説明

反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ

【課題】複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする。
【解決手段】複数のレーザー光La,Lb,Lcが反射防止膜2をそれぞれ通過して光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに入射する入射角θに対応して各波長の1/cosθを見かけの波長λmとして算出した場合に、入射角θが0°である時の各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、入射角θが各NA(開口数)に従う最大入射角である時の各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、反射防止膜2の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズに選択的に入射させる際に、複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
音声信号,映像信号,データ信号などの各種の情報信号を高密度に記録及び/又は再生できる光ディスクは、光ディスクドライブ内に移動自在に設けた光ピックアップにより信号面上の所望の記録トラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
上記した光ピックアップは、光源となる半導体レーザーから出射したレーザー光を対物レンズにより絞り込んでレーザービームを得て、このレーザービームを光ディスクの信号面上の記録トラックにスポット状に照射し、且つ、信号面の反射膜で反射された戻り光を光センサにより検出して情報信号を再生している。
【0004】
尚、情報信号を光ディスクの信号面上に記録する場合にはレーザーパワーの強い記録用のレーザービームを信号面上に照射して、信号面上に成膜した記録層に情報信号を記録する一方、記録済みの情報信号を再生する場合にはレーザーパワーの弱い再生用のレーザービームを信号面上に照射して情報信号を読み取っている。
【0005】
ところで、一般的に、光ディスクや光通信に使う光学レンズは、レーザー光源から出射されたレーザー光を効率よく透過するために、レンズ曲面の表面に沿って反射防止膜がコーティングされており、本出願人は先にNA(開口数)が大きな光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って反射防止膜を少なくとも1層又は複数層を積層してコートする反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズを提案している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−145003号公報。
【0006】
図10は従来の反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズを説明するための図であり、(a)は単一のレーザー光を光学レンズに入射させる場合に反射防止膜を第1レンズ曲面の表面に沿って単層でコートした状態を示した断面図、(b)は(a)中の“イ部”を拡大して示した拡大図である。
【0007】
図10(a),(b)に示した従来の反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズは、上記した特許文献1(特開2004−145003号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して光学レンズ10の第1レンズ曲面10aの表面に沿って反射防止膜11を単層でコートした場合について説明する。
【0008】
図10(a),(b)に示した如く、従来の反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ10は、NA(開口数)を大きく設定した状態で光ディスクや光通信などのレーザー光学系に適用され、且つ、第1レンズ曲面10aの表面に沿って反射防止膜11が単層(1層)でコートされて、単一のレーザー光源(図示せず)から出射されたレーザー光Lに対して反射を防止している。
【0009】
この際、上記した光学レンズ(対物レンズ)10は、周知のDVD(Digital Versatile Disc)とか、DVDより更に高密度なBlu−ray Discのような記録密度の高い光ディスクに情報信号を記録及び/又は再生するための対物レンズに適用されると記載されているが、DVDに対応して波長が略650nm程度のレーザー光又はBlu−ray Discに対応して波長が略400nm程度のレーザー光のうちいずれか一方のレーザー光(単一のレーザー光)に対してのみ適用可能になっているので、DVD又はBlu−ray Discのいずれか一方の光ディスク用として光ピックアップ(図示せず)が構成されているものである。
【0010】
また、上記した光学レンズ10は、光学ガラス(又は透明樹脂)などを用いて形成されており、単一のレーザー光源(図示せず)から出射したレーザー光Lが入射する側に曲率半径が小さい第1レンズ曲面10aが形成され、且つ、光ディスク側に第1レンズ曲面10aより曲率半径が大きい第2レンズ曲面10bが形成されている。
【0011】
ここで、光学レンズ10の第1レンズ曲面10aの表面に沿って反射防止膜11を単層でコートするにあたって、一般的に、レーザー光Lを入射角0°で第1レンズ曲面10aに垂直に入射させた場合には、次のようにして反射防止膜11の膜厚を設定する。
【0012】
例えば反射防止膜11の膜厚をd、反射防止膜11の屈折率をN、使用するレーザー光Lの波長(使用波長)をλ、光学レンズ10の材料の屈折率をNgとすると、一般的に反射防止膜11を単層でコートする時には、下記の数式(1),(2)の両式を略満たすように、反射防止膜11の膜材料の屈折率Nと、反射防止膜11の膜厚dとを決定する必要がある
〔数1〕
位相条件として、N×d=λ/4 ……(1)
但し、N:反射防止膜の屈折率
d:反射防止膜の膜厚
λ:レーザー光の波長
【0013】
〔数2〕
振幅条件として、N=Ng1/2 ……(2)
但し、N:反射防止膜の屈折率
Ng:光学レンズの材料の屈折率
【0014】
この際、光学レンズ10に用いる材料として例えば光学ガラスなどを用いた場合に、光学ガラスの屈折率Ngが1.5〜2程度であれば、反射防止膜11の屈折率Nは上記した数式(2)より1.22〜1.4程度になる。そこで、反射防止膜11を単層でコートする時には、数式(1)と数式(2)とから下記の数式(3)を得て、この数式(3)に光学ガラスの屈折率Ngの値を代入すれば反射防止膜11の膜厚dを決定することができる。
【0015】
〔数3〕
d=λ/(4×Ng1/2) ……(3)
但し、d:反射防止膜の膜厚
λ:レーザー光の波長
Ng:光学レンズの材料の屈折率
【0016】
この際、反射防止膜11の屈折率Nは連続して可変できないし、屈折率の低い反射防止膜材料もあまりない。そこで、一般的にはできるだけ低い屈折率で、かつ丈夫な反射防止膜11ができるフッ化マグネシウム(MgF)を用いており、このフッ化マグネシウム(MgF)の屈折率Ngは1.38程度である。
【0017】
また、上記した数式(1)中のN×dは、反射防止膜11の表面で反射するレーザー光Lと、光学レンズ10の第1レンズ曲面10aで反射するレーザー光Lとの光路差の1/2で、これが使用するレーザー光Lの波長λの1/4になるように反射防止膜11の膜厚dを決めれば良いものであるが、上記したように、DVDやBlu−ray Discのような記録密度の高い光ディスクに適用される光学レンズ(対物レンズ)10は、NA(開口数)が大きいためにレーザー光源からのレーザー光Lが入射する側の第1レンズ曲面10aの外周部の傾斜がきついために、対物レンズ10の第1レンズ曲面10aの表面に沿って反射防止膜11をコートした時に、第1レンズ曲面10aの外周部にコートした反射防止膜11の膜厚が前記した各数式(1)〜(3)よって求めた所定の膜厚dより薄くなり、反射防止膜11の外周部でレーザー光Lの光透過率が低下してしまい、全体の透過光量が減るので、これを対策するために、前記した数式(3)において、使用するレーザー光Lの波長λを反射防止膜11の膜厚設計時のレーザー光Lへの設計基準波長λに入れ替えることで、反射防止膜11を単層でコートする時には反射防止膜11の膜厚dに対して下記する数式(4)を略満たすように設定している。
【0018】
〔数4〕
d=λ/(4×Ng1/2) ……(4)
但し、d:反射防止膜の膜厚
λ:反射防止膜の膜厚設計時のレーザー光への設計基準波長
Ng:光学レンズの材料の屈折率
【0019】
ここで、反射防止膜11の膜厚設計時のレーザー光Lへの設計基準波長λを求めるにあたって、光学レンズ10に対して外周部の傾斜がきつい第1レンズ曲面10aの表面に沿って反射防止膜11を単層でコートする場合に、レーザー光Lが光学レンズ10の第1レンズ曲面10aに入射する入射角θの位置の膜厚d’は、下記の数式(5)に略沿うことが実験結果から既に判明している。
【0020】
〔数5〕
d’=d×cosθ ……(5)
【0021】
即ち、レーザー光Lの光学レンズ10の第1レンズ曲面10aへの入射角θの位置の膜厚d’がレンズ中心部の膜厚dのcosθ倍になるということは、使用するレーザー光Lの波長λに対して入射角θの位置に対応したレーザー光Lの見かけの波長λmが1/cosθになるということと等価であり、下記の数式(6)が成立することになる。
【0022】
〔数6〕
λm=λ/cosθ ……(6)
但し、λm:見かけの波長
λ:レーザー光の波長
θ:レーザー光の第1レンズ曲面10aへの入射角
【0023】
そこで、従来の反射防止膜コート方法では、上記した見かけの波長λmの考え方を適用して、反射防止膜11の膜厚設計時の設計基準波長λを下記のように求めている。
【0024】
即ち、NA(開口数)が大きい光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って反射防止膜を単層でコートする反射防止膜コート方法において、レーザー光が反射防止膜を通過してレンズ曲面に入射する時の最小入射角θminに応じて求まるレーザー光Lの見かけの波長をλ=λ/cosθminとし、且つ、レーザー光が反射防止膜を通過してレンズの曲面に入射する時の最大入射角θmaxに応じて求まるレーザー光の見かけの波長をλ=λ/cosθmaxとした時に、反射防止膜の膜厚を設計する時の設計基準波長λを、 {(λ+λ)/2}×1.1から{(λ+λ)/2}×1.75の範囲内に設定している。
【0025】
これにより、上記の範囲内で設定された設計基準波長λを用いて算出した膜厚dでNA(開口数)が大きく外周部の傾斜がきつい光学レンズ10のレンズ曲面(第1レンズ曲面)10aの表面に沿って反射防止膜11を単層でコートすれば、単一なレーザー光Lに対して反射防止膜11は良好な光透過率を維持できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
ところで、上記した従来の反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ10の場合に、上記した見かけの波長λmの考え方を適用して、反射防止膜11の膜厚設計時の設計基準波長λを設定しているので、NA(開口数)が大きく外周部の傾斜がきつい光学レンズ10の場合でも、単一なレーザー光Lに対してレンズ曲面(第1レンズ曲面)10aの表面に沿って成膜した反射防止膜11は良好な光透過率を維持できるものの、ここでは前述したように、DVDに対応して波長が略650nm程度のレーザー光又はBlu−ray Discに対応して波長が略400nm程度のレーザー光のうちいずれか一方のレーザー光(単一のレーザー光)のみしか考慮されているにすぎない。
【0027】
一方、世の中には、DVDやBlu−ray Discのような記録密度の高い光ディスクの他に、比較的記録密度の低いCD(Compact Disc)もあり、Blu−ray Disc,DVD,CDなどの複数の光ディスクを一つの対物レンズを用いて互換記録再生可能な光ピックアップが検討されているが、この場合には波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って一つの光学レンズ(一つの対物レンズ)に選択的に入射させる必要があり、これに伴って、上記した見かけの波長λmの考え方を適用した場合に、複数のレーザー光に対して反射防止膜11の膜厚設計時の設計基準波長λの設定方法を再検討する必要性が生じている。
【0028】
そこで、波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズに選択的に入射させる際に、複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズに選択的に入射させる際に、前記複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を前記光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする反射防止膜コート方法であって、
前記反射防止膜の膜厚をd、前記複数のレーザー光に対して共通に設定される前記反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長をλ、前記光学レンズの屈折率をNgとし、d=λ/(4×Ng1/2)の式を略満たすように前記反射防止膜の膜厚dを設定するにあたって、
前記複数のレーザー光が前記反射防止膜をそれぞれ通過して前記レンズ曲面に入射する入射角θに対応して前記各波長の1/cosθを見かけの波長λmとして算出した場合に、前記入射角θが0°である時の前記各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、前記入射角θが前記各NA(開口数)に従う最大入射角である時の前記各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、
前記反射防止膜の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、
{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定することで前記した式から前記反射防止膜の膜厚dを得ることを特徴とする反射防止膜コート方法である。
【0030】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の反射防止膜コート方法を適用した光学レンズであって、
得られた膜厚dで前記反射防止膜を前記レンズ曲面の表面に沿って単層でコートしたことを特徴とする光学レンズである。
【発明の効果】
【0031】
請求項1記載の反射防止膜コート方法によると、波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズに選択的に入射させる際に、複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする反射防止膜コート方法であって、とくに、反射防止膜の膜厚をd、複数のレーザー光に対して共通に設定される反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長をλ、光学レンズの屈折率をNgとし、d=λ/(4×Ng1/2)の式を略満たすように反射防止膜の膜厚dを設定するにあたって、複数のレーザー光が反射防止膜をそれぞれ通過してレンズ曲面に入射する入射角θに対応して各波長の1/cosθを見かけの波長λmとして算出した場合に、入射角θが0°である時の各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、入射角θが各NA(開口数)に従う最大入射角である時の各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、反射防止膜の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、
{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定することで前記した式から前記反射防止膜の膜厚dを得ているので、複数のレーザー光のうちで波長が短いレーザー光Laに対応してNA(開口数)が大きく外周部の傾斜がきつい光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って反射防止膜を単層でコートしても、複数のレーザー光に対して反射防止膜は良好な光透過率を維持できる。
【0032】
更に、請求項2記載の光学レンズによると、上記した請求項1記載の反射防止膜コート方法を適用して得られた膜厚dで反射防止膜をレンズ曲面(第1レンズ曲面及び/又は第1レンズ曲面)の表面に沿って単層でコートしたため、上記と同様の効果が得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明に係る反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズの一実施例を図1〜図9を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0034】
図1は本発明に係る反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズを説明するための図であり、(a)は波長が異なる複数のレーザー光を光学レンズに選択的に入射させる場合に反射防止膜を第1レンズ曲面の表面に沿って単層でコートした状態を示した断面図、(b)は(a)中の“イ部”を拡大して示した拡大図である。
【0035】
図1(a),(b)に示した如く、本発明に係る反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ1は、波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って選択的に入射可能になっており、複数のレーザー光として例えば3種類のレーザー光La,Lb,Lcが用いられている。そして、3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対して反射を防止するための反射防止膜2が、従来と同じ材料であるフッ化マグネシウム(MgF)を用いて各レーザー光La,Lb,Lcの入射側となる第1レンズ曲面1aの表面に沿って単層(1層)でコートされている。
【0036】
尚、この実施例では、波長が異なる3種類のレーザー光La,Lb,Lcを選択的に入射させる光学レンズ1として、3種類のレーザー光La,Lb,Lcと対応した3種類の光ディスクを互換記録再生するための光ピックフアップ(図示せず)内に設けた対物レンズに適用した場合について説明するが、この対物レンズに限定されることなく、光通信分野でも複数のレーザー光を入射でき、且つ、複数のレーザー光のうちで波長が短いレーザー光に対応してNA(開口数)が大きな光学レンズにも適用できるものである。
【0037】
上記に伴って、光学レンズ1に選択的に入射される3種類のレーザー光La,Lb,Lcについて説明すると、まず、レーザー光Laは、Blu−ray Discに対応して使用波長が例えば408nmに設定されており、且つ、Blu−ray Discに対応して光学レンズ1へのNA(開口数)が0.85に設定されているので、光学レンズ1の第1レンズ曲面1aの外周部への最大入射角θa・maxは60°となっており、このレーザー光Laを不図示のレーザービーム入射面から略0.1mm隔てた位置に信号面があるBlu−ray Discに入射させている。
【0038】
次に、レーザー光Lbは、DVDに対応して使用波長が例えば650nmに設定されており、且つ、DVDに対応して光学レンズ1へのNA(開口数)が0.65に設定されているので、光学レンズ1の第1レンズ曲面1aの外周部への最大入射角θb・maxは48°となっており、このレーザー光Lbを不図示のレーザービーム入射面から略0.6mm隔てた位置に信号面があるDVDに入射させている。
【0039】
更に、レーザー光Lcは、CDに対応して使用波長が例えば780nmに設定されており、且つ、CDに対応して光学レンズ1へのNA(開口数)が0.45に設定されているので、光学レンズ1の第1レンズ曲面1aの外周部への最大入射角θc・maxは35°となっており、このレーザー光Lbを不図示のレーザービーム入射面から略1.2mm隔てた位置に信号面があるCDに入射させている。
【0040】
この際、3種類のレーザー光La,Lb,Lcは、各NA(開口数)に応じて光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに入射する時の光線高さが設定されるが、この時の光線高さは、La:Lb:Lc=1:0.76:0.53に設定されている。
【0041】
尚、この実施例では、3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対応してBlu−ray Disc,DVD,CDを適用しているが、これに限らず、2種類のレーザー光La,Lbに対応してBlu−ray Disc,DVDを適用しても良い。
【0042】
また、上記した光学レンズ1は、光学ガラス(又は透明樹脂)などを用いて形成されており、3種類のレーザー光源(図示せず)から出射した3種類のレーザー光La,Lb,Lcが選択に入射する側に曲率半径が小さい第1レンズ曲面1aが形成され、且つ、3種類の光ディスク側に第1レンズ曲面1aより曲率半径が大きい第2レンズ曲面1bが形成されている。この際、光学レンズ1の第1レンズ曲面1aはBlu−ray DiscへのNA(開口数)に対応してNA(開口数)が大きく設定されているために第1レンズ曲面1aの外周部の傾斜がきつくなっている。
【0043】
また、光学レンズ1の第2レンズ曲面1bは、各レーザー光La,Lb,Lcの出射側となるが、この第2レンズ曲面1b側も第1レンズ曲面1a側と同様に考えることができるので、第2レンズ曲面1bの表面に沿って必要に応じて反射防止膜(図示せず)をコートすれば良い。
【0044】
ここで、実施例の要部となる反射防止膜2の膜厚設計時の複数のレーザー光La,Lb,Lcへの設計基準波長λについて図2〜図9を用いて説明する。
【0045】
図2は3種類のレーザー光La,Lb,Lcの使用波長における見かけの波長をそれぞれ示した図、
図3は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=620nmの場合(λ=690nmに対して略0.9倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図4は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=690nmの場合における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図5は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=760nmの場合(λ=690nmに対して略1.1倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図6は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=830nmの場合(λ=690nmに対して略1.2倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図7は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=900nmの場合(λ=690nmに対して略1.3倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図8は3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=970nmの場合(λ=690nmに対して略1.4倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図、
図9は比較例として従来例により単一のレーザー光に対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=1070nmの場合、仮に3種類のレーザー光を通過させた時の反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【0046】
本発明に係る反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズ1では、波長が異なる3種類のレーザー光La,Lb,Lcを各波長に対応した各NA(開口数)に従って選択的に入射させる時に、3種類のレーザー光La,Lb,Lcのうちで波長が短いレーザー光Laに対応してNA(開口数)が大きく外周部の傾斜がきつい第1レンズ曲面1aの表面に沿って反射防止膜2を単層でコートするにあたって、先に従来技術で説明した数式(6)による見かけの波長λmの考え方を適用しているが、反射防止膜2の膜厚設計時の複数のレーザー光La,Lb,Lcへの設計基準波長λを求める計算式が従来例に対して異なっている。
【0047】
そして、この実施例では、下記する手順により反射防止膜2の膜厚設計時の複数のレーザー光La,Lb,Lcへの設計基準波長λを新たに求めて、ここで新たに得られた設計基準波長λを先に従来技術で説明した数式(4)に代入することにより、複数のレーザー光La,Lb,Lcに対して反射防止膜2の光透過率のバランスが最良となる反射防止膜2の膜厚dを設定している。
【0048】
即ち、光学レンズ1に選択的に入射する3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対して見かけの波長λmをそれぞれ求める場合に、まず、Blu−ray Discに対応して基準波長が例えば408nmのレーザー光Laを光学レンズ1へのNA(開口数)が0.85になる最大入射角60°まで、入射角θを0°,10°,20°,30°,40°,50°,60°にそれぞれ振って各入射角θにおける見かけの波長λmを、先に示した数式(6)に当てはめて計算すると、下記の表1に示した結果が得られ、この結果を図2のグラフに示している。
【表1】

【0049】
次に、DVDに対応して基準波長が例えば650nmのレーザー光Lbを光学レンズ1へのNA(開口数)が0.65になる最大入射角48°まで、入射角θを0°,10°,20°,30°,40°,48°にそれぞれ振って各入射角θにおける見かけの波長λmを、先に示した数式(6)に当てはめて計算すると、下記の表2に示した結果が得られ、この結果を図2のグラフに示している。
【表2】

【0050】
更に、CDに対応して基準波長が例えば780nmのレーザー光Lcを光学レンズ1へのNA(開口数)が0.45になる最大入射角35°まで、入射角θを0°,10°,20°,30°,35°にそれぞれ振って各入射角θにおける見かけの波長λmを、先に示した数式(6)に当てはめて計算すると、下記の表3に示した結果が得られ、この結果を図2のグラフに示している。
【表3】

【0051】
このように、光学レンズ1の第1レンズ曲面1aへの入射角θの位置により、3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する見かけの波長λmは非常に大きく変わる。
【0052】
そこで、本発明では、反射防止膜2の膜厚をd、3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対して共通して設定される反射防止膜2の膜厚設計時の設計基準波長をλ、光学レンズ1の屈折率をNgとし、先に数式(4)で示したd=λ/(4×Ng1/2)の式を略満たすように反射防止膜2の膜厚dを設定するにあたって、3種類のレーザー光La,Lb,Lcが反射防止膜2をそれぞれ通過してレンズ曲面(第1レンズ曲面)1aに入射する入射角θに対応して各波長の1/cosθを見かけの波長λmとして算出した場合に、入射角θが0°である時の各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、入射角θが各NA(開口数)に従う最大入射角である時の各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、反射防止膜2の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、
{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定している。
【0053】
具体的に説明すると、前述した表1〜表3及び図2において、各使用波長が408nm,650nm,780nmである3種類のレーザー光La,Lb,Lcが反射防止膜2をそれぞれ通過して光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに入射角θ=0°で入射した時の各見かけの波長λmは、各使用波長と同じ値の408nm,650nm,780nmとなり、これらのうちで最も短い見かけの波長λm・minは408nmである。
【0054】
一方、3種類のレーザー光La,Lb,Lcが反射防止膜2をそれぞれ通過して光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに各NA0.85,0.65,0.45に対応した入射角θ=60°,48°,35°で入射した時の各見かけの波長λmは、816nm,971nm,952nmとなり、これらのうちで最も長い見かけの波長λm・maxは略970nmである。
【0055】
従って、上記からλm・min=408nm、λm・max=略970nmであるので、これらの各値を代入して反射防止膜2の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを算出し、この設計基準波長λを{(λm・min+λm・max)/2}×1=690nmから{(λm・min+λm・max)/2}×1.4=略970nmの範囲内に設定している。そして、690nm〜略970nmの範囲内で設定した設計基準波長λを先に説明した数式(4)に代入することで、反射防止膜2の膜厚dが得られる。
【0056】
更に、上記したλm・min=408nm、λm・max=略970nmを代入して得られた設計基準波長λ=690nmを1とし、この設計基準波長λ=690nmに対して0.9倍〜1.4倍の計基準波長λ=略620nm〜略970nmに設定した時の膜厚dで反射防止膜2を第1レンズ曲面1aに成膜した時に、3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜2の光透過率特性が図3〜図8に示したように得られた。
【0057】
これらの図3〜図8中において、横軸は光学レンズ1の瞳の面積比を示し、即ち、面積比0%がレンズ中心と対応する入射角0°、面積比100%がBlu−ray Disc用のレーザー光Laへのレンズ最外周と対応する入射角60°となっており、一方、縦軸は反射防止膜2の光透過率を示している。
【0058】
ここで、図3〜図8に示した反射防止膜2の光透過率特性の結果を比較検討すると、図4に示したように設計基準波長λが上記により算出した690nmに設定した場合から図7に示したように設計基準波長λが上記690nmに対して略1.3倍である900nmに設定した場合までの間では、Blu−ray Disc用のレーザー光Laに対して光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに成膜した反射防止膜2の中心部(面積比0%)よりも外周部(面積比70%から100%付近)の光透過率が高くなっていて、最小ピットの読みとりに重要な反射防止膜2の外周部の光透過率が良くなっていると共に、DVD用のレーザー光Lb及びCD用のレーザー光Lcに対しても反射防止膜2の光透過率が中心部から外周部までバランスが取れて優れている。さらに、設計基準波長λを略970nmに設定した場合には、図8から明らかなように、Blu−ray Disc用のレーザー光Laに対しては、反射防止膜2の光透過率のバランスは保っているが、DVD用のレーザー光Lbに対して、反射防止膜2の内周部の光透過率が低下し始めて外周部偏重となり始め、このあたりが限界と思われ、設計基準波長λを略970nm以上に設定した場合には各レーザー光La,Lb,Lcに対して反射防止膜2の光透過率のバランスが崩れてしまう。
【0059】
これに対して、図3に示したように設計基準波長λが上記690nmに対して略0.9倍である620nmに設定した場合には、Blu−ray Disc用のレーザー光La及びDVD用のレーザー光Lb並びCD用のレーザー光Lcに対して反射防止膜2の外周部の光透過率が僅かに低下している。
【0060】
更に、比較例として、従来の反射防止膜コート方法を適用して設計基準波長λを設定した例を図9に示している。
【0061】
この図9において、単一なレーザー光としてBlu−ray Disc用のレーザー光Laを適用した場合に、レーザー光Laが反射防止膜2を通過して光学レンズ1の第1レンズ曲面1aに入射する時の最小入射角θminに応じて求まるレーザー光Laの見かけの波長λは先に示した表1より408nmであり、一方、レーザー光Laが反射防止膜2を通過して光学レンズ1の第1レンズ曲面1a入射する時の最大入射角θmaxに応じて求まるレーザー光Laの見かけの波長λは先に示した表1より816nmであるので、反射防止膜2を設計する時の設計基準波長λを、例えば、最大許容範囲側で求めると、{(λ+λ)/2}×1.75=略1070nmとなる。これは、本発明の設計基準波長λの690nmに対して略1.55倍に当たる。このように設計基準波長λを略1070nmに設定した場合には、図9から明らかなように、Blu−ray Disc用のレーザー光Laに対しては、反射防止膜2の外周部の光透過率が僅かに低下しバランスが崩れ始めている、特に、DVD用のレーザー光Lb及びCD用のレーザー光Lcに対して、反射防止膜2の内周部の光透過率が低下して、明らかに外周部偏重となり、各レーザー光La,Lb,Lcに対して反射防止膜2の光透過率のバランスが崩れてしまう。
【0062】
尚、単一なレーザー光としてDVD用のレーザー光Lbを適用した場合に、レーザー光Lbの見かけの波長λは先に示した表2より650nmであり、一方、レーザー光Lbの見かけの波長λは表2より971nmであるので、反射防止膜2を設計する時の設計基準波長λを、例えば、最大許容範囲側で求めると、{(λ+λ)/2}×1.75=略1418nmとなるので、この場合には各レーザー光La,Lb,Lcに対して反射防止膜2の光透過率のバランスが当然崩れてしまうことなる。
【0063】
上記した各比較結果から、前述したように、複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズ1に選択的に入射させた時に、入射角θが0°である時の各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、入射角θが各NA(開口数)に従う最大入射角である時の各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、反射防止膜2の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、
{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定すれば、複数のレーザー光のうちで波長が短いレーザー光に対応してNA(開口数)が大きく外周部の傾斜がきつい光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って反射防止膜を単層でコートしても、複数のレーザー光に対して反射防止膜は良好な光透過率を維持できる。
【0064】
更に、本発明に係る反射防止膜コート方法を適用して得られた膜厚dで反射防止膜2を光学レンズ1のレンズ曲面(第1レンズ曲面及び/又は第2レンズ曲面)の表面に沿って単層でコートすれば、上記と同様の効果が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズを説明するための図であり、(a)は波長が異なる複数のレーザー光を光学レンズに選択的に入射させる場合に反射防止膜を第1レンズ曲面の表面に沿って単層でコートした状態を示した断面図、(b)は(a)中の“イ部”を拡大して示した拡大図である。
【図2】3種類のレーザー光La,Lb,Lcの使用波長における見かけの波長をそれぞれ示した図である。
【図3】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=620nmの場合(λ=690nmに対して略0.9倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図4】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=690nmの場合における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図5】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=760nmの場合(λ=690nmに対して略1.1倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図6】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=830nmの場合(λ=690nmに対して略1.2倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図7】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=900nmの場合(λ=690nmに対して略1.3倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図8】3種類のレーザー光La,Lb,Lcに対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=970nmの場合(λ=690nmに対して略1.4倍の場合)における反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図9】比較例として従来例により単一のレーザー光に対する反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長λ=1070nmの場合、仮に3種類のレーザー光を通過させた時の反射防止膜の光透過率特性を示した図である。
【図10】従来の反射防止膜コート方法及びこの反射防止膜コート方法を適用した光学レンズを説明するための図であり、(a)は単一のレーザー光を光学レンズに入射させる場合に反射防止膜を第1レンズ曲面の表面に沿って単層でコートした状態を示した断面図、(b)は(a)中の“イ部”を拡大して示した拡大図である。
【符号の説明】
【0066】
1…光学レンズ、1a…第1レンズ曲面、1b…第2レンズ曲面、
2…反射防止膜、
La,Lb,Lc…3種類のレーザー光、
θ…入射角、
λ…反射防止膜の膜厚設計時のレーザー光への設計基準波長、
λm…見かけの波長、
λm・min…最も短い見かけの波長、λm・max…最も長い見かけの波長。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が異なる複数のレーザー光を各波長に対応した各NA(開口数)に従って光学レンズに選択的に入射させる際に、前記複数のレーザー光に対して反射を防止する反射防止膜を前記光学レンズのレンズ曲面の表面に沿って単層でコートする反射防止膜コート方法であって、
前記反射防止膜の膜厚をd、前記複数のレーザー光に対して共通に設定される前記反射防止膜の膜厚設計時の設計基準波長をλ、前記光学レンズの屈折率をNgとし、d=λ/(4×Ng1/2)の式を略満たすように前記反射防止膜の膜厚dを設定するにあたって、
前記複数のレーザー光が前記反射防止膜をそれぞれ通過して前記レンズ曲面に入射する入射角θに対応して前記各波長の1/cosθを見かけの波長λmとして算出した場合に、前記入射角θが0°である時の前記各波長の見かけの波長のうちで最も短い見かけの波長をλm・minとし、且つ、前記入射角θが前記各NA(開口数)に従う最大入射角である時の前記各波長の見かけの波長のうちで最も長い見かけの波長をλm・maxとした時に、
前記反射防止膜の膜厚dを設計する時の設計基準波長λを、
{(λm・min+λm・max)/2}×1から{(λm・min+λm・max)/2}×1.4の範囲内に設定することで前記した式から前記反射防止膜の膜厚dを得ることを特徴とする反射防止膜コート方法。
【請求項2】
請求項1に記載の反射防止膜コート方法を適用した光学レンズであって、
得られた膜厚dで前記反射防止膜を前記レンズ曲面の表面に沿って単層でコートしたことを特徴とする光学レンズ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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