説明

反応器および方法

本発明は、クロラミンを製造するための方法であって、275℃未満の温度に維持され、かつ、ガスとしてクロラミンを、自由落下する固体として塩化アンモニウムを発生させるのに十分な程度に反応域で第1および第2の試薬流を膨張させるように設計された反応域に、塩素ガスを含む第1の試薬流およびアンモニアガスを含む第2の試薬流を供給する工程を含む方法に係る。本発明は、また、この方法を作動させるのに適した化学反応器も提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、クロラミンを製造するための方法;および、本発明の方法を作動するように設計された化学反応器に関する。
クロラミンは、広く使用され、特に、水処理および消毒のために使用される商業的に重要な薬品である。それは、一般に、簡単な化学反応によって発生させられる:
【0002】
【化1】

【0003】
クロラミンは、また、アミン基質との反応による、ヒドラジン類の製造にて、試薬として有用である:
【0004】
【化2】

【0005】
ヒドラジン類は、それら自体、多くの商業的用途、例えば、医薬品および農薬の製造における試薬として;および、ポリマー加工にて有用である。従来、特に、ある種のヒドラジン類がロケット燃料として使用されるので、航空宇宙産業により、これらの反応に多くの関心が寄せられていた。さらに最近、クロラミンは、種々の医薬中間体の製造にて試薬として著しく重要となりつつある。
【0006】
クロラミンのアンモニアからの製造は、無水条件下で行うのが望ましいと長年考えられていた。米国特許No.2,837,409は、反応混合物中1モル過剰のアンモニアでガス相にてアンモニアと塩素との間の反応を行うことによって、実質的に無水のクロラミンを製造するための方法を開示している。しかし、この反応をガス相にて行うと、特に、固体の塩化アンモニウム(ほぼ350℃で昇華する物質)が反応器内で発生するので、その固有の問題を生ずる。
【0007】
1979年6月1日付けのBadcock et alのStudies of the Production of Chloramine in the Gas Phaseと題する未分類のReport No.SAMSO-TR-79-42は、アンモニアと塩素からのクロラミンの連続ガス相発生の詳細な研究を発表し、反応器を目詰まりさせる固体塩化アンモニウムによって生ずる問題を考察している。同じく、1979年6月1日付けのもう1つのReport,SAMSO-TR-79-41にて、著者の二人が、アンモニアおよび塩素の液相射出によるクロラミンの製造方法を発見したことを発表し、反応によって発生した固体の塩化アンモニウムの物理的性質の変化を観測し、その物質を反応器からより容易に取出している。
【0008】
米国特許No.3,488,164(およびその英国特許の等価体GB-B-1149836)は、不活性希釈ガスの助けを借りるガス相でのクロラミンを製造するための方法を開示している。固体の塩化アンモニウムの除去は、ガラスウールプラグフィルターの助けを借りて達成し、ガラスウールフィルターを介して、ガス状のクロラミン生成物もまた流れる必要がある。プラグの目詰まりは、この配列にては、避けられない問題のようであるが、発明者らは、目詰まりの発生およびその帰結については、なにも触れていない。幾分か同様の開示は、Allgemeine und Praktische Chemie 21-4-1970,pp123-124にてPrakash et alによりなされている。
【0009】
米国特許No.4,038,372にて、反応器目詰まりの問題は、不活性ガスかまたはアンモニアで反応器の下流域をパージし、ついで、パージ流を濾過することによって取り組まれている。しかし、経験によると、塩化アンモニウムは、これらの表面上に焼結しやすく、それを除くためのこのような試みには抵抗があることが証明されている。
【0010】
これらの開発にもかかわらず、クロラミンの商業的な規模での生産およびそのヒドラジン類の製造における試薬としての続く使用は、反応器にての塩化アンモニウムの析出により妨害され続けている。例えば、No.SAMSO-TR-29の下、Lewis et alによるFeasibility of a Modified Chloramine Processと題する報告書にて報告されているように、精緻な解決法が採用されることが増加しつつあり、上記したLewis et alの方法は、塩化アンモニウムの問題に取り組むために、反応器壁バイブレータのような、静電および熱集塵器の使用を開示するものである。
【0011】
本発明の目的は、クロラミンを製造するための改良法;特に、連続的に作動させることのできる方法を提供することであり、その方法を作動させるのに適した化学反応器を提供することである。本発明のさらなる目的は、濾過なしで、かつ、長期間、首尾よく作動させることのできるような方法を提供することである。
【0012】
本発明に従えば、クロラミンを製造するための方法であって、275℃未満の温度に維持し、かつ、ガスとしてクロラミンを、自由落下(free falling)する固体として塩化アンモニウムを発生させるのに十分な程度に反応域で第1および第2流を膨張させるように設計された反応域に、塩素ガスを含む第1の試薬流およびアンモニアを含む第2の試薬流を供給する工程を含む方法が提供される。
【0013】
好ましくは、塩素とアンモニアとの間の反応は、反応域の層流領域で起こる。さらに好ましくは、層流領域は、レイノルズ数2000以下と境界を接する。
本発明の方法のキーとなる利点は、塩化アンモニウムが(アンモニアと塩素との反応によって)少なくとも主として反応域のいずれかの壁からも離れて形成される場合、塩化アンモニウムを反応域から除去することが容易になるという発見に基づく。かくして、その態様の1つにて、本発明は、クロラミンを製造するための方法であって、アンモニアガスを含む第1の試薬流と塩素ガスを含む第2の試薬流とを用意し;275℃より低い温度に維持された反応域でその第1の試薬流とその第2の試薬流とを接触させて、クロラミンガスと、それが発生したら反応域に落下する固体としての塩化アンモニウムとを生じさせ;反応域が、発生した塩化アンモニウムの少なくとも約90%が反応域のいずれの壁からも少なくとも約10mm離れて形成されるように設計された方法を提供する。好ましくは、発生した塩化アンモニウムの少なくとも95%は、反応域のいずれの壁からも少なくとも約10mm離れて形成される。また、発生した塩化アンモニウムの少なくとも90%、さらに好ましくは、95%は、反応域のいずれの壁からも少なくとも約15mm、さらに好ましくは、少なくとも約20mm離れて形成される。
【0014】
本発明のもう1つの利点は、濾過することなく、本方法を作動させうる点である。これは、好ましくは、連続基準に基づいて、長期間の作動が本発明の方法で可能であることを意味する。
【0015】
反応域は、その頂部に向かって試薬供給域と境界を接し、それより、第1および第2の試薬流が、反応域に供給され、その底部に向かって固体回収域と境界を接し、それより、固体の塩化アンモニウムが、回収または収集される。ガス状のクロラミン生成物は、また、好ましくは、反応域の上方に位置するクロラミン回収ラインによって、反応域から回収可能である必要がある。反応域は、それ自体、供給領域と固体回収域との間に広がる側壁(または連続した側壁)と境界を接する。反応域と境界を接する側壁は、それに試薬流からのガス状塩素とアンモニアとが反応する前に膨張して、クロラミンと塩化アンモニウムとを形成する膨張領域の境界を定める。好ましくは、膨張領域は、試薬のための層流領域を用意するように設計される。膨張領域は、好ましくは、供給される塩素ガスの少なくとも60%、好ましくは、少なくとも85%、さらに好ましくは、93%、最も好ましくは、少なくとも98%(例えば、99%以上)を、それによって発生した固体塩化アンモニウムが形成されるにつれて反応域の側壁との接触を回避するように反応させうるに十分なサイズを有する。
【0016】
本発明に従えば、また、クロラミンを製造するのに適した化学反応器であって、その反応器が、固体回収域の上方の試薬供給域と、試薬供給域と固体回収域との間に広がる側壁(または1つの連続した側壁)と境界を接する反応域とを含み、前記試薬供給域が、塩素ガスとアンモニアガスとを、別個に、前記反応域に供給するための手段を含み、供給手段の少なくとも1つが、試薬ガスを反応域の層流領域に誘導するように設計され、反応器が、さらに、それより、生成物クロラミンを回収するための手段を含む反応器も提供される。
【0017】
本発明の化学反応器にて、場合によっては、不活性希釈ガス、例えば、窒素と組み合わせて、反応域に塩素ガスを導入するように配列することもできる。ガスを供給するためには、射出ノズルを使用することもできる。この場合、不活性希釈ガスは、塩素ガス射出ノズルに隣接する希釈ガス射出ノズルを介して反応域に導入されうる。希釈ガス射出ノズルおよび塩素ガス射出ノズルは、実質的に同心であるのがよく、希釈ガス射出ノズルは、塩素ガス射出ノズルの周りにスリーブを形成する。塩素ガス射出ノズルは、所望される場合、反応域に向かって、希釈ガス射出ノズルよりも幾分かさらに突出しているのがよい。
【0018】
反応器の固体回収領域は、重力沈降タンクまたはその他の形態の固体回収装置、例えば、塩化アンモニウム回収のためのサイクロンを含むのがよい。
本発明に従えば、クロラミンを製造するための方法であって、アンモニアの塩素化に有効な条件下、275℃未満の温度に維持された反応域を用意し;その反応域が、第1の射出軸に沿って、塩素ガスを反応域に射出するための第1の導入口;第2の射出軸に沿って、アンモニアガスを反応域に射出するための第2の導入口;および、ガス状のクロラミン生成物の回収のための導出口を有し;反応域が、膨張の際の射出されたガスの混合および反応が、ガス状のクロラミンと、反応域にて自由に流動する(free flowing)粉末としての塩化アンモニウムとを発生するように、各射出されるガスの反応域内で十分に膨張させられる程度に少なくとも1つの射出軸に関して放射状に突出する膨張領域を含み;本方法が、導出口によるガス状のクロラミンを回収する工程を含む方法が提供される。
【0019】
本発明の方法は、反応にて発生する固体の塩化アンモニウムの物理的性質が変化し、反応域の物理的特性の関数および/または反応温度の関数として、若干程度、コントロールされうるという認識に由来する。多くの従来技術は、反応域で塩化アンモニウムを昇華された状態に維持するために、十分に高いレベル(すなわち、約275℃より十分に高い)に反応域の温度を維持することに集中している。多くの従来技術の方法は、反応生成物混合物の続く冷却を教示しているが、反応が生じた後、反応それ自体は、高温(通常、約275℃より上)で生じさせる必要があることが概して受け入れられている。しかし、反応域温度をこのようなレベルに維持することは、コストおよび便宜上極めてかけ離れており、このようなアプローチは、クロラミン生成物流から大量の塩化アンモニウムをどのように除去するかという問題を単に先送りしているに過ぎない。(いずれの実際的、商業的意味にても)ほとんど不可避的に、これは、幾つかの段階での組み合わせ流の冷却、かくして、下流域での固体塩化アンモニウムの発生の問題の処理を意味する必要がある。
【0020】
さて、反応にて発生させた固体の塩化アンモニウムの物理的形態は、反応域温度に関して若干程度コントロール可能であることが発見された。特に、比較的低い反応域温度は、自由流動粉末として塩化アンモニウムの発生を促進する傾向があり、これは、特に、反応器が塩化アンモニウムが形成されるにつれて反応器壁と塩化アンモニウムとの間の接触を実質的に最小とするように設計される場合、反応器壁に粘着しにくい。かくして、本発明の方法にて、反応域の温度は、275℃より低く、好ましくは、250℃より低く、さらに好ましくは、200℃より低く、なおさらに好ましくは、150℃より低く、最も好ましくは、100℃より低く維持される。本発明に従う1つの特に好ましい方法にて、反応域の温度は、約50℃より低く維持されるか、または、反応は、単に、周囲温度で行うこともできる。当業者であれば、アンモニアと塩素とからのクロラミンの発生は、発熱反応であり、反応域内側のホットスポットは、その結果として生ずるようであることが理解されるであろう。本明細書にて示す好ましい温度は、反応域内側のバルク条件を表す。
【0021】
反応域内側の温度が本発明の方法にて重要であることが見出されているものの、反応域のサイズおよび/または形状がこの点で重要な役割を演ずることもまた発見されている。特に、自由に流動する粉末としての固体塩化アンモニウムの発生は、反応域の、好ましくは、レイノルズ数2000未満と境界を接する層流領域にて塩化アンモニウム発生反応を行うことによって促進されると考えられる。自由に流動する粉末としての塩化アンモニウムの発生は、反応域にて膨張領域を用意することによって促進される。塩素ガスが射出軸に沿って反応域に導入される時、膨張領域は、好ましくは、前記射出軸に関して放射状に突出する。
【0022】
塩素射出軸に関して放射状に突出する膨張領域を装備していることは、塩素ガス射出点と反応域の境界との間の距離がそれによって最大となるので、特に有益であり、層流領域が用意される。本発明の方法は、反応域の層流膨張領域で塩素とアンモニアとの間の反応を生じさせ、固体の塩化アンモニウムは、それによって、反応域から“雪のように降る”自由に流動する粉末として発生する。
【0023】
好ましくは、本発明の方法は、連続法として作動され、この場合、本発明は、クロラミンを製造するための連続法であって、275℃未満の温度に維持され、ガスとしてクロラミンを、自由に降下する固体として塩化アンモニウムを発生させるのに十分な程度に第1および第2流を反応域にて膨張させるように設計された反応域に、塩素ガスを含む第1とアンモニアガスを含む第2流とを連続的に供給し、反応域から固体塩化アンモニウムとガス状のクロラミンとを連続的に回収する工程を含む方法を提供する。
【0024】
本発明の反応器を図1に示すが、これは、本発明の方法に従い作動するように構築され、かつ、配列されたクロラミン反応器の工程系統図を示す。
図1を参照すると、固体回収域3の上方に試薬供給域2を含む化学反応器1が示され、反応器1は、試薬供給域2と固体回収域3との間に広がる連続側壁4と境界を定める反応域5とを含む。クロラミンガスは、反応器からライン6にて回収される。
【0025】
試薬供給域2は、反応器1の頂部と、塩素、アンモニアおよび窒素を反応域5に導入するための化合物射出ノズル7とを含む。化合物ノズル7は、アンモニア射出ノズルによって取り囲まれた塩素射出ノズル8を含む。窒素ガスは、混合区域10より塩素供給ラインに導入される。反応域5は、化合物ノズル7に関して放射状に突出する膨張領域を含み、その膨張領域は、試薬流速に関して、反応が生ずるための層流領域を用意するように設計されている。
【0026】
塩素、アンモニアおよび窒素は、溜め11、12および13から流量コントローラ14、15および16を経て試薬供給域2に供給される。
クロラミンガスは、ライン6にて生成物回収域3から回収され、固体の塩化アンモニウムは、ライン17にて回収される。
【0027】
さて、以下の実施例を参照しつつ、本発明の方法をさらに詳細に説明しよう。
実施例1
以下の機素を含む反応器システムを構築した。ガスマニフォールドは、6mm ODステンレススチール管材料およびSwagelok圧縮継手から構築した。マニフォールドに、アンモニア、塩素および窒素質量流量コントローラ(Bronkhorstによって供給されている)とSwagelokボールバルブとを組み込み、ボールバルブは、流量コントローラを孤立させ、かつ、パージ操作の間に窒素をアンモニアおよび塩素流量コントローラに誘導するために使用した(図1参照)。6mm OD内部管と10mm OD外部管とを含み1mmの環を生ずる環状ミキサーを使用して、ガスの混合を達成した。内部管に連結した6mmSwagelokT継手を使用して、塩素と窒素とを混合した。10mmSwagelokT継手よりアンモニアを外部管に供給した。ミキサーは、内部管が外部管より5mmだけ突出し、これが、塩素出口にて高い濃度のアンモニアを維持することによって環の内側が目詰まりするのを防止するように設計した。窒素流は、インライン熱交換器と熱電対とを備えていた。(図1参照)。環状ミキサーの外部管は、軟鋼により構築された200リットル容積、565mm径のシリンダー状重力分離器の頂部に挿入した。ミキサーは、分離器壁からの距離を最大とするように、中心に位置決めした。クロラミン試料採取点、圧力レリースシステムおよびクロラミン流通管は、壁から各々四分円70mmに位置決めした。分離器は、また、差圧センサーを装備し、これは、圧力増大を警告するアラームとして作動した。壁に閉ざされた熱電対は、分離器温度を測定するために使用した。生成物蒸気流は、窒素キャリヤー/希釈ガスおよび過剰のアンモニアを使用して、in situで冷却した。この反応器構成についての標準流速は、以下のようであった:
【0028】
【表1】

【0029】
反応器は、バルブV4およびV5を開放することによって3つ全ての質量流量コントローラを介して窒素を流すことにより始動した。質量流量コントローラが安定な流れを示す時、アンモニア供給路を開放し、バルブV4を閉鎖した。重力分離器に窒素およびアンモニアを5分間充填しから、塩素供給を始動し、バルブ5を閉鎖した。この始動手順は、過剰のアンモニアが存在して、ジクロラミンまたは三塩化アンモニウムの形成を確実に防止した。インライン窒素加熱器を切り、重力分離器を65℃〜70℃の定常状態温度に到達させ、発生した塩化アンモニウムを自由流動性の粉末として>90%で効率的に除去した。
【0030】
実施例2
実施例1にて記載した環状ミキサーを高密度ポリエチレンで構築した40リットル容積、350mm径シリンダー状の重力分離器の頂部の中心に挿入した。クロラミン試料採取点、圧力レリースシステムおよびクロラミンガス流通管は、壁から各々四分円40mmに位置決めした。分離器は、また、差圧センサーを装備し、これは、圧力増大を警告するアラームとして作動した。壁に閉ざされた熱電対は、分離器温度を測定するために使用した。生成物蒸気流は、窒素キャリヤー/希釈ガスおよび過剰のアンモニアを使用して、in situで冷却した。この反応器構成についての標準流速は、以下のようであった:
【0031】
【表2】

【0032】
実施例1にて記載したと同様のガスマニフォールドと始動手順とを使用した。インライン窒素加熱器を切り、重力分離器を35℃〜40℃の定常状態温度に到達させ、発生した塩化アンモニウムを自由流動性の粉末として>90%で効率的に除去した。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の方法に従い作動するように構築され、かつ、配列されたクロラミン反応器の工程系統図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロラミンを製造するための方法であって、275℃未満の温度に維持され、かつ、ガスとしてクロラミンを、自由落下する固体として塩化アンモニウムを発生させるのに十分な程度に反応域で第1および第2の試薬流を膨張させるように設計された反応域に、塩素ガスを含む第1の試薬流およびアンモニアガスを含む第2の試薬流を供給する工程を含む方法。
【請求項2】
反応域が、発生した塩化アンモニウムの少なくとも約90%が反応域のいずれの壁からも少なくとも約10mm離れて形成されるように設計された、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応域が、その頂部に向かって試薬供給域と境界を接し、それより、第1および第2の試薬流が、反応域に供給される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応域が、その底部に向かって固体回収域と境界を接し、それより、固体の塩化アンモニウムが、回収または収集される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
反応域が、試薬供給域領域と生成物回収域との間に広がる側壁(または連続した側壁)と境界を接する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
反応域と境界を接する側壁が、試薬流からのガス状塩素およびアンモニアが反応する前に膨張して、クロラミンと塩化アンモニウムとを形成する膨張領域を定める、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
膨張領域が、塩素とアンモニアとの間の反応が生ずるための層流領域を用意するように設計された、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
膨張領域が、塩素ガスの少なくとも60%を側壁に接触する前に反応させるのに十分なサイズである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
クロラミンを製造するための方法であって、アンモニアの塩素化のために有効な条件下および275℃未満の温度に維持された反応域を用意する工程を含み、その反応域が、それに供給される塩素およびアンモニアガスを収容するための層流領域を有する方法。
【請求項10】
層流領域が、レイノルズ数2000以下と境界を接する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
クロラミンを製造するのに適した化学反応器であって、その反応器が、生成物回収域の上方の試薬供給域と、試薬供給域と生成物回収域との間に広がる側壁(または1つの連続した側壁)と境界を接する反応域とを含み、前記試薬供給域が、塩素ガスとアンモニアガスとを、別個に、前記反応域に供給するための手段を含み、その少なくとも1つの供給手段が、試薬ガスを反応域の層流領域に誘導するように設計された反応器。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を作動するように構築され、かつ、配列された、請求項11に記載の反応器。

【図1】
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【公表番号】特表2007−520414(P2007−520414A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551897(P2006−551897)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004398
【国際公開番号】WO2005/080267
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(502132634)フェニックス・ケミカルズ・リミテッド (9)