水温が検出できる。
【0049】
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、原子炉格納容器3内の温度検出器4,41による温度検出精度の向上と、原子炉格納容器3内の水や海水等冷却材の有無ないし液位(水位)を検出することができる点で技術上の意義が共通し、または密接に関連している。
【0050】
そして、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1,1A,1B,1C,1D 原子炉格納施設
2 原子炉圧力容器
3 原子炉格納容器
4 温度検出器
4b,41d MIケーブル(温度検出ケーブル)
4e 接続用ケーブル
10 ヒータ線
11 圧力抑制室圧力検出器
12 原子炉格納容器圧力検出器
13 ECCS系ポンプ圧力検出器
14 ECCS系
15 ECCS系ポンプ
16 温度センサ内蔵超音波センサ
41 第2の温度検出器
41b 端栓(電気絶縁体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器内にその高さ方向に複数配設されて原子炉格納容器の温度を検出する温度検出器と、
を具備し、
前記温度検出器により原子炉格納容器内の温度を検出する一方、前記各温度検出器により検出された温度検出値を、これら温度検出器が水等冷却材により水没したときの温度検出値と比較参照することにより、原子炉格納容器内の冷却材の有無を検出することを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項2】
前記冷却材有りを検出した温度検出器の中で、最も高い位置に配設された温度検出器の配設高さから冷却材の液位を検出することを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項3】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器内に配設され、この原子炉格納容器内の温度を検出する温度検出部材を有する温度検出用ケーブルを接続用ケーブルに接続する接続部を防水可能に構成した温度検出器と、
を具備していることを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項4】
前記接続部が防水コネクタであることを特徴とする請求項3記載の原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項5】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器内に配設され、原子炉格納容器内の温度を検出する温度検出部材を有する温度検出用ケーブルを収容し電気絶縁部材により固定させる保護管を有する温度検出器と、
を具備していることを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項6】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器の配管貫通部の複数のペネトレーションと、
この原子炉格納容器内に配設され、原子炉格納容器内の温度を検出する温度検出部材を有する温度検出用ケーブルを備えた複数の温度検出器と、
を具備し、
前記複数の温度検出器の温度検出用ケーブルを前記複数のペネトレーションにそれぞれ延在させたことを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項7】
原子炉圧力容器を収容し、圧力抑制室を有する原子炉格納容器と、
前記圧力抑制室の圧力を検出する圧力抑制室圧力検出器と、
前記原子炉格納容器内の圧力を検出する原子炉格納容器圧力検出器と、
を具備し、
前記圧力抑制室圧力検出器と原子炉格納容器圧力検出器によりそれぞれ検出された両検出圧力の差に基づいて前記原子炉格納容器内の水位を検出することを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項8】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
前記原子炉圧力容器に冷却材を注入するECCS系ポンプを有する非常用炉心冷却系と、
前記ECCS系ポンプの吐出側の圧力を検出するECCS系ポンプ圧力検出器と、
前記原子炉格納容器内の圧力を検出する原子炉格納容器圧力検出器と、
を具備し、
前記原子炉格納容器圧力検出器とECCS系ポンプ圧力検出器とによりそれぞれ検出された両検出圧力の差に基づいて前記原子炉格納容器内の水位を検出することを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。
【請求項9】
原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器内の温度を検出する温度センサを備え、原子炉格納容器内に超音波を送波して水位を検出する超音波センサと、
を具備し、
前記超音波センサにより前記原子炉格納容器の水位を検出すると共に、この水位検出値を、前記温度センサにより検出した温度により補正することを特徴とする原子炉格納容器水位温度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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