説明

原稿搬送装置及び画像読取装置

【課題】本発明の目的は、専用の清掃部材を使用せずに、かつ、ADFの持ち上げ量を最小にし、容易にガラスの清掃を行えるようにすることである。
【解決手段】画像読取装置に対して開閉可能に設けられたADF2であって、搬送される原稿の画像を読み取る読取手段(光学箱172)と、原稿の搬送方向に沿って移動可能に設けられ、搬送される原稿が読取手段と対向する対向位置にて接するコンタクトガラス171と、前記ガラス171に接するように原稿を案内する案内位置と、前記ガラス171から退避して開口部190を形成する開放位置とに移動可能な開閉ガイド181と、前記ガラス171を原稿の搬送方向に沿って往復移動する移動カム182とを有し、前記ガラス171は、前記移動カム182によって、原稿の搬送方向に沿って、前記対向位置と、前記開放位置に移動された前記ガイド181の開口部側の清掃位置に移動可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスキャナ、複写機、ファクシミリ装置などの画像読取装置に対して開閉可能に設けられ、前記画像読取装置に原稿を搬送する原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複写機等の画像形成装置においては、原稿搬送装置(以下、ADF (Auto Document Feeder)という)を備えたものがある。このADFを備えたデジタル複写機にて、ADF内の原稿を複写する場合は、ADFの下方に設けられた読取装置を所定の読取位置に移動して停止させる。その後、ランプユニットから光を出射し、読取位置にて原稿をコンタクトガラスに沿って搬送させて原稿を走査し、その反射光を読取装置により検出し、その画像(表面)を読み取る。
【0003】
さらに、ADF内にも読取装置を備え、原稿の表面をADFの下方に設けられた読取装置で読み取った後にADF内の読取装置によって原稿の裏面(画像)を読み取る。そして、この検出したデータ(読み取った画像データ)に基づいて、プリンタ部で処理することによって、複写画像が得られるようになっている。
【0004】
従来のADFにおいては、色ズレ、画像ブレ等の読み取り画像の劣化を防止するため、表面を読み取った原稿を、読み取り直後に挟持搬送するためのリードローラがあり、その搬送方向下流側に裏面の読み取りを行う裏面読取装置が配置されている。このため、裏面読取装置及び裏面読取装置の対向位置において搬送される原稿が接する裏面読取ガラスは、奥まった位置に配置されている。
【0005】
また、前記ガラスの表面は、搬送される原稿を案内するガイド面の役目も兼ねており、原稿が摺動するため、微細なゴミ等が付着することがある。そのため、前述の如く奥まった位置にあるガラスを清掃する必要がある。
【0006】
特許文献1に開示されている従来のADFにおいては、前述の奥まった位置にある裏面読取ガラスを清掃するための専用のガラス清掃部材を設け、清掃しやすいようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−199214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、ガラスを清掃するために専用の清掃部材が必要であるため、この専用の清掃部材がない場合、ガラスを清掃する作業性が大幅に悪化することがあった。また、前述のガラスを清掃する際には、ガラス上に原稿を搬送するための搬送ガイドを大きく開く必要があるため、その搬送ガイドを大きく開くためのスペース確保のためにADF自体を高く持ち上げる(大きく開放する)必要があった。
【0009】
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、専用の清掃部材を使用せずに、かつ、ADFの持ち上げ量を最小にし、容易にガラスの清掃を行うことが可能な原稿搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、原稿の一方の面の画像を読み取る画像読取装置に対して開閉可能に設けられ、前記画像読取装置に原稿を搬送する原稿搬送装置であって、原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の他方の面の画像を読み取る読取手段と、原稿の搬送方向に沿って移動可能に設けられ、搬送される原稿が前記読取手段と対向する対向位置にて接するコンタクトガラスと、前記コンタクトガラスに対向して前記コンタクトガラスに接するように原稿を案内する案内位置と、前記コンタクトガラスから退避して開口部を形成する開放位置とに移動可能に設けられたガイド手段と、前記コンタクトガラスを原稿の搬送方向に沿って往復移動するためのコンタクトガラス移動手段と、を有し、前記コンタクトガラスは、前記コンタクトガラス移動手段によって、原稿の搬送方向に沿って、前記対向位置と、前記開放位置に移動されたガイド手段の開口部側の清掃位置に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開放したガイド手段の開口部側の清掃位置までコンタクトガラスを移動させるので、コンタクトガラスに容易に手が届き、専用の清掃部材を使用しなくても、装置を開く量を最小にし、コンタクトガラスを容易に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像読取装置の概略正面断面図である。
【図2】画像読取装置の駆動系を示す概略正面断面図である。
【図3】画像読取装置のブロック図である
【図4】画像読取部近傍を説明する要部模式断面図である
【図5】画像読取装置のガラス移動を説明する要部模式断面図である。
【図6】画像読取装置の概略正面断面図である。
【図7】画像読取装置のガラス移動を説明する要部模式断面図である。
【図8】画像読取装置の駆動伝達部を説明する模式上面図である。
【図9】ADFを開いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係る画像読取装置について説明する。ここでは、画像読取装置として、原稿を搬送する原稿搬送装置が開閉可能に設けられたスキャナを例示している。
【0015】
図1に示すように、画像読取装置は、リーダ部150と、ADF2とを備えている。リーダ部150は、原稿の一方の面(表面)の画像を読み取る画像読取部(第1読取手段)である。ADF(Auto Document Feederの略)2は、リーダ部150にシート状の原稿を1枚ずつ供給する原稿搬送装置である。さらに、ADF2はその内部に画像読取手段(第2読取手段)を備えている。前記リーダ部150で一方の面(表面)の画像が読み取られた原稿は、ADF2によって搬送する原稿を反転搬送させなくとも、ADF2内部に設けた画像読取手段(第2読取手段)によって他方の面(裏面)の画像が読み取られる。以下、リーダ部150、ADF2について、順に説明する。
【0016】
〔リーダ部〕
図1に示すように、リーダ部150は、原稿Dの画像面に光を照射するランプ152と、このランプ152によって照射された原稿Dからの反射光をレンズ157に導くミラー153、読取センサとしてのCCD(電荷結合素子)158等によって構成される。これらのランプ152、ミラー153、CCD158は光学箱(読取部)159に取り付けられている。光学箱159は、不図示のワイヤによって不図示のモータに結合されて、モータの回転駆動によって原稿台ガラス3と平行に往復移動するようになっている。モータは、光学箱159のホームポジション位置を検知するポジションセンサの位置を基準にして正転、逆転して、光学箱159を往復移動させるようになっている。したがって、光学箱159は、原稿台ガラス3上の原稿を光学的に走査するようになっている。
【0017】
また、モータは、ステッピングモータである。このモータには、不図示のエンコーダを接続してある。このエンコーダにより、光学箱159が何パルス分移動したかを検知できるようになっている。したがって、リーダ部150は、ポジションセンサとエンコーダからのエンコーダパルスによって、光学箱159の位置を把握することができるようになっている。
【0018】
原稿からの反射光は、ミラー153によってレンズ157に導かれ、レンズ157によってCCD158上に集光される。CCD158は、原稿情報を反映した上記反射光を光電変換し、電気的な画像信号として不図示のプリンタ部に出力し、記録対象としての記録紙等のシート上に画像形成したり、データとして、メモリに蓄積する。
【0019】
リーダ部150は、ユーザによって選択された、固定読みモード(原稿台ガラス原稿読取モード)と、流し読みモード(ADF原稿読取モード)とのいずれかのモードによって原稿を読み取るようになっている。固定読みモードは、原稿を原稿台ガラス3上にユーザが載置して、光学箱159を副走査方向に移動させながら原稿を読み取るモードである。流し読みモードは、原稿読取位置160に停止した光学箱159の上方の第1コンタクトガラス(シート案内部)161の上を、シート状の原稿をADF2によって通過させて原稿を読み取るモードである。
【0020】
なお、ADF2は、リーダ部150に開閉可能に設けられている。固定読みモードのときには、ユーザが、ADF2の手前を持ち上げてリーダ部150の上面を開き、表出した原稿台ガラス3に原稿を載置する。図9は、ADF2をリーダ部150に対して開いたときの状態を示す説明図である。ADF2は、背部側に設けられた蝶番77によってリーダ部150に回動可能(開閉可能)に接続されている。
【0021】
〔原稿搬送装置(ADF)〕
ADF2は、原稿トレイ部、原稿分離部、原稿搬送部、第1読取部、第2読取部、駆動系、センサ、制御回路、によって構成されている。以下、各部について説明する。
【0022】
(原稿トレイ部)
図1に示すように、原稿トレイ4は、複数枚の原稿Dが積載可能になっている。原稿トレイ4には、原稿の給送方向と直交する幅方向の端部を規制する1対の幅方向規制板19が原稿の幅方向にスライド移動可能に配置されている。幅方向規制板19は、原稿トレイ4に積載された原稿Dの幅方向を規制することで、原稿供給時に、幅方向の位置を揃えて原稿を供給できるようにしている。
【0023】
(原稿分離部)
図1に示すように、原稿トレイ4の上方には、原稿供給ローラ5を配設してある。原稿供給ローラ5は、分離搬送ローラ8の回転駆動に連れて回転し、原稿をADF内に供給するようになっている。原稿供給ローラ5は、通常、ホームポジションである上方(図中実線位置)に待避して、原稿トレイ4に原稿を載置するとき、原稿の邪魔にならないようにしている。原稿の供給開始時になると、原稿供給ローラ5は、図中実線位置から破線位置に下降して、原稿Dの上面に当接するようになっている。原稿供給ローラ5は、図示しないアームに軸支してあるので、アームの揺動にともなって、昇降するようになっている。
【0024】
分離パッド6は、分離搬送ローラ8に対向して配置され、分離搬送ローラ8に圧接されている。分離パッド6には、分離搬送ローラ8より摩擦が若干小さいゴムなどの摩擦部材を使用している。分離パッド6は、原稿供給ローラ5によって供給される原稿Dを、分離搬送ローラ8と協働して捌き、1枚ずつに分離するようになっている。
【0025】
(原稿搬送部)
分離搬送ローラ8は原稿を分離する際、搬送速度がばらつくことが多い。このため、引抜きローラ49によって、分離搬送ローラが1枚ずつに分離された原稿を引抜き、安定した速度でレジストローラ12に送り込む。レジストローラ12とレジスト従動ローラ11は、引抜きローラ49によって送られてきた原稿が斜めになっているとき、原稿の向きを真っ直ぐに修正するようになっている。
【0026】
第1搬送手段としての第1リードローラ対32は、第1リードローラ22と第1リード従動ローラ14から構成され、原稿を第1コンタクトガラス161に向けて搬送するようになっている。さらに、第2搬送手段としての第2リードローラ対33は、第2リードローラ23と第2リード従動ローラ16から構成され、原稿を第1コンタクトガラス161から排出すると共に、第2コンタクトガラス171に向けて搬送するようになっている。そして、原稿排出ローラ対18が搬送されてきた原稿をADF搬送パス外部の排出トレイ10に排出するようになっている。
【0027】
第1コンタクトガラス161と第2リード従動ローラ16との間には、第1コンタクトガラス161からシートをすくい上げるジャンプ台162を配設してある。原稿は、第1コンタクトガラス161を通過するとき、リーダ部(第1読取手段)150によって一方の面(表面)の画像を読み取られるようになっている。
【0028】
さらに、原稿は、第2コンタクトガラス171を通過するとき、ADF2内に設けられた第2読取手段によって他方の面(裏面)の画像を読み取られるようになっている。第2読取手段は、リーダ部150内に備える光学箱159と略同じ構成の光学箱172によって構成されている。光学箱172内には、光学箱159と同様にランプ、ミラー、レンズ、CCD等を備えられている。
【0029】
第2読取手段は、原稿が第2コンタクトガラス171を通過するとき、原稿が第1コンタクトガラス161を通過するときと同様に原稿を光学的に走査し、原稿の画像を電気的な画像信号に変換し、不図示のプリンタに出力したり、メモリに蓄積したりする。第2読取手段によって行われる読取動作(第2流し読みモード)は、主に第1読取手段(リーダ部150)によって行われる読取動作(第1流し読みモード)で原稿の表面の読み取りを行った直後に原稿の裏面の読み取ることに使用する。この第2流し読みモードを備えることで、搬送する原稿を最小限に両面の読み込みを行うことができる。
【0030】
(第1読取部)
プラテンローラ24は、流し読み用の第1コンタクトガラス161に対向した位置かつ第1読取位置160の直上に配設してある。プラテンローラ24はリードモータ53(図2参照)により駆動されている。プラテンローラ24は、読取位置160において、原稿の浮き、暴れ等を防止し、原稿の安定した読み取りを実現している。プラテンローラ24は、第1コンタクトガラス161に対して、所定の隙間を設けて配置してある。
【0031】
(第2読取部)
第2読取部も、第1読取部と同様に、プラテンローラ173が、第2コンタクトガラス171の第2読取位置170の対向位置に配設してある。プラテンローラ173は、リードモータ53(図2参照)によって駆動されるとともに、コンタクトガラス171から所定の隙間を設けて配置されており、画像の安定した読み取りに貢献している。
【0032】
(駆動系)
図2は各ローラなどを駆動するモータ、及びソレノイド類を有する駆動系を示す図である。分離ソレノイド57は、原稿供給ローラ5を昇降するようになっている。分離ソレノイド57は、原稿供給ローラ5をホームポジションである上方(図中実線位置)に持ち上げて保持するようになっている。分離ソレノイド57は、原稿トレイ4に原稿をセットするとき、原稿の邪魔にならない位置に原稿供給ローラ5を保持する。さらに、分離ソレノイド57は、ADF2の原稿供給開始時に、原稿供給ローラ5を下降させて、原稿トレイ4上の最上位の原稿に原稿供給ローラ5を圧接する。
【0033】
分離モータ51、リードモータ53、原稿排出モータ50には、ステッピングモータを使用している。分離モータ51は、分離搬送ローラ8と原稿供給ローラ5、引抜きローラ49を搬送方向に回転させるようになっている。リードモータ53は、レジストローラ12、第1リードローラ22、第1プラテンローラ24、第2リードローラ23、第2プラテンローラ173を回転するようになっている。これらのローラ12,22,24,23、173は、駆動ローラであり、原稿の読取速度で原稿を搬送するようになっている。原稿排出モータ50は、原稿排出ローラ対18を回転するようになっている。
【0034】
(センサ)
図2に示すように、原稿トレイ4には、原稿Dが原稿トレイ4に載置されたことを検知する透過型の光センサである原稿セット検知センサ40を設けてある。また、原稿トレイ4の下部には、幅方向規制板19の位置を検知して原稿トレイ4に載置した原稿Dの幅寸法(搬送方向と直交する方向の長さ)を検知する原稿幅検知センサ44(図3参照)を設けてある。分離搬送ローラ8とレジスト従動ローラ11との間には、原稿を検知する透過型の光センサであるレジストセンサ7を設けてある。レジストセンサ7は、分離給送された原稿の先端を検知して、シートの斜行を補正するための、レジストローラ対11,12への突き当て量(ループ量)を制御するタイミングを計るのに使用される。
【0035】
第1リードローラ22の近傍には、原稿を検知する反射型光センサである第1リードセンサ(位置検知センサ)13を設けてある。第1リードセンサ13は、原稿の先端(下流端部)を検知して、リーダ部150での画像読取開始タイミングを計る基準信号を発するようになっている。また、第2リードローラ23の近傍には、原稿を検知する反射型光センサである第2リードセンサ20を設けてある。第2リードセンサ20は、第1リードセンサと同様に、第2読取手段での画像読取開始タイミングを計る基準信号を発するようになっている。原稿排出ローラ対18の上流側には、原稿を検知する透過型光センサである原稿排出センサ17を設けてある。原稿排出センサ17は、原稿の排出タイミングを測るのに使用される。
【0036】
(制御回路)
図3は、ADFの制御回路のブロック図である。制御回路は、マイクロプロセッサ(以下、「CPU」という。制御手段)54を中心に構成してある。CPU54の入出力ポートには、各種負荷のドライブ回路およびセンサを接続してある。また、制御回路は、図示していなが、電池によりバックアップされるRAMと、制御シーケンスソフトの格納されたROMを備えている。
【0037】
分離モータ51、リードモータ53、原稿排出モータ50は、各ステッピングモータドライバによって駆動されるようになっている。各ドライバには、CPU54から相励磁信号とモータ電流制御信号とが入力されるようになっている。分離ソレノイド57は、ドライバによって駆動され、CPU54の入出力ポートに接続されてCPU54の信号に基づいて、動作を制御するようになっている。
【0038】
レジストセンサ7、原稿セット検知センサ40、第1リードセンサ13、第2リードセンサ20、原稿排出センサ17、原稿幅検知センサ44等の各種センサは、CPU54の入力ポートに接続されている。これらのセンサは、装置内における、原稿の挙動、及び可動部の挙動をモニターするようになっている。
【0039】
(ADFの動作説明)
原稿セット検知センサ40は、原稿トレイ4上に原稿Dを載置してあるか否かを検知する。原稿が載置してあれば、原稿トレイ4上の原稿幅検知センサ44が、原稿サイズの検知を行う。また、分離ソレノイド57が、原稿供給ローラ5を下降させる。原稿供給ローラ5は、最上位の原稿に当接して、原稿を分離搬送ローラ8と分離パッド6との間に送り込む。
【0040】
原稿トレイ4から供給された原稿Dが複数枚重なっている場合、分離搬送ローラ8と分離パッド6は、原稿を1枚ずつに分離してレジストローラ対11,12に搬送する。レジストローラ対11,12は、原稿が斜行しているとき原稿を真っ直ぐに修正し、第1レジストローラ12で、第1リードローラ22と第1リード従動ローラ14のニップに搬送する。
【0041】
第1リードローラ22と第1リード従動ローラ14は、原稿を所定の原稿挟持力で挟持し、かつ回転して第1コンタクトガラス161とプラテンローラ24との隙間を通過させて、第2リードローラ23と第2リード従動ローラ16とのニップに送り込む。リーダ部(第1読取手段)150は、第1読取位置160に停止している光学箱159で、第1コンタクトガラス161とプラテンローラ24との隙間を通過する原稿を走査して一方の画像面を読み取る。さらにその直後に原稿搬送装置内に固定されている第2読取手段を構成する光学箱172で第2コンタクトガラス171とプラテンローラ173との隙間を通過する原稿を走査して他方の画像面を読み取る。
【0042】
(コンタクトガラスの動作)
図4を用いて、第2読取部でのコンタクトガラス171の動作の説明を行う。ADFで第2流し読みモードで安定した画像の読み取りを行うためには、所定の期間毎に原稿照明ランプやCCDセンサの感度劣化等の補正を行う所謂シェーディングを行う必要がある。第2読取部では、ガラスの透過度等の要因も含めて補正を行うため、シェーディングを行うための白基準板(白基準部)175をコンタクトガラス171の原稿搬送面側に貼っている。この白基準板175は、コンタクトガラス171の第2読取手段を構成する光学箱172に対向する位置に対して原稿搬送方向上流側に設けられている。このため、シェーディングを行う際は、図4(a)に示すようにコンタクトガラス171を原稿搬送方向下流側(矢印B方向)に移動させ、図4(b)に示すように白基準板175が第2読取手段に対向する位置(読取位置170)に位置決めされる。
【0043】
原稿搬送時、コンタクトガラスに接触した原稿を再び搬送ガイドにすくい上げるためには、原稿先端がガラス端部に達した時、原稿接触面より下がった面からジャンプ台形状を形成させ、原稿端部を持ち上げる必要がある。仮にコンタクトガラス171の白基準板175が読取位置170に対して搬送方向下流側に貼られていると、図4(c)に示すように搬送される原稿が白基準板175とガラス171の段差に衝突してしまい、搬送不良の要因になってしまう。このため、白基準板175は、図4(a)に示すように、コンタクトガラス171の搬送方向上流側に貼り付け、原稿搬送に影響を与えないようになっている。
【0044】
このため、前述したように、シェーディングを行う際は、コンタクトガラス171を、原稿搬送方向下流側(矢印B方向)に移動して、図4(a)に示す原稿の画像を読み取るときの位置から図4(b)に示すシェーディング位置へ移動している。つまり、コンタクトガラス171は、搬送される原稿を読取位置より奥まった位置で、シェーディングを行っている。
【0045】
コンタクトガラス171は、図5に示すようにバネ185によって矢印C方向(原稿搬送方向上流側)に付勢されているガラスホルダ183に保持されている。このガラスホルダ183には、読取開閉ガイド181に設けられたガラスシェーディング移動カム186が当接している。
【0046】
ここで、読取開閉ガイド181について説明する。読取開閉ガイド181は、コンタクトガラス171に対向してコンタクトガラス171に接するように原稿を案内するガイド手段である。読取開閉ガイド181は、第2読取手段を構成する光学箱172と対向する対向位置を介して原稿搬送方向の一方側にある回動中心を中心に回動可能に設けられている。ここでは、読取開閉ガイド181は、前記対向位置に対して原稿搬送方向下流側となる、排出ローラ近傍に回動中心をもつ構成を例示している。
【0047】
読取開閉ガイド181は、排出ローラ近傍に回動中心を中心にして、コンタクトガラス171に接するように原稿を案内する案内位置と、コンタクトガラス171から退避して開口部を形成する開放位置とに移動可能となっている。具体的には、図5に示すように、読取開閉ガイド181は、移動カム186がガラスホルダ183に当接する閉位置(図5(a)参照)と、移動カム186とガラスホルダ183との当接が解除される開位置(図5(b)参照)とに移動可能となっている。移動カム186は、ワンウェイクラッチを介してリードモータ53からの駆動力が伝達されるように構成されている。
【0048】
コンタクトガラス171の移動時は、原稿搬送を行わないため、通常、リードローラを回転させているリードモータ53を使用してコンタクトガラス171の移動をさせている。ここでは、原稿の読取搬送時は、モータ53からの駆動伝達経路中に設けたワンウェイクラッチが作用して、コンタクトガラス171を移動させるような駆動の伝達がなされないようになっている。コンタクトガラス171を移動させるときは、リードモータ53を搬送方向とは逆方向に回転(逆転)させ、ローラも逆転させながらコンタクトガラス171をシェーディングを行うための位置へ移動させる。つまり、図5に示すように読取開閉ガイド181上に設けられたガラスシェーディング移動カム186は、リードモータ53が原稿搬送方向と反対方向に回転するときのみ回転する構成になっている。この移動カム186の回転に倣って、コンタクトガラス171が図4(a)に示す読取位置から図4(b)に示すシェーディング位置に移動し、また、シェーディング位置から読取位置に移動する。すなわち、移動カム186の回転に倣って、コンタクトガラス171が原稿搬送方向に沿って読取位置とシェーディング位置との間を往復移動する。
【0049】
コンタクトガラス171には、原稿が接触しながら搬送されるため、原稿上のゴミや紙粉が落下して付着したり、原稿上の汚れが転写することがある。コンタクトガラス171にゴミが付着したり、汚れたりすると、原稿読取時に黒スジとなって現れてしまうため、清掃する必要がある。第1読取部のコンタクトガラス161もゴミが付着したり、汚れることがある。しかし、コンタクトガラス161はヒンジ部(蝶番77)を中心にADF2を持ち上げれば(図9参照)、容易に露になるため、清掃は容易である。
【0050】
一方、第2読取部のコンタクトガラス171の清掃時には、まずADF2を持ち上げるようにリーダ部150に対して開く(図9参照)。その後、図6に示すように、排出ローラ近傍に回動中心をもつ読取開閉ガイド181を、前述の原稿案内位置から、コンタクトガラス171から退避して開口部190を形成する開放位置へ移動させて開放し、清掃を行う。読取開閉ガイド181には、第2リードローラ23と第2リード従動ローラ16、第2プラテンローラ173が一体に設けられている。よって、図6に示すように読取開閉ガイド181を開放することで、第2コンタクトガラス171が露出される。
【0051】
また、図6にガラス清掃時のコンタクトガラス171の動作を示す。図6に示すように、読取開閉ガイド181は、コンタクトガラス171を第2読取手段と対向する対向位置(図中実線位置)に保持するための突起部(保持部)184を有している。図7(a)に示す位置に位置するコンタクトガラス171を保持するガラスホルダ183には、読取開閉ガイド181から突出している突起部184が接し、ガラスホルダ183が矢印C方向に移動するのを規制するストッパになっている。この突起部184により、ガラスホルダ183が図7(a)に示す位置に保持され、ガラスホルダ183に保持されたコンタクトガラス171が図6に示す実線位置(原稿を案内する案内位置)に保持される。また、図5(b)に示すように、シェーディング移動カム186は読取開閉ガイド181と一体で構成されている。
【0052】
図6に示すように読取開閉ガイド181を開放することによって、ストッパとしての突起部184がガラスホルダ183から外れて突起部184による保持が解除され、さらにシェーディング移動カム186が読取開閉ガイド181と一体に退避する。そのため、ガラスホルダ183はバネ185の付勢力によって図7(a)に示す矢印C方向に移動して、図7(b)に示すようにガラス清掃移動カム182に突き当たる。ガラス清掃移動カム182は、コンタクトガラス171を原稿の搬送方向に沿って往復移動するためのコンタクトガラス移動手段である。このガラス清掃移動カム182を回転させることで、コンタクトガラス171が図7(b)に示す位置から図7(c)に示す位置に移動する。すなわち、コンタクトガラス171が、読取位置(図6に示す実線位置)から、開口部190側となるコンタクトガラス161近傍の清掃位置(図6に示す破線位置)に移動する。
【0053】
なお、コンタクトガラス171とコンタクトガラス161の間に位置する第2リードローラ対33は、読取開閉ガイド181を開放位置に回動させることで読取開閉ガイド181と共に退避している。そのため、ガラス清掃移動カム182を回転させることで、コンタクトガラス171を開口部側となる原稿搬送方向上流側のコンタクトガラス161近傍(図6の点線位置)まで移動させることができる。
【0054】
第1読取部となるコンタクトガラス161近傍は、読取開閉ガイド181が最大に開放する領域なので、読取開閉ガイド181の開放角度が小さくてもコンタクトガラス171を清掃するために手を入れるための十分な領域が確保される。読取開閉ガイド181の開放角度が小さくても、コンタクトガラス171の清掃が可能であることは、即ちADF2の持ち上げ量も少なくて済み、ガラス清掃時の操作性が改善される。
【0055】
ガラス清掃移動カム182をさらに回転させることで、ガラスホルダ183を所定の位置である読取位置(図6に示す実線位置)まで戻し、読取開閉ガイド181を閉めればコンタクトガラス171は再び所定の読取位置に戻る。
【0056】
ここで、ガラス清掃移動カム182は、リードモータ53が回転することで回転するように構成されている。しかし、上述したように、ガラス清掃移動カム182は、読取開閉ガイド181が開いている時のみ、ガラスホルダ183に当接し、読取開閉ガイド181が閉じているときはガラスホルダ183との当接は解除(離間)されている。そのため、ガラス清掃移動カム182の回転は、読取開閉ガイド181が開いている時のみ、コンタクトガラス171の移動に関与する。すなわち、通常の画像読取動作時は、リードモータ53が回転していても、ガラス清掃移動カム182によってコンタクトガラス171が移動することはない。
【0057】
そして、清掃時のガラス移動を、紙詰まりを処理するために各ローラを回転させる操作部としてのジャム処理ダイヤル92(図8参照)を使って、ガラス清掃移動カム182を回転させるようにしている。
【0058】
図8はリードモータ53からの駆動を各ローラに伝達する駆動伝達部を説明するための概略図である。
【0059】
リードモータ53のモータギア53aは、リードローラ22の軸に設けたリードローラギア22a、および、プラテンローラ24の軸に設けたプラテンローラギア24aに噛み合っている。プラテンローラ24の軸におけるプラテンローラギア24aとは反対側には、ギア90が設けられている。ギア90は、ジャム処理ダイヤル92と一体で回転するダイヤルギア91に噛合っている。
【0060】
プラテンローラギア24aは第1アイドルギア93と噛合い、第1アイドルギア93は第2リードローラ23の軸に設けられた第2リードローラギア23aと噛合っている。また、第2リードローラギア23aは第2アイドルギア94と噛合い、第2アイドルギア94は、ガラス清掃移動カム182の軸に設けたカムギア95と噛合っている。
【0061】
なお、図8では図示を省略したが、リードモータ53からの駆動は、レジストローラ12やプラテンローラ173のローラ軸にも駆動を伝達するように駆動伝達部(駆動伝達経路)は構成されている。
【0062】
また、カムギア95は、コンタクトガラス171をシェーディング位置に移動させるためのシェーディング移動カム186に駆動を伝えるためのカムギア96に噛合っている。既述のように通常に原稿を搬送するときは、カムギア96に内蔵されたワンウェイクラッチが作用し、シェーディング移動カム186には駆動が伝達されない。一方、原稿搬送時とは反対方向にリードモータ53を回転駆動させることで、シェーディング移動カム186に駆動力が伝達される。このリードモータ53からの駆動力の伝達により、コンタクトガラス171が原稿搬送方向上流側へ移動されて、シェーディング位置に位置する。このように駆動系を兼用することにより、よりシンプルな構成にすることができる。
【0063】
ここで、操作部としてのジャム処理ダイヤル92とは、ジャム処理のためにユーザが操作する操作ダイヤルである。このジャム処理ダイヤル92は、図8に示すようにガラス清掃移動カム182に連結されている。
【0064】
ユーザがジャム処理ダイヤル92を回転すると、リードモータ53によって駆動される各ローラが回転する。つまり、ジャム処理時、ジャム処理ダイヤル92を操作して各ローラを回転することで、搬送路に滞留した原稿を、搬送路から取り除き易い位置に移動させることができる。
【0065】
ここでは、ガラス清掃移動カム182がリードモータ53で駆動される駆動系列に組み込まれているので、ジャム処理ダイヤル92をユーザが回転することで、各ローラとともにガラス清掃移動カム182が回転するようになっている。
【0066】
但し、ガラス清掃移動カム182は、読取開閉ガイド181が開いた状態の時のみコンタクトガラス171を支持するガラスホルダ183に係合する。そのため、読取開閉ガイド181を閉じた状態で行う、通常のジャム処理動作では、ガラス清掃移動カム182がガラスホルダ183に作用することはない。
【0067】
つまり、コンタクトガラス171の清掃時には、読取開閉ガイド181を開いた後に、手動でジャム処理ダイヤル92を回転して、ガラス清掃移動カム182を回転させ、コンタクトガラス171を原稿搬送方向上流側へ移動させる。即ち、ここでは、ジャム処理時にローラを手動で回転させるための操作部とコンタクトガラス171を手動で移動させるときの操作部とが兼用されている。
【0068】
なお、ユーザが操作する操作部として、前述したように操作ダイヤルを例示したが、これに限定されるものではなく、例えばレバー形状の操作部であってもよい。
【0069】
上述したように、本実施形態によれば、開放した読取開閉ガイド181の開口部側の清掃位置までコンタクトガラス171を移動させるので、コンタクトガラス171に容易に手が届く。すなわち、専用の清掃部材を使用しなくても、ADFを開く量を最小にし、コンタクトガラス171を容易に清掃することができる。
【0070】
また、シェーディング等を行い、コンタクトガラス171をより奥に移動させる機構になっていても、清掃時には、開口部近傍にコンタクトガラス171が移動できれば、容易にガラスの清掃ができる。
【0071】
さらに、コンタクトガラス171を清掃するのは、読取開閉ガイド181を開放させた時のみである。そのため、読取開閉ガイド181が開放された時のみコンタクトガラス171が移動する構成になっていれば、コンタクトガラス171の移動用に専用の駆動機構を設けなくてもよい。
【0072】
また、コンタクトガラスの清掃は、装置の動作が停止している時に行うので、手動でコンタクトガラス171の移動を行うことができれば、装置の通電状態にかかわらず、コンタクトガラス171の清掃が可能になる。
【0073】
さらに、シェーディング動作時にはモータ等の駆動源によってコンタクトガラス171を移動させるので、装置が読み取り以外の動作を行う時にシェーディングが行え、読取センサの状態を常に良好な状態に維持することが可能になる。
【0074】
〔他の実施形態〕
なお、前述した形態では、コンタクトガラス171の移動をジャム処理ダイヤル92で行うようにするために、ガラス清掃移動カム182をリードモータ53が駆動する駆動伝達系に組み込んだ形態を例示した。しかしながら、本発明はこのような形態に限らず、例えばリードモータ53による駆動伝達系からガラス清掃移動カムを切り離してもよい。つまり、コンタクトガラス171を手動で動かすためにガラス清掃移動カムを回転させるための、ジャム処理ダイヤルとは別途の操作部を設けるようにしてもよい。この場合、前述した形態で説明したような、読取開閉ガイド181が閉じられた通常状態において、ガラス清掃移動カム182とガラスホルダ183とを離しておくための機構は必要ない。
【0075】
またユーザが手動で操作部を操作することでガラス清掃移動カム182を回転させて、コンタクトガラス171を移動させる形態を例示したが、これに限定されるものではない。モータによって自動的にガラス清掃移動カム182を回転させて、コンタクトガラス171を移動させてもよい。この場合、例えば、ユーザが操作パネル(不図示)から清掃モードを実行するように入力すると、CPU54が、ガラス清掃移動カム182を回転させてコンタクトガラス171を清掃位置に移動させるように、モータを制御する。さらに、ADF2がリーダ部150に対して閉じたことを検知するセンサを設ける。このセンサからの信号によってADF2が閉じたことを認識したら、若しくは操作パネルに清掃モードの終了を設定したら、コンタクトガラス171を、読取動作を行うための位置に復帰させるように、モータをCPU54が制御する。
【0076】
また、前述した形態では、ADF外のリーダ部(第1読取手段)で原稿の一方の画像面の読み取りを行った後、ADF内の画像読取手段(第2読取手段)で原稿の他方の画像面の読み取りを行う構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、原稿の搬送経路を逆にした形態、即ち、ADF内の画像読取手段で原稿の読み取りを行った後、ADF外のリーダ部で原稿の読み取りを行う形態であってもよい。この場合、シェーディング時にガラスを原稿搬送の下流側の方向に移動させるが、さらに、ガラス清掃時、ADF内の読取手段による読取位置とリーダ部の読取位置の間にあるローラ対やガイドを退避させて、シェーディング位置よりさらに搬送方向下流の位置にコンタクトガラスを移動させるようにすればよい。但し、前記ローラ対を退避させなくとも、ガラスをガイドの開口部近傍、この場合は、シェーディング位置に移動させるだけでも、ガラス清掃時の作業性は改善される。
【0077】
また、前述した形態では、読取開閉ガイドの回動中心を、読取手段と対向する対向位置を介して原稿搬送方向下流側に設けた構成を例示したが、原稿搬送方向の一方側であればよく、原稿搬送方向上流側に設けた構成であってもよい。いずれの構成であっても、コンタクトガラスを、前記対向位置を介して原稿搬送方向の他方側となる、読取開閉ガイドの開口部側の清掃位置に移動可能であれば、ガラス清掃時の作業性は改善される。
【0078】
また前述した実施形態では、原稿搬送装置を開閉可能に設けた画像読取装置としてスキャナを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、記録対象のシートに画像を形成する画像形成部を備えた、複写機、ファクシミリ装置の他の画像読取装置(画像形成装置)や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像読取装置(画像形成装置)であってもよい。これらの画像読取装置(画像形成装置)において開閉可能に設けられた原稿搬送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0079】
D …原稿
2 …ADF
14 …第1リード従動ローラ
16 …第2リード従動ローラ
22 …第1リードローラ
23 …第2リードローラ
24 …プラテンローラ
32 …第1リードローラ対
33 …第2リードローラ対
53 …リードモータ
54 …CPU
77 …蝶番
92 …ジャム処理ダイヤル
150 …リーダ部
159 …光学箱
160 …第1読取位置
161 …第1コンタクトガラス
170 …第2読取位置
171 …第2コンタクトガラス
172 …光学箱
173 …プラテンローラ
175 …白基準板
181 …読取開閉ガイド
182 …ガラス清掃移動カム
183 …ガラスホルダ
184 …突起部
185 …バネ
186 …ガラスシェーディング移動カム
190 …開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の一方の面の画像を読み取る画像読取装置に対して開閉可能に設けられ、前記画像読取装置に原稿を搬送する原稿搬送装置であって、
原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の他方の面の画像を読み取る読取手段と、
原稿の搬送方向に沿って移動可能に設けられ、搬送される原稿が前記読取手段と対向する対向位置にて接するコンタクトガラスと、
前記コンタクトガラスに対向して前記コンタクトガラスに接するように原稿を案内する案内位置と、前記コンタクトガラスから退避して開口部を形成する開放位置とに移動可能に設けられたガイド手段と、
前記コンタクトガラスを原稿の搬送方向に沿って往復移動するためのコンタクトガラス移動手段と、
を有し、
前記コンタクトガラスは、前記コンタクトガラス移動手段によって、原稿の搬送方向に沿って、前記対向位置と、前記開放位置に移動されたガイド手段の開口部側の清掃位置に移動可能に設けられていることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド手段は、前記コンタクトガラスを前記対向位置に保持するための保持部を有し、
前記コンタクトガラスは、前記案内位置に位置するガイド手段の保持部によって前記コンタクトガラス移動手段との係合を解除した状態で前記対向位置に保持され、前記ガイド手段を開放位置に移動することで前記保持部による保持が解除されて前記コンタクトガラス移動手段と係合し、前記コンタクトガラス移動手段による前記対向位置と前記清掃位置への往復移動が可能となることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、前記読取手段と対向する対向位置を介して原稿搬送方向の一方側にある回動中心を中心に回動可能に設けられており、
前記コンタクトガラスは、前記対向位置を介して原稿搬送方向の他方側となる、前記ガイド手段の開口部側の清掃位置に移動可能である請求項1又は請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記コンタクトガラス移動手段に連結された操作部を有し、前記コンタクトガラスは、前記操作部を操作して前記対向位置と前記清掃位置に往復移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
前記コンタクトガラスは、前記読取手段に対向する位置に対して原稿搬送方向上流側に、前記読取手段の補正を行うための白基準部を有し、
前記白基準部を前記読取手段に対向する位置に移動させるために、原稿搬送方向下流側に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項6】
原稿を搬送する原稿搬送装置が開閉可能に設けられ、原稿の一方の面の画像を読み取る画像読取装置であって、
前記原稿搬送装置として、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の原稿搬送装置を備えていることを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−129668(P2012−129668A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277638(P2010−277638)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】