収容具及び園芸容器
【課題】相互に結合された複数の容器を直鎖状に配列することができ、また、全容器の平面形状がコンパクトな特定の形状となるように集合可能である収容具を提供すること。
【解決手段】複数の容器を備え、複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであること。
【解決手段】複数の容器を備え、複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容具及び植栽容器に関し、特に詳しくは、相互に結合された容器の配列状態を様々に変形することができる収容具及び園芸容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「蔓植物栽培用のネットを巻きつけるための、回転できる細長い筒状のネットロールバーを伸縮可能な2本の支柱の上部に保持した、ネットを張るためのネットハンガー部を、水受け皿の付いた、鉢及びプランターを置くためのキャスター付き台車に取り付けた、自立した蔓植物栽培台」が記載されている。
【0003】
特許文献2には、「横長なプランターの左右側面にネット付の逆U字形フレームの左右末端部が差し込める形状の穴を有し、そのプランターと一体形である受皿の底面4ヶ所にキャスターを配し、プランターの移動を簡単にしたことを特徴とするパーティション・プランター」が記載されている。
【0004】
特許文献3には、「天面(2a)に、嵌め合わせる鉢(3)の外形に合わせて凹設され底面(4a)に前記鉢と鉢に給水する給水マット(17)を支持可能なポケット(4)と、かつ前記天面(2a)の周縁に排水溝(6)とを備える蓋体(2)と、内部に貯水可能な容器で構成され、上部外周囲に、前記蓋体(2)の周縁に設けられた排水溝(6)の縁板(5a,5b,5c)を受けるようにフランジ状に構成された持ち手(9)と、側壁上部に開口する切り欠きで構成された連結口(10)とを備えた貯水タンク(8)と、前記貯水タンク(8)の連結口(10)に嵌合し、かつ前記蓋体(2)によってその上面を囲い、前記貯水タンク(8)に一体化するように構成される連結口挿入具(11,12)とを備えることを特徴とする連結式プランター」が記載されている。
【0005】
特許文献4には、「植物栽培土が充填される植栽部を有する一対の略矩形状植栽容器と、前記一対の植栽容器に配設される給水管とよりなるユニットが所要数連結されて設置される緑化ユニットであって、前記植栽容器がその一部に断面略鉤形をした互いの重合部と通水口とを有する紙質材のモールド成型品からなり、前記給水管の側面に形成された給水孔と前記通水口を介して前記一対の植栽容器に給水できるようにしたことを特徴とする緑化ユニット」が記載されている。
【0006】
特許文献5には、「予め敷設された所定の軌道上に、自然あるいは人造の植木、草花を直接植栽し又は鉢植えごと収容した植栽構築ユニットを移動可能に設けたことを特徴とする、移動式植栽構築物」が記載されている。
【0007】
上述したように、様々な植栽用の容器が考案されているが、結合された複数の容器の列を様々に変化させて設置することができ、かつ収納時又は設置される場所等に応じて複数の容器を集合させ、しかもその集合された複数の容器の、平面から見た輪郭形状を単純な形状にすることのできる収容具及び園芸容器が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3123899号
【特許文献2】実開平7−39366号公報
【特許文献3】特開2004−337073号公報
【特許文献4】特開2001−69859号公報
【特許文献5】特開2003−274762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、相互に結合された複数の容器を集合させることにより容器の集合体の平面形状の輪郭、つまり容器の集合体を上から見たときのその容器の集合体における輪郭を簡単な形状にすることができ、また、複数の容器の列を上から見たときに直線状、湾曲状、鍵状等の様々の形状に変化させることのできる収容具、特に植物収容具を提供することである。
【0010】
この発明が解決しようとする別の課題は、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて植物の蔓、幹等を這わせることができ、また、設置環境に合わせて、複数の容器を集合させた状態及び複数の容器を列状に伸展した状態に全体的平面形状を変化させることのできる園芸容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、複数の容器を備え、
複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。
条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。
条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。
条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであることであり、
請求項2は、前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌を収容する植栽容器である前記請求項1に記載の収容具であり、
請求項3は、請求項2に記載の、容器が植栽容器に限定されてなる収容具と
連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに着脱自在に装着された支柱と、
前記両端に位置する植栽容器に装着された支柱と支柱との間に懸架される横桟と、
前記支柱及び/又は前記横桟に装着される支持部材と、
を有することを特徴とする園芸容器である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によると、相互に結合された複数の容器を直線状に、湾曲状に、又は鍵状などの列に配列することができ、また、相互に結合された複数の容器を寄せ集めて集合状態にすることができ、しかもその集合状態となっている複数の容器の全体形状がコンパクトな特定の平面形状にすることのできる収容具、特に植物収容具を提供することができる。
【0013】
この発明によると、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて植物の蔓、幹等を這わせることができ、また、設置環境に合わせて、集合させた状態及び伸展した状態に全体的平面形状を変化させることのできる園芸容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の収容具は、複数の容器を備えており、複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、相互に連結されて成る。
【0015】
この発明の収容具における容器には、種々の内容物、例えば植物を育成するための土壌、石、肥料及び/又は苔、そのような土壌、石、肥料及び/又は苔を収容した植木鉢、水などを収容可能である限り、適宜の容器を用いることができる。前記容器の形状としては、例えば底面形状が多角形の有底筒体、有底円筒体及び底面形状が略扇形の有底筒体等を挙げることができる。また、前記容器の大きさとしては、収容物に応じて使用者が決定すれば良い。前記容器の材料としては、収容物に応じて決定すれば良く、例えば金属、木材、プラスチック及びセラミックス等を挙げることができる。
【0016】
任意の容器と他の容器とを連結する連結手段には、任意の容器と他の容器とが回動自在に連結可能である限り、様々な手段を用いることができる。連結手段としては、例えば蝶番、ワイヤ、紐、鎖及び板バネ等を採用することができる。連結手段により相互に連結される複数の容器は、連結手段の長さによって、容器同士の接触の有無を生じるが、特に制限は無い。なお、連結手段は、容器に着脱自在であると、収容物及びこの発明の収容具を設置する場所等に応じて容器の数を調節することができるので好ましい。
【0017】
この発明の収容具は、前記容器を相互に連結する際に、3つの条件を満たすことが必要となる。第1の条件は、前記連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であることであり、第2の条件は、全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状に形成されるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違することであり、第3の条件は、全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであることである。
【0018】
前記第1の条件は、複数の容器を連結した場合における連結状態について、この発明の収容具が満たすべき条件である。連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと、一本の仮想線が形成され、更に当該一本の仮想線が直線状に形成可能であることが第1の条件である。例えば複数の容器を並列させて隣接する容器同士を連結させると、一本の仮想線が形成可能であるので、第1の条件を満たすこととなる。また、複数の容器を相互に連結したときに一本の仮想線が折線状、湾曲状、又は鍵状などであっても、各容器の配置を変更することにより前記一本の仮想線が直線となる場合には、第1の条件を満たしている。
【0019】
ここで、第1の条件について、図面を用いて更に詳述する。図1には、この発明の一実施態様である収容具1Aとして、有底の直方体形状を有する容器2を4個並列し、かつ隣接する容器2同士を連結手段3により連結し、連結された容器2全体を俯瞰した場合の概略図を示した。なお、収容具1Aにおいては、この発明の収容具における連結手段の一例として蝶番を用いている。図1に示すように、任意の一個の容器2における角部でかつ外周面に連結手段3を装着し、他の一個の容器2における角部でかつ外周面に連結手段3を取り付けることにより、連結点4が3箇所に形成される。収容具1Aにおいては、連結点4同士を結ぶことにより、一本の仮想線Xが形成される。連結手段3は図1における矢印の方向に回動可能であるので、一本の仮想線Xが折線状となる場合があるが、両端に位置する容器2を牽引すると図1に示すような状態に容器2の配置が変更され、一本の仮想線Xが直線状となるので、図1に示す収容具1Aは第1の条件を満たしている。なお、第1図において、弧状の両矢印は回動方向を示すに止まり、矢印で示される容器の辺と他の容器の辺とが接するように回動することを示すものではない。
【0020】
前記第2の条件は、前記連結手段により容器を回動させて全容器を集合させたときの状態について、この発明の収容具が満たすべき条件である。上述したように、この発明の収容具における容器は他の容器と連結手段により回動自在に連結されているので、全容器を俯瞰した場合に観察される全容器全体の輪郭形状(以下、「平面形状」と称することがある。)を様々に変形することができる。容器をコンパクトに集合させた場合の平面形状と、前記一本の仮想線を直線状となるように容器を配置した場合の平面形状とが相違していることが、第2の条件である。
【0021】
ここで、第2の条件について、図面を用いて更に詳述する。図2には、図1の収容具1Aにおける容器2を集合させた場合の概略図を示した。なお、図2においては、連結手段を省略している。図2に示したように、容器2をコンパクトに集合させた状態、例えば一本の仮想線が直線を成す状態から容器2同士の接触面及び接触点を増大させるように変形させた状態等では、その平面形状が正方形を成している。これに対して、図1に示したように、1本の仮想線Xが直線状に形成されている場合の平面形状は、正方形の角部同士が接触し、正方形が4個連なった形状を成している。すなわち、図1及び2に示した収容具1Aは、第2の条件を満たしている。
【0022】
ところで、この発明の収容具における容器を集合させることにより、平面形状がコンパクトになるように変形する態様としては様々であり、使用者がコンパクトであると認識する平面形状に変形できれば良い。
【0023】
前記第3の条件は、全容器を集合させたときの平面形状について、この発明の収容具が満たすべき条件である。この発明の収容具における容器をコンパクトに集合させた場合の平面形状が、多角形、円形、楕円形及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせに変形可能であることが、第3の条件である。なお、使用者によっては、コンパクトであると認識する容器の配置が相違することがあるが、平面形状を様々に変形させた結果、多角形、円形、楕円形及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせに変形可能である限り、第3の条件を満たすこととする。すなわち、例えば図3に示すように、隣接する容器2同士が任意の一面を対向するように配置して連結手段3により連結した場合でも、図1及び2に示した容器2の配置に変形可能であるので、図1〜3に示す態様は第3の条件を満たす。
【0024】
ここで、第1〜第3の条件について、図面を用いて更に詳述する。図4〜11には、この発明の収容具の様々な実施態様において、容器2を集合させた場合の概略図を示した。なお、図4〜11においては、連結手段を省略している。また、図4〜11に示すように、容器2をコンパクトに集合させた状態として、容器2同士の接触面積を増大させるように変形させた状態を上げている。図4〜8には容器2が集合した場合の平面形状が多角形を成す実施態様を示し、図9には容器2が集合した場合の平面形状が花形を成す実施態様を示し、図10及び11には容器2が集合した場合の平面形状が円形を成す実施態様を示した。したがって、図4〜11に示した実施態様は、第3の条件を満たしていることになる。
【0025】
図4に示す収容具1Bの平面形状は、図2に示す収容具1Aの平面形状と同様の正方形を成しているが、容器2の底面形状が二等辺三角形である。収容具1Bは、図4に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Bにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図4に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Bは第3の条件も満たしている。
【0026】
図5に示す収容具1Cの容器2を集合させた状態での平面形状は、五角形を成す。また、容器2の底面形状が三角形である。収容具1Cは、図5に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Cにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図5に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Cは第3の条件も満たしている。
【0027】
図6に示す収容具1Dの容器2を集合させた状態での平面形状は、六角形を成す。また、容器2の底面形状が三角形である。収容具1Dは、図6に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Dにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図6に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Dは第3の条件も満たしている。
【0028】
図7に示す収容具1Eの容器2を集合させた状態での平面形状は、収容具1Dと同様に、六角形を成す。また、容器2の底面形状がひし形である。収容具1Eは、図7に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Eにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図7に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Eは第3の条件も満たしている。
【0029】
図8に示す収容具1Fの容器2を集合させた状態での平面形状は、多角形の一つである星形を成す。また、容器2の底面形状がひし形である。収容具1Fは、図8に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Fにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図8に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Fは第3の条件も満たしている。
【0030】
図9に示す収容具1Gの容器2を集合させた状態での平面形状は、花形を成す。また、容器2の底面形状が扇形の円弧部分が突出した形状である。収容具1Gは、図9に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Gにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図9に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Gは第3の条件も満たしている。
【0031】
図10に示す収容具1Hの容器2を集合させた状態での平面形状は、円形を成す。また、容器2の底面形状が扇形である。収容具1Hは、図10に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Hにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図10に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Hは第3の条件も満たしている。なお、図10に示す収容具1Hの平面形状を楕円に変形した場合も、収容具1Hと同様に、第1の条件、第2の条件及び第3の条件を満たすことになる。
【0032】
図11に示す収容具1Jの容器2を集合させた状態での平面形状は、収容具1Hと同様に、円形を成す。また、容器2の底面形状が二本の曲線と円弧の一部とで囲まれる形状である。収容具1Jは、図11に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Jにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図11に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Jは第3の条件も満たしている。
【0033】
上述の第1の条件、第2の条件及び第3の条件を満たすこの発明の収容具は、様々な内容物例えば固体及び液体を収容することができる。この発明の収容具の収容物としては、例えば文房具、工具、種々の加工品、児童用玩具及び種々の液体等を挙げることができる。
【0034】
なお、前記収容物として好ましいのは、植木鉢又は植物育成用の土壌、石、肥料及び植物育成用の苔等である。すなわち、前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌等を収容することのできる植栽容器であることが好ましい。植栽容器を一つだけ設けた場合には、植栽容器を複数設けた場合に比べて、使用者が植栽容器を視認することにより感じる植物の変化及び演出等が低減することがある。更に言うと、大容量の植栽容器を一つだけ設けて、変化に富んだ植栽を行ったとしても、例えば手作業で大容量の植栽を行わなければならず、季節によっては大容量の植栽容器に1種類のみの植物が植栽されている状態が生じることがあり、逆に変化に乏しく感じられることも考えられる。この発明の収容具における容器が植栽容器であると、植栽容器で植栽されることになる植物の配置を、植物の生長、植物の数及び使用者の嗜好等に応じて様々に変更することができるので好ましい。連結していない複数の植栽容器を個々に配置する場合は、使用者の嗜好等に応じて植栽容器毎に配置及び移動等が必要であり、この配置及び移動を使用者が煩雑に感じることがある。これに対して、この発明の収容具における容器は相互に連結されているので、例えば端部に位置する容器を移動させると、移動した容器に隣接しかつ連結されている他の容器も連動して移動することとなり、容器を移動及び配置する際の煩雑さが低減する。また、屋外に植栽容器を設置する場合において、連結されていない複数の植栽容器では風圧等により個々の植栽容器が転倒することがあるが、この発明の収容具における容器のように相互に連結されていると容器全体としての安定性が向上し、転倒の可能性が低減することとなるので、好ましい。もっとも、この発明の収容具における容器が植栽容器である場合には、植栽容器として種々のプランターを用いることができる。
【0035】
なお、この発明に係る収容具における各容器の底にキャスターを設けると、収容具全体の移動を便利にし、かつ移動が容易になる。しかも、この発明においては、複数の各容器が相互に連結されているので、容器自体が転倒しにくくなる。
【0036】
この発明の収容具における容器が前記植栽容器である場合には、実施態様の一つとして、植栽容器と、支柱と、横桟と、支持部材とを備える園芸容器が好ましい。
【0037】
前記支柱は、連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに、着脱自在に装着される部材である。前記横桟は、両端に位置する植栽容器に装着される前記支柱と前記支柱との間に懸架される部材である。また、前記支持部材は、前記支柱及び/又は前記横桟に装着され、かつ生長した植物を這わせることのできる部材である。支柱、横桟及び支持部材の大きさ、形状及び材料は、この発明の園芸容器が設置される場所及び植栽される植物の生育状態等に応じて決定すれば良い。例えば、支柱の長さが50〜200cm、好ましくは80〜160cmであると、支柱を把持し易くなる。支柱が上述したような把持し易い長さであると、使用者が腰をかがめる等の労苦を負うことなく起立した状態で支柱を把持することができ、使用者が支柱を移動させることにより支柱が装着されている植栽容器も移動するので、この発明の園芸容器の配置及び移動を容易に行うことができることとなり、操作性が向上する。また、支柱の底部に滑動防止部材を取り付け、かつこの発明の園芸容器が設置される設置面に滑動防止部材が当接するように植栽容器に支柱を装着することにより、支柱及び支柱の装着される植栽容器が滑り難くなり、更に他の植栽容器も支柱の装着される植栽容器に連結されているので、この発明の園芸容器全体の安定性が増大し、転倒の可能性が低減する。なお、支柱を移動させることによりこの発明の園芸容器を配置及び移動させる態様と、支柱の底部に滑動防止部材を取り付ける態様とを併用する場合には、植栽容器に装着する支柱の位置を可変にすることにより、この発明の園芸容器の操作性を向上させることができる。支柱の装着位置を可変にする態様として、例えばこの発明の園芸容器の配置及び移動を行う際には、支柱が植栽容器に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が設置面から離れるように、支柱を軸線に沿って上方に移動可能であり、園芸容器の配置及び移動が完了しかつ園芸容器をそれ以上移動させ難くする際には、支柱が植栽容器に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が設置面に当接するように、上方に移動させていた支柱を軸線に沿って下方に移動可能である態様を挙げることができる。また、支持部材としては、例えば支柱及び/又は横桟に装着されるネット部材又は補強部材を挙げることができる。前記ネット部材には、網目状の部材である限り、例えば木綿及びプラスチック等から成るネットを用いることができる。ネット部材は、植物をネット部材上の様々な方向に這わせ易く、かつこの発明の園芸容器の軽量化を図ることができるので、設置及び移動がし易く、植栽の変化及び演出が多様化するので好ましい。前記補強部材は、支柱及び/又は横桟に装着される棒部材である。補強部材としては、例えば支柱の間に渡される水平棒と、一端が横桟に装着され、他端が植栽容器に装着される鉛直棒とが格子状に複数設けられる態様を挙げることができる。前記支持部材が、補強部材であると、支柱及び横桟の連結力を向上させることができるので、支柱が取り付けられる容器も相互に連結力が向上する。これにより、この発明の園芸容器の安定性を向上させることができる。また、補強部材は、前記ネット部材に比べて通気性が高いので、風が強い場合にも安定して設置することができる。更に、補強部材としては、例えばプラスチック、木材、金属及びセラミック等の比較的強度の高い材料を用いることができ、植物を補強部材に這わせた場合に、植物の重量で補強部材が撓み難い。
【0038】
この発明の園芸容器は、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて、植物の蔓、幹等を支持部材に這わせることができ、また、設置環境に合わせて、植栽容器をコンパクトに集合させた状態及び1本の仮想線が直線状になるような伸展した状態に平面形状を変化させることができる。
【0039】
以下に、この発明の一実施例である園芸容器5Aを、図12を用いて説明する。なお、園芸容器5Aにおいては、図3に示す収容具1Aの容器2及び連結手段4と同一の部材を用いているので、同一の番号を付すこととする。すなわち、この発明の園芸容器における植栽容器の一例として、容器2を示している。
【0040】
図12に示すように、園芸容器5Aは、容器2、連結手段4、支柱6、取付部材7、横桟8、把持部9、ネット部材10及びガイド部材11を備えている。
【0041】
容器2は、立方体形状を成し、一面が開放状態である。園芸容器5Aにおいては、容器2を4個設け、隣接する容器2同士で周側面の一面が対向するように、容器2を並列して配置している。容器2は相互に連結手段4により連結され、回動可能である。
【0042】
複数の容器2の内、両端に位置する容器2には支柱6が着脱自在に装着されている。支柱6は、容器2に装着された取付部材7に把持されることにより、園芸容器5Aの設置面に対して直立可能となっている。支柱6は、円筒形状を成す棒部材であるが、中実の棒部材であっても良く、園芸容器5Aの使用環境に応じて適宜に選択することができる。また、支柱6は、容器2に着脱自在であるので、植物の大きさ等に応じて長さを決定した支柱に交換することができる。もっとも、植物の大きさ等に応じて支柱の長さを伸縮可能であるようにしても良い。取付部材7は、支柱6の周側面を把持する把持部材として示したが、例えばワイヤ及び紐等で容器2に支柱6を結束しても良い。なお、支柱6が使用者の把持し易い大きさであると、使用者が支柱6を把持して任意の場所に移動させるだけで、支柱6が装着された容器2も連動して移動するので、園芸容器5Aの配置及び移動を容易に達成することができる。更に、支柱6の別の態様としては、滑り難い部材である滑動防止部材(図示せず)、例えばゴムキャップ等を支柱6の底面に嵌着すると共に、滑動防止部材が園芸容器5Aの設置面に当接するように支柱6を容器2に装着する態様を挙げることができる。この別の態様では、支柱6が装着されている両端に位置する容器2が滑動し難くなり、かつ両端に位置する容器2に連結される他の容器2も滑動し難くなるので、結果として、園芸容器5A全体の安定性が増大し、園芸容器5Aが転倒する可能性がより一層低減することとなり、好ましい。もっとも、支柱6を移動させることにより園芸容器5Aを配置及び移動させる態様と、支柱6の底部に滑動防止部材を取り付ける態様とを併用する場合には、容器2における支柱6の装着位置を可変にすることにより、園芸容器5Aの操作性を向上させることができる。容器2における支柱6の装着位置を可変にする態様について詳述すると、例えば園芸容器5Aの配置及び移動を行う際には、支柱6が容器2に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が園芸容器5Aの設置面から離れるように、支柱6を軸線に沿って上方に移動可能であり、園芸容器5Aの配置及び移動が完了しかつ園芸容器5Aを滑動させ難くする際には、支柱6が容器2に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が前記設置面に当接するように、支柱6を軸線に沿って下方に移動可能である態様を挙げることができる。支柱6の装着位置を可変にする部材としては、支柱6を単に把持するだけでは支柱6が軸線方向に移動しないような取付部材7、例えば図12における上下方向にスライド可能な取付部材等を用いれば良い。
【0043】
横桟8は、支柱6の上端部近傍の周側面に設けられた把持部9により、支柱6に着脱自在に懸架されている。横桟8は、支柱6と同様に、円筒体形状を成す棒部材であるが、中実の棒部材であっても良い。また、横桟8は、支柱6に着脱自在であるので、1本の仮想線の長さ等に応じて長さを決定した横桟に交換することができる。もっとも、1本の仮想線等に応じて横桟の長さを伸縮可能であるようにしても良い。把持部9は、取付部材7と同様に、横桟8の周側面を把持する部材として示したが、例えば鉤状部材で横桟8を掛架するようにしても良い。
【0044】
ネット部材10は、この発明の園芸容器における支持部材の一例である。ネット部材10は、格子状の網目を有する部材であり、環状部材であるガイド部材11を支柱6及び横桟8が挿通することにより、支柱6及び横桟8に装着されている。なお、ネット部材10としては、適宜の網目を有する部材を用いることができる。ガイド部材11は、横桟8にのみ装着しても良い。また、ガイド部材11としては、環状部材に代えて鉤状部材等も用いることができる。
【0045】
図12に示した園芸容器5Aは、植物の生長、植物の数及び種類等に応じて、植栽を様々に変更可能であるので、植栽の変化及び演出等の選択肢を増大させることができる。例えば、園芸容器5Aの容器2を図2に示した集合状態に配置し、ネット部材10に近接する容器2には蔓植物を植栽し、更に、残りの容器2には他の植物を植栽することもできるので、変化に富んだ植栽を実現することができる。
【0046】
次に、この発明の一実施例である園芸容器5Bを、図13を用いて説明する。園芸容器5Bにおける、園芸容器5Aとの相違点は、ネット部材10に代えて補強部材12を用いたことである。この相違点以外の部材は、園芸容器5Aと園芸容器5Bとにおいて、同一の部材を用いているので、同一の番号を付すと共に、詳細な説明を省略することがある。
【0047】
図13に示すように、園芸容器5Bは、容器2、連結手段4、支柱6、取付部材7、横桟8、把持部9及び補強部材12を備えている。なお、容器2、連結手段4、取付部材7及び把持部9は、園芸容器5Aと園芸容器5Bとにおいて同一の部材を用いている。
【0048】
図13に示す補強部材12は、この発明の園芸容器における支持部材の一例である。支柱6及び横桟8の周側面には、水平及び鉛直方向に挿通孔13が設けられている。支柱6の挿通孔13には、一方の支柱6と他方の支柱6との間に渡されるようにして、水平棒14が挿通している。また、一端部が横桟8の挿通孔13を挿通し、かつ他端が容器2内に充填された土壌15に埋設されて成る鉛直棒16も設けられている。すなわち、補強部材12は、水平棒14及び鉛直棒16の組み合わせである。水平棒14及び鉛直棒16は複数本設けられているので、支柱6及び横桟8の連結力が向上する。支柱6及び横桟8の連結力が向上すると、支柱6が取り付けられる容器2も相互に連結力が向上する。これにより、園芸容器5Bの安定性を向上させることができる。また、補強部材12は、前記ネット部材10に比べて通気性が高いので、風が強い場合にも安定して園芸容器5Bを設置することができる。更に、補強部材12の材料としては、例えばプラスチック、木材、金属及びセラミック等の比較的強度の高い材料を用いることができる。補強部材12の材料に比較的強度の高い材料を用いることにより、植物を補強部材12に這わせた場合に、植物の重量で補強部材12が撓み難い。なお、園芸容器5Bにおいて、補強部材12は、水平棒14と鉛直棒16とが水平方向及び鉛直方向に交わる格子状であるが、使用者に応じて補強部材の形状等は変更可能である。
【0049】
ネット部材10は、格子状の網目を有する部材であり、環状部材であるガイド部材11を支柱6及び横桟8が挿通することにより、支柱6及び横桟8に装着されている。なお、ネット部材10としては、適宜の網目を有する部材を用いることができる。ガイド部材11は、横桟8にのみ装着しても良い。また、ガイド部材11としては、環状部材に代えて鉤状部材等も用いることができる。
【0050】
図12に示した園芸容器5は、植物の生長、植物の数及び種類等に応じて、植栽を様々に変更可能であるので、植栽の変化及び演出等の選択肢を増大させることができる。例えば、園芸容器5の容器2を図2に示した集合状態に配置し、ネット部材10に近接する容器2には蔓植物を植栽し、更に、残りの容器2には他の植物を植栽することもできるので、変化に富んだ植栽を実現することができる。
【0051】
この発明の収容具及び園芸容器は、図面に示した実施態様に限らず、この発明の目的を達成することができる範囲で設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、この発明の収容具の一実施態様における一本の仮想線が直線状となるようにした場合の平面図である。
【図2】図2は、図1の実施態様における容器を集合させた場合の平面図である。
【図3】図3は、図1の実施態様を変形させた場合の斜視図である。
【図4】図4は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図5】図5は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図6】図6は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図7】図7は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図8】図8は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図9】図9は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図10】図10は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図11】図11は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図12】図12は、この発明の園芸容器の一実施態様を示す斜視図である。
【図13】図13は、この発明の園芸容器の他の実施態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J 収容具
2 容器
3 連結手段
4 連結点
5A、5B 園芸容器
6 支柱
7 取付部材
8 横桟
9 把持部
10 ネット部材
11 ガイド部材
12 補強部材
13 挿通孔
14 水平棒
15 土壌
16 鉛直棒
X 仮想線
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容具及び植栽容器に関し、特に詳しくは、相互に結合された容器の配列状態を様々に変形することができる収容具及び園芸容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「蔓植物栽培用のネットを巻きつけるための、回転できる細長い筒状のネットロールバーを伸縮可能な2本の支柱の上部に保持した、ネットを張るためのネットハンガー部を、水受け皿の付いた、鉢及びプランターを置くためのキャスター付き台車に取り付けた、自立した蔓植物栽培台」が記載されている。
【0003】
特許文献2には、「横長なプランターの左右側面にネット付の逆U字形フレームの左右末端部が差し込める形状の穴を有し、そのプランターと一体形である受皿の底面4ヶ所にキャスターを配し、プランターの移動を簡単にしたことを特徴とするパーティション・プランター」が記載されている。
【0004】
特許文献3には、「天面(2a)に、嵌め合わせる鉢(3)の外形に合わせて凹設され底面(4a)に前記鉢と鉢に給水する給水マット(17)を支持可能なポケット(4)と、かつ前記天面(2a)の周縁に排水溝(6)とを備える蓋体(2)と、内部に貯水可能な容器で構成され、上部外周囲に、前記蓋体(2)の周縁に設けられた排水溝(6)の縁板(5a,5b,5c)を受けるようにフランジ状に構成された持ち手(9)と、側壁上部に開口する切り欠きで構成された連結口(10)とを備えた貯水タンク(8)と、前記貯水タンク(8)の連結口(10)に嵌合し、かつ前記蓋体(2)によってその上面を囲い、前記貯水タンク(8)に一体化するように構成される連結口挿入具(11,12)とを備えることを特徴とする連結式プランター」が記載されている。
【0005】
特許文献4には、「植物栽培土が充填される植栽部を有する一対の略矩形状植栽容器と、前記一対の植栽容器に配設される給水管とよりなるユニットが所要数連結されて設置される緑化ユニットであって、前記植栽容器がその一部に断面略鉤形をした互いの重合部と通水口とを有する紙質材のモールド成型品からなり、前記給水管の側面に形成された給水孔と前記通水口を介して前記一対の植栽容器に給水できるようにしたことを特徴とする緑化ユニット」が記載されている。
【0006】
特許文献5には、「予め敷設された所定の軌道上に、自然あるいは人造の植木、草花を直接植栽し又は鉢植えごと収容した植栽構築ユニットを移動可能に設けたことを特徴とする、移動式植栽構築物」が記載されている。
【0007】
上述したように、様々な植栽用の容器が考案されているが、結合された複数の容器の列を様々に変化させて設置することができ、かつ収納時又は設置される場所等に応じて複数の容器を集合させ、しかもその集合された複数の容器の、平面から見た輪郭形状を単純な形状にすることのできる収容具及び園芸容器が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3123899号
【特許文献2】実開平7−39366号公報
【特許文献3】特開2004−337073号公報
【特許文献4】特開2001−69859号公報
【特許文献5】特開2003−274762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、相互に結合された複数の容器を集合させることにより容器の集合体の平面形状の輪郭、つまり容器の集合体を上から見たときのその容器の集合体における輪郭を簡単な形状にすることができ、また、複数の容器の列を上から見たときに直線状、湾曲状、鍵状等の様々の形状に変化させることのできる収容具、特に植物収容具を提供することである。
【0010】
この発明が解決しようとする別の課題は、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて植物の蔓、幹等を這わせることができ、また、設置環境に合わせて、複数の容器を集合させた状態及び複数の容器を列状に伸展した状態に全体的平面形状を変化させることのできる園芸容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、複数の容器を備え、
複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。
条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。
条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。
条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであることであり、
請求項2は、前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌を収容する植栽容器である前記請求項1に記載の収容具であり、
請求項3は、請求項2に記載の、容器が植栽容器に限定されてなる収容具と
連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに着脱自在に装着された支柱と、
前記両端に位置する植栽容器に装着された支柱と支柱との間に懸架される横桟と、
前記支柱及び/又は前記横桟に装着される支持部材と、
を有することを特徴とする園芸容器である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によると、相互に結合された複数の容器を直線状に、湾曲状に、又は鍵状などの列に配列することができ、また、相互に結合された複数の容器を寄せ集めて集合状態にすることができ、しかもその集合状態となっている複数の容器の全体形状がコンパクトな特定の平面形状にすることのできる収容具、特に植物収容具を提供することができる。
【0013】
この発明によると、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて植物の蔓、幹等を這わせることができ、また、設置環境に合わせて、集合させた状態及び伸展した状態に全体的平面形状を変化させることのできる園芸容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明の収容具は、複数の容器を備えており、複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、相互に連結されて成る。
【0015】
この発明の収容具における容器には、種々の内容物、例えば植物を育成するための土壌、石、肥料及び/又は苔、そのような土壌、石、肥料及び/又は苔を収容した植木鉢、水などを収容可能である限り、適宜の容器を用いることができる。前記容器の形状としては、例えば底面形状が多角形の有底筒体、有底円筒体及び底面形状が略扇形の有底筒体等を挙げることができる。また、前記容器の大きさとしては、収容物に応じて使用者が決定すれば良い。前記容器の材料としては、収容物に応じて決定すれば良く、例えば金属、木材、プラスチック及びセラミックス等を挙げることができる。
【0016】
任意の容器と他の容器とを連結する連結手段には、任意の容器と他の容器とが回動自在に連結可能である限り、様々な手段を用いることができる。連結手段としては、例えば蝶番、ワイヤ、紐、鎖及び板バネ等を採用することができる。連結手段により相互に連結される複数の容器は、連結手段の長さによって、容器同士の接触の有無を生じるが、特に制限は無い。なお、連結手段は、容器に着脱自在であると、収容物及びこの発明の収容具を設置する場所等に応じて容器の数を調節することができるので好ましい。
【0017】
この発明の収容具は、前記容器を相互に連結する際に、3つの条件を満たすことが必要となる。第1の条件は、前記連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であることであり、第2の条件は、全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状に形成されるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違することであり、第3の条件は、全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであることである。
【0018】
前記第1の条件は、複数の容器を連結した場合における連結状態について、この発明の収容具が満たすべき条件である。連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと、一本の仮想線が形成され、更に当該一本の仮想線が直線状に形成可能であることが第1の条件である。例えば複数の容器を並列させて隣接する容器同士を連結させると、一本の仮想線が形成可能であるので、第1の条件を満たすこととなる。また、複数の容器を相互に連結したときに一本の仮想線が折線状、湾曲状、又は鍵状などであっても、各容器の配置を変更することにより前記一本の仮想線が直線となる場合には、第1の条件を満たしている。
【0019】
ここで、第1の条件について、図面を用いて更に詳述する。図1には、この発明の一実施態様である収容具1Aとして、有底の直方体形状を有する容器2を4個並列し、かつ隣接する容器2同士を連結手段3により連結し、連結された容器2全体を俯瞰した場合の概略図を示した。なお、収容具1Aにおいては、この発明の収容具における連結手段の一例として蝶番を用いている。図1に示すように、任意の一個の容器2における角部でかつ外周面に連結手段3を装着し、他の一個の容器2における角部でかつ外周面に連結手段3を取り付けることにより、連結点4が3箇所に形成される。収容具1Aにおいては、連結点4同士を結ぶことにより、一本の仮想線Xが形成される。連結手段3は図1における矢印の方向に回動可能であるので、一本の仮想線Xが折線状となる場合があるが、両端に位置する容器2を牽引すると図1に示すような状態に容器2の配置が変更され、一本の仮想線Xが直線状となるので、図1に示す収容具1Aは第1の条件を満たしている。なお、第1図において、弧状の両矢印は回動方向を示すに止まり、矢印で示される容器の辺と他の容器の辺とが接するように回動することを示すものではない。
【0020】
前記第2の条件は、前記連結手段により容器を回動させて全容器を集合させたときの状態について、この発明の収容具が満たすべき条件である。上述したように、この発明の収容具における容器は他の容器と連結手段により回動自在に連結されているので、全容器を俯瞰した場合に観察される全容器全体の輪郭形状(以下、「平面形状」と称することがある。)を様々に変形することができる。容器をコンパクトに集合させた場合の平面形状と、前記一本の仮想線を直線状となるように容器を配置した場合の平面形状とが相違していることが、第2の条件である。
【0021】
ここで、第2の条件について、図面を用いて更に詳述する。図2には、図1の収容具1Aにおける容器2を集合させた場合の概略図を示した。なお、図2においては、連結手段を省略している。図2に示したように、容器2をコンパクトに集合させた状態、例えば一本の仮想線が直線を成す状態から容器2同士の接触面及び接触点を増大させるように変形させた状態等では、その平面形状が正方形を成している。これに対して、図1に示したように、1本の仮想線Xが直線状に形成されている場合の平面形状は、正方形の角部同士が接触し、正方形が4個連なった形状を成している。すなわち、図1及び2に示した収容具1Aは、第2の条件を満たしている。
【0022】
ところで、この発明の収容具における容器を集合させることにより、平面形状がコンパクトになるように変形する態様としては様々であり、使用者がコンパクトであると認識する平面形状に変形できれば良い。
【0023】
前記第3の条件は、全容器を集合させたときの平面形状について、この発明の収容具が満たすべき条件である。この発明の収容具における容器をコンパクトに集合させた場合の平面形状が、多角形、円形、楕円形及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせに変形可能であることが、第3の条件である。なお、使用者によっては、コンパクトであると認識する容器の配置が相違することがあるが、平面形状を様々に変形させた結果、多角形、円形、楕円形及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせに変形可能である限り、第3の条件を満たすこととする。すなわち、例えば図3に示すように、隣接する容器2同士が任意の一面を対向するように配置して連結手段3により連結した場合でも、図1及び2に示した容器2の配置に変形可能であるので、図1〜3に示す態様は第3の条件を満たす。
【0024】
ここで、第1〜第3の条件について、図面を用いて更に詳述する。図4〜11には、この発明の収容具の様々な実施態様において、容器2を集合させた場合の概略図を示した。なお、図4〜11においては、連結手段を省略している。また、図4〜11に示すように、容器2をコンパクトに集合させた状態として、容器2同士の接触面積を増大させるように変形させた状態を上げている。図4〜8には容器2が集合した場合の平面形状が多角形を成す実施態様を示し、図9には容器2が集合した場合の平面形状が花形を成す実施態様を示し、図10及び11には容器2が集合した場合の平面形状が円形を成す実施態様を示した。したがって、図4〜11に示した実施態様は、第3の条件を満たしていることになる。
【0025】
図4に示す収容具1Bの平面形状は、図2に示す収容具1Aの平面形状と同様の正方形を成しているが、容器2の底面形状が二等辺三角形である。収容具1Bは、図4に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Bにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図4に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Bは第3の条件も満たしている。
【0026】
図5に示す収容具1Cの容器2を集合させた状態での平面形状は、五角形を成す。また、容器2の底面形状が三角形である。収容具1Cは、図5に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Cにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図5に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Cは第3の条件も満たしている。
【0027】
図6に示す収容具1Dの容器2を集合させた状態での平面形状は、六角形を成す。また、容器2の底面形状が三角形である。収容具1Dは、図6に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Dにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図6に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Dは第3の条件も満たしている。
【0028】
図7に示す収容具1Eの容器2を集合させた状態での平面形状は、収容具1Dと同様に、六角形を成す。また、容器2の底面形状がひし形である。収容具1Eは、図7に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Eにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図7に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Eは第3の条件も満たしている。
【0029】
図8に示す収容具1Fの容器2を集合させた状態での平面形状は、多角形の一つである星形を成す。また、容器2の底面形状がひし形である。収容具1Fは、図8に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Fにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図8に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Fは第3の条件も満たしている。
【0030】
図9に示す収容具1Gの容器2を集合させた状態での平面形状は、花形を成す。また、容器2の底面形状が扇形の円弧部分が突出した形状である。収容具1Gは、図9に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Gにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図9に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Gは第3の条件も満たしている。
【0031】
図10に示す収容具1Hの容器2を集合させた状態での平面形状は、円形を成す。また、容器2の底面形状が扇形である。収容具1Hは、図10に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Hにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図10に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Hは第3の条件も満たしている。なお、図10に示す収容具1Hの平面形状を楕円に変形した場合も、収容具1Hと同様に、第1の条件、第2の条件及び第3の条件を満たすことになる。
【0032】
図11に示す収容具1Jの容器2を集合させた状態での平面形状は、収容具1Hと同様に、円形を成す。また、容器2の底面形状が二本の曲線と円弧の一部とで囲まれる形状である。収容具1Jは、図11に示すような容器2の集合状態を解除して連結点4を結ぶと、1本の仮想線を直線状に形成可能であるので、第1の条件を満たしている。更に、収容具1Jにおける1本の仮想線を直線状にした場合の平面形状と、図11に示す平面形状とは相違するので、第2の条件も満たしている。上述したように、収容具1Jは第3の条件も満たしている。
【0033】
上述の第1の条件、第2の条件及び第3の条件を満たすこの発明の収容具は、様々な内容物例えば固体及び液体を収容することができる。この発明の収容具の収容物としては、例えば文房具、工具、種々の加工品、児童用玩具及び種々の液体等を挙げることができる。
【0034】
なお、前記収容物として好ましいのは、植木鉢又は植物育成用の土壌、石、肥料及び植物育成用の苔等である。すなわち、前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌等を収容することのできる植栽容器であることが好ましい。植栽容器を一つだけ設けた場合には、植栽容器を複数設けた場合に比べて、使用者が植栽容器を視認することにより感じる植物の変化及び演出等が低減することがある。更に言うと、大容量の植栽容器を一つだけ設けて、変化に富んだ植栽を行ったとしても、例えば手作業で大容量の植栽を行わなければならず、季節によっては大容量の植栽容器に1種類のみの植物が植栽されている状態が生じることがあり、逆に変化に乏しく感じられることも考えられる。この発明の収容具における容器が植栽容器であると、植栽容器で植栽されることになる植物の配置を、植物の生長、植物の数及び使用者の嗜好等に応じて様々に変更することができるので好ましい。連結していない複数の植栽容器を個々に配置する場合は、使用者の嗜好等に応じて植栽容器毎に配置及び移動等が必要であり、この配置及び移動を使用者が煩雑に感じることがある。これに対して、この発明の収容具における容器は相互に連結されているので、例えば端部に位置する容器を移動させると、移動した容器に隣接しかつ連結されている他の容器も連動して移動することとなり、容器を移動及び配置する際の煩雑さが低減する。また、屋外に植栽容器を設置する場合において、連結されていない複数の植栽容器では風圧等により個々の植栽容器が転倒することがあるが、この発明の収容具における容器のように相互に連結されていると容器全体としての安定性が向上し、転倒の可能性が低減することとなるので、好ましい。もっとも、この発明の収容具における容器が植栽容器である場合には、植栽容器として種々のプランターを用いることができる。
【0035】
なお、この発明に係る収容具における各容器の底にキャスターを設けると、収容具全体の移動を便利にし、かつ移動が容易になる。しかも、この発明においては、複数の各容器が相互に連結されているので、容器自体が転倒しにくくなる。
【0036】
この発明の収容具における容器が前記植栽容器である場合には、実施態様の一つとして、植栽容器と、支柱と、横桟と、支持部材とを備える園芸容器が好ましい。
【0037】
前記支柱は、連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに、着脱自在に装着される部材である。前記横桟は、両端に位置する植栽容器に装着される前記支柱と前記支柱との間に懸架される部材である。また、前記支持部材は、前記支柱及び/又は前記横桟に装着され、かつ生長した植物を這わせることのできる部材である。支柱、横桟及び支持部材の大きさ、形状及び材料は、この発明の園芸容器が設置される場所及び植栽される植物の生育状態等に応じて決定すれば良い。例えば、支柱の長さが50〜200cm、好ましくは80〜160cmであると、支柱を把持し易くなる。支柱が上述したような把持し易い長さであると、使用者が腰をかがめる等の労苦を負うことなく起立した状態で支柱を把持することができ、使用者が支柱を移動させることにより支柱が装着されている植栽容器も移動するので、この発明の園芸容器の配置及び移動を容易に行うことができることとなり、操作性が向上する。また、支柱の底部に滑動防止部材を取り付け、かつこの発明の園芸容器が設置される設置面に滑動防止部材が当接するように植栽容器に支柱を装着することにより、支柱及び支柱の装着される植栽容器が滑り難くなり、更に他の植栽容器も支柱の装着される植栽容器に連結されているので、この発明の園芸容器全体の安定性が増大し、転倒の可能性が低減する。なお、支柱を移動させることによりこの発明の園芸容器を配置及び移動させる態様と、支柱の底部に滑動防止部材を取り付ける態様とを併用する場合には、植栽容器に装着する支柱の位置を可変にすることにより、この発明の園芸容器の操作性を向上させることができる。支柱の装着位置を可変にする態様として、例えばこの発明の園芸容器の配置及び移動を行う際には、支柱が植栽容器に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が設置面から離れるように、支柱を軸線に沿って上方に移動可能であり、園芸容器の配置及び移動が完了しかつ園芸容器をそれ以上移動させ難くする際には、支柱が植栽容器に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が設置面に当接するように、上方に移動させていた支柱を軸線に沿って下方に移動可能である態様を挙げることができる。また、支持部材としては、例えば支柱及び/又は横桟に装着されるネット部材又は補強部材を挙げることができる。前記ネット部材には、網目状の部材である限り、例えば木綿及びプラスチック等から成るネットを用いることができる。ネット部材は、植物をネット部材上の様々な方向に這わせ易く、かつこの発明の園芸容器の軽量化を図ることができるので、設置及び移動がし易く、植栽の変化及び演出が多様化するので好ましい。前記補強部材は、支柱及び/又は横桟に装着される棒部材である。補強部材としては、例えば支柱の間に渡される水平棒と、一端が横桟に装着され、他端が植栽容器に装着される鉛直棒とが格子状に複数設けられる態様を挙げることができる。前記支持部材が、補強部材であると、支柱及び横桟の連結力を向上させることができるので、支柱が取り付けられる容器も相互に連結力が向上する。これにより、この発明の園芸容器の安定性を向上させることができる。また、補強部材は、前記ネット部材に比べて通気性が高いので、風が強い場合にも安定して設置することができる。更に、補強部材としては、例えばプラスチック、木材、金属及びセラミック等の比較的強度の高い材料を用いることができ、植物を補強部材に這わせた場合に、植物の重量で補強部材が撓み難い。
【0038】
この発明の園芸容器は、植物の生長、植物の数及び種類等に合わせて、植物の蔓、幹等を支持部材に這わせることができ、また、設置環境に合わせて、植栽容器をコンパクトに集合させた状態及び1本の仮想線が直線状になるような伸展した状態に平面形状を変化させることができる。
【0039】
以下に、この発明の一実施例である園芸容器5Aを、図12を用いて説明する。なお、園芸容器5Aにおいては、図3に示す収容具1Aの容器2及び連結手段4と同一の部材を用いているので、同一の番号を付すこととする。すなわち、この発明の園芸容器における植栽容器の一例として、容器2を示している。
【0040】
図12に示すように、園芸容器5Aは、容器2、連結手段4、支柱6、取付部材7、横桟8、把持部9、ネット部材10及びガイド部材11を備えている。
【0041】
容器2は、立方体形状を成し、一面が開放状態である。園芸容器5Aにおいては、容器2を4個設け、隣接する容器2同士で周側面の一面が対向するように、容器2を並列して配置している。容器2は相互に連結手段4により連結され、回動可能である。
【0042】
複数の容器2の内、両端に位置する容器2には支柱6が着脱自在に装着されている。支柱6は、容器2に装着された取付部材7に把持されることにより、園芸容器5Aの設置面に対して直立可能となっている。支柱6は、円筒形状を成す棒部材であるが、中実の棒部材であっても良く、園芸容器5Aの使用環境に応じて適宜に選択することができる。また、支柱6は、容器2に着脱自在であるので、植物の大きさ等に応じて長さを決定した支柱に交換することができる。もっとも、植物の大きさ等に応じて支柱の長さを伸縮可能であるようにしても良い。取付部材7は、支柱6の周側面を把持する把持部材として示したが、例えばワイヤ及び紐等で容器2に支柱6を結束しても良い。なお、支柱6が使用者の把持し易い大きさであると、使用者が支柱6を把持して任意の場所に移動させるだけで、支柱6が装着された容器2も連動して移動するので、園芸容器5Aの配置及び移動を容易に達成することができる。更に、支柱6の別の態様としては、滑り難い部材である滑動防止部材(図示せず)、例えばゴムキャップ等を支柱6の底面に嵌着すると共に、滑動防止部材が園芸容器5Aの設置面に当接するように支柱6を容器2に装着する態様を挙げることができる。この別の態様では、支柱6が装着されている両端に位置する容器2が滑動し難くなり、かつ両端に位置する容器2に連結される他の容器2も滑動し難くなるので、結果として、園芸容器5A全体の安定性が増大し、園芸容器5Aが転倒する可能性がより一層低減することとなり、好ましい。もっとも、支柱6を移動させることにより園芸容器5Aを配置及び移動させる態様と、支柱6の底部に滑動防止部材を取り付ける態様とを併用する場合には、容器2における支柱6の装着位置を可変にすることにより、園芸容器5Aの操作性を向上させることができる。容器2における支柱6の装着位置を可変にする態様について詳述すると、例えば園芸容器5Aの配置及び移動を行う際には、支柱6が容器2に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が園芸容器5Aの設置面から離れるように、支柱6を軸線に沿って上方に移動可能であり、園芸容器5Aの配置及び移動が完了しかつ園芸容器5Aを滑動させ難くする際には、支柱6が容器2に装着された状態を保持しつつ滑動防止部材が前記設置面に当接するように、支柱6を軸線に沿って下方に移動可能である態様を挙げることができる。支柱6の装着位置を可変にする部材としては、支柱6を単に把持するだけでは支柱6が軸線方向に移動しないような取付部材7、例えば図12における上下方向にスライド可能な取付部材等を用いれば良い。
【0043】
横桟8は、支柱6の上端部近傍の周側面に設けられた把持部9により、支柱6に着脱自在に懸架されている。横桟8は、支柱6と同様に、円筒体形状を成す棒部材であるが、中実の棒部材であっても良い。また、横桟8は、支柱6に着脱自在であるので、1本の仮想線の長さ等に応じて長さを決定した横桟に交換することができる。もっとも、1本の仮想線等に応じて横桟の長さを伸縮可能であるようにしても良い。把持部9は、取付部材7と同様に、横桟8の周側面を把持する部材として示したが、例えば鉤状部材で横桟8を掛架するようにしても良い。
【0044】
ネット部材10は、この発明の園芸容器における支持部材の一例である。ネット部材10は、格子状の網目を有する部材であり、環状部材であるガイド部材11を支柱6及び横桟8が挿通することにより、支柱6及び横桟8に装着されている。なお、ネット部材10としては、適宜の網目を有する部材を用いることができる。ガイド部材11は、横桟8にのみ装着しても良い。また、ガイド部材11としては、環状部材に代えて鉤状部材等も用いることができる。
【0045】
図12に示した園芸容器5Aは、植物の生長、植物の数及び種類等に応じて、植栽を様々に変更可能であるので、植栽の変化及び演出等の選択肢を増大させることができる。例えば、園芸容器5Aの容器2を図2に示した集合状態に配置し、ネット部材10に近接する容器2には蔓植物を植栽し、更に、残りの容器2には他の植物を植栽することもできるので、変化に富んだ植栽を実現することができる。
【0046】
次に、この発明の一実施例である園芸容器5Bを、図13を用いて説明する。園芸容器5Bにおける、園芸容器5Aとの相違点は、ネット部材10に代えて補強部材12を用いたことである。この相違点以外の部材は、園芸容器5Aと園芸容器5Bとにおいて、同一の部材を用いているので、同一の番号を付すと共に、詳細な説明を省略することがある。
【0047】
図13に示すように、園芸容器5Bは、容器2、連結手段4、支柱6、取付部材7、横桟8、把持部9及び補強部材12を備えている。なお、容器2、連結手段4、取付部材7及び把持部9は、園芸容器5Aと園芸容器5Bとにおいて同一の部材を用いている。
【0048】
図13に示す補強部材12は、この発明の園芸容器における支持部材の一例である。支柱6及び横桟8の周側面には、水平及び鉛直方向に挿通孔13が設けられている。支柱6の挿通孔13には、一方の支柱6と他方の支柱6との間に渡されるようにして、水平棒14が挿通している。また、一端部が横桟8の挿通孔13を挿通し、かつ他端が容器2内に充填された土壌15に埋設されて成る鉛直棒16も設けられている。すなわち、補強部材12は、水平棒14及び鉛直棒16の組み合わせである。水平棒14及び鉛直棒16は複数本設けられているので、支柱6及び横桟8の連結力が向上する。支柱6及び横桟8の連結力が向上すると、支柱6が取り付けられる容器2も相互に連結力が向上する。これにより、園芸容器5Bの安定性を向上させることができる。また、補強部材12は、前記ネット部材10に比べて通気性が高いので、風が強い場合にも安定して園芸容器5Bを設置することができる。更に、補強部材12の材料としては、例えばプラスチック、木材、金属及びセラミック等の比較的強度の高い材料を用いることができる。補強部材12の材料に比較的強度の高い材料を用いることにより、植物を補強部材12に這わせた場合に、植物の重量で補強部材12が撓み難い。なお、園芸容器5Bにおいて、補強部材12は、水平棒14と鉛直棒16とが水平方向及び鉛直方向に交わる格子状であるが、使用者に応じて補強部材の形状等は変更可能である。
【0049】
ネット部材10は、格子状の網目を有する部材であり、環状部材であるガイド部材11を支柱6及び横桟8が挿通することにより、支柱6及び横桟8に装着されている。なお、ネット部材10としては、適宜の網目を有する部材を用いることができる。ガイド部材11は、横桟8にのみ装着しても良い。また、ガイド部材11としては、環状部材に代えて鉤状部材等も用いることができる。
【0050】
図12に示した園芸容器5は、植物の生長、植物の数及び種類等に応じて、植栽を様々に変更可能であるので、植栽の変化及び演出等の選択肢を増大させることができる。例えば、園芸容器5の容器2を図2に示した集合状態に配置し、ネット部材10に近接する容器2には蔓植物を植栽し、更に、残りの容器2には他の植物を植栽することもできるので、変化に富んだ植栽を実現することができる。
【0051】
この発明の収容具及び園芸容器は、図面に示した実施態様に限らず、この発明の目的を達成することができる範囲で設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、この発明の収容具の一実施態様における一本の仮想線が直線状となるようにした場合の平面図である。
【図2】図2は、図1の実施態様における容器を集合させた場合の平面図である。
【図3】図3は、図1の実施態様を変形させた場合の斜視図である。
【図4】図4は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図5】図5は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図6】図6は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図7】図7は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図8】図8は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図9】図9は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図10】図10は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図11】図11は、この発明の収容具の他の実施態様を示す平面図である。
【図12】図12は、この発明の園芸容器の一実施態様を示す斜視図である。
【図13】図13は、この発明の園芸容器の他の実施態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J 収容具
2 容器
3 連結手段
4 連結点
5A、5B 園芸容器
6 支柱
7 取付部材
8 横桟
9 把持部
10 ネット部材
11 ガイド部材
12 補強部材
13 挿通孔
14 水平棒
15 土壌
16 鉛直棒
X 仮想線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を備え、
複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。
条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。
条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。
条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであること。
【請求項2】
前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌を収容する植栽容器である前記請求項1に記載の収容具。
【請求項3】
前記請求項2に記載の、容器が植栽容器に限定されてなる収容具と、
連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに着脱自在に装着された支柱と、
前記両端に位置する植栽容器に装着された支柱と支柱との間に懸架される横桟と、
前記支柱及び/又は前記横桟に装着される支持部材と、
を有することを特徴とする園芸容器。
【請求項1】
複数の容器を備え、
複数の容器における任意の一個の容器が他の一個の容器と連結手段により回動自在に、以下の条件を満たすように、相互に連結されて成る収容具。
条件1:連結手段により連結される部位である連結点を結ぶと一本の仮想線が直線状に形成可能であること。
条件2:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状と、前記一本の仮想線が直線状になるように全容器を配列したときの全容器全体の輪郭形状とが相違すること。
条件3:全容器を集合させ、かつ全容器を平面上に見たときの全容器全体の輪郭形状が、多角形、円形、楕円形、及び花形のいずれか、又はこれらの組み合わせであること。
【請求項2】
前記容器が、植木鉢又は植物育成用の土壌を収容する植栽容器である前記請求項1に記載の収容具。
【請求項3】
前記請求項2に記載の、容器が植栽容器に限定されてなる収容具と、
連結された複数の植栽容器における両端に位置する植栽容器それぞれに着脱自在に装着された支柱と、
前記両端に位置する植栽容器に装着された支柱と支柱との間に懸架される横桟と、
前記支柱及び/又は前記横桟に装着される支持部材と、
を有することを特徴とする園芸容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−201397(P2009−201397A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46111(P2008−46111)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(508061273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(508061273)
【Fターム(参考)】
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