説明

参照電極の製造法

本発明は、多孔質セラミックで造られた隔膜体が組み込まれるシャフトを含んだ参照電極の製造法に関する。前記製造法は、シャフト中に挿入する前にセラミックにライオゲル前駆体を含浸させることを含み;引き続き前記前駆体をライオゲルに変換し、ライオゲルから乾燥プロセスによって溶媒を除去する。参照電極は電解質を充填したシャフトを含み、前記シャフトは、多孔質セラミックで造られた隔膜体が組み込まれる壁体を含む。前記隔膜体はさらにキャビティシステムも含む。前記キャビティシステムに、ライオゲルを乾燥することによって形成される物質を少なくとも部分的に充填する。前記物質は、セラミック材料に相当する少なくとも1種の成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の一般的部分(generic part)にしたがって参照電極を製造する方法に関し、そしてさらに、請求項13に記載の一般的部分にしたがった参照電極に関する。
【背景技術】
【0002】
液体中に溶解している被分析物質〔たとえば、水素(pH値)や二酸化炭素〕を測定するための電位差測定用プローブには、参照電極と測定用電極が取り付けられていることが多い。これらの電極は特に、電解質溶液中に浸漬される導体素子を取り付けたガラス電極として作製されており、測定電極の導体素子と参照電極の導体素子との間の電位(electrical voltage potential)が、溶解している被分析物質のイオン濃度に対する尺度として役立つ。この測定においては、参照電極の電解質溶液が、測定しようとする媒体〔以後メジュランド媒体(measurand medium)と呼ぶ〕と、より具体的にはメジュランド溶液(measurand solution)と接触状態にあり、このとき電荷の交換によって、参照電極の素子もメジュランド媒体と電気接触状態になる。電荷の交換と関連して、物質交換が起こる。一方では、物質交換の程度をできるだけ少なく保持し、他方では、物質交換がメジュランド溶液に向かって外側方向に優先的に起こるよう意図されている。特に、メジュランド溶液と、参照電極の内側に収容されている参照電解質との間の隔膜によって連結をつくり出す、というのが公知の考え方である。この種の連結は、一方では良好な導電性を有し、他方ではメジュランド溶液と参照電解質との望ましくない混合に対するバリヤーとしても作用する〔たとえば、H.Galster,“pH-Messung”(pH Mesurement),VCH Verlagsgesellschaft(Weiheim)1990,pp.83-84〕。このタイプの隔膜は、主としてガラスで作製されている参照電極シャフトの壁体における開口中に多孔質セラミック部材として融合されていることが多い。
【0003】
隔膜として使用するための実績のある材料としては特に、磁器、酸化アルミニウム、スピネル、フォルステライト、およびとりわけジルコニア(ここでは酸化ジルコニウム(IV)(ZrO2)という通常の用語で使用する)の多孔質セラミックがある。酸化カルシウム(“カルシア”)や酸化マグネシウム(“マグネシア”)、および好ましくは酸化イットリウム(“イットリア”)を安定化添加剤(a stabilizing additive)として含有する、いわゆる“安定化ジルコニア”の多孔質セラミックが特に有利であることが実証されている。
【0004】
安定化ジルコニアは、良好なレベルの化学耐食性(特に、アルカリ性媒体に対して)を有することで区別される。安定化ジルコニアはさらに耐熱性があり、軟質ガラスと同等の熱膨張係数を有する。したがって、安定化ジルコニアの隔膜を、参照電極等のガラスハウジング中になんら問題なく融合させることができる。
【0005】
多孔質ジルコニアセラミックは、酸化物の湿潤ペーストを押し出し、次いで乾燥および焼成することによって、あるいはこれとは別に、酸化物粉末を静圧下で圧縮し、次いで焼成することによって製造される。粒径を選択し、未処理の部分に存在する細孔が完全にはふさがれないが、充分な程度の焼結が起こる(したがって、最終製品は適切な機械的保全性を有する)、というような焼成温度を使用することによって所望の多孔度が得られる。
【0006】
従来知られている隔膜と比較して、導電性がそれほど低下することなく、より一層高いフロースルー抵抗(flow-through resistance)を有する隔膜が求められている。この目的に適合させるためには、これまでに知られているセラミックと比較して、適切な細孔体積と共にかなり小さい細孔を有する多孔質セラミックが必要となる。しかしながら、セラミック原材料および/または焼成温度を調整することによってこのタイプのセラミックを製造しようとする試みは、これまでのところ成功していない。
【0007】
たとえば、より長い焼結プロセスを使用することによって、セラミック細孔の径を小さくすると、これに対応して導電性の低下が避けられない。なぜなら、このプロセスの継続時間が増大するので、細孔の頻度のみならず細孔の平均直径も大きく減少し、したがって断面の導電性が低下するからである。
【0008】
他の公知の可能性(本出願者が長期間にわたって用いている)によれば、多孔質セラミックの隔膜の細孔は、ポリマーを使用することによって径が減少する。この考え方においては、先ず隔膜を参照電極のガラスシャフト中に融合する。なぜなら、融合を後の段階で行うと、ポリマーが破壊されるからである。しかしながら、この方法の欠点として、隔膜中に吸収されるポリマーの量が増大するにつれて導電性が低下する、ということが観察されている。
【0009】
参照電極の隔膜を通る物質流れの速度を低く保持するための、他の公知の最新の尺度としては、より高い粘度を有する電解質溶液が使用されている。粘度の増大は、電解質に増粘剤〔たとえば、ヒドロキシメチルセルロース[ナトロゾル(Natrosol)(登録商標)];またはポリアクリルアミド、寒天、ピロリドン、もしくはポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー〕を加えることによって達成される。このタイプの溶液の欠点は、電解質の粘度が温度に大きく依存する(したがって、電解質が高温の用途において使用される場合は、電解質がプローブから流出する能力が高まる)ことにある。さらに、電解質中に溶解している高分子によって隔膜が徐々にふさがれてくるというおそれがある(高分子のいわゆるクラスター径が通常、隔膜の細孔の直径を超える)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、参照電極を製造するための改良された方法を提供することにある。本発明の他の目的は、改良された参照電極を提供することにある。所望の改良を達成するには、一方では、隔膜を最新技術にしたがって改良するときに、そして他方では、より高い粘度の電解質を使用するときに生じる上記欠点を避けることが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、請求項1に記載の方法によって、および請求項13に記載の参照電極によって達成される。
本発明の方法は、参照電極用の隔膜体が製造される多孔質セラミック材料の細孔径を制御された形で減少させることをベースにしており、このとき参照電極は、隔膜体が組み込まれるシャフト(特に、ガラスシャフトまたはポリマーシャフト)を有する。本発明の方法は、
a) 多孔質のセラミック体を供給する工程;
b) 多孔質セラミック体にライオゲル前駆体を含浸させる工程;
c) ライオゲル前駆体をライオゲルに変換する工程;
d) 乾燥することによって溶媒を除去する工程;および
e) このような仕方で隔膜体を仕上げた後に、それをシャフト中に組み込む工程;
を含む。
【0012】
従来の多孔質セラミック(必要に応じて市販タイプのものであってもよい)がベース材料として役立つ。このセラミックは、存在する細孔構造(すなわち、セラミック体の全体にわたって広がっている中空スペースのシステム)によって決定される初期多孔度を有する。最初に供給されたままの多孔質セラミックに引き続きライオゲル前駆体を含浸させる。このライオゲル前駆体が、次のプロセス工程においてライオゲルに変換される。本明細書の文脈における“ライオゲル”という用語は、ゲルの液体成分の種類に応じて異なった名称を有する複数種の異なったゲルに対する総称として理解すべきである。総称である“ライオゲル(lyogel)”は特に、水を含有する“アクアゲル”または“ヒドロゲル”(たとえば、「J.Falbe,M.Regitz,editors,“Rompp Chemie Lexikon”,Georg Thieme Verlag(Stuttgart)1990,volume 2,p.1511」を参照)を含む。ライオゲル前駆体として適格である物質は、実際の溶液だけでなく、いわゆる“ライオゾル(lyosol)”も含む(水を含有するアクアゲルの前駆体は、上記の術語に類似して“アクアゾル”と呼ばれる)。
【0013】
多孔質セラミックの中空スペースをライオゲルで少なくとも部分的に充填することによって、細孔径の減少した多孔質セラミックが得られる。
細孔径を制御された形で減少させる本発明の方法を使用すると、参照電極に対し、高分子増粘剤を含まない電解質を使用することが可能になる。温度依存性の高い粘度および隔膜の詰まりという上記の問題がこれによって回避される。
【0014】
驚くべきことに、上記の方法にしたがって製造される参照電極の隔膜の導電性は、細孔径を最新の方法にしたがって減少させた隔膜の導電性と比較してほとんど変わらない、ということが見出された。
【0015】
本発明の参照電極は、電解質を充填したシャフト(特に、ガラスシャフトまたはポリマーシャフト)で構成されており、その壁体に、多孔質セラミックで作製されていて中空スペースのシステムを含有する隔膜体が組み込まれ、このとき乾燥することによってライオゲルから形成され、セラミック材料に相当する少なくとも1種の成分を含んだ材料で中空スペースのシステムが少なくとも部分的に充填される。
【0016】
特に、セラミックをライオゲルで充填する程度(所望する細孔径に関連している)を選択することができる。
一般に、多孔質セラミックにおける中空スペースのシステムが、異なったサイズの多数のチャネルとキャビティを有するという事実を考慮すると、本明細書の文脈における“細孔径”という用語は、たとえば平均値、標準偏差、または他の統計的な表示値で特徴付けることができる分布に対する尺度として理解すべきである。したがって、同様に“細孔径の減少”という用語は、その分布的な性質の背景を考慮して解釈する必要がある。
【0017】
本発明の有利な実施態様が従属請求項に記載されている。
請求項2〜12は本発明の方法の好ましい実施態様に関し、請求項14と15は、本発明の参照電極の好ましい実施態様に関する。
【0018】
本発明の好ましい態様においては、本発明の方法は、ライオゲル前駆体から形成されたライオゲルをエアロゲルに変換するさらなる工程を含み、この工程は、ライオゲルから溶媒を除去することによって果たされる。エアロゲル(ライオゲルと比較してほとんど収縮しない乾燥ゲルという意味の)は、セラミックの細孔中に存在する。なぜなら、ライオゲル中に最初に存在している固体成分の空間的構造が、溶媒が空気で、あるいはおそらくは他のガスで置き換えられるというこの変換において実質的に保持されるからである(「J.Falbe,M.Regitz,editors,“Rompp Chemie Lexikon”,Georg Thieme Verlag(Stuttgart)1990,volume 2,p.1511」を参照)。セラミックの微小孔が少なくとも部分的にナノポーラスエアロゲルで充填されるという事実により、極めて微細な孔を有するセラミックが得られる。必要であれば、多孔質セラミックにライオゲル前駆体を含浸させる工程、ライオゲル前駆体をライオゲルに変換する工程、およびライオゲルをエアロゲルに変換する工程からなる一連の工程を数回にわたって行うことができ、特定の用途に対する明確な目標値に適合する細孔径の減少が得られるまで、一連の工程のそれぞれの実施ごとに、細孔径のさらなる減少が達成される。
【0019】
エアロゲルを形成させる工程は、多孔質セラミックを熱処理に付す乾燥段階によって行うのが好ましい。このことは、隔膜がこれより後の工程においてガラス等の電極シャフトに融合される全ての場合において特に指示される。
【0020】
本発明の方法は、基本的には、異なった種類の多孔質セラミックを使用して行うことができる。多孔質セラミックの例としては、アルミナ/ジルコニアスピネル、さらなるアルミナ、マグネシア、またはシリカなどがあり、単独であっても、組み合わせ物〔たとえば、ケイ線石(Al2O3・SiO2)、ムライト(Al2O3・2SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、スピネル(MgO・Al2O3)、またはコージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)〕であってもよい。
【0021】
本発明の方法を実施する好ましい態様においては、ジルコニアをベースとするセラミックが、特に、酸化カルシウム(カルシア)や酸化マグネシウム(マグネシア)、好ましくは酸化イットリウム(イットリア)を安定化添加剤として含有する安定化ジルコニアをベースとするセラミック(主として特定の電気化学的用途に対して有用である)が使用される。
【0022】
使用できるライオゲル前駆体にはさまざまな種類がある。たとえば、ライオゾルをライオゲル前駆体として(特に、ジルコニア、ジルコニア/カルシア、およびジルコニア/イットリアで構成される群から選択されるナノ粒子の安定化水性懸濁液の形で)使用することができる。これとは別に、ライオゲル前駆体はさらに、溶液の形で導入することもできる。ライオゲル前駆体として使用するのが好ましいのは、ジルコニウム、有機ジルコニル化合物、またはジルコニウム化合物を有機溶媒中に混合して得られる水性溶液である。
【0023】
ライオゲル前駆体からライオゲルへの変換は、ライオゾルを不安定化させることによって(たとえば、pH値を変えることによって)起こさせるのが好ましい。実際の変換に際しては、塩基を使用することによってpH値の変化を果たすのが特に有利である。塩基としてはアンモニア溶液を使用することができるが、これとは別に、揮発性有機アミンの群(特に、イソプロピルアミン、プロピルアミン、テトラメチルアミノメタン、またはトリエチルアミン)からの塩基も使用することができる。本発明の特殊な実施態様においては、塩基はガスであってよい。
【0024】
必要ならば、多孔質セラミックに含浸させる前に、ライオゲル前駆体にゲル化剤を加えることができ、これによりセラミック含浸工程の後に、ライオゲル前駆体からライオゲルへの所望の変換が引き起こされる。
【0025】
本発明の参照電極は、ジルコニア(特に安定化ジルコニア)をベースとする多孔質セラミックの隔膜体を有するのが好ましい。
参照電極の有利な実施態様においては、隔膜体の細孔径を小さくするためのライオゲルは、ジルコニア、ジルコニア/カルシア、ジルコニア/マグネシア、およびジルコニア/イットリアで構成される群から選択される。
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
1.1mmの直径と100mmの長さを有する多孔質安定化ジルコニアの隔膜ロッドを、結晶化用ボウル(a crystallizing bowl)中に入れた。次いで結晶化用ボウルに、隔膜ロッドの全体が完全に浸漬するようにジルコニアゾルを満たした。引き続き結晶化用ボウルを真空エクシケーター(vacuum exsiccator)中に30分置き、隔膜ロッドから空気を追い出した。次いで、エクシケーター中に再び空気を送り込み、内容物を含んだ結晶化用ボウルをさらに30分静置した。この待機時間後に、一対のピンセットを使用して隔膜ロッドを結晶化用ボウルから取り出した。
【0028】
あらかじめ作製しておいた円形の開口を有するビーカーに、高濃度の塩基水溶液100mlを満たした。引き続きガラスビーカー中に隔膜ロッドを据え付け、次いでガラスビーカーをウォッチガラス(a watch glass)で覆い、一晩静置した。
【0029】
翌朝、ガラスビーカーから隔膜ロッドを取り出してウォッチガラス上に置き、これを80℃に予熱しておいたオーブン中に配置し、オーブン中で30分乾燥した。最後に、隔膜ロッドを、500℃に予熱しておいたマッフル炉中に置き、45分静置した。マッフル炉から隔膜ロッドを取り出した後、ウォッチガラスを隔膜ロッドと共に3時間放置冷却した。こうした処置は、隔膜ロッド中の細孔をふさぐか又は減少させる、というプロセスを施していることになる。
【0030】
引き続き、このセラミックロッドを、隔膜体のための適切なサイズにカットした。上記説明のプロセスが、隔膜ロッドだけでなく、既に隔膜体用の適切なサイズを有するセラミック体にも適用できる、ということは明らかなであると思われる。隔膜体を、参照電極のシャフト中に融合した。これとは別に、接着剤を使用して、隔膜体を所定の位置に接合することもできる。
【0031】
(実施例2)
実施例1に記載の工程を繰り返した。すなわち、所定の程度の細孔径減少が達成されるまで既に1回以上の細孔減少プロセスに付された隔膜ロッドを使用して工程を施した。たとえば、約30〜40%の細孔体積%と約5.8g/cm3の固体骨格構造の密度を有する隔膜ロッドからスタートして、細孔体積%が15%〜20%になるように細孔体積%を1/2ほど減少させた隔膜ロッドを製造した(固体骨格構造の密度はほとんど減少しなかった)。
【0032】
(実施例3)
高濃度の塩基水溶液100mlを満たしたガラスビーカー中に隔膜ロッドを一晩保持するというプロセス(実施例1に記載)を、隔膜ロッドを塩基中に浸漬せずに、液体表面上の塩基の気相中に保持する(これにより、ガスがセラミック細孔中に均一に浸透することができる)、という別の仕方で行った。
【0033】
(実施例4)
下記の表は、上記の実施例にしたがって処理した隔膜と無処理の隔膜との比較を示している。
【0034】
【表1】

【0035】
上記の結果から、処理した隔膜では、水に対するフロースルー速度が無処理の隔膜よりかなり小さいが、電気抵抗に関しては差が見られない、ということがわかる。言い換えると、処理した隔膜は、電気抵抗を損なうことなく、より高いフロー抵抗を有することで区別される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミックの隔膜体が組み込まれるシャフトを有する参照電極の製造法であって、セラミックをシャフト中に組み込む前に、セラミックにライオゲル前駆体を含浸させ、引き続きライオゲル前駆体をライオゲルに変換し、乾燥プロセスによってライオゲルから溶媒を除去することを特徴とする前記製造法。
【請求項2】
乾燥プロセスにおいてライオゲルをエアロゲルに変換することを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
【請求項3】
ジルコニアの多孔質セラミック、特に安定化ジルコニアの多孔質セラミックが使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造法。
【請求項4】
多孔質セラミックが、酸化カルシウム(カルシア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、または酸化イットリウム(イットリア)を安定化添加剤として含有することを特徴とする、請求項3に記載の製造法。
【請求項5】
ジルコニア、ジルコニア/カルシア、ジルコニア/マグネシア、およびジルコニア/イットリアからなる群から選択されるナノ粒子の水性懸濁液をライオゲル前駆体として使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項6】
ジルコニウム水溶液、または有機ジルコニル化合物もしくはジルコニウム化合物を有機溶媒中に混合して得られる溶液をライオゲル前駆体として使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項7】
ライオゲル前駆体からライオゲルへの変換がpH値の変化によって引き起こされることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項8】
pH値の変化を塩基によって生じさせることを特徴とする、請求項7に記載の製造法。
【請求項9】
塩基がアンモニア溶液であることを特徴とする、請求項8に記載の製造法。
【請求項10】
塩基が、揮発性有機アミンの群から、特に、イソプロピルアミン、プロピルアミン、テトラメチルアミノメタン、またはトリエチルアミンから選択されることを特徴とする、請求項8に記載の製造法。
【請求項11】
塩基がガスであることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項12】
ライオゲル前駆体にゲル化剤を加えてから、多孔質セラミックにライオゲル前駆体を含浸させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造法。
【請求項13】
電解質を充填したシャフトを有する参照電極であって、前記シャフトの壁体中に、多孔質セラミックで形成されていて中空スペースのシステムを含んだ隔膜体が組み込まれており、このとき中空スペースのシステムに、乾燥することによってライオゲルで形成された物質が少なくとも部分的に充填されていて、前記物質が、前記セラミック材料に相当する少なくとも1種の成分を含むことを特徴とする参照電極。
【請求項14】
セラミックが、ジルコニアで、特に安定化ジルコニアで形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の参照電極。
【請求項15】
ライオゲルが、ジルコニア、ジルコニア/カルシア、ジルコニア/マグネシア、およびジルコニア/イットリアからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13または14に記載の参照電極。

【公表番号】特表2009−513932(P2009−513932A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516189(P2006−516189)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051253
【国際公開番号】WO2004/113256
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland