収納ユニット
フレーム2と、引き出し3と、アーム9が備わった持ち運び用把手11とを有する収納ユニット1。このユニットが把手によって持ち上げられる位置へ動くと、アームによって、一重なりの引き出し3a、3b、3cのうち最下部の引き出し3cが持ち上げられ、次に、一重なりの引き出しのそれぞれがフレームに対して持ち上げられる。それぞれの引き出しが持ち上げられると、近接の引き出しどうしの間の隙間が減少し、また、これらの引き出しは、フレームの内側に取り付けられた移動止めによってこれらの引き出しの移動が阻止されるロック位置まで動く。代替的実施形態では、把手は、最下部の引き出しの代わりに引き出しロック用スライドに結合されており、引き出しロック用スライドにおける移動止めは引き出しに係合して、引き出しロック用スライドがフレームに対して動かされると、引き出しを閉鎖位置にロックする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ユニットに関する改良に関するものである。収納ユニットとは、品物を収納することのできるあらゆるユニットである。本発明の好ましい実施形態はとりわけ、品物を収納することのできるトレイあるいは引き出しが備わっている道具箱、化粧箱、釣り道具箱、食品収納ユニットなどに関するものである。特に好ましい実施形態は、引き出しが備わった持ち上げ可能なユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
収納ユニットの収容空間あるいはフレームの中へ滑り入るようにかつこれらから滑り出るように構成された引き出しとして形成されたトレイが備わっている収納ユニットが知られている。このような方式では、引き出しが開けられると、この引き出しの中に保管された物体に手を伸ばすことができる。収容空間内に後壁が設けられているときには、引き出しは一方方向にだけ滑り開くことができる。しかしながら、後壁がないときには、引き出しは2つの相対する方向のいずれにも滑り出て、引き出しの内容物に手を伸ばすことができる。トレイの内部に分離壁を設けることによって、トレイを複数の分室に分割することができる。道具箱の場合には、引き出しは、ナット、ネジ、ボルト、ワッシャーなどのような品物ごと分室に分けることができる。引き出しが収納ユニットの外から中へかつ収納ユニットの中から外へ移動することができるように、引き出しの最上位と引き出しのすぐ上の面との間に隙間が設けられている。この隙間は、引き出しが滑るときに引き出しが詰まるのを防止するために設けなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
引き出し及びフレームからなる型の公知の収納ユニットにはいくつかの問題がある。
【0004】
引き出し及びフレームからなる型の公知の収納ユニットにはロック手段が設けられていることがある。これらは典型的には、引き出しの開閉方向に対して実質的に垂直である方向に移動するロック用ボルトが備わっている。このような構成の一例が米国特許第4,775,199号に開示されている。1つの問題は、ロック可能な収納ユニットが必要とされるときには、多くの移動式及び/又は相互接続式の部品からなる複雑なロック機構を設ける必要があることである。
【0005】
この型の収納ユニットに関する別の問題は、これらの収納ユニットが詰まって動かなくなる傾向にあることである。引き出しが動くようにするために隙間を設けなければならないので、釘あるいはネジ等が、引き出しの内側と引き出し収容空間との間に食い込むようになるおそれがある。この状況は、このユニットが倒れて、例えば釘の先端部が引き出し収容空間と接触するときに、起きる。典型的には、引き出しは個々の引き出し収容空間の内部に収容されている。引き出しと収容空間との間に隙間があるために、引き出し収容空間の内部での引き出しの動きによって釘に影響が及び、その釘は引き出し収容空間の中へ嵌まり込むようになる。このユニットが立て直されると、引き出しは引き出し収容空間の底へ下がるため、その釘の先端部は引き出し収容空間の中に嵌まり込んだままであるのに対し、その釘の頭部は引き出しの底に触れる。引き出しが開けられると、この釘の頭部と引き出しの内面との摩擦によって、この釘の頭部は引き出しとともに引き出され、次に、この釘の先端は引き出し収容空間の中へいっそう激しく嵌まり込むようになる。
【0006】
別の公知の型の収納ユニットには、このユニットの中央柱の周りに回転することのできるトレイが含まれている。これらのトレイは、分割壁によって複数の分室に分割されていることがある。これらのトレイが上下に配置されていると、これらのトレイの内部における品物に手を伸ばすことができない。あるトレイの内部における品物へ手を伸ばすことはそのトレイを覆い被さっているトレイに対して回転させることによって、もたらされる。これらのトレイを互いに回転させるために、最上部のトレイとそのトレイのすぐ上の面との間に、かつ、近接したトレイどうしの間に、隙間が設けられている。これらの隙間は、トレイが回転するときにトレイが動かなくなることを防止するように設けなければならない。
【0007】
この型の収納ユニットに関する問題と、上記の型の引き出し収納ユニットに関する問題は、これらのトレイの中に収容された品物が上記隙間よりも小さいときには、第1分室の中に収容された品物が第2分室の中へ移るおそれがあるか、あるいは、トレイから完全に飛び出るおそれさえある、ということである。これらの品物が混じり合うことは、特定の品物がどの収納ユニットの内部にあるかを正確に判定することがいっそう困難になるため、好ましくない。この問題は、収納ユニットが倒れて、多くの品物がそれら自体の分室から投げ出されて別の分室の中へ移る機会がもたらされるときに、とりわけ明らかである。
【0008】
別の公知の型の収納ユニットには、支持アームに回転可能に取り付けられて開放位置から閉鎖位置まで動く複数の容器が備わっている。典型的なユニットには、両側部に一組の容器が備わっており、これらの容器は、開かれるとこれらの容器へ、かつ、このユニットの内部へ手を伸ばすことができるようにされている。それぞれの容器はいくつかの分室に分割されていてもよい。このユニットは、その最上部にある容器をこのユニットから概ね離れる方向に引くことによって、開かれる。これらの容器がこのユニットの本体から離れるように引かれると、上記支持アームは回転して、連続した層状の容器へ手を伸ばすことができる。このようにして、このユニットのユーザはこれらの容器のそれぞれへ順次、手を伸ばすことができる。充分に開かれた位置では、それぞれの容器は、手を伸ばすことができる。
【0009】
このような第2の型の収納ユニットに関する問題は、これらの容器が上記支持アームの上で回転しなければならないため、第1層の下の容器へは容易に手を伸ばすことができない、ということである。例えば、最も下の容器へ手を伸ばす必要があるときには、その容器よりも上位にあるすべての容器に手を伸ばすことなくその容器へ直進することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点において、これから参照が行われる請求項1に規定されたような収納ユニットを提供する。
【0011】
本発明者は、(a)自動ロッキング、(b)面倒なロッキング機構の排除、(c)引き出しが詰まるおそれの減少、及び/又は(d)引き出しあるいは引き出しの分室から品物が抜け出るおそれの減少の1つ以上を達成することのできる収納ユニットの製造ができる、請求項1に設定された型の連結装置が提供されることを認識した。
【0012】
好ましいのは、引き出しが第1方向における動きに対してそれぞれロック解除及びロックされ、かつ、ロック解除位置とロック位置との間でフレームに対して第2方向に動くことである。この引き出しには、第2方向における相対運動によってロック及びロック解除がもたらされ、その結果、複雑で、外部のかつ/又は面倒なロック機構の必要がなくなる、という利点がある。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、上記引き出しは、開放位置と閉鎖位置との間で実質的に水平な第1方向に動き、また、閉鎖位置にある1つ以上の引き出しはさらに、上記フレームに対して鉛直方向に動く。本発明者は、このような構成によって、この収納ユニットを持ち上げる動作を利用して、引き出しの開閉方向に対して、垂直な方向へ1つ以上の引き出しの動きを引き起こすために必要なエネルギーを供給しあるいはもたらすことができる、ということを認識した。本発明者は、より軽いロック用ボルトを簡単に動かすことよりも1つ以上の重い引き出しを動かすことによって収納ユニットをロックするという直感にきわめて反したステップが、実際に、人が上記ユニットをとにかく持ち上げている状況においては上記ボルトを動かすよりもいっそう効果的である、ということを認識した。
【0014】
上記の引き出しとフレームとを互いに対して動かすためのロック制御部材に、その引き出し及び/又はフレームへ結合されあるいは連結されたレバーあるいはアームが備わっていることが好ましい。これは、フレームに対する引出しの簡単で制御された動きを可能にする。
【0015】
また、このレバーあるいはアームが、上記収納ユニットを持ち運ぶかあるいは持ち上げるための持ち運び用あるいは持ち上げ用の把手であることが好適である。この把手には、重力を利用して、上記のフレームと引き出しとの効果的な垂直相対運動を上記ユニットの簡単な引き上げによってもたらすために役立つという利点がある。
【0016】
更に、上記引き出しには基底と複数の壁とがあり、これらの壁の上部が隙間によって係合面から隔てられており、また、上記引き出しを上記フレームに対して動かすための手段によって、その引き出しの少なくとも1つの壁が上記係合面に係合する位置の中へかつその位置の外へその引き出しが動き、その壁とその係合面との間の隙間を排除する、ことが好ましい。この隙間が排除されることで、その引き出しの中に収容された品物が、抜け出るおそれ、あるいはその引き出しの1つの分室から別の分室へ(あるいは上記ユニットの外側へ)移るおそれが大幅に減少する。
【0017】
本発明は、第2の観点において、これから参照が行われる請求項9に規定されたような収納ユニットを提供する。
【0018】
本発明は、その第2の観点において、この収納ユニットの持ち上げ及び持ち運びの間にその引き出しが上記閉鎖位置にロックされたままにするのに役立つ。このことによって、この収納ユニットの持ち上げ及び/又は持ち運びの間にその引き出しが開放されあるいはロック解除された状態にある結果として、その引き出しから品物が落ちるおそれが減少する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態を、添付図面を参照した例によって、これより説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1aに示されたユニット1にはフレーム2があり、このフレーム2には、4つの脚7に支持された上壁4が含まれている。このユニットにはさらに複数対の水平なレール5a、5b、5cが備わっている(それぞれの対における1つのレールだけが図1aに示され、それぞれの対における他のレールは、このユニットの他方における見えない側部あるいは示されていない側部にある)。このユニットの上壁4には取付用ブラケット13が取り付けられている。これらのレールにその最下部のものを除いて取り付けられたスタブ14a、14bが取付用ブラケット13における通し溝15a、15bを通して延びており、これらのレールは、この収納ユニットの最上部から垂れ下がり、取付用ブラケット13におけるこれらの通し溝の中における上記スタブの係合によって支持されるようになっている。それぞれの対の5a、5b、5cは、基底と側壁とが備わっている引き出し3a、3b、3cを摺動可能に支持している。これらの引き出しは、分割壁によっていくつかの分室に分割されていてもよい。示されたように、これらのレールはこのユニットの中へ延びる突出部として形成されているが、これらのレールは、引き出しを支持するためのレール面を設けるためにこのユニットの外面に取り付けられた本体の内部におけるくぼみの形態を採ることもできる。これらの引き出し3は、隙間6によって別のものから隔てられたものである。最上部の引き出し3aとユニット1の上壁4との間にもまた隙間6aが設けられている。このようにすることで、これらの引き出し3は、容易に開いて、ユニット1の内部に別々に収容された品物に手を伸ばすことができる。
【0021】
代わりに、このユニットに2つ以上の引き出しがあれば、下側の引き出しは、上にある引き出しに取り付けられた取付用ブラケットによって、次々に吊り下げることができる。
【0022】
これらの引き出し3は、レール5における滑り部(図示略)の上をこのユニットの中へ滑り入るようにかつこのユニットから滑り出るように構成されている。好ましいのは、これらの滑り部が、その引き出しの壁から離れた突出部としてあるいはその引き出しの中のくぼみとして、形成されていることである。代わりに、これらのレールと引き出し滑り部とには、その引き出しがこのユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから滑り出ることができるように、ローラーベアリングなどが備わっていてもよい。
【0023】
上記の脚7によって、最下部の引き出し3cが支持面に接触することが防止されている。最下部のレール対5cは、アーム9によって、このユニットの最上部を越えて延びている把手11に取り付けられあるいは連結されている。
【0024】
これらの引き出しが閉じられてこのユニットが把手11によって持ち上げられると、最下部の引き出し3cは、最下部のレール5cへ接続されたアーム9の持ち上げによって持ち上げられ、持ち上げられた引き出し3cによって、その引き出し3cの壁が中間の引き出し3bの下面に接触するようになる。引き出し3cの継続する上方への移動によって、中間の引き出し3bの壁が上方の引き出し3aの底に接触するようになる。最終的には、上方の引き出し3aにおける最上部の壁がユニット1の上壁4に接触するようになる。
【0025】
図1bに示されたように、この把手によって、このユニットはこの閉鎖構成(すなわち、引き出しが閉じられた状態にあり、かつ、隙間(6、6a)が排除された形態)に移される。これら引き出し3はまた、留め金、受け具あるいは錠(図示略)のような固定手段によって、上記閉鎖形態を保持することができる。この固定手段は把手の内部に設けることができる。
【0026】
引き出し3どうしの間の、かつ、上方の引き出し3aと上壁4との間の隙間(6、6a)が減少あるいは排除されることで、引き出し3から品物が抜け出るおそれが減少する。さらにまた、引き出しがそれほど一杯にならず、品物がその引き出しの高さを越えないときには、その引き出しについては、その引き出し収容空間に、あるいはこの実施形態では上方の引き出しの下面に、品物が嵌まり込むおそれはもはやない。
【0027】
改変された実施形態では、最下部の引き出し3cは、ユニット1の側壁の内面における突出部として形成された滑り部の上に装着することができ、また、上記アーム9は、その引き出し3cの下面に係合することのできるものである。把手11を持ち上げることによって、これらのアーム9はその引き出し3cの下面に係合するようになるが、その引き出し3cによって、上記の引き出し滑り部が動いてレール5cとの接触がなくなり、また、その引き出し3cの壁が引き出し3bの下面に接触するようになる。このようにして、これらの引き出し3は次々にくっつき、上記隙間は排除される。代わりに、上記レールは、固定面へ摺動可能に取り付けられた中間型のものであってもよく、引き出しユニットを、その引き出しユニットが引き出されるとその引き出しユニットとともに部分的に延びることで、支持する。
【0028】
図1のユニットは、このユニットが把手11によって引き上げられると、引き出しを直接持ち上げる。この把手が回転するとカム構成体がアーム9(つまりは引き出し3a、3b、3c)を動かしてロックする(あるいはロック解除する)枢動可能な把手(図2及び図3を参照)を設けることもまた可能である。
【0029】
図2及び図3の構成では、把手11が、一組の引き出し3a、3b、3cのうち最下部の引き出し3cへカム8を介して結合されており、一対のアームあるいはリンク9が、フレームのそれぞれの側部において摺動可能に案内されて、最下部の引き出し3cの底へ接続されている。
【0030】
図2及び図3の実施形態では、滑り部24a、24b、24cがこの収納ユニットフレームの側壁7へ取り付けられて、移動止めあるいは当たりの備わったフレーム滑り部通路が画定されている。引き出し3a、3b、3cのそれぞれの側部にそれぞれ装着された引き出し滑り部25a、25b、25cが、それぞれの引き出しを開閉するために、フレーム滑り部24a、24b、24cの表面26a、26b、26cによって画定された上記滑り部通路に沿って延びている。これらの引き出しが上記閉鎖位置にあり、かつ、上記フレーム及びその側壁10に対して持ち上げられると、上記引き出し滑り部は、端部がユニット滑り部24a、24b、24cの移動止めあるいは当たり19に突き当たる位置に移動し、これらの引き出しの水平移動が阻止される。この形態がロックされた形態である。これらの引き出しは、これらの引き出しが下げられるまで水平移動がロックされるので、滑り部は、再び上記表面26a、26b、26cにおけるそれぞれの滑り部通路の上に位置する。
【0031】
これらの引き出しが上記閉鎖形態にあるときにカム8を定位置に保持するのを促進するために、受け具、留め金あるいは錠のような固定手段がさらに設けられていてもよい。この固定手段は、カム308が回転するのを防止するために、把手11へ取り付けられるか、あるいは把手11の内部に設けられる。さらにまた、本発明の好ましい実施形態では、引き出し3は、このユニットが把手11によって引き上げられると、上記閉鎖形態に保持される。
【0032】
さらに代替的構成では、これらの引き出しの前面を覆うことでこれらの引き出しが開かれるのを防止するために、扉が設けられていてもよい。この扉の閉鎖によって、カムあるいはレバーのような、これらの引き出しを上記のようにしてひとつにまとめる機構が作用して、このユニットは上記閉鎖形態に保持される。このようにして、これらの引き出しは開放が防止され、また、上記隙間は排除される。
【0033】
図4a及び図4bは、代替的な滑り構成部もしくは引き出し3を示している。図4a及び図4bの引き出し3は、収納ユニット1に後壁23が存在しているために、このユニットの一方側部だけへ開くことができるように構成されている。これらの引き出し3には、このユニットの上記ユニットレールあるいは滑り部24に係合する引き出し滑り部25が設けられ、それによって、これらの引き出し3は、このユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから外へ滑り出し、また、引き出しが閉じられると、このユニットの内部で上記摺動方向に対して実質的に垂直な方向に動く。図6a及び図6bに示されたように、引き出し3には、ユニット滑り部24の上面及び下面にそれぞれ当たって摺動する上方引き出し滑り部25’及び下方引き出し滑り部25”が備わっている。
【0034】
それぞれの滑り部24には、移動止めあるいは当たり19が含まれていて、先の図面に関連して上記で説明されたようにしてその引き出しが引き上げられたときに、その引き出しを開くという試みがなされると、下方の引き出し滑り部あるいはレール25”の端面が移動止め19に係合することで、その引き出しがこのユニットから外れることが防止される。移動止め19を含むユニット滑り部24は、L字形状の形態をしていてもよい(図4a,図4bを参照)。しかしながら、移動止め19は滑り部24とは切り離して形成することもできる。
【0035】
図4a及び図4bの構成では、上方引き出し滑り部25’は、上方引き出し滑り部24’と下方引き出し滑り部24”との結合長さが引き出し3の全長よりも短いようなものでなければならない。このようにされていると、引き出し3が引き上げられると、下方引き出し滑り部25”はユニット滑り部24によって妨げられることがない。
【0036】
引き出しをユニットの側部あるいは端部から開くことのできる引き出し及び滑り部の構成が図5a〜図5cに示されている。図5a〜図5cの引き出しは、引き出しのおよそ50%がユニットの内部に常に残るように構成されている。フレーム滑り部24には、上方移動止め17及び下方移動止め17”が含まれている。引き出し3が50%を超えて開くのを防止するためには、その引き出しがこのユニットの第1側部の方へ開くと上方引き出し滑り部25’が移動止め17”に係合するか、あるいは、その引き出しがこのユニットの第2側部の方へ開くと下方引き出し滑り部25”が移動止め17’に係合する。これらの引き出し3がいっしょに閉鎖形態に保持されると、上記の上方引き出し滑り部及び下方引き出し滑り部は、これらのユニット滑り部に対して実質的に垂直な方向へ動く。引き出しが図5aに示されたようなその引き上げ位置にあるときには、上方引き出し滑り部25’の端面はユニット滑り部24のロック用移動止め19aに対向しており、また、下方滑り部レール25”の端面はユニット滑り部24のロック用移動止め19bに対向している。図5a〜図5cでは、ロック用移動止め19a及び19bは滑り部の一部として形成されている。しかしながら、これらの移動止めは別個の部材であってもよい。
【0037】
図4及び図5に示されたフレーム滑り部29及び引き出し滑り部25の2つの構成は、単なる例示によるものである。引き出しがこのユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから滑り出ることができるとともに、第1引き出しと第2引き出しとの間の隙間あるいは第1引き出しとこのユニットの上壁4との間の隙間をこれらの引き出しが閉鎖位置にあるときに排除することができる他の任意の構成を使用することができる。
【0038】
図6〜図14の6〜14に図示された収納ユニットには、フレーム2、3つの引き出し3、蓋30及び蓋分室31が含まれている。蓋30は、この蓋の後部で、ヒンジ32によってこの収納ユニット1へヒンジ止めされている。このユニットには、把手組立体11と、この把手組立体を最下部の引き出し3cへ連結するアーム9(1つだけが図示されている)とが含まれている。この蓋がそのヒンジの周りについてその軸から開放位置まで回転することによって、最上部の蓋分室31の内容物へ手を伸ばすことができる(図9を参照)。
【0039】
以下の検討では、この収納ユニットの前方部は引き出し把手がある引き出しの前方面によって画定されており、この収納ユニットの後方部は上記ヒンジの位置によって画定されている。
【0040】
この収納ユニットを移動させるために、ユーザは把手11を掴み、その把手を、この蓋の後方での水平位置からこのユニットを持ち運ぶのに適した垂直位置(図示略)まで、回転させる。すると、このユニットは上記把手組立体によって持ち上げることができる。この把手組立体を上記の垂直持ち運び位置まで回転させることによって、アーム9とこのアームへ連結された最下部の引き出し3cとが引き上げられる。最下部の引き出しが引き上げられると、その上の2つの引き出しが引き上げられ、それによって、これらの引き出しがロックされるとともに、これらの引き出しどうしの間の隙間が減少する。
【0041】
図7に示されたように、それぞれのアーム9の底部には、最下部の引き出し(図8を参照)における対応する2つの滑り部あるいは突出部34の間に係合する滑り部の突出部33が含まれている。アーム9の持ち上げによって、そのアームの上における突出部33が持ち上げられ、従って、最下部の引き出しの上における突出部34もまた持ち上げられ、それによって、最下部の引き出し3cが持ち上げられる。最下部の引き出しが持ち上げられると、それによって、その上の2つの引き出し3a、3bが、載置されているフレーム滑り部24から持ち上げられ、また、このフレームの前方におけるロック用移動止め19の後方にある引き出し上方滑り部25がくっつき、それによって、これらの引き出しが開くのが防止される。
【0042】
アーム9はフレーム2における溝の中に位置している。このフレームの側壁へ取り付けられたクリップ91(図7を参照)がアーム9の内面における補強リブ92の下方面に接触することで、上記アームがその下方位置あるいはロック解除位置に位置することになる。このことによって、それぞれのアーム9の底部で滑り部の突出部33の最低位置が調整され、このアームが上記ロック解除位置にあるときに、上方の引き出し滑り部25は移動止め19から離れて、これらの引き出しは上記開放位置と閉鎖位置との間で移動が可能になる。
【0043】
これらの引き出し3(図8を参照)には、フレーム2の内側面へ備え付けられたフレームのレールあるいは滑り部24の最上面に沿って摺動する引き出し滑り部25が備わっている。これらのレール組によって、これらの引き出しは閉鎖位置と開放位置との間で上記フレームの中へ滑り入るとともに上記フレームから滑り出ることができる。引き出し把手55が引き出しの前方部に設けられて、ユーザが必要な引き出しを掴むことができる。
【0044】
引き出し止め具109(図7を参照)は、これらの引き出し3が上記閉鎖位置へ移動すると、引き出し前方部の内側面に突き当たる。それぞれの引き出しの後方部における保持用クリップ93は、これらの引き出しが充分に開いた位置まで開いたときに上記引き出し止め具に突き当たることで、これらの引き出しが上記フレームから抜け外れるのが防止される。充分に閉じた位置では、保持用クリップ93は、上記フレームの側壁から突出しているリブ95におけるタブ94の上へクリップ止めされる。このことによって、これらの引き出しは、この収納ユニットが傾斜した面の上でロック解除された位置に残されたときに、これらの引き出し自体の重量によって滑り開くのが防止される。
【0045】
把手組立体11(図6を参照)にはグリップ部分116とアーム117とが備わっている。把手組立体11は、上記の把手アームあるいは延長部分117の内側面から突出しているピボット127(例えば図13を参照)によって蓋30へ取り付けられている。これらのピボット127は、蓋30の側面へ取り付けられた把手支持体161(図14を参照)によって摺動可能に支持されている。この収納ユニットを組み立てるために、把手11のアーム117は、それぞれのアーム117におけるピボット127が把手支持体161の外方突出状リップの下にクリップ止めされるように、離して圧迫されている。把手支持体161によって、把手組立体がこの収納ユニットとともに取り付け維持される一方、ピボット127は上下に摺動することができる。
【0046】
蓋30がヒンジ32の周りに一部開放位置(図10を参照)から閉鎖位置(図11を参照)に回転すると、それぞれの把手アーム117の外側面へ取り付けられた蓋ロック用部材140が、それぞれのアーム9の中に配置された回転体145(図12及び図13を参照)における対応形状の穴によって受けられる。これらの蓋ロック用部材は、これらの蓋ロック用部材が回転体145における対応形状の上記穴の中にいっそう容易に摺動することができるように、テーパが付けられている。
【0047】
回転体145は、それぞれのアーム9におけるくぼみ150の中に取り付けられていて(図12及び図13を参照)、それぞれのくぼみ150の内側湾曲面154と内側平坦面151とに当たって回転することができる。回転体145は、保持用クリップ146によって、それぞれのアーム9における上記くぼみの内側平坦面151に当たって軸方向に配置されている。
【0048】
把手組立体11のそれぞれのアーム9あるいは延長部分117には、カム120が一体に形成されている(図14を参照)。把手組立体11が回転すると、それぞれのカムは蓋30に形成された井戸状くぼみ112の中で回転する。カム従動体は蓋30の最上面の領域113である。このカムの作用面は、この把手が回転するとカム従動体113と接触した状態に維持される。
【0049】
それぞれのカム120には、平坦部分122によって隔てられた2つの湾曲部分121、123が備わっている(図14を参照)。これらの湾曲部分は円の扇形部分であり、また、湾曲部分123は湾曲部分121よりも半径が大きい。
【0050】
把手組立体11が位置1と称される上記蓋の後部における水平位置にあるときには(図11を参照)、それぞれのカム120における半径が小さい方の湾曲部分123が、蓋30のそれぞれのカム従動体領域113に接触している。この形態では、それぞれの把手アーム12におけるピボット127はそれぞれの把手支持体161におけるその最低位置にあり、また、アーム9はより低い位置すなわちロック解除位置にある。
【0051】
把手位置1では、それぞれの回転体145における長穴152がそれぞれのアーム9における長穴153に一致する(図12に示された分解図を参照)。それぞれの回転体145の後部における突出部165(図14を参照)が、くぼみ150の内側平坦面151における一対の小瘤部(図示略)の間の位置にクリップ止めされている。これらの小瘤部は突出部165の幅によって離れて配置されている。
【0052】
位置1では、この蓋はロック解除されている。ユーザが蓋30を上記開放位置から上記閉鎖位置まで動かすたびに、これらの小瘤部は回転体145及びアーム9における長穴152、153の整合を確実にする。このことによって、蓋ロック用部材140は、蓋ロック用部材140が上記長穴の整合不良により妨害されるおそれなく、それぞれの回転体145における対応穴の中へ滑り入ることができる。
【0053】
位置1では、カム120の内側面におけるタブ155(図13を参照)が把手支持体161の水平部分162(図14を参照)の下方面に当接している。このタブ155は、カム120における半径が小さい方の部分123が従動体113に接触して圧迫されるようにするために、ピボット127を把手支持体161における最低位置に圧迫している。
【0054】
さらに位置1では、上記最下部の引き出しはその下方位置にあり、また、すべての引き出しは、フレーム滑り部24の上に載置されているとともに、このフレームの中へかつ外へ自由に動く。
【0055】
持ち運び用把手組立体11の回転(及び、これに関連した収納ユニットの持ち上げ及びロック)が3段階で起きる。その第1段階では、上記把手は、蓋30の後方での水平位置(位置1)から離れて、垂直な持ち運び位置へ向かって回転する。それぞれの上記カムにおける半径が小さい方の部分123はそれぞれの上記カム従動体に接触して回転する。
【0056】
把手組立体11が段階1を経て回転すると、取り付けられた上記蓋ロック用部材140は上記回転体145とともに回転する。それぞれの回転体145における突出部165は上記小瘤部から押し出され、また、上記長穴152、153が整合を外れて動くと、蓋ロック用部材140は、これらのそれぞれの回転体145とアーム9との間に捕捉されるようになる。タブ155と把手支持体161の水平部分162の下方面との接触は、上記把手が回転すると、それぞれのカムの作用面はそれぞれのカム従動体と接触するように圧迫されることを確実にする。段階1は、それぞれのカム125における平坦面122の角部がカム従動体113に接触すると、終了する。
【0057】
把手回転の第2段階では、上記把手がこの収納ユニットの持ち運びに適した上記垂直位置(位置2)まで回転すると、上記カムは、このカムにおける半径が大きい方の部分がカム従動体113に接触するように、回転する。
【0058】
位置1と位置2との間で、この把手組立体は蓋30に対して持ち上げられ、また、それぞれの把手アーム117におけるピボット127はそれぞれの把手支持体161の中で上方へ摺動する。この把手組立体が引き上げられると、上記回転体と上記アームとの間でこの収納ユニットのそれぞれの側部で捕捉された蓋ロック用部材140は、上記アームを持ち上げ、それによって、最下部の引き出しとその引き出しの上に載置されている引き出しとをそれらの引き出しのロック位置に持ち上げるとともに、それぞれのロック用移動止め19の後方における引き出し滑り部50を上方位置すなわちロック位置に持ち上げる。
【0059】
把手回転の第3段階では、この把手は上記蓋の前方部での水平位置(位置3)へ回転する。位置2と位置3との間で、上記カムにおける半径が大きい方の部分は上記カム従動体に接触したままである。それゆえ、この段階の間には、この引き出しロック用組立体の垂直な動きはなく、また、このカムは上死点に単にロックされて、この把手は、この収納ユニットの輸送の間に上記ロック解除位置へ回転して戻るのが防止される。引き出し滑り部25は移動止め19の後方にブロックされたままであり、また、これらの引き出しはロックされたままである。
【0060】
この把手を位置3にロックするために把手ロック手段が設けられている。蓋30の最上面及び側面には、南京錠の輪を通すことのできる穴130、131が設けられている。ロックされると、この南京錠の本体は上記蓋の対応側部における把手アーム117の上方に位置して、この把手が回転してこれらの引き出しがロック解除されるのが防止される。
【0061】
本発明のさらなる代替実施形態(図15a及び図15bを参照)では、その収納ユニットは、図6〜図14に関して上記に記載されたものと同一であるが、ただし、最下部の引き出しへ連結されたアーム9は上記把手組立体の動きによって変位されるのではなく、移動止め119を含むロック用スライド125が設けられている。図6〜図14のアーム9と同様に、これらの引き出しロック用スライド125は、(図12に示された型の)溝102の中に摺動可能に配置されている。図6〜図14に示された実施形態について上記で説明されたのと類似した方法で、把手11の動きによってロック用スライド125は上方及び下方へ動く。
【0062】
ロック用スライド125は、これらの上方端部ではアーム9と同一である。これらのロック用スライドは、これらのスライドには最下部の引き出しに係合しあるいはこの引き出しを持ち上げるための突出部あるいは滑り部がない、という点で異なっている。代わりに、このロック用スライドには、それぞれの引き出しに係合するための一組の移動止め119が含まれている。
【0063】
図6〜図14の実施形態について上記に記載された把手位置1では、引き出しロック用スライド125に設けられた移動止め119(図15a及び図15bを参照)は、フレーム滑り部24における長穴191に整合している。これらの引き出しは、引き出しロック用スライド125における移動止め119によって妨害されることなく、上記開放位置と上記閉鎖位置との間で移動することができる。
【0064】
これらの把手が位置2へ回転されて(図6〜図14の実施形態について上記に記載されたように)、上記引き出しロック用スライドが引き上げられると、移動止め119は、フレーム滑り部24における長穴191との整合が解除されて引き上げられ、それゆえ、フレーム滑り部24に沿った引き出し滑り部25の動きが阻止される。これによって、これらの引き出し3は上記フレームの内部で上記閉鎖位置にロックされる。
【0065】
この把手が位置3へ回転して(図6〜図14の実施形態について上記に記載されたに)、上記カムが上死点位置にロックされると、移動止め19は、引き出し滑り部25における長穴219との整合から外れたままであり、また、これらの引き出し3はロックされたままである。
【0066】
把手組立体11は、これらの引き出しがこのフレームの内部における上記閉鎖位置にあるときに、位置1から位置2へだけ回転してこれらの引き出し3をロックするとともにこの収納ユニットを持ち上げることができる。これらの引き出しのどれかが開いているときには、引き出し滑り部25は、引き出しロック用スライド125が上記ロック解除位置から上記ロック位置へ動くのを移動止め119の阻止用運動によって防止する。従って、これらの引き出し3は、この収納ユニットがロックされて持ち運び用把手組立体11によって持ち上げられる前に、上記閉鎖位置へ動かされなければならない。
【0067】
上記に記載されたに、この把手組立体の動きは、引き出しロック用スライドをこれらの引き出しに対して持ち上げてこれらの引き出しを上記閉鎖位置にロックするために、あるいは、これらの引き出しを上記フレームに対して持ち上げてこれらの引き出しあるいは引き出し滑り部をこのフレームにおける移動止めの後方にロックするために、利用することができる。説明された実施形態のそれぞれについて、これら2つの可能性のうち1つだけが説明されている。しかしながら、説明されたそれぞれの実施形態において、最下部の引き出しへ連結されたアームを引き出しロック用スライドと置き換えるかあるいは引き出しロック用スライドを最下部の引き出しへ連結されたアームと置き換えることは可能である。
【0068】
本発明のさらなる別の実施形態(図16a〜図16cを参照)では、カム120がそれぞれの把手アーム9へ(もしくは代わりにロック用スライド125へ)直接接続されている。
【0069】
この把手組立体はこのフレームへ取り付けられた固定ピボットの内側で回転する。上記カム従動体は、収納ユニットの上記フレームへ取り付けられる代わりに、アーム9あるいは引き出しロック用スライド125へ直接取り付けられている。その結果、把手カムの回転は、このフレームに対する把手組立体の持ち上げに影響を及ぼすことがないが、アーム9あるいはロック用スライド125の持ち上げだけに影響を及ぼす。
【0070】
これらのカム120はアーム9(あるいはロック用スライド125)における窓孔132の内側で回転するようになっている。それぞれのカムの作用面は、カム従動体を形成する上記窓孔の上方面の内側に接触している。
【0071】
それぞれのカム120には、湾曲部分134と2つの直線部分133、135とがある。位置1(図15a)では、それぞれのカム120の直線部分139は、上記カム従動体とアーム9あるいは引き出しロック用スライド125とを上記下方位置すなわち上記ロック解除位置に支持している。この把手組立体が位置1から位置2(図15b)まで回転すると、それぞれのカム120が回転して、湾曲部分134がそれぞれのカム従動体に接触する。このことによって、アーム9あるいは引き出しロック用スライド125は、上記フレームのそれぞれの溝の中で持ち上げられる。
【0072】
把手11が位置2から位置3(図15cを参照)までさらに回転すると、このカムは上死点へ動いて、この収納ユニットが使用されないときにこの把手が反対方向に回転してこれらの引き出しがロック解除されるのが防止される。
【0073】
本発明のさらに別の実施形態(図17a、図17bを参照)では、カム従動体113が、バネあるいはゴム製ブロックのような弾性手段90によって上記フレームから離れるように付勢されている。カム120には、異なる半径を持つ2つの湾曲部分がある。
【0074】
バネ90は引き出しロック用スライド125をロック解除位置(図26a)に付勢している。把手組立体11が位置1(図17a)から位置2(図17b)まで回転すると、カム120がカム従動体113に対して回転する。それぞれのカム面のうち半径が小さい方の部分がこのカム従動体に接触すると、これらのカム従動体は上記バネの作用に抗して上記フレームへ向かって付勢される(図17b)。これによって、これらの引き出し3が上記閉鎖位置にロックされる。これらの引き出し及び引き出しロック用スライドの構造は、先の3つの実施形態において記載されたものと同じである。
【0075】
この把手組立体が位置3(図示略)まで回転すると、上記カムが上死点まで回転して、この収納ユニットが使用されないときにこれらの引き出しがロック解除されるようになることが防止される。
【0076】
上記のいくつかの実施形態では、すべての収納ユニットは、持ち運び用携帯型把手が備わった容易に持ち運ぶことのできる3つの引き出しユニットである。本発明による収納ユニット1は、より大きい収納箱のモジュールの形態を採ることもできる。
【0077】
引き出しを持ち上げるかあるいは引き出しロック用スライドを動かすかのいずれかのためのカム構成体が備わっている上記のいくつかの実施形態にはすべて、そのユニットの最上部にカム構成体がある。そのユニットの最下部にカム構成体がある機構を設けることもできる。図18a及び図18bのユニットは、車輪及び脚の構成体(図示略)の上に支持されていてもよい。図18a及び図18bでは、引き出しあるいは引き出しロック具を持ち上げるために必要な変位は、上記閉鎖機構に係合する把手におけるボタン40を外すことによってもたらされる。このようにすることで、ユーザは、上記収納箱を上記車輪の周りに、1つの場所から、これらの引き出しが上記閉鎖形態に保持される別の知られた場所まで、移動させることができる。この把手は、このユニットの容易な牽引ができるように、伸縮自在なものであってもよい。好ましいのは、上記閉鎖機構(図18a、図18bに示されたようなカムシステムであってもよいが、また、レバーシステムあるいは歯車システムであってもよい)が、この把手に力が加えられるか、あるいは、このユニットが牽引されるときに起きるようにこの把手がこのユニットの本体からある角度だけ離れるように動くと、自動的に係合することである。図18a及び図18bに示された閉鎖機構には、ボタン30に接続された一組のロッド51によってピボット44の周りに回転する2つのカム42a及び42bが含まれている。
【0078】
これらの引き出しを上記開放位置に至らせるために、この把手はこれらの引き出しが係合解除する位置まで動く。図18bでは、ボタン40は、これらの引き出しが落ちることができるようにカム42a、42bを回転させるために、押し下げられている。
【0079】
上に記載されたすべての実施形態には、フレームの内側に固定された滑り部あるいはレールの上を走行する引き出しが含まれている。しかしながら、自体を上記フレームの外側へ引き出すことができる伸縮可能な滑り部であって、それによって、その引き出しあるいはそれらの引き出しを上記フレームの外側へさらに引き出すことのできる伸縮可能な滑り部が備わっていてもよい。実際に、伸縮可能な滑り部(その上を引き出しが摺動することができる)が、上記フレームへ固定されたレールあるいは滑り部の上を摺動する。伸縮可能な滑り部が備わっている本発明の実施形態(図示略)では、上記の開放方向及び閉鎖方向に対して垂直な閉じられた引き出しの相対運動とロックとを、伸縮不能な滑り部について上記に記載されたのとほぼ同じようにして達成することができる。言い換えれば、把手を引き出しあるいはフレームまで動かすことと、このフレームの側壁に移動止めあるいは当たりをロックすることとの組み合わせによって達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1a】本発明の第1実施形態の、閉鎖されているがロック解除されている形態にある斜視図である。
【図1b】閉鎖されているとともにロックされている形態にある図1aのユニットを示している。
【図2a】本発明によるユニットの第2実施形態の、開放された形態にある斜視図である。
【図2b】本発明によるユニットの第2実施形態の、閉鎖されているとともにロック解除されている途中の形態にある斜視図である。
【図2c】本発明によるユニットの第2実施形態の、ロックされている持ち運び中の形態にある斜視図である。
【図2d】本発明によるユニットの第2実施形態の、最終的にロックされた収納形態にある斜視図である。
【図3】図2のユニットの引き出し支持・ロック機構の分解図である。
【図4a】閉鎖されているとともにロック解除されている形態にある引き出しに関する代わりの引き出し移動・ロック機構を示している断面図である。
【図4b】トレイの内容物に手を伸ばすことができる図4aのトレイを示している。
【図5a】閉鎖されているとともにロックされている形態にある第2の観点によるトレイの代わりの引き出し移動・ロック機構をさらに示している断面図である。
【図5b】閉鎖されているとともにロック解除されている形態にある図5aのトレイを示している。
【図5c】トレイの内容物に手を伸ばすことができる開放形態にある図5aのトレイを示している。
【図6】本発明の第3実施形態の斜視図である。
【図7】引き出しが取り外された図6のユニットの内側の図である。
【図8】図6及び図7のユニットに挿入するための引き出しの図である。
【図9】蓋が開けられた図6の実施形態の態様の斜視図である。
【図10】操作の外観を示している図6の把手旋回軸の詳細図である。
【図11】操作の外観を示している図6の把手旋回軸の詳細図である。
【図12】図6の把手ロック制御部材とその操作の外観を示している引き出しとの間における連結装置の外観の分解図である。
【図13】図6の把手ロック制御部材とその操作の外観を示している引き出しとの間における連結装置の外観の分解図である。
【図14】その操作の外観を示している図10及び図11の把手旋回軸の分解図である。
【図15a】収納ユニットを示しているその第2の観点における本発明の1つの実施形態を、ロック解除位置にある引き出しロック用スライドが備わったフレームの内側から見た斜視図である。
【図15b】図15aの収納ユニットを、ロック位置にある引き出しロック用スライドが備わったフレームの内側から見た斜視図である。
【図16a】ロック解除位置にある上記ユニットの後方に把手が備わった、本発明のさらに別の実施形態の側面図である。
【図16b】鉛直持ち運び位置にある把手が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図16c】完全ロック位置にある上記ユニットの前方に把手が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図17a】ロック解除位置にある上記引き出しロック機構が備わった、本発明の別の実施形態による収納ユニットの側面図である。
【図17b】ロック位置にある上記引き出しロック機構が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図18a】上記引き出しの動きが上記ユニットの底部におけるカム構成体によって影響を受ける、本発明の1つの実施形態を示している。
【図18b】上記引き出しの動きが上記ユニットの底部におけるカム構成体によって影響を受ける、本発明の1つの実施形態を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ユニットに関する改良に関するものである。収納ユニットとは、品物を収納することのできるあらゆるユニットである。本発明の好ましい実施形態はとりわけ、品物を収納することのできるトレイあるいは引き出しが備わっている道具箱、化粧箱、釣り道具箱、食品収納ユニットなどに関するものである。特に好ましい実施形態は、引き出しが備わった持ち上げ可能なユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
収納ユニットの収容空間あるいはフレームの中へ滑り入るようにかつこれらから滑り出るように構成された引き出しとして形成されたトレイが備わっている収納ユニットが知られている。このような方式では、引き出しが開けられると、この引き出しの中に保管された物体に手を伸ばすことができる。収容空間内に後壁が設けられているときには、引き出しは一方方向にだけ滑り開くことができる。しかしながら、後壁がないときには、引き出しは2つの相対する方向のいずれにも滑り出て、引き出しの内容物に手を伸ばすことができる。トレイの内部に分離壁を設けることによって、トレイを複数の分室に分割することができる。道具箱の場合には、引き出しは、ナット、ネジ、ボルト、ワッシャーなどのような品物ごと分室に分けることができる。引き出しが収納ユニットの外から中へかつ収納ユニットの中から外へ移動することができるように、引き出しの最上位と引き出しのすぐ上の面との間に隙間が設けられている。この隙間は、引き出しが滑るときに引き出しが詰まるのを防止するために設けなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
引き出し及びフレームからなる型の公知の収納ユニットにはいくつかの問題がある。
【0004】
引き出し及びフレームからなる型の公知の収納ユニットにはロック手段が設けられていることがある。これらは典型的には、引き出しの開閉方向に対して実質的に垂直である方向に移動するロック用ボルトが備わっている。このような構成の一例が米国特許第4,775,199号に開示されている。1つの問題は、ロック可能な収納ユニットが必要とされるときには、多くの移動式及び/又は相互接続式の部品からなる複雑なロック機構を設ける必要があることである。
【0005】
この型の収納ユニットに関する別の問題は、これらの収納ユニットが詰まって動かなくなる傾向にあることである。引き出しが動くようにするために隙間を設けなければならないので、釘あるいはネジ等が、引き出しの内側と引き出し収容空間との間に食い込むようになるおそれがある。この状況は、このユニットが倒れて、例えば釘の先端部が引き出し収容空間と接触するときに、起きる。典型的には、引き出しは個々の引き出し収容空間の内部に収容されている。引き出しと収容空間との間に隙間があるために、引き出し収容空間の内部での引き出しの動きによって釘に影響が及び、その釘は引き出し収容空間の中へ嵌まり込むようになる。このユニットが立て直されると、引き出しは引き出し収容空間の底へ下がるため、その釘の先端部は引き出し収容空間の中に嵌まり込んだままであるのに対し、その釘の頭部は引き出しの底に触れる。引き出しが開けられると、この釘の頭部と引き出しの内面との摩擦によって、この釘の頭部は引き出しとともに引き出され、次に、この釘の先端は引き出し収容空間の中へいっそう激しく嵌まり込むようになる。
【0006】
別の公知の型の収納ユニットには、このユニットの中央柱の周りに回転することのできるトレイが含まれている。これらのトレイは、分割壁によって複数の分室に分割されていることがある。これらのトレイが上下に配置されていると、これらのトレイの内部における品物に手を伸ばすことができない。あるトレイの内部における品物へ手を伸ばすことはそのトレイを覆い被さっているトレイに対して回転させることによって、もたらされる。これらのトレイを互いに回転させるために、最上部のトレイとそのトレイのすぐ上の面との間に、かつ、近接したトレイどうしの間に、隙間が設けられている。これらの隙間は、トレイが回転するときにトレイが動かなくなることを防止するように設けなければならない。
【0007】
この型の収納ユニットに関する問題と、上記の型の引き出し収納ユニットに関する問題は、これらのトレイの中に収容された品物が上記隙間よりも小さいときには、第1分室の中に収容された品物が第2分室の中へ移るおそれがあるか、あるいは、トレイから完全に飛び出るおそれさえある、ということである。これらの品物が混じり合うことは、特定の品物がどの収納ユニットの内部にあるかを正確に判定することがいっそう困難になるため、好ましくない。この問題は、収納ユニットが倒れて、多くの品物がそれら自体の分室から投げ出されて別の分室の中へ移る機会がもたらされるときに、とりわけ明らかである。
【0008】
別の公知の型の収納ユニットには、支持アームに回転可能に取り付けられて開放位置から閉鎖位置まで動く複数の容器が備わっている。典型的なユニットには、両側部に一組の容器が備わっており、これらの容器は、開かれるとこれらの容器へ、かつ、このユニットの内部へ手を伸ばすことができるようにされている。それぞれの容器はいくつかの分室に分割されていてもよい。このユニットは、その最上部にある容器をこのユニットから概ね離れる方向に引くことによって、開かれる。これらの容器がこのユニットの本体から離れるように引かれると、上記支持アームは回転して、連続した層状の容器へ手を伸ばすことができる。このようにして、このユニットのユーザはこれらの容器のそれぞれへ順次、手を伸ばすことができる。充分に開かれた位置では、それぞれの容器は、手を伸ばすことができる。
【0009】
このような第2の型の収納ユニットに関する問題は、これらの容器が上記支持アームの上で回転しなければならないため、第1層の下の容器へは容易に手を伸ばすことができない、ということである。例えば、最も下の容器へ手を伸ばす必要があるときには、その容器よりも上位にあるすべての容器に手を伸ばすことなくその容器へ直進することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点において、これから参照が行われる請求項1に規定されたような収納ユニットを提供する。
【0011】
本発明者は、(a)自動ロッキング、(b)面倒なロッキング機構の排除、(c)引き出しが詰まるおそれの減少、及び/又は(d)引き出しあるいは引き出しの分室から品物が抜け出るおそれの減少の1つ以上を達成することのできる収納ユニットの製造ができる、請求項1に設定された型の連結装置が提供されることを認識した。
【0012】
好ましいのは、引き出しが第1方向における動きに対してそれぞれロック解除及びロックされ、かつ、ロック解除位置とロック位置との間でフレームに対して第2方向に動くことである。この引き出しには、第2方向における相対運動によってロック及びロック解除がもたらされ、その結果、複雑で、外部のかつ/又は面倒なロック機構の必要がなくなる、という利点がある。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、上記引き出しは、開放位置と閉鎖位置との間で実質的に水平な第1方向に動き、また、閉鎖位置にある1つ以上の引き出しはさらに、上記フレームに対して鉛直方向に動く。本発明者は、このような構成によって、この収納ユニットを持ち上げる動作を利用して、引き出しの開閉方向に対して、垂直な方向へ1つ以上の引き出しの動きを引き起こすために必要なエネルギーを供給しあるいはもたらすことができる、ということを認識した。本発明者は、より軽いロック用ボルトを簡単に動かすことよりも1つ以上の重い引き出しを動かすことによって収納ユニットをロックするという直感にきわめて反したステップが、実際に、人が上記ユニットをとにかく持ち上げている状況においては上記ボルトを動かすよりもいっそう効果的である、ということを認識した。
【0014】
上記の引き出しとフレームとを互いに対して動かすためのロック制御部材に、その引き出し及び/又はフレームへ結合されあるいは連結されたレバーあるいはアームが備わっていることが好ましい。これは、フレームに対する引出しの簡単で制御された動きを可能にする。
【0015】
また、このレバーあるいはアームが、上記収納ユニットを持ち運ぶかあるいは持ち上げるための持ち運び用あるいは持ち上げ用の把手であることが好適である。この把手には、重力を利用して、上記のフレームと引き出しとの効果的な垂直相対運動を上記ユニットの簡単な引き上げによってもたらすために役立つという利点がある。
【0016】
更に、上記引き出しには基底と複数の壁とがあり、これらの壁の上部が隙間によって係合面から隔てられており、また、上記引き出しを上記フレームに対して動かすための手段によって、その引き出しの少なくとも1つの壁が上記係合面に係合する位置の中へかつその位置の外へその引き出しが動き、その壁とその係合面との間の隙間を排除する、ことが好ましい。この隙間が排除されることで、その引き出しの中に収容された品物が、抜け出るおそれ、あるいはその引き出しの1つの分室から別の分室へ(あるいは上記ユニットの外側へ)移るおそれが大幅に減少する。
【0017】
本発明は、第2の観点において、これから参照が行われる請求項9に規定されたような収納ユニットを提供する。
【0018】
本発明は、その第2の観点において、この収納ユニットの持ち上げ及び持ち運びの間にその引き出しが上記閉鎖位置にロックされたままにするのに役立つ。このことによって、この収納ユニットの持ち上げ及び/又は持ち運びの間にその引き出しが開放されあるいはロック解除された状態にある結果として、その引き出しから品物が落ちるおそれが減少する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態を、添付図面を参照した例によって、これより説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1aに示されたユニット1にはフレーム2があり、このフレーム2には、4つの脚7に支持された上壁4が含まれている。このユニットにはさらに複数対の水平なレール5a、5b、5cが備わっている(それぞれの対における1つのレールだけが図1aに示され、それぞれの対における他のレールは、このユニットの他方における見えない側部あるいは示されていない側部にある)。このユニットの上壁4には取付用ブラケット13が取り付けられている。これらのレールにその最下部のものを除いて取り付けられたスタブ14a、14bが取付用ブラケット13における通し溝15a、15bを通して延びており、これらのレールは、この収納ユニットの最上部から垂れ下がり、取付用ブラケット13におけるこれらの通し溝の中における上記スタブの係合によって支持されるようになっている。それぞれの対の5a、5b、5cは、基底と側壁とが備わっている引き出し3a、3b、3cを摺動可能に支持している。これらの引き出しは、分割壁によっていくつかの分室に分割されていてもよい。示されたように、これらのレールはこのユニットの中へ延びる突出部として形成されているが、これらのレールは、引き出しを支持するためのレール面を設けるためにこのユニットの外面に取り付けられた本体の内部におけるくぼみの形態を採ることもできる。これらの引き出し3は、隙間6によって別のものから隔てられたものである。最上部の引き出し3aとユニット1の上壁4との間にもまた隙間6aが設けられている。このようにすることで、これらの引き出し3は、容易に開いて、ユニット1の内部に別々に収容された品物に手を伸ばすことができる。
【0021】
代わりに、このユニットに2つ以上の引き出しがあれば、下側の引き出しは、上にある引き出しに取り付けられた取付用ブラケットによって、次々に吊り下げることができる。
【0022】
これらの引き出し3は、レール5における滑り部(図示略)の上をこのユニットの中へ滑り入るようにかつこのユニットから滑り出るように構成されている。好ましいのは、これらの滑り部が、その引き出しの壁から離れた突出部としてあるいはその引き出しの中のくぼみとして、形成されていることである。代わりに、これらのレールと引き出し滑り部とには、その引き出しがこのユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから滑り出ることができるように、ローラーベアリングなどが備わっていてもよい。
【0023】
上記の脚7によって、最下部の引き出し3cが支持面に接触することが防止されている。最下部のレール対5cは、アーム9によって、このユニットの最上部を越えて延びている把手11に取り付けられあるいは連結されている。
【0024】
これらの引き出しが閉じられてこのユニットが把手11によって持ち上げられると、最下部の引き出し3cは、最下部のレール5cへ接続されたアーム9の持ち上げによって持ち上げられ、持ち上げられた引き出し3cによって、その引き出し3cの壁が中間の引き出し3bの下面に接触するようになる。引き出し3cの継続する上方への移動によって、中間の引き出し3bの壁が上方の引き出し3aの底に接触するようになる。最終的には、上方の引き出し3aにおける最上部の壁がユニット1の上壁4に接触するようになる。
【0025】
図1bに示されたように、この把手によって、このユニットはこの閉鎖構成(すなわち、引き出しが閉じられた状態にあり、かつ、隙間(6、6a)が排除された形態)に移される。これら引き出し3はまた、留め金、受け具あるいは錠(図示略)のような固定手段によって、上記閉鎖形態を保持することができる。この固定手段は把手の内部に設けることができる。
【0026】
引き出し3どうしの間の、かつ、上方の引き出し3aと上壁4との間の隙間(6、6a)が減少あるいは排除されることで、引き出し3から品物が抜け出るおそれが減少する。さらにまた、引き出しがそれほど一杯にならず、品物がその引き出しの高さを越えないときには、その引き出しについては、その引き出し収容空間に、あるいはこの実施形態では上方の引き出しの下面に、品物が嵌まり込むおそれはもはやない。
【0027】
改変された実施形態では、最下部の引き出し3cは、ユニット1の側壁の内面における突出部として形成された滑り部の上に装着することができ、また、上記アーム9は、その引き出し3cの下面に係合することのできるものである。把手11を持ち上げることによって、これらのアーム9はその引き出し3cの下面に係合するようになるが、その引き出し3cによって、上記の引き出し滑り部が動いてレール5cとの接触がなくなり、また、その引き出し3cの壁が引き出し3bの下面に接触するようになる。このようにして、これらの引き出し3は次々にくっつき、上記隙間は排除される。代わりに、上記レールは、固定面へ摺動可能に取り付けられた中間型のものであってもよく、引き出しユニットを、その引き出しユニットが引き出されるとその引き出しユニットとともに部分的に延びることで、支持する。
【0028】
図1のユニットは、このユニットが把手11によって引き上げられると、引き出しを直接持ち上げる。この把手が回転するとカム構成体がアーム9(つまりは引き出し3a、3b、3c)を動かしてロックする(あるいはロック解除する)枢動可能な把手(図2及び図3を参照)を設けることもまた可能である。
【0029】
図2及び図3の構成では、把手11が、一組の引き出し3a、3b、3cのうち最下部の引き出し3cへカム8を介して結合されており、一対のアームあるいはリンク9が、フレームのそれぞれの側部において摺動可能に案内されて、最下部の引き出し3cの底へ接続されている。
【0030】
図2及び図3の実施形態では、滑り部24a、24b、24cがこの収納ユニットフレームの側壁7へ取り付けられて、移動止めあるいは当たりの備わったフレーム滑り部通路が画定されている。引き出し3a、3b、3cのそれぞれの側部にそれぞれ装着された引き出し滑り部25a、25b、25cが、それぞれの引き出しを開閉するために、フレーム滑り部24a、24b、24cの表面26a、26b、26cによって画定された上記滑り部通路に沿って延びている。これらの引き出しが上記閉鎖位置にあり、かつ、上記フレーム及びその側壁10に対して持ち上げられると、上記引き出し滑り部は、端部がユニット滑り部24a、24b、24cの移動止めあるいは当たり19に突き当たる位置に移動し、これらの引き出しの水平移動が阻止される。この形態がロックされた形態である。これらの引き出しは、これらの引き出しが下げられるまで水平移動がロックされるので、滑り部は、再び上記表面26a、26b、26cにおけるそれぞれの滑り部通路の上に位置する。
【0031】
これらの引き出しが上記閉鎖形態にあるときにカム8を定位置に保持するのを促進するために、受け具、留め金あるいは錠のような固定手段がさらに設けられていてもよい。この固定手段は、カム308が回転するのを防止するために、把手11へ取り付けられるか、あるいは把手11の内部に設けられる。さらにまた、本発明の好ましい実施形態では、引き出し3は、このユニットが把手11によって引き上げられると、上記閉鎖形態に保持される。
【0032】
さらに代替的構成では、これらの引き出しの前面を覆うことでこれらの引き出しが開かれるのを防止するために、扉が設けられていてもよい。この扉の閉鎖によって、カムあるいはレバーのような、これらの引き出しを上記のようにしてひとつにまとめる機構が作用して、このユニットは上記閉鎖形態に保持される。このようにして、これらの引き出しは開放が防止され、また、上記隙間は排除される。
【0033】
図4a及び図4bは、代替的な滑り構成部もしくは引き出し3を示している。図4a及び図4bの引き出し3は、収納ユニット1に後壁23が存在しているために、このユニットの一方側部だけへ開くことができるように構成されている。これらの引き出し3には、このユニットの上記ユニットレールあるいは滑り部24に係合する引き出し滑り部25が設けられ、それによって、これらの引き出し3は、このユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから外へ滑り出し、また、引き出しが閉じられると、このユニットの内部で上記摺動方向に対して実質的に垂直な方向に動く。図6a及び図6bに示されたように、引き出し3には、ユニット滑り部24の上面及び下面にそれぞれ当たって摺動する上方引き出し滑り部25’及び下方引き出し滑り部25”が備わっている。
【0034】
それぞれの滑り部24には、移動止めあるいは当たり19が含まれていて、先の図面に関連して上記で説明されたようにしてその引き出しが引き上げられたときに、その引き出しを開くという試みがなされると、下方の引き出し滑り部あるいはレール25”の端面が移動止め19に係合することで、その引き出しがこのユニットから外れることが防止される。移動止め19を含むユニット滑り部24は、L字形状の形態をしていてもよい(図4a,図4bを参照)。しかしながら、移動止め19は滑り部24とは切り離して形成することもできる。
【0035】
図4a及び図4bの構成では、上方引き出し滑り部25’は、上方引き出し滑り部24’と下方引き出し滑り部24”との結合長さが引き出し3の全長よりも短いようなものでなければならない。このようにされていると、引き出し3が引き上げられると、下方引き出し滑り部25”はユニット滑り部24によって妨げられることがない。
【0036】
引き出しをユニットの側部あるいは端部から開くことのできる引き出し及び滑り部の構成が図5a〜図5cに示されている。図5a〜図5cの引き出しは、引き出しのおよそ50%がユニットの内部に常に残るように構成されている。フレーム滑り部24には、上方移動止め17及び下方移動止め17”が含まれている。引き出し3が50%を超えて開くのを防止するためには、その引き出しがこのユニットの第1側部の方へ開くと上方引き出し滑り部25’が移動止め17”に係合するか、あるいは、その引き出しがこのユニットの第2側部の方へ開くと下方引き出し滑り部25”が移動止め17’に係合する。これらの引き出し3がいっしょに閉鎖形態に保持されると、上記の上方引き出し滑り部及び下方引き出し滑り部は、これらのユニット滑り部に対して実質的に垂直な方向へ動く。引き出しが図5aに示されたようなその引き上げ位置にあるときには、上方引き出し滑り部25’の端面はユニット滑り部24のロック用移動止め19aに対向しており、また、下方滑り部レール25”の端面はユニット滑り部24のロック用移動止め19bに対向している。図5a〜図5cでは、ロック用移動止め19a及び19bは滑り部の一部として形成されている。しかしながら、これらの移動止めは別個の部材であってもよい。
【0037】
図4及び図5に示されたフレーム滑り部29及び引き出し滑り部25の2つの構成は、単なる例示によるものである。引き出しがこのユニットの中へ滑り入るとともにこのユニットから滑り出ることができるとともに、第1引き出しと第2引き出しとの間の隙間あるいは第1引き出しとこのユニットの上壁4との間の隙間をこれらの引き出しが閉鎖位置にあるときに排除することができる他の任意の構成を使用することができる。
【0038】
図6〜図14の6〜14に図示された収納ユニットには、フレーム2、3つの引き出し3、蓋30及び蓋分室31が含まれている。蓋30は、この蓋の後部で、ヒンジ32によってこの収納ユニット1へヒンジ止めされている。このユニットには、把手組立体11と、この把手組立体を最下部の引き出し3cへ連結するアーム9(1つだけが図示されている)とが含まれている。この蓋がそのヒンジの周りについてその軸から開放位置まで回転することによって、最上部の蓋分室31の内容物へ手を伸ばすことができる(図9を参照)。
【0039】
以下の検討では、この収納ユニットの前方部は引き出し把手がある引き出しの前方面によって画定されており、この収納ユニットの後方部は上記ヒンジの位置によって画定されている。
【0040】
この収納ユニットを移動させるために、ユーザは把手11を掴み、その把手を、この蓋の後方での水平位置からこのユニットを持ち運ぶのに適した垂直位置(図示略)まで、回転させる。すると、このユニットは上記把手組立体によって持ち上げることができる。この把手組立体を上記の垂直持ち運び位置まで回転させることによって、アーム9とこのアームへ連結された最下部の引き出し3cとが引き上げられる。最下部の引き出しが引き上げられると、その上の2つの引き出しが引き上げられ、それによって、これらの引き出しがロックされるとともに、これらの引き出しどうしの間の隙間が減少する。
【0041】
図7に示されたように、それぞれのアーム9の底部には、最下部の引き出し(図8を参照)における対応する2つの滑り部あるいは突出部34の間に係合する滑り部の突出部33が含まれている。アーム9の持ち上げによって、そのアームの上における突出部33が持ち上げられ、従って、最下部の引き出しの上における突出部34もまた持ち上げられ、それによって、最下部の引き出し3cが持ち上げられる。最下部の引き出しが持ち上げられると、それによって、その上の2つの引き出し3a、3bが、載置されているフレーム滑り部24から持ち上げられ、また、このフレームの前方におけるロック用移動止め19の後方にある引き出し上方滑り部25がくっつき、それによって、これらの引き出しが開くのが防止される。
【0042】
アーム9はフレーム2における溝の中に位置している。このフレームの側壁へ取り付けられたクリップ91(図7を参照)がアーム9の内面における補強リブ92の下方面に接触することで、上記アームがその下方位置あるいはロック解除位置に位置することになる。このことによって、それぞれのアーム9の底部で滑り部の突出部33の最低位置が調整され、このアームが上記ロック解除位置にあるときに、上方の引き出し滑り部25は移動止め19から離れて、これらの引き出しは上記開放位置と閉鎖位置との間で移動が可能になる。
【0043】
これらの引き出し3(図8を参照)には、フレーム2の内側面へ備え付けられたフレームのレールあるいは滑り部24の最上面に沿って摺動する引き出し滑り部25が備わっている。これらのレール組によって、これらの引き出しは閉鎖位置と開放位置との間で上記フレームの中へ滑り入るとともに上記フレームから滑り出ることができる。引き出し把手55が引き出しの前方部に設けられて、ユーザが必要な引き出しを掴むことができる。
【0044】
引き出し止め具109(図7を参照)は、これらの引き出し3が上記閉鎖位置へ移動すると、引き出し前方部の内側面に突き当たる。それぞれの引き出しの後方部における保持用クリップ93は、これらの引き出しが充分に開いた位置まで開いたときに上記引き出し止め具に突き当たることで、これらの引き出しが上記フレームから抜け外れるのが防止される。充分に閉じた位置では、保持用クリップ93は、上記フレームの側壁から突出しているリブ95におけるタブ94の上へクリップ止めされる。このことによって、これらの引き出しは、この収納ユニットが傾斜した面の上でロック解除された位置に残されたときに、これらの引き出し自体の重量によって滑り開くのが防止される。
【0045】
把手組立体11(図6を参照)にはグリップ部分116とアーム117とが備わっている。把手組立体11は、上記の把手アームあるいは延長部分117の内側面から突出しているピボット127(例えば図13を参照)によって蓋30へ取り付けられている。これらのピボット127は、蓋30の側面へ取り付けられた把手支持体161(図14を参照)によって摺動可能に支持されている。この収納ユニットを組み立てるために、把手11のアーム117は、それぞれのアーム117におけるピボット127が把手支持体161の外方突出状リップの下にクリップ止めされるように、離して圧迫されている。把手支持体161によって、把手組立体がこの収納ユニットとともに取り付け維持される一方、ピボット127は上下に摺動することができる。
【0046】
蓋30がヒンジ32の周りに一部開放位置(図10を参照)から閉鎖位置(図11を参照)に回転すると、それぞれの把手アーム117の外側面へ取り付けられた蓋ロック用部材140が、それぞれのアーム9の中に配置された回転体145(図12及び図13を参照)における対応形状の穴によって受けられる。これらの蓋ロック用部材は、これらの蓋ロック用部材が回転体145における対応形状の上記穴の中にいっそう容易に摺動することができるように、テーパが付けられている。
【0047】
回転体145は、それぞれのアーム9におけるくぼみ150の中に取り付けられていて(図12及び図13を参照)、それぞれのくぼみ150の内側湾曲面154と内側平坦面151とに当たって回転することができる。回転体145は、保持用クリップ146によって、それぞれのアーム9における上記くぼみの内側平坦面151に当たって軸方向に配置されている。
【0048】
把手組立体11のそれぞれのアーム9あるいは延長部分117には、カム120が一体に形成されている(図14を参照)。把手組立体11が回転すると、それぞれのカムは蓋30に形成された井戸状くぼみ112の中で回転する。カム従動体は蓋30の最上面の領域113である。このカムの作用面は、この把手が回転するとカム従動体113と接触した状態に維持される。
【0049】
それぞれのカム120には、平坦部分122によって隔てられた2つの湾曲部分121、123が備わっている(図14を参照)。これらの湾曲部分は円の扇形部分であり、また、湾曲部分123は湾曲部分121よりも半径が大きい。
【0050】
把手組立体11が位置1と称される上記蓋の後部における水平位置にあるときには(図11を参照)、それぞれのカム120における半径が小さい方の湾曲部分123が、蓋30のそれぞれのカム従動体領域113に接触している。この形態では、それぞれの把手アーム12におけるピボット127はそれぞれの把手支持体161におけるその最低位置にあり、また、アーム9はより低い位置すなわちロック解除位置にある。
【0051】
把手位置1では、それぞれの回転体145における長穴152がそれぞれのアーム9における長穴153に一致する(図12に示された分解図を参照)。それぞれの回転体145の後部における突出部165(図14を参照)が、くぼみ150の内側平坦面151における一対の小瘤部(図示略)の間の位置にクリップ止めされている。これらの小瘤部は突出部165の幅によって離れて配置されている。
【0052】
位置1では、この蓋はロック解除されている。ユーザが蓋30を上記開放位置から上記閉鎖位置まで動かすたびに、これらの小瘤部は回転体145及びアーム9における長穴152、153の整合を確実にする。このことによって、蓋ロック用部材140は、蓋ロック用部材140が上記長穴の整合不良により妨害されるおそれなく、それぞれの回転体145における対応穴の中へ滑り入ることができる。
【0053】
位置1では、カム120の内側面におけるタブ155(図13を参照)が把手支持体161の水平部分162(図14を参照)の下方面に当接している。このタブ155は、カム120における半径が小さい方の部分123が従動体113に接触して圧迫されるようにするために、ピボット127を把手支持体161における最低位置に圧迫している。
【0054】
さらに位置1では、上記最下部の引き出しはその下方位置にあり、また、すべての引き出しは、フレーム滑り部24の上に載置されているとともに、このフレームの中へかつ外へ自由に動く。
【0055】
持ち運び用把手組立体11の回転(及び、これに関連した収納ユニットの持ち上げ及びロック)が3段階で起きる。その第1段階では、上記把手は、蓋30の後方での水平位置(位置1)から離れて、垂直な持ち運び位置へ向かって回転する。それぞれの上記カムにおける半径が小さい方の部分123はそれぞれの上記カム従動体に接触して回転する。
【0056】
把手組立体11が段階1を経て回転すると、取り付けられた上記蓋ロック用部材140は上記回転体145とともに回転する。それぞれの回転体145における突出部165は上記小瘤部から押し出され、また、上記長穴152、153が整合を外れて動くと、蓋ロック用部材140は、これらのそれぞれの回転体145とアーム9との間に捕捉されるようになる。タブ155と把手支持体161の水平部分162の下方面との接触は、上記把手が回転すると、それぞれのカムの作用面はそれぞれのカム従動体と接触するように圧迫されることを確実にする。段階1は、それぞれのカム125における平坦面122の角部がカム従動体113に接触すると、終了する。
【0057】
把手回転の第2段階では、上記把手がこの収納ユニットの持ち運びに適した上記垂直位置(位置2)まで回転すると、上記カムは、このカムにおける半径が大きい方の部分がカム従動体113に接触するように、回転する。
【0058】
位置1と位置2との間で、この把手組立体は蓋30に対して持ち上げられ、また、それぞれの把手アーム117におけるピボット127はそれぞれの把手支持体161の中で上方へ摺動する。この把手組立体が引き上げられると、上記回転体と上記アームとの間でこの収納ユニットのそれぞれの側部で捕捉された蓋ロック用部材140は、上記アームを持ち上げ、それによって、最下部の引き出しとその引き出しの上に載置されている引き出しとをそれらの引き出しのロック位置に持ち上げるとともに、それぞれのロック用移動止め19の後方における引き出し滑り部50を上方位置すなわちロック位置に持ち上げる。
【0059】
把手回転の第3段階では、この把手は上記蓋の前方部での水平位置(位置3)へ回転する。位置2と位置3との間で、上記カムにおける半径が大きい方の部分は上記カム従動体に接触したままである。それゆえ、この段階の間には、この引き出しロック用組立体の垂直な動きはなく、また、このカムは上死点に単にロックされて、この把手は、この収納ユニットの輸送の間に上記ロック解除位置へ回転して戻るのが防止される。引き出し滑り部25は移動止め19の後方にブロックされたままであり、また、これらの引き出しはロックされたままである。
【0060】
この把手を位置3にロックするために把手ロック手段が設けられている。蓋30の最上面及び側面には、南京錠の輪を通すことのできる穴130、131が設けられている。ロックされると、この南京錠の本体は上記蓋の対応側部における把手アーム117の上方に位置して、この把手が回転してこれらの引き出しがロック解除されるのが防止される。
【0061】
本発明のさらなる代替実施形態(図15a及び図15bを参照)では、その収納ユニットは、図6〜図14に関して上記に記載されたものと同一であるが、ただし、最下部の引き出しへ連結されたアーム9は上記把手組立体の動きによって変位されるのではなく、移動止め119を含むロック用スライド125が設けられている。図6〜図14のアーム9と同様に、これらの引き出しロック用スライド125は、(図12に示された型の)溝102の中に摺動可能に配置されている。図6〜図14に示された実施形態について上記で説明されたのと類似した方法で、把手11の動きによってロック用スライド125は上方及び下方へ動く。
【0062】
ロック用スライド125は、これらの上方端部ではアーム9と同一である。これらのロック用スライドは、これらのスライドには最下部の引き出しに係合しあるいはこの引き出しを持ち上げるための突出部あるいは滑り部がない、という点で異なっている。代わりに、このロック用スライドには、それぞれの引き出しに係合するための一組の移動止め119が含まれている。
【0063】
図6〜図14の実施形態について上記に記載された把手位置1では、引き出しロック用スライド125に設けられた移動止め119(図15a及び図15bを参照)は、フレーム滑り部24における長穴191に整合している。これらの引き出しは、引き出しロック用スライド125における移動止め119によって妨害されることなく、上記開放位置と上記閉鎖位置との間で移動することができる。
【0064】
これらの把手が位置2へ回転されて(図6〜図14の実施形態について上記に記載されたように)、上記引き出しロック用スライドが引き上げられると、移動止め119は、フレーム滑り部24における長穴191との整合が解除されて引き上げられ、それゆえ、フレーム滑り部24に沿った引き出し滑り部25の動きが阻止される。これによって、これらの引き出し3は上記フレームの内部で上記閉鎖位置にロックされる。
【0065】
この把手が位置3へ回転して(図6〜図14の実施形態について上記に記載されたに)、上記カムが上死点位置にロックされると、移動止め19は、引き出し滑り部25における長穴219との整合から外れたままであり、また、これらの引き出し3はロックされたままである。
【0066】
把手組立体11は、これらの引き出しがこのフレームの内部における上記閉鎖位置にあるときに、位置1から位置2へだけ回転してこれらの引き出し3をロックするとともにこの収納ユニットを持ち上げることができる。これらの引き出しのどれかが開いているときには、引き出し滑り部25は、引き出しロック用スライド125が上記ロック解除位置から上記ロック位置へ動くのを移動止め119の阻止用運動によって防止する。従って、これらの引き出し3は、この収納ユニットがロックされて持ち運び用把手組立体11によって持ち上げられる前に、上記閉鎖位置へ動かされなければならない。
【0067】
上記に記載されたに、この把手組立体の動きは、引き出しロック用スライドをこれらの引き出しに対して持ち上げてこれらの引き出しを上記閉鎖位置にロックするために、あるいは、これらの引き出しを上記フレームに対して持ち上げてこれらの引き出しあるいは引き出し滑り部をこのフレームにおける移動止めの後方にロックするために、利用することができる。説明された実施形態のそれぞれについて、これら2つの可能性のうち1つだけが説明されている。しかしながら、説明されたそれぞれの実施形態において、最下部の引き出しへ連結されたアームを引き出しロック用スライドと置き換えるかあるいは引き出しロック用スライドを最下部の引き出しへ連結されたアームと置き換えることは可能である。
【0068】
本発明のさらなる別の実施形態(図16a〜図16cを参照)では、カム120がそれぞれの把手アーム9へ(もしくは代わりにロック用スライド125へ)直接接続されている。
【0069】
この把手組立体はこのフレームへ取り付けられた固定ピボットの内側で回転する。上記カム従動体は、収納ユニットの上記フレームへ取り付けられる代わりに、アーム9あるいは引き出しロック用スライド125へ直接取り付けられている。その結果、把手カムの回転は、このフレームに対する把手組立体の持ち上げに影響を及ぼすことがないが、アーム9あるいはロック用スライド125の持ち上げだけに影響を及ぼす。
【0070】
これらのカム120はアーム9(あるいはロック用スライド125)における窓孔132の内側で回転するようになっている。それぞれのカムの作用面は、カム従動体を形成する上記窓孔の上方面の内側に接触している。
【0071】
それぞれのカム120には、湾曲部分134と2つの直線部分133、135とがある。位置1(図15a)では、それぞれのカム120の直線部分139は、上記カム従動体とアーム9あるいは引き出しロック用スライド125とを上記下方位置すなわち上記ロック解除位置に支持している。この把手組立体が位置1から位置2(図15b)まで回転すると、それぞれのカム120が回転して、湾曲部分134がそれぞれのカム従動体に接触する。このことによって、アーム9あるいは引き出しロック用スライド125は、上記フレームのそれぞれの溝の中で持ち上げられる。
【0072】
把手11が位置2から位置3(図15cを参照)までさらに回転すると、このカムは上死点へ動いて、この収納ユニットが使用されないときにこの把手が反対方向に回転してこれらの引き出しがロック解除されるのが防止される。
【0073】
本発明のさらに別の実施形態(図17a、図17bを参照)では、カム従動体113が、バネあるいはゴム製ブロックのような弾性手段90によって上記フレームから離れるように付勢されている。カム120には、異なる半径を持つ2つの湾曲部分がある。
【0074】
バネ90は引き出しロック用スライド125をロック解除位置(図26a)に付勢している。把手組立体11が位置1(図17a)から位置2(図17b)まで回転すると、カム120がカム従動体113に対して回転する。それぞれのカム面のうち半径が小さい方の部分がこのカム従動体に接触すると、これらのカム従動体は上記バネの作用に抗して上記フレームへ向かって付勢される(図17b)。これによって、これらの引き出し3が上記閉鎖位置にロックされる。これらの引き出し及び引き出しロック用スライドの構造は、先の3つの実施形態において記載されたものと同じである。
【0075】
この把手組立体が位置3(図示略)まで回転すると、上記カムが上死点まで回転して、この収納ユニットが使用されないときにこれらの引き出しがロック解除されるようになることが防止される。
【0076】
上記のいくつかの実施形態では、すべての収納ユニットは、持ち運び用携帯型把手が備わった容易に持ち運ぶことのできる3つの引き出しユニットである。本発明による収納ユニット1は、より大きい収納箱のモジュールの形態を採ることもできる。
【0077】
引き出しを持ち上げるかあるいは引き出しロック用スライドを動かすかのいずれかのためのカム構成体が備わっている上記のいくつかの実施形態にはすべて、そのユニットの最上部にカム構成体がある。そのユニットの最下部にカム構成体がある機構を設けることもできる。図18a及び図18bのユニットは、車輪及び脚の構成体(図示略)の上に支持されていてもよい。図18a及び図18bでは、引き出しあるいは引き出しロック具を持ち上げるために必要な変位は、上記閉鎖機構に係合する把手におけるボタン40を外すことによってもたらされる。このようにすることで、ユーザは、上記収納箱を上記車輪の周りに、1つの場所から、これらの引き出しが上記閉鎖形態に保持される別の知られた場所まで、移動させることができる。この把手は、このユニットの容易な牽引ができるように、伸縮自在なものであってもよい。好ましいのは、上記閉鎖機構(図18a、図18bに示されたようなカムシステムであってもよいが、また、レバーシステムあるいは歯車システムであってもよい)が、この把手に力が加えられるか、あるいは、このユニットが牽引されるときに起きるようにこの把手がこのユニットの本体からある角度だけ離れるように動くと、自動的に係合することである。図18a及び図18bに示された閉鎖機構には、ボタン30に接続された一組のロッド51によってピボット44の周りに回転する2つのカム42a及び42bが含まれている。
【0078】
これらの引き出しを上記開放位置に至らせるために、この把手はこれらの引き出しが係合解除する位置まで動く。図18bでは、ボタン40は、これらの引き出しが落ちることができるようにカム42a、42bを回転させるために、押し下げられている。
【0079】
上に記載されたすべての実施形態には、フレームの内側に固定された滑り部あるいはレールの上を走行する引き出しが含まれている。しかしながら、自体を上記フレームの外側へ引き出すことができる伸縮可能な滑り部であって、それによって、その引き出しあるいはそれらの引き出しを上記フレームの外側へさらに引き出すことのできる伸縮可能な滑り部が備わっていてもよい。実際に、伸縮可能な滑り部(その上を引き出しが摺動することができる)が、上記フレームへ固定されたレールあるいは滑り部の上を摺動する。伸縮可能な滑り部が備わっている本発明の実施形態(図示略)では、上記の開放方向及び閉鎖方向に対して垂直な閉じられた引き出しの相対運動とロックとを、伸縮不能な滑り部について上記に記載されたのとほぼ同じようにして達成することができる。言い換えれば、把手を引き出しあるいはフレームまで動かすことと、このフレームの側壁に移動止めあるいは当たりをロックすることとの組み合わせによって達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1a】本発明の第1実施形態の、閉鎖されているがロック解除されている形態にある斜視図である。
【図1b】閉鎖されているとともにロックされている形態にある図1aのユニットを示している。
【図2a】本発明によるユニットの第2実施形態の、開放された形態にある斜視図である。
【図2b】本発明によるユニットの第2実施形態の、閉鎖されているとともにロック解除されている途中の形態にある斜視図である。
【図2c】本発明によるユニットの第2実施形態の、ロックされている持ち運び中の形態にある斜視図である。
【図2d】本発明によるユニットの第2実施形態の、最終的にロックされた収納形態にある斜視図である。
【図3】図2のユニットの引き出し支持・ロック機構の分解図である。
【図4a】閉鎖されているとともにロック解除されている形態にある引き出しに関する代わりの引き出し移動・ロック機構を示している断面図である。
【図4b】トレイの内容物に手を伸ばすことができる図4aのトレイを示している。
【図5a】閉鎖されているとともにロックされている形態にある第2の観点によるトレイの代わりの引き出し移動・ロック機構をさらに示している断面図である。
【図5b】閉鎖されているとともにロック解除されている形態にある図5aのトレイを示している。
【図5c】トレイの内容物に手を伸ばすことができる開放形態にある図5aのトレイを示している。
【図6】本発明の第3実施形態の斜視図である。
【図7】引き出しが取り外された図6のユニットの内側の図である。
【図8】図6及び図7のユニットに挿入するための引き出しの図である。
【図9】蓋が開けられた図6の実施形態の態様の斜視図である。
【図10】操作の外観を示している図6の把手旋回軸の詳細図である。
【図11】操作の外観を示している図6の把手旋回軸の詳細図である。
【図12】図6の把手ロック制御部材とその操作の外観を示している引き出しとの間における連結装置の外観の分解図である。
【図13】図6の把手ロック制御部材とその操作の外観を示している引き出しとの間における連結装置の外観の分解図である。
【図14】その操作の外観を示している図10及び図11の把手旋回軸の分解図である。
【図15a】収納ユニットを示しているその第2の観点における本発明の1つの実施形態を、ロック解除位置にある引き出しロック用スライドが備わったフレームの内側から見た斜視図である。
【図15b】図15aの収納ユニットを、ロック位置にある引き出しロック用スライドが備わったフレームの内側から見た斜視図である。
【図16a】ロック解除位置にある上記ユニットの後方に把手が備わった、本発明のさらに別の実施形態の側面図である。
【図16b】鉛直持ち運び位置にある把手が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図16c】完全ロック位置にある上記ユニットの前方に把手が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図17a】ロック解除位置にある上記引き出しロック機構が備わった、本発明の別の実施形態による収納ユニットの側面図である。
【図17b】ロック位置にある上記引き出しロック機構が備わった、図16aの収納ユニットの側面図である。
【図18a】上記引き出しの動きが上記ユニットの底部におけるカム構成体によって影響を受ける、本発明の1つの実施形態を示している。
【図18b】上記引き出しの動きが上記ユニットの底部におけるカム構成体によって影響を受ける、本発明の1つの実施形態を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(2)と、
引き出し(3)であり、前記フレーム(2)の内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出し(3)と、
前記引き出し(3)を前記閉鎖位置に選択的にロックするためのロック用制御部材(11)と
を備える収納ユニット(1)において、
前記ロック用制御部材(11)と前記引き出しとの間に、前記引き出しを前記フレームに対して変位させるための連結装置(9)が設けられていることを特徴とする収納ユニット(1)。
【請求項2】
前記引き出しが、前記引き出しと前記フレームのある部材の表面か、又は第2の引き出しの表面かのいずれかとの間の隙間を動くことができ、
前記連結装置(9、3c、3b)が、前記引き出しを前記フレームの前記部材又は前記第2引き出しの前記表面に対して変位させて、前記隙間(6a)を効果的に排除するためのもの又は減少させるためのものである、請求項1に記載の収納ユニット。
【請求項3】
一重ねの引き出しを形成するために、第1に言及した引き出しの下方に少なくとも1つのさらに別の引き出し(3b、3c)を、引き出し間の隙間(6)と共に有しており、前記連結装置が、これらの引き出しの閉鎖・ロック位置において前記隙間(6、6a)を排除させるために又は減少させるために最下部の引き出し(3c)に作用するようになっている、請求項2に記載の収納ユニット。
【請求項4】
前記ロック用制御部材が、当該収納ユニットを持ち運ぶために使用されるときにロック位置まで動かされる持ち運び用把手(11)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項5】
前記把手(11)が、前記フレームの中での垂直運動のために摺動可能に案内されるとともに前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)に作用するアーム(9)に固定されている、請求項4に記載の収納ユニット。
【請求項6】
前記把手(11)が、ピボット(10)でリンク(9)へ枢着されて前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)に作用するとともに前記把手の回転時に前記リンク(9)を垂直に動かすために所定の形態(8)が形成されたアーム(12)を含む、請求項5に記載の収納ユニット。
【請求項7】
前記連結装置が、前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)を支持するための滑り部を担持している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項8】
前記フレームが、前記引き出しが前記ロック位置にあるときに前記引き出しレール又は滑り部の前記第1方向における動きを阻止する移動止め又はブロック部材(19)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項9】
フレーム(2)と、
引き出し(3)であり、前記フレームの内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出し(3)と、
収納ユニットを運ぶための把手(11)と、
前記引き出しを前記閉鎖位置に選択的にロックするための引き出しロック用部材(125)と
を備える収納ユニットにおいて、
前記把手と前記引き出しロック用部材との間に、当該収納ユニットを持ち上げることによって前記引き出しをロックするための連結装置が設けられていることを特徴とする収納ユニット。
【請求項10】
前記ロック用部材が、ロック位置とロック解除位置との間での動きについての前記フレームの中での垂直運動のために摺動可能に案内される、請求項9に記載の収納ユニット。
【請求項11】
前記ロック用部材及び引き出しが、前記ロック用部材が前記ロック位置にあるときに前記引き出しをその閉鎖位置にロックするために係合する相互係合可能な部材を有する、請求項10に記載の収納ユニット。
【請求項12】
前記引き出しロック用部材が、前記ロック用部材が前記ロック位置まで動いたときに前記引き出しの動きを阻止する位置まで動く移動止め(119)を有する、請求項11に記載の収納ユニット。
【請求項13】
前記引き出しがフレーム滑り部(24)に沿って前記第1方向に動くことができ、かつ、前記引き出しが前記滑り部に沿って動くことができるように前記フレーム滑り部に整合した第1位置から、前記滑り部に沿った前記引き出しの動きを阻止するために前記フレーム滑り部との整合が解除される第2位置まで、前記移動止めが動くことができるように構成された滑り部構成体(24、25)を有する、請求項12に記載の収納ユニット。
【請求項14】
前記把手が、ピボット(127)で前記引き出しロック用部材(125)へ枢着されているとともに前記把手の回転の時に前記引き出しロック用部材(125)を前記ロック位置とロック解除位置との間でより鉛直に保持するための形態(120)が形成されたアーム(117)を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項15】
前記把手とアーム又は引き出しロック用部材が、前記把手へ接続されかつその把手とともに回転することのできるカムと前記フレームへ取り付けられたカム従動体とを含むカム構成体によって結合され、
前記ピボットが、前記把手組立体とアーム又は引き出しロック用スライドが前記フレームに対して動かされるように、前記カム従動体に対する前記把手カムの枢動運動によって、前記把手ピボットが前記把手支持体の内側で動くように構成された把手支持体の内側で直線運動をすることができる、請求項6又は14に記載の収納ユニット。
【請求項16】
前記把手とアーム又は引き出しロック用部材が、前記把手へ接続されかつその把手とともに回転することのできるカムを含むカム構成体によって結合され、かつ、カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用部材へ接続され、
前記ピボットが、前記固定ピボットに対する前記把手組立体の枢動運動によって前記アーム又は引き出しロック用スライドがこの収納ユニットに対して直線状に動くように、この収納ユニットに対して固定されている、請求項6又は14に記載の収納ユニット。
【請求項17】
フレームと、
引き出しであり、前記フレームの内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出しと、
最上部に取り付けられて第1の閉鎖位置と前記最上部における分室へ手を伸ばすことのできる第2の開放位置との間で動くことができる蓋と、
前記蓋を選択的にロックするための蓋ロック用部材と、
前記蓋の分室へ手を伸ばすことのできる第1位置と第2の持ち運び用位置との間で動くことができる把手と、
前記持ち運び用位置への前記把手の動きによって前記蓋がロックされるような前記把手と前記蓋ロック用部材との間の連結装置と
を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項18】
前記把手が、グリップ部材と、ヒンジ状蓋へ枢動状に取り付けられた把手アームとを含み、
前記蓋が前記閉鎖位置へ動かされると、前記把手アームへ取り付けられた非円形断面の蓋ロック用スライドが、前記把手の回転によって前記蓋をロックするため、前記回転体と前記引き出しロック用スライドとの間に前記蓋ロック用スライドを捕捉するように、前記連結装置あるいは引き出しロック用部材によって支持された回転体の中におけるくぼみに係合される、請求項17に記載の収納ユニット。
【請求項19】
前記カム従動体が、前記アーム又は引き出しロック用スライドにおける窓穴の上方内側面であり、
前記カムが、前記窓穴の内側で回転する、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項20】
前記カム従動体が前記カムの回転によって前記フレームから離れて動かされるように、前記カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用スライドに接続されている、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項21】
前記カムの回転によって前記カム従動体が前記カム従動体と前記フレームとの間に置かれた弾性偏位部材の作用に抗して前記フレームへ向かって押されるように、前記カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用スライドへ接続されている、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項22】
添付図面の1つ以上を参照して実質的に上記に記載されたような収納ユニット。
【請求項1】
フレーム(2)と、
引き出し(3)であり、前記フレーム(2)の内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出し(3)と、
前記引き出し(3)を前記閉鎖位置に選択的にロックするためのロック用制御部材(11)と
を備える収納ユニット(1)において、
前記ロック用制御部材(11)と前記引き出しとの間に、前記引き出しを前記フレームに対して変位させるための連結装置(9)が設けられていることを特徴とする収納ユニット(1)。
【請求項2】
前記引き出しが、前記引き出しと前記フレームのある部材の表面か、又は第2の引き出しの表面かのいずれかとの間の隙間を動くことができ、
前記連結装置(9、3c、3b)が、前記引き出しを前記フレームの前記部材又は前記第2引き出しの前記表面に対して変位させて、前記隙間(6a)を効果的に排除するためのもの又は減少させるためのものである、請求項1に記載の収納ユニット。
【請求項3】
一重ねの引き出しを形成するために、第1に言及した引き出しの下方に少なくとも1つのさらに別の引き出し(3b、3c)を、引き出し間の隙間(6)と共に有しており、前記連結装置が、これらの引き出しの閉鎖・ロック位置において前記隙間(6、6a)を排除させるために又は減少させるために最下部の引き出し(3c)に作用するようになっている、請求項2に記載の収納ユニット。
【請求項4】
前記ロック用制御部材が、当該収納ユニットを持ち運ぶために使用されるときにロック位置まで動かされる持ち運び用把手(11)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項5】
前記把手(11)が、前記フレームの中での垂直運動のために摺動可能に案内されるとともに前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)に作用するアーム(9)に固定されている、請求項4に記載の収納ユニット。
【請求項6】
前記把手(11)が、ピボット(10)でリンク(9)へ枢着されて前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)に作用するとともに前記把手の回転時に前記リンク(9)を垂直に動かすために所定の形態(8)が形成されたアーム(12)を含む、請求項5に記載の収納ユニット。
【請求項7】
前記連結装置が、前記引き出し又は前記最下部の引き出し(3)を支持するための滑り部を担持している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項8】
前記フレームが、前記引き出しが前記ロック位置にあるときに前記引き出しレール又は滑り部の前記第1方向における動きを阻止する移動止め又はブロック部材(19)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項9】
フレーム(2)と、
引き出し(3)であり、前記フレームの内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出し(3)と、
収納ユニットを運ぶための把手(11)と、
前記引き出しを前記閉鎖位置に選択的にロックするための引き出しロック用部材(125)と
を備える収納ユニットにおいて、
前記把手と前記引き出しロック用部材との間に、当該収納ユニットを持ち上げることによって前記引き出しをロックするための連結装置が設けられていることを特徴とする収納ユニット。
【請求項10】
前記ロック用部材が、ロック位置とロック解除位置との間での動きについての前記フレームの中での垂直運動のために摺動可能に案内される、請求項9に記載の収納ユニット。
【請求項11】
前記ロック用部材及び引き出しが、前記ロック用部材が前記ロック位置にあるときに前記引き出しをその閉鎖位置にロックするために係合する相互係合可能な部材を有する、請求項10に記載の収納ユニット。
【請求項12】
前記引き出しロック用部材が、前記ロック用部材が前記ロック位置まで動いたときに前記引き出しの動きを阻止する位置まで動く移動止め(119)を有する、請求項11に記載の収納ユニット。
【請求項13】
前記引き出しがフレーム滑り部(24)に沿って前記第1方向に動くことができ、かつ、前記引き出しが前記滑り部に沿って動くことができるように前記フレーム滑り部に整合した第1位置から、前記滑り部に沿った前記引き出しの動きを阻止するために前記フレーム滑り部との整合が解除される第2位置まで、前記移動止めが動くことができるように構成された滑り部構成体(24、25)を有する、請求項12に記載の収納ユニット。
【請求項14】
前記把手が、ピボット(127)で前記引き出しロック用部材(125)へ枢着されているとともに前記把手の回転の時に前記引き出しロック用部材(125)を前記ロック位置とロック解除位置との間でより鉛直に保持するための形態(120)が形成されたアーム(117)を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項15】
前記把手とアーム又は引き出しロック用部材が、前記把手へ接続されかつその把手とともに回転することのできるカムと前記フレームへ取り付けられたカム従動体とを含むカム構成体によって結合され、
前記ピボットが、前記把手組立体とアーム又は引き出しロック用スライドが前記フレームに対して動かされるように、前記カム従動体に対する前記把手カムの枢動運動によって、前記把手ピボットが前記把手支持体の内側で動くように構成された把手支持体の内側で直線運動をすることができる、請求項6又は14に記載の収納ユニット。
【請求項16】
前記把手とアーム又は引き出しロック用部材が、前記把手へ接続されかつその把手とともに回転することのできるカムを含むカム構成体によって結合され、かつ、カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用部材へ接続され、
前記ピボットが、前記固定ピボットに対する前記把手組立体の枢動運動によって前記アーム又は引き出しロック用スライドがこの収納ユニットに対して直線状に動くように、この収納ユニットに対して固定されている、請求項6又は14に記載の収納ユニット。
【請求項17】
フレームと、
引き出しであり、前記フレームの内部における閉鎖位置と当該引き出しが前記フレームから突出する開放位置との間で前記フレームの内部及び外部の第1方向に動くことのできる引き出しと、
最上部に取り付けられて第1の閉鎖位置と前記最上部における分室へ手を伸ばすことのできる第2の開放位置との間で動くことができる蓋と、
前記蓋を選択的にロックするための蓋ロック用部材と、
前記蓋の分室へ手を伸ばすことのできる第1位置と第2の持ち運び用位置との間で動くことができる把手と、
前記持ち運び用位置への前記把手の動きによって前記蓋がロックされるような前記把手と前記蓋ロック用部材との間の連結装置と
を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の収納ユニット。
【請求項18】
前記把手が、グリップ部材と、ヒンジ状蓋へ枢動状に取り付けられた把手アームとを含み、
前記蓋が前記閉鎖位置へ動かされると、前記把手アームへ取り付けられた非円形断面の蓋ロック用スライドが、前記把手の回転によって前記蓋をロックするため、前記回転体と前記引き出しロック用スライドとの間に前記蓋ロック用スライドを捕捉するように、前記連結装置あるいは引き出しロック用部材によって支持された回転体の中におけるくぼみに係合される、請求項17に記載の収納ユニット。
【請求項19】
前記カム従動体が、前記アーム又は引き出しロック用スライドにおける窓穴の上方内側面であり、
前記カムが、前記窓穴の内側で回転する、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項20】
前記カム従動体が前記カムの回転によって前記フレームから離れて動かされるように、前記カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用スライドに接続されている、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項21】
前記カムの回転によって前記カム従動体が前記カム従動体と前記フレームとの間に置かれた弾性偏位部材の作用に抗して前記フレームへ向かって押されるように、前記カム従動体が前記アーム又は引き出しロック用スライドへ接続されている、請求項15又は16に記載の収納ユニット。
【請求項22】
添付図面の1つ以上を参照して実質的に上記に記載されたような収納ユニット。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【公表番号】特表2008−546935(P2008−546935A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517603(P2008−517603)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002338
【国際公開番号】WO2006/136858
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507418728)ピーディーワイ デザイン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002338
【国際公開番号】WO2006/136858
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507418728)ピーディーワイ デザイン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]