収容器具
【課題】 内容物の残量を視認でき、多品種少量生産が容易な収容器具を提供する。
【解決手段】 収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46とを備える。外容器40は、光が通過可能である。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面と内容器42の外周面との間に収容される。遮光材44は、光の少なくとも一部を遮る。蓋46は、内容器42の口を塞ぐ。遮光材44は、内容器42の外周面のいずれかの部分を覆う。
【解決手段】 収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46とを備える。外容器40は、光が通過可能である。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面と内容器42の外周面との間に収容される。遮光材44は、光の少なくとも一部を遮る。蓋46は、内容器42の口を塞ぐ。遮光材44は、内容器42の外周面のいずれかの部分を覆う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容器具に関し、特に、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易な収容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、塗布容器を開示する。この塗布容器は、含浸材に液剤を吐出し、含浸材から頭髪に液剤を塗り付けるための容器である。この塗布容器は、筒と収容容器とを備える。筒は、窓部と凹部とを有する。窓部は筒側面に設けられる。凹部は窓部に沿って筒内周面に形成される。収容容器は凸部を有する。凸部は、透過部上に収納容器を筒内に挿入する際、凹部に噛み合わせられる。透過部とは、収納容器の側壁面に設けた内部の液剤を示す部分のことである。
【0003】
特許文献1に開示された塗布容器によると、容器内の薬剤残量を容易に確認できる。
【0004】
特許文献2は、紙容器を開示する。この紙容器は、紙層を基材とする。この紙容器は、紙層の内側に、容器表面層から内層に向かってポリエチレン層、ポリステル層またはポリアミド層、およびアルミニウム層を備える。また、この紙容器は、覗き窓を備える。この覗き窓は、紙基材およびアルミニウム層を除したプラスチック樹脂多層フィルムからなる。
【0005】
特許文献2に開示された紙容器によると、試薬の残量をチェックできる。
【0006】
特許文献3は、容器箱を開示する。この容器箱は、収納した容器の側面のうちの少なくとも1つに対向する側壁に、開口を備える。
【0007】
特許文献3に開示された容器箱によると、容器を収納したままで使用しても、容器内の粉剤または液剤の減量または残量を知ることができる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−6754号公報
【特許文献2】特開2002−80028号公報
【特許文献3】特開2001−270562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1および2に開示された発明では、多品種少量生産が難しいという問題点がある。多品種少量生産が難しいのは、これらの発明を構成する部材に汎用性が乏しいためである。
【0010】
特許文献3に開示された発明においても、特許文献1および2に開示された発明ほどではないにせよ、多品種少量生産が難しいという問題点がある。特許文献3に開示された発明において多品種少量生産が難しいのは、容器箱の形態に汎用性が乏しいためである。容器箱の形態に汎用性が乏しいのは、容器箱の中に容器を収容した状態でその容器の内容物を排出させることが前提となっているためである。
【0011】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易な収容器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46とを備える。外容器40は、光が通過可能である。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。遮光材44は、光の少なくとも一部を遮る。蓋46は、内容器42の口70を塞ぐ。遮光材44は、内容器42の外周面71のいずれかの部分を覆う。
【0013】
外容器40と内容器42とにおいて光が通過可能である。遮光材44はその光の少なくとも一部を遮る。遮光材44は、内容器42の外周面71のいずれかの部分を覆う。これにより、蓋46によって内容器42の口70が塞がれていても、遮光材44によって覆われていない部分を通じ、内容器42の中における内容物の残量を視認できる。
【0014】
外容器40において光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。そこに遮光材44が収容されるので、遮光材44の外観が収容器具30の表面に表れる。これにより、遮光材44の種類数と収容器具30の種類数とは等しくなる。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容されるものに過ぎないので、その形態に関する制約は少ない。その結果、多品種少量生産が容易に実現される。
【0015】
また、上述した外容器40は、内周面64に突出部65を有することが望ましい。
【0016】
突出部65を有すると、遮光材44の端を突出部65に接触させながら遮光材44を外容器40の中に挿入することで、遮光材44を外容器40の中に収容する作業をスムーズにすることができる。
【0017】
もしくは、上述した外容器40の突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された線状部分を有することが望ましい。
【0018】
突出部65の線状部分が外容器40の軸方向に沿って配置されているので、遮光材44の一端は、その線状部分に接触させられながら外容器40の中に挿入される際、その軸方向に沿って動くことになる。この場合、その線状部分がない場合に比べ、挿入作業はよりスムーズになる。
【0019】
もしくは、上述した外容器40の突出部65は、外容器40の軸方向に対して交差する方向に並ぶ複数の部分を有することが望ましい。併せて、遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間のうち、突出部65の複数の部分のいずれかを境界とする空間に収容されることが望ましい。
【0020】
また、上述した外容器40は、窪み61を外周面に有することが望ましい。
【0021】
もしくは、上述した窪み61は、外容器40の口62から底63までに及ぶように設けられていることが望ましい。
【0022】
もしくは、上述した内容器42は、内周面74に隆起部75を有することが望ましい。併せて、蓋46は、被覆部90と、係止部94とを有することが望ましい。被覆部90は、内容器42の口70を被覆する。被覆部90には、穴100が設けられている。係止部94は、内容器42の口70に嵌め込まれ、かつ、内容器42の隆起部75に係止する。併せて、内容器42は、隆起部75に蓋46の係止部94が係止するとき、外容器40の窪み50の内側にあたる部分に被覆部90の穴100が対向するよう、外容器40に固定されていることが望ましい。
【0023】
隆起部75に蓋46の係止部94が係止するとき、外容器40の窪み50の内側にあたる部分に被覆部90の穴100が対向していることにより、被覆部90の穴100から内容物を排出させるとき、窪み50において収容器具を支えることができる。窪み50において収容器具を支えられるので、内容物の排出中に収容器具の傾きを変えたとき、収容器具が予想外の動きをする可能性を低くできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる収容器具は、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
図1は、本実施形態にかかる収容器具30を示す外観図である。図2は、本実施形態にかかる収容器具の断面図である。図3は、本実施形態にかかる外容器40の正面図である。図4は、本実施形態にかかる外容器40の平面図である。図5は、本実施形態にかかる内容器42の正面図である。図6は、本実施形態にかかる内容器42の平面図である。図7は、本実施形態にかかる内容器42の底面図である。図8は、本実施形態にかかる遮光材44の平面図である。図9は、本実施形態にかかる蓋46の斜視図である。図10は、本実施形態にかかる蓋46の底面図である。図11は、本実施形態にかかる蓋46の断面図である。図12は、本実施形態にかかるキャップ48の斜視図である。なお、本実施形態にかかる収容器具30は、タンブラとして利用できる。
【0027】
図1と図2とを参照して、本実施形態にかかる収容器具30の構成について説明する。収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46と、キャップ48と、滑り止めシート50とを備える。外容器40は、光が透過可能な容器である。外容器40は、透明なアクリル樹脂によって形成されている。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、外容器40と同様に、透明なアクリル樹脂によって形成されている。そのため、内容器42も光が透過可能である。遮光材44は、外容器40を通過した光を遮る部材である。蓋46は、後述する内容器42の充填口70を塞ぐ。キャップ48は、蓋46に設けられた排出穴100を塞ぐ。滑り止めシート50は、収容器具30が滑ることを防止する薄いゴムシートである。
【0028】
図2から明らかなように、遮光材44は、外容器40と内容器42との間に収容される。図1から明らかなように、遮光材44は、内容器42の全体を覆うのではなく、その一部を覆うように収容される。そのため、収容器具30のユーザは、遮光材44によって覆われなかった部分を通じ、内容器42に収められた内容物の量を外部から視認できる。内容物の量を確認するためにキャップ48を開ける必要はない。
【0029】
図3および図4を参照して、外容器40の構成について説明する。本実施形態にかかる外容器40は、窪み61と、収容口62と、底63と、突出部65と、位置決め部66とを有する。窪み61は、収容口62から底63までに及ぶよう、外周面60上に設けられている。収容口62は、遮光材44や内容器42を挿入するためのものである。底63は、内容器42や遮光材44や内容器42に収容された物を支える。突出部65は、窪み61の両端の内側にあたる内周面64上に設けられている。突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された直線状部分である。図4に示すように、外容器40の内面には突出部65が2本配置されている。これらの突出部65は、遮光材44が収容される空間の境界となっている。図4から明らかなように、これらの突出部65は、外容器40の軸方向に対して直交する方向に並んでいる。遮光材44は、内周面64のうち窪み61の内側にあたる部分すなわち突出部65によって挟まれた部分には収容されない。これにより、窪み61の外側から、内容器42の中を視認できる。位置決め部66は、C型位置決め部73とかみ合うことで、外容器40の向きに対する内容器42の相対的な向きを決める部分である。C型位置決め部73については後述する。
【0030】
図5〜図7を参照して、本実施形態にかかる内容器42について説明する。内容器42は、充填口70と、底72と、C型位置決め部73と、隆起部75とを有する。充填口70は、内容器42の中に内容物を充填するための口である。底72は、内容物を支える。C型位置決め部73は、底72の外側に設けられている。C型位置決め部73は、外容器40の位置決め部66とかみ合う部分である。隆起部75は、内周面74上に設けられている。隆起部75は、蓋46のかみ合い部106に係止することで、内容器42の向きに対する蓋46の相対的な向きを決めるための部分である。これにより、外容器40の向きに対する蓋46の相対的な向きも自ずと決まる。
【0031】
図8を参照して、遮光材44について説明する。本実施形態にかかる遮光材44は、扇形の先端部分を切り取った形をしている。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。本実施形態にかかる遮光材44は、不透明な薄い1枚のシートである。
【0032】
次に、図9〜図11を参照して、蓋46について説明する。蓋46は、被覆部90と、鍔部92と、係止部94とを有する。被覆部90は、内容器42の充填口70を被覆する。鍔部92は充填口70の縁にひっかかる。これによって蓋46全体が内容器42の中に入り込んでしまうことを防止する。係止部94は、内容器42に嵌め込まれ、内容器42の隆起部75に係止する。
【0033】
被覆部90は、排出穴100と、軸穴102とを有する。排出穴100は、内容器42に充填された内容物を排出するための穴である。軸穴102は、キャップ48を蓋46に取り付けるための穴である。
【0034】
係止部94は、パッキン104と、かみ合い部106とを有する。パッキン104は、内容器42の内周面に密着することで、内容器42と蓋46との間の隙間から内容物が流出することを防止する。かみ合い部106は、内容器42の隆起部75にかみ合う。
【0035】
図12は、キャップ48の斜視図である。本実施形態にかかるキャップ48は、軸110を有する。軸110は、蓋46の軸穴102に嵌め込まれる。これにより、キャップ48は蓋46に取り付けられる。蓋46に取り付けられたキャップ48は、軸110を中心に回転することができる。
【0036】
以上の構成に基づく、収容器具30の製造方法について説明する。
【0037】
外容器40と内容器42と蓋46とキャップ48とは、射出成形により形成される。遮光材44と滑り止めシート50とは、素材となるシートを打ち抜くことで形成される。
【0038】
それらが形成されると、外容器40の底63に滑り止めシート50が貼り付けられる。滑り止めシート50が貼り付けられると、外容器40の中に遮光材44が挿入される。遮光材44を外容器40の中に挿入するため、遮光材44はいったん筒状に丸められ、それが外容器40の中に挿入される。外容器40の突出部65に遮光材44の端が沿うよう遮光材44が挿入されると、外容器40の中で遮光材44が広がった時、図1に示すように、遮光材44の両端は、突出部65を挟み、かつ、それらに接触するようになる。本実施形態に係る突出部65は、挿入された遮光材44を底63の方へ誘導することができる。外容器40の軸方向に沿う直線状部分を有するためである。ちなみに、本実施形態においては、遮光材44によって覆われていないために外容器40の外側から内容器42の中を視認できる範囲の幅は、窪み61の幅よりわずかに広い。
【0039】
遮光材44が外容器40の中に挿入されると、外容器40の中に内容器42が挿入される。内容器42が挿入されると、内容器42は外容器40の中で少し回転させられる。これにより、外容器40の位置決め部66と内容器42のC型位置決め部73とがかみ合う。それらがかみ合うことで、外容器40の向きに対する内容器42の相対的な向きが決まる。その後、外容器40の収容口62の縁と内容器42の充填口70の縁とは融着される。
【0040】
外容器40、内容器42、遮光材44、および滑り止めシート50の組立と並行して、キャップ48を蓋46に取り付ける。その取り付けは、キャップ48の軸110を蓋46の軸穴102に嵌め込むことにより行われる。
【0041】
外容器40、内容器42、遮光材44、および滑り止めシート50の組立とキャップ48の取り付けとが終了すると、蓋46を内容器42に嵌め込む。蓋46は、次の2つのステップを経て内容器42に嵌め込まれる。第1のステップは、内容器42の充填口70に係止部94を挿入するステップである。このとき、外容器40の窪み61の右隣部分(外容器40を収容口62の側から見たときの右隣部分)の内側に蓋46の排出穴100が対向するよう、係止部94は挿入される。第2のステップは、係止部94が挿入された蓋46を時計回りに回すステップである。第2のステップにより蓋46のかみ合い部106は内容器42の隆起部75とかみ合う。それらがかみ合うと、外容器40の窪み61の内側に蓋46の排出穴100が対向することになる。窪み61の内側に排出穴100が対向するよう蓋46が回されると、収容器具30は完成である。
【0042】
次に、収容器具30の使用例について説明する。図1に示す状態の収容器具30の蓋46を反時計回りに回すと、蓋46を内容器42から引き抜くことが可能になる。蓋46が内容器42から引き抜かれると、ユーザは、内容器42の中に内容物を充填する。この例では、内容物として清涼飲料が充填されることとする。内容物の範囲が特に限定されるものでないことは言うまでもない。清涼飲料が入れられると、ユーザは、蓋46を再び内容器42に挿入し、時計回りの方向に回す。これにより、蓋46のかみ合い部106が内容器42の隆起部75にかみ合う。かみ合い部106が隆起部75にかみ合うので、蓋46は内容器42から抜けなくなる。このとき、窪み61を通して、収容器具30の中に清涼飲料がどれほど入っているのか視認できる。上述したように、外容器40および内容器42が透明なアクリル樹脂によって形成されており、かつ、遮光材44はこの部分を覆わないためである。清涼飲料を飲むときは、キャップ48を開き、排出穴100に口をあて、収容器具30全体を傾ける。このとき、窪み61に親指をあて、他の指を外容器40の外周にあてる。そのように収容器具30を持てば、ユーザは清涼飲料を容易に飲むことができる。それを飲むために、ユーザが腕を不自然に曲げる必要はない。図1に示すように、窪み61の内側に蓋46の排出穴100が対向しているためである。
【0043】
以上のようにして、本実施形態にかかる収容器具30は、内容物の残量を視認でき、腕を不自然に曲げなくてもそれを口に運ぶことができる。また、本実施形態にかかる収容器具30は、さまざまな種類の遮光材44を用いることにより、さまざまな外観にすることができる。その分、多品種少量生産が容易になる。
【0044】
また、本実施形態にかかる収容器具30は、突出部65が次に述べる機能を有している。その機能とは、外容器40の内周面64のうち窪み61の内側部分のいずれかは遮光材44が配置されないよう、遮光材44を位置決めする機能である。これにより、収容容器30が使用された結果として遮光材44が外容器40と内容器4との間で動くとしても、窪み61の内側にあたる部分付近は原則として遮光材44に覆われなくなる。このような機能があると、収容器具30をタンブラその他の食器として用いるとき、内容器42の中身の残量が視認しやすくなる。収容器具30を食器として用いるとき、窪み61に親指をあて、外容器40の外周面60にその他の指をあて、排出穴100に口をあてて内容器42の中の清涼飲料を飲むことになる。このように収容器具30を持つ場合、手を少し傾ければ、窪み61を見ることができるためである。
【0045】
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
【0046】
例えば、遮光材44は、図1に示すような、内容器42の外周面を上から下まで覆う部材でなくても良い。遮光材44は、内容器42の下半分を覆う部材などであっても良い。
【0047】
遮光材44は、1枚の薄いシートによって構成されていなくても良い。遮光材44は、薄い軸などによって互いに持続された複数の短冊によって構成されていても良い。この場合に、複数の方向から、内容器42中の内容物の量を視認できる。
【0048】
遮光材44の形状は、図8に示すような形状に限られない。例えば、外容器40に収容された時に互いに対向する部分が波形であってもよい。
【0049】
遮光材44は、まったく光を通さないシートに限られない。例えば、遮光材44は、半透明のシートであってもよい。この場合にも、周囲の暗さによっては内容物の量を外から視認できなくなるので、遮光材44によって覆われていない部分があることの意義は存在する。
【0050】
遮光材44の幅は、外容器40の中に挿入されたとき窪み61の幅よりわずかに広くなる幅に限られない。それよりも広くても良いし、狭くても良い。好ましい幅は、遮光材44によって覆われていないために外容器40の外側から内容器42の中を視認できる範囲の形状が長方形に見える幅である。
【0051】
収容器具30をタンブラとして用いるのではなく他の用途に用いるときは、かみ合い部106と隆起部75とは、上述した要件を満たすように設けられていなくても良い。場合によっては、それらを設けなくても良い。例えば、清涼飲料などを他の容器に注ぐために収容器具30が用いられるとき、隆起部75とかみ合い部106とは、次の要件を満たすように設けられても良い。その要件とは、排出穴100が下を向くとき、窪み61が横を向くという要件である。これにより、そのユーザは、窪み61に親指をあてて収容器具30を支えることにより、腕を不自然に曲げなくても、清涼飲料などを他の容器に安定して注ぐことができる。
【0052】
窪み61は、外容器40の収容口62から底63までを覆うよう設けられていなくても良い。例えば、窪み61は、外容器40の中央付近にのみ設けられていても良い。支えやすさを考えないでないのであれば、窪み61はそもそも設けられていなくても良い。このような場合であっても、遮光材44が内容器42の一部を覆っているのであれば、遮光材44に覆われていない部分を介して内容器42に収容されている内容物の量を視認することは可能である。
【0053】
外容器40の内周面64に設けられる突出部65は、上述したような形態に限られない。例えば、外容器40の軸方向に沿って配置された小さないぼ状物体の集合体であっても良い。突出部65は、外容器40の内周面64に設けられた1つのいぼ状物体であっても良い。突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された波型の部分を有していても良い。あるいは、突出部65は、1本の直線状部分によって構成されていてもよい。突出部65は、3本以上の直線状部分を有していてもよい。突出部65が外容器40の軸方向に沿って配置された小さないぼ状物体の集合体である場合、外容器40の軸方向に沿ってそれらが配置されることにより、それらは破線状部分を構成することになる。
【0054】
外容器40の内周面64に突出部65を設けることによって、遮光材44を挿入する作業はスムーズになるが、これを求めないのであれば、突出部65は不要である。
【0055】
外容器40をその軸に直角に切断したときの窪み61の断面形状は、図4などに示すような円弧状に限られない。それは直線状であってもよいし、多角形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態にかかる収容器具を示す外観図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる収容器具の断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる外容器の正面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる外容器の平面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる内容器の正面図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる内容器の平面図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる内容器の底面図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる遮光材の平面図である。
【図9】本発明の実施形態にかかる蓋の斜視図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる蓋の底面図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる蓋の断面図である。
【図12】本発明の実施形態にかかるキャップの斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
30 収容器具
40 外容器
42 内容器
44 遮光材
46 蓋
48 キャップ
50 滑り止めシート
60,71 外周面
61 窪み
62 収容口
63,72 底
64,74 内周面
65 突出部
66 位置決め部
70 充填口
73 C型位置決め部
75 隆起部
90 被覆部
92 鍔部
94 係止部
100 排出穴
102 軸穴
104 パッキン
106 かみ合い部
110 軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容器具に関し、特に、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易な収容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、塗布容器を開示する。この塗布容器は、含浸材に液剤を吐出し、含浸材から頭髪に液剤を塗り付けるための容器である。この塗布容器は、筒と収容容器とを備える。筒は、窓部と凹部とを有する。窓部は筒側面に設けられる。凹部は窓部に沿って筒内周面に形成される。収容容器は凸部を有する。凸部は、透過部上に収納容器を筒内に挿入する際、凹部に噛み合わせられる。透過部とは、収納容器の側壁面に設けた内部の液剤を示す部分のことである。
【0003】
特許文献1に開示された塗布容器によると、容器内の薬剤残量を容易に確認できる。
【0004】
特許文献2は、紙容器を開示する。この紙容器は、紙層を基材とする。この紙容器は、紙層の内側に、容器表面層から内層に向かってポリエチレン層、ポリステル層またはポリアミド層、およびアルミニウム層を備える。また、この紙容器は、覗き窓を備える。この覗き窓は、紙基材およびアルミニウム層を除したプラスチック樹脂多層フィルムからなる。
【0005】
特許文献2に開示された紙容器によると、試薬の残量をチェックできる。
【0006】
特許文献3は、容器箱を開示する。この容器箱は、収納した容器の側面のうちの少なくとも1つに対向する側壁に、開口を備える。
【0007】
特許文献3に開示された容器箱によると、容器を収納したままで使用しても、容器内の粉剤または液剤の減量または残量を知ることができる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−6754号公報
【特許文献2】特開2002−80028号公報
【特許文献3】特開2001−270562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1および2に開示された発明では、多品種少量生産が難しいという問題点がある。多品種少量生産が難しいのは、これらの発明を構成する部材に汎用性が乏しいためである。
【0010】
特許文献3に開示された発明においても、特許文献1および2に開示された発明ほどではないにせよ、多品種少量生産が難しいという問題点がある。特許文献3に開示された発明において多品種少量生産が難しいのは、容器箱の形態に汎用性が乏しいためである。容器箱の形態に汎用性が乏しいのは、容器箱の中に容器を収容した状態でその容器の内容物を排出させることが前提となっているためである。
【0011】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易な収容器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46とを備える。外容器40は、光が通過可能である。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。遮光材44は、光の少なくとも一部を遮る。蓋46は、内容器42の口70を塞ぐ。遮光材44は、内容器42の外周面71のいずれかの部分を覆う。
【0013】
外容器40と内容器42とにおいて光が通過可能である。遮光材44はその光の少なくとも一部を遮る。遮光材44は、内容器42の外周面71のいずれかの部分を覆う。これにより、蓋46によって内容器42の口70が塞がれていても、遮光材44によって覆われていない部分を通じ、内容器42の中における内容物の残量を視認できる。
【0014】
外容器40において光が通過可能である。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。そこに遮光材44が収容されるので、遮光材44の外観が収容器具30の表面に表れる。これにより、遮光材44の種類数と収容器具30の種類数とは等しくなる。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容されるものに過ぎないので、その形態に関する制約は少ない。その結果、多品種少量生産が容易に実現される。
【0015】
また、上述した外容器40は、内周面64に突出部65を有することが望ましい。
【0016】
突出部65を有すると、遮光材44の端を突出部65に接触させながら遮光材44を外容器40の中に挿入することで、遮光材44を外容器40の中に収容する作業をスムーズにすることができる。
【0017】
もしくは、上述した外容器40の突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された線状部分を有することが望ましい。
【0018】
突出部65の線状部分が外容器40の軸方向に沿って配置されているので、遮光材44の一端は、その線状部分に接触させられながら外容器40の中に挿入される際、その軸方向に沿って動くことになる。この場合、その線状部分がない場合に比べ、挿入作業はよりスムーズになる。
【0019】
もしくは、上述した外容器40の突出部65は、外容器40の軸方向に対して交差する方向に並ぶ複数の部分を有することが望ましい。併せて、遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間のうち、突出部65の複数の部分のいずれかを境界とする空間に収容されることが望ましい。
【0020】
また、上述した外容器40は、窪み61を外周面に有することが望ましい。
【0021】
もしくは、上述した窪み61は、外容器40の口62から底63までに及ぶように設けられていることが望ましい。
【0022】
もしくは、上述した内容器42は、内周面74に隆起部75を有することが望ましい。併せて、蓋46は、被覆部90と、係止部94とを有することが望ましい。被覆部90は、内容器42の口70を被覆する。被覆部90には、穴100が設けられている。係止部94は、内容器42の口70に嵌め込まれ、かつ、内容器42の隆起部75に係止する。併せて、内容器42は、隆起部75に蓋46の係止部94が係止するとき、外容器40の窪み50の内側にあたる部分に被覆部90の穴100が対向するよう、外容器40に固定されていることが望ましい。
【0023】
隆起部75に蓋46の係止部94が係止するとき、外容器40の窪み50の内側にあたる部分に被覆部90の穴100が対向していることにより、被覆部90の穴100から内容物を排出させるとき、窪み50において収容器具を支えることができる。窪み50において収容器具を支えられるので、内容物の排出中に収容器具の傾きを変えたとき、収容器具が予想外の動きをする可能性を低くできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる収容器具は、内容物の残量を視認でき、かつ、多品種少量生産が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
図1は、本実施形態にかかる収容器具30を示す外観図である。図2は、本実施形態にかかる収容器具の断面図である。図3は、本実施形態にかかる外容器40の正面図である。図4は、本実施形態にかかる外容器40の平面図である。図5は、本実施形態にかかる内容器42の正面図である。図6は、本実施形態にかかる内容器42の平面図である。図7は、本実施形態にかかる内容器42の底面図である。図8は、本実施形態にかかる遮光材44の平面図である。図9は、本実施形態にかかる蓋46の斜視図である。図10は、本実施形態にかかる蓋46の底面図である。図11は、本実施形態にかかる蓋46の断面図である。図12は、本実施形態にかかるキャップ48の斜視図である。なお、本実施形態にかかる収容器具30は、タンブラとして利用できる。
【0027】
図1と図2とを参照して、本実施形態にかかる収容器具30の構成について説明する。収容器具30は、外容器40と、内容器42と、遮光材44と、蓋46と、キャップ48と、滑り止めシート50とを備える。外容器40は、光が透過可能な容器である。外容器40は、透明なアクリル樹脂によって形成されている。内容器42は、外容器40に収容される。内容器42は、外容器40と同様に、透明なアクリル樹脂によって形成されている。そのため、内容器42も光が透過可能である。遮光材44は、外容器40を通過した光を遮る部材である。蓋46は、後述する内容器42の充填口70を塞ぐ。キャップ48は、蓋46に設けられた排出穴100を塞ぐ。滑り止めシート50は、収容器具30が滑ることを防止する薄いゴムシートである。
【0028】
図2から明らかなように、遮光材44は、外容器40と内容器42との間に収容される。図1から明らかなように、遮光材44は、内容器42の全体を覆うのではなく、その一部を覆うように収容される。そのため、収容器具30のユーザは、遮光材44によって覆われなかった部分を通じ、内容器42に収められた内容物の量を外部から視認できる。内容物の量を確認するためにキャップ48を開ける必要はない。
【0029】
図3および図4を参照して、外容器40の構成について説明する。本実施形態にかかる外容器40は、窪み61と、収容口62と、底63と、突出部65と、位置決め部66とを有する。窪み61は、収容口62から底63までに及ぶよう、外周面60上に設けられている。収容口62は、遮光材44や内容器42を挿入するためのものである。底63は、内容器42や遮光材44や内容器42に収容された物を支える。突出部65は、窪み61の両端の内側にあたる内周面64上に設けられている。突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された直線状部分である。図4に示すように、外容器40の内面には突出部65が2本配置されている。これらの突出部65は、遮光材44が収容される空間の境界となっている。図4から明らかなように、これらの突出部65は、外容器40の軸方向に対して直交する方向に並んでいる。遮光材44は、内周面64のうち窪み61の内側にあたる部分すなわち突出部65によって挟まれた部分には収容されない。これにより、窪み61の外側から、内容器42の中を視認できる。位置決め部66は、C型位置決め部73とかみ合うことで、外容器40の向きに対する内容器42の相対的な向きを決める部分である。C型位置決め部73については後述する。
【0030】
図5〜図7を参照して、本実施形態にかかる内容器42について説明する。内容器42は、充填口70と、底72と、C型位置決め部73と、隆起部75とを有する。充填口70は、内容器42の中に内容物を充填するための口である。底72は、内容物を支える。C型位置決め部73は、底72の外側に設けられている。C型位置決め部73は、外容器40の位置決め部66とかみ合う部分である。隆起部75は、内周面74上に設けられている。隆起部75は、蓋46のかみ合い部106に係止することで、内容器42の向きに対する蓋46の相対的な向きを決めるための部分である。これにより、外容器40の向きに対する蓋46の相対的な向きも自ずと決まる。
【0031】
図8を参照して、遮光材44について説明する。本実施形態にかかる遮光材44は、扇形の先端部分を切り取った形をしている。遮光材44は、外容器40の内周面64と内容器42の外周面71との間に収容される。本実施形態にかかる遮光材44は、不透明な薄い1枚のシートである。
【0032】
次に、図9〜図11を参照して、蓋46について説明する。蓋46は、被覆部90と、鍔部92と、係止部94とを有する。被覆部90は、内容器42の充填口70を被覆する。鍔部92は充填口70の縁にひっかかる。これによって蓋46全体が内容器42の中に入り込んでしまうことを防止する。係止部94は、内容器42に嵌め込まれ、内容器42の隆起部75に係止する。
【0033】
被覆部90は、排出穴100と、軸穴102とを有する。排出穴100は、内容器42に充填された内容物を排出するための穴である。軸穴102は、キャップ48を蓋46に取り付けるための穴である。
【0034】
係止部94は、パッキン104と、かみ合い部106とを有する。パッキン104は、内容器42の内周面に密着することで、内容器42と蓋46との間の隙間から内容物が流出することを防止する。かみ合い部106は、内容器42の隆起部75にかみ合う。
【0035】
図12は、キャップ48の斜視図である。本実施形態にかかるキャップ48は、軸110を有する。軸110は、蓋46の軸穴102に嵌め込まれる。これにより、キャップ48は蓋46に取り付けられる。蓋46に取り付けられたキャップ48は、軸110を中心に回転することができる。
【0036】
以上の構成に基づく、収容器具30の製造方法について説明する。
【0037】
外容器40と内容器42と蓋46とキャップ48とは、射出成形により形成される。遮光材44と滑り止めシート50とは、素材となるシートを打ち抜くことで形成される。
【0038】
それらが形成されると、外容器40の底63に滑り止めシート50が貼り付けられる。滑り止めシート50が貼り付けられると、外容器40の中に遮光材44が挿入される。遮光材44を外容器40の中に挿入するため、遮光材44はいったん筒状に丸められ、それが外容器40の中に挿入される。外容器40の突出部65に遮光材44の端が沿うよう遮光材44が挿入されると、外容器40の中で遮光材44が広がった時、図1に示すように、遮光材44の両端は、突出部65を挟み、かつ、それらに接触するようになる。本実施形態に係る突出部65は、挿入された遮光材44を底63の方へ誘導することができる。外容器40の軸方向に沿う直線状部分を有するためである。ちなみに、本実施形態においては、遮光材44によって覆われていないために外容器40の外側から内容器42の中を視認できる範囲の幅は、窪み61の幅よりわずかに広い。
【0039】
遮光材44が外容器40の中に挿入されると、外容器40の中に内容器42が挿入される。内容器42が挿入されると、内容器42は外容器40の中で少し回転させられる。これにより、外容器40の位置決め部66と内容器42のC型位置決め部73とがかみ合う。それらがかみ合うことで、外容器40の向きに対する内容器42の相対的な向きが決まる。その後、外容器40の収容口62の縁と内容器42の充填口70の縁とは融着される。
【0040】
外容器40、内容器42、遮光材44、および滑り止めシート50の組立と並行して、キャップ48を蓋46に取り付ける。その取り付けは、キャップ48の軸110を蓋46の軸穴102に嵌め込むことにより行われる。
【0041】
外容器40、内容器42、遮光材44、および滑り止めシート50の組立とキャップ48の取り付けとが終了すると、蓋46を内容器42に嵌め込む。蓋46は、次の2つのステップを経て内容器42に嵌め込まれる。第1のステップは、内容器42の充填口70に係止部94を挿入するステップである。このとき、外容器40の窪み61の右隣部分(外容器40を収容口62の側から見たときの右隣部分)の内側に蓋46の排出穴100が対向するよう、係止部94は挿入される。第2のステップは、係止部94が挿入された蓋46を時計回りに回すステップである。第2のステップにより蓋46のかみ合い部106は内容器42の隆起部75とかみ合う。それらがかみ合うと、外容器40の窪み61の内側に蓋46の排出穴100が対向することになる。窪み61の内側に排出穴100が対向するよう蓋46が回されると、収容器具30は完成である。
【0042】
次に、収容器具30の使用例について説明する。図1に示す状態の収容器具30の蓋46を反時計回りに回すと、蓋46を内容器42から引き抜くことが可能になる。蓋46が内容器42から引き抜かれると、ユーザは、内容器42の中に内容物を充填する。この例では、内容物として清涼飲料が充填されることとする。内容物の範囲が特に限定されるものでないことは言うまでもない。清涼飲料が入れられると、ユーザは、蓋46を再び内容器42に挿入し、時計回りの方向に回す。これにより、蓋46のかみ合い部106が内容器42の隆起部75にかみ合う。かみ合い部106が隆起部75にかみ合うので、蓋46は内容器42から抜けなくなる。このとき、窪み61を通して、収容器具30の中に清涼飲料がどれほど入っているのか視認できる。上述したように、外容器40および内容器42が透明なアクリル樹脂によって形成されており、かつ、遮光材44はこの部分を覆わないためである。清涼飲料を飲むときは、キャップ48を開き、排出穴100に口をあて、収容器具30全体を傾ける。このとき、窪み61に親指をあて、他の指を外容器40の外周にあてる。そのように収容器具30を持てば、ユーザは清涼飲料を容易に飲むことができる。それを飲むために、ユーザが腕を不自然に曲げる必要はない。図1に示すように、窪み61の内側に蓋46の排出穴100が対向しているためである。
【0043】
以上のようにして、本実施形態にかかる収容器具30は、内容物の残量を視認でき、腕を不自然に曲げなくてもそれを口に運ぶことができる。また、本実施形態にかかる収容器具30は、さまざまな種類の遮光材44を用いることにより、さまざまな外観にすることができる。その分、多品種少量生産が容易になる。
【0044】
また、本実施形態にかかる収容器具30は、突出部65が次に述べる機能を有している。その機能とは、外容器40の内周面64のうち窪み61の内側部分のいずれかは遮光材44が配置されないよう、遮光材44を位置決めする機能である。これにより、収容容器30が使用された結果として遮光材44が外容器40と内容器4との間で動くとしても、窪み61の内側にあたる部分付近は原則として遮光材44に覆われなくなる。このような機能があると、収容器具30をタンブラその他の食器として用いるとき、内容器42の中身の残量が視認しやすくなる。収容器具30を食器として用いるとき、窪み61に親指をあて、外容器40の外周面60にその他の指をあて、排出穴100に口をあてて内容器42の中の清涼飲料を飲むことになる。このように収容器具30を持つ場合、手を少し傾ければ、窪み61を見ることができるためである。
【0045】
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
【0046】
例えば、遮光材44は、図1に示すような、内容器42の外周面を上から下まで覆う部材でなくても良い。遮光材44は、内容器42の下半分を覆う部材などであっても良い。
【0047】
遮光材44は、1枚の薄いシートによって構成されていなくても良い。遮光材44は、薄い軸などによって互いに持続された複数の短冊によって構成されていても良い。この場合に、複数の方向から、内容器42中の内容物の量を視認できる。
【0048】
遮光材44の形状は、図8に示すような形状に限られない。例えば、外容器40に収容された時に互いに対向する部分が波形であってもよい。
【0049】
遮光材44は、まったく光を通さないシートに限られない。例えば、遮光材44は、半透明のシートであってもよい。この場合にも、周囲の暗さによっては内容物の量を外から視認できなくなるので、遮光材44によって覆われていない部分があることの意義は存在する。
【0050】
遮光材44の幅は、外容器40の中に挿入されたとき窪み61の幅よりわずかに広くなる幅に限られない。それよりも広くても良いし、狭くても良い。好ましい幅は、遮光材44によって覆われていないために外容器40の外側から内容器42の中を視認できる範囲の形状が長方形に見える幅である。
【0051】
収容器具30をタンブラとして用いるのではなく他の用途に用いるときは、かみ合い部106と隆起部75とは、上述した要件を満たすように設けられていなくても良い。場合によっては、それらを設けなくても良い。例えば、清涼飲料などを他の容器に注ぐために収容器具30が用いられるとき、隆起部75とかみ合い部106とは、次の要件を満たすように設けられても良い。その要件とは、排出穴100が下を向くとき、窪み61が横を向くという要件である。これにより、そのユーザは、窪み61に親指をあてて収容器具30を支えることにより、腕を不自然に曲げなくても、清涼飲料などを他の容器に安定して注ぐことができる。
【0052】
窪み61は、外容器40の収容口62から底63までを覆うよう設けられていなくても良い。例えば、窪み61は、外容器40の中央付近にのみ設けられていても良い。支えやすさを考えないでないのであれば、窪み61はそもそも設けられていなくても良い。このような場合であっても、遮光材44が内容器42の一部を覆っているのであれば、遮光材44に覆われていない部分を介して内容器42に収容されている内容物の量を視認することは可能である。
【0053】
外容器40の内周面64に設けられる突出部65は、上述したような形態に限られない。例えば、外容器40の軸方向に沿って配置された小さないぼ状物体の集合体であっても良い。突出部65は、外容器40の内周面64に設けられた1つのいぼ状物体であっても良い。突出部65は、外容器40の軸方向に沿って配置された波型の部分を有していても良い。あるいは、突出部65は、1本の直線状部分によって構成されていてもよい。突出部65は、3本以上の直線状部分を有していてもよい。突出部65が外容器40の軸方向に沿って配置された小さないぼ状物体の集合体である場合、外容器40の軸方向に沿ってそれらが配置されることにより、それらは破線状部分を構成することになる。
【0054】
外容器40の内周面64に突出部65を設けることによって、遮光材44を挿入する作業はスムーズになるが、これを求めないのであれば、突出部65は不要である。
【0055】
外容器40をその軸に直角に切断したときの窪み61の断面形状は、図4などに示すような円弧状に限られない。それは直線状であってもよいし、多角形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態にかかる収容器具を示す外観図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる収容器具の断面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる外容器の正面図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる外容器の平面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる内容器の正面図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる内容器の平面図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる内容器の底面図である。
【図8】本発明の実施形態にかかる遮光材の平面図である。
【図9】本発明の実施形態にかかる蓋の斜視図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる蓋の底面図である。
【図11】本発明の実施形態にかかる蓋の断面図である。
【図12】本発明の実施形態にかかるキャップの斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
30 収容器具
40 外容器
42 内容器
44 遮光材
46 蓋
48 キャップ
50 滑り止めシート
60,71 外周面
61 窪み
62 収容口
63,72 底
64,74 内周面
65 突出部
66 位置決め部
70 充填口
73 C型位置決め部
75 隆起部
90 被覆部
92 鍔部
94 係止部
100 排出穴
102 軸穴
104 パッキン
106 かみ合い部
110 軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容器具であって、
光が通過可能な外容器と、
前記光が通過可能で前記外容器に収容される内容器と、
前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間に収容され、前記光の少なくとも一部を遮る遮光材と、
前記内容器の口を塞ぐ蓋とを備え、
前記遮光材は、前記内容器の外周面のいずれかの部分を覆う、収容器具。
【請求項2】
前記外容器は、内周面に突出部を有する、請求項1に記載の収容器具。
【請求項3】
前記外容器の突出部は、前記外容器の軸方向に沿って配置された線状部分を有する、請求項2に記載の収容器具。
【請求項4】
前記外容器の突出部は、前記外容器の軸方向に対して交差する方向に並ぶ複数の部分を有し、
前記遮光材は、前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間のうち、前記突出部の複数の部分のいずれかを境界とする空間に収容される、請求項2に記載の収容器具。
【請求項5】
前記外容器は、窪みを外周面に有する、請求項1に記載の収容器具。
【請求項6】
前記窪みは、前記外容器の口から底までに及ぶように設けられている、請求項5に記載の収容器具。
【請求項7】
前記内容器は、内周面に隆起部を有し、
前記蓋は、
穴が設けられた、前記内容器の口を被覆する被覆部と、
前記内容器の口に嵌め込まれ、かつ、前記内容器の隆起部に係止する係止部とを有し、
前記内容器は、前記隆起部に前記蓋の係止部が係止するとき、前記外容器の窪みの内側にあたる部分に前記被覆部の穴が対向するよう、前記外容器に固定されている、請求項5に記載の収容器具。
【請求項1】
収容器具であって、
光が通過可能な外容器と、
前記光が通過可能で前記外容器に収容される内容器と、
前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間に収容され、前記光の少なくとも一部を遮る遮光材と、
前記内容器の口を塞ぐ蓋とを備え、
前記遮光材は、前記内容器の外周面のいずれかの部分を覆う、収容器具。
【請求項2】
前記外容器は、内周面に突出部を有する、請求項1に記載の収容器具。
【請求項3】
前記外容器の突出部は、前記外容器の軸方向に沿って配置された線状部分を有する、請求項2に記載の収容器具。
【請求項4】
前記外容器の突出部は、前記外容器の軸方向に対して交差する方向に並ぶ複数の部分を有し、
前記遮光材は、前記外容器の内周面と前記内容器の外周面との間のうち、前記突出部の複数の部分のいずれかを境界とする空間に収容される、請求項2に記載の収容器具。
【請求項5】
前記外容器は、窪みを外周面に有する、請求項1に記載の収容器具。
【請求項6】
前記窪みは、前記外容器の口から底までに及ぶように設けられている、請求項5に記載の収容器具。
【請求項7】
前記内容器は、内周面に隆起部を有し、
前記蓋は、
穴が設けられた、前記内容器の口を被覆する被覆部と、
前記内容器の口に嵌め込まれ、かつ、前記内容器の隆起部に係止する係止部とを有し、
前記内容器は、前記隆起部に前記蓋の係止部が係止するとき、前記外容器の窪みの内側にあたる部分に前記被覆部の穴が対向するよう、前記外容器に固定されている、請求項5に記載の収容器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−30650(P2010−30650A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196502(P2008−196502)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(592240127)株式会社岩田良 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(592240127)株式会社岩田良 (4)
【Fターム(参考)】
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