説明

双方向型モバイルネットワークゲームシステム及び方法

【課題】ネットワークを介して、携帯移動通信装置間でゲームを行う方法を提供する。
【解決手段】携帯移動通信装置110は、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、モバイルゲームサーバ125から制御データ信号140を受信する。この受信される制御データ信号140には携帯移動通信装置110からのモバイルゲームサーバ制御信号が含まれる。携帯移動通信装置110は、セルラデータサービス接続を用いて制御データ信号140もモバイルゲームサーバ125へ送信する。この送信される制御データ信号140には、モバイルゲームサーバからの要求に応じて、携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信される携帯移動通信装置プレーヤ入力が含まれる。さらに、携帯移動通信装置110は、モバイルゲームサーバ125からのゲーム更新値から構成されるコンテンツデータ150をモバイル放送ネットワーク130を介して受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は双方向型モバイルネットワークゲームシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話のような携帯移動通信装置がより高度なものになり、多くの新たな特徴や能力がその中に含まれるようになっている。このような特徴の1つとして、携帯機器向けデジタルビデオ放送(DVB−H)、デジタルメディア放送(DMB)、一体サービス型地上デジタル放送(ISDB−T)など、モバイル放送テレビ信号やモバイルテレビ等を受信する機能がある。
【0003】
また、最新の携帯移動通信装置に共通の特徴として、携帯移動通信装置においてビデオゲームを行う機能がある。これらのビデオゲームのうちのいくつかはネットワークを介して、複数の競争相手に対抗してゲームを行うことができ、個々のユーザは自分の携帯移動通信装置を用いて共通のゲームを行う。現在のセルラデータサービスでは、複数の参加者とネットワークゲームを行う際、その使用帯域が原因で、効果が妨げられユーザが満足できない場合がある。これには2つの主な要因が挙げられる。第1に、最新のセルラデータサービスの帯域及びデータ交換レートは、イーサネット(登録商標)、USB、IEEE1394等のような有線によるコンピュータベースのシステムのものより低いことである。これらの帯域及びデータ交換レートは、WiFi、WiMAX、802.11x規格をはじめ、DVB−H、DMBのようなモバイル放送システム、マルチメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)のようなセルラ放送システムなどの近距離無線プロトコルのものよりも低い。第2の要因は、アップリンク及びダウンリンク双方のデータ交換は、それらがどのようなものであろうと、セルラデータサービス接続を介して行われるということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
求められているのは、移動通信ネットワークゲームを行っているユーザの経験を高めるシステム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に従って、ネットワークを介して携帯移動通信装置間でゲームを行う方法を説明する。ゲームは、携帯電話ネットワークとモバイル放送ネットワークとを介して、携帯移動通信装置と通信可能なモバイルゲームサーバ上で動作する。モバイル放送ネットワークは、上述のネットワークでもよいし、将来開発されるネットワークでもよい。モバイル放送ネットワークは、携帯電話ネットワークの一部のネットワークであってもよいし、携帯移動通信装置のネットワークとは別個のネットワークであってもよい。携帯移動通信装置は、低帯域セルラデータサービス接続を用いてモバイルゲームサーバから制御データ信号を受信する。受信される制御データ信号には、携帯移動通信装置から出されるモバイルゲームサーバ制御信号が含まれる。携帯移動通信装置は、セルラデータサービス接続を用いて制御データ信号をモバイルゲームサーバへ送信する。この送信される制御データ信号には、モバイルゲームサーバの要求に応じて携帯移動通信装置からモバイルゲームサーバへ送信される携帯移動通信装置プレーヤの入力が含まれる。さらに、携帯移動通信装置は、ゲーム更新値から構成されるコンテンツデータをモバイル放送ネットワークを介してモバイルゲームサーバから受信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ネットワークを介してビデオゲームを行うための例示システムのブロック図である。
【図2】ネットワークを介してビデオゲームを行うための別の例示システムのブロック図である。
【図3】ネットワークを介して行われるサンプルのビデオゲーム用の一連のスクリーンショットを例示する図である。
【図4】図1に示すようなシステムを介して図3に示すようなビデオゲームを行うことに関係するメッセージ処理フローとデータフローとを例示する論理図である。
【図5】図2に示すようなシステムを介して図3に示すようなビデオゲームを行うことに関係するメッセージ処理フローとデータフローとを例示する論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の実施形態の詳細な説明は、添付図面を参照して本発明の特定の実施形態を示すものである。異なる構造や動作を有する別の実施形態も本発明の範囲から外れるものではない。
【0008】
本発明は、方法、システム、あるいはコンピュータプログラム製品として実施可能である。したがって、本発明は、全体としてハードウェアの実施形態か、(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)全体としてソフトウェアの実施形態か、あるいはソフトウェアとハードウェアとの態様を組み合わせた実施形態の形をとり得る。本明細書ではこれらすべてを一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶ。さらに、本発明は、コンピュータで使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラムであって、上記媒体に組み込まれたプログラムコードを含むコンピュータプログラムの形をとることもできる。
【0009】
任意の好適なコンピュータ読み取り可能な媒体を利用できる。コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、たとえば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の、又は半導体のシステム、設備、装置、又は伝送媒体であるが、これらに限定されるわけではない。コンピュータで読み取り可能な媒体のさらに詳細な例(非包括的なリスト)には、1つ以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク・リードオンリメモリ(CD−ROM)、光記憶装置、インターネット又はイントラネットをサポートするような送信媒体、あるいは磁気記憶装置が含まれる。なお、コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータで読み取り可能な媒体とは、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であってもよい。これは、例えば紙又は他の媒体を光走査し、その後必要に応じてコンパイル、変換又は適切な方法での処理を行い、かつコンピュータメモリに格納することによって、プログラムを電子的に取り込むことが可能だからである。本明細書において、コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、設備、又は装置により又は共に使用されるプログラムを、収容し、記憶し、通信し、伝播し、又は転送できるあらゆる媒体であり得る。
【0010】
本発明の演算を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等のようなオブジェクト指向言語で記述されたものを使用できる。しかし、本発明の演算を実行するためのコンピュータプログラムコードは、従来の手続きプログラミング言語、例えばCプログラム言語や同様のプログラム言語で書かれていてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータでその全体を実行してもよいし、ユーザのコンピュータでその一部を、ユーザのコンピュータで独立型ソフトウェアパッケージとしてその一部を、及び、遠隔コンピュータにおいてその一部を、あるいは遠隔コンピュータ又はサーバでその全体を実行してもよい。後者の場合、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を介してリモートコンピュータをユーザのコンピュータに接続してもよい。あるいは、この接続は、(インターネットサービスプロバイダなどを利用するインターネットを通じて)外部のコンピュータと行ってもよい。
【0011】
以下、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、コンピュータプログラムのフローチャート及びブロック図を参照して、本発明について説明する。フローチャート及びブロック図の個々のブロック、及び、フローチャート図内のブロックとブロック図の少なくともいずれかの組み合わせはコンピュータプログラム命令により実現可能であることは理解できよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊用途のコンピュータ、機械を生産するための他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに対して提供される。コンピュータと、その他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサとにより実行される命令は、フローチャートとブロック図のブロック又はブロック群との少なくともいずれかのブロックで特定される機能/動作を実行する手段を生成することができる。
【0012】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納されてもよく、これらの命令は、コンピュータあるいは他のプログラム可能なデータ処理装置に対して特定の方法で指示を行うことができる。そうすることで、コンピュータ可読メモリに格納された上記命令によって、フローチャートとブロック図のブロック又はブロック群との少なくともいずれかのブロックで特定される機能/動作を実現する命令手段を含む製品が生成されることになる。
【0013】
上記コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置において一連の処理ステップを実行するために、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ、コンピュータにより実行される処理を生成することができる。
【0014】
本発明は、通常のセルラデータサービスを用いて、携帯移動通信装置からネットワークゲームサーバへアップリンクのゲームデータを送信し、次いで、例えば、モバイルテレビ放送システム又は高帯域セルラ放送システムのような放送ネットワークを介してダウンリンクのゲームデータを受信することによって、移動通信ネットワークゲームを行っているユーザの経験を携帯移動通信装置において高める手段を提供するものである。放送システムは片方向である。単一のエンティティがデータを複数の受信機へ送信する。放送システムの帯域は一般に、GPRS、EDGE等のような双方向セルラデータサービスの帯域よりもずっと広くなる。
【0015】
アップリンクとダウンリンクの制御信号及びダウンリンクコンテンツデータを別個のネットワーク上へ分離することにより、高帯域放送システムを利用して、ダウンリンクコンテンツデータ通信用のさらに多量のデータと、アップリンク及びダウンリンクの制御信号用の低帯域セルラサービスリンクとを適合させることによって、移動通信ネットワークゲームのユーザ経験が高められる。
【0016】
本明細書で説明するシステムは、すべてのユーザ/プレーヤにとって共通の表示を共有するモバイルゲームについて当てはまるものである。なぜなら、単一のダウンリンク放送の更新値がすべてのプレーヤへ適時送信されるからである。このことについては図3の論理図について説明する際さらに明らかにする。
【0017】
図1は、ネットワークを介してビデオゲームを行うための例示システム100のブロック図である。このブロック図は、制御信号のアップリンク及びダウンリンク用の1つのデータ通信手段と、ダウンリンクで放送されたコンテンツ用の別のデータ通信手段とを用いて、複数の携帯移動通信装置110が互いと共に、かつ、互いに対抗してビデオゲームを同時に行うことができる環境について記述するものである。個々の携帯移動通信装置110は、その最も近くの基地局タワー115を経由して携帯電話ネットワーク120と無線で通信が可能である。携帯電話ネットワーク120は、モバイルゲームサーバ125とも通信が可能である。モバイルゲームサーバ125は、携帯電話ネットワーク120内に存在するものであってもよいし、あるいは、モバイルゲームサーバ125が携帯電話ネットワーク120とデータを交換できる限り、該ゲームサーバ125は別個のネットワーク又はプラットフォームにおいてスタンドアロンのものであってもよい。同様に、モバイルゲームサーバ125は、例えば、携帯機器向けデジタルビデオ放送(DVB−H)、デジタルメディア放送(DMB)、一体サービス型地上デジタル放送(ISDB−T)又は類似の技術による放送のようなモバイル放送ネットワーク130と通信可能である。携帯移動通信装置110は、放送タワー135を経由してモバイル放送ネットワーク130から放送されるデータを受信することが可能である。
【0018】
このようにして、携帯移動通信装置110は、セルラデータサービスを利用して、携帯電話ネットワーク120を介してモバイルゲームサーバ125間を往来する制御信号140の送受信を行い、モバイル放送ネットワーク130を介して放送データ150をモバイルゲームサーバ125から個別に受信する。
【0019】
携帯移動通信装置110は、通話及び他の通信の開始と実行とを含む携帯移動通信装置110の動作の制御を容易にするためのユーザインタフェースを含む。ユーザインタフェースは、携帯移動通信装置110の状態と動作とに関して、加入者、視聴者、又はユーザへ視覚信号を提供するための表示装置を含むものであってもよい。この表示装置はカラー画像を表示できる液晶ディスプレイ(LCD)等であってもよい。この表示装置は、画像、テキスト、数字、キャラクタ、グラフィックユーザインタフェース(GUI)等の形でユーザ又はオペレータへ情報を提供することができる。
【0020】
ユーザインタフェースはまた、キーパッド及びファンクションキー又はボタンを含むものであってもよく、ジョイスティック等のようなポインティングデバイスが含まれる。キーパッド、ファンクションボタン、ジョイスティックは、モバイルTVプロバイダやインターネットへアクセスするべく、ユーザが携帯移動通信装置110にコマンドを入力して、電話番号をダイアルし、通話の開始及び終了を行い、別の通信を確立し、電子メール、テキストメッセージ等の送受信を行うことを可能にする。キーパッド、ファンクションボタン、ジョイスティックを用いて、ゲーム用の入力を行う動作などの、携帯移動通信装置110の他の動作を制御することも可能である。キーパッド、ファンクションボタン、ジョイスティックをタッチパネルディスプレイに実装し、組み合わせて、触覚入力を受信するようにすることも可能である。
【0021】
表示装置、キーパッド及びファンクションボタンは、携帯移動通信装置110内のメインプロセッサと制御論理ユニットとに結合されたものであってもよい。プロセッサと制御論理ユニットとはマイクロプロセッサ等であってもよい。
【0022】
ユーザインタフェース110はマイクロホン及びスピーカを含むものであってもよい。マイクロホンはユーザ又は別の音源から音声信号や音響信号を受信することができる。マイクロホンは音声信号又は音響信号を電気信号に変換することができる。マイクロホンはプロセッサと論理演算ユニットに接続することができ、該プロセッサと論理演算ユニットは電気信号をベースバンド通信信号に変換することができる。上記プロセッサと制御論理ユニットは、無線送信機に接続することが可能であり、該無線送信機は、上記プロセッサと制御論理ユニットから出されるベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換することができる。上記無線送信機は、モバイル無線アクセスネットワーク(MRAN)等のような通信媒体又はシステムへRF信号を送信するためのアンテナアセンブリに接続してもよい。
【0023】
アンテナアセンブリは、RF信号を無線で受信し、次いでこのRF信号を無線受信機へ転送することができる。上記無線受信機はRF信号をベースバンド信号に変換することができる。上記ベースバンド信号はプロセッサと制御論理ユニットとに印加することができ、該制御論理ユニットはベースバンド信号を電気信号に変換することができる。プロセッサと制御装置とは電気信号をスピーカへ送信し、該スピーカは電気信号をユーザに理解できるオーディオ信号に変換することができる。
【0024】
携帯移動通信装置110はまたモバイル放送受信装置を含んでもよい。モバイル放送受信装置はDVB−Hタイプの装置等であってもよい。モバイル放送受信装置は、携帯移動通信装置110の一部として一体に形成されたものであってもよいし、あるいは、携帯移動通信装置110と連携して接続されると共に、作動できる別個のユニットであってもよい。モバイル放送受信装置は、モバイル放送ネットワーク130等からの受信用アンテナアセンブリを含むことができる。受信機は、放送信号を受信するために上記アンテナアセンブリに結合することができる。信号プロセッサは放送信号を受信機から受信し、該放送信号は、表示装置におけるビデオ表示用フォーマットと、携帯移動通信装置110のスピーカでのオーディオ出力とに変換することができる。
【0025】
図2はネットワークを介してビデオゲームを行うための別の例示システム200のブロック図である。このブロック図もまた、制御信号のアップリンク用とダウンリンク用の1つのデータ通信手段と、放送コンテンツ信号のダウンリンクのための別のデータ通信手段とを用いて、複数の携帯移動通信装置110が、互いに対抗してビデオゲームを同時に行うことができる環境について記述するものである。制御信号のアップリンクとダウンリンク通信のために、個々の携帯移動通信装置110は、その最も近くの基地局タワー115を経由して携帯電話ネットワーク120と無線で通信を行うことが可能である。携帯電話ネットワーク120は、モバイルゲームサーバ125とも通信が可能である。モバイルゲームサーバ125は、携帯電話ネットワーク120内に存在するものであってもよいし、あるいは、モバイルゲームサーバ125が携帯電話ネットワーク120とデータを交換できる限り、該ゲームサーバ125は、別個のネットワーク又はプラットフォームにおいてスタンドアロンのものであってもよい。
【0026】
放送コンテンツのダウンリンク通信のために、モバイルゲームサーバ125は、(セルラデータサービスとは対照的に)(MBMSなどの)セルラ放送プラットフォームを利用して、基地局タワー115を経由してゲーム更新値を携帯移動通信装置110へ放送する。したがって、携帯移動通信装置110は、セルラデータサービスを利用して、携帯電話ネットワーク120を介して、モバイルゲームサーバ125の間を往来する制御信号140の送受信を行い、次いでコンテンツデータ150のダウンリンク用のMBMSのようなセルラ放送を受信することになる。
【0027】
図3はネットワークを介して行われるサンプルのビデオゲーム用の一連のスクリーンショットを例示する図である。本例は、3人のプレーヤと共にネットワークを介して移動通信装置において行われるような「ホイール・オブ・フォーチュン(Wheel of Fortune)」という人気テレビゲームショーのバージョンを示す例である。図3の例示は、すでに進行中の「ホイール・オブ・フォーチュン」のゲーム用として携帯移動通信装置の表示装置に示されるような一連のスクリーンショットを描くものである。第1のスクリーンショット310はスピンしているホイールの写真を示す。最上部の見出しはプレーヤ1がホイールを回したことをプレーヤ全員に通知する。最下部の見出しは、プレーヤ全員がこの時点までに累積したポイント又はドルで表される個々のプレーヤの現在の状態を保持している。個々のプレーヤが同じ表示を受信するように、スクリーンショット310はすべてのプレーヤへ放送される。スクリーンショット320はスクリーンショット310から得られるホイールの結果を例示する。スクリーンショット320では、マーカーがホイールの「800」の区画(wedge)に隣接して置かれていて、プレーヤ1用のマーカーが「800」という区画のところにある状態で、ホイールスピンを停止したことを示している。最上部の見出しは、プレーヤ1が「800」の区画の上に実際に着地したことをプレーヤ全員に通知する。プレーヤ1がまだ自分のスピンの結果から得た800ポイント又はドルを確保していないため、最下部の見出しは元のままである。スクリーンショット330はこのゲーム用のパズルを示す画像である。このパズルは単語として並べられた単なる一続きの文字であり、これらの語は例えば、フレーズ、映画のタイトル、歌、人の名前、場所、等として分類することができる。この目的は、自分の競争相手よりも先にフレーズ全体を考え出すことができるように十分な文字を推測することである。スクリーンショット330では、パズルは「フレーズ」であることが最上部の見出しからわかる。このフレーズは、それぞれ5文字、2文字及び7文字の3つの単語から構成されるものである。これらの文字のうちのいくつかはパズルの中で明らかにされる。さらに、すでに推測された文字を追跡する表示セクションが存在する。最後に、最下部の見出しは、新たな文字を推測するようにプレーヤ1に指示する。プレーヤ1は自分の推測した文字を入力し、その文字は適宜処理される。スクリーンショット340では、プレーヤ1の推測並びにその結果が明らかにされる。このケースでは、プレーヤ1は文字「K」を推測したが、この推測は、パズルのフレーズの中の文字のうちの1つではないということで間違っていると判定された。上記一連のスクリーンショットの最後のスクリーンショット350は、制御がプレーヤ1からプレーヤ2へシフトすることを示すものである。スクリーンショット350は、プレーヤ2が今度はホイールを回すアクティブなプレーヤであるという点を除いてスクリーンショット310と同じである。ゲームはプレーヤのうちの一人がパズルを正しく推測するまで続くことになる。
【0028】
図4は、図1に示すようなシステムを介して図3の一連のスクリーンショットに示されているようなビデオゲームを行うステップに関係するメッセージ処理のフローとデータフローとを例示する論理図である。図4と図5では、破線が制御データ信号を表しているのに対して、実線は放送コンテンツデータ信号を表している。制御信号は一般にあまり多くのデータを含まず、セルラデータサービスタイプの接続を介して効率良く送受信を行うことができる。これに対して、コンテンツ信号はずっと多くのデータを含むため、高帯域放送メディアを用いて、モバイルゲームデータをすべてのプレーヤへ同時に送信することにより大きな利点が得られ、これは個別のコンテンツ信号を個々の携帯移動通信装置へ送信することとは対照的な利点となる。
【0029】
図4に示される第1の制御データ信号は、プレーヤ1の携帯移動通信装置から携帯電話ネットワークへプレーヤ1の制御入力を運んで、ホイールを回す(405)。これは前述の図3のスクリーンショット310に言及するものである。この制御信号は、携帯移動通信装置と携帯移動通信装置ネットワーク間の低帯域セルラデータサービス接続を介して運ばれる。該ネットワークから、制御信号は、モバイルゲームアクションをホストし、処理するモバイルゲームサーバへ転送される(410)。モバイルゲームサーバはスピン入力を処理して、スピンの結果を取得し、その結果をモバイルテレビ放送ネットワークへ転送する(415)。モバイル放送ネットワークは、現在のゲームに関与するプレーヤ全員の携帯移動通信装置へ上記結果を放送する(420)旨の命令と共にこのスピンの結果を受信する。次いで、個々のプレーヤを示す携帯移動通信装置は、図3のスクリーンショット320に対応するゲーム状態の更新された放送を受信する。次に、プレーヤ1は、図3のスクリーンショット330に示されているように文字入力を求められる。プレーヤ1の文字入力は、制御信号として携帯電話ネットワークへ転送され(425)、続いて、モバイルゲームサーバへ転送される(430)。上記文字入力はモバイルゲームサーバにより処理され、その結果はモバイルテレビ放送ネットワークへ転送される(435)。次いで、この結果は、図3のスクリーンショットを生成する現在のゲーム340に関与するプレーヤ全員の携帯移動通信装置へ放送され、フィードバックされる(440)。上記結果に起因して、プレーヤ1はゲームのルールにより自分の順番を失うことになるため、モバイルゲームサーバは、携帯電話ネットワークを経由して、プレーヤ2の携帯移動通信装置へ制御信号を送信し(445)、「ホイールを回せ」という指示をプレーヤ2に与える(450)。プレーヤ2は自分の携帯移動通信装置において入力メカニズムを選択することにより応答する。上記携帯移動通信装置から携帯電話ネットワークへ別の制御信号が送信され(455)、続いて、モバイルゲームサーバへ転送される(460)とすぐに、上記携帯移動通信装置はホイールをスピンさせる。
【0030】
モバイルゲームサーバは入力を処理し、この入力に従ってゲーム状態を更新し続ける。セルラデータサービス接続を用いて、影響を受けた携帯移動通信装置と個々の制御信号を直接交換している間、コンテンツの更新値はモバイル放送ネットワークを介して送出され続ける。
【0031】
図5は、図2に示すようなシステムを介して、図3の一連のスクリーンショットに示されているようなビデオゲームを行うステップに関係するメッセージ処理フローとデータフローとを例示する論理図である。図4と図5との間の主な相違点として、携帯電話ネットワークによってホストされ、実行される高帯域モバイル放送システムが、モバイルテレビ放送ネットワークの代わりに用いられるという点が挙げられる。しかし、そのコンセプトは同じままである。すなわち、高帯域放送接続を介してモバイルゲームサーバから携帯用移動通信装へコンテンツ更新値が送信されている間、セルラデータサービス接続を用いて、モバイルゲームサーバと影響を受けた携帯移動通信装置との間で制御信号が交換されることになる。
【0032】
したがって、図5に示される第1の制御データ信号は、プレーヤ1の携帯移動通信装置から携帯電話ネットワークへプレーヤ1の制御入力を運んで、ホイールをスピンさせる(505)。この第1の制御データ信号は、前述の図3のスクリーンショット310に言及するものである。この制御信号は、携帯移動通信装置と携帯移動通信装置ネットワークとの間の低帯域セルラデータサービス接続を介して運ばれる。そこから、制御信号は、モバイルゲームアクションをホストし、このアクションを処理するモバイルゲームサーバへ転送される(510)。モバイルゲームサーバはスピン入力を処理して、そのスピンの結果を取得し、この結果を携帯電話ネットワークへ返送して(515)、現在のゲームに関与するプレーヤ全員の携帯移動通信装置へ上記結果を放送する(520)。次いで、個々のプレーヤの携帯移動通信装置は、図3のスクリーンショット320に対応するゲーム状態の更新された放送を受信する。次に、プレーヤ1は、図3のスクリーンショット330に示されているように文字入力を行うように求められる。プレーヤ1の文字入力は、制御信号として携帯電話ネットワークへ転送され(525)、続いて、モバイルゲームサーバへ転送される(530)。上記文字入力はモバイルゲームサーバにより処理され、その結果は携帯移動通信装置ネットワークへ転送される(535)。次いで、この結果は、図3のスクリーンショットを生成する現在のゲーム340に関与するプレーヤ全員の携帯移動通信装置へ携帯電話ネットワークにより放送され、フィードバックされる(540)。上記結果に起因してプレーヤ1がゲームのルールにより自分の順番を失うことになるため、モバイルゲームサーバは、携帯電話ネットワークを経由してプレーヤ2の携帯移動通信装置へ制御信号を送信し(545)、「ホイールを回せ」という指示をプレーヤ2に与える(550)。プレーヤ2は、自分の携帯移動通信装置において入力メカニズムを選択することによりに応答し、携帯移動通信装置から携帯電話ネットワークへ別の制御信号が送信され(555)、続いて、モバイルゲームサーバへ送られる(560)とすぐに、上記携帯移動通信装置はホイールをスピンさせる。
【0033】
本例でもまた、モバイルゲームサーバは入力を処理し、この入力に従ってゲーム状態を更新し続ける。セルラデータサービス接続を用いて、影響を受けた携帯移動通信装置と個々の制御信号を直接交換している間、コンテンツの更新値は携帯電話ネットワークを介して送出され続ける。
【0034】
高帯域セルラデータサービス接続は、EDGE、UMTS、HSPDA、及びEV−DOを含むことができるが、これらのみに限定されるわけではない。第3世代のセルラ技術が進化するにつれて、現在の高帯域セルラデータサービス接続が将来比較的低い帯域になる可能性があることに留意されたい。したがって、本発明は、モバイルゲームサーバと携帯移動通信装置との間で大幅に低い帯域しか必要としない制御信号を交換するための異なるセルラデータサービス接続を使用しながら、別個の高帯域放送システムを利用して、モバイルゲーム環境においてコンテンツデータの更新値を送信するという着想を伝えることを意図するものである。
【0035】
上記図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の各種の実施形態に係るシステム、方法並びにコンピュータプログラムのアーキテクチャ、機能及び可能な実装構成の動作を例示するものである。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の個々のブロックは、特定された論理機能を実現する1つ以上の実行可能な命令を備えたモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことも可能である。いくつかの代替実現例では、上記ブロックにおいて上述した機能が図中で述べた順序とは異なる順序で行われる場合もあることにも留意されたい。例えば、続けて示される2つのブロックを、実際には、機能に応じてほぼ同時に実行し、又は、逆の順序で実行することも時として可能である。ブロック図の個々のブロックとフローチャート図との少なくともいずれか、並びに、ブロック図内のブロックの組み合わせとフローチャート図との少なくともいずれかは、指定された機能又は動作あるいは特定用途向けハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する特定用途向けハードウェアベースのシステムにより実現が可能であることも付記しておく。
【0036】
本明細書で使用されている用語法は特定の実施形態について単に説明することを目的とするものであって、本発明の限定を意図するものではない。本明細書で使用されているように、文脈が別様に示していない限り、単数形を示す「a」、「an」及び「the」は複数形も同様に含むことを意図するものである。「備える(comprises)」と、「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、上述の特徴、数値、ステップ、処理、要素とコンポーネントの少なくともいずれかの存在を特定する用語であるが、1つ以上の他の特徴、数値、ステップ、処理、要素及びこれらのグループの少なくともいずれかの存在又は追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。
【0037】
特定の実施の形態についてここに図示して説明したが、当業者が認識するように、図示された特定の実施の形態の代わりに、同じ目的を達成するように考慮された任意の構成を用いてよく、また本発明は別の環境で別のアプリケーションを有するものであってよい。本出願は本発明の全ての適用または変形をカバーするものである。特許請求の範囲は、本発明の範囲を上述した特定の実施形態に限定する意図は全くない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話ネットワーク120とモバイル放送ネットワーク130とを介して携帯移動通信装置110と通信可能なモバイルゲームサーバ125において動作するゲームを、ネットワークを介して携帯移動通信装置110と他の携帯移動通信装置110との間で行う方法であって、
携帯移動通信装置450からの入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110においてモバイルゲームサーバ125から受信するステップと、
前記入力を要求する前記モバイルゲームサーバ制御信号に応答して携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信されるプレーヤ入力455を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信するステップと、
ゲーム更新値を含むコンテンツデータ150を、モバイル放送ネットワーク130を介して、モバイルゲームサーバ125から受信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
携帯電話ネットワーク120を介して携帯移動通信装置110と通信可能なモバイルゲームサーバ125において動作するゲームを、ネットワークを介して携帯移動通信装置110と他の携帯移動通信装置110との間で行う方法であって、
携帯移動通信装置550からの入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110においてモバイルゲームサーバ125から受信するステップと、
前記入力を要求する前記モバイルゲームサーバ制御信号に応答して携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信されるプレーヤ入力555を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信するステップと、
ゲーム更新値を含むコンテンツデータ150を、携帯電話ネットワーク120を介して、モバイルゲームサーバ125から受信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項3】
携帯電話ネットワーク120とモバイル放送ネットワーク130とを介して携帯移動通信装置110と通信可能なモバイルゲームサーバ125において動作するゲームを、ネットワークを介して携帯移動通信装置110と他の携帯移動通信装置110との間で行うシステムであって、
セルラデータサービス接続を介して携帯電話ネットワーク125と通信可能で、かつ、モバイル放送ネットワーク130から放送を受信することが可能な携帯移動通信装置110を含み、該携帯移動通信装置110は、
携帯移動通信装置110からの入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号を含む制御データ信号140を、前記セルラデータサービス接続を用いて、携帯電話ネットワーク120を介してモバイルゲームサーバ125から受信し、
前記入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号に応答して送信されるプレーヤ入力を含む制御データ信号140を、前記セルラデータサービス接続を用いて、携帯電話ネットワーク120を介して、モバイルゲームサーバ125へ送信し、
ゲーム更新値を含むコンテンツデータ150を、モバイル放送ネットワーク130を介して、モバイルゲームサーバ125から受信する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
携帯電話ネットワーク120とモバイル放送ネットワーク130とを介して携帯移動通信装置110と通信可能なモバイルゲームサーバ125において動作するゲームを、ネットワークを介して携帯移動通信装置110と他の携帯移動通信装置110との間で行うためのコンピュータプログラムであって、
携帯移動通信装置110からの入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号450を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110においてモバイルゲームサーバ125から受信するためのプログラムコードと、
前記入力を要求する前記モバイルゲームサーバ制御信号に応答して携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信されるプレーヤ入力を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信するためのプログラムコードと、
ゲーム更新値を含むコンテンツデータ150を、モバイル放送ネットワーク130を介して、モバイルゲームサーバ125から受信するためのプログラムコードと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項5】
携帯電話ネットワーク120を介して携帯移動通信装置110と通信可能なモバイルゲームサーバ125において動作するゲームを、ネットワークを介して携帯移動通信装置110と他の携帯移動通信装置110との間で行うためのコンピュータプログラムであって、
携帯移動通信装置110からの入力を要求するモバイルゲームサーバ制御信号を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110においてモバイルゲームサーバ125から受信するためのプログラムコードと、
前記入力を要求する前記モバイルゲームサーバ制御信号に応答して携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信されるプレーヤ入力を含む制御データ信号140を、低帯域セルラデータサービス接続を用いて、携帯移動通信装置110からモバイルゲームサーバ125へ送信するためのプログラムコードと、
ゲーム更新値を含むコンテンツデータ150を、携帯電話ネットワーク120を介して、モバイルゲームサーバ125から受信するためのプログラムコードと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−44682(P2012−44682A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−211557(P2011−211557)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【分割の表示】特願2008−538869(P2008−538869)の分割
【原出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】