説明

収納具

【課題】巻き取り束ねて小さく収納できる電気コード等の可撓性線状体およびホース等の可撓性管体の収納具に、使用時において捩れや縒れ及び結び目ができることにより絡まりが生じることなく伸長ができる機能を持たせる。
【解決手段】本体11は回転自在に結合された本体上部12及び本体下部13によって構成され、該本体上部12及び該本体下部13の両端からは中央に向けて回動方向に対して略90度の向きに切込み31が設けられており、該切り込み幅は収納対象物の直径および/または最大幅の1.0以上1.5倍以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は延長コード等を非使用時に巻取り収納し、延長コード等を使用に際して絡まないように伸長することが可能な延長コードまたはロープ等の可撓性線状体及びホース等の可撓性管体の収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来延長コードまたはロープ等の可撓性線状体およびホース等の可撓性管体は、非使用時には適宜曲折または巻き取って、これを束ねて収納している。
【0003】
使用時に際しては、延長コードまたはロープ等の可撓性線状体またはホース等の可撓性管体を伸長する必要があるが、この時捻じれや縒れおよび結び目ができることにより絡まりが生じる場合が多く、これを矯正しながら伸長する必要があった。
【0004】
前記の絡まりが生じる原因は、可撓性を有する長尺物であるために捻じれや縒れが無秩序に生じること、また巻線の中に先端部がくぐることにより結び目が生じると考えられる。
【0005】
そこで、近年では電気コードの絡まり防止器具が紹介されている。本発明に関連する公知技術として次の特許文献1、2、及び3を挙げることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−104980号公報
【特許文献2】特開2007−8591号公報
【特許文献3】特開2009−286629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された延長電気コードの絡まり防止束線バンドは、延長電気コードを巻線にしながらバンドについているホルダーに順次連続して嵌め込んでいくことで束線するため、電気コードの収納時及び伸長時に煩雑な作業を伴う。
【0008】
特許文献2に記載された折りたためる電気コードは、かたく曲がらない電気コードに複数の可動部分をつけることを特徴としているため、製造コストが高く普及の障害となる可能性がある。
【0009】
特許文献3に記載された可撓性線状体は、収納時に本体にしるされた指標同士を合わせて巻き取ることが必要で、これには多少の煩雑な作業を伴う。
【0010】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものである。その目的は、非使用時に小さく収納し、使用に際して本体が絡まないように伸長することが可能な延長コードまたはロープ等の可撓性線状体およびホース等の可撓性管体の収納対象物の収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本体11は回動自在に結合された本体上部12と本体下部13によって構成され、該本体上部及び該本体下部の両端からは中央に向けて回動方向に対して略90度の向きに切込み31が設けられ、前記切り込み31の切り込み幅は収納対象物の直径および/または最大幅の1倍以上1.5倍以下であることを特徴とする。
【0012】
また、本体21は本体上部22と本体下部23の間に本体中部24を備え、該本体上部22と本体中部24および本体中部24と本体下部23が回動自在に結合され、該本体上部及び該本体下部の両端からは中央に向けて回動方向に対して略90度の向きに切込み31が設けられ、前記切り込み31の切り込み幅は収納対象物の直径または最大幅の1倍以上1.5倍以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、延長コードやテーブルタップ、ロープ等の可撓性線状体またはホース等の可撓性管体の収納対象物を非使用時に収納する際に本体11の両端から中央部に向けて設けてある本体上部12の切り込み31と本体下部13の切り込み31の中に収納対象物を巻き込んでゆく、この時収納対象物の伸長する側から巻始め、または伸長側留部32がある場合は収納対象物の一部を伸長側留部32に固定し巻始め、収納対象物を巻き込み終わる元側留部33がある場合は収納対象物の元側の一部を元側留部33に固定し本体に収納する。
【0014】
収納対象物の使用時においては、伸長側留部32および/または元側留部33がある場合は伸長側留部32および/または元側留部33から収納対象物を解放し、本体上部12と本体下部13は回動自在に結合されているためこれを180度まで折り曲げることが可能であり、これを適当な位置まで折り曲げると、収納対象物は本体11の上方に向けて取り出す事が可能となる。
【0015】
本体上部12及び本体下部13の切り込み31の切り込み幅は、延長コードやテーブルタップ、ロープ等の可撓性線状体またはホース等の可撓性管体である収納対象物の直径および/または最大幅の1.0以上から1.5倍以下である。この切込み幅によって収納対象物は周回毎に乱れずに順次重なって巻き取ることが可能となり、周回を重ねる毎に巻き取り長さは漸次おおよそに長くなる。
【0016】
前記のことから、収納対象物は本体から取り出すと、伸長側の端を先頭とするとぐろ巻きとなっているので、使用のために収納対象物を伸長するに際して巻取りの状態が乱れずに順次ほぐれることから、収納対象物が絡まることがなく伸長が可能となる。
【0017】
本発明の本体の材質として各種の合成樹脂、アルミ等の軽金属及び木材があげられる。また本発明は、構成要素が少なく単純な構造のため安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、切り込み31は回動軸41と平行方向に切り込まれており、その先端部は開口部が開いているテーパー形状であると巻き取る際に切り込み31にコード等を導き易い。また、本体11の伸長時において、回動を止めるためのストッパー34を設けてもよい。また、伸長側留部32および/または元側留部33は穴形状の他にコード等を挟持する機能を持つものであってもよい。
【0020】
図2に示すように、本体上部12に対して本体下部13は長さが略2分の1であってもよく、回動できる向きは本体11の伸長時から図に示される一方向のみである。また回動中心は本体からオフセットされてあることも可能で、本体の折り曲げの際に180度の回動が可能となる。
【0021】
図3に示すように、本体21は本体上部22、本体下部23及び本体中部24で構成され、切り込み31は回動軸41と平行方向に切り込まれており、切り込み31の先端は開口部が開いているテーパー形状であると巻き取る際に切り込み31にコード等を導き易い。また、本体21の伸長時において、回動を止めるためのストッパー34を設けてもよい。また、伸長側留部32および/または元側留部33は穴形状の他にコード等を挟持する機能を持つものも可能である。
【0022】
図4に示すように、回動できる向きは本体21の伸長時から図に示される本体上部22と本体下部23が向かい合って折れる一方向のみである。本体上部22と本体中部24および本体中部24と本体下部23のそれぞれの回動中心は本体からオフセットされてあることも可能である。
【0023】
図5に示すように、伸長側留め部32に使用時に延長コード51の伸長する側を留めて本体11に巻き取り、巻き取り終わりにおいて元側留め部33で延長コード51を留める。
【0024】
図6に示すように、延長コード51を使用するために本体11からはずす際には、伸長側留め部32から延長コード51の伸長する側をはずし元側留め部33から延長コード51をはずし、ストッパー34を解放し本体上部12と本体下部13を回動させる。
【0025】
本発明の第二の実施形態においても、図5及び図6に示す本発明の第一の実施形態の場合に準じる使用方法である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る収納具の斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る本体11を折り曲げた状態の収納具の側面図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る収納具の斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る本体21を折り曲げた状態の収納具の側面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の使用時においての延長コード51を収納した状態の収納具の斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態の使用時においての延長コード51を収納し、本体11の折り曲げた状態の収納具の斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
11,21, 本体
12,22, 本体上部
13,23, 本体下部
24, 本体中部
31, 切り込み
32, 伸長側留部
33, 元側留部
34, ストッパー
41, 回動軸
51, 延長コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(11)は回動自在に結合された本体上部(12)と本体下部(13)によって構成され、該本体上部(12)および該本体下部(13)の両端からは中央に向けて回動方向に対して略90度の向きに切込み(31)が設けられ、該切り込み(31)の切り込み幅は収納対象物の直径および/または最大幅の1倍以上1.5倍以下であることを特徴とする収納具。
【請求項2】
請求項1に記載された収納具において、本体(21)は本体上部(22)と本体下部(23)の間に本体中部(24)を備え、該本体上部(22)と本体中部(24)および本体中部(24)と本体下部(23)が回動自在に結合され、該本体上部(22)および該本体下部(12)の両端からは中央に向けて回動方向に対して略90度の向きに切込み(31)が設けられ、該切り込み(31)の切り込み幅は収納対象物の直径および/または最大幅の1倍以上1.5倍以下であることを特徴とする収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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