説明

反射フレームを備えたアイウェア

反射アイウェアは、少なくとも1つのレンズと、実質的に不透明なフレームとを含み、フレームは、少なくとも1つのレンズを支持するための、両側端部を有する主要前方部分を有する。フレームは、微光状態で他の人に見えるようにフレームに取り付けられた少なくとも1つの再帰反射要素を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイウェアの構造上の改善に関するものであり、より詳細には、再帰反射要素付きのフレームを有するアイウェアの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
安全眼鏡は、例えば、スポーツに参加するときや作業中に、使用者の目を怪我から守るために使用される。場合によっては、光を発するかまたは光を反射することができる安全眼鏡を有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような反射安全眼鏡は、現在、市場において一般的ではない。現在利用可能な安全眼鏡の光反射機能は、眼鏡フレームの限られた外側面と、現在アイウェアで使用されている材料の限られた光反射能力とによって、あまり効果的ではない。また、安全眼鏡の反射要素の使用者の目への反射によって引き起こされ得る、使用者の視覚への妨害を避けることが望ましい。
【0004】
従って、眼鏡やゴーグルを含む改良された反射アイウェアが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのレンズと、主要前方部分を有するフレームとを備え、主要前方部分は、主要前方部分に取り付けられた少なくとも1つのレンズを支持するために両側端部間に延び、フレームは、フレームに取り付けられた少なくとも1つの再帰反射要素を更に含み、再帰反射要素は、任意の入射角の光線を、光線源からの方向に平行且つ正反対のベクトルに沿って反射する、反射アイウェアが提供される。
【0006】
任意で、フレームは側方部分を含んでもよく、側方部分は主要前方部分に対して旋回可能な1対のアームを備えてもよい。また、任意で、側方部分の各々は、フレームの主要前方部分と一体化されベース部を含んでもよい。また、任意で、少なくとも1つの再帰反射要素は、主要前方部分、および/または、アームの各々および/または各側方部分の一体化ベース部に取り付けられてもよい。
【0007】
本発明の他の態様または特徴は、後述する好ましい実施形態を参照してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
次に、本発明の好ましい実施形態を例として示す添付の図面を参照する。
【図1】アームに取り付けられた再帰反射要素を見せるためにアームに開口部を有する一実施形態に係る反射安全眼鏡の側面図である。
【図2】図1の反射安全眼鏡の正面図である。
【図3】図1の反射安全眼鏡の平面図である。
【図4】アームに取り付けられた再帰反射要素保持部材を有するアームの内側面を示す、図2の線4−4に沿って切断した反射安全眼鏡の断面図である。
【図5A】アームに画定された凹部及び開口部と、凹部に入れられた保持部材及び再帰反射布片とを示す、図3の線5A−5Aに沿って切断したアームの断面図である。
【図5B】再帰反射要素保持部材としても機能する、ゴムホルダーを示す、図3の線5B−5Bに沿って切断したアームの断面図である。
【図5C】保持部材の突出要素が再帰反射布の一部を開口部内に押し込む代替的な構成を示す、図5Aと同様のアームの断面図である。
【図6】別の実施形態に係る反射安全眼鏡の側面図である。
【図7】アームの外側面に画定された、再帰反射要素を入れるための凹部を示す、図6の線7−7に沿って切断したアームの断面図である。
【図8】更なる実施形態に係る反射安全眼鏡の側面図である。
【図9】フレームの主要前方部分に取り付けられた再帰反射要素を有する、更なる実施形態に係る反射ゴーグルの正面図である。
【0009】
添付の図面を通じて、同様の特徴は同様の符号によって識別されることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜5Bを参照すると、一実施形態に係る反射安全眼鏡10の構造は一般にフレーム12を含み、フレーム12は、例えば、成形プロセスにおいて不透明または透明なプラスチック材料で作られてもよく、1つまたは2つのレンズ18を支持するための、両側端部16を有する主要前方部分14を有する。フレーム12は、主要前方部分14の各両側端部16から後方に延びる1対の側方部分(符号なし)を更に含む。本実施形態に係るフレーム14の後方に延びる側方部分は、従来の方式で主要前方部分14の各両側端部16に旋回可能に接合された1対のアーム20である。1つ以上の再帰反射要素が、本実施形態ではそれぞれのアーム20である側方部分の各々に、取り付けられた再帰反射要素が微光状態で他の人に見えるように取り付けられる。
【0011】
例えば3M(登録商標)製スコッチライト(登録商標)反射材製品などの再帰反射材は、人間の目が微光状態で光を感知することを可能にする再帰反射をもたらす技術を利用する。より科学的な用語で、反射は、光線をそれらが来た方向に戻すときに起こる。電磁波面は、反射面によって、波源に平行且つ逆方向のベクトルに沿って反射される。再帰反射面の入射角は、ゼロより大きいかまたはゼロに等しい。これは、鏡が波面とちょうど垂直である場合(入射角ゼロ)にのみそうする、例えば平面鏡などの他の従来の反射面とは異なる。再帰反射材は、例えば自動車のヘッドライトなどの原光源に直接、比較的大量の反射光を返す。光を返すときに非常にわずかな光を散乱させるので、再帰反射材は、観察角度に関係なく、原光源の近くに位置する観察者に最も明るく見える。したがって、再帰反射材は道路標識や衣服に広く使用されてきたが、眼鏡のような小さな物には使用されていなかった。
【0012】
詳細には、反射安全眼鏡10のアーム20は各々、アーム20の内側面(符号なし)に画定された大きな凹部22と小さな凹部24とを有する。大きな凹部22は接合端部の近くに位置し、小さな凹部24はアーム20の自由端の近くに位置する。再帰反射面を形成するように布基材に結合された反射レンズを有する再帰反射布片26が、再帰反射面が凹部底面(符号なし)に接する状態で、各凹部22、24内に配置される。凹部22,24の各々は、輪郭が描かれた少なくとも1つの開口部(本実施形態に係る望ましいデザインでは、輪郭が描かれた複数の開口部28)を画定し、開口部は、望ましいデザインにおいて各再帰反射布26の再帰反射面を見せるように、凹部底面からアーム20を貫通してアーム20の外側面(符号なし)まで延びる。
【0013】
再帰反射布26を所定の位置に保持するために、各凹部22,24内に保持部材30,32が設けられる。保持部材30,32の各々は、例えば、反対側の第1及び第2側面(符号なし)を有するベース部分(符号なし)有して形成される。ベース部分の第1側面は、再帰反射布26を凹部底面に対して押し付けるために、各凹部22,24の凹部底面の輪郭と実質的に一致する。保持部材30のベース部分の第2側面は、アーム20の内側面と実質的に同一平面であってもよい。保持部材32は、摩擦により、または接着剤により適切な位置に保持され得る。保持部材32は、使用者の頭部における所定の位置に反射安全眼鏡10を保持するためにアーム20の保持要素としても機能するように、ゴムなどの軟質材料で作られてもよい。したがって、保持部材32のベース部分の第2側面は、使用者の頭部にしっかり接触するための、アーム20の内側面にあるわずかな突起として作られてもよい。
【0014】
図5Cに示す代替的な構造では、保持部材30は、再帰反射布片26の一部分を開口部28内に、アーム20の外側面に向かって押し込むために、ベース部分の第1側面から外側に延びる突出要素34を含み得る。保持部材30の突出要素34の数と外形は、開口部28の望ましいデザインと一致する。
【0015】
図6及び7は、別の実施形態に係る反射安全眼鏡10aの構造を示す。反射安全眼鏡10aは、図1〜4に示す反射安全眼鏡10と同様の数字で示される構成要素および特徴を含むが、ここでは重複して説明しない。反射安全眼鏡10aと図1〜4の反射安全眼鏡10との違いは、実質的に再帰反射要素の反射安全眼鏡への取り付けにある。図4に示されるように反射安全眼鏡10の各アーム20の内側面に画定された凹部22、24を有する代わりに、反射安全眼鏡10aは各アーム20の外側面に画定された、輪郭が描かれた浅い凹部36を有する。浅い凹部36の外形と実質的に類似した形状を有する再帰反射布片などの再帰反射要素26aは、凹部36内に入れられ、例えば、再帰反射布の裏面と凹部底面との間に塗られた接着剤によって、そこに取り付けられる。布の再帰反射面は、その結果、アーム20の外側から見えるようになる。
【0016】
代替案として、反射安全眼鏡10aにおいて再帰反射要素26aとして使用される再帰反射布片を、高光沢の再帰反射材、または、付加的な接着剤を塗らずに凹部底面に都合よく取り付けることができる粘着フィルムなどの再帰反射フィルムに置き換えてもよい。代替案として、再帰反射要素部26aとして転写フィルムを使用することもできる。代替案として、装飾的な反射画像のために、凹部底面にまたはアーム20の外側面における任意の場所に直接スクリーン印刷するために、再帰反射要素部26aとして再帰反射インクを使用することもできる。
【0017】
上記の代替的な再帰反射材は、市場で入手可能であり、本明細書に記載された反射安全眼鏡10および10aで使用され得る3M(登録商標)製スコッチライト(登録商標)反射材から選択され得るが、これに限定されるものではない。他の任意の適当な再帰反射材を、反射安全眼鏡用の再帰反射要素として使用することができる。
【0018】
図8は、更なる実施形態に係る反射安全眼鏡10bの構造を示す。反射安全眼鏡10bは、図1〜4の反射安全眼鏡10と同様の数字で示される構成要素および特徴を含むが、ここでは重複して説明しない。図1〜4の反射安全眼鏡10では、フレーム12の側方部分は一般に、主要前方部分14の両側端部16に旋回可能に取り付けられた1対のアーム20のみを含む。対照的に、反射安全眼鏡10bの側方部分は各々、使用者の目のより良い保護のために主要前方部分14に付けられらサイドシールドを提供するように、主要前方部分14と一体化され、且つ主要前方部分14の各両側端部16から後方に延びるベース部19を含む。側方部分は、各ベース部分19の後端部(符号なし)に旋回可能に接合されたアーム20を更に含んでもよい。代替案として、フレーム12の側方部分は、ベース部分19のみを含んでもよい。ゴーグルタイプの構成では、使用者の頭部に反射安全眼鏡10bを保持するために、アーム20の代わりに、弾性ヘッドストラップ(図示せず)をベース部分19に取り付けてもよい。再帰反射要素26bは、ベース部分19に、任意の適切な再帰反射材を用いて、それぞれ図1〜5C及び6〜7に示された実施形態10及び10aを参照して上述したもとの同様かまたは異なる、ベース部分の任意の適切な構成(例えば、凹部、開口部を有する凹部、平らな外側面など)により取り付けられる。
【0019】
図9は、更なる実施形態に係る反射ゴーグル10cを示す。図2の眼鏡10と同様に、ゴーグル10cは一般に実質的に不透明または透明なフレーム12を含み、フレーム12はプラスチック材料から作ることができ、単一のレンズ18を支持するための、両側端部16を有する主要前方部分14を有する。ヘッドストラップ(図示せず)の取り付けのために、フレーム12の各側端部の裏面に保持装置(図示せず)を設けてもよい。
【0020】
再帰反射布26は、フレーム12の主要前方部分14に取り付けられ、例えば、主要前方部分14に画定された、輪郭が描かれた開口部28を通して見えてもよい。この実施形態における再帰反射布片26のフレーム12への取り付けは、眼鏡10で行われ、図5A、5B、5Cを参照して説明されたものと同様であるか、または図6と7に示されるものと同様であり、ここでは重複して説明しない。
【0021】
再帰反射布26は、上述のように、一般に他の再帰反射要素によって置き換えられ得る。
【0022】
更なる実施形態によれば、再帰反射布片などの再帰反射要素は、主要前方部分または個々のアームのモールド成形プロセス中にアイウェアフレーム構造に追加されてもよい。代替案として、転写フィルムなどの再帰反射要素を、凹部なしで眼鏡フレームの外側面に貼り付けてもよい。
【0023】
眼鏡及びゴーグルを含む反射アイウェアのフレームの主要前方部分および/または側方部分に取り付けた1つ以上の再帰反射要素は、微光状態で他の人から見える。アイウェアに取り付けられたそれらの再帰反射要素は、観察者が光源に近いときに、アイウェア上の再帰反射要素の反射面に対して直角に制限される方向からだけでなく、アイウェアに対して広い角度から観察されることができる。
【0024】
本発明の反射安全眼鏡及び反射ゴーグルは、例えば、アイシールド、フェイスコンタクト装置などの、本発明の一部ではない他の構成要素および特徴を含み得る。したがって、上述のようなアイウェアのフレームへの再帰反射要素の取り付けの原理は、一般に他のタイプのアイウェアに適用可能性があり、必ずしも上記の安全眼鏡やゴーグルに限定されるものではない。
【0025】
上述の本発明の実施形態は、例示であることのみを意図している。本発明の上記実施形態への変更や改良は、この開示の再検討により当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのレンズと、
主要前方部分を有するフレームと
を備え、
前記主要前方部分は、前記主要前方部分に取り付けられた前記少なくとも1つのレンズを支持するために両側端部間に延び、
前記フレームは、前記フレームに取り付けられた少なくとも1つの再帰反射要素を更に含み、
前記再帰反射要素は、任意の入射角の光線を、光線源からの方向に平行且つ正反対のベクトルに沿って反射する、反射アイウェア。
【請求項2】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、前記主要前方部分に取り付けられる、請求項1に記載のアイウェア。
【請求項3】
前記フレームは、前記主要前方部分の各両側端部から後方に延びる1対の側方部分を含む、請求項1に記載のアイウェア。
【請求項4】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、前記側方部分の各々に取り付けられる、請求項3に記載のアイウェア。
【請求項5】
前記側方部分は、前記主要前方部分に対して旋回可能な1対のアームを備える、請求項3に記載の構造。
【請求項6】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、前記旋回可能なアームの各々に取り付けられる、請求項5に記載のアイウェア。
【請求項7】
前記側方部分の各々は、前記主要前方部分と一体化されたベース部を含む、請求項3に記載のアイウェア。
【請求項8】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、各側方部分の前記一体化ベース部に取り付けられる、請求項7に記載のアイウェア。
【請求項9】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、再帰反射布片である、請求項1に記載のアイウェア。
【請求項10】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、高光沢の再帰反射材片である、請求請求項1に記載の構造。
【請求項11】
前記少なくとも1つの再帰反射要素は、再帰反射粘着フィルム片である、請求項1に記載の構造。
【請求項12】
前記フレームは、前記少なくとも1つの再帰反射要素を入れるための、その外側面に画定された凹部を含む、請求項1に記載の構造。
【請求項13】
前記フレームは、前記再帰反射布片を入れるための、その内側面に画定された凹部を含み、前記凹部は、前記再帰反射布片の機能面を見せるために、凹部底面から前記フレームを貫通して前記フレームの外側面まで延びる開口を画定する、請求項1に記載のアイウェア。
【請求項14】
前記フレームは、前記凹部に前記再帰反射布片を保持するために前記内側面に取り付けられた保持部材を含む、請求項13に記載のアイウェア。
【請求項15】
前記保持部材はベース部分を備え、前記ベース部分は、前記凹部に入れられ、且つ反対側の第1および第2側面を有し、前記第1側面は、前記再帰反射布が前記凹部底面に対して押し付けられることを可能にするために、実質的に前記凹部底面と一致するように形成されている、請求項14に記載のアイウェア。
【請求項16】
前記保持部材の第2側面は、各側方部分の内側面と実質的に同一平面である、請求項15に記載の構造。
【請求項17】
前記保持部材は、前記再帰反射布片の一部分を前記開口部内に、前記フレームの外側面に向かって押し込むために、前記ベース部分の第1側面から外側に延びる突出要素を含む、請求項15に記載の構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−520489(P2012−520489A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500011(P2012−500011)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000356
【国際公開番号】WO2010/105338
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511206490)
【Fターム(参考)】