説明

反射式空間光変調素子配列及びその形成方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装置に関連し、更に詳細に述べれば、個々のピクセルの制御のための適切な制御回路を有する、半導体基板上の空間光変調素子配列に関連する。
【0002】
【従来の技術】ライト・バルブ配列とも呼ばれる空間光変調素子(SLM)配列は、投写型ディスプレイ、光学式相互接続、ホログラフィ式記憶、及びその他のアプリケーションに使用され、ここでは、光が空間的及び時間的にデータの配列に対応して変調される。SiベースのSLMには数々の長所がある。Siベースの反射式SLMを使用すると、ピクセルが小さくても高い光スループットを達成できる。これは、アドレス・ライン及びピクセル記憶コンデンサが、光が基板を透過する透過ディスプレイの場合のように光をブロックしないためである。単結晶Siトランジスタを使用すると、現在フラット・パネル・ディスプレイで使用されているアモルファスSi叉は多結晶Siトランジスタの場合よりトランジスタのスイッチング速度が速く、フレーム周波数が高く情報密度の高いディスプレイが可能になる。更に、旧式のSiチップ製造装置でも、現行のフラット・パネル製造技術で可能なものより精細なSLMの形状サイズをサポートできる。ディスプレイ用の他の光学的構成部品はSLMのサイズに応じて大きさが決まるので、形状サイズを最小にすること、即ちピクセル・サイズを最小にすることが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1991年3月12日に発行されたT.S.Te Veldeによる米国特許第4,999,619号では、電気光学的ディスプレイ装置が開示された。この装置は、少なくとも1つの透明な第1の制御電極をもつ第1の透明支持プレートと第2の支持プレートとの間に液晶物質層を備え、又、行と列に配列した画素マトリックスを駆動するための1つ以上のスイッチング要素をもつ少なくとも1つの半導体素子があり、更に電気的に個別に駆動できる画素電極をもつ。第2の支持プレートには追加の反射層(絶縁体ミラー)が装備できる。この層は画素及び(可能な場合は)半導体物質の中間部分を覆う。中間の半導体物質はこれによって入射光からうまく遮蔽される。
【0004】J.Glueck、外が発表した主題「Improvement in light efficiency of a−Si:H TFT−addressed reflective λ/4−HAN−Mode light valves for Color TV projecion」、頁299、SID1993 Digestでは、反射アルミニウム画素電極の配列の下にTFT、記憶コンデンサ、及び行と列のラインを配置して、解像度が400×200ピクセル、ピクセル・サイズが50μm×55μm、アパーチャ率が84%のa−Si:H TFTがアドレスするライト・バルブを設けることにより、大きな光学的活性領域が得られる。
【0005】A.O’Hara、外が発表した主題「Mirror quality and efficiency improvements of reflective spatial light modulators by theuse of dielectric coatings and chemnical−mechanical polishing」、Applied Optics、32,5549(1993)では、ミラーの表面を二酸化ケイ素で塗膜するか、叉はアルミニウムを付着させてミラーを形成する前に下の二酸化ケイ素を化学的・機械的に研磨することによって、空間光変調素子の鏡質が改善された。
【0006】フラット・パネル・ディスプレイでは、数ミクロンのサイズのプラスチック球体が不規則に液晶素子間隙の中に分散し、スペーサとして機能する。使用されるピクセル・サイズが非常に小さい場合は(1辺が17μm)、単一のスペーサ・ボールが有効なミラー領域の4%をブロックするので、これは実用的ではない。なぜなら、4ビット・グレー・スケールでは最下位ビットが6%に相当し、球体が集まってしまうとミラーの遮光が更に厳しくなる可能性があるからである。
【0007】前面ガラスに硬質のSiO2スペーサを形成することについては、J.Glueck、外が「Color−TV projection with fast−switching reflective HAN mode lightvalves」、頁277、SID 1992 Digest、及びJ.Glueck、外が前述の頁299、SID 1993 Digestで発表している。前述のT.S.Te Veldeによる米国特許第4,999,619号では、フォトリソグラフ及びエッチングによりマグネシウム酸化物の層から形成されたスペーサ、叉はポストについて説明している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に基づき、光変調のための空間光変調素子配列、及びその製作について説明する。これは、半導体基板上の絶縁体層の上の個々のミラーの上に配置された複数の液晶素子と、半導体の中に形成され、液晶素子にそれぞれ結合され、そこを透過する光を変調するための複数の電気回路と、ミラーに関連して配置されパターン化された反射体・吸収体層とで構成される。反射体・吸収体層は、複数の電気回路を周囲光及び侵入光から光学的に遮蔽し、そのため反射体・吸収体層はミラーのエッジの上に重なるエッジをもち、周囲光及び侵入光の半導体基板への透過を約100,000分の1より小さく減衰させるオーバラップ領域を形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、空間光変調素子10の半分の断面図である。複数の空間光変調素子10が、例えば2048×2048ピクセルの配列11に同時に形成される。ピクセル・サイズは、1.4μmのリソグラフを使用して1辺が17μmである。液晶素子12が基板14の上に配置され、これは単結晶半導体もしくはSi叉はSiGeなどの絶縁体上半導体(SOI)であり、レベル間バイア(バイア又はスタッド17)により接続された複数の電気回路16(表示されていない)、多結晶シリコン層18及び20、ならびに金属層22を含む。液晶素子12は、液晶物質26、In−Sn酸化物(ITO)などの上部電極28、電極及びミラーとして機能する下部電極・ミラー30、ならびに上部電極28と下部電極30を分離するスペーサ32で構成される。スペーサ32は、すべての液晶素子12で必要なわけではない。反射体・吸収体層34は、空間光変調素子10の周囲光及び外から侵入し、下部電極・ミラー33と下部電極・ミラー30との間のようなミラー間の開口部、即ち間隙56を通り抜ける矢印54、58、59で示す光をブロック叉は減衰させ、光が半導体基板14中に透過することを防ぐ。
【0010】空間光変調素子10を全体的に説明すると、例えば熱酸化物などの絶縁体層36が基板14と多結晶シリコン層18との間に配置される。約650オングストロームの薄い絶縁体層38が、多結晶シリコン層18と20との間に配置される。絶縁体層40が、多結晶シリコン層20及び絶縁体層38と、又は多結晶シリコン層もしくは絶縁体層と、金属層22及び絶縁体層42との、又は金属層もしくは絶縁体層との間に配置される。絶縁体層38は多結晶シリコン層18の上に熱成長させる場合がある。絶縁体層40及び42は、化学蒸着(CVD)により、例えばTEOSを前駆ガスとして使用して形成される。図1に示すように、絶縁体層42は平坦化した上部表面43を設けるために化学的・機械的に研磨される。絶縁体層44は、同じ物質の絶縁体層42の上に形成される。絶縁体層46は、反射体・吸収体層34の上に形成され、反射体・吸収体層34と金属層24及び電極・ミラー30、又は金属層もしくは電極・ミラーとの間の間隙を充填する。絶縁体層46は、約7イプシロンの高い誘電率材料のシリコン窒化物であり、金属層24と反射体・吸収体層34との間にコンデンサ48を形成する。コンデンサ48は、多結晶シリコン層18、絶縁体層38及び多結晶シリコン層20で形成されるコンデンサ50と結合され(相互接続は表示されていない)、電極・ミラー30に電圧を保持する機能を果たす。反射体・吸収体層34は接地電位である。
【0011】反射式空間光変調素子10の機能的要件は次のとおりである。即ち、1)入射光(周辺光及び侵入光)からの半導体基板14の遮蔽、2)高い光学的スループット及びコントラスト、3)ピクセル記憶コンデンサ、及び4)ミラーを暗くするスペーサのない、液晶セルの厚さの厳密な制御である。図1に示すように、スペーサ32は電極・ミラー30を暗くしない。スペーサ32はピクセル毎に設置されるわけではなく、カバー・プレート52を下部電極・ミラー30から一定の距離に保つために必要な間隔で配置される。10ピクセルから400ピクセル毎に1つのスペーサが必要である。
【0012】図1に示す構造では、基板14中に電気回路16を形成する半導体素子は、電極・ミラー30及び反射体・吸収体層34の組合わせにより光から遮蔽される。電極・ミラー30及び反射体・吸収体層34のどちらも光を通さない、十分な厚さをもつ。液晶素子12及び隣接する液晶素子の電極・ミラー30と33(図1の30の左側に部分的に示される)との間の開口部56に入射する光即ち放射エネルギ−54及び58は、絶縁体層46に侵入し、反射体・吸収体層34の上部表面55と電極・ミラー30の下部表面との間で矢印59で示すように複数回反射して、絶縁体層44、42、40及び36、ならびに電気回路16(表示されていない)を含む半導体基板14に到達する。反射体・吸収体層34の上部表面55はTiNであり、この物体の反射率は青色光の20%から赤色光の65%までの間である。垂線に対して7度の角度で入射する赤色光は、反射光がスタッド17の周りの開口部57に到達するために、約100回の矢印59で示すような反射が必要であり、光度は10-19以下に減少、即ち減衰される。液晶素子12の配列の外では、被覆反射体・吸収体層34を使用して、半導体素子を入射光即ち放射エネルギ−54から保護する。
【0013】光学的スループットは、電極・ミラー30が占める空間光変調素子10の面積の割合、電極・ミラー30の反射率、及び電極・ミラー30の平坦さに依存する。電極・ミラー30のフィル・ファクタ(fill factor)は、隣接する電極ミラー30と33との間で確実にパターン化できる最小の空間により決定され、また使用できるリソグラフ及びパターン化技術に依存する。図1に示す空間光変調素子10では、電極・ミラーの直径、即ち幅叉はピクセル・サイズは1辺が17μmであり、電極・ミラー30間の公称間隔は1.7μmであり、電極・ミラー30のフィル・ファクタは81%である。スペースを小さくすることは可能だが、2,048×2,048ピクセルなど配列面積が非常に大きいために、電極・ミラー30同士が短絡する可能性が高くなる。電極・ミラー30はAl叉はAlの合金で作られるが、これはAlが最も反射率の高い金属の1つであるため、例えば平均で対象の波長に対して92%を反射するためである。また、半導体金属化にはAl−Cu合金が使用され、これは1973年4月に発行され、本願と同じ出願人に譲渡されたAmes、外による米国特許第3,725,309号などに記述されている。銅がアルミニウムに加えられ、その結果エレクトロマイグレーション特性を改善され、ヒロック(hillock)形成を減少させる。銀は例えば反射率が93%でわずかに高いが、酸化が速く、一般的な半導体製造プロセスに適しない。アルミニウムを使用する場合の欠点は、基板との熱膨張の不一致が原因で熱サイクル中にヒロックが形成されることである。金属層24の付着後の熱処理を制限すること、叉はアルミニウム粒子の大きさを制限することにより、このヒロック形成を最小にできる。金属層24の形成後の一般的なプロセス温度は400℃だが、これを例えば350℃に下げる。Al粒子の大きさは、金属層24の薄膜の厚さを制限するか、叉は合金付加物により小さくできる。Al薄膜の厚さを薄くし過ぎると、アニール処理後の薄膜の凝集が起こる可能性があり、これも反射率を減少させる。
【0014】図2は、さまざまな厚さのAlミラーの熱処理に対する反射率のグラフである。図2では、縦座標がパーセント単位の光の反射率(アニール処理されていない100nm Alに相対する)、及び横座標が30分間の熱処理の温度を表す。Alミラーは二酸化物ケイ素の上にTiを10nmの厚さに蒸着させ、その後Ti層の上にAlを蒸着させて形成した。Alを厚さ50nmに付着させたものは、曲線61から曲線63を構成する相互接続された黒円で表す。曲線61から曲線63は、それぞれ450nm、550nm、及び680nmの光の波長に対応する。厚さが100nmに付着されたAlは、曲線64から曲線66で結ばれた黒い四角で表示される。曲線64から曲線66は、それぞれ450nm、550nm、及び680nmの光の波長に対応する。厚さが150nmに付着されたAlは、図2の曲線67から曲線69で結ばれた黒い三角で表示される。曲線67から曲線69は、それぞれ450nm、550nm、及び680nmの光の波長に対応する。これらの結果に基づき、厚さ150nmのAlミラーで下に10nmのTi層を有するものが、密着性及び接触抵抗を改善するために採用された。AlとCuの合金では、低温のアニール処理でわずかに反射率が落ちるが、400℃のアニール処理の後では、純粋なAlの場合と比較してヒロック形成が減少するため、反射率が十分に改善される。
【0015】図3は、Alのアニール処理とAl(0.5重量%銅)合金のアニール処理に対する反射率のグラフである。図3では、縦座標は光の反射率を表し、横座標は200℃、350℃及び200℃、ならびに400℃及び200℃でのアニール処理を表し、各温度は1時間持続する。曲線71から曲線73は、黒い三角、四角、丸でそれぞれ結ばれ、二酸化ケイ素の層、その上の10nmのTi層、及びそのTi被覆層の上に177nmのAl被覆層が形成されたもののデータである。曲線74から曲線76は、白い三角、四角、円の枠でそれぞれ結ばれ、二酸化ケイ素の層、その上の10nmのTi層、及びそのTi被覆層の上に173nmのAl(0.5重量%Cu)被覆層が形成されたもののデータである。曲線71及び曲線74は、450nmの光(青)の反射率を示す。曲線72及び曲線75は、550nmの光(緑)の反射率を示す。曲線73及び曲線76は、625nmの光(赤)の反射率を示す。バルクAlは、約92%の反射率である。図3に曲線71から曲線73で示すように、400℃で1時間のアニール温度及び200℃で1時間のアニール温度では、反射率は87%以下に落ちる。曲線74から曲線76では、上記のアニール温度と時間において反射率は約0.5%から0.8%のわずかな減退しか示さず、曲線74から曲線76で示された反射率は、89.3%以上に保たれている。この反射率の良さは、Al(0.5重量%Cu)薄膜の400℃でのアニール処理の間に形成されるヒロックが少ないことに起因する。
【0016】ミラーの平面度は、ミラーが形成される表面の平坦さに依存する。駆動要素を含む半導体基板上の平坦化されたミラーには、化学的・機械的研磨(CMP)した絶縁体層が使用される。図1でパターン化されている金属層22の上に絶縁体層42が形成され、これが研磨されて図1に示す反射体・吸収体層34の下の平坦な表面となる。化学的・機械的研磨は、平坦な絶縁体層46及び電極・ミラー30の形成に非常に適しており、この形成後の光学的パターン(OP)及びコンデンサ(C)試験構造での反射率の結果を図4に示す。
【0017】図4は、光学的試験構造C1、OP2、及びOP3に対する反射率のグラフであり、下部に存在する集積回路及び相互接続に起因する反射率の許容できる減少率を示す。図4では、縦座標は反射率(絶対パーセント)を表し、横座標は3つの試験構造、即ちC1、OP2、及びOP3を表す。試験構造C1は、図1に示すように、基板14、絶縁体層36、42、44、及び46、ならびに下部電極・ミラー層で構成され、下部電極・ミラー層は下部に存在する形状のない、即ちすべてが被覆層の領域に150nm Al被覆ミラーを構成する。試験構造OP2は、図1に示すように、基板14、絶縁体層36、40、42、44及び46、被覆金属層22、スタッド17、パターン化された17μmのグリッド上の反射体・吸収体層34、ならびに厚さ150nmのAlの被覆層を構成する下部電極・ミラー30からなる。試験構造OP3は、OP2と同じ構造を取るが、金属層22も17μmのグリッド上にパターン化され、被覆電極・ミラー30の下に典型的な電気的相互接続を行う点が異なる。曲線81から曲線83は1つのサンプル・ウェハーを表し、曲線84から曲線86は第2のサンプル・ウェハーを表す。黒い三角、四角、及び丸は、それぞれ光又は放射エネルギーの波長が450nm(青)、550nm(緑)、及び620nm(赤)の曲線81から曲線83に対応する。白い三角、四角、及び丸は、それぞれ光又は放射エネルギ−の波長が450nm、550nm、及び620nmの曲線84から曲線86に対応する。図4に示すように、トポロジーの増加は絶対反射率に影響し、どの試験サンプルも反射率は89.1%を下回らない。最も低い反射率は、620nm(赤色光)の曲線83及び曲線86である。試験構造OP2及びOP3のスタッド17、パターン化された金属層22、及び反射体・吸収体層34は、光の波長に応じて反射率を約0.3%から1%減少させた。反射率の減少の主要因は、おそらくスタッド17の上の電極・ミラー30により形成された圧縮箇所、すなわち「窪み」であり、これはスタッド17の充填に使用されたW層のCMP平坦化の最中にへこんだものである。
【0018】空間光変調素子10のコントラスト率は、画素電極・ミラー30と33との間の露出した反射体・吸収体層34から反射される光により劣化する。これは、反射体・吸収体層34の反射率を最大限減少させるべき追加要因である。コントラストは、使用される液晶モード及びピクセル間に存在する電界にも依存する。なぜならば、反射光がイメージの一部として現れるためには、反射光が適切な偏光をもつ必要があるからである。反射体・吸収体層の上のSi34の絶縁体層46も、所定の光の波長に対して弱め合う干渉が起こるように、例えば4分の1波長などに厚さを調整できる。
【0019】半導体素子プロセスの変更及びピクセル・サイズを最小にするために、ピクセル記憶コンデンサの重要部分を、金属化層中の反射体・吸収体層34と画素電極・ミラー30との間に組込んだ。反射体・吸収体層34は、固定ポテンシャルに接続され、更に反射体・吸収体層34は、ピクセル毎に約230μm2ある電極・ミラー30とのオーバラップ領域に接続される。この領域は、ピクセル・コンデンサの一部である。Si34の層が、絶縁体として使用される。これは、Si34の誘電率の約7が、SiO2の誘電率の約4.1より高いためである。この構造の0.5&3cm2の大領域コンデンサは、約14nF/cm2の値をもつ。データがリフレッシュされたり更新されるまで、望ましい数のグレー・レベルが得られるように液晶素子12間の電圧をかなり正確に保つために、十分なピクセル記憶コンデンサが必要である。
【0020】高いコントラストと良好な均一性を得るには、液晶素子12の厚さの絶対値と均一性を正確に制御することが必要である。望ましいデバイス間隙は、使用される液晶物質26、選択された液晶モード、及び光の波長により決定される。液晶素子12の間隙は、ミラー上に付着され、及びミラーの隅にスペーサ・ポストを残すようにパターン化された、適切な厚みをもつSiO2の均一被覆層により決定される。使用されるスペーサ・ポスト32の密度は、有限要素ストレス・モデリングから決定され、スペーサ・ポスト32の間は約70μmから140μmの範囲である。液晶物質26はスペーサ・ポスト32の周りでは正しく配列されず、この配列不具合がコントラスト率を減少させ、また配列不具合は反射光がディスプレイ画面に投射されるときにイメージに現れるので、スペーサの数即ち密度を最小にすることが望ましい。
【0021】図1に示した空間光変調素子10の製作方法を、図5から図10を参照して説明する。図5から図1010は、各種のプロセス・ステップが実施された後の、部分的に形成された空間光変調素子10の断面図である。図5から図10では、図1の構造体に対応する機能について類似参照を行う。半導体基板14で半導体素子プロセスが完了した後で、フォトリソグラフィによりリフトオフ・ステンシル(stencil)がパターン化され、Si層、次に0.7μmのAl(Cu)が蒸着され、次にリフトオフ・ステンシルが適切な溶剤で除去され、この結果目的の領域に金属化層が残る。Si層は、Siが素子からAlの中に溶解すること、及びこの後の熱処理中の接点領域の突出を防ぐために必要である。金属層22の下の個別のSi層は、図1叉は図5では表示されていない。金属層22のリフトオフが完了してパターン化層90が形成された後で、例えば二酸化ケイ素等の厚さが共形的である絶縁体層42が、図5に示すように付着される。
【0022】次のプロセス・ステップは、平面的即ち平坦な表面をもつ反射体・吸収体層24を絶縁体層42の上に形成するための、絶縁体層42の化学的・機械的研磨(CMP)である。形状は一般的な超大型集積回路(VLSI)より大きい場合があり、チップ・サイズは非常に大きくなる。
【0023】図6に示すように、単一のCMPステップが使用され、Si素子及びパターン化された層90の両方から同時に立上がる形状になっている絶縁体層42を平面化する。形状変化が通常より大きいので、平面化は難しい。チップ・サイズが大きいことにより、2つの問題が生じる。即ち、グローバルな平面化を必要とする面積が大きくなること、及び異なるパターン密度をもつ領域が増えることである。これを詳しく説明すると、チップは多結晶シリコン層18及び20ならびにパターン化層90の高密度の配列などの領域を含み、一方で接点領域は同じようなパターン化層90の密度だが、限定された多結晶シリコン層18及び20だけを含み、更に場所によってはこれらの層を何も含まない。これらの領域が非常に大きいときは、研磨パッドはそれらを「橋絡」できず、グローバルな平面化が困難叉は不可能になる。この問題は、「ダミー」の多結晶シリコン層18及び20ならびにパターン化層90形状をチップ設計の間に追加し、その結果、グローバルな平面化を達成するために十分に小さい領域で、パターン密度を十分均一にすることで解決させる。CMPの端点では、約500nmの二酸化ケイ素などの絶縁体が、最も高いパターン化層90形状の上に残る。
【0024】次に図6を参照すると、約200nmの絶縁体層44が絶縁体層42の上部表面43の上に形成、又は付着され、絶縁体層42中のさまざまなピン・ホール、及びスクラッチにより露出されたパターン化層90の導体に対する保護となる。パターン化層90から近くの被覆反射体・吸収体層34への露出短絡は障害の原因となるので、絶縁体層44が高い歩留まりを達成するための重要なステップであることが判明した。
【0025】反射体・吸収体層34は、10nm Ti、100nm Al(Cu)、及び50nm TiNのスパッタ付着、ならびに反応性イオン・エッチング(RIE)によるパターン化で形成される。図7に示す層34の一部である下部Ti層92は、密着性及び接触抵抗を改善するために使用され、図7に示す層34の一部である上部即ち表面TiN層94は、反射防止コーティングとして使用される。金属化層のバルクはAl(Cu)層93であり、金属層92から金属層94は、RIEによりパターン化される。TiN層94がAl(Cu)層93の上に設けられ、反射を減らし、その結果微細な形状がフォトリソグラフィによりパターン化できる。低い赤色光反射率が望ましい場合でも、既に必要なプロセス・ステップが使用できたので、窒化チタンが反射体・吸収体層34の表面に使用された。1つの可能性は、炭素をTiNへ追加することである。即ち、B.Karlssonが「Optical Constants and Spectral Selectivity of Titanium Carbonitrides」、Thin Solid Filmsの頁181、87(1982)の中で、TiN0.330.67では、対象のすべての波長について約30%の反射率が得られると発表した。反射体・吸収体層34がパターン化された後で、400nmから500nmのSi34の層が付着され、図7に示すような絶縁体層46を形成する。絶縁体層46の厚さは、反射体・吸収体層34と電極・ミラー30との間の静電容量を大きくするために必要なできるだけ薄い層と、反射体・吸収体層34と電極・ミラー30の欠陥及び短絡の可能性を減少させるために必要なできるだけ厚い層との妥協点である。
【0026】次のステップは、バイア・マスクV1を使用したスタッド17のための、Si34層及びSiO2のパターン化層90までのパターン化である。エッチングの深さは、パターン化層90上のSiO2厚みの変化を補正するために適切な深さである必要がある。スタッド17は、Ti及びTiNライナー層をスパッタリングし、化学蒸着(CVD)W層を成長させてタングステンで形成し、CMPにより形状外の余分なWを除去する。Si34に対してWの研磨率が高く、CMP中に生じる図8の表面96に示すような「皿状のへこみ」のため、反射体・吸収体層34開口部とほとんど同じ幅の「窪み」が形成される場合がある。
【0027】電極・ミラー30は、10nmのTiの後に150nmのAl、Al(Cu)、叉は他の合金を蒸着叉はスパッタリングして形成される。Ti層は、密着性及び接触抵抗の改善のために使用される。電極・ミラー層30の反射率が高いためにフォトリソグラフィが難しく、これは次に図9に示すようにRIEによりパターン化される。ウェハー上に二酸化ケイ素の層を3μmより厚く付着させることにより、固定スペーサ・ポスト32が形成される。使用される紫外線(UV)の反射率が、露出されたTiN層とAl層との間での変動が甚だしいため、スペーサ32をパターン化するフォトリソグラフィ・プロセスは複雑である。スペーサ32の高さの均一性は、液晶素子12の性能にとって非常に重要なので、SiO2付着プロセスは、2%(1シグマ)より良い均一性を与えるように最適化された。被覆SiO2層31は、低いSi34エッチング率になるように調整されたプロセスのRIEによりパターン化され、その結果、要求されるオーバ・エッチングは電極・ミラー30と33との間の間隙56で反射体・吸収体層34を露出させない。最後のプロセス・ステップはターミナル・バイア(TV)エッチングであり、ここでは図10のパターン化層90接点(表示されていない)及び試験パッド(表示されていない)の上のSi34及びSiO2層を除去する。
【0028】上記の説明叉は図で取り上げなかった詳細の1つは、電気的接点を配列の外の反射体・吸収体層34に対して形成する方法である。バイア又はスタッド17より小さい反射体・吸収体層34の開口部57の組合せを使用して、パターン化層90叉は電極・ミラー30から反射体・吸収体層34への相互接続が形成できる。なぜなら、反射体・吸収体層34は100nmのAl(Cu)を含み、これがバイア即ちスタッド17の開口部をパターン化するときにエッチング・ストップとして作用するためである。この方法で唯一難しい点は、バイア17開口部エッチングがAl層で止まらない場合である。この場合、エッジ接点だけが形成される。この理由により、反射体・吸収体層34への必要な接点数が限定されているので、設計規則では、性能に影響しない反射体・吸収体層34の冗長な電気的接点が要求される。
【0029】図11は、液晶物質26、上部電極28及びガラス・カバー・プレート29を設けない、図1に示す空間光変調素子10の配列11の走査電子顕微鏡写真である。いくつかのAlヒロックが電極・ミラー30上に顕在する。2つのスペーサ・ポストが行方向に6行、及び列方向に6列の間隔を空けて配置されているのが示されている。各電極・ミラー30の窪みは、バイア即ちスタッド17によるものであり、電極・ミラー30の下のタングステン・スタッド17の上部による電子散乱の増加によりはっきり見える。最も明るい領域は、タングステン・スタッド17を形成するWに相当し、周囲のかすかに暗い領域は、図1及び図11に示すSi34の厚さだけ減少した反射体・吸収体層開口部に相当する。
【0030】より小さいピクセル・サイズ及び空間光変調素子配列外で相互接続のための金属の第2のレベルをサポートする代替プロセスを、図12から図17に示す。図12から図17は、空間光変調素子配列10を製造する選択的プロセス・ステップ後の断面図である。図1212から図17では、図1の構造体に対応する機能に類似参照が行われる。
【0031】Si素子から始めて、合計8個のマスクが必要である(3つの金属レベル、3つのバイア/スタッド・レベル、及び2つの絶縁体レベル)。図12のS1レベルで始まり、反射体・吸収体層34が図13に示すようにパターン化され、空間光変調素子配列10の中では反射体・吸収体層34として機能し、空間光変調素子10の配列領域の外ではM2配線として機能する。反射体・吸収体層34上の平面化されたSiO2はSi34絶縁体層46で覆われ、これは図17に示すように、スペーサ・ポスト32を形成する絶縁体層32のエッチングのときに、ミラー間のエッチング・ストップとして使用される。空間光変調素子配列10の内部で、最も効果的な光遮蔽を行うために、図15に示すようにS1スタッド上にS2スタッドが直接積層される。代替方法として、2つのスタッドの間にM2セグメントを入れることができるが、これはM2/AR層に大きな切断を要し、ここから下の半導体基板に光が透過しやすくなる。Al叉はAl(Cu)の付着及びパターン化により、図16に示すようにM3ミラー層が形成される。改良されたリソグラフィでは、ピクセル間間隔を減少させて、小さいピクセル・サイズでも高いフィル・ファクタを得ることができる。M2が配線に使用される配列の外側の光ブロック層として、M3ミラーが使用され、叉は液晶グルー・シール領域の外側で、電気的接点が形成された後のパッケージング中に不透明ポリマーを塗布することもできる。最後の2つのリソグラフィック・ステップは、SiO2スペーサの形成、ならびにM2接点及び試験パッドの露出である。このプロセスの重要な利点の1つは、M2が配線のために配列の外側で使用可能な点である。この結果、チップ上のデータ・ドライバの統合が可能となる。
【0032】反射型液晶をベースにした、2048×2048ピクセルの空間光変調素子配列について説明した。配列は、半導体基板上の絶縁体層の上の個々のミラーの上に配置された複数の液晶素子と、液晶素子に電圧を印加して液晶素子を透過する光を変調するために半導体基板の中に形成された複数の電気回路と、電気回路を含む半導体基板に光が侵入することを遮蔽叉はブロックするために、ミラーに関連付けて配置されパターン化された反射体・吸収体層とを含む。ここで、反射体・吸収体層は、ミラーのエッジに重なるエッジを有し、それがオーバラップ領域を形成して周囲光が半導体基板に侵入するのを減少させ、更に個々の液晶素子の下部電極として機能するミラー上の電圧を維持するためのコンデンサとなる。
【0033】図1に示す空間光変調素子配列10を製作するための、標準の半導体製造ツールを使用した6つのマスク・プロセス(Si素子プロセス後)を説明した。上記で説明したように、空間光変調素子10は次の要件を満足する。即ち、1)入射光からのSiの遮蔽、2)高い光学的スループット及びコントラスト、3)ピクセル記憶コンデンサの形成、4)ミラーを暗くするスペーサのない、液晶セルの厚さの厳密な制御である。空間光変調素子配列のピクセル・サイズは、図5から図10で説明したプロセス・フローを使用すると、1辺が15.6μmより大きくなり、図12から図17で説明した更に高度なプロセスではもっと小さなピクセルになる。
【0034】液晶素子、電気回路、ならびに電気回路への光の干渉を防ぐための電極・ミラー及び反射体・吸収体層を含む、空間光変調素子配列について図示して説明したが、前記特許請求の範囲で限定した本発明の広い範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることは、当分野に知識をもつ当業者には明かである。
【0035】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0036】(1) イメージを形成するために光を変調する空間光変調素子配列であって、(a) 半導体基板上の絶縁体層上の個々のミラー上に配置された複数の液晶素子と(b) 前記半導体基板の中に形成され、前記液晶素子のそれぞれに結合され、前 記液晶素子の電極に電圧を印加するための複数の電気回路と、(c) 前記複数の電気回路を周囲光から遮蔽するために前記ミラーに関連付けて配置され、パターン化された反射体・吸収体層であって、前記半導体基板に透過する周囲光を減らすためのオーバラップ領域を形成するために、前記ミラーのエッジに重なるエッジを有する反射体・吸収体層と、を含む空間光変調素子配列。
(2) 前記反射体・吸収体層が前記ミラーの前記エッジに少なくとも5.4μm重なる、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(3) 前記ミラーが金属層で形成され、前記金属層がAg、Al及びそれらの合金からなるグループ中から選択される、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(4) 前記ミラーが十分に平坦な上部表面を備える支持層を有し、前記ミラーが前記支持層の前記十分に平坦な上部表面上に光を反射するための個々の金属層を含む、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(5) 前記支持層が前記金属層との電気的接続のための絶縁物質及び電気的バイアを含む、(4)に記載の空間光変調素子配列。
(6) 前記複数の液晶素子が、前記個々のミラーの上に形成された開口部を有する絶縁体層により決定される厚みを保持する、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(7) 前記絶縁体層がSiO2、Si34、ダイアモンド状炭素、及びポリアミドからなるグループ中から選択された物質を含む、(6)に記載の空間光変調素子配列。
(8) 前記個々のミラーが前記複数の液晶素子の下部電極を形成し、更に前記複数の電気回路の個々の出力と電気的に結合する、(6)に記載の空間光変調素子配列。
(9) 前記反射体・吸収体層がAl、Cr−Crxy、Ti、TiN、及びTiNxyのいずれかからなるグループの中から選択される、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(10) 前記反射体・吸収体層が伝導体であり、更に前記反射体・吸収体層が、前記ミラーに達する電気的バイアのための開口部を有する被覆層を前記半導体基板上に形成する、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(11) 前記電気回路が相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路を含む、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(12) 各前記ミラー及び前記反射体・吸収体層が少なくとも0.03pfのコンデンサを形成する、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(13) 前記液晶素子が、ほぼ17ミクロン以下のピッチで行と列の2方向のそれぞれに配置される、(1)に記載の空間光変調素子配列。
(14) 空間光変調素子配列を形成する方法であって、(a) 後に形成される液晶素子と個々に相互接続するために、半導体基板内に配 列する複数の電気回路を形成するステップと、(b) 前記複数の電気回路の上に1つ以上の相互接続層を形成するステップと、(c) 前記電気回路及び前記相互接続層の上に第1の絶縁体層を形成するステッ プと、(d) 前記第1の絶縁体層上に十分平坦な上部表面を設けるために前記第1の絶 縁体層を平面化するステップと、(e) 前記複数の電気回路を周囲光から遮蔽するために、後に形成される液晶素子に関連して配置されてパターン化される伝導物質の反射体・吸収体層を形成するステップと、(f) 前記パターン化された反射体・吸収体層の上に第2の絶縁体層を形成する テップと、(g) 後に形成されるミラーとの電気的接続のために前記第2の絶縁体層を貫く スタッドを形成するステップと、(h) 前記複数の液晶素子の下部電極を形成するために、前記絶縁体層上にパターン化された複数のミラーを形成するステップであって、前記ミラーが前記反射体・吸収体層に重なり、前記重なったミラーに相当するコンデンサを形成し、更に前記反射体・吸収体と前記ミラーとの間を往復する光を減衰させるものであるステップと、(i) 前記複数のミラー中の選択されたミラー間に配置する複数のスペーサを形成するステップと、(j) 液晶物質の層を塗布するステップと、(k) 前記液晶物質の層を配向するステップと、(l) 前記複数の液晶素子を形成するために前記複数のミラーの上部電極を形成するステップと、を含む方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例を示す断面図である。
【図2】さまざまな厚さのアルミニウム・ミラーの熱処理に対する反射率を示すグラフである。
【図3】アルミニウム及びアルミニウム(0.5重量%銅)合金のアニール処理温度に対する反射率を示すグラフである。
【図4】光学的試験構造C1、OP2、及びOP3の反射率を示すグラフである。
【図5】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図6】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図7】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図8】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図9】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図10】図1に示す実施例を作成するための選択的プロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図11】図10に示す構造の走査電子顕微鏡写真の上面図である。
【図12】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後の断面図である。
【図13】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図14】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図15】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図16】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後を示す断面図である。
【図17】本発明の代替実施例の製作のための各種のプロセス・ステップ後を示す断面図である。
【符号の説明】
10 空間光変調素子の1/2
12 液晶素子
14 基板
17 スタッド
18 多結晶シリコン
20 多結晶シリコン
22 金属層
24 金属層又は下部電極・ミラー
26 液晶材料
28 上部電極
29 ガラス・カバー・プレート
30 金属層又は下部電極・ミラー
32 スペーサ
33 金属層又は下部電極・ミラー
34 反射体・吸収体層
36 絶縁体層
38 薄い絶縁体層
40 絶縁体層
42 絶縁体層
43 絶縁体層42の表面
44 絶縁体層
46 絶縁体層
48 コンデンサ
50 コンデンサ
52 カバー・プレート
54、58、59 周囲光、侵入光
55 反射体・吸収体層の表面
56 開口部又はギャップ
57 開口部
61 相対光反射率、50nmAl層、10nmTi層、450nm波長
62 相対光反射率、50nmAl層、10nmTi層、550nm波長
63 相対光反射率、50nmAl層、10nmTi層、680nm波長
64 相対光反射率、100nmAl層、10nmTi層、450nm波長
65 相対光反射率、100nmAl層、10nmTi層、550nm波長
66 相対光反射率、100nmAl層、10nmTi層、680nm波長
67 相対光反射率、150nmAl層、10nmTi層、450nm波長
68 相対光反射率、150nmAl層、10nmTi層、550nm波長
69 相対光反射率、150nmAl層、10nmTi層、680nm波長
71 絶対光反射率、177nmAl層、10nmTi層、450nm波長
72 絶対光反射率、177nmAl層、10nmTi層、550nm波長
73 絶対光反射率、177nmAl層、10nmTi層、625nm波長
74 絶対光反射率、173nmAl層(0.5重量%cu)、10nmTi層、450nm波長
75 絶対光反射率、173nmAl層(0.5重量%cu)、10nmTi層、550nm波長
76 絶対光反射率、173nmAl層(0.5重量%cu)、10nmTi層、625nm波長
81 絶対光反射率、第1サンプル・ウェハー上の試験構造、450nm波長
82 絶対光反射率、第1サンプル・ウェハー上の試験構造、550nm波長
83 絶対光反射率、第1サンプル・ウェハー上の試験構造、620nm波長
84 絶対光反射率、第2サンプル・ウェハー上の試験構造、450nm波長
85 絶対光反射率、第2サンプル・ウェハー上の試験構造、550nm波長
86 絶対光反射率、第2サンプル・ウェハー上の試験構造、620nm波長
90 パターン化された金属層
92 下部Ti層

【特許請求の範囲】
【請求項1】イメージを形成するために光を変調する空間光変調素子配列であって、半導体基板上の絶縁体層上の個々のミラーを含む複数の液晶素子と、前記半導体基板に形成され、前記液晶素子のそれぞれに結合され、前記液晶素子の電極に電圧を印加するための複数の電気回路と、前記液晶素子の少なくとも一つは反射体・吸収体層を有し、前記反射体・吸収体層は前記複数の電気回路をシールドし、前記液晶素子の電極及び誘電体層とともにキャパシタを形成するように配置され、前記液晶素子の電極を過ぎた光が前記液晶素子の電極と前記反射体・吸収体層との間で複数回反射して減衰し、前記半導体基板に届く光が減少するように、前記反射体・吸収体層は部分的に前記液晶素子の電極と重なり、前記反射体・吸収体層は導電体層と、前記導電体層上であって前記反射体・吸収体層の表面に形成された光反射抑制層と、を有し、前記光反射抑制層は、TiN及びTiNからなる群から選択された材料で形成されている、空間光変調素子配列。
【請求項2】イメージを形成するために光を変調する空間光変調素子配列であって、複数の液晶素子と、半導体基板に形成され、前記液晶素子のそれぞれに結合され、前記液晶素子のトップ及びボトム電極に電圧を印加するための複数の電気回路と、を有し、前記液晶素子のそれぞれは、ミラー層と反射体・吸収体層とを有し、前記ミラー層と反射体・吸収体層とは誘電体層によって分離され、第1のコンデンサを形成し、前記ミラー層は前記第1のコンデンサの上部電極として機能し、前記反射体・吸収体層は下部電極として機能し、前記反射体・吸収体層は、前記複数の電気回路を周囲光からシールドするように配置及びパターングされており、前記反射体・吸収体層は、前記半導体基板に透過する周囲光を減らすためのオーバラップ領域を形成するために、前記ミラー層のエッジに重なるエッジを有し、前記ミラー層は前記液晶素子のボトム電極として機能し、前記液晶素子のそれぞれは、前記第1のコンデンサよりも下に、前記第1のコンデンサとは異なる2つの導電層とその間に形成された誘電体層によって形成され、前記トップとボトム電極間の前記電圧を保持するための蓄積容量を与えるように前記第1のコンデンサに結合されている、第2のキャパシタを有する、空間光変調素子配列。
【請求項3】前記反射体・吸収体層は導電体層と、前記導電体層上であって前記反射体・吸収体層の表面に形成された光反射抑制層と、を有している、請求項2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項4】前記反射抑制層が、TiN及びTiNからなる群から選択された材料で形成される、請求項3に記載の空間光変調素子配列。
【請求項5】前記導電体層が、AlもしくはCuからなるグループの中から選択される、請求項1又は3に記載の空間光変調素子配列。
【請求項6】前記反射体・吸収体層が前記ミラー層の前記エッジに少なくとも5.4μm重なる、請求項2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項7】前記ミラーが十分に平坦な上部表面を備える支持層を有し、前記ミラーが前記支持層の前記十分に平坦な上部表面上に光を反射するための個々の金属層を含む、請求項1又は2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項8】前記支持層が前記金属層との電気的接続のための絶縁物質及び電気的バイアを含む、請求項7に記載の空間光変調素子配列。
【請求項9】前記反射体・吸収体層が、前記ミラーに達する電気的バイアのための開口部を有する被覆層を前記半導体基板上に形成する、請求項1に記載の空間光変調素子配列。
【請求項10】前記ミラーが金属層で形成され、前記金属層がAg、Al及びそれらの合金からなるグループから選択される、請求項1又は2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項11】前記第2のコンデンサは、2つの多結晶シリコン層と、前記2つの多結晶シリコン層の間に形成された絶縁体層とによって形成されている、請求項2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項12】前記第1のコンデンサの一部である絶縁体層は、窒化シリコンである、請求項2に記載の空間光変調素子配列。
【請求項13】空間光変調素子配列を形成する方法であって、後に形成される液晶素子と個々に相互接続するために、半導体基板内に配列する複数の電気回路を形成するステップと、前記複数の電気回路の上に1つ以上の相互接続層を形成するステップと、前記電気回路及び前記相互接続層の上に第1の絶縁体層を形成するステップと、前記第1の絶縁体層上に十分平坦な上部表面を設けるために前記第1の絶縁体層を平面化するステップと、前記複数の電気回路を周囲光から遮蔽するために、後に形成される液晶素子に関連して配置されてパターン化される伝導物質の反射体・吸収体層であって、導電性下層とその上部表面に、TiN及びTiNからなる群から選択された材料で形成される層を有する反射体・吸収体層、を形成するステップと、前記パターン化された反射体・吸収体層の上に第2の絶縁体層を形成するステップと、後に形成されるミラーとの電気的接続のために前記第2の絶縁体層を貫くスタッドを形成するステップと、前記複数の液晶素子の下部電極を形成するために、前記絶縁体層上にパターン化された複数のミラーを形成するステップであって、前記ミラーが前記反射体・吸収体層に重なり、前記重なったミラーに相当するコンデンサを形成し、更に前記反射体・吸収体と前記ミラーとの間を往復する光を減衰させるものであるステップと、前記複数のミラー中の選択されたミラー間に配置する複数のスペーサを形成するステップと、液晶物質の層を塗布するステップと、前記液晶物質の層を配向するステップと、前記複数の液晶素子を形成するために前記複数のミラーの上部電極を形成するステップと、を含む方法。
【請求項14】空間光変調素子配列を形成する方法であって、後に形成される液晶素子と個々に相互接続するために、半導体基板内に配列する複数の電気回路を形成するステップと、前記半導体基板の上にコンデンサを形成するステップと、前記複数の電気回路の上に1つ以上の相互接続層を形成するステップと、前記電気回路及び前記相互接続層の上に第1の絶縁体層を形成するステップと、前記第1の絶縁体層上に十分平坦な上部表面を設けるために前記第1の絶縁体層を平面化するステップと、前記複数の電気回路を周囲光から遮蔽するために、後に形成される液晶素子に関連して配置されてパターン化される伝導物質の反射体・吸収体層を形成するステップと、前記パターン化された反射体・吸収体層の上に第2の絶縁体層を形成するステップと、後に形成されるミラーとの電気的接続のために前記第2の絶縁体層を貫くスタッドを形成するステップと、前記複数の液晶素子の下部電極を形成するために、前記絶縁体層上にパターン化された複数のミラーを形成するステップであって、前記ミラーが前記反射体・吸収体層に重なり、前記重なったミラーに相当するコンデンサであって前記半導体基板上のコンデンサに結合された第2のコンデンサを形成し、更に前記反射体・吸収体と前記ミラーとの間を往復する光を減衰させるものであるステップと、前記複数のミラー中の選択されたミラー間に配置する複数のスペーサを形成するステップと、液晶物質の層を塗布するステップと、前記液晶物質の層を配向するステップと、前記複数の液晶素子を形成するために前記複数のミラーの上部電極を形成するステップと、を含む方法。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図12】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図4】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【特許番号】特許第3349332号(P3349332)
【登録日】平成14年9月13日(2002.9.13)
【発行日】平成14年11月25日(2002.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−64505
【出願日】平成8年3月21日(1996.3.21)
【公開番号】特開平8−304819
【公開日】平成8年11月22日(1996.11.22)
【審査請求日】平成11年12月1日(1999.12.1)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【参考文献】
【文献】特開 昭57−20778(JP,A)
【文献】特開 平8−166601(JP,A)
【文献】特開 平8−304853(JP,A)
【文献】特開 昭55−95980(JP,A)
【文献】特開 昭57−66472(JP,A)
【文献】特開 平2−245741(JP,A)
【文献】特開 平6−194690(JP,A)
【文献】特開 平8−122761(JP,A)