説明

収納ボックス及び空気圧装置ステーション

【課題】真空ポンプやブロア等の比較的重い被収納物の保守管理や交換する際に好適に作業できるラック構造を有し、複数の被収納物を立体的に好適に収納できる収納ボックス及び空気圧装置ステーションを提供すること。
【解決手段】複数の被収納物を立体的に収納できるように棚状支持部30を備える箱体21状の収納ボックス20であって、棚状支持部30が、一対のビーム60と、その一対のビーム70に架け渡されるラダー70とを備え、ビーム60が、上下の水平板部61a、62aと立板部63とによって階段状に設けられ、ラダー70が、上面部71の両端部にそれぞれ平板状に延設されてビーム60の上側の水平面61に受けられる延長平板部73を備え、且つ下面部72の両端部がそれぞれビーム60の下側の水平面62に受けられるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプやブロア等の被収納物を収納する収納ボックス及び空気圧装置ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空ポンプやブロア等の被収納物は、重量物であり、工場内の床面上に個々に設置されている。また、これらの空気圧装置は、空気を圧縮する機能を有することで発熱する。このため、一般的には熱が発散するように、空気圧装置は周りを囲わないで設置されている。
【0003】
一方、これらの空気圧装置は、空気を減圧又は加圧する際に騒音が発生する。
これに対して、本出願人は、真空ポンプ等の発熱体を個々に収納する二重構造の防音ボックスを提案してある(特許文献1、特許文献2参照)。
この防音ボックスによれば、防音ボックスの内部と二重構造をした壁内部とに亘って気体を送風ファンで強制的に循環させて冷却すると共に、壁の内面に沿って吸音材を被着して防音している。また、特許文献2の防音ボックスでは、冷却空気の流れを均等に二方向に分流した後に吹き付けるように構成したので機器を均一に冷却することができる。
【特許文献1】実開昭63−22000号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】実公平5−42480号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納ボックス及び空気圧装置ステーションに関して解決しようとする問題点は、従来、真空ポンプやブロア等の複数の被収納物を立体的に好適に収納できるものがなかったことにある。このため、真空ポンプやブロア等の比較的重い被収納物の保守管理や交換をする際に好適に作業ができるラック構造を有する収納ボックスが提案させていない。
そこで本発明の目的は、真空ポンプやブロア等の比較的重い被収納物の保守管理や交換する際に好適に作業できるラック構造を有し、複数の被収納物を立体的に好適に収納できる収納ボックス及び空気圧装置ステーションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる収納ボックスの一形態によれば、真空ポンプやブロア等の複数の被収納物を立体的に収納できるように該被収納物が載置される棚状支持部を備え、正面が開放可能に設けられた直方体状の箱体であって、前記棚状支持部が、前記箱体の前後方向の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ左右方向へ延びる一対のビームと、該一対のビームに架け渡されるべく前後方向へ延びる渡たし部材であって前記被収納物が載置されるラダーとを備え、前記ビームが、水平面を上下段違いに二面有するように上下の水平板部と該上下の水平板部を一体的に繋ぐ部位である立板部とによって階段状に設けられ、前記箱体内にあって上側の水平面が外側に位置すると共に下側の水平面が内側に位置するように配設され、前記ラダーが、上面部の全面が平坦な水平面に設けられ、該上面部の両端部にはそれぞれ平板状に延設されて前記ビームの上側の水平面に受けられる延長平板部を備え、且つ下面部の両端部がそれぞれ前記ビームの下側の水平面に受けられるように設けられていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明にかかる収納ボックスの一形態によれば、箱体の外側から雄ネジを締め付けて前記ビームに前記ラダーを固定すべく、前記ビームの前記立板部に開口する貫通孔が設けられ、前記ラダーの前記両端部であって前記延長平板部の下側に雌ネジ部が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる収納ボックスの一形態によれば、前記立板部に開口した貫通孔が左右方向に長い長孔であることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明にかかる収納ボックスの一形態によれば、前記ビームは、金属板材を階段状に折り曲げて形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる収納ボックスの一形態によれば、前記ラダーは、下面が開いた断面コの字状に折り曲げられた金属板材から形成され、前記ラダーの前記両端部であって前記延長平板部の下側に形成される端面部は、前記金属部材の側板部を内側へ折り曲げて形成されていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、前記一対のビームの各両端が、前記箱体の左右方向の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ前後方向へ延びる一対の側部ビームに固定され、該一対の側部ビームが前記箱体を構成する支柱に固定されることで、前記棚状支持部が前記箱体内の所望の高さ位置に設けられていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる空気圧装置ステーションの一形態によれば、前記の収納ボックスを用いた空気圧装置ステーションであって、真空ポンプやブロア等の負圧や正圧の空気圧を生じさせる空気圧装置と、該空気圧装置を複数収納すると共に閉鎖空間に収納することで防音する前記収納ボックスと、前記空気圧装置によって加熱された前記収納ボックス内を冷却すべく、該収納ボックス内で実質的に下方から上方への一方向へ流れる冷却用空気流を発生させる送風装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる収納ボックス及び空気圧装置ステーションによれば、真空ポンプやブロア等の比較的重い被収納物の保守管理や交換する際に好適に作業できるラック構造を有し、複数の被収納物を立体的に好適に収納できるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明にかかる空気圧装置ステーション及び空気圧装置の収納ボックスについて最良の形態例を添付図面(図1〜11)に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる空気圧装置ステーションを概念的に説明する斜視図である。
図1では、空気圧装置10が載置される棚状支持部30を、複数段に設けた空気圧装置ステーションを示してある。
この空気圧装置10とは、真空ポンプやブロア等の負圧や正圧の空気圧を生じさせる装置のことであり、コンプレッサー装置も含まれる。
そして、空気圧装置10を除いた空気圧装置ステーションの構成が、空気圧装置の収納ボックスとなっている。
【0012】
20は収納ボックスであり、空気圧装置10を複数収納すると共に閉鎖空間に収納することで防音する。矩形のボックスであり、前面(正面)が開く構造となっている。本形態例では、観音開きに開放する一対の扉22、22が設けられている。
40は送風装置であり、空気圧装置10によって加熱された収納ボックス20内を冷却すべく、その収納ボックス20内で実質的に下方から上方への一方向へ流れる冷却用空気流を発生させる。本形態例では、軸流ファン(有圧換気扇)が採用されている。
【0013】
収納ボックス20の壁部の内面には吸音材24が設けられている。壁部の内面とは、収納ボックス20を構成する少なくとも側壁の内側の面であり、扉22の内面も含む。つまり、冷却用空気流の流れに影響のない部分の内面を対象とし、極力多くの部分に吸音材24を配することで、防音性能を向上させればよい。
吸音材24としては、スポンジ状の樹脂材から成る所定厚さのシート状部材を採用できる。この吸音材24は、壁部の内面を被覆するように、接着或いは別途の取付け手段によって固定されていればよい。なお、収納ボックス20の壁部に組み込めれば、ゴム等の他の材質で他の形態の吸音材24を用いても良いのは勿論である。
【0014】
また、収納ボックス20内には、高さ方向の中途部に空気圧装置10が載置される棚状支持部30が少なくとも一段設けられている。本形態例では、三段の棚状支持部30が設けられている。そして、その棚状支持部30は冷却用空気流の流れを許容するように開放部31を有している。
このように複数段の棚状支持部30によって、複数の空気圧装置10を立体的に好適に収納することができる。従って、それらの設置スペースを小さくできる効果がある。
また、棚状支持部30には開放部31があるため、冷却空気がスムースに流れ、収納ボックス20内を好適に冷却できる。また、通気抵抗を低く抑えることができ、送風装置40の負担を軽減できる。
【0015】
この送風装置40は、各空気圧装置10が載置された位置よりも上側に、空気を下側から吸引して上側へ吐出するように設けられている。
これにより、各空気圧装置10によって加熱された空気の上昇気流といっしょに、下から上への一方向の冷却用空気の流れを好適に発生させることができる。つまり、対流現象と送風装置40による空気の流れを一致させて、効率良く送風することができる。
また、後述する構成要素を含めて各構成が直列に配置された状態となり、冷却用空気流の妨げとなる要素が少なく、送風装置40の送風ロスが小さい効果もある。
【0016】
50は冷却手段であり、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置される位置よりも上側に設けられ、空気圧装置10の発熱によって加熱された空気を冷却する。これにより、室内に排気をしても室内温度を上昇させないで、室内環境を好適に維持できる。
この冷却手段50は、冷却用空気流の流路中における送風装置40の下側に配置されている。つまり、各空気圧装置10より風下で、送風装置40より風上に配されている。これにより、送風装置40が加熱されることがなく、過熱による送風装置40の不具合の発生を防止できる。
また、この冷却手段50は、水冷式の冷却器50a(図6〜9参照)とすることができる。工場内で用意されている冷却水を好適に利用することができる。
水冷式の冷却器50aによれば、水量・水温を変えることにより、排出する空気の冷却度合い(温度)を適宜調整できる。また、従来は発生した熱を空調によって除去していたが、工業用水を利用できるため、ランニングコストの大幅な削減になる。
【0017】
11はホースであり、空気圧装置10からの加圧空気を外部の作業装置に供給するために設けられているものと、空気圧装置10によって外部の作業装置から空気を吸引するように減圧空気を供給するために設けられているものがある。
12は接続口であり、ホース11が内側から接続されており、収納ボックス20の前面の下部に配設されている。この接続口12を介して、各空気圧装置10に連結されているホース11と、外部で空気圧を利用して仕事をする作業装置とを接続できることができる。なお、接続口12は収納ボックス20の後面に配設されてもよい。
そして、これらのホース11が、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置される位置よりも下側を通るように配管されている。
これにより、特に空気圧装置10からの加圧空気を外部の装置に供給する際の加熱された加圧空気を冷却することができる。空気圧装置10のアフタークーラーとなり、好適な加圧空気を排出できる。
なお、接続口12の配設位置は、収納ボックス20の前面に限定されるものでなく、収納ボックス20の後面であってもよい。
【0018】
次に、本発明にかかる収納ボックスについて最良の形態例を添付図面(図2〜4)に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明にかかる収納ボックスの棚状支持部の一形態を説明する斜視図である。また、図3は収納ボックスのラック構造全体の骨組みを説明する斜視図である。また、図4は棚状支持部が収納ボックスを構成する支柱に支持される構造を説明する斜視図である。
この収納ボックス20は、真空ポンプやブロア等の複数の被収納物を立体的に収納できるようにその被収納物が載置される棚状支持部30を備え、正面が開放可能に設けられた直方体状の箱体21である(図1及び図3等参照)。本形態例では、被収納物が空気圧装置10であり、空気圧装置ステーションに用いる収納ボックスとなっている。
【0019】
棚状支持部30は、箱体21の前後方向(奥行き方向)の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ左右方向へ延びる一対のビーム60、60と、その一対のビーム60、60に架け渡されるべく前後方向へ延びる渡たし部材であって被収納物(空気圧装置10)が載置されるラダー70とを備える。
【0020】
ビーム60は、水平面61、62を上下段違いに二面有するように上下の水平板部61a、62aとその上下の水平板部61a、62aを一体的に繋ぐ部位である立板部63とによって断面階段状に設けられている。
また、このビーム60は、箱体21内にあって、上側の水平面61が外側に位置すると共に下側の水平面62が内側に位置するように配設されている。
【0021】
ラダー70は、上面部71の全面が平坦な水平面に設けられ、その上面部71の両端部にはそれぞれ平板状に延設されてビーム60の上側の水平面61に受けられる延長平板部73を備える。また、このラダー70は、下面部72の両端部がそれぞれビーム60の下側の水平面62に受けられるように設けられている。
【0022】
以上のようなビーム60とラダー70から成る棚状支持部30によれば、ラダー70の上面全面が平坦な水平面となり、取付け作業や交換作業の際に空気圧装置10を容易に出し入れできる。また、空気圧装置10の保守管理の際にも、上面全面が平坦で障害となる部分がないため作業がし易い。
また、ラダー70が、ビーム60の上側の水平面61と下側の水平面62との両方によって受けられて支持されている。このため、耐荷重強度を確保でき、重量物である空気圧装置10を好適に支持できる。
【0023】
箱体21の外側から雄ネジ35を締め付けてビーム60にラダー70を固定すべく、ビーム60の立板部63に開口する貫通孔65が設けられ、ラダー70の両端部であって延長平板部73の下側に雌ネジ部75が設けられている。
また、立板部63に開口した貫通孔65が左右方向に長い長孔に設けられている。これによれば、ラダー70を所望の位置に容易に固定することができる。
【0024】
また、ビーム60は、金属板材を階段状に折り曲げて形成することができる。なお、この階段状とは、図2に明らかなように断面クランク状或いは断面鉤形状と表現できる形状になっている。
ラダー70は、下面が開いた断面コの字状に折り曲げられた金属板材から形成され、ラダー70の両端部であって延長平板部73の下側に形成される端面部77は、金属部材の側板部74を内側へ折り曲げて形成されている。
以上のようにビーム60とラダー70は、金属板材を折り曲げて形成できるため、容易に製造できる。
【0025】
また、本形態例では、一対のビーム60、60の各両端が、箱体21の左右方向の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ前後方向へ延びる一対の側部ビーム80、80に固定されている。そして、その一対の側部ビーム80、80が箱体21を構成する4本の支柱25に固定されることで、棚状支持部30が箱体21内の所望の高さ位置に設けられている。棚状支持部30の高さ位置の調整は、支柱25の高さ方向に所定の間隔をおいて多数設けられている取付け孔25aと、ボルト81を含む固定手段によって、側部ビーム80を支柱25の所望の高さ位置に固定することによってなされる。
これによれば、一対のビーム60、60と一対の側部ビーム80、80とによって、矩形の枠体33から構成される棚状支持部30が形成されることになり、箱体21の強度を向上できる。従って、被収納物を好適に支持できる。
【0026】
以上、空気圧装置10に用いられる収納ボックス20について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の被収納物、特に重量物を収納する際において好適に適用できる。
【0027】
次に、図5〜9に基づいて、空気圧装置ステーションの空気圧装置10から排気される加熱空気の処理について説明する。
図5は収納ボックス20内での各空気圧装置10の配置及び各配管等を説明する正面図である。図6〜9は収納ボックス20内での特定の空気圧装置10の配置及び配管等を説明する側面図である。
【0028】
図5に示すように、13は排気用配管であり、各空気圧装置10からの廃棄すべき高温の加熱空気を導いて排気させる管路である。その排気用配管13の排気口が、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置された位置よりも上側で且つ冷却手段50の下側に設けられている。
このように、各空気圧装置10が載置された位置よりも上側で加熱空気が排気されることで、空気圧装置10が過熱されることで発生する不具合を防止できる。特に、各空気圧装置10に使用されている軸受の寿命を大幅に延ばすことができ、ランニングコスト(特に保全費用)を低減できる。
【0029】
以下、図6〜9に基づいて特定の空気圧装置10にかかる配管について詳細に説明する。
図6は、図5のA矢視図であり、空気作業装置から空気を吸引する減圧を発生させる真空ポンプ装置10aの配管(減圧空気の吸引配管と加熱空気の排気用配管)について示してある。なお、図中の矢印は空気の流れを示している。
ホース11aは、真空ポンプ装置10aからの空気を外部の空気作業装置から吸引する配管となっている。このホース11aの下側の部分が、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置される位置よりも下側を実質的に水平に通るように配管されている。
また、排気用配管13aは、真空ポンプ装置10aからの廃棄すべき高温の加熱空気を導いて排気させる管路となっている。
【0030】
そして、排気用配管13aの排気口15aは、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置が載置された位置よりも上側で且つ冷却手段(水冷式の冷却器50a)の下側に配置されている。図6に示す形態例では、冷却器50aの直下に設けられた小ボックス部26内に、排気口15が開口されている。
小ボックス部26は、上面が冷却器50aに連通するように開放されており、下面には開口26aが設けられている。これにより、冷却用空気流が流れるようになっている。また、この小ボックス部26内の内部空間は、冷却用空気が下から上へ流れる際に排気口15から排気された加熱空気と混合されるミキシング空間27となっている。加熱空気は高温になっており、冷却用空気と混合・希釈されて熱が分散され、冷却効率が向上される。
【0031】
図7は、図5のA矢視図であり、加圧空気を空気作業装置へ供給するポンプ装置10bの配管(加圧空気の供給配管と加熱空気の排気用配管)について示してある。
ホース11bは、ポンプ装置10bからの加圧空気を外部の空気作業装置へ供給する配管となっている。このホース11bの下側部分が、冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置される位置よりも下側を水平に通るように配管されている。このように配管されているため、前述したようにアフタークーラーの効果がある。
また、排気用配管13bは、ポンプ装置10bからの廃棄すべき高温の加熱空気を導いて排気させる管路となっている。
【0032】
そして、排気用配管13bの少なくとも一部が、冷却用空気流によって冷却されるべく、その冷却用空気流の流路中の各空気圧装置10が載置された位置よりも上側で且つ冷却手段(水冷式の冷却器50a)の下側に配置されている。図7に示す形態例では、前述した小ボックス部26のミキシング空間27内に、排気用配管13bの上部13zが配管されている。このように配管されている排気用配管13bの上部13zは、冷却用空気流によって強制的に冷却される。
なお、この排気用配管13bの上部13zの先端には、排気される加熱空気の排気圧を調整できる調整弁17が設けられている。本形態例では、小ボックス部26の外側に排気圧を調整する際のバネ圧を変更するための操作部17aが露出しており、小ボックス部26の内側に排気口15bが位置するように配置されている。
前述したように排気用配管13bの上部13zが冷却用空気流によって冷却されるから、調整弁17の操作部17aが高温になることを防止でき、作業者は好適に操作できる。
【0033】
図8は、図5のA矢視図であり、空気作業装置から空気を吸引する減圧を発生させるブロア装置10cの配管(減圧空気の吸引配管と加熱空気の排気用配管)について示してある。
このように配管することで、図6に示した形態例とは空気圧装置が真空ポンプ装置10aとブロア装置10cとで相違するが、同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
図9は、図5のB矢視図であり、加圧空気を空気作業装置へ供給するブロア装置10dの配管(加圧空気の供給配管と加熱空気の排気用配管)について示してある。
このように配管することで、図7に示した形態例とは空気圧装置がポンプ装置10bとブロア装置10dとで異なるが、同様の作用効果を得ることができる。なお、本形態例では、冷却用空気流によって冷却される排気用配管の部分がないことや、調整弁の代わりに安全弁18を設けたという構成の点でも、図7の形態例とは相違する。
【0035】
図10及び図11に示すように、90はフィルタであり、空気中のダストを捕捉する。このフィルタ90は、図1に示すように冷却用空気流の流路中の各空気装置10が載置された位置より下側であって空気を取り入れる吸入口19の上側に、収納ボックス20の水平断面を占めるように実質的に水平に設置されている。このため、フィルタ面積を広範囲に取ることができ、通気抵抗を小さく抑えることができるから、冷却空気の風量を好適に確保できる。なお、図5〜9に示した形態例では、フィルタ90の下に各ホース11a、11bが配されている。
本形態例の吸入口19は、収納ボックス20の最下面に設けられ、脚92の高さ分(図1参照)が床面から離れていることで、空気の流通部が確保されている。
また、このフィルタ90は、板状で且つ折り畳み可能に設けられ、図11のように平板状に広げられた状態で水平方向へ差し込まれて設置されるように設けられている。本形態例では、図1に示すように、収納ボックス20の前面に水平に設けられたスリット状の差込口91から差し込まれる。このため、場所を取らずに交換及び保管できる。なお、フィルタ90の折り曲げ部90aはゴム又は布材で設けることができる。また、フィルタ素材としては、例えば、合成樹脂繊維製のネットを採用すればよい。
【0036】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る収納ボックスの棚状支持部の一形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る収納ボックスのラック全体構造の一形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る収納ボックスの棚状支持部の一形態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す正面図である。
【図6】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す側面図である。
【図7】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す側面図である。
【図8】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す側面図である。
【図9】本発明に係る空気圧装置ステーションの一形態例を示す側面図である。
【図10】空気圧装置ステーション用のフィルタの一形態例を示す斜視図である。
【図11】図8のフィルタの広げた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 空気圧装置
11 ホース
12 接続口
13 排気用配管
15 排気口
20 収納ボックス
21 箱体
24 吸音材
25 支柱
30 棚状支持部
31 開放部
40 送風装置
50 冷却手段
50a 冷却器
60 ビーム
61 上側の水平面
61a 水平板部
62 下側の水平面
62a 水平板部
63 立板部
65 貫通孔
70 ラダー
71 上面部
72 下面部
73 延長平板部
74 側板部
75 雌ネジ部
77 端面部
80 側部ビーム
90 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプやブロア等の複数の被収納物を立体的に収納できるように該被収納物が載置される棚状支持部を備え、正面が開放可能に設けられた直方体状の箱体であって、
前記棚状支持部が、前記箱体の前後方向の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ左右方向へ延びる一対のビームと、該一対のビームに架け渡されるべく前後方向へ延びる渡たし部材であって前記被収納物が載置されるラダーとを備え、
前記ビームが、水平面を上下段違いに二面有するように上下の水平板部と該上下の水平板部を一体的に繋ぐ部位である立板部とによって階段状に設けられ、前記箱体内にあって上側の水平面が外側に位置すると共に下側の水平面が内側に位置するように配設され、
前記ラダーが、上面部の全面が平坦な水平面に設けられ、該上面部の両端部にはそれぞれ平板状に延設されて前記ビームの上側の水平面に受けられる延長平板部を備え、且つ下面部の両端部がそれぞれ前記ビームの下側の水平面に受けられるように設けられていることを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
箱体の外側から雄ネジを締め付けて前記ビームに前記ラダーを固定すべく、前記ビームの前記立板部に開口する貫通孔が設けられ、前記ラダーの前記両端部であって前記延長平板部の下側に雌ネジ部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納ボックス。
【請求項3】
前記立板部に開口した貫通孔が左右方向に長い長孔であることを特徴とする請求項2記載の収納ボックス。
【請求項4】
前記ビームは、金属板材を階段状に折り曲げて形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の収納ボックス。
【請求項5】
前記ラダーは、下面が開いた断面コの字状に折り曲げられた金属板材から形成され、前記ラダーの前記両端部であって前記延長平板部の下側に形成される端面部は、前記金属部材の側板部を内側へ折り曲げて形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の収納ボックス。
【請求項6】
前記一対のビームの各両端が、前記箱体の左右方向の両側部にそれぞれ配されて水平に且つ前後方向へ延びる一対の側部ビームに固定され、該一対の側部ビームが前記箱体を構成する支柱に固定されることで、前記棚状支持部が前記箱体内の所望の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の収納ボックス。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6記載の収納ボックスを用いた空気圧装置ステーションであって、
真空ポンプやブロア等の負圧や正圧の空気圧を生じさせる空気圧装置と、
該空気圧装置を複数収納すると共に閉鎖空間に収納することで防音する前記収納ボックスと、
前記空気圧装置によって加熱された前記収納ボックス内を冷却すべく、該収納ボックス内で実質的に下方から上方への一方向へ流れる冷却用空気流を発生させる送風装置とを具備することを特徴とする空気圧装置ステーション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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