説明

反応性ガス発生器においてプラズマに点火しそれを維持するために電力を供給する方法および装置

反応ガス発生器においてプラズマに点火する、および/またはこれを維持するための、コンピュータ・プログラム生産物を含む、方法および装置について記載する。点火電源からプラズマ点火回路に電力を供給する。プラズマ点火回路の早点火信号を測定する。測定された早点火信号および調節可能な早点火制御信号に基づいて、プラズマ点火回路に供給される電力を調節する。調節可能な早点火制御信号は、ある時間期間が経過した後に調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般的には、イオン、遊離基、原子、および分子を含有する反応性ガスの発生の分野に監視、反応性ガス発生器においてプラズマに点火するおよび/またはプラズマを維持するために電力を供給する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] プラズマ放電は、ガスを励起し、イオン、遊離基、原子、および分子を含有する反応性ガスを生成するために用いることができる。反応性ガスは、半導体ウェハのような固体材料、粉体、および他の気体を処理することを含む、多数の工業的用途および科学的用途に用いられる。
【0003】
[0003] 反応性ガスの一例に、原子フッ素がある。原子フッ素は、基板表面上への薄膜堆積のための化学蒸着(CVD)チェンバを浄化するために用いることができる。CVDチェンバは、基板表面以外のチェンバ部品の表面に蓄積する堆積物を除去するために、日常的に浄化する必要がある。チェンバのウェット・クリーニングは、労働集約的であり、作業者には有害であるが、プラズマ源によって発生した原子フッ素を用いてチェンバを浄化すると、チェンバを大気中に開放することなく、堆積物を除去することができ、器具の生産性(tool productivity)および作業条件を改善することができる。原子フッ素の典型的なソース・ガスは、NF、CF、CHF、C、およびCのようなペルフルオロ化合物(PFC)を含む。
【0004】
[0004] 反応ガスの他の例に、原子酸素がある。原子酸素は、マイクロエレクトロニクスの製造においてフォトレジストの除去に用いることができる。パターン発生の後、プラズマ源によって発生した原子酸素にウェハ表面を露出させることによって、フォトレジストを除去する。原子酸素は、急速にそして選択的にフォトレジストと反応するので、プロセスを真空において比較的低温で行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] プラズマは、電源からのエネルギを、プラズマに変換することができるガスに誘導結合することによって、発生することができる。プラズマに点火する既知の技法では、高電圧または電流を火花ギャップに印加してイオン化前のガスの初期ブレークダウンを発生させることを含む。プラズマ印加を検出し、このプラズマを維持するための既知のフィードバック技法では、プラズマ電流をフィードバック信号として使用することを含む。加えて、プラズマに点火しこれを維持するための既知の技法では、マルチパワー・トレイン・システムを制御するために、1つのパワー・トレインを用いることを含む。しかしながら、このような技法は、一般に、以下の理由のため信頼性がない。点火窓外部におけるアーク発生が起こることが多い。高いループ電圧および/または火花電圧のために、パンチ・スルーが起こることが多い。制御および監視に1つのパワー・トレインを用いているので、動作に信頼性がない。インピーダンス間に大きな不整合が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本発明は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する方法および電源を特徴とする。以下に記載する特定の実施形態は、そのいずれもが以下の利点の1つ又は複数を実現することができる。実施形態は、複雑さを減らしつつ、点火空間の拡大に備えることができる(例えば、点火することができる圧力および/またはガス流の範囲を広げる)。加えて、実施形態は、dQ/dtの増大にも備えることができ、これによってガス流量の大きな変化を許容することが可能になる。実施形態は、陽極酸化によるブレークダウンおよびパンチ・スルーの危険性を解消するかまたは最小限に抑えることができる。実施形態は、信頼性のある点火および動作に備えることができる。実施形態は、ブロックの寿命を延長させることができる。加えて、実施形態は全てのガス条件の下において安全なドロップアウト(drop-out)に備えることができる。
[0007] 一態様では、反応性ガス発生器においてプラズマに点火する方法を提供する。この方法は、点火電源からプラズマ点火回路に電力を供給するステップと、プラズマ点火回路の早点火信号を測定するステップと、測定された早点火信号と調節可能な早点火制御信号とに基づいて、プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップと、ある時間期間が経過した後、調節可能な早点火制御信号を調節するステップとを含む。
【0007】
[0008] 別の態様では、反応ガス発生器においてプラズマの点火を制御するシステムを提供する。このシステムは、プラズマ点火回路に結合されており、早点火信号を発生するように構成されている、測定デバイスを含む。また、このシステムは、コントローラも含む。このコントローラは、早点火信号と調節可能な早点火制御信号とに基づいて、点火電源制御信号を調節する計算手段と、(ii)点火電源制御信号を点火電源に出力する出力手段と、(iii)ある時間期間が経過した後、調節可能な早点火制御信号を調節する計算手段とを有する、コントローラとを含む。
【0008】
[0009] 他の例では、以上の態様のいずれもが、以下の特徴の1つ又は複数を含むことができる。点火電源は、スイッチング電源を含むことができる。点火電源は、半ブリッジ・インバータまたは全ブリッジ・インバータを含むことができる。早点火信号は、プラズマ点火回路の電圧、電流、または電力、あるいはそのあらゆる組み合わせを含むことができる。早点火信号は、点火電源とプラズマ点火回路との間の電流を含むことができる。早点火信号を測定するステップは、時間期間の間早点火信号のピークを測定することを含むことができる。
【0009】
[0010] 実施形態の中には、プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップが、点火電源のデューティ・サイクルおよび/または周波数値を調節することを含むことができるものもある。プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップは、測定された早点火信号と調節可能な早点火制御信号との間の差に基づくことができる。プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップは、測定された早点火信号が調節可能な早点火制御信号よりも大きい場合、より小さい電力を供給するステップと、測定された早点火信号が調節可能な早点火制御信号よりも小さい場合、より大きな電力をプラズマ点火回路に供給するステップとを含むことができる。
【0010】
[0011] 更に別の実施形態では、調節可能な早点火制御信号を調節するステップは、時間期間が経過した後に、調節可能な早点火制御信号を増加させることを含むことができる。調節可能な早点火制御信号は、時間に関して線形に増加させることができる。調節可能な早点火制御信号を増加させるステップは、所定の最大制御信号によって制限することができる。更に、本方法は、無効信号に基づいて、プラズマ点火回路に供給される電力の調節を無効するステップを含むことができる。無効信号は、所定の最大制御信号と測定された早点火信号とに基づくことができる。プラズマ点火回路に供給される電力の調節を無効するステップは、第2時間期間の間プラズマ点火回路に電力を供給しないことを含むことができる。
【0011】
[0012] 実施形態の中には、点火時間期間が経過した後に、更に、調節可能な早点火制御信号をリセット値に調節するステップと、待機時間期間の間調節可能な早点火制御信号をリセット値に維持するステップと、待機時間期間が経過した後、調節可能な早点火制御信号を調節するステップとを含むことができるものもある。プラズマ点火回路は、変圧器と、この変圧器の一次巻線に結合されている共振回路とを含むことができる。早点火信号は、一次巻線の電圧を含むことができる。共振回路は、1つ又は複数のインダクタと1つ又は複数のキャパシタとを含むことができる。プラズマ点火回路は、更に、変圧器の二次巻線に結合されている1つ又は複数の点火電極を含むことができる。二次巻線は、接地に結合されている中央タップを含むことができる。変圧器は、プラズマ・チェンバ内にあるプラズマに電力を供給するために、プラズマ・チェンバに電磁的に結合することができる。
【0012】
[0013] 更に他の実施形態では、本方法は、更に、プラズマ・チェンバ内にプラズマが存在するか否か判断するステップと、点火電源からプラズマ・チェンバの中にあるプラズマに電力を供給するために、プラズマ点火回路を用いるステップと、プラズマがプラズマ・チェンバ内に存在すると判断された場合、プラズマ制御信号に基づいて、プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップとを含むことができる。プラズマに供給される電力を調節するステップは、点火電源のデューティ・サイクルおよび/または周波数値を調節することを含むことができる。プラズマに供給される電力を調節するステップは、測定された早点火信号とプラズマ制御信号との間の差に基づくことができる。本方法は、更に、プラズマ信号を測定するステップを含むことができ、プラズマに供給される電力を調節するステップは、測定されたプラズマ信号とプラズマ制御信号との間の差に基づく。プラズマ信号は、一次巻線の電流、電力供給信号、プラズマ・チェンバ信号、またはそのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0013】
[0014] 実施形態の中には、前述のシステムが、更に、点火電源と、点火電源に結合されているプラズマ点火回路とを含むことができるものもある。測定デバイスは、更に、プラズマ点火回路の電圧測定値、電流測定値、電力測定値、またはそのあらゆる組み合わせに基づいて、早点火信号を発生するように構成することができる。測定デバイスは、更に、時間期間における測定値のピークを測定するピーク検出ユニットを含むことができる。点火電源制御信号を調節する計算手段は、早点火信号と調節可能な早点火制御信号との間の差に基づいて、点火電源制御信号を調節するように構成することができる。調節可能な早点火制御信号を調節する計算手段は、時間期間が経過した後、調節可能な早点火制御信号を増加させるように構成することができる。
【0014】
[0015] 更に別の実施形態では、本システムは、更に、プラズマ・チェンバにおいてプラズマの存在を検出するプラズマ検出ユニットと、プラズマがプラズマ・チェンバ内に存在すると判断された場合、プラズマ制御信号に基づいて、プラズマ点火回路に供給される電力を調節する計算手段を有する電力コントローラとを含むことができる。プラズマ制御信号は、所定のプラズマ制御値、一次巻線の電流、電力供給信号、プラズマ・チェンバ信号、またはそのあらゆる組み合わせを含むことができる。測定デバイスは、更に、1つ又は複数の他のプラズマ点火回路に結合することができ、1つ又は複数の他のプラズマ点火回路からの測定値に基づいて、早点火信号を発生するように構成することができる。点火電源制御信号を出力する出力手段は、更に、1つ又は複数の他のプラズマ点火回路と関連のある1つ又は複数の他の点火電源に、点火電源制御信号を出力する手段を含むことができる。
【0015】
[0016] 他の例では、方法に関する以上の特徴は、いずれも、その方法を実行するように構成されたシステム、またはその方法を実行する手段を有するシステム、および/またはそのシステムのコントローラによって実行することができる。加えて、方法に関する以上の特徴は、いずれも、データ処理装置にその方法を実行させるように動作可能な命令を含むコンピュータ・プログラム生産物によって実行することができる。
【0016】
[0016] 他の例では、方法に関する以上の特徴は、いずれも、その方法を実行するように構成されたシステム、またはその方法を実行する手段を有するシステム、および/またはそのシステムのコントローラによって実行することができる。加えて、方法に関する以上の特徴は、いずれも、データ処理装置にその方法を実行させるように動作可能な命令を含むコンピュータ・プログラム生産物によって実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0007] 以上で説明した本発明の利点は、更に別の利点と共に、以下の説明を添付図面と共に参照することによって、より良く理解されよう。図面は、必ずしも同じ拡縮率で描かれておらず、逆に、本発明の原理を示すときには、一般に強調がなされている。
【図1】図1は、本発明の実施形態を提供することができる反応性ガス発生器を示す図である。
【図2】図2は、パワー・トレインの上位制御システムを示すブロック図である。
【図3】図3は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持する電源システムの制御を示すフローチャートである。
【図4A】図4Aは、異なる実施形態による電源およびブロック点火回路を示す回路図である。
【図4B】図4Bは、異なる実施形態による電源およびブロック点火回路を示す回路図である。
【図5】図5は、一実施形態による単一パワー・トレインの制御システムを示すブロック図である。
【図6】図6Aは、異なる点火シナリオによるインバータおよび主電流値を示すタイミング図である。図6Bは、異なる点火シナリオによるインバータおよび主電流値を示すタイミング図である。図6Cは、異なる点火シナリオによるインバータおよび主電流値を示すタイミング図である。
【図7】図7は、2つのパワー・トレインの上位制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0025] 本発明は、反応性ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するために電力を供給する方法および電源を特徴とする。以下に記載する特定の実施形態は、そのいずれもが以下の利点の1つ又は複数を実現することができる。実施形態は、複雑さを減らしつつ、点火空間の拡大に備えることができる(例えば、点火することができる圧力および/またはガス流の範囲を広げる)。加えて、実施形態は、dQ/dtの増大にも備えることができ、これによってガス流量の大きな変化を許容することが可能になる。実施形態は、プラズマ・チェンバ内部における陽極酸化によるブレークダウンおよびパンチ・スルーの危険性を解消するかまたは最小限に抑えることができる。実施形態は、信頼性のある点火および動作に備えることができる。実施形態は、ブロックの寿命を延長させることができる。加えて、実施形態は全てのガス条件の下において安全なドロップアウトに備えることができる。
【0019】
[0026] 図1は、本発明の実施形態を適用することができる反応性ガス発生器100を示す図である。図示のように、反応性ガス発生器100は、電源110とプラズマ・チェンバ120とを含む。プラズマ・チェンバ120は、プラズマ(例えば、Ag+)に変換するためのガス(例えば、アルゴン)を受ける入り口140を含む。一旦発生すると、プラズマを直接用いることができ、または1つ又は複数の他のソース・ガスを励起して対応する反応ガスにするために用いることができる。対応する反応ガスは、発生器の出口142から出て、例えば、プロセス・チェンバ145に入る。
【0020】
[0027] プラズマに点火するおよび/またはこのプラズマを維持するために、電源110は変圧器130を含む。変圧器の一次側は、磁気コア134の一部の周囲に巻回されている一次巻線132を含む。電源110からのエネルギは、変圧器の一次側を介して、チェンバ120を通過するガスに誘導的に結合され、プラズマに点火し、プラズマを発生し、および/またはプラズマを維持する。プラズマ・チェンバ120内において点火したプラズマは、変圧器の二次側としての役割を果たす。具体的には、電源110は、変圧器の一次巻線132の両端間に、大きな振幅(magnitude)の励起電圧を印加する。この高い励起電圧は、巻線132内に大きな電流を励起することによって、磁気コア134を貫通しガスの経路を横切る交流磁場を発生する。その結果、ガス内に電界が誘発され、そのプラズマへの点火が行われ、および/またはプラズマを維持するための電流が供給される。一旦プラズマが発生すると、このプラズマは、他のソース・ガスを励起するために用いることができ、特定の用途に合った所望の反応ガスを生成することができる。プラズマ・チェンバ120の内面には、プラズマ・ガスをプラズマ・チェンバ120自体から電気的に絶縁するために、陽極酸化層(例えば、誘電体材料)を被覆する、および/またはこれを含むことができる。
【0021】
[0028] 図2は、パワー・トレインの上位制御システム200を示すブロック図である。システム200は、DC電源210、ブリッジ・インバータ220、共振タンク230、周波数およびデューティ制御ユニット240、プラズマ検出ユニット250、および/または安全および監視ユニット260を含むことができる。DC電源210は、ブリッジ・インバータ220へDC電力を供給することができる。一方、ブリッジ・インバータ220は、共振タンク230に電力を供給することができる。ブリッジ・インバータ220は、当技術分野では周知の、半ブリッジまたは全ブリッジ電力変換器とすることができる。あるいは、交流電流または電圧の調節可能な電源であればいずれも、DC電源210およびブリッジ・インバータ220の代わりに用いることができる。ブリッジ・インバータ220は、実質的に共振タンク230の共振周波数または実質的にその周波数を有する交流ソース信号を供給することができる。共振タンク230は、共振回路を含むことができる。共振回路は、1つ又は複数のインダクタおよび1つ又は複数のキャパシタを含むことができる。共振タンク230は、変圧器232を介して、プラズマ負荷(図示せず)および/またはプラズマ点火ユニット(図示せず)に誘導的に結合することができる。周波数およびデューティ・サイクル制御ユニット240は、ブリッジ・インバータ220およびDC電源210によって供給されるソース信号の周波数、デューティ・サイクル、および/または振幅を制御することができる。ユニット240による周波数および/またはデューティ・サイクルの制御は、DC電源210、ブリッジ・インバータ220、共振タンク230、プラズマ検出ユニット250、所定の設定点(1つまたは複数)242、および/またはそのあらゆる組み合わせによって測定または供給される1つ又は複数の信号に基づくことができる。プラズマ検出回路250は、共振タンク230からの1つ又は複数の信号(例えば、インバータ電流および/または一次電流)、および/またはシステム内にある他のユニットからの1つ又は複数の他の信号(例えば、DC電源210からのプラズマ電流または電力信号)に基づいて、プラズマの存在を検出することができる。安全および監視ユニット260は、1つ又は複数の安全および監視機能を、図200のユニットの内1つ又は複数に提供することができる。例えば、一実施形態では、安全および監視ユニット260は、共振タンク230における余分なエネルギの蓄積を防止するために、無効信号をブリッジ・インバータ220に供給することができる。
【0022】
[0029] 図3は、反応ガス発生器においてプラズマに点火しこれを維持するための電力供給システムの制御を示すフローチャート300である。フローチャート300のエレメントを説明する際、例にあげた図2のブロック図200を用いる。電源システム210の制御には、周波数およびデューティ・サイクル制御ユニット240によって早点火信号を測定し(310)、周波数およびデューティ・サイクル制御ユニット240によって早点火制御信号を調節し(320)、ブリッジ・インバータ220によって、共振タンク230に供給された電力を調節し(330)、および/または検出ユニット250によってプラズマの存在を判定する(340)ことを含む。
【0023】
[0030] 早点火信号は、例えば、共振タンク230の電圧、電流、および/または電力を含むことができる。一実施形態では、早点火信号は、ブリッジ・インバータ220と共振タンク230との間の電流である(例えば、インバータ電流)。代替実施形態では、早点火信号は電圧である(例えば、変圧器の一次巻線の電圧)。早点火信号を測定するには(310)、ある時間期間(例えば、交流電源220の時間サイクルに基づく時間期間毎)内において早点火信号のピークを判定することを含むことができる。補足的な実施形態または代替実施形態では、早点火信号を測定するには(310)、測定信号の平均を取ること、測定信号を濾波すること、および/または他の信号処理機能を含むことができる。
【0024】
[0031] 早点火制御信号を調節する(320)には、所定の早点火制御信号のプロファイルに基づくことができる。一実施形態では、所定の早点火制御信号のプロファイルは、ランプアップ部、およびそれに続くクランプ部を含むことができる。ランプアップ部は、例えば、時間のあらゆる単調増加関数F(t)(例えば、F(t)=at、ここで、a>0は、選択された傾きの値である)に基づくことができ、その場合、早点火制御信号を調節するには、所与の時点において関数Fを評価することを含む。補足的な実施形態では、所定の早点火制御信号は、遅延期間、およびこれに続くクランプ部を含むことができる。
【0025】
[0032] 共振タンク230に供給された電力を調節する(330)には、測定された早点火信号および調節された早点火制御信号に基づくことができる。一実施形態では、周波数およびデューティ・サイクル制御ユニット240が、ブリッジ・インバータ220によって供給される代替ソース信号の周波数および/またはデューティ・サイクルを制御することができる。補足的な実施形態または代替実施形態では、制御ユニット240は、例えば、DC電源210を用いて、電力信号の振幅も制御することができる。他の実施形態では、電力を調節する(330)には、測定された早点火信号と調節可能な早点火制御信号との間の差に基づくことができ、この場合、測定された早点火信号が調節可能な早点火制御信号よりも大きい場合、より小さい電力を供給することができ、測定された早点火信号が調節可能な早点火制御信号よりも小さい場合、より大きい電力を供給することができる。
【0026】
[0033] 検出ユニット250によってプラズマの存在を判定する(340)には、例えば、共振タンク230によって変圧器に供給される一次電流に基づくことができる。代替実施形態または補足的な実施形態では、プラズマの存在は、DC電源210からの電力信号または共振タンク230からのRF信号に基づくことができる。プラズマが検出されない場合、プロセスはループしてステップ(310)および(320)に戻る。プラズマが検出された場合、制御ユニット240はプラズマ維持可能状態に入ることができ、この場合、プラズマを維持するために供給された電力を、所要の動作規格を満たすように調節することができる。一実施形態では、プラズマが存在するとき、プラズマ・チェンバを動作させこれに電力を供給するために、ブロック図200の1つ又は複数のエレメントも用いることができる。
【0027】
[0034] 図4Aは、点火電極を通じて点火が行われる一実施形態による電力供給およびブロック点火回路を示す回路図400である。回路図400は2つのモジュール状パワー・トレインを含むが、いずれの数のモジュール状パワー・トレインを有する他の構成も可能である。各パワー・トレインは、電源420aおよび420b(例えば、H−ブリッジ)、ならびに共振回路430aおよび430を含む。電源420aおよび420bは、それぞれ、例えば、DC電源422aおよび422b(例えば、360VDC)に結合することができる。回路図400では、共振回路430aおよび430bは、3つのインダクタ(L、L、およびL)と2つのキャパシタ(CおよびC)を含むが、他の共振構成も用いることができる。一実施形態では、インダクタL、L、およびLの値は、それぞれ、1.7μH、1.7μH、および1.05μHとすることができ、キャパシタCおよびCの値は、それぞれ、55.6nFおよび37.6μFとすることができる。共振回路430aおよび430bは、磁気コア425に結合されている。
【0028】
[0035] 磁気コア425は、二次プラズマ(図示せず)と、変圧器の磁気コア425の一部の周囲に巻回されている巻線432に結合されている。電源420aおよび420bが一次巻線の両端間に励起電力を供給すると、巻線比に応じて電流が巻線432内に誘発される。巻線432は、中央接地タップを含むことができ、その結果、この巻線から延出するリードが双極となり、このため、正および負の点火電極の形成が可能になる。巻線432のリードは、それぞれ、スイッチ435aおよび435bを介して、1つ又は複数の点火電極440a/440bおよび450a/450bに切り替え可能に接続されている。加えて、1つ又は複数のキャパシタCが巻線432と点火電極440a/440bおよび450a/450bとの間に配置されている。キャパシタCは、例えば、200pFの値を有することができる。一般に、キャパシタCの値は、電極上における電荷蓄積が所定レベル未満に抑えられるように、点火440a/440bおよび450a/450b電極への電流を制限するように選択することができる。
【0029】
[0036] 1つ又は複数の点火440a/440bおよび450a/450b電極は、プラズマ・チェンバ120の周囲またはその中に配列することができる。プラズマ・チェンバ120内に互いに対向するように正および負の点火電極を配置することによって、プラズマ・チェンバまたはチャネルを横切る電束の増大を実現することができる。その結果、プラズマ・ガスに点火するための電束の必須量を発生するために必要な、接地への電圧を低くすることができる。一実施形態では、これらの電極は、プラズマ・チェンバ120のチャネルを横切って電界を発生するように構成することができる。スイッチ435aおよび435bを点火電極440a/440bおよび450a/450bに接続すると、点火440a/440bおよび450a/450b電極および/または接地電極460aおよび460bの間に電界が発生し、チェンバ内に存在するガスにおいてブレークダウンを開始させ、これによってプラズマに点火することができる。
【0030】
[0037] プラズマ点火の間、リレー435aおよび435bの一方または双方が閉じるので、リードからの電圧を1つ又は複数の点火440a/440bおよび450a/450b電極に印加することができる。一旦プラズマが点火したなら、リレー435aおよび435bを開き、容量性放電を不可能にする。点火電極の典型的な配列は、プラズマ・チェンバまたはチェンバ内のチャネルの断面の周囲に位置付けるようにすることができる。具体的には、点火440a/440bおよび450a/450b電極を、プラズマ・チェンバ120の対向側に位置付けることができ、巻線432のリードに切り替え可能に接続すると、双方の電極が同じ極性を有することになる。また、接地電極460aおよび460bも、点火電極440a/440bおよび450a/450bの間でずらしてプラズマ・チェンバまたはチャネルの対向側に位置付けることができる。一般に、プラズマ・チェンバ全域にわたって、いずれの数の点火電極でも配置することができる。一実施形態では、プラズマ・チェンバ120のブロックは、点火電極および接地電極として役割を果たすことができる。
【0031】
[0038] 図4Bは、点火440a/440bおよび450a/450b電極を巻線432のリードに結合するための代替構成を示す回路図401である。具体的には、回路図401におけるプラズマ・チャネルに沿って、点火電圧を交互に印加する。一般に、点火電圧および/または接地電極は、いずれの構成においても、1つ又は複数の点火電極にプラズマ・チャネルに沿って印加することができる。この構成に基づいて、点火電極から接地への電圧を抑えながら、印加される電界によって覆われるプラズマ・チェンバ内の容積を最大にすることができる。
【0032】
[0039] 電極の各々の間にある誘電体分離を、1つ又は複数のキャパシタCdielec465として表すことができる。以下のように、巻線432のリードの一方における電圧(Vsparkで示す)を、点火電極の1つにおける電圧(Vdielecで示す)に関係付けることができる。
【0033】
【数1】




【0034】
[0040] ここで、Z=−j/(ωC)、そしてZdielec=−j/ωCdielec)である。
[0041] 図5は、一実施形態による単一パワー・トレイン用制御システム500を示すブロック図である。制御システム500のエレメントは、例えば、図4の回路400で実現することができる。システム500は、DC電源510、ブリッジ・インバータ520(例えば、半または全ブリッジ)、共振回路530、および制御コンポーネントを含む。共振回路530は、磁気コア532に結合されており、磁気コア532はガスまたはプラズマ533に結合されている。また、磁気コア532は、図4に示すように、1つ又は複数の点火電極の回路、および/または他の点火回路に結合することができる。また、このシステムは検出ユニット540aおよび540bも含む。検出ユニット540aは、ピーク・インバータ電流535aを測定することができ、必要であれば、追加の信号処理(例えば、濾波、平均化、および/またはスムージング)も行うことができる。検出ユニット540bは、ピーク一次電流535を測定することができ、必要であれば、追加の信号処理も行うことができる。検出ユニット540bからの出力は、プラズマ検出ユニット545に供給される。プラズマ検出ユニット545は、例えば、測定された一次電流が所定の閾値よりも大きいか否かに基づいて、プラズマ533に点火したか否か判断することができる。
【0035】
[0042] プラズマ検出ユニット545は、スイッチ550を制御する。プラズマがないとき(例えば、早点火において)、スイッチ550は早点火制御ユニット555に繋がっている。早点火制御ユニット555の動作については、以下で図6Aから図6Cを参照しながら説明する。プラズマがあるとき、スイッチ550は点火後制御ユニット560に繋がっている。システム500の動作について、本システムが早点火状態にあるとき(即ち、スイッチ550が制御ユニット555に繋がっている)に関して最初に説明する。
【0036】
[0043] 検出ユニット540aおよび早点火制御ユニット555からの出力は、比較器565に供給され、比較器565はこれら2つの印加された信号の差を取ることができる。一方、この差は電源制御ユニット570に供給される。一実施形態では、電力制御ユニット570は、PID制御ユニットおよび制御チップを含むことができる。電源制御ユニット570は、ブリッジ・インバータ520によって供給される交流信号の周波数、デューティ・サイクル、および/またはその他の特性に対する調節を決定することができる。例えば、測定された早点火信号が、ユニット555からの早点火制御信号よりも大きいと比較器565が判断した場合、ディーティ・サイクルを短縮すること、および/または周波数を共振回路530の共振周波数から離れるようにずらすことができる。同様に、測定された早点火信号が、ユニット555からの早点火制御信号よりも小さいと比較器565が判断した場合、デューティ・サイクルを延長すること、および/または周波数を共振回路530の共振周波数に向かってずらすことができる。補足的な実施形態では、制御ユニット570をハードウェアのソフト起動ソース580に結合すること、またはこれを含むことができる。
【0037】
[0044] 制御ユニット570からの制御信号は、プログラマブル・ロジック・デバイス485を介してブリッジ・インバータ520に結合することができる。プログラマブル・ロジック・デバイス485は、比較器590からの無効信号が全くない場合、制御信号を通過させるようにプログラムすることができる。比較器590は、インバータ電流に基づく測定信号595が所定の閾値596よりも大きいと判断した場合、無効信号を発行することができる。このように確立された無効メカニズムは、危険なエネルギ・レベルが共振回路530内部に蓄積するのを防止するために、システム500に保護方式を設けることができるという利点がある。
【0038】
[0045] 前述のように、プラズマが検出された場合、スイッチ550は点火後制御ユニット560に繋がる。一実施形態では、点火後制御ユニット560は、プラズマ・システムの所望の動作条件に基づいて、所定のインバータ電流制御値を供給することができる。この実施形態では、制御ユニット570は、測定されたインバータ電流が、ユニット560によって供給される所定の制御値に追従するように、共振回路530への電力を調節することができる。別の実施形態では、点火後制御ユニット560は、測定された一次電流535bと、プラズマ・システムの所望の動作条件に基づいた所定の一次電流制御値との間の差に基づいて信号を出力するPID制御を含むことができる。更に別の実施形態では、点火後制御ユニット560は、測定された電力信号(図示せず)と、プラズマ・システムの所望の動作条件に基づいた所定の電力制御値との間の差に基づいて信号を出力するPID制御を含むことができる。測定された電力信号は、例えば、DC電源510によって供給すること、またはシステム500の他のコンポーネントから供給することができる。
【0039】
[0046] 図6Aから図6Cは、ユニット555によって発生された特定の早点火制御信号について、異なる点火シナリオによる経時的なインバータ電流値および一次電流値を示すタイミング図である。具体的には、ユニット555が発生する所定の早点火制御信号のプロファイルは、図6Aから図6Cについて同一であり、以下で説明するように信号610に対応する。図6Aは、プラズマが点火しない、点火失敗シナリオを示す。図6Bは、クランプ閾値に到達した後のプラズマ点火を示す。図6Cは、クランプ閾値に到達する前のプラズマ点火を示す。図6Aに示すように、早点火制御信号610は、ランプアップ時間期間614の間線形に増加する。一実施形態では、ランプアップ時間期間614は約20msである。時点614において、早点火制御信号610が閾値612に跳ね上がる(固定される)。閾値612は、例えば、プラズマ・チェンバ内においてパンチ・スルーが発生する可能性があるいずれかの値よりも小さく選択することができる。パンチ・スルーは、誘電体材料の選択、誘電体材料の厚さ、プラズマ・チェンバの幾何学的形状、および/またはプラズマ・チェンバおよび/または点火回路のその他の特性に左右される可能性がある。したがって、このようにして閾値を設定すると、プラズマ・チェンバ内部にある陽極酸化層をパンチ・スルーから保護することができる。早点火制御ユニット555は、所定の時間量616だけ信号610を閾値612に維持する。所定の時間量616は、一実施形態では約100msである。時間616以前にプラズマが検出されない場合、信号610は0にリセットし、ランプアップ・プロセスが再開する。実施形態の中には、ランプアップ・プロセスが再開する前に、時間616の後に遅延期間を挿入することができる場合もある。一実施形態では、この遅延期間は400msにすることができる。以下の制御値は、所望の動作条件(例えば、異なるガス流量および/またはガスの種類)に基づいて、動作の間に制御システムによって可変に設定および調節することができる。閾値612、ランプアップ時間614、リセット時点616、および/または遅延期間。
【0040】
[0047] 図6Aにおける信号610は、システムからの、測定されたインバータ電流535a(またはその他の対応する早点火信号)を表すこともできる。何故なら、制御ユニット570は、早点火制御ユニット555が供給する所望の早点火制御プロファイル610に、インバータ電流535aが追従するようにさせるために、比較器565からのフィードバックを用いるからである。早点火段階の間、一次電流535bは実質的に0であり、したがって図6Aには示されていない。
【0041】
[0048] 図6Bおよび図6Cにおける信号620a/620bおよび640a/640bは、測定されたインバータ電流535a(または他の対応する早点火信号)を表すことができ、一方信号630a/630bおよび650a/650bは、測定された一次電流535bを表すことができる。点火の前では、一次電流630aおよび650aは実質的に0である。図6Bにおいて、点火は時点614の後に起こるが、図6Cでは、点火は時点614の前に起こる。
【0042】
[0049] 図6Bおよび図6Cに示すように、プラズマ点火が起こったとき、インバータ電流620aおよび640aの値は最初に低下し、一次電流630aおよび650aは、急上昇する。一実施形態では、プラズマ検出が行われるのは、一次電流630aおよび650aが時間期間618aおよび618bの間に検出閾値を超過した後である。プラズマ検出時に、スイッチ550は点火後制御ユニット560に繋がり、これらの図では、点火後制御ユニット560は、プラズマを維持するために、612よりも大きな電流を得るために制御信号を供給する。本システムは、インバータ電流620bおよび640bがこの値に安定する前に、ある時間量を要する。
【0043】
[0050] 図7は、2つのパワー・トレインに合わせた上位制御システム700を示すブロック図であり、単一パワー・トレイン・システムについて先に述べた特徴のいずれをも実現する。2つのパワー・トレインのみが図7には示されているが、あらゆる数のパワー・トレインに合わせて他の構成も可能である。システム700は、2つのDC電源711および712、2つのブリッジ・インバータ721および722、2つの共振タンク731および732、1つの周波数およびデューティ・サイクル制御ユニット740、1つのプラズマ検出ユニット750、および/または安全および監視ユニット(図示せず)を含む。制御ユニット740は、多入力単一出力(MISO)制御ユニットである。例えば、ブリッジ・インバータ721および722への出力制御信号は同一である。一実施形態では、出力制御信号は、ブリッジ・インバータ721および722のために周波数および/またはデューティ・サイクルを供給する。制御ユニット740に供給される入力は、例えば、共振タンク731および732からのインバータ電流(または他の早点火信号)の平均(mean)、平均(average)、またはrms値を含むことができる。例えば、検出ユニット540aは、1つ又は複数のパワー・トレインからの1つ又は複数のインバータ電流を表す早点火制御信号を比較器565に出力することができる。MISO制御ユニットを設けることによって、多数のパワー・トレイン・システムに必要な制御回路の複雑さを軽減することができるという利点がある。加えて、1つの出力制御部を設けることによって、システム700全体の制御性および安定性向上に備えることができるという利点がある。
【0044】
[0051] 以上で説明した技法は、ディジタルおよび/またはアナログ電子回路において、またはコンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはその組み合わせにおいて実現することができる。実施態様は、コンピュータ・プログラム生産物、例えば、データ処理装置、例えば、プログラマブル・プロセッサ、コンピュータ、および/または多数のコンピュータによって実行するため、あるいはその動作を制御するために、機械読み取り可能記憶デバイスに有体的に具現化されているコンピュータ・プログラムとすることができる。コンピュータ・プログラムは、ソース・コード、コンパイル型コードまたはインタプリタ型コードを含む、あらゆる形態のコンピュータ言語またはプログラミング言語でも書くことができ、単体プログラムとして、あるいはサブルーチン、エレメント、またはコンピューティング環境において用いるのに適したその他のユニットとしてのコンピュータ・プログラムを含む、あらゆる形態で展開することができる。コンピュータ・プログラムは、1つのコンピュータにおいて、あるいは1箇所以上にある多数のコンピュータにおいてで実行するように展開することができる。
【0045】
[0052] 方法ステップは、1つ又は複数のプロセッサによって実行することができ、入力データに作用すること、および/または出力を発生することによって本技術の機能を実行するコンピュータ・プログラムを実行する。また、方法ステップは、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、FPAA(フィールド・プログラマブル・アナログ・アレイ)、CPLD(複合プログラマブル・ロジック・デバイス)、PSoC(プログラマブル・チップ上システム)、ASIP(特定用途命令集合プロセッサ)、またはASIC(特定用途集積回路)によって実行することができ、そして装置はこの特殊目的論理回路として実現することができる。サブルーチンは、機能を実現するコンピュータ・プログラムの一部および/またはプロセッサ/特殊回路を指すことができる。
【0046】
[0053] コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサは、一例として、汎用および特殊目的用マイクロプロセッサの双方、ならびにあらゆる種類のディジタルまたはアナログ・コンピュータの1つ又は複数のあらゆるプロセッサを含む。一般に、プロセッサは命令およびデータをリード・オンリ・メモリまたはランダム・アクセス・メモリあるいはその双方から受け取る。コンピュータの必須要素は、命令を実行するプロセッサと、命令および/またはデータを格納する1つ又は複数のメモリ・デバイスである。キャッシュのようなメモリ・デバイスは、データを一時的に格納するために用いることができる。また、メモリ・デバイスは、長期データ格納のために用いることもできる。一般に、コンピュータは、データを格納する1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクも含むか、またはこれらからデータを受け取りこれらにデータを転送する、あるいはこれらの双方を行うように動作的に結合される。また、コンピュータは、ネットワークから命令および/またはデータを受信するため、および/または命令および/またはデータをネットワークに転送するために、通信ネットワークに動作的に結合することもできる。コンピュータ・プログラム命令およびデータを具体化するのに適した情報担体は、あらゆる形態の揮発性および不揮発性メモリを含み、一例として、半導体メモリ・デバイス、例えば、DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ・メモリ・デバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハード・ディスクまたはリムーバブル・ディスク、光磁気ディスク、ならびに光ディスク、例えば、CDおよびDVD、HD−DVD、およびBlue−rayディスクが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補強すること、および/または特殊目的論理回路の中に組み込むことができる。
【0047】
[0054] ユーザとの対話処理に備えるために、前述した技法は、ユーザに情報を表示するディスプレイ・デバイス、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマ、またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびにキーボードおよびポインティング・デバイス、例えば、マウスまたはトラックボール、タッチパッド、あるいは動きセンサを有するコンピュータ上で実現することができる。ユーザは、ポインティング・デバイスによってコンピュータに入力を供給することができる(例えば、ユーザ・インターフェース・エレメントと双方向処理を行う)。ユーザとの対話処理に備えるためには、他の種類のデバイスも用いることができる。例えば、ユーザに宛てるフィードバックは、あらゆる形態の感覚的フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、および/または接触入力を含む、あらゆる形態で受け取ることができる。
【0048】
[0055] 前述した技法は、バックエンド・コンポーネントを含む分散型計算システムにおいて実現することができる。コンピュータ・システムのコンポーネントは、伝送媒体によって相互接続することができ、この伝送媒体は、ディジタルまたはアナログ・データ通信のあらゆる形態または媒体を含むことができる(例えば、通信ネットワーク)。伝送媒体は、1つ又は複数のパケット系ネットワークおよび/または1つ又は複数の回線系ネットワークを、あらゆる構成で含むことができる。パケット系および/または回線系ネットワークは、ワイヤラインおよび/またはワイヤレス・ネットワークを含むことができる。
【0049】
[0056] 本発明は、本発明の主旨や本質的な特性から逸脱することなく、他の特定的な形態でも具体化できることは、当業者にはわかるであろう。したがって、以上の実施形態は、あらゆる観点において、本明細書において記載した発明の限定ではなく例示であると見なすこととする。本発明の範囲は、したがって、以上の記載ではなく、添付した特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等の意味および範囲に該当する全ての変更は、したがって、本発明の範囲に包含されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ガス発生器においてプラズマに点火する方法であって、
点火電源からプラズマ点火回路に電力を供給するステップと、
前記プラズマ点火回路の早点火信号を測定するステップと、
前記測定された早点火信号と調節可能な早点火制御信号とに基づいて、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップと、
ある時間期間が経過した後、前記調節可能な早点火制御信号を調節するステップと、
を備えている、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記点火電源が、スイッチング電源を備えている、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記点火電源が、半ブリッジ・インバータまたは全ブリッジ・インバータを備えている、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記早点火信号が、前記プラズマ点火回路の電圧、電流、または電力、あるいはそのあらゆる組み合わせを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記早点火信号が、前記点火電源と前記プラズマ点火回路との間の電流を含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記早点火信号を測定するステップが、前記時間期間の間前記早点火信号のピークを測定することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップが、前記点火電源のデューティ・サイクルおよび/または周波数値を調節することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法において、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップが、前記測定された早点火信号と前記調節可能な早点火制御信号との間の差に基づく、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップが、
前記測定された早点火信号が前記調節可能な早点火制御信号よりも大きい場合、より小さい電力を供給するステップと、
前記測定された早点火信号が前記調節可能な早点火制御信号よりも小さい場合、より大きな電力を前記プラズマ点火回路に供給するステップと、
を備えている、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、前記調節可能な早点火制御信号を調節するステップが、前記時間期間が経過した後に、前記調節可能な早点火制御信号を増加させることを含む、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、前記調節可能な早点火制御信号が、時間に関して線形に増加させられる、方法。
【請求項12】
請求項10記載の方法において、前記調節可能な早点火制御信号を増加させるステップが、所定の最大制御信号によって制限される、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法であって、更に、無効信号に基づいて、前記プラズマ点火回路に供給される電力の前記調節を無効するステップを備えている、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記無効信号が、所定の最大制御信号と前記測定された早点火信号とに基づく、方法。
【請求項15】
請求項13記載の方法において、前記プラズマ点火回路に供給される電力の前記調節を無効するステップが、第2時間期間の間前記プラズマ点火回路に電力を供給しないことを含む、方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法であって、点火時間期間が経過した後に、更に、
前記調節可能な早点火制御信号をリセット値に調節するステップと、
待機時間期間の間前記調節可能な早点火制御信号を前記リセット値に維持するステップと、
前記待機時間期間が経過した後、前記調節可能な早点火制御を調節するステップと、
を備えている、方法。
【請求項17】
請求項1記載の方法において、前記プラズマ点火回路が、変圧器と、この変圧器の一次巻線に結合されている共振回路とを備えている、方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、前記早点火信号が、前記一次巻線の電圧を含む、方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法において、前記共振回路が、1つ又は複数のインダクタと1つ又は複数のキャパシタとを備えている、方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、前記プラズマ点火回路が、更に、前記変圧器の二次巻線に結合されている1つ又は複数の点火電極を備えている、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記二次巻線が、接地に結合されている中央タップを備えている、方法。
【請求項22】
請求項17記載の方法において、前記変圧器が、プラズマ・チェンバ内にあるプラズマに電力を供給するために、前記プラズマ・チェンバに電磁的に結合されている、方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法であって、更に、
前記プラズマ・チェンバ内に前記プラズマが存在するか否か判断するステップと、
前記点火電源から前記プラズマ・チェンバの中にあるプラズマに電力を供給するために、前記プラズマ点火回路を用いるステップと、
前記プラズマが前記プラズマ・チェンバ内に存在すると判断された場合、プラズマ制御信号に基づいて、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節するステップと、
を備えている、方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、前記プラズマに供給される電力を調節するステップが、前記点火電源のデューティ・サイクルおよび/または周波数値を調節することを含む、方法。
【請求項25】
請求項23記載の方法において、前記プラズマに供給される電力を調節するステップが、前記測定された早点火信号と前記プラズマ制御信号との間の差に基づく、方法。
【請求項26】
請求項23記載の方法であって、更に、プラズマ信号を測定するステップを備えており、前記プラズマに供給される電力を調節するステップが、測定されたプラズマ信号と前記プラズマ制御信号との間の差に基づく、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法において、前記プラズマ信号が、前記一次巻線の電流、電力供給信号、プラズマ・チェンバ信号、またはそのあらゆる組み合わせを含む、方法。
【請求項28】
反応ガス発生器においてプラズマの点火を制御するシステムであって、
プラズマ点火回路に結合されており、早点火信号を発生するように構成されている、測定デバイスと、
コントローラであって、
(i)前記早点火信号と調節可能な早点火制御信号とに基づいて、点火電源制御信号を調節する計算手段と、
(ii)前記点火電源制御信号を点火電源に出力する出力手段と、
(iii)ある時間期間が経過した後、前記調節可能な早点火制御信号を調節する計算手段と、
を有する、コントローラと、
を備えている、システム。
【請求項29】
請求項28記載のシステムであって、更に、
前記点火電源と、
前記点火電源に結合されている前記プラズマ点火回路と、
を備えている、システム。
【請求項30】
請求項29記載のシステムにおいて、前記点火電源が、半ブリッジ・インバータまたは全ブリッジ・インバータを備えている、システム。
【請求項31】
請求項28記載のシステムにおいて、前記測定デバイスが、更に、前記プラズマ点火回路の電圧測定値、電流測定値、電力測定値、またはそのあらゆる組み合わせに基づいて、前記早点火信号を発生するように構成されている、システム。
【請求項32】
請求項31記載のシステムにおいて、前記測定デバイスが、更に、前記時間期間における前記測定値のピークを測定するピーク検出ユニットを備えている、システム。
【請求項33】
請求項28記載のシステムにおいて、前記点火電源制御信号を調節する前記計算手段が、前記早点火信号と前記調節可能な早点火制御信号との間の差に基づいて、前記点火電源制御信号を調節するように構成されている、システム。
【請求項34】
請求項28記載のシステムにおいて、前記調節可能な早点火制御信号を調節する前記計算手段が、前記時間期間が経過した後、前記調節可能な早点火制御信号を増加させるように構成されている、システム。
【請求項35】
請求項34記載のシステムにおいて、前記調節可能な早点火制御信号の増加が、所定の最大制御信号によって制限される、システム。
【請求項36】
請求項29記載のシステムにおいて、前記プラズマ点火回路が、変圧器と、この変圧器の一次巻線に結合されている共振回路とを備えている、システム。
【請求項37】
請求項36記載のシステムにおいて、前記共振回路が、1つ又は複数のインダクタと1つ又は複数のキャパシタとを備えている、システム。
【請求項38】
請求項36記載のシステムにおいて、前記プラズマ点火回路が、更に、前記変圧器の二次巻線に結合されている1つ又は複数の点火電極を備えている、システム。
【請求項39】
請求項38記載のシステムにおいて、前記二次巻線が、接地に結合されている中央タップを備えている、システム。
【請求項40】
請求項36記載のシステムにおいて、前記変圧器が、プラズマ・チェンバ内にあるプラズマに電力を供給するために、前記プラズマ・チェンバに電磁的に結合されている、システム。
【請求項41】
請求項28記載のシステムであって、更に、
前記プラズマ・チェンバにおいて前記プラズマの存在を検出するプラズマ検出ユニットと、
前記プラズマが前記プラズマ・チェンバ内に存在すると判断された場合、プラズマ制御信号に基づいて、前記プラズマ点火回路に供給される電力を調節する計算手段を有する電力コントローラと、
を備えている、システム。
【請求項42】
請求項41記載のシステムにおいて、前記プラズマ制御信号が、所定のプラズマ制御値、前記一次巻線の電流、電力供給信号、プラズマ・チェンバ信号、またはそのあらゆる組み合わせを含む、システム。
【請求項43】
請求項28記載のシステムにおいて、前記測定デバイスが、更に、1つ又は複数の他のプラズマ点火回路に結合されており、前記1つ又は複数の他のプラズマ点火回路からの測定値に基づいて、前記早点火信号を発生するように構成されている、システム。
【請求項44】
請求項43記載のシステムにおいて、前記点火電源制御信号を出力する前記出力手段が、更に、前記1つ又は複数の他のプラズマ点火回路と関連のある1つ又は複数の他の点火電源に、前記点火電源制御信号を出力する手段を備えている、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−519355(P2012−519355A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552012(P2011−552012)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/040358
【国際公開番号】WO2010/098779
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED