説明

反応性成分を含有する菓子組成物

【課題】製品の欠陥又は早い段階における反応を生じさせることなく、有効成分が口腔内で互いに反応できる態様で、菓子組成物中の有効成分を輸送することを可能にする、菓子組成物の提供。
【解決手段】第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源を含有する第1部位と、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2部位を含んでなる、菓子組成物。当該第1部位及び当該第2部位は、消費された時に実質的に同時に口腔と接触し、それによりカルシウムイオンとリン酸イオンが互いに反応する。幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は均一ではない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費された時に各々反応する成分を含有する、組成物及び食物の提供に関する。本発明はまた、かかる食物を調製する方法、並びにかかる食物を投与することによって歯の再石灰化方法の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
菓子組成物を用いて、有効成分を輸送することができる。例えば、呼気の清涼化及び歯の白色化に有効な成分を提供するチューインガムが、ビタミン及びミネラルを提供するためのチューイーキャンディとして広く消費されている。
【0003】
菓子組成物を口腔内において一定時間(典型的には5〜30分)滞留させることにより有効成分が適切に放出されるが、それらの効果を発揮させるためには、それらを一定の時間口腔内に残存させる必要がある。
【0004】
ある場合には、当該有効成分は、それらが各々反応することにより、ある有益な効果が得られる。例えば、リン酸カルシウムをチューインガム及びキャンディに添加することにより、カルシウム及びリン酸イオンを供給し、歯の表面上にそれを沈殿させ、初期のカリエス病変を再石灰化させることにより、脱石灰化されたエナメル質を修復する試みが行われている。しかしながらこれらの試みは、チューインガムからの有効成分の放出が不十分であり、またキャンディがザラザラした食感となるため、失敗に終わった。
【0005】
幾つかの態様として、キャンディの中心に粉末状の炭酸水素ナトリウムを充填して、酸性物質及びアルカリ性物質を供給し、口腔内で発泡させるという試みも行われている。しかしながらこれらの試みは、キャンディの消費前に反応が進行してしまうため、失敗に終わった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、製品の欠陥又は早い段階における反応を生じさせることなく、有効成分が口腔内で互いに反応できる態様で、菓子組成物中の有効成分を輸送することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態では、第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源を含有する第1部位と、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2部位を含んでなる、菓子組成物の提供に関する。幾つかの実施形態では、当該第1部位及び当該第2部位は、消費された時に実質的に同時に口腔と接触し、それによりカルシウムイオンとリン酸イオンが互いに反応する。幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は均一ではない。
【0008】
幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は、ハードキャンディ及びカルシウム塩を含有する第1部位と、ハードキャンディ及びホスファート塩を含有する第2部位を含んでなる。幾つかの実施形態では、当該第1部位及び当該第2部位は、消費された時に実質的に同時に口腔と接触し、それによりカルシウムイオンとリン酸イオンが互いに反応する。幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は均一ではない。
【0009】
幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は、当該菓子組成物が消費されるときに、口腔内で互いに反応する2種以上の反応性の有効成分を含んでなる。幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は均一ではなく、当該反応性の有効成分は菓子組成物のそれぞれの領域に存在し、更に他の実施形態では、それらのそれぞれの領域は実質的に同時に口腔と接触する。幾つかの実施形態では、当該領域のうちの少なくとも1つは、当該菓子組成物の消費者にとり有効なシグナルを提供する。
【0010】
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分を含有させることに加えて、当該菓子組成物は、風味剤を含有してもよい。幾つかの実施形態では、当該領域の各々は風味剤を含有してもよい。他の実施形態では、当該領域は、風味剤のファミリーから選択された同じ若しくは異なる風味剤を含有してもよい。また、幾つかの実施形態では、当該風味剤のフレーバ強度を適宜調節して、ある領域のフレーバ強度を、他の領域のフレーバ強度と同様に若しくは異なるようにしてもよい。
【0011】
それぞれの領域を有する実施形態では、当該領域は製菓用ベースを含有してもよい。これらの製菓用ベースとしては、限定されないが、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、可食フィルム、チューインガム、チョコレート及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、それぞれの領域に含まれる製菓用ベースは同じであってもよく、他の実施形態では、当該製菓用ベースは異なってもよい。
【0012】
幾つかの実施形態は、以下のステップを含んでなる、菓子組成物の調製方法の提供に関する:第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源を含有する第1の菓子部位を形成させるステップと、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2の菓子部位を形成させるステップと、当該第1の菓子部位及び当該第2の菓子部位を組み合わせて、均一でない菓子組成物を形成させるステップ。
【0013】
幾つかの実施形態は、個人の口腔に、カルシウム及び/又はリン酸イオンを含有するか又は提供する菓子組成物を投与することを含んでなる、歯の再石灰化方法の提供に関する。
【0014】
幾つかの実施形態は、個人の口腔に、pH7.0超の物質及び/又はpH7.0以下の物質を含有するか又は提供する菓子組成物を投与することを含んでなる、発泡する食感を提供する方法の提供に関する。
【0015】
幾つかの実施形態は、個人の口腔に、パーオキシ化合物及び/又はpHが7.0超の化合物を含有するか又は提供する菓子組成物を投与することを含んでなる、歯の白色化方法の提供に関する。
【0016】
幾つかの実施形態は、カルシウム及び/又はリン酸イオンを含有するか若しくは提供する菓子組成物、当該菓子組成物の取り扱い説明書、並びに、当該菓子組成物及び当該取扱説明書を収容する容器を含んでなる、歯再石灰化用のキットの提供に関する。
【0017】
幾つかの実施形態は、複数の別個の食用部分を含んでなる食用製品キットの提供に関し、詳細には、当該複数の食用部分が、少なくとも第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源を含有する第1部分と、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2部分が、口腔内で、実質的に同時に接触する態様で包装され、消費されたときに、当該カルシウムイオンとリン酸イオンが口腔内で互いに反応することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願明細書において詳細に後述するように、幾つかの実施形態は、反応性の有効成分を含有する菓子組成物に関する。当該反応性の有効成分は、菓子組成物中に添加する際は、菓子組成物のそれぞれの領域に振り分けられ、菓子組成物が消費されるとき、それらは反応し、当該有効成分が菓子組成物から遊離する。これらの領域は、菓子組成物中の、隔離された、それぞれの領域であってもよい。好ましくは、幾つかの実施形態では、各々の領域は、逆反応を生じさせるような有効成分を含有しない。幾つかの実施形態では、菓子組成物中のそれぞれの領域は各々、口腔に曝露される表面を有する。口腔に曝露される表面を有することにより、当該各領域は、その領域に含有される反応性の有効成分を溶解させ、放出する。反応性の有効成分は、それらが含まれる各領域から遊離された後、各々反応を生じさせる。
【0019】
菓子組成物は、様々な方法で構成できる。例えば、幾つかの実施形態では、当該菓子組成物は均一であってもよく、他の実施形態では、それらは均一でなくともよい。本発明の用語「均一な」とは、それぞれの領域が緊密に混合されている菓子組成物を意味するために用いる。均一な組成物において、反応性の有効成分は、単一の菓子(例えば単一のハードキャンディ担体システム)全体にわたり散在する。本発明の用語「均一でない」とは、それぞれの領域が緊密に混合されていない菓子組成物を意味するために用いる。均一でない組成物において、反応性の有効成分は、菓子中の別々の部位にそれぞれ散在する。例えば、幾つかの実施形態では、2つの別々のハードキャンディ担体システムを用いてもよい。菓子中に、別々の隔離された領域及び菓子組成物の菓子部分が形成される。例えば、各々の菓子部分は互いに隣接して配置してもよく、又は各々の菓子部分は菓子組成物の内及び外の領域を形成してもよい。
【0020】
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分を含有するそれぞれの領域は、実質的に同時に口腔と接触する。この実質的に同時の接触を行わせるため、幾つかの実施形態では、当該それぞれの領域がいずれも外面を形成してもよく、また他の実施形態では、当該それぞれの領域が外面を形成しなくてもよい。更に他の実施形態では、当該それぞれの領域のうちの1つのみが外面を形成してもよい。
【0021】
反応性の有効成分を輸送することに加えて、当該それぞれの領域は風味剤を含有してもよい。幾つかの実施形態では、それぞれの領域の風味が同じ風味のファミリーであってもよく、他の実施形態では、当該風味が異なる風味のファミリーであってもよい。本発明の用語「風味のファミリー」とは、例えばフルーティー、スパイス、ミント、デザート及び辛口などのカテゴリに分類される風味のことを指す。各風味ファミリーは多くの異なる風味を有するが、それらは全体的には類似する特性を共有する。また、それぞれの領域の風味の強度を操作することもできる。幾つかの実施形態では、それぞれの領域の風味は同じ強度を有してもよく、他の実施形態では、それぞれの強度が異なってもよい。
【0022】
含有される風味剤に加えて、それぞれの領域は、菓子組成物の消費者に対する有効性シグナルを提供してもよい。幾つかの実施形態では、当該有効性シグナルとしては、冷感、温感、刺激感、発泡間、唾液分泌を催す感覚及びそれらの組み合わせを提供する化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、それぞれの領域における有効性シグナルは同じであってもよく、他の実施形態では、当該有効性シグナルは異なってもよい。
【0023】
幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分とは、キャンディが消費されるときに、歯を再石灰化する反応を生じさせうる、カルシウム及びリン酸イオンである。幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分は、pH7.0以下の成分、及び当該pH7.0以下の成分を中和する反応を生じさせうるpH7.0超の成分である。幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分は、歯を白くする反応を生じさせうる、pH7.0超のパーオキシ化合物及び成分である。幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分は、pH7.0超の成分と、消費されるときに反応して発泡を生じさせるpH7.0以下の成分である。幾つかの実施形態では、菓子組成物の消費者にある種の感覚を提供する成分を含有させることにより、反応が進行していることが彼らに示される。幾つかの実施形態では、当該感覚は、冷感、温感、刺痛感又は唾液分泌を催す感覚である。
【0024】
本発明の用語「含んでなる」(また「含む」など)とは、「含有する」、「含有してなる」若しくは「・・・を特徴とする」と同義に用いられる、包括的若しくはオープンエンドな用語を意味し、請求項の前文若しくは本体部のいずれで用いられるかに関係なく、追加的な、詳述されない要素又は工程段階を排除するものではない。
【0025】
本発明の用語「・・・と反応する」及び「反応性の」とは、化学的反応の結果として1つ以上の反応生成物を生じさせうる、実際の若しくは潜在的な化学的反応を意味する用語である。化学的反応のタイプ及び反応生成物は、化合物の化学的性質及び当該反応が行われる条件などにより決定される。例えば、カルシウム及びリン酸イオンは、それらが混合されたときに反応することができ、それによりリン酸カルシウムが形成され、歯表面が再石灰化される。同様に、過酸化カルバミド及び炭酸水素ナトリウムは、それらが混合されたときに反応することができ、それにより過酸化水素が形成され、歯を白くすることができる。さらなる例としては、クエン酸及び炭酸水素ナトリウムは、それらが混合されたときに反応することができ、それにより炭酸ガスが形成され、温感が提供される。
【0026】
本発明の用語「放出速度」とは、食用組成物の消費に応じて食用組成物から放出され、時間経過と共に口腔に導入される成分又は化合物の量を意味する用語である。当該成分又は化合物は、唾液中において可溶化されてもよく、又は可溶化されなくてもよい。
【0027】
本発明の用語「有効成分」とは、食用組成物を消費する個人に対して利点を提供するために、食用組成物に添加される、あらゆる成分又は化合物を意味する用語である。かかる利点としては、限定されないが、味覚、風味、感覚、治療効果、良好な効果、栄養的な効果、医薬的な効果、感覚的な効果、オーラルケア効果及び呼気清涼化効果などが挙げられる。オーラルケア有効成分の若干の例としては、歯再石灰化剤(例えばカルシウム及びリン酸イオン)並びに歯漂白剤(例えばペルオキシド)などが挙げられる。
【0028】
本発明の用語「製菓用ベース」とは、菓子組成物の大半を占め、菓子組成物に対して構造的な安定性を提供し、他の成分が添加されうる、あらゆる成分又は成分群のことを指す。製菓用ベースの例としては、スクロースとコーンシロップの混合物が挙げられる。他の例としては、ポリオール混合物、スクロース及び/又はコーンシロップを含有するポリオール混合物などが挙げられる。更に他の例としては、スクロース、コーンシロップ及び水素添加された植物油と混合し、弱く沸騰させた澱粉含有ベース、又は、ペクチン、スクロース及びコーンシロップを含有するベースなどに、脂肪及び親水コロイドを添加したものが挙げられる。
【0029】
本発明の用語「ハードキャンディ」とは、「ハードボイルドキャンディ」、「ハイボイルドキャンディ」、「ドロップ」及び「ロゼンジ」と同義で、サッカリド成分を、それらの大部分の水分を除去するのに十分高い温度で加熱して調製した菓子組成物、又は、サッカリド成分を調理せずに、最終製品の含水量が約5%以下となるように混合して調製した菓子組成物などの、全ての菓子組成物が包含される。
【0030】
本発明の用語「ソフトキャンディ」とは、約5%以上の水分を含有する全ての菓子組成物のことを指す。
【0031】
本発明の用語「給源」とは、少なくとも1つの反応性の化合物を含有する、あらゆる成分、化合物、組成物及び材料のことを指す。
【0032】
本発明の用語「有効性シグナル」とは、ある効果を提供しうる食物を消費するか、又は消費することを考えている個人に対して提供される、当該食物に由来する味覚、風味、感覚、芳香、音又はテクスチャなどのことを指す。当該有効性シグナルの例としては、メントールなどの清涼化物質による、咳抑制及び/又は喉をスムーズにするシグナル、食用酸などによる、口腔内を湿潤化するシグナル、ジャンブ(jambu)刺激性の物質による、歯をクリーニングするシグナルなどが挙げられる。
【0033】
本発明の用語「感覚」とは、食物の消費により生じる、それ単独では食物の味覚に影響を与えない、あらゆる感覚のことを指す。本発明の用語「味覚」とは、甘味、酸味、塩味、苦味及び旨味(うまみ)などの感覚のことを指す。
【0034】
本発明の用語「再石灰化」とは、歯表面においてミネラルが補充される、あらゆる機構のことを指す。再石灰化の例としては、カルシウムイオン及びリン酸イオンによる、歯表面における反応により、リン酸カルシウム及びリン酸カルシウム錯体が形成され、それらが歯表面にミネラル質の構造として組み込まれる作用が挙げられる。
【0035】
反応性の有効成分
幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分としては、カルシウム及びリン酸イオンが挙げられる。カルシウムイオンの給源としては、限定されないが、グルコン酸カルシウム、イタコン酸グルコン酸カルシウム、カルシウムボログルコネート、クエン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムブロモラクトビオネート、リンゴ酸クエン酸カルシウム、オロト酸カルシウム、ピルビン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸三カルシウム、フマル酸カルシウム、L乳酸カルシウム五水和物、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、並びにそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0036】
リン酸イオンの給源は、限定されないがリン酸、リン酸カルシウム(一塩基、二塩基及び三塩基)、リン酸ナトリウム(一塩基、二塩基及び三塩基)、二リン酸二ナトリウム、二リン酸テトラナトリウム、三リン酸五カリウム、トリリン酸五ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム(グレアムの塩)、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムカリウム(タンマンの塩)、クロールの塩(KPQ)n、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸マグネシウム(一塩基、二塩基及び三塩基)、リン酸カリウム(一塩基、二塩基及び三塩基)、骨リン酸塩、リン酸アンモニウム(二塩基)、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0037】
幾つかの実施形態では、カルシウムイオン及びリン酸イオン源は、イオン間の再石灰化反応が歯表面において生じるように、同程度の放出速度となるように選択される。
【0038】
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分は、7.0以下のpHの成分と、7.0超のpHの成分である。7.0以下のpHを示す成分を酸と称することができ、一方、7.0超のpHを示す成分をアルカリと称することができる。7.0超のpHを示す成分としては、限定されないが、リン酸カリウム、リン酸二カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、フッ化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、炭酸カルシウム、活性炭、ミョウバン、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、水酸化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グルコン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、硫化アンモニウム、リン酸アンモニウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ヘキサメタリン酸カルシウム、過酸化カルシウム、次亜リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、二酸化塩素、グルコン酸銅、硫酸銅、塩化第2鉄、リン酸第2鉄、ピロリン酸第2鉄、酸化第2鉄、硫酸第2鉄、ピロリン酸ナトリウム第2鉄、炭酸第1鉄、グルコン酸第1鉄、硫酸第1鉄、過酸化水素、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、グリセロリン酸マンガン、次亜リン酸マンガン、硫酸マンガン、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、水酸化カリウム、グリセロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、塩化第1スズ、亜塩素酸第2スズ、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、グルコン酸亜鉛、亜塩素酸ナトリウム及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0039】
7.0以下のpHを示す成分としては、限定されないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン及びそれらの組み合わせなどが挙げれる。
【0040】
幾つかの実施形態では、口腔内で中和反応が生じるように、7.0以下のpHを示す成分と、7.0超のpHを示す成分を、同程度の放出速度となるように選択する。
【0041】
幾つかの実施形態では、当該反応性の有効成分は、7.0超のpHを示すペルオキシ化合物及び成分である。適切なペルオキシ化合物は、限定されないが、パーヒドロキシ(OOH)イオンを放出できるあらゆる経口的に許容できる化合物(例えば過酸化水素、アルカリ及びアルカリ土類金属のペルオキシド、有機ペルオキシ化合物及びペルオキシ酸及びそれらの塩)が挙げられる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属のペルオキシドとしては、限定されないが、過酸化リチウム、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム及び過酸化バリウムなどが挙げられる。有機ペルオキシ化合物としては、限定されないが、過酸化カルバミド(別名過酸化尿素)、グリセリル過酸化水素、アルキル過酸化水素、ジアルキルペルオキシド、アルキルペルオキシド、ペルオキシエステル、ジアシルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、モノペルオキシフタル酸などが挙げられる。ペルオキシ酸及びそれらの塩としては、限定されないが、有機ペルオキシ酸(例えばアルキルペルオキシド及びモノペルオキシフタレート)、並びに、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えばリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム及びバリウム)の無機ペルオキシ酸塩(過硫酸、ジ硫酸、過炭酸、過リン酸、過ホウ酸及び過ケイ酸の塩)が挙げられる。他の有用なペルオキシ化合物は、ピロリン酸ナトリウムペルオキシハイドレートである。7.0超のpHを示す適切な成分を、以上に列記した。
【0042】
幾つかの実施形態では、ペルオキシ化合物と、7.0超のpHを有する成分を、同程度の放出速度となるように選択し、口腔内で歯表面においてクリーニング反応を生じさせてもよい。
【0043】
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分として、7.0超のpHを示す成分と、pH7.0以下を示す成分を添加して、消費されるときに反応させ、発泡を生じさせる。7.0超のpHを示す好適な成分としては、限定されないが、アルカリ金属の重炭酸塩(例えばナトリウム及び炭酸水素カリウム)、重炭酸アンモニウムなどの、経口的に許容できるあらゆる重炭酸塩が挙げられる。上記のように、7.0以下のpHを有する成分としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、グルコノδラクトン及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
幾つかの実施形態では、7.0超のpHを示す成分と、7.0以下のpHを示す成分を、同程度の放出速度となるように選択して反応させ、口腔内で発泡反応を生じさせる。
【0045】
幾つかの実施形態では、菓子組成物の消費者にある種の感覚を提供する成分を含有させ、反応が進行していることを示してもよい。幾つかの実施形態では、当該感覚は冷感、温感、発泡、刺激又は唾液分泌を催す感覚である。様々な周知の冷却剤を使用してもよい。例えば、有用な冷却剤としては、メントール、キシリトール、エリトリトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロデカノン、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール、2〜6の炭素原子数のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、イソプレゴール、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、クエン酸メンチル、3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール及びグルタル酸エステルなどが挙げられる。これらの、また他の適切な冷却剤は、以下の米国特許構造に更に記載されている:米国特許第4230688号、第4032661号、第4459425号、第4136163号、第5266592号、第6627233号(いずれも、その全開示内容を本願明細書に参照により援用する)。
【0046】
幾つかの実施形態では、ユーザに加温の感覚シグナルを提供することが公知である、多種多様な化合物から、加温成分を適宜選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で加温の感覚を提供し、しばしば風味剤、甘味料及び他の感覚刺激成分による感覚を強化する。幾つかの実施形態では、有用な加温化合物としては、バニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)(高砂香料社、東京、日本)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ギンゲロール、ショーガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0047】
加温の感覚又は冷却効果は、米国特許出願公開第2003/0072842A1号(本発明に援用する)にて説明されるように、疎水性の甘味料を用いて長期化させることができる。例えば、かかる疎水性の甘味料としては、本発明で参照する式I〜XIの化合物が挙げられる。また、米国特許第6159509号(本発明に援用する)に記載のペリラルチン(Perillartine)を添加してもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、刺激感覚を提供してもよい。かかる刺激感覚は、幾つかの例としては、ジャンブ(jambu)、オレオレジン、山椒(sanshool)、ピペリン又はスピラントールを添加することにより提供される。幾つかの実施形態では、ジャンブ又は山椒などの材料から抽出されるアルキルアミドを含有させてもよい。幾つかの実施形態では、刺激感覚を提供する化合物は、唾液分泌を催す感覚を提供するものであってもよい。そのような唾液分泌感覚は、トランスペリトリンを添加することにより提供される。他の唾液誘導成分としては、Heliopsis longipesの抽出物、胡椒の抽出物、アルキルオキシアルカン酸アミド、アルカ−2−エン−4−イン酸アミド、食用酸、及び塩味を提供する化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
幾つかの実施形態では、発泡によりある種の感覚を生じさせてもよい。かかる発泡は、塩基性材料と酸性材料を混合することにより生じる。幾つかの実施形態では、塩基性材料としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩及びそれらの混合物などが挙げられる。幾つかの実施形態では、酸性材料としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。「刺激」タイプの感覚を生じさせる物質を含む組合せの例としては、米国特許第6780443号(全開示内容を本発明に援用する)に記載のものが挙げられる。当該組合としては、冷却化合物、加温化合物及び刺激化合物(例えばメントール、カプシカムのオレオレジン及びジャンブのオレオレジンのブレンド)の混合物が挙げられる。
【0050】
反応性の成分が菓子組成物の別々の領域に含まれる幾つかの実施形態では、感覚を提供する成分は、1つの領域に含まれる。幾つかの実施形態では、感覚を提供する成分は、菓子組成物のいずれの領域にも含まれる。幾つかの実施形態では、感覚を提供する成分は同じ感覚を提供し、他の実施形態では、異なる感覚を提供する。幾つかの実施形態では、感覚を提供する成分は、反応性の成分の放出速度と同程度の放出速度を示すものであり、それにより、口腔内で反応が進行するのと同時に感覚が提供される。
【0051】
菓子の形態及びその製造方法
菓子組成物は、例えばハードキャンディ、ソフトキャンディ、ゴム状キャンディ、ゼリー状キャンディ、綿菓子、プレスされたタブレット、可食フィルム又はロゼンジなどの形態を有する食物であってもよい。「菓子組成物」には、全ての非チューインガム菓子組成物が包含される。
【0052】
例えば、幾つかの実施形態は、ロゼンジ又はキャンディ(また一般に菓子と呼ばれる)の形態の食物に関する。かかる菓子組成物は、砂糖及びシュガーレスのバルク甘味料などのバルク甘味料、又はそれと同等な物質、又はその混合物を含有してもよい。バルク甘味料は通常、組成物に対して約0.05%〜約99重量%の量で存在する。
【0053】
幾つかの実施形態では、高強度甘味料を菓子組成物中に含有させてもよい。特定の甘味料に限定されないが、その代表的なカテゴリ及び例を以下に列挙する:
(a)水溶性の甘味剤(ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリチン、ジヒドロフラベノール)、糖アルコール(ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトール)、及びL−アミノジカルボキシル酸アミノアルケン酸エステルアミド(例えば米国特許第4619834号(本発明に援用する)にて開示されるもの)、及びそれらの混合物;
(b)水溶性人工甘味料(可溶性のサッカリン塩(すなわちナトリウム又はカルシウムのサッカリン塩)、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのシクラメート塩、ナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩、並びに3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−1−2,2−ジオキシド(アセスルフェームK)のカリウム塩)、並びにサッカリンの遊離酸、並びにそれらの混合物;
(c)ジペプチド系甘味料(例えばLアスパラギン酸から派生した甘味料、例えばL−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、米国特許第3492131号に記載されている材料、L−αアスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン)、並びにそれらの混合物;
(d)天然に存在する水溶性甘味料に由来する水溶性甘味料(例えば通常の糖(スクロース)を塩素で処理した派生物、例えばスクラロースの商品名で公知の、例えばクロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などの、クロロデオキシ糖誘導体);(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、限定されないが、1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6.1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース、及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、及びそれらの混合物;
(e)タンパク質ベースの甘味料(例えばタウマオカス ダニエリ(thaumaoccous danielli)(タウマチンI及びII)及びタリン;
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体、
(g)甘味料ロハグオ(Lo han guo)(また「ロハンコ」とも呼ばれる)。
【0054】
高強度甘味料を、従来技術において公知の様々な物理的形状で用いてもよく、それにより初期の甘味のバースト、及び/又は長期にわたる甘味を提供してもよい。かかる物理的形状としては、限定されないが、フリーの形態(例えば噴霧乾燥物)、粉末状、ビーズ、カプセル状、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0055】
一般に、有効量の高強度甘味料を用いて所望の甘味のレベルとすることができ、またこの量は選択される甘味料によっても変動しうる。高強度甘味料は、使用する甘味料又は甘味料の組合せによって、食物の重量に対して約0.001%〜約3%の量で存在させてもよい。各タイプの甘味料の正確な重量範囲は、当業者により適宜選択されうる。
【0056】
様々な従来公知の成分(例えば着色剤、酸化防止剤、保存剤など)を、有効量で菓子中に適宜含有させてもよい。着色剤を有効量で用いて、所望の着色を生じさせてもよい。着色剤としては色素が挙げられ、組成物の重量に対して最高約6%の量で含有させてもよい。例えば、二酸化チタンを、組成物の重量に対して約2%、好ましくは約1%未満の量で含有させてもよい。着色剤は、食品、薬剤及び化粧品用途に適する天然の食用着色剤及び色素を含有してもよい。これらの着色剤は、F.D.&C.色素及び湖として公知である。上記の用途に使用できる材料は、好ましくは水溶性である。例示的な非限定的な例としては、F.D.&C.ブルーNo.2として公知のインジゴイド色素が挙げられ、それは5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である。同様に、F.D.&C.グリーンNo.1として公知の色素は、トリフェニルメタン色素を含んでなり、それは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。全てのF.D.&C.着色剤の詳細な説明及びそれらの対応する化学構造は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,3rd Edition(5)、p857−884に開示されている(本発明に援用する)。
【0057】
幾つかの実施形態では、潤滑剤を添加して、食物(例えばハードキャンディ)の滑らかさを改善してもよい。滑らかさはまた、消費の際に更に水分が補給された感覚を提供する性質である。好適な潤滑剤としては、脂肪、オイル、アロエベラ、ペクチン及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
同様に、本発明の幾つかの実施形態では、食物は滑らかな端を有してもよい。かかる実施形態では、食物は、例えば正方形、円形又はダイヤモンド形などのいかなる形状であってもよく、その端は削られて滑らかな食物として加工される。食物に滑らかさを付与するための他の方法としては、製造工程の間、食用組成物を鋳型中に堆積させて成型することが挙げられる。したがって、幾つかの実施形態では、当該食物は堆積により形成される。
【0059】
また当業者に公知の他の添加剤を、菓子組成物に使用してもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、菓子組成物を、バッチ処理によって製造してもよい。かかるキャンディは、従来公知の装置(例えば火炎調理鍋、調理用押出機及び/又は減圧調理鍋)を使用して調製することができる。幾つかの実施形態では、バルク甘味料(砂糖又は砂糖フリー)及び溶剤(例えば水)を撹拌槽中で混合し、スラリーを形成させる。当該スラリーを約70℃〜120℃で加熱し、全ての甘味料の結晶又は粒子を溶解させ、水溶液を形成させる。溶解させた後、約4%未満の水分残量となるまで、バッチ加熱及び減圧して調理し、水を蒸発除去する。当該バッチは、結晶相からアモルファス(又はガラス質の)相に変化する。輸送システムを更に、他の任意の添加剤(例えば着色剤、フレーバーなど)と共に、バッチ式で機械的に混合してもよい。当該バッチを更に、約50℃〜10℃に冷却し、半固体又はプラスチック状にする。
【0061】
ハードな菓子の製造工程中に、一様に輸送システム、風味剤、着色剤及び他の添加剤を混合するための必要となる最適な混合方法は、材料が均一に分布するのに必要となる時間により決定される。通常、4〜10分の混合時間が公的であることが見出されている。キャンディ原料を適切に調製した後、それを適切な長さにカットし、又は適切な重量及びサイズで所望の形状にする。様々な成形技術を利用して、最終製品の所望の形状及びサイズを形成してもよい。所望の形状に成形した後、低温条件にして食物を均一に硬化させ、その後、それらを包装する。
【0062】
あるいは、薄層蒸発装置及び注入ポートを利用して輸送システムを含有する成分を取り込ませるための、様々な連続調理プロセスが公知であり、常法に従い使用できる。
【0063】
本発明に係る有用な装置として、製菓技術において公知の調理装置及び混合装置を使用することができ、具体的な装置の選択は当業者にとって自明である。
【0064】
食用組成物−プレスタブレット
幾つかの実施形態では、ミントなどのプレスされたタブレット形態の菓子組成物は、微細に粉砕された砂糖又はスクロース代用品、風味剤(例えばハッカ風味)、結合剤(例えばアラビアゴム)及び任意に着色剤を混合することによって調製できる。風味剤及び結合剤を混合し、更に段階的に、砂糖又はスクロース代用品と、必要に応じて着色剤を添加する。
【0065】
生成物を更に所望のメッシュ篩(例えば12メッシュ)にかけて砕壊し、更に典型的に55℃〜60℃の温度で乾燥させる。得られる粉末を、大型パンチを装着したタブレットマシンに充填し、得られるペレットを顆粒状に分散させ、更にプレスする。
【0066】
食用組成物−可食フィルム
幾つかの実施形態は、口腔内で溶解する可食フィルムの提供に関する。かかるフィルムは、プルラン、澱粉、アルギン酸塩及びそれらの組み合わせを含有する様々な親水コロイドから調製される。
【0067】
幾つかの実施形態では、フィルム形成剤としては、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メタアクリル酸メチルコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミラーゼ、高アミラーゼ澱粉、ヒドロキシプロピル化高アミラーゼ澱粉、化工澱粉、デキストリン、非消化性デキストリン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質抽出物、ホエイタンパク質抽出物、カゼイン、及びそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、他のフィルム形成剤としては、親水コロイド(例えば天然の藻、天然ゴム、天然の植物滲出液、天然の繊維抽出物、生合成されたガム類、ゼラチン、生合成的に加工された澱粉又はセルロース系材料、アルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カラゲナン、グアーガム、ロクストガム、タラガム、アラビアガム、アカシアガム、ガッティガム、アガーガム、キサンタンガム、ペクチン、タラカントガム、及びそれらの組み合わせ)などが挙げられる。これらの材料が、本発明の1つ以上の機能を発揮できることは、当業者にとり自明である。例えば、これらの材料の多くは、フィルム形成機能以外にも、結合剤、増粘剤及び安定化剤としても機能しうる。
【0068】
幾つかの実施形態では、可食フィルムは、フィルム形成成分の水分散液又は溶液から調製される。当該フィルム形成成分は、水との親和性を有する材料を含有するのが好ましく、それらは水と混合させると膨張し、粘性が増加する性質を有する。幾つかの実施形態では、当該可食フィルムは、当該フィルム形成成分を水に添加し、「ダマ」の形成を防止しながら混合することにより形成される。幾つかの実施形態では、反応性の有効成分などの他の成分を、フィルム形成成分の添加前、又は添加後に、分散液又は溶液に添加する。甘味料、風味及び可塑剤のようなフィルム形成成分、反応性の有効成分及び他の添加剤を均一に混合した後、当該溶液を加熱して過剰な水分を除去し、鋳型成型し、乾燥させる。得られるマトリクスは長鎖及び短鎖ポリマーの構造を有し、その一部は直鎖状のコンフォメーションを有し、その他の一部は分岐状のコンフォメーションを有する。乾燥の後、可食フィルムを形成させ、適宜カットし、及び/又は包装する。
【0069】
食用の組成物−ソフト菓子
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分を、様々なソフトな菓子のフォーマットにおいて使用してもよい。ソフトな菓子のフォーマットとしては、ヌガー、キャラメル、タフィー、グミ及びゼリーなどが挙げられる。
【0070】
幾つかの実施形態は、2つの主成分(ハイボイルドキャンディ及びフラッペ)を含有するヌガー組成物に関する。例えば、卵白又はその代替物を水と混合してホイップし、軽い泡を形成させる。砂糖及びグルコースを水に添加し、典型的に130℃〜140℃の温度で沸騰させ、得られる沸騰生成物をミキサーに注入し、クリーム状になるまで激しく撹拌する。撹拌されたアルブミン及び風味剤を、クリーム色の生成物と混合し、更にその混合物をより完全に混合する。
【0071】
幾つかの実施形態は、砂糖(又はスクロース代用品)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、部分的に水素化された脂肪、固形乳、水、バター、風味剤、乳化剤及び塩を含有するキャラメル組成物に関する。キャラメルの調製の際、砂糖/スクロース代用品、コーンシロップ/ポリオールシロップ及び水を混合し、加熱して溶解させる。更に固形乳を原料中に混合し、均一な混合物を形成させる。次に、微量な成分を、弱く加熱しながら混合する。更に火力を強くし、沸騰させる。充分な水を除去して着色/風味を生じさせた後、原料を幾分冷却し、温度感受性の成分(反応性の有効成分を含む)を混合し、更に原料を取り出し、加工/成形/包装して最終製品を得る。
【0072】
幾つかの実施形態は、砂糖(又はスクロース代用品)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)部分的に水素化された脂肪、水、風味剤、乳化剤及び塩を含有するタフィー組成物に関する。タフィーの調製方法はキャラメルの調製方法と類似し、任意に、最終的なタフィー原料を引っ張り、その所望のテクスチャを形成してもよい。
【0073】
幾つかの実施形態は、砂糖(又はスクロース代用品)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、ゼラチン(又は適切な親水コロイド)、風味剤、着色剤及び任意に酸を含有するグミ組成物に関する。グミは、ゼラチン又は適切な親水コロイドを水和させ、糖/コーンシロップ(スクロース代用品/ポリオールシロップ)を加熱し、これらの2つの成分を加熱しながら混合することにより調製できる。当該混合物がその最終温度又は適切な固形砂糖のレベルに達した後、風味剤、着色剤、反応性の有効成分、その他の微量成分を混合物に添加し、更に型に注入し、冷却し、包装し、最終製品を得る。ワックス又は油脂の塗布など、様々な表面処理を行い、粘着を防止してもよい。
【0074】
幾つかの実施形態は、澱粉ベースのゼリー又はペクチンベースのゼリーである、ゼリー組成物に関する。ゼリー製品は、グミと同様に、親水コロイドを水和させ、当該水和混合物を、調理済みのシロップ成分と混合することにより調製できる。混合物を更に、最終的な含水量となるまで調理し、微量成分(反応性の有効成分を含む)を添加する。グミと同様に、ゼリーキャンディを型(例えば澱粉型)に注入することができる。グミと同様に、油脂又はワックスなどを塗布して表面処理を施してもよい。更に、ゼリーキャンディに、轢いた砂糖、酸、ノンパレイルなどで表面処理を施し、乾燥した表面テクスチャとしてもよい。
【0075】
食用の組成物−紡績した砂糖/砂糖代用物
幾つかの実施形態では、炭水化物マトリクスを溶融紡糸に供することにより調製できる、食用組成物に関する。溶融紡糸は、不織繊維及びファブリック製造において公知の方法である。溶融紡糸技術においては、固体状のポリマー材料を溶融し、粘性溶液を形成させる。この粘性溶液を更に、複数の小穴(別名出糸突起)を有する型を強制的に通過させ、複数のフィラメントを形成させる。フィラメントを更に冷却し、繊維状に固化させ、また原料としてのポリマー物質の性質によっては、ストレッチさせて強度を増加させてもよい。当該繊維を更に加工し、ファブリック(例えばナイロン、サラン及びポリエステル)を形成させることができる。炭水化物マトリクスが溶融紡糸工程における原料となる場合、ウェブ状の綿菓子が得られる。幾つかの実施形態では、反応性の有効成分を取り込ませたウェブ状の綿菓子を調製することができる。更に、ウェブ状の綿菓子を別々の投与単位として形成し、典型的な剤形(例えばタブレット)と同様の形状としてもよい。
【0076】
溶融紡糸は、公知技術のいかなる手段によっても実施できる。幾つかの実施形態では、綿菓子機(例えばGold Medal Products社(シンシナティ、OH)製のEcono−Floss Model 3017)を使用する。同様の力及び温度勾配を生じさせる、他のいかなる装置又は物理的方法を用いてもよい。
【0077】
溶融紡糸の後、当該ウェブを加工し、シートを形成してもよい。当該加工方法としては、プリング、ツイスティング又はエンタングリングなどが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、加工されたシートを更に、別々の投与単位として形成してもよい。本発明の「別々の投与単位」という用語は、最終使用者に対して意図された効果を提供する、溶融紡績したウェブ又は輸送担体の、例えばタブレット、ディスク又はロゼンジなどのあらゆるフォーマットのことを指す。従来の成形装置を使用し、ウェブ又は輸送担体を加工することにより、シート状の別々の投与単位を調製できる。幾つかの実施形態では、当該別々の投与単位は、ウェブ又は輸送担体を加工して得たシートを成形ローラで更に加工することにより、従来の菓子形状の投与単位として成形されうる。
【0078】
食用組成物−チョコレート菓子
チョコレートの製造工程は、ココア種又は豆の仕分け、洗浄から開始され、更にローストすることにより行う。更に種を割り、カカオニブとして公知の種抽出物を得る。更にカカオニブを、風選と呼ばれる処理によりサイズ分けする。更に風選の後、カカオニブを機械加工し、チョコレート液として公知の濃厚なペースト状物を形成させる。更に当該チョコレート液をプレスし、ココアバターと残りの原料とに分離させ、後者を更にチョコレート粉としてサイズ加工する。チョコレートクラムは、チョコレート液に濃縮ミルク、ココアバター及び砂糖を混合することにより調製される。チョコレートクラムをローラーで加工し、更にコンチング及び焼戻しを行うことにより純粋が高まり、それにより最終的なチョコレートが得られる。チョコレートキャンディは、キャラメル又はナット及び他の物質などの成分を混合し、生成物を最終製品の形状に加工し、販売用に包装することにより形成される。多くの形状及びコンビネーションが、当該技術の当業者に公知である。反応性の有効成分は、上記の工程中のいずれのタイミングにおいても添加できる。チョコレート製品としての基準を満たすチョコレート以外にも、幾つかの実施形態では、コーティングなどの、ココア又はチョコレートを含有する組成物をして調製してもよく、またそれらに当該反応性の有効成分を含有させることもできる。
【0079】
菓子組成物の調製に関する詳細は、Skuse’s Complete Confectioner(13th Edition)(1957) including p41−71,133−144及び55−262、及びSugar Confectionery Manufacture (2nd Edition)(1995),E.B.Jackson,Editor,p129−168,169−188,189−216,218−234及び236−258(これらの開示内容を本発明に援用する)に記載されている。
【0080】
食用組成物−チューインガム
幾つかの実施形態では、反応性の有効成分を、チューインガム組成物のそれぞれの領域に添加することができる。チューインガム組成物は従来技術において公知で、例えば、米国特許第6685916号、第6627233号、第6685916号及び第6696044号に詳細に記載されており、その開示内容を本願明細書に援用し、また以下に要約する。
【0081】
チューインガム組成物は、典型的には1つ以上のガムベース、風味剤及びバルク甘味料を含んでなる。チューインガムにはまた、風船ガム(バブルガム)が包含される。
【0082】
チューインガム組成物は、コーティングされてもよく、又はされなくてもよく、スラブ状、スティック状、ペレット状、ボール状、圧縮タブレットなどの形状であってもよい。圧縮タブレットは、圧縮可能な混合物から形成されうる。
【0083】
中心充填ガムは、他の公知の形態のチューインガムである。そのガム部分は、チューインガムにおいて記載したのと同様の組成を有し、同様の製造工程で調製される。しかしながら、中心充填材は典型的には水溶液又はゲルであり、それは製造工程の間、ガムの中心に注入されうる。中心充填ガムは、任意にコーティングされていてもよく、ロリポップ状、ペレット状又はスラブ状など、様々な形状に調製されることができる。
【0084】
チューインガム組成物は、ガムベース及び多くの他の典型的なチューインガム用成分(例えば甘味料、軟化剤、風味剤など)を含有する。
【0085】
幾つかの実施形態では、ガムベースは通常、エラストマー、エラストマー可塑剤、ワックス、油脂、オイル、乳化剤、充填材及びテクスチャライザなどを含有する。エラストマーは、ベースに対して約5%〜95重量%、好適には10%〜70重量%、より好適には15%〜45重量%で含有される。エラストマーの例としては、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、ポリビニルアセテートなどの合成エラストマーが挙げられる。エラストマーは、天然ゴム、並びに天然のガム類(例えばジェルトン、レチ カスピ、ペリロ、マッサランドゥバ バラタ、チクル、グッタ ハン カン又はそれらの混合物)などの天然エラストマを含有してもよい。他のエラストマーは当業者に公知である。
【0086】
エラストマー可塑剤をガムベースに使用することにより、最終的に得られるガムの硬度が修飾される。エラストマー可塑剤は、典型的にはガムベースに対して約75重量%までの量、好適には特に約5〜45重量%、より好適には約10〜30重量%の量で含有される。エラストマー可塑剤の例としては、部分的に水素化されたロジンのグリセロールエステル、タルオイルロジンのグリセロールエステル、部分的に水素添加されたロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステル及び部分的に水素添加されたメチルエステル、などの天然エステルガムが挙げられる。テルペン樹脂などの合成エラストマー可塑剤を、ガムベース組成物に使用してもよい。
【0087】
ワックスは、合成及び天然ワックス(例えばポリエチレン、蜜ロウ、カルナウバなど)であってもよい。パラフィンなどの石油ワックスを使用してもよい。ワックスは、ガムベースに対して約30重量%までの量で存在してもよい。ワックスの添加により、最終的なガムの硬化を補助し、風味の解放を補助して改善し、製品の貯蔵寿命を延長することができる。
【0088】
充填材は、ガムベースのテクスチャを修飾し、処理性を向上させる。かかる充填材の例としては、ケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウム、クレイ、アルミナ、タルク、酸化チタン、セルロースポリマーなどが挙げられる。充填材は、典型的には1%〜60重量%の量で存在させる。
【0089】
ガムベースに使用する軟化剤の例としては、水素化された及び部分的に水素化された植物油、カカオ脂、グリセロールモノステアレート、グリセロールトリアセテート、ジ−及びトリグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの脂肪酸が挙げられる。
【0090】
ガムベースは、チューインガム中に約5%〜95重量%で含まれ、典型的には10%〜50重量%、最も典型的にはチューインガム組成物の約25%〜35重量%で含まれる。
【0091】
チューインガム組成物に用いられる他の成分としては、甘味料(天然及び人工、並びにシュガー入り及びシュガーレス)が挙げられる。甘味料は、チューインガム組成物に、典型的には約20%〜80重量%の量で、具体的には約30%〜60重量%の量で存在させる。シュガーレスの甘味料としては、限定されないが、糖アルコール(例えばソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリトリトール)、水素化加水分解澱粉などが挙げられる。高強度甘味料、例えばスクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルフェームの塩、モナチンなどを、典型的には約1.0重量%までの量で存在させる。
【0092】
風味剤は、広範囲にわたりその使用量を変化させることができ、例えば約0.1%〜10.0重量%の量、特に約0.5%〜5.0重量%の量で適宜調節することができる。チューインガム組成物に用いられる風味剤は公知であり、柑橘類の油、ハッカ油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、メントール、シナモン、ショウガなどが挙げられる。
【0093】
軟化剤を用いて、チューインガム組成物のテクスチャを修飾しもよい。典型的なガム組成物では、組成物中に含有される軟化剤は、典型的には、チューインガム組成物の総重量に対して約0.5%〜10重量%の量で含有される。
【0094】
その他の、ガム組成物中に含有させてもよい材料としては、酸化防止剤(例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルオキシトルエン、β−カロテン、トコフェロール)、着色剤、風味剤などが挙げられる。
【0095】
パンコーティング及びスプレーコーティングなどのチューインガム組成物に適用可能なコーティング塗布技術が公知である。ハードキャンディ層の調製に適する溶液を用いてコーティングを施すのが好適である。砂糖及び糖アルコールを、高強度甘味料、着色剤、風味剤、結合材及び他の従来公知の添加剤と共に用いてもよい。
【0096】
コーティングシロップ中に、甘味料を、約30%〜80重量%の量で存在させてもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの結合剤を、接着の強化又は促進のために、コーティングシロップに対して約1%〜15重量%の量で、コーティングシロップ中に添加してもよい。任意に、従来公知の添加剤を微量添加してもよい。コーティングシロップへの使用に適している甘味料としては、多価アルコール(例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、イソマルト及びそれらの混合物)、並びにマルチトール、イソマルチトール、水素化加水分解澱粉物、水素化グルコースシロップなどのシュガーレス甘味料が挙げられる。単糖、二糖及び多糖を含有させてもよい。例えば、スクロース、果糖、グルコース、ガラクトース及びマルトースなどの糖を甘味料として使用してもよい。コーティングシロップへの使用に適する他の甘味料としては、フリーのサッカリン酸、サッカリン塩の水溶液、シクラメート塩、パラチニット、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、L−アスパラチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、アミノ酸系甘味料、タリン、ステビオシド、ジヒドロカルコン化合物、アセスルフェーム塩及びそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
他の成分、例えば水分吸収剤、付着防止剤、分散剤及びフィルム形成成分などを、コーティングシロップ中に微量添加してもよい。コーティングシロップ剤への使用に適する水分吸収剤としては、マンニトール又はリン酸二カルシウムなどが挙げられる。有用な付着防止剤(充填材としても機能しうる)の例としては、タルク、三ケイ酸マグネシウム及び炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらの成分は、シロップの重量に対して約0.5%〜5重量%の量で使用できる。コーティングシロップに使用できる分散剤の例としては、上記のように二酸化チタン、タルク又は他の付着防止剤などが挙げられる。
【0098】
コーティングシロップを加熱し、その一部をチューインガムのコアに堆積させることができる。通常、コーティングシロップを一回堆積させただけでは、所望の量又はコーティング厚とはならないため、通常、コーティングの重量及び厚を所望のレベルまで増加させるため、第2、第3又はそれ以上のコーティングとしてコーティングシロップを塗布し、中間コーティングを乾燥させ、層状構造を形成させるのが好ましい。
【0099】
チューインガム組成物の調製に関する詳細は、Skuse’s Complete Confectioner(13th Edition)(1957)including p41−71,133−144及び255−262、及びSugar Confectionery Manufacture(2nd Edition)(1995),E.B.Jackson,Editor,p258−286(これらの開示内容を本願明細書に援用する)に記載されている。
【0100】
本発明の特徴及び効果を以下の実施例においてより詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に、いかなる形であれ、限定されるものと解釈すべきでない。
【実施例】
【0101】
実施例1:
【0102】
表1:再石灰化組成物
【表1】

【0103】
菓子製品の調製において、各領域に添加するスクロース及びグルコースシロップを水に溶解させ、混合し、約145℃の温度に加熱した。次に、乳酸カルシウム及びリン酸ナトリウムの溶液を、温湯と混合して調製した。キャンディ生成物中のカルシウム含有部分には、乳酸カルシウムの溶液を混合した。同様に、キャンディ生成物中のリン酸含有部分には、リン酸ナトリウムの溶液を混合した。キャンディ原料を更に冷却したテーブル上に置き、ニーダーを使用して着色剤、酸及び風味剤と混合した。カルシウム部分の組成物と、ホスファート部分を等量混合して生成物を得、当該2つの部分をプレスして2枚の層を形成させ、それを更に二重層を形成した原料を成形機に通して成形した。あるいは、糖及びグルコースシロップを調理し、次に冷却したテーブルに置き、風味剤、着色剤及び酸を添加してもよい。当該バッチを更に分割して、1つの領域へ乳酸カルシウムを添加し、他の領域へリン酸ナトリウムを添加してもよい。上記と同様に二重層を調製し、最終製品として成形してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源から成る第1部位と、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2部位を含んでなり、均一でない、菓子組成物。
【請求項2】
前記第1部位及び前記第2部位が、消費された時に実質的に同時に口腔と接触し、それにより前記カルシウムイオンと前記リン酸イオンが互いに反応する、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項3】
コーティングを更に含んでなる、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項4】
前記第1部位及び前記第2部位が両方とも外面を形成する、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項5】
前記第1部位及び前記第2部位がいずれも外面を形成しない、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項6】
前記第1部位又は前記第2部位のうちの1つが外面を形成する、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項7】
前記第1部位が更に第1の風味剤を含有し、前記第2部位が更に第2の風味剤を含有する、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項8】
前記第1の風味剤が、前記第2の風味剤に対して相補的である、請求項7記載の菓子組成物。
【請求項9】
前記第1の風味剤が、前記第2の風味と同じ風味ファミリーである、請求項7記載の菓子組成物。
【請求項10】
前記第1の風味剤が、前記第2の風味剤と同じ風味ファミリーでない、請求項7記載の菓子組成物。
【請求項11】
前記第1の風味剤のフレーバ強度が、前記第2の風味剤のフレーバ強度より大きい、請求項7記載の菓子組成物。
【請求項12】
前記第1の風味剤のフレーバ強度が、前記第2の風味剤のフレーバ強度より大きくない、請求項7記載の菓子組成物。
【請求項13】
前記第1部位の重量%が、前記第2部位の重量%に実質的に等しい、請求項2記載の菓子組成物。
【請求項14】
前記第1部位の重量%が、前記第2部位の重量%に実質的に等しくない、請求項2記載の菓子組成物。
【請求項15】
前記第1の製菓用ベースが、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、可食フィルム、チューインガム及びチョコレートからなる群から選択される、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項16】
前記第1の製菓用ベースが、糖、ポリオール又はそれらの組み合わせを更に含んでなる、請求項15記載の菓子組成物。
【請求項17】
前記第2の製菓用ベースが、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、可食フィルム、チューインガム及びチョコレートからなる群から選択される、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項18】
前記第2の製菓用ベースが、糖、ポリオール又はそれらの組み合わせを更に含んでなる、請求項17記載の菓子組成物。
【請求項19】
前記第1の製菓用ベースが、前記第2の製菓用ベースと同様である、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項20】
前記第1の製菓用ベースが、前記第2の製菓用ベースと同様でない、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項21】
前記第1部位及び前記第2部位の少なくとも1つが、前記菓子組成物の消費者に、有効性シグナルを提供する、請求項1記載の菓子組成物。
【請求項22】
前記有効性シグナルが、冷感、温感、刺激感、発泡感、唾液分泌を催す感覚及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21記載の菓子組成物。
【請求項23】
前記第1部位が前記菓子組成物の消費者に第1の有効性シグナルを提供し、前記第2部位が前記消費者に第2の有効性シグナルを提供する、請求項21記載の菓子組成物。
【請求項24】
前記第1の有効性シグナル及び前記第2の有効性シグナルが、各々独立に、冷感、温感、刺激感、発泡感、唾液分泌を催す感覚及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23記載の菓子組成物。
【請求項25】
前記第1の有効性シグナルが、前記第2の有効性シグナルと同じである、請求項23記載の菓子組成物。
【請求項26】
前記第1の有効性シグナルが、前記第2の有効性シグナルと同じでない、請求項23記載の菓子組成物。
【請求項27】
ハードキャンディベース及びカルシウム塩から成る第1部位と、ハードキャンディベース及びホスファート塩から成る第2部位を含んでなり、前記第1部位及び前記第2部位が、消費された時に実質的に同時に口腔と接触し、それにより前記カルシウムイオンと前記リン酸イオンが互いに反応し、均一でない、菓子組成物。
【請求項28】
第1の反応性の有効成分を含有する第1部位と、第2の反応性の有効成分を含有する第2部位を含んでなり、前記菓子組成物が消費されたときに、前記第1の反応性の有効成分と前記反応性の第2の有効成分が口腔内で互いに反応し、前記第1部位及び前記第2部位のうちの少なくとも1つが、前記菓子組成物の消費者に有効性シグナルを提供し、均一でない、菓子組成物。
【請求項29】
菓子組成物が消費されたときに、前記第1部位及び前記第2部位が実質的に同時に口腔と接触する、請求項28記載の菓子組成物
【請求項30】
前記第1の反応性の有効成分が、pH7.0超の物質を含んでなり、前記第2の反応性の有効成分が、pH7.0以下の物質を含んでなる、請求項28記載の菓子組成物。
【請求項31】
前記pH7.0超の物質が、重炭酸塩を含んでなる、請求項30記載の菓子組成物。
【請求項32】
前記第1の反応性の有効成分が、パーオキシ化合物を含んでなり、前記第2の反応性の有効成分が、pH7.0超の物質を含んでなる、請求項28記載の菓子組成物。
【請求項33】
前記パーオキシ化合物が、過酸化水素、過酸化カルバミド又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32記載の菓子組成物。
【請求項34】
前記有効性シグナルが、冷感、温感、刺激感、発泡感、唾液分泌を催す感覚及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項28記載の菓子組成物。
【請求項35】
第1の製菓用ベース及びカルシウムイオン源を含有する第1の菓子部位を形成するステップと、第2の製菓用ベース及びリン酸イオン源を含有する第2の菓子部位を形成するステップと、前記第1の菓子部位と前記第2の菓子部位を組み合わせて、均一でない菓子組成物を形成するステップを含んでなる、菓子組成物の調製方法。
【請求項36】
前記菓子組成物にコーティングを施すステップを更に含んでなる、請求項35記載の菓子組成物の調製方法。
【請求項37】
前記菓子組成物が消費されたとき、前記第1の菓子部位と前記第2の菓子部位が実質的に同時に口腔と接触する、請求項35記載の菓子組成物の調製方法。
【請求項38】
個人の口腔に請求項1記載の菓子組成物を投与するステップを含んでなる、歯の再石灰化方法。
【請求項39】
個人の口腔に請求項30記載の菓子組成物を投与するステップを含んでなる、温感を生じさせる方法。
【請求項40】
個人の口腔に請求項32記載の菓子組成物を投与するステップを含んでなる、歯の白色化方法。
【請求項41】
請求項1記載の菓子組成物と、前記菓子組成物の取扱説明書と、前記菓子組成物及び前記使用説明書を収容する容器からなる、歯再石灰化のためのキット。
【請求項42】
複数の食用部分及び包装を含んでなる食用組成物キットであって、少なくとも第1の食用部品と第2の食用部分が、実質的に同時に口腔と接触することができる態様で、前記複数個の食用部分が包装され、前記第1の食用部品が第1の製菓用ベースとカルシウムイオン源を含んでなり、前記第2の食用部分が第2の製菓用ベースとリン酸イオン源を含んでなり、消費されたとき、前記カルシウムイオンと前記リン酸イオンが口腔内で互いに反応する、前記キット。

【公表番号】特表2009−538602(P2009−538602A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512335(P2009−512335)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/069845
【国際公開番号】WO2007/140357
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】