説明

収納キャビネットの配線納め構造

【課題】余剰した機器配線を集約して収容することができる収納キャビネットの配線納め構造を提供することを課題とする。
【解決手段】キャビネット本体2に棚板4を備えた収納キャビネット1の配線納め構造であって、前記棚板は、該棚板の奥行き寸法が前記キャビネット本体の奥行き寸法の内寸より短く形成され、前記棚板の後端縁4aの後方に前記棚板の上に置かれた電気機器7の機器配線70を受ける配線受け部6が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネット本体に棚板を備えた収納キャビネットにおいて、収納キャビネットに収納される電気機器の配線納め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、AV(オーディオヴィジュアル)機器或いは照明器具などの電気機器を収納できる収納キャビネットとしては、電気機器の機器配線を体裁よく処理できるよう配線機能を持たせたものが知られている。
下記特許文献1には、AV機器用キャビネットが開示されており、ここには背板をキャビネットの後端よりやや前方に配置し、コンセントや機器配線を壁面と背板との間にできる空間に収容できるキャビネットが記載されている。また下記特許文献1には機器配線を引き込む円形の配線孔が、キャビネットの天板後端の中央にひとつ形成されているものが記載されている。これによれば、AV機器の機器配線を配線孔に引き込み、壁面と背板との間の空間に機器配線を収容できるので、機器配線が外からみえず外観のよいものとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−8754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機器配線の本数が少ない場合や配線孔のすぐ近くにAV機器が置かれているような場合などは、特許文献1に記載のように配線孔が天板に1箇所設けられていれば十分である。
しかしながら、複数の電気機器が複数の棚板の上に収納されている場合は、ひとつの配線孔のみでは対応できず、またAV機器が載置されている場所と配線孔が形成されているところが離れている場合は別途新たに配線孔を形成しなければならない。
このように収納キャビネット内に電力の供給を要する電気機器を収納する場合は、余剰した機器配線をどのように収容するか、また電気機器に供給する電力を別途壁面に設けられた一次電源からどのように取り込むかなどの問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、余剰した機器配線を集約して収容することができる収納キャビネットの配線納め構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る収納キャビネットの配線納め構造は、キャビネット本体に棚板を備えた収納キャビネットの配線納め構造であって、前記棚板は、該棚板の奥行き寸法が前記キャビネット本体の奥行き寸法の内寸より短く形成され、前記棚板の後端縁の後方に前記棚板の上に置かれた電気機器の機器配線を受ける配線受け部が設けられていることを特徴とする。
ここでいう電気機器は電力の供給を要する機器をいい、上述のAV機器や照明器具に限らず、端末装置、プリンタなどであってもよい。
【0007】
本発明において、キャビネット本体内の奥方には、上下方向にダクト部が設けられ、該ダクト部には、電力供給のために前記機器配線が接続されるコンセントが取り付け可能とされているものとしてもよい。
【0008】
また本発明において、前記配線受け部が、前記棚板の前記後端縁に沿うように形成され、断面形状において凹型のレール部材とされており、前記配線受け部の前側部には、該配線受け部に引き込んだ前記機器配線の導入部分の動きを規制するために前記機器配線が差し込まれる切欠溝部が形成され、前記配線受け部の凹所に、前記配線受け部に引き込んだ前記機器配線が集約されるよう構成されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る収納キャビネットの配線納め構造によれば、棚板は、該棚板の奥行き寸法が前記キャビネット本体の奥行き寸法の内寸より短く形成され、前記棚板の後端縁の後方に前記棚板の上に置かれた電気機器の機器配線を受ける配線受け部が設けられているので、棚板の上に置かれた電気機器の機器配線を棚板の後方に設けられた配線受け部に収容することができる。よって余剰した機器配線を配線受け部に収容することができ、棚板の上をすっきりと構成することができる。
【0010】
本発明において、キャビネット本体内の奥方には、上下方向にダクト部が設けられ、該ダクト部には、電力供給のために前記機器配線が接続されるコンセントが取り付け可能とされているものとしてもよい。これによれば、キャビネット本体内の奥方にダクト部が設けられているので、収納キャビネットを手前側からみたときダクト部が目立たず、またダクト部が棚板の上に置かれる収容物の邪魔にならない。さらにこれによれば、電力供給のためのコンセントを上述のダクト部の任意の場所に取り付けることができる。よって例えば配線受け部の近傍にコンセントを取り付ければ、機器配線を遠く離れたコンセントまで引き込む必要がなく、機器配線の接続作業が非常に容易にできる。
【0011】
本発明において、配線受け部が、前記棚板の前記後端縁に沿うよう形成され、断面形状において凹型のレール部材とされたものとしてもよく、前記配線受け部の前側部には、該配線受け部に引き込んだ前記機器配線の導入部分の動きを規制するために前記機器配線が差し込まれる切欠溝部が形成され、前記配線受け部の凹所に、前記配線受け部に引き込んだ前記機器配線が集約されるよう構成されているものとしてもよい。
これによれば、配線受け部が棚板の前記後端縁に沿うように形成されているので、棚板の手前側から配線受け部が目立たない。また配線受け部の前側部に形成された切欠溝部に配線受け部に引き込んだ機器配線の導入部分を引掛ければ、その機器配線の導入部分の動きを規制することができるので、電気機器の周りに機器配線がもたつくことがない。さらに機器配線が長い場合でも、余剰した機器配線を配線受け部の凹所に容易に集約し収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る収納キャビネットの配線納め構造における第1の実施形態を模式的に示す概略縦断面図であり、図4のX−X線断面図である。
【図2】同収納キャビネットの配線納め構造で採用される配線受け部の一例を示す概略斜視図である。
【図3】同収納キャビネットの配線納め構造を模式的に示す概略横断面図であり、図1のY―Y線断面図である。
【図4】同収納キャビネットの配線納め構造が採用されたシステムキャビネットの全体斜視図の一例である。
【図5】本発明に係る収納キャビネットの配線納め構造における第2の実施形態を示す図であり、(a)は図1と同様図、(b)は図3と同様図である。
【図6】図5に示す第2の実施形態で採用される配線受け部の概略斜視図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の実施形態において指す前後方向は、収納キャビネットの正面で対面した使用者を基準に手前側を前、奥側を後とし、その前後方向に直交する方向を左右方向として説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
まずは本発明の第1の実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
本実施形態に係る収納キャビネット1(ユニットキャビネット)は、高さの異なる2個の収納キャビネット1によりシステムキャビネットSを構成し、それぞれの収納キャビネット1は互いに隣合う側板21が接するよう壁面11に沿って床面10の上に設置される。高さの高い収納キャビネット1(図4の紙面右側)の上方は、開閉自在に構成された扉体5を備えた収納部、その下方は扉体のない前方が開口され棚板4を備えたオープンラック式の収納部となっている。高さの低い収納キャビネット1(紙面左側)は、棚板4を備えたオープンラック式の収納部で構成されている。上述のそれぞれの収納部は、DVDデッキ、アンプ、スピーカーなどのAV機器や照明器具などの電気機器の他、本や小物などが収納できる収納空間となっており、その構成は図例に限らず引出しを備えたものとしてもよいし、左右方向に空間を仕切る仕切板を備えたものとしてもよい。
【0015】
以下では高さの低い方の収納キャビネット1に基いて、第1の実施形態を説明するが、図4に示すように高さの高い方の収納キャビネット1にも、配線受け部6及びダクト部9が設けられており、本実施形態の配線納め構造が適用可能であることはいうまでもない。またここでは説明のため、電気機器7に電力の供給を受けるための配線を機器配線といい、接続された電気機器7に電力を供給するためのコンセント8の配線をコンセント配線80という。さらに、電気機器7へ電力供給を行う一例として、コンセント配線80を壁面11などに設けられるコンセント(不図示:一次電源)に接続することにより、接続された電気機器7に電力の供給を行う例を説明するが、この構成に限定されるものではない。
【0016】
収納キャビネット1のキャビネット本体2は、上部に配された天板20、左右に配された側板21と、背面側に配された背板22と、底部に配された底板23とを備えて構成され、前方に開口する箱状とされている。底板23の下部領域には台輪部24が構成されており、底板23、台輪部24、背板22の台輪部領域及び床面10とにより台輪部24内は、空洞スペース25が形成されている。天板20の上には、カウンター3が載置されており、カウンター3は、キャビネット本体2の左右幅に合わせて形成され、集成材或いは無垢の木などからなる木質材料の板体で構成される。
キャビネット本体2内には電気機器7に電力を供給するためのコンセント8と、コンセント8が取り付けられるダクト部9とが設けられている。ダクト部9内に這わせたコンセント配線80は、ダクト部9の下端から台輪部24の空洞スペース25内を引き込まれ、背板22の台輪部領域に形成された壁側取り出し口22aから壁面11などに設けられたコンセントへと配線される。
【0017】
図1では壁面11などに設けられるコンセントを図示しておらず、収納キャビネット1は壁面11との間に若干の隙間を持たせて設置されているように示しているが、これに限定されるものではない。例えば上記壁側取り出し口22aから壁面11に設けられた一次電源となるコンセントが露出している場合は、壁面11に収納キャビネット1の背板22が接するように設置することができる。また背板22の下端が床面10まで形成されておらず、背板22の下部全域が壁側取り出し口を構成するような場合は、背板22の下方が開口状態になる。よってこの開口部分にコンセントが露出している場合も壁面11に収納キャビネット1の背板22が接するように設置することができる。
【0018】
キャビネット本体2内には、キャビネット本体2内を上下に仕切る一枚の棚板4が設けられ、上段部40と下段部41とを構成している(図1、図4参照)。図例のものは上段部40を構成する棚板4の上に電気機器7が置かれている。
棚板4は、該棚板4の奥行き寸法がキャビネット本体2の奥行き寸法の内寸より短く形成されており、このように形成された棚板4は、その前端縁4bが側板21の手前側と略面一となるよう設置される。これにより、棚板4の後端縁4aの後方に形成された空間には、棚板4の上に置かれた電気機器7の機器配線70を受ける配線受け部6が設けられる。そしてキャビネット本体2内の奥方角部には、上下方向にダクト部9が設けられ、該ダクト部9には、電気機器7に電力の供給を行うために機器配線70が接続されるコンセント8が取り付け可能とされている。
なお、ここでは固定式の棚板4の例を示しているが、これに限定されず、側板21の上下方向に複数の孔部を設け、そこにダボ(不図示)を挿入して棚板4の高さ位置が可変可能に取り付けられるものとしてもよい。棚板4の数も1枚に限定されず適宜複数枚の棚板4を設けることができる。
【0019】
次に図を参照ながら配線受け部6について説明する。
配線受け部6は、棚板4の後端縁4aに沿うよう横長に形成され、断面視において凹型のレール部材とされる。図2に示すように配線受け部6は、前側部60と、後側部61と、凹所62とを備えており、前側部60が棚板4の後端縁4aに接するように取り付けられる。取り付け方法は特に限定されるものではないが、接着剤或いは両面テープなどで接着してもよいし、ビスなどで固着してもよい。また棚板4が固定式の場合は、背板22側に配線受け部6が固着されていてもよい。
配線受け部6の設置状態における左右幅の寸法(長手方向の寸法)は、棚板4の左右幅と同一ではなく、後端縁4aの後方に形成される空間の角部にダクト部9が配設されるため、ダクト部9が設置される空間が残せるように形成される。すなわち、棚板4の左右幅からダクト部9の設置スペース幅を除いた幅が配線受け部6の左右幅の寸法となる(図3参照)。
前側部60及び後側部61は、棚板4の厚み寸法と略同寸法に形成され、棚板4の手前側からは配線受け部6が目立たないように形成されている。
配線受け部6の凹所62には、配線受け部6に引き込んだ電気機器7の機器配線70を集約することができる。
よって、図3に示すように余剰した機器配線70を配線受け部6にまとめて収容することができ、棚板4の上をすっきりと構成することができる。
【0020】
次に図を参照しながらダクト部9及びコンセント8の構成について説明する。
キャビネット本体2内に設けられた棚板4の後端縁4aの奥方角部には、上下方向に延びるダクト部9が設けられ、該ダクト部9には、電気機器7に電力の供給を行うために機器配線70が接続されるコンセント8が取り付け可能とされている。
図3のA部拡大図は、コンセント8と機器配線70の先端に設けられたプラグ71との接続関係を説明するため、プラグ71をコンセント8に差し込む前の状態を示している。図中、71aはプラグ71の刃、8aはコンセント8の差込口を示している。
ダクト部9は、断面形状が凹型で長手方向に沿って開口された開口部分に向かって内向に折曲形成された内向鍔部を備えたダクト本体93と、ダクト本体93の開口部分を塞ぐカバー91とを備えている。ダクト本体93の長手方向に形成された上述の開口部分は、上述のカバー91とコンセント8とが着脱自在に嵌め込まれる嵌め込み溝92となっている。ダクト本体93は、嵌め込み溝92に嵌め込まれたコンセント8のコンセント配線80をダクト部9の下端から台輪部24の空洞スペース25内に引き込めるよう中空部90を備えた方形の管状となっている。ダクト部9は、棚板4の後端縁4aの後方に形成される空間の角部に配設され、ダクト部9の角部が側板21及び背板22とで構成される角部に接するように設け、その接する面は接着剤或いはビスなどで固着される。このように、ダクト部9はキャビネット本体2の奥方角部に上下方向に設けられるので、コンセント8をダクト部9の任意の場所に上下位置変更可能に取り付けることができる。
ダクト部9に取り付けたコンセント8のコンセント配線80は、図1に示すようにダクト部9内をつたってダクト部9の下端から空洞スペース25内に引き込まれるように配線する。
【0021】
これによれば、キャビネット本体2内の奥方角部にダクト部9が設けられているので、収納キャビネット1を手前側からみたときダクト部9が目立たず、ダクト部9が棚板4の上に置かれる収容物の邪魔にならない。またこれによれば、電力供給のためのコンセント8をダクト部9の任意の場所に取り付けることができる。よって、図3に示すように配線受け部6の近傍にコンセント8を取り付ければ、機器配線70の接続が非常に容易なものとなる。
更にカバー91によって、ダクト部9内をつたうコンセント配線80がキャビネット本体2側から見えず、ダクト部9内への埃などの侵入を防ぐとともに、外観をすっきりと構成することができる。
そしてコンセント配線80はダクト部9内をつたってダクト部9の下端へ引き込んだ後、空洞スペース25内に引き込むよう構成されているので、コンセント配線80が長く余剰した部分があっても、その余剰部分を空洞スペース25内に集約しておくことができる。この空洞スペース25の手前側は台輪部24で塞がられているので、外側からみえることがなく、余剰したコンセント配線80が集約されていても、収納キャビネット1の外観性を損なうことがない。
【0022】
なお、ダクト部9の設けられる位置は棚板4の奥方角部に限定されず、ダクト部8が目立たない構成とすれば、奥方中央に設けてもよい。またダクト部9の形状、構成は図例に限定されず、ダクト部9に導線が配されたいわゆる配線ダクトとしてもよい。この場合も、ダクト部9に対して上下位置変更可能に取り付けることができる。なお、この場合はコンセント8には配線ダクトの両側に配された導線から電力供給がなされるため、コンセント8のコンセント配線80が存在しないことになる。よって、配線ダクトを用いる場合は、コンセント配線80をダクト部9内に配線する手間が省ける。
更に図例では1本のダクト部9に1個のコンセント8が取り付けられた例を示しているが、これに限定されず複数取り付けることができる。そして図例では、コンセント8の差込口8aがひとつの場合を示しているが、これに限定されず、複数の差込口8aを備えたコンセント8としてもよい。これによれば、例えば上段部40に複数の電気機器7を設置することができる。
【0023】
次に、以上により構成される収納キャビネット1の配線納め構造におけるコンセント8の取付手順及び電気機器7の配線手順を説明する。ここではすでにキャビネット本体2内に棚板4、配線受け部6及びダクト部9が設けられているとして説明する。
まずダクト部9の嵌め込み溝92を開口状態とし、その状態でコンセント配線80をダクト部9の中空部90内に通す。ダクト部9の中空部90を這わせたコンセント配線80を、ダクト部9の下端から台輪部24の空洞スペース25内に引き込んでおく。この状態で、配線受け部6の近傍に位置するダクト部9の嵌め込み溝92に、コンセント8を嵌め込む。ダクト部9の下端から台輪部24の空洞スペース25内を引き込んでおいたコンセント配線80を背板22の台輪部領域に形成された壁側取り出し口22aから壁面11などに設けられたコンセントに接続する。これで、コンセント8が一次電源と電気的に接続され、キャビネット本体2に設けられたコンセント8からの電力供給が可能な状態となる。コンセント8の取り付けが完了したら、カバー91を嵌め込み溝92に嵌め入れる。収納キャビネット1を壁面11に近接させて設置する。
【0024】
そして棚板4の上に電気機器7を置く。このとき、電気機器7の裏側に配されている機器配線70のプラグ71が、コンセント8の差込口8a側へ向くように(図3、A部拡大図参照)機器配線7を集約し、配線受け部6の凹所62に余剰した機器配線7を収容する(図1或いは図3参照)。
ここで先に機器配線70の余剰した部分をまとめて配線受け部6の凹所62に収容してから電気機器7を棚板4の上に置いてもよい。
そしてプラグ71の刃71aをコンセント8の差込口8aに差し込むと電気的に接続され電気機器7に電力を供給することができる。
【0025】
これによれば、配線受け部6の近傍にコンセント8を取り付ければ、機器配線70を遠く離れたコンセントまで引き込む必要がなく、機器配線70の接続作業が非常に容易にできる。すなわち、上述の説明からもわかるようにコンセント8からの電力供給が可能な状況にセッティングができていれば、機器配線70の接続作業が容易なので、棚板4の上に置く電気機器7を変更したり、電気機器7を取外して移動させることなどが容易にできる。
なお、コンセント8の取付手順及び電気機器7の配線手順は上述の手順に限定されるものではなく、一例を説明したにすぎない。
【0026】
(第2の実施形態)
続いて本発明の第2の実施形態について図5、図6を参照しながら説明する。
第1の実施形態と共通する部分には共通の符号を付し、共通する部分の説明は省略する。
第2の実施形態に示す収納キャビネット1の配線納め構造は、配線受け部6の構成が第1の実施形態とは異なるものである。
第2の実施形態に示す配線受け部6の前側部60には、配線受け部6に引き込んだ機器配線70の導入部分の動きを規制するために機器配線70が差し込まれる切欠溝部60aが並列に複数形成されている。
図6に示すように配線受け部6の前側部60は、棚板4の厚み寸法より切欠溝部60aの切り欠き部分が突出するよう長く形成されている。このように、切欠溝部60aは、前側部60の棚板4の上端縁から突出した部分に凹型に複数形成され、切欠溝部60aの下端の高さ位置と棚板4の上端縁の高さ位置が一致するように形成されたものとすれば、棚板4の上に置かれた電気機器7の機器配線70の引き込みがし易くなる。すなわち、例えば棚板4の上に置かれた電気機器7の奥側面の下端に機器配線70が設けられている場合は、切欠溝部60aの下端の高さ位置と棚板4の上端縁の高さ位置が一致しているので、そのまま切欠溝部60aへと機器配線70を導くことができる。
後側部61は、第1の実施形態と同様に棚板4の厚み寸法と略同寸法に形成されている例を示しているが、前側部60と同寸法としてもよい。前端部60及び後側部61の高さ寸法を高くすればするほど、凹所62が深くなるので、余剰した機器配線70の集約がし易くなるが、棚板4から突出する部分が多くなり見栄えが悪くなるので、棚板4からの突出部分は極力少なくすることが望ましい。
【0027】
図では、棚板4の上に置かれた電気機器7のさまざまな形状、構成に対応するために計7個の切欠溝部60aが形成された例を示しているが、これに限定されるものではない。また切欠溝部60aの切欠形状も図例に限定されず、円弧状に切欠いたものとしてもよい。
以上によれば、配線受け部6の前側部60に形成された切欠溝部60aに配線受け部6に引き込む機器配線70の導入部分を引掛ければ、その機器配線70の導入部分の動きを規制することができるので、電気機器7の周りに機器配線70がもたつくことがない。
【0028】
なお、以上の実施形態では、2個の構成が異なる収納キャビネット1を並列に設置してなるシステムキャビネットSとして示しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、単体の収納キャビネット1或いは3個以上で構成されるシステムキャビネットSにも適用可能である。
また収納キャビネット1、キャビネット本体2、カウンター3、棚板4、配線受け部6、ダクト部9などの形状、大きさ、構成は図例に限定されるものではない。
さらに収納キャビネット1は置き設置タイプのものに限定されず、吊り施工タイプのものでもよく、収納キャビネット1の前面に取り付けられる扉体5の配置も図例に限定されず、自由に配置可能に構成されたものとしてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1 収納キャビネット
2 キャビネット本体
4 棚板
4a 後端縁
6 配線受け部
60 前側部
60a 切欠溝部
62 凹所
7 電気機器
70 機器配線
8 コンセント
9 ダクト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット本体に棚板を備えた収納キャビネットの配線納め構造であって、
前記棚板は、該棚板の奥行き寸法が前記キャビネット本体の奥行き寸法の内寸より短く形成され、
前記棚板の後端縁の後方に前記棚板の上に置かれた電気機器の機器配線を受ける配線受け部が設けられていることを特徴とする収納キャビネットの配線納め構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記キャビネット本体内の奥方には、上下方向にダクト部が設けられ、該ダクト部には、電力供給のための前記機器配線が接続されるコンセントが取り付け可能とされていることを特徴とする収納キャビネットの配線構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記配線受け部が、前記棚板の前記後端縁に沿うように形成され、断面形状において凹型のレール部材とされており、
前記配線受け部の前側部には、該配線受け部に引き込んだ前記機器配線の導入部分の動きを規制するために前記機器配線が差し込まれる切欠溝部が形成され、前記配線受け部の凹所に、前記配線受け部に引き込んだ前記機器配線が集約されるよう構成されていることを特徴とする収納キャビネットの配線納め構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−252855(P2010−252855A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103128(P2009−103128)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】