説明

原油を処理する方法、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法、及びその方法を実施する装置

本発明は、原油を精製する方法及びその方法を実施する装置に関する。この方法は、ガスと脱気したエマルジョンへの分離、並びに、脱気したエマルジョンの水と油への分離を含む。本発明はまた、炭化水素エマルジョンを分離する方法及びその方法を実施する装置に関する。この方法は、油/水界面におけるエマルジョンの洗浄を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(坑井から産出された)原油(すなわち、産出原油)を処理(精製)する方法と、その方法を実施する装置と、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法と、その方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(坑井から産出されるか、又は、リザーバから出る、或いは、産出原油として知られる)原油又は原油は、3つの主要な特性、すなわち、
−原油が安定であることを確保し、且つ、輸送又は貯蔵中のあらゆる脱ガスを回避するための、通常、11psi未満のRVP蒸気圧(Reid蒸気圧)
−水と沈殿物又はBSW(基礎沈殿物と水)の容積%、一般に、多くとも0.5%v/v−一般に100mg/l未満の塩分(等価NaCl)、特に、60mg/l未満
に従うために処理されなければならない。
【0003】
したがって、処理は従来方法で実行される。しかしながら、問題は、海洋フィールド、特に、処理ユニットが浮上式支持体上にあることが多い深い海の場合に特別な問題となる。これらは、一般に、FPSO(浮上式製品貯蔵及び荷降ろし)−石油流体を処理し、生産し、且つ荷降ろしする設備を備えた船舶−又は、FPU(浮上式生産ユニット)−石油流体を処理し生産する設備を備えるバージ−と、FSO(浮上式貯蔵及び荷降ろし)−貯蔵タンク及び石油流体を荷降ろしする設備を備える船舶又はバージ−との組み合わせである。全ての場合に、浮上式支持体の上側部分である、「上甲板」と呼ばれる所で、この処理が実行される。
【0004】
このタイプの処理は、陸上で存在するシステムを浮上式ユニット上の海洋に適用するに過ぎない。このため、これらのシステムは、特に、サイズ、上甲板重量、購入価格、及び運転コストの点で、いくつかの問題をかかえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、これらの問題の1つ又は複数を解決することである。
WO−A−9219351は、「不平衡掘削」タイプの掘削流体を分離する方法を述べており、掘削流体は、岩からの固形物(ドリル切断物)5〜15%、密度及び乳化剤の制御用の固形物(ベントナイト、バライト、ポリマーなど)5〜35%、スラッジの液相(水又は初期合成炭化水素)50〜85%、海洋フィールドからの炭化水素の液相5〜10%を通常(重量%で)含有する流体である。このタイプの掘削流体は、産出原油、すなわち、固形物が比較的少ない(通常10%未満、一般に5%未満)状態で、海洋フィールドからの炭化水素及び水を主に含有する産出原油にいずれの点でも匹敵しない。本明細書は、固形物の一部に穴を開けて(vent)、回収すること、及び、乳化相(やはり固形物を含む)を分離ユニットに送ることを含む、この掘削流体を分離する手段を述べており、分離ユニットにおいて、各相、すなわち、油、水、及び界面が回収され、且つ処理される。エマルジョン界面流は、サイクロン分離器へ送出するために、特別にくみ出される。
【0006】
DE−A−1223805は、水/油デカンテーション中に、油相の上に熱い水を散布する方法及び装置を述べている。
CA−A−915589は、従来の3相(油/水/ガス)分離方法を述べている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[発明の概要]
したがって、本発明は、産出原油を処理する(精製する)方法であって、(a)原油を2相(又は留分)に、すなわち、ガスと脱気したエマルジョンとに分離する工程と、(b)上記脱気したエマルジョンを水と油とに分離する工程とを含み、油は、とりわけ、商業的な要件を満たすことになり、上記処理方法は、安定化すること(必要とされるRVPを得ること)、水分除去する(すなわち、脱水する)こと(必要とされるBSWを得ること)、及び塩分をなくすこと(必要とされる塩分含有量を得ること)という3つの機能を実施することができる、産出原油を処理する方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、(a)原油を2相(又は留分)に、すなわち、ガスと脱気したエマルジョンとに分離するユニットと、(b)上記脱気したエマルジョンを水と油とに分離する槽とを備える、産出原油を処理する(精製する)装置を提供する。
【0009】
本発明はまた、(i)槽内で十分な高さを有する水区画によって上記脱気したエマルジョンを洗浄する工程と、(ii)油の流れ及び水の流れを回収する工程を含む、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法を提供する。水区画の高さは、3〜15m、好ましくは4〜12mである。一実施形態では、脱気したエマルジョンの水含有量は、槽内に導入する前に、水の付加によって15〜35%(容積)の値にされる。そのため、本発明はまた、(i)脱気したエマルジョンを洗浄槽の底部に流す工程と、(ii)油の流れ及び水の流れを回収する工程を含む、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法を提供する。
【0010】
本発明はまた、(i)油/水界面を作成する工程と、(ii)油/水界面において、上記エマルジョンを水で洗浄する工程と、(iii)油の流れ及び水の流れを回収する工程とを含む、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法を提供する。
【0011】
本発明はまた、油/水界面において、上記エマルジョンを水で洗浄する噴霧又は水散布システムに適合する槽を備える、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置を提供する。
【0012】
本発明はまた、槽の底部に至る上記エマルジョン用の供給部に適合する槽を備え、上記槽の下流に沈降槽をさらに備える、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置を提供する。
【0013】
本発明はまた、本発明による装置の1つを備える船又はバージを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[発明の実施形態の詳細な説明]
次に、本発明を、添付図面を参照してより詳細に説明する。
図1を参照すると、多工程分離方法(一般に、2〜3工程、図1では2工程が示されている)についての従来方式を説明する。構成部品は船の上甲板上にある。水性相及びガス相と共に全体エマルジョン又は部分エマルジョンの油相を含有する原油(又は重油)は、パイプ(1)を介して、「スラグキャッチャ」としても知られる第1分離器(2)に到達する。この第1分離器は、2相(液体/ガス)又は3相(油/水/ガス)分離の機能を実行し、同様に、スラグ又は過剰の圧力が、方法の後続のレベルにおいて通るのを防止する機能を実行する。方法の残りがエマルジョンの分離に関連する限り、方法中のいかなる不安定性、サージ又は過剰な圧力も、それが、油相における水滴の重力分離及び水相における油滴の重力上昇を乱し、その結果として、残りの処理中ずっとガス/液体分離及び油/水分離を乱すことになるため、悪影響を及ぼすことになる。以上の理由により、第1分離
器の滞留時間は、一般に非常に長い(数分、しばしば5分より長い)。大量に流れる場合、第1分離器又はスラグキャッチャは、ライザ又は壁チュービング又はケーシングの容積の数倍までの大容積を有する。容積は、総計数百mになる場合がある。こうした容積は、陸上では何の問題も生じないはずであるが、海洋では問題を生じる場合がある。
【0015】
分離を補助するために、一般に、流体は、第1分離器又は第2分離器の前に、交換機(3)で加熱される。通常、第1分離器における動作条件は、温度60〜90℃で、圧力10〜20バールであり、例外的に、圧力は、50バールをも超える場合がある。
【0016】
従来の処理方式において、RVP、BSW、及び塩分仕様に従うために、原油が貯蔵タンクに送られる前に、以下の動作が実施されなければならない。
−ガス及び液体のスラグの制御(スラグキャッチャ)、
−水/油分離、
−原油の安定化、及び
−水分除去と塩分除去。
【0017】
一部には、油/水の分離、すなわち、滴の凝集及び液体相におけるそれら滴の沈降を改善するため、また、一部には、原油の脱ガスを促進して原油を安定化するために、通常、流体を45℃〜65℃の温度に加熱することが必要とされる。水分除去及び塩分除去するこれらの機能を達成するために、動作温度は、80℃〜100℃であることが最も多い。
【0018】
分離器は、3相分離器として動作することが最も多い。分離された水は、パイプ(4)を介して、水処理ユニット(図示せず)に流される。ガスは、分離器から出て、パイプ(5)を介してガス処理ユニット(図示せず)に至る。分離された油相は、分離器から出て、パイプ(6)を通ってさらなる分離ユニットの方に流れる。
【0019】
パイプ(6)内の油相は、第2分離器(8)に入る前に、交換器(7)で加熱される。2つの加熱工程は、原油の安定化を確保するよう設計されている。第2分離器は、3相分離器であり、水の流れ、ガスの流れ、及び油相の流れを生成する。第2分離器の動作条件は、一般に、60℃〜90℃の温度、及び大気圧より約0.5〜1バール大きい程度の圧力である。
【0020】
3工程分離システムでは、第2分離器は、第1分離器の圧力と「大気」分離器の圧力との中間である圧力条件下で動作する。油相は、その後、大気圧より約0.5〜1バール大きい程度の圧力で動作する第3分離器に流される。3工程の変形については、以下で考慮しない。しかしながら、スラグ又は圧力及び/又は流量の変動の問題は、工程数にかかわらず起こるということが理解されるべきである。
【0021】
水及びガスの流れはそれぞれ、パイプ(9)及び(10)から生成される。水は、水処理ユニットに流され、ガスは、ガス処理ユニットに流される。油相の流れは、パイプ(11)を通して分離器から引き出される。最後の分離器が大気圧に近い圧力で動作すると仮定すると、液体もまた脱ガスされる。油相の流れは、依然として水を(時には10%まで)含有している。この流れは、その後、塩分除去/水分除去ユニットに流される。これらの2つの機能を組み合わせて、単一デバイスとすることができる。塩分除去が必要でない場合には、水分除去のみが実行され得る。このユニットは、図(12)上で示され、静電コアレッサである。油/水分離を改善するために、2つの板の間に電位差が印加される。塩分除去機能の場合、混合弁からわずかに上流の、塩分除去ユニットへの入口において、洗浄水が「流体」ストリーム中に注入される。洗浄水は、鉱物質が除去された水、空気除去された海水、又は以前に処置された産出水であってもよい。
【0022】
このように処理された原油は、パイプ(13)を介して除去され、その後、除去されるのを待つために貯蔵タンクに流されるか、又は、オイルタンカ又はパイプラインなどの処理済み原油輸送設備に直接流される前に、交換器(14)において(たとえば、約45℃まで)冷却される。水は、パイプ(15)を介して水分除去すなわち脱水ユニット(12)から引き出され、水処理ユニットに流されるか、又は、上述した2つの分離器のうちの1つに戻される。実際に、油を水性相から分離することが難しい場合では、下流の機器から抽出された水(水性相)の循環は、いわゆるエマルジョン転相(油中水型エマルジョンから分離するのがより容易な水中油型エマルジョンへの変化)の条件下で動作させることによって、油/水分離に役立つ。
【0023】
これは図4に示され、この図によってエマルジョンの水含有量に対する粘度の一例が提供される。これは、水含有量が抽出された流体の固有限界(たとえば、65%)未満にある場合には油中水型エマルジョンであり得、又は、水含有量がこの固有限界を超える場合には水中油型であり得る。この限界は、エマルジョンについての転相点に対応し、0〜80%水の範囲内にある。エマルジョンは、水中油型エマルジョンである時に分離するのがより容易である。
【0024】
これに加えて、分離器に戻る水は、その後、分離器で抽出される産出水と共に水処理ユニットに放出される。特に、塩分除去ユニットから分離器への水の戻りは、分離器内の溶解したガスによって飽和するようになり、したがって、水処理ユニットで処理するのがより容易になる。
【0025】
水処理ユニットで処理される水は、海に放出されるか、又は地下に再注入される。
本発明による方法の一実施形態を、図2を参照して説明する。この方法では、原油は、パイプ(100)を介して第1分離器(102)に到達する。従来技術の第1分離器と比較して、この第1分離器は、3相分離機能も、「スラグキャッチャ」機能も実施しくてもよい。この第1分離器は、ガス/液体分離機能を実行するだけであってもよい。実際に、本発明による方法では、下流の処理を妨げることなく、過剰な液体流量及び圧力に耐えることが可能である。図1の第1分離器(2)と比較して、分離器(102)は非常に小さく、容積は一般に、処理されている原油の同じスループットについて、分離器(2)の容積の35%〜55%である。
【0026】
本発明の実施形態では、安全性の理由により、脱ガス機能のみが必須である。一般に、65℃の最高温度まで(また、一般に、40〜45℃で)加熱することは、槽内での油/水分離及び油安定化を達成するのに十分である。これによって、処理槽内での滞留時間、同様に槽サイズを低減することが可能となる。この65℃という温度は、処理槽及び貯蔵槽上の保護塗料に適合する上限である。
【0027】
分離器(102)の前に熱交換器(103)があってもよいが、熱交換器(103)は、従来技術の対応物より少ないエネルギーを受け取る。分離器(102)は、2つの流れ、すなわち、パイプ(105)を介したガスの流れと、パイプ(106)を介した他の液体の流れ、すなわちエマルジョンを生成する。エマルジョンは、場合によっては交換器(107)を通って、大気圧に近い圧力で分離器(108)に流される。やはり、必要とされる熱は概して、従来技術と同程度ではない。場合によっては、不必要な再圧縮を回避するために、交換器は冷却器であってもよい。
【0028】
本発明による熱交換器表面積は、非常に小さく、従来の方法について必要とされる表面積の10%〜30%に概ね対応する。循環流体が大気圧のはずであるため、大気圧の分離器は、主として安全性のために存在する。しかしながら、第2分離器は低圧脱ガス機能を実行するだけであるため、第1分離器が大気圧に近い圧力にある場合、この第2分離器は
、本発明の実施のためには必要でない。従来技術の場合と同様に、ガスの流れは、パイプ(110)を介して生成され、同じ方法で処理される。脱気した乳化液体留分が、パイプ(111)を介して得られる。この乳化液体留分は、エマルジョンの形態の油及び水を含有する。上述した図4を再び参照する。
【0029】
一般に、この液体留分を水分除去することは必要ではないが、液体留分の水分除去は、必要であれば実行されてもよい。乳化液体留分は、その後、本発明によるシステムの第2の部分へ流される。この液体留分は、水分除去されてもよいし、逆に、(特に、槽内に送られる時に)水が付加されてもよい。たとえば、水含有量が15〜35%の程度の値に調整されたエマルジョンが使用されてもよい。
【0030】
通常、第1分離器のための動作条件は、35℃〜65℃の温度及び10〜40バールの圧力である。通常、第2「大気圧」分離器の動作条件は、45℃〜65℃の温度及び1.2バール〜2バール絶対圧の圧力である。この乳化液体留分は、その後、方法の第2の部分へ流される。
【0031】
方法の第2の部分は、もはや上甲板上にあるのではなく、浮上式支持体の船体内にある。そのため、従来技術であれば総計で2又は3甲板レベルになり得る、上甲板での節約が得られる。節約は、数百トンの機器、すなわち管及び構造などのような付属装置を考慮すると数千トンであり得る。この第2の部分は、流体についての滞留時間が通常4〜24時間で変わることができる、少なくとも1つの沈降槽を含む。
【0032】
乳化液体留分は、パイプ(111)を介して、洗浄及びストリッピング槽(112)に到達し、槽(112)は、ほんのわずかな水(通常、0.5%BSW未満)を含有する油の流れを生成し、この流れが、パイプ(113)又はオーバフロー部を介して最終沈降槽(114)に供給される。所望であれば、パイプ(113)内の油に対して、水(塩分除去機能を得るために、通常鉱物質が除去された水)及び/又は酸(通常、酢酸)又は脱乳化剤又は任意の化学薬品が付加されてもよい。最後の沈降槽は、洗浄(及びストリッピング)槽の近くにある必要がない貯蔵槽であることができる。このような場合、洗浄槽内に設置されたポンプによって、ほとんど水を有さない油相が貯蔵槽へ移送されるであろう。
【0033】
脱気された乳化液体留分は、原油のNm当たり溶解したガスが5Nm未満、特に、原油のNm当たり溶解したガスが0.5〜2Nmを一般に含む留分である。(Nmは通常のNmを示す)。
【0034】
本発明による方法の第2の部分の一実施形態を、図3を参照して説明する。脱気された液体留分は、パイプ(111)を介して到達し、槽(112)の上部、又は、好適な変形形態では槽の底部に入る。この実施形態によれば、脱気されたエマルジョンは、槽(112)の底部に入り、油は、その後、界面の方に上昇し、その後、油相がたとえばパイプ(113)を介して回収される上部に向かって上昇する。この実施形態は、酸性系原油又はナフテン系原油に特に適している。
【0035】
槽(112)内に3つの相、すなわちガス(G)、油(O)、及び水(W)が存在する。油/水界面のすぐ上に、水散布システム(115)、たとえば、噴霧装置が存在する。水散布システム内の流れは、上甲板から流れ出る流体の流れの0容積%(原油が水を含有しない産出の開始時)〜90容積%、好ましくは、0容積%〜15容積%である。噴霧装置は一般に、特に水/油界面のエマルジョンゾーンにおいて、凝集を促進するために、比較的大きなサイズの滴を生成するタイプのものである。上記界面を洗浄することは、エマルジョン相内での乳化剤(たとえば、ナフテン酸)を希釈すること、したがって、界面レ
ベルにおいて安定したエマルジョンを形成することを回避することを特に目的とする。
【0036】
理論に縛られずに考えると、本出願人は、水散布システムが多くの作用を有すると考える。水散布システムは、底部の方にエマルジョンを収容するか、又は、閉じ込める。水散布システムは、(特に、滴の周りで乳化剤を希釈することによって、)滴を取り巻くものの濃度に作用し、エマルジョンの安定性を低くさせて凝集を促進させる。酸又は脱乳化剤などの化学薬品が清浄水に注入される場合、水散布システムは、油/水界面の物理的平衡状態及び化学的平衡状態を変え得る。水散布システムはまた、噴霧することによってよどみを防止するとともに界面領域における連続的な希釈を生じるという意味で、界面を「動的」にする。
【0037】
一実施形態では、油/水界面において水を噴霧することによる洗浄は、洗浄槽内に入る際に処理される脱気されたエマルジョンの流れに比較的大量の水を注入することによって置き換えられてもよい(又は、注入することと共に用いられてもよい)。これによって、槽(112)内の水区画を含む洗浄水相を更新することが可能になり、乳化剤が集中して安定したエマルジョンを生成することが回避される。さらなる実施形態では、産出原油の水の量が、15〜35%(vol)の範囲内である時、乳化剤の希釈作用が(水区画において)自然に得られるため、噴霧又は水の付加を使用する洗浄はもはや必要とされない。
【0038】
ストリッピング機能は、散布器(116)を使用して槽の底部においてガスを注入することによって、実行される。通常、ガス注入は、処理を必要とする液体のm当たり0〜5mのガスである。ガスの気泡によって、より微細な滴の凝塊形成(agglomeration) が促進されるため、最初に、ガスは凝集する傾向を強める。次に、ガスが(特に、COの存在のために)酸性であると、この酸性度が、ナフテン酸に影響を与え、ナフテン酸塩の形成を防止するであろう。ガスの酸性度は、カチオン(Ca2+など)の存在下で普通ならば起こることになる反応を妨げる場合がある。これに加えて、噴霧は、普通なら堆積物をもたらすことになる、形成される塩の種の希釈を生じ、これらもやはり、よどみが無いので機械的に防止される。ナフテン酸は分離された水の中で見出される。槽(112)内の水区画を使用した洗浄及び/又は油/水界面における噴霧が、必要とされる処理を達成するのに十分であるため、ストリッピングが全く必要でないことが多い。
【0039】
水散布システム(115)と同様に、水散布システム(117)を通して付加的な洗浄が可能にしてもよいが、今度は、ガス/水界面において行う。
水散布システム(115)と比較して、この水散布システムは、槽の断面の一部を覆うだけであってもよい。それによって、発泡を減少させるか、又は、なくすことさえも可能である。
【0040】
このように、水散布及びストリッピングシステムは、以下の作用、すなわち、
−油中水型滴間又は水中油型滴間の凝集の改善(エマルジョンのタイプは、相ごとの近接性に依存する)、
−槽の底部におけるエマルジョンの導入から界面までのエマルジョン相の変位による「局所的な」転相の達成。それにより、従来の分離器と比較すると改善された分離効率が達成される。
−エマルジョンの破壊、及び
−特にナフテン酸金属塩、アスファルテン又は他の有機堆積物若しくは鉱物質堆積物、又は、油/水界面又は油相及び/又は水相における、有機堆積物及び/又は鉱物質堆積物の形成をなくす又は減少させること、
のうちの1つ又は複数を達成することを可能にする。
【0041】
洗浄水の品質及び組成は可変であり、処理されている原油の物理的特性及び化学的特性に対して規定されてもよい。(エマルジョン噴霧時の、又は、槽(112)の入口におけ
る)洗浄水は、清水、未処理又は処理済み(酸素分離済み及び/又はろ過済み)海水、又は、分離器からの未処理又は処理済み(固形物のろ過及び浮遊炭化水素残留物の除去など)産出水であってもよい。洗浄水はまた、酢酸、抗乳化剤、有機堆積物又は鉱物質堆積物を防止する産出物などのような種々の化学的添加剤を含有してもよい。ストリッピングガスの品質及び組成は可変であり、処理される原油の物理的特性及び化学的特性に対して規定されてもよい。ストリッピングガスは、上甲板の産出から得られるガス、又は、処理済み原油貯蔵タンクの不活性ガスユニットから出る煙道ガス(特にCOを含有する)などであってもよい。
【0042】
槽(112)の動作条件は一般に、滞留時間が、4〜24時間、通常、6〜12時間であり、圧力は、たとえば、大気圧と数百ミリバール(ガスの注入から生じる)の間にあり、温度は、たとえば、周囲温度と65℃との間、一般には、40℃〜50℃の間にある。
【0043】
槽のサイズは、滞留時間及び流量に依存し、通常、サイズは、FPSOの従来の貯蔵槽のサイズに対応する。
槽において水をこのレベルで扱うことによって、より容易に、且つ、より安価になる。実際に、従来技術における塩分除去ユニットでの水の品質が低い一方、本発明による、処理を要求する水は、(希釈作用及び長い滞留時間に起因して)よりよい品質である。
【0044】
油相は、たとえば、オーバフロー部(118)で回収され、その後、パイプ(113)を介して沈降槽(114)に流される。生成された水は、槽の底部から吸い上げられ、パイプ(119)を介して水処理ユニットに流される。ガスは、ヘッダパイプ(120)を介して除去され、コンプレッサに流される。
【0045】
方法の第2の部分で使用される方法はまた、任意のタイプのエマルジョンにつて使用されてもよく、必ずしも脱気したエマルジョンについて、又は、必ずしも同じ場所で使用されない。本発明はまた、洗浄及び/又はストリッピング及び/又は水区画の使用を含む(特に、脱気したエマルジョンは、15〜35vol%の水含有量を有する)、この第2の部分のみを包含する。
【0046】
本発明は、従来技術と比較して多くの利点を提供する。第1に、方法の主要な部分が槽内にあることは、上甲板上での機器を節約することを可能にし、バージの場合に、バラストを増すことがさらに可能になる。当該技術分野の技術水準では、原油を酸性に保ってナフテン酸の堆積を防止するために、酸性ガスが、原油と同時に存在するような圧力下で動作することがしばしば必要であった。高圧は常に、機器、消費及びメンテナンスコストの付加をもたらす。
【0047】
従来技術による方法は、より多くの熱の入力を必要とする(一方、方法の終了時には、原油を貯蔵するために、原油を冷却することが必要である)。実際、従来技術では、滞留時間及び加熱の作用は、エマルジョンを破壊するために調整され、そのことは、冷却操作の前にかなりの加熱操作が必要とされることを意味し、その操作は、実際には、交換器のサイズを2倍にする。
【0048】
従来技術による方法では、処理するのが難しい流体の場合、分離に必要とされる水は方法水であるが、本発明では、通常の水が使用されてもよい。さらに、従来技術でエマルジョンを分離する時、過剰の水を付加することが望まれない場合、
−温度の調整が必要であった(熱は、エマルジョンの破壊を補助するが、不利な点として、反応動特性に影響を与えることによって有機堆積物の形成を促進する)が、これは付加的なコストを必要とすることになる、
−BSWの調整が必要であったが、その場合、最終原油の品質がその後低下するか、又は
、厳しい動作条件が脱水ユニットに課されることになる、
−滞留時間の調整が必要であったが、その場合、容積が大きくなる、
−付加的な水は化学的添加剤を含まなければならず、コスト及び再処理の問題を生じる。
【0049】
本発明は、これらの欠点の1つ又は複数を回避することを可能にする。
本発明による方法が、1つ又は複数の水分除去すなわち脱水ユニットなしで済ますことができると仮定すると、機器及び動作コストの正味の(net)節約が得られる。
【0050】
本発明は、複合原油又は処理することが難しいことが多い原油に適用される。抽出を可能にするガスが高圧下にあり、これが、オペレーションの過程で不安定性をもたらすため、深海における掘削によって得られた原油は、処理するのが難しい。たとえば、形成するスラグを扱うために、上甲板上で上流の弁を「手動で」調整することが現在の慣行である。複合原油は、以下の特徴の1つ又は複数を有する原油である。
−原油は非常に粘性がある(たとえば、通常の温度条件下で数百cPs)、
−原油は劣化している(高い酸性度)、
−原油は、再注入された水で汚染された産出水成分を有する(この再注入された水は上甲板で使用される水である)、
−原油は、ARN(スタットオイル社によって名付けられた金属塩を生成する産出物)、
ナフテン酸及び炭酸塩(産出水と相互作用し、安定したエマルジョンの形成を促進することができる)、又はアスファルテンなどの堆積物を促進する化学成分を含有する、
−原油は、ライザパイプ内を上昇する時に発泡及び/又は乳化を促進する、
−原油は、パラフィン、たとえば、C20+を含有する。
【0051】
本発明による通常の複合原油は、ナフテン系原油である。
本発明は、従来技術における上甲板での20〜30分の滞留時間から、本発明の場合における、10分未満、たとえば、3〜8分の間、特に、5分又はさらに3分の程度の滞留時間に移行することを可能にさせる。
【0052】
本発明は、浮上式支持体上で使用することが特に意図されるが、陸上で使用されてもよい。
パイプ(122)によって供給される、マニホルド構成で一緒に接続された複数のパイプ(121a、121b、121c)を備える噴霧又は洗浄水散布システム(115)は、図5を参照して説明する。
【0053】
本発明による方法の第2の部分の一実施形態は、図6を参照して説明されるであろう。脱気した液体留分は、パイプ(111)を介して到達し、槽(112)の底部に入る。エマルジョンは、その後、界面の方に上昇し、その後、油は、油相が、たとえば、オーバフロー部(118)で回収される、上部の方へ移動する。槽(112)の底部の水は、ポンプP1によって吸い上げられる。噴霧装置(115)は、水/油界面、特に、図5の実施形態の水/油界面にある。パイプ(121a、121b、121c)及び(122)は、図式的に示される。この噴霧装置は、特に、海水が供給される。水の補給は、処理される脱気したエマルジョンが、15〜35%(容積)の水含有量を有するように行われてもよい。一実施形態では、特に、水区画(船体の底部から界面までの高さ)が十分である、通常、3〜15m、4〜12mである場合は、特に、噴霧装置は存在しないであろう。
【0054】
たとえば、水の補給は、数パーセントの水含有量まで、オーバフロー部(118)において行われてもよい。
油相は、その後、導管によって、オーバフロー部から下に流れて、沈降槽(114)の底部(123)に至る。油はまた、前のように表面へ上昇する。沈降槽(114)の底部の水は、ポンプP2によって吸い上げられる。ポンプP1及びP2から2つの流れは、水
処理ユニット(図示せず)に通される。油は、最終的に、オーバフロー部(124)を使用して回収され、その後、ポンプP3によって吸い上げられ、油貯蔵設備(図示せず)に流される。
【0055】
弁又は静的混合器などの、流体を混合するのに有用な任意のデバイスによって、水補給を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来技術による方法のフローチャート。
【図2】本発明の一実施形態による方法のフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施形態による装置の断面図。
【図4】水含有量の関数としての、石油流体のエマルジョンの粘性の変化を示すグラフ。
【図5】本発明の一実施形態による装置の断面図。
【図6】本発明による装置の一部断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原油を2相に、すなわち、ガスと脱気したエマルジョンとに分離する工程と、
(b)該脱気したエマルジョンを水と油とに分離する工程と
を含む産出原油を処理する方法。
【請求項2】
前記工程(b)はエマルジョン界面からの流れの回収無しで実施される請求項1に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項3】
前記工程(b)は、前記油/水界面において、エマルジョンを水で洗浄する下位工程(b1)を含む請求項1又は2に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項4】
前記工程(b)は、ガス、好ましくは、酸性ガスでストリッピングする下位工程(b2)を含む、請求項1又は2に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項5】
前記工程(b)は前記ガス/油界面において、エマルジョンを水で洗浄する下位工程(b3)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項6】
前記工程(b)から得られた前記油を沈降させる工程(c)も含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項7】
前記工程(b)は、沈降操作を含む請求項1に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項8】
前記工程(b)は前記脱気したエマルジョンを洗浄槽の底部に流す工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項9】
3〜15メートル、好ましくは、4〜12メートルから成る水区間を使用することを含む、請求項8に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項10】
前記脱気したエマルジョンは15〜35容量%の水含有量を有する請求項8又は9に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項11】
前記工程(a)は、高圧又は中間圧分離の下位工程(a1)及び低圧分離の工程(a2)を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項12】
前記工程(a)は35〜75℃、好ましくは45〜65℃、特に45〜50℃の温度で実施される請求項1〜11のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項13】
前記工程(a)は、10分未満、好ましくは3〜8分の滞留時間中に実施される請求項1〜12のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項14】
前記工程(b)は、4〜24時間の滞留時間中に実施される請求項1〜13のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項15】
前記産出原油は、合成原油、好ましくはナフテン系原油である請求項1〜14のいずれか1項に記載の産出原油を処理する方法。
【請求項16】
産出原油を処理する装置であって、
(a)前記原油を2相に、すなわち、ガスと脱気したエマルジョンとに分離するユニット(102;108)と、
(b)該脱気したエマルジョンを水と油とに分離する槽(112)とを備える、産出原油を処理する装置。
【請求項17】
前記分離タンク(112)は、前記エマルジョン界面からの流れの回収を含まない請求項16に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項18】
前記槽(112)は、前記油/水界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する噴霧又は水散布システム(115)を備える、請求項16又は17に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項19】
前記噴霧又は水散布システム(115)は、マニホルドの形態で一緒に接続される複数のパイプ(121a、121b、121c)を備える、請求項18に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項20】
前記槽(112)の底部でガスをストリッピングする散布器(116)も備える、請求項12〜19のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項21】
前記ガス/油界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する噴霧又は水散布システム(117)も備える、請求項16〜20のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項22】
前記槽(112)の下流に沈降槽(114)も備える、請求項16〜21のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項23】
前記槽は、前記脱気したエマルジョンを沈降させる沈降槽を備える、請求項16に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項24】
前記槽は、該槽の底部に至る前記脱気したエマルジョン用の供給部(111)を備える、請求項16〜21のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項25】
3〜15メートル、好ましくは、4〜12メートルの水区間を含む、請求項24に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項26】
前記供給部(111)の上流に水補給デバイスを備える、請求項24又は25に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項27】
高圧又は中間圧分離器(102)及び低圧分離器(108)を備える、請求項16〜26のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項28】
請求項1〜15のいずれか1項による方法を実施するための請求項16〜27のいずれか1項に記載の産出原油を処理する装置。
【請求項29】
請求項16〜28のいずれか1項による装置を備える船又はバージであって、前記分離ユニット(102;108)は、上甲板上にあり、一方、前記槽(112)又は沈降槽は、船体内にある、船又はバージ。
【請求項30】
油中水型(water-in-oil)炭化水素エマルジョンを分離する方法であって、
(i)油/水界面を作成する工程と、
(ii)該油/水界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する工程と、
(iii)油の流れ及び水の流れを回収する工程と、を含む油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項31】
前記工程(iii)は、前記エマルジョン界面からの流れの回収無しで実施される、請求項30に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項32】
ガス、好ましくは、酸性ガスでストリッピングする工程(iv)も含む、請求項30又は31に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項33】
前記ガス/油界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する工程(v)も含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項34】
前記工程(iii)からの前記流体を沈降させる工程(vi)も含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項35】
前記工程(i)は、前記脱気したエマルジョンを洗浄槽の底部に流す工程を含む、請求項31〜35のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項36】
3〜15メートル、好ましくは、4〜12メートルから成る水区間を使用することを含む、請求項35に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項37】
前記脱気したエマルジョンは、15〜35容量%の水含有量を有する、請求項35又は36に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項38】
油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法であって、
(i)脱気したエマルジョンを洗浄槽の底部に流す工程と、
(ii)油の流れ及び水の流れを回収する工程とを含む油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項39】
3〜15メートル、好ましくは、4〜12メートルから成る水区間を使用することを含む、請求項38に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項40】
前記脱気したエマルジョンは、15〜35容量%の水含有量を有する、請求項38又は39に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項41】
前記工程(ii)は、前記エマルジョン界面からの流れの回収無しで実施される、請求項38〜40のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項42】
前記工程(ii)からの前記流体を沈降させる工程(vi)も含む、請求項38〜41のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する方法。
【請求項43】
油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置であって、前記油/水界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する噴霧又は水散布システム(115)に適合する槽(112)を備える、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項44】
前記噴霧又は洗浄水散布システム(115)は、マニホルド構成で一緒に接続される複数のパイプ(121a、121b、121c)を備える、請求項43に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項45】
前記槽(112)の底部でガスをストリッピングする散布器(116)も備える、請求項43又は44に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項46】
前記ガス/油界面において、前記エマルジョンを水で洗浄する噴霧又は水散布システム(117)も備える、請求項43〜45のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項47】
前記槽(112)の下流に沈降槽(114)も備える、請求項43〜46のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項48】
前記槽の底部に至る前記エマルジョン用の供給部(111)に適合する槽(112)も備える、請求項43〜47のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項49】
油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置であって、槽(112)の底部に至る前記エマルジョン用の供給部(111)に適合する槽(112)を備え、該槽(112)の下流に沈降槽(114)をさらに備える、油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項50】
3〜15メートル、好ましくは、4〜12メートルの水区間を含む、請求項49に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項51】
前記供給部(111)の上流に水補給デバイスを備える、請求項49又は50に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項52】
請求項30〜37のいずれか1項による方法を実施するための請求項43〜48のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項53】
請求項42による方法を実施するための請求項49〜51のいずれか1項に記載の油中水型炭化水素エマルジョンを分離する装置。
【請求項54】
請求項43〜53のいずれか1項による装置を船体内に備える船又はバージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−532738(P2007−532738A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507782(P2007−507782)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004654
【国際公開番号】WO2005/100512
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(595037179)トタル、ソシエテ、アノニム (3)
【氏名又は名称原語表記】TOTAL S.A.