説明

双方向伝送回路及び送受信素子

【課題】複数の送受信素子が伝送バスを介して信号を送受信する双方向伝送回路において、信号の反射を抑止した高速伝送と消費電力の低減とを同時に実現できるようにする。
【解決手段】第1送受信素子10が送信側として動作する場合、第1制御部17が、第1スイッチによる伝送バス2の第1終端抵抗14を介した第1終端電圧源15への接続をオフに設定するとともに、第2制御部27が、第2スイッチ26による伝送バス2の第2終端抵抗24を介した第2終端電圧源25への接続をオンに設定するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送バスを介して複数の送受信素子が相互に信号を送受信する、SSTL(Stab Series Terminated Logic)の双方向伝送回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図2に従来のSSTL(Stab Series Terminated Logic)の双方向伝送回路(以下、単に伝送回路という)100の構成を示す。この図2に示すように、従来の伝送回路100は、信号を転送する伝送バス101と、この伝送バス101を介して互いに信号の送受信が可能な第1送受信素子110及び第2送受信素子120と、第1送受信素子110から第2送受信素子120にWrite/Read信号(送受信切換信号)を送信するための信号線102と、伝送バス101と第1送受信素子110との間に介装され、終端電圧源(図中“Vtt”と表記)131に接続された第1送受信素子110側の終端抵抗132と、伝送バス101と第2送受信素子120との間に介装され、終端電圧源(図中“Vtt”と表記)141に接続された第2送受信素子120側の終端抵抗142とから構成されている。
【0003】
第1送受信素子110と第2送受信素子120とは、同一の構成をしており、第1送受信素子110は、信号を出力するドライバ111と、このドライバ111の出力インピーダンスとしての抵抗112、信号を受信するレシーバ113とをそなえて構成されている。
また、第2送受信素子120は、信号を出力するドライバ121と、このドライバ121の出力インピーダンスとしての抵抗122と、信号を受信するレシーバ123とをそなえて構成されている。
【0004】
ここで、データ転送において、より高い周波数を用いた方がより高速なデータ転送を実現できる。しかしながら、信号の周波数を高くすると、第1送受信素子110もしくは第2送受信素子120の入出力端114,124における信号の反射が発生しやすくなり、正常なデータ転送ができないおそれがある。そこで、従来のSSTLの伝送回路100では、終端電圧源131,141にそれぞれ接続した終端抵抗132,142を伝送バス101の両端にそなえることによって、第1送受信素子110及び第2送受信素子120の入出力端114,124における信号の反射を低減している。
【0005】
例えば、伝送回路100において、電源電圧を2.5V、伝送バス101の伝送線の特性インピーダンスを50Ω、終端電圧源131,141を1.25V、終端抵抗132,142を50Ω、抵抗112,122を25Ωとすると、第1送受信素子110から伝送バス101を介して第2送受信素子120に信号を送信した場合(つまり、第1送受信素子110から第2送受信素子120にWrite/Read信号線102によってWrite(送信)信号が送信された場合)には、信号レベルが高(High)レベル時には第2送受信素子120の入出力端124の電圧が1.875Vになり、信号レベルが低(Low)レベル時には入出力端124の電圧が0.625Vになり、正常なデータ転送(つまり、第1送受信素子110から第2送受信素子120への信号送信)を実現できる。
【0006】
しかしながら、このとき第1送受信素子110のドライバ111の出力端に流れる電流は、±25mAとなり、かなり大きい電流が流れることになる。
このように、伝送バス101の両端部に終端電圧源131,141に接続された終端抵抗132,142を設けることによって、信号の反射を抑止できる反面、消費電力が大きくなってしまう。
【0007】
さらに、図2には示していないが、伝送回路100において第1送受信素子110と第2送受信素子120との間に複数(例えば、32本や64本)の伝送バス101が配設され、これら複数の伝送バス101によってデータ転送が実行される場合(つまり、データバスとして使用される場合)、ドライバ111の出力端に流れる電流が±25mAと大きいため、これら複数の伝送バス101において同時にスイッチングした際に生じるノイズがかなり大きなものになってしまう。
【0008】
なお、終端抵抗132,142と終端電圧源131,141とのそれぞれの間にスイッチを設け、高速転送モード時にはこれらスイッチをオンに設定し高周波数による高速データ転送を実現する一方、低速転送モード時にはこれらスイッチをオフに設定し低周波数による低速な転送を実現する技術がある(例えば、下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−20974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来の伝送回路100においては、データ(信号)の高速転送と消費電力の低減とを両立することが最も望ましい。
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、低速転送モードに切り換えることによって消費電力を低減して信号の反射を抑えることは可能ではあるが、信号の反射を抑え得る低周波数によるデータ転送であるため、データの転送速度は遅くなってしまう。
【0010】
つまり、上記特許文献1に開示された技術によっては、信号の反射を抑止したデータの高速転送と消費電力の低減とを同時に実現することはできない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、複数の送受信素子が伝送バスを介して信号を送受信する双方向伝送回路において、信号の反射を抑止した高速伝送と消費電力の低減とを同時に実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、双方向伝送回路は、信号を伝送する伝送バスを介して、互いに信号の送受信が可能な第1送受信素子及び第2送受信素子をそなえ、さらに、第1終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第1送受信素子に対応する第1終端抵抗と、第2終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第2送受信素子に対応する第2終端抵抗と、前記伝送バスの前記第1終端抵抗を介した前記第1終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第1スイッチと、前記伝送バスの前記第2終端抵抗を介した前記第2終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第2スイッチと、前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第1制御部と、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第2制御部とをそなえ、前記第1送受信素子が送信側として動作する場合、前記第1制御部が、前記第1スイッチによる前記接続をオフに設定するとともに、前記第2制御部が、前記第2スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴としている(請求項1)。
【0012】
また、前記第1終端抵抗,前記第1スイッチ,及び第1制御部が、前記第1送受信素子の内部に設けられ、前記第2終端抵抗,前記第2スイッチ,及び第2制御部が、前記第2送受信素子の内部に設けられていることが好ましい(請求項2)。
さらに、前記第1制御部が、前記第1送受信素子によって発生された送受信切換信号に基づいて、前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することが好ましい(請求項3)。
【0013】
なお、前記第2制御部が、前記第1送受信素子によって発行された前記送受信切換信号に基づいて、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することが好ましい(請求項4)。
また、上記目的を達成するために、本発明の送受信素子は、信号を伝送する伝送バスを介して接続された他の送受信素子と互いに信号の送受信が可能なものであって、終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する終端抵抗と、前記伝送バスの前記終端抵抗を介した前記終端電圧源への接続のオン/オフを切り換えるスイッチと、このスイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する制御部とをそなえ、この制御部が、前記他の送受信素子に対して送信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオフに設定する一方、前記他の送受信素子に対して受信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴としている(請求項5)。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、第1送受信素子が送信側として動作する場合は、第1制御部が第1スイッチによる接続をオフに設定して、伝送バスの第1終端抵抗を介した第1終端電圧源への接続を切断するとともに、第2制御部が第2スイッチによる接続をオンに設定して、伝送バスの第2終端抵抗を介した第2終端電圧源への接続をオンに設定するので、第1送受信素子から第2送受信素子へのデータ送信が高周波数の信号を用いた高速伝送であっても、第1送受信素子から第2送受信素子への信号が反射されることなく、かかるデータ送信を確実に実行できる。
【0015】
しかも、このとき、第1制御部によって伝送バスの送信側の第1終端抵抗は伝送バスから切り離され、第2制御部によって伝送バスの受信側の第2終端抵抗だけが伝送バスに接続されるので、第1送受信素子から第2送受信素子への信号伝送によって双方向伝送回路に流れる電流を、上記図2を参照しながら上述した従来技術に比して小さくすることができ、低消費電力を実現することができる。
【0016】
つまり、本発明によれば、信号の反射を抑止した高速伝送と消費電力の低減とを同時に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔1〕本発明の一実施形態について
〔1−1〕構成について
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態としての双方向伝送回路1の構成について説明する。
【0018】
この図1に示すように、本双方向伝送回路1は、伝送バス2,信号線3,第1送受信素子10,第2送受信素子20,第3送受信素子30,Write/Read信号線(以下、制御信号線という)40,第1CS(Chip Select)信号線41,及び第2CS信号線42をそなえて構成されている。
伝送バス2は、双方向に信号(データ)を伝送(転送)するものである。
【0019】
第1送受信素子10は、伝送バス2の一端に接続された主制御側(マスタ側)として動作する素子(チップ;例えばCPU(Central Processing Unit)側)である。つまり、第1送受信素子10は、他の送受信素子(ここでは第2送受信素子20及び第3送受信素子30)に対して、信号の送受信の切り換えを制御する主制御側として動作する。
そして、第2送受信素子20は、伝送バス2の他端に接続され、主制御側の第1送受信素子10によって信号の送受信の切り換えを制御される従属側(スレーブ側)として動作する素子(チップ;例えばメモリ側)である。
【0020】
また、第3送受信素子30は、伝送バス2の途中に信号線3を介して接続された、主制御側の第1送受信素子10に対して従属側として機能する素子(チップ;例えばメモリ側)であり、少なくとも第1送受信素子10とデータの送受信を行なうものである。
なお、図1において、信号線3を伝送バス2よりも長く示しているが、実際には、信号線3は伝送バス2の長さに対して非常に短いことが好ましい。これにより、より安定した信号の送受信を実現することができる。
【0021】
そして、制御信号線40は、第1送受信素子10から発行され、第1送受信素子10から第2送受信素子20及び第3送受信素子30に対するデータの送信(つまり、書き込み(Write))と受信(つまり、読み出し(Read))との切り換えを制御するための送受信切換信号W/R(Write/Read信号;図中“W/R”と表記)を、第1送受信素子10から第2送受信素子20及び第3送受信素子30に送信する信号線である。
【0022】
また、第1CS信号線41は、第1送受信素子10から送受信切換信号W/Rとともに発行された、第1送受信素子10がデータの送受信相手として第2送受信素子20を選択するための第1選択信号CS0(図中“CS0”と表記)を、第1送受信素子10から第2送受信素子20に送信するための信号線である。
一方、第2CS信号線42は、第1送受信素子10から送受信切換信号W/Rとともに発行された、第1送受信素子10がデータの送受信相手として第3送受信素子30を選択するための第2選択信号CS1(図中“CS1”と表記)を、第1送受信素子10から第3送受信素子30に送信するための信号線である。
【0023】
次に、第1送受信素子10,第2送受信素子20,及び第3送受信素子30のそれぞれの信号送受信に関係する部分について説明すると、かかる部分は第1送受信素子10,第2送受信素子20,及び第3送受信素子30のそれぞれにおいて、同様に構成されている。
つまり、第1送受信素子10は、ドライバ11,抵抗12,レシーバ13,終端抵抗(第1終端抵抗)14,終端電圧源(第1終端電圧源)15,スイッチ(第1スイッチ)16,制御部(第1制御部)17及び入出力端(ピン)18をそなえて構成されており、第2送受信素子20は、ドライバ21,抵抗22,レシーバ23,終端抵抗(第2終端抵抗)24,終端電圧源(第2終端電圧源)25,スイッチ(第2スイッチ)26,制御部(第2制御部)27及び入出力端(ピン)28をそなえて構成されており、第3送受信素子30は、ドライバ31,抵抗32,レシーバ33,終端抵抗(第3終端抵抗)34,終端電圧源(第3終端電圧源)35,スイッチ(第3スイッチ)36,制御部(第3制御部)37及び入出力端(ピン)38をそなえて構成されている。
【0024】
ここで、第1送受信素子10〜第3送受信素子30における各構成要素のうち、制御部17,27,37(以下、符号“17〜37”で示す)以外の構成要素は、それぞれ同様もしくは略同様に動作するものであるので、以下、これら同様に動作する構成要素についてはまとめて説明する。
まず、ドライバ11,21,31(以下、符号“11〜31”で示す)は、信号を出力するものであり、それぞれ、信号線17a,27a,37a(以下、符号“17a〜37a”で示す)を通じて入力される制御部17〜37からの信号(第1I/Ocont信号;ドライバ11ではI/OcontM1信号、ドライバ21ではI/OcontS1信号、ドライバ31ではI/OcontT1信号)と、信号線11a,21a,31a(以下、符号“11a〜31a”で示す)を通じた上流側からの入力に基づいて、データ信号を出力する。
【0025】
ここでは、ドライバ11〜31は、第1I/Ocont信号として“1”を入力されると、アクティブ状態となり、信号線11a〜31aを通じた上流側からの入力に基づいて高(High)レベル(電源電圧;例えば、電源電圧が2.5Vの場合は2.5V)または低(Low)レベル(GND;0V)を出力する。
一方、ドライバ11〜31は、第1I/Ocont信号として“0”を入力されると、パッシブ状態となり、動作しない。
【0026】
なお、図1では図の簡略化のために省略しているが、第1送受信素子10においてドライバ11の信号線11aの上流側には、例えば演算部が接続されており、そこからデータ(ここでは第2,3送受信素子20,30への送信データ)が信号線11aを介してドライバ11に入力される。
また、第2,3送受信素子20,30においてドライバ21,31の信号線21a,31aの上流側には、例えばデータを保持する記憶部が接続されており、そこからデータ(例えば、第1送受信素子10への送信データ)が信号線21a,31aを介してドライバ21,31に入力される。
【0027】
抵抗12,22,32(以下、符号“12〜32”で示す)は、それぞれ、ドライバ11〜31の出力側に設けられた抵抗である。
ここで、第1送受信素子10の抵抗12と第2送受信素子20の抵抗22とは、伝送バス2の特性インピーダンスと等しい抵抗値に設定され、これら抵抗12,22に対して第3送受信素子30の抵抗32の抵抗値は小さく(ここでは半分)なるように設定される。
【0028】
レシーバ(コンパレータ)13,23,33(以下、符号“13〜33”で示す)は、伝送バス2及び入出力端18,28,38(以下、符号“18〜38”で示す)を介して入力された信号を受信するものである。
つまり、レシーバ13〜33は、それぞれ、入出力端18〜38から入力され信号線13a,23a,33a(以下、符号“13a〜33a”で示す)を介して入力された信号(入力電圧)を、参照電圧(図中“Vref”と表記;電源電圧が2.5Vのときは1.25V)と比較し、入力電圧が参照電圧より低ければ“0”を出力する一方、入力電圧が参照電圧よりも高ければ“1”を出力するように構成されている。
【0029】
終端抵抗14,24,34(以下、符号“14〜34”で示す)は、それぞれ、終端電圧源15,25,35(以下、“符号15〜35”で示す)に接続され、伝送バス2及び入出力端18〜38を通じて他の送受信素子10,20,30のいずれかから送信(入力)された信号の反射を防止するものである。
具体的には、図1に示すごとく、終端抵抗14〜34は、それぞれ、第1送受信素子10〜第3送受信素子30の内部に設けられ、スイッチ16,26,36(以下、符号“16〜36”で示す)を介して信号線16a,26a,36a(以下、符号“16a〜36a”で示す)によって第1送受信素子10〜第3送受信素子30それぞれの内部における最も入出力端18〜38側に接続されている。
【0030】
また、終端抵抗14〜34のそれぞれは、伝送バス2の特性インピーダンスと等しい値に設定される。
なお、終端電圧源15〜35のそれぞれは、電源電圧の中間、つまり、電源電圧が2.5Vのときは1.25Vに設定される。
スイッチ16〜36は、それぞれ、信号線16a〜36aと終端抵抗14〜34との間の接続をオン/オフ(つまり、接続/切断)するものであり、それぞれ、入力線17b,27b,37bを通じて入力される制御部17〜37からの信号(第2I/Ocont信号;スイッチ16ではI/OcontM2信号、スイッチ26ではI/OcontS2信号、スイッチ36ではI/OcontT2信号)に基づいてオン/オフを切り換える。
【0031】
つまり、スイッチ16〜36は、それぞれ、伝送バス2の終端抵抗14〜34を介した終端電圧源15〜35への接続のオン/オフを切り換える。
なお、ここでは、スイッチ16〜36は、第2I/Ocont信号として“1”を入力されると接続をオンに設定する一方、第2I/Ocont信号として“0”を入力されると接続をオフに設定する、高速のアナログスイッチで構成されている。
【0032】
次に、制御部17〜37のそれぞれについて説明する。
第1送受信素子10の制御部17は、第1送受信素子10内の例えば演算部(図示略)によって発生された、第2送受信素子20または第3送受信素子30に対するデータの送受信を切り換えるための送受信切換信号W/Rに基づいて、ドライバ11のアクティブ状態/パッシブ状態の切り換えを制御するとともに、スイッチ16のオン/オフの切り換えを制御するものである。
【0033】
具体的には、第1送受信素子10によって、信号の送受信の切り換えを制御すべく発生(生成)された送受信切換信号W/Rが、信号の送信を示す“1”である場合(つまり、第1送受信素子10がデータの送信側として動作するためのものである場合)には、制御部17は、ドライバ11をアクティブ状態に設定すべくI/OcontM1信号として“1”を信号線17aを介してドライバ11に発信するとともに、さらに、スイッチ16をオフに設定すべくI/OcontM2信号として“0”を信号線17bを介してスイッチ16に発信する。
【0034】
一方、第1送受信素子10によって、信号の送受信の切り換えを制御すべく発生された送受信切換信号W/Rが、信号の受信を示す“0”である場合(つまり、第1送受信素子10がデータの受信側として動作するためのものである場合)には、制御部17は、ドライバ11をパッシブ状態に設定すべくI/OcontM1信号として“0”を信号線17aを介してドライバ11に発信するとともに、スイッチ16をオンに設定すべくI/OcontM2信号として“1”を信号線17bを介してスイッチ16に発信する。
【0035】
このように、制御部17は、送受信切換信号W/Rに基づき、以下の論理式(1)に従ってI/OcontM1信号を生成し、以下の論理式(2)に従ってI/OcontM2信号を生成する。
I/OcontM1=W/R ・・・(1)
I/OcontM2=not(W/R) ・・・(2)
第2送受信素子20の制御部27は、第1送受信素子10から制御信号線40を介して入力される送受信切換信号W/Rと、第1送受信素子10の演算部によって当該送受信切換信号W/Rとともに生成され、第1CS信号線41を介して入力される第2送受信素子20を選択するための第1選択信号CS0とに基づいて、ドライバ21のアクティブ状態/パッシブ状態の切り換え、及び、スイッチ26のオン/オフの切り換えを制御するものである。
【0036】
具体的には、第1CS信号線41を通じて入力された第1選択信号CS0が、第1送受信素子10が送受信相手として第2送受信素子20を選択したことを示す“1”であり、且つ、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が送信側(つまり、第2送受信素子20が受信側)として動作することを示す“1”である場合には、制御部27は、ドライバ21をパッシブ状態に設定すべくI/OcontS1信号として“0”を信号線27aを介してドライバ21に発行するとともに、スイッチ26をオンに設定すべくI/OcontS2信号として“1”を信号線27bを介してスイッチ26に発行する。
【0037】
また、第1選択信号CS0が“1”であり、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が受信側(つまり、第2送受信素子20が送信側)として動作することを示す“0”である場合には、制御部27は、ドライバ21をアクティブ状態に設定すべくI/OcontS1信号として“1”を信号線27aを介してドライバ21に発信するとともに、スイッチ26をオフに設定すべくI/OcontS2信号として“0”を信号線27bを介してスイッチ26に発信する。
【0038】
さらに、第1選択信号CS0が、第1送受信素子10が送受信先として第2送受信素子20を選択しなかったことを示す“0”である場合(つまり、送受信先として第3送受信素子30を選択した場合)であり、且つ、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が送信側として動作することを示す“1”である場合には、制御部27は、ドライバ21をパッシブ状態に設定すべくI/OcontS1信号として“0”を発信するとともに、スイッチ26をオンに設定すべくI/OcontS2信号として“1”を発信する。
【0039】
一方、第1選択信号CS0が“0”であり、且つ、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が受信側として動作することを示す“0”である場合にも、制御部27は、ドライバ21をパッシブ状態に設定すべくI/OcontS1信号として“0”を発信するとともに、スイッチ26をオンに設定すべくI/OcontS2信号として“1”を発信する。
【0040】
このように、制御部27は、送受信切換信号W/R及び第1選択信号CS0に基づいて、以下の論理式(3)に従ってI/OcontS1信号を生成し、以下の論理式(4)に従ってI/OcontS2信号を生成する。
I/OcontS1=not(W/R) and CS0 ・・・(3)
I/OcontS2=W/R or (not(W/R) and not(CS0))
・・・(4)
第3送受信素子30の制御部37は、第1送受信素子10から制御信号線40を介して入力される送受信切換信号W/Rと、第1送受信素子10の演算部によって当該送受信切換信号W/Rとともに生成され、第2CS信号線42を介して入力される第3送受信素子30を選択するための第2選択信号CS1とに基づいて、ドライバ31のアクティブ状態/パッシブ状態の切り換えを制御するものである。
【0041】
具体的には、第2CS信号線42を通じて入力された第2選択信号CS1が、第1送受信素子10が送受信相手として第2送受信素子20を選択したことを示す“1”であり、且つ、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が送信側(つまり、第3送受信素子30が受信側)として動作することを示す“1”である場合には、制御部37は、ドライバ31をパッシブ状態に設定すべくI/OcontT1信号として“0”を信号線37aを介してドライバ31に発信する。
【0042】
一方、第2選択信号CS1が“1”であり、送受信切換信号W/Rが、第1送受信素子10が受信側(つまり、第3送受信素子30が送信側)として動作することを示す“0”である場合には、制御部37は、ドライバ31をアクティブ状態に設定すべくI/OcontT1信号として“1”を信号線37aを介してドライバ31に発信する。
また、制御部37は、第1送受信素子10からの送受信切換信号W/R及び第2選択信号CS1に係わらず、スイッチ36を常にオフに設定すべく、I/OcontT2信号として“0”を常に発信する。
【0043】
このように、制御部37は、送受信切換信号W/R及び第2選択信号CS1に基づいて、以下の論理式(5)に従ってI/OcontT1信号を生成し、以下の論理式(6)に従ってI/OcontT2信号を生成する。
I/OcontT1=not(W/R) and CS1 ・・・(5)
I/OcontT2=0 ・・・(6)
【0044】
〔1−2〕動作例について
次に、本双方向伝送回路1の具体的な動作例について説明する。
ここで、電源電圧が2.5V、伝送バス2の特性インピーダンスが50Ω、抵抗12,22が50Ω、抵抗32が25Ω、終端抵抗14〜34が50Ω、終端電圧源15〜35が1.25Vであり、ドライバ11〜31が、アクティブ状態時(第1I/Ocont信号が“1”の時)にはその出力インピーダンスが0Ωであり、パッシブ状態時(第1I/Ocont信号が“0”の時)にはハイインピーダンス状態となるものであると仮定する。
【0045】
〔1−2−1〕第1送受信素子10と第2送受信素子20とが信号を送受信する場合
まず、第1送受信素子10から第2送受信素子20へ信号の送信(つまり、データの書き込み)が行なわれる場合について説明すると、このとき、第1送受信素子10からは送受信切換信号W/Rとして“1”及び第1選択信号CS0として“1”が出力され、制御部17によってドライバ11はアクティブ状態に切換制御され、スイッチ16はオフに切換制御されるとともに、制御部27によってドライバ21はパッシブ状態に切換制御され、スイッチ26はオンに切換制御される。なお、このとき、第1送受信素子10からは第2選択信号CS1として“0”が出力され、制御部37によってドライバ31はパッシブ状態に切換制御され、スイッチ36はオフに設定される。
【0046】
そして、信号の送信側の第1送受信素子10側の終端抵抗14は制御部17によって伝送バス2から切り離され、信号の受信側の第2送受信素子20側の終端抵抗24は制御部27によって伝送バス2に接続される。
このとき、ドライバ11が高レベルの信号(2.5V)を出力していれば従属側である第2送受信素子20のレシーバ23の入力は1.875Vとなり、ドライバ11が低レベルの信号(0V)を出力していればレシーバ23の入力は0.625Vになる。
【0047】
したがって、レシーバ23は、これら入力(1.875Vまたは0.625V)を参照電圧1.25Vに基づいて、“1”もしくは“0”と確実に判定することができ、第1送受信素子10から第2送受信素子20への信号が反射されることなく、データ送信が確実に実行される。
さらに、このとき、信号の受信側の第2送受信素子20の入出力端28における電圧(電位)が1.875Vまたは0.625Vであるとともに、伝送バス2の送信側(信号の伝送方向上流側)の第1送受信素子10の終端抵抗14は伝送バス2には接続されておらず、伝送バス2の受信側(信号の伝送方向下流側)の第2送受信素子20の終端電圧源(1.25V)に接続された終端抵抗24(50Ω)だけが伝送バス2に接続されるので、ドライバ11の出力端に流れる電流は±12.5mAとなり、低消費電力を実現できる。
【0048】
つまり、上記図2を参照しながら上述したように、伝送バス101の送受信側両端に終端電圧源131,141にそれぞれ接続された終端抵抗132,142が接続されている従来技術では、ドライバ111の出力端に流れる電流が±25mAであったのに対して、本双方向伝送回路1では、同条件(つまり電源電圧(2.5V)及び伝送バス2の特性インピーダンス(50Ω)が同一)で、ドライバ11の出力端に流れる電流を半分の±12.5mAに低減して、従来技術に対して電力消費量を半分にすることができる。
【0049】
なお、第1送受信素子10が受信側、第2送受信素子20が送信側として動作する場合(つまり、第1送受信素子10が第2送受信素子20からデータを読み出す場合)には、制御部17によってドライバ11がパッシブ状態、スイッチ16がオンに切換制御され、制御部27によってドライバ21がアクティブ状態、スイッチ26がオフに切換制御されることにより、第1送受信素子10のレシーバ13の入力は、ドライバ21から高レベルの信号が出力されたときには1.875Vとなり、ドライバ21から低レベルの信号が出力されたときは0.625Vになる。したがって、第2送受信素子20から第1送受信素10への信号が反射されることなく、データ送信が確実に実行される。
さらに、ドライバ21の出力端に流れる電流は±12.5mAとなり、低消費電力を実現できる。
【0050】
〔1−2−2〕第1送受信素子10と第3送受信素子30とが信号を送受信する場合
次に、第1送受信素子10から第3送受信素子30へ信号の送信(つまり、データの書き込み)が行なわれる場合について説明すると、このとき、第1送受信素子10からは送受信切換信号W/Rとして“1”及び第2選択信号CS1として“1”が出力され、制御部17によってドライバ11はアクティブ状態に切換制御され、スイッチ16はオフに切換制御されるとともに、制御部37によってドライバ31はパッシブ状態に切換制御され、スイッチ36はオンに設定される。なお、このとき、第1送受信素子10からは第1選択信号CS0として“0”が出力され、制御部27によってドライバ21はパッシブ状態に切換制御され、スイッチ26はオンに切換制御される。
【0051】
つまり、信号の送信側の第1送受信素子10側の終端抵抗14は制御部17によって伝送バス2から切り離され、信号の受信側の第3送受信素子30側の終端抵抗34は制御部37によって伝送バス2には接続されないが、第2送受信素子20の終端抵抗24は伝送バス2に接続される。
ここで、第3送受信素子30の抵抗32は25Ωであり、第2送受信素子20の終端電圧源25(1.25V)に接続された終端抵抗24(50Ω)が伝送バス2に接続されているので、ドライバ11が高レベルの信号(2.5V)を出力していれば従属側である第3送受信素子30のレシーバ33の入力は1.875Vとなり、ドライバ11が低レベルの信号(0V)を出力していればレシーバ33の入力は0.625Vになり、上述した第1送受信素子10と第2送受信素子20との信号伝送時と同様に、第1送受信素子10から第3送受信素子30への信号が反射されることなく、データ送信が確実に実行される。
【0052】
さらに、このとき、ドライバ11の出力端に流れる電流は±12.5mAとなり、上述した第1送受信素子10と第2送受信素子20との信号伝送時と同様に、低消費電力を実現できる。
なお、第1送受信素子10が受信側、第3送受信素子30が送信側として動作する場合(つまり、第1送受信素子10が第3送受信素子30からデータを読み出す場合)には、制御部17によってドライバ11がパッシブ状態、スイッチ16がオンに切換制御され、制御部27によってドライバ21がパッシブ状態、スイッチ26がオンに切換制御され、制御部37によってドライバ31がアクティブ状態に切換制御され、スイッチ36がオフに設定されることにより、第1送受信素子10のレシーバ13の入力は、ドライバ31から高レベルの信号が出力されたときには1.875Vとなり、ドライバ31から低レベルの信号が出力されたときは0.625Vになる。したがって、第3送受信素子30から第1送受信素10への信号が反射されることなく、データ送信が確実に実行される。
【0053】
〔1−3〕効果について
このように、本発明の一実施形態としての双方向伝送回路1によれば、第1送受信素子10が第2送受信素子20と伝送バス2を介した信号伝送を行なう場合であって、第1送受信素子10が送信側として動作する際には、制御部17がスイッチ16をオフに設定して、伝送バス2の終端抵抗14を介した終端電圧源15への接続を切断するとともに、制御部27がスイッチ26をオンに設定して、伝送バス2の終端抵抗24を介した終端電圧源25への接続をオンに設定するので、第1送受信素子10から第2送受信素子へのデータ送信が高周波数の信号を用いた高速伝送であっても、第1送受信素子10から第2送受信素子20への信号が反射されることなく、かかるデータ送信が確実に実行される。
【0054】
しかも、このとき、制御部17によって伝送バス2の送信側の終端抵抗14は伝送バス2から切り離され、制御部27によって伝送バス2の受信側の終端抵抗24だけが伝送バス2に接続されるので、第1送受信素子10から第2送受信素子20へのデータ送信によって双方向伝送回路1に流れる電流(つまり、ドライバ11の出力端における電流)が、上記図2を参照しながら上述した従来技術に対して同条件下で1/2になり、低消費電力を実現することができ、その結果、第1送受信素子10と第2送受信素子20との間に他の伝送バス(図示略)が複数(例えば、32本や64本)ある場合の同時スイッチングによるノイズやEMI(Electro Magnetic Interference)の発生を低減することができる。
【0055】
換言すると、第1送受信素子10と第2送受信素子20とがデータ送受信を行なう場合には、上述のごとく制御部17がドライバ11及びスイッチ16を制御するとともに制御部27がドライバ21及びスイッチ26を制御するので、高周波数の信号を用いた高速伝送を、信号の反射を抑止しながら少ない消費電力で実現することができ、すなわち、信号の反射を抑止した高速伝送と消費電力の低減とを同時に実現できる。
【0056】
また、終端抵抗14,スイッチ15,及び制御部17が第1送受信素子10の内部に設けられ、終端抵抗24,スイッチ25,及び制御部27が第2送受信素子20の内部に設けられ、終端抵抗34,スイッチ35,及び制御部37が第3送受信素子30の内部に設けられているので、同一の送受信素子を用いて各送受信素子10,20,30を実現することができ、生産性が向上する。
【0057】
なお、第2送受信素子20と第3送受信素子30とは動作が一部違うが、これは各送受信素子10,20,30を、外部信号あるいは内部レジスタ(図示略)の設定により、ドライバ11〜31の出力インピーダンスを変更できる構成、及びスイッチ16〜36の動作を変更できる構成にすることにより、各送受信素子10,20,30を同一構成の送受信素子で実現することができる。
【0058】
また、他の送受信素子(ここでは、第2送受信素子20及び第3送受信素子30)に対して信号の送受信の切り換えを制御する主制御側として動作する第1送受信素子10の制御部17が、第1送受信素子10において他の送受信素子(ここでは、第2送受信素子20及び第3送受信素子30)との信号の送受信の切り換えを制御すべく生成される送受信切換信号W/Rに基づいて、スイッチ16の接続のオン/オフの切り換えを制御するので、スイッチ16の切り換えを確実に行なうことができる。
【0059】
さらに、第1送受信素子10によって信号の送受信の切り換えを制御される従属側として動作する第2送受信素子20の制御部27が、第1送受信素子10から制御信号線40を通じて発行された送受信の切り換えを制御するための送受信切換信号W/Rに基づいてスイッチ26のオン/オフの切り換えを制御するので、スイッチ26の切換制御を確実に行なうことができる。
【0060】
なお、第2送受信素子20の制御部27が、送信側として動作する第1送受信素子10からの第1CS信号線41を通じた第1選択信号CS0に基づいてスイッチ26のオン/オフの切り換えを制御するので、スイッチ26の切換制御を確実に行なうことができる。
また、第1送受信素子10と第3送受信素子30とが信号の送受信をする場合には、第2送受信素子20の制御部27が、送受信切換信号W/R及び第1選択信号CS0に基づいて、スイッチ26による接続をオンに設定するとともに、第1送受信素子10が、第3送受信素子30に対して送信側として動作する場合には、制御部17がスイッチ16による接続をオフに設定する一方、第1送受信素子10が、第3送受信素子30に対して受信側として動作する場合には、制御部17がスイッチ26による接続をオンに設定するので、伝送バス2の途中に接続された第3送受信素子30と第1送受信素子10とがデータ送受信を行なう場合にも、第1送受信素子10と第2送受信素子20とがデータ送受信を行なうときと同様の効果を得ることができる。
【0061】
つまり、第1送受信素子10と第3送受信素子30とがデータ送受信を行なう場合にも、高周波数の信号を用いた高速伝送を、信号の反射を抑止しながらも省消費電力で実現することができる。
【0062】
〔2〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0063】
例えば、上述した実施形態では、第3送受信素子30が終端抵抗34,終端電圧源35,及びスイッチ36をそなえて構成された例(つまり、第1送受信素子10〜第3送受信素子30の送受信にかかる部分が同様の構成をそなえた同一の送受信素子で実現された例)をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、伝送バス2の途中に接続される第3送受信素子30は、これら終端抵抗34,終端電圧源35,及びスイッチ36をそなえなくてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、終端抵抗14〜34,終端電圧源15〜35,スイッチ16〜36,及び制御部17〜37が、それぞれ、第1送受信素子10〜第3送受信素子30内に設けられている例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら端抵抗14〜34,終端電圧源15〜35,スイッチ16〜36,及び制御部17〜37が、それぞれ、第1送受信素子10〜第3送受信素子30の外部に設けられていてもよい。この場合、伝送バス2とスイッチ16,26とをつなぐ信号線16a,26aは、それぞれ、入出力端18,28と伝送バス2との間の信号線に接続されることが好ましく、伝送バスに接続された信号線3とスイッチ36とをつなぐ信号線36aは信号線3に接続されることが好ましい。
【0065】
なお、上述した実施形態では、双方向伝送回路1が第1送受信素子10〜第3送受信素子30の3つの送受信素子をそなえて構成された例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の双方向伝送回路は、第1送受信素子10と第2送受信素子20との2つの送受信素子で構成されてもよいし、伝送バス2の途中に第3送受信素子30と同一の構成及び機能を有する送受信素子が複数接続されて構成されてもよく、本発明の双方向伝送回路がそなえる送受信素子の数は本発明において限定されるものではない。
【0066】
〔3〕付記
(付記1)
信号を伝送する伝送バスを介して、互いに信号の送受信が可能な第1送受信素子及び第2送受信素子をそなえた双方向伝送回路であって、
第1終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第1送受信素子に対応する第1終端抵抗と、
第2終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第2送受信素子に対応する第2終端抵抗と、
前記伝送バスの前記第1終端抵抗を介した前記第1終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第1スイッチと、
前記伝送バスの前記第2終端抵抗を介した前記第2終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第2スイッチと、
前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第1制御部と、
前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第2制御部とをそなえ、
前記第1送受信素子が送信側として動作する場合、前記第1制御部が、前記第1スイッチによる前記接続をオフに設定するとともに、前記第2制御部が、前記第2スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴とする、双方向伝送回路。
【0067】
(付記2)
前記第1終端抵抗,前記第1スイッチ,及び第1制御部が、前記第1送受信素子の内部に設けられ、前記第2終端抵抗,前記第2スイッチ,及び第2制御部が、前記第2送受信素子の内部に設けられていることを特徴とする、付記1記載の双方向伝送回路。
(付記3)
前記第1制御部が、前記第1送受信素子によって発生された送受信切換信号に基づいて、前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記1または付記2記載の双方向伝送回路。
【0068】
(付記4)
前記第2制御部が、前記第1送受信素子によって発行された前記送受信切換信号に基づいて、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記3記載の双方向伝送回路。
(付記5)
前記第2制御部が、送信側として動作する前記第1送受信素子によって発行された送信先を指定するための選択信号に基づいて、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記4記載の双方向伝送回路。
【0069】
(付記6)
前記伝送バスの途中に接続され、少なくとも前記第1送受信素子と相互に信号の送受信が可能な第3送受信素子をさらにそなえ、
前記第1送受信素子と前記第3送受信素子とが信号の送受信をする場合には、前記第2制御部が、前記第2スイッチによる前記接続をオンに設定するとともに、
前記第1送受信素子が、前記第3送受信素子に対して送信側として動作する場合には、前記第1制御部が前記第1スイッチによる前記接続をオフに設定する一方、前記第1送受信素子が、前記第3送受信素子に対して受信側として動作する場合には、前記第1制御部が前記第1スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴とすることを特徴とする、付記1〜付記5のいずれか1項に記載の双方向伝送回路。
【0070】
(付記7)
前記第1制御部が、前記第1送受信素子によって発生された送受信切換信号に基づいて、前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記6記載の双方向伝送回路。
(付記8)
前記第2制御部が、前記第1送受信素子によって発行された前記送受信切換信号に基づいて、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記7記載の双方向伝送回路。
【0071】
(付記9)
信号を伝送する伝送バスを介して接続された他の送受信素子と互いに信号の送受信が可能な送受信素子であって、
終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する終端抵抗と、
前記伝送バスの前記終端抵抗を介した前記終端電圧源への接続のオン/オフを切り換えるスイッチと、
該スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する制御部とをそなえ、
該制御部が、前記他の送受信素子に対して送信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオフに設定する一方、前記他の送受信素子に対して受信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴とする、送受信素子。
【0072】
(付記10)
前記他の送受信素子との信号の送受信の切り換えを制御する主制御側として動作する場合、前記制御部が、前記他の送受信素子との信号の送受信の切り換えを制御すべく発生された送受信切換信号に基づいて、前記スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記9記載の送受信素子。
【0073】
(付記11)
前記他の送受信素子によって信号の送受信の切り換えを制御される従属側として動作する場合、前記制御部が、前記他の送受信素子によって発行された送受信の切り換えを制御するための前記送受信切換信号に基づいて、前記スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記9記載の送受信素子。
【0074】
(付記12)
前記他の送受信素子によって信号の送受信の切り換えを制御される従属側として動作する場合、前記制御部が、前記他の送受信素子によって発行された送信先を指定するための選択信号に基づいて、前記スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、付記9記載の送受信素子。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態としての双方向伝送回路の構成を示す図である。
【図2】従来の双方向伝送回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1,100 双方向伝送回路
2,101 伝送バス
3,11a,13a,16a,17a,17b,21a,23a,26a,27a,27b,31a,33a,36a,37a,37b,102 信号線
10,110 第1送受信素子
11,21,31,111,121 ドライバ
12,22,32,112,122 抵抗
13,23,33,113,123 レシーバ
14 終端抵抗(第1終端抵抗)
15 終端電圧源(第1終端電圧源)
16 スイッチ(第1スイッチ)
17 制御部(第1制御部)
18,28,38,114,124 入出力端
20,120 第2送受信素子
24 終端抵抗(第2終端抵抗)
25 終端電圧源(第2終端電圧源)
26 スイッチ(第2スイッチ)
27 制御部(第2制御部)
30 第3送受信素子
34 終端抵抗(第3終端抵抗)
35 終端電圧源(第3終端電圧源)
36 スイッチ(第3スイッチ)
37 制御部(第3制御部)
131,141 終端電圧源
132,142 終端抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を伝送する伝送バスを介して、互いに信号の送受信が可能な第1送受信素子及び第2送受信素子をそなえた双方向伝送回路であって、
第1終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第1送受信素子に対応する第1終端抵抗と、
第2終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する、前記第2送受信素子に対応する第2終端抵抗と、
前記伝送バスの前記第1終端抵抗を介した前記第1終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第1スイッチと、
前記伝送バスの前記第2終端抵抗を介した前記第2終端電圧源への接続のオン/オフを切り換える第2スイッチと、
前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第1制御部と、
前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する第2制御部とをそなえ、
前記第1送受信素子が送信側として動作する場合、前記第1制御部が、前記第1スイッチによる前記接続をオフに設定するとともに、前記第2制御部が、前記第2スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴とする、双方向伝送回路。
【請求項2】
前記第1終端抵抗,前記第1スイッチ,及び第1制御部が、前記第1送受信素子の内部に設けられ、前記第2終端抵抗,前記第2スイッチ,及び第2制御部が、前記第2送受信素子の内部に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の双方向伝送回路。
【請求項3】
前記第1制御部が、前記第1送受信素子によって発生された送受信切換信号に基づいて、前記第1スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、請求項1または請求項2記載の双方向伝送回路。
【請求項4】
前記第2制御部が、前記第1送受信素子によって発行された前記送受信切換信号に基づいて、前記第2スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御することを特徴とする、請求項3記載の双方向伝送回路。
【請求項5】
信号を伝送する伝送バスを介して接続された他の送受信素子と互いに信号の送受信が可能な送受信素子であって、
終端電圧源に接続され、前記伝送バスを通じて送信された信号の反射を防止する終端抵抗と、
前記伝送バスの前記終端抵抗を介した前記終端電圧源への接続のオン/オフを切り換えるスイッチと、
該スイッチによる前記接続のオン/オフの切り換えを制御する制御部とをそなえ、
該制御部が、前記他の送受信素子に対して送信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオフに設定する一方、前記他の送受信素子に対して受信側として動作する場合には前記スイッチによる前記接続をオンに設定することを特徴とする、送受信素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−42376(P2008−42376A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211875(P2006−211875)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】