収納家具装置
【課題】嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納し得るとともに、各々の物品の出し入れ性を向上し得る収納家具装置を提供する。
【解決手段】収納家具装置1は、収納家具本体10と、この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗20と、この主抽斗に対してレール41を介して前後にスライド自在に支持された副抽斗30と、を備えており、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間4が形成される。
【解決手段】収納家具装置1は、収納家具本体10と、この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗20と、この主抽斗に対してレール41を介して前後にスライド自在に支持された副抽斗30と、を備えており、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間4が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納家具本体とこの収納家具本体に出し入れ自在に支持された抽斗とを備えた収納家具装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収納家具本体とこの収納家具本体に出し入れ自在に支持された抽斗とを備えた収納家具が知られている。
例えば、下記特許文献1では、什器本体(家具本体)に第1の進退支持機構を介して支持された第1の抽斗とこの第1の抽斗に第2の進退支持機構を介して支持された第2の抽斗とを備えた什器(収納家具)が提案されている。この什器(収納家具)は、第1の抽斗及び第2の抽斗の奥行き寸法及び幅寸法を略等しく設定して第1の抽斗の両側内側面と第2の抽斗の両側外側面とをそれぞれ第2の進退支持機構によって連結した構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−192163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特に厨房家具等においては、近年、抽斗が大型化しており、このような大型の単一の抽斗内に種々の収納物品を収納する際には、区分して収納したいという要望がある。一般的にはトレーやバスケット等の容器を抽斗内に固定または載置して抽斗の収納空間を区画し、該区画された空間に収納物品を区分して収納することも行われているが、収納物品の出し入れ性等の観点からは更なる改善が望まれていた。
また、上記特許文献1に記載された収納家具のように、第1の抽斗の略全幅に亘って第2の抽斗を設けて収納空間を上下二層に区画した抽斗では、この抽斗内に、鍋や大瓶容器等の嵩高物品と、箸や調味料容器等の小物物品とを区分して収納することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納し得るとともに、各々の物品の出し入れ性を向上し得る収納家具装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納家具装置は、収納家具本体と、この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗と、この主抽斗に対してレールを介して前後にスライド自在に支持された副抽斗と、を備えており、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記副抽斗を、前記主抽斗に対して、該主抽斗の背板部よりも後方に突出して該主抽斗の収納空間底面側を略開放するようにスライド自在とされたものとしてもよい。
また、本発明においては、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、該副抽斗の前方側に、前記主抽斗の収納空間底面から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間が形成されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられる構成とされたものとし、前記副抽斗を、前記収納家具本体から引き出された前記主抽斗に対して後方側にスライドされる際及び該主抽斗とともに前記収納家具本体に格納される際における前記機器・器具部材との干渉を避けるように形成してもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記副抽斗を前記主抽斗の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とするようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとし、これら一対のスライドレールを、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡すように支持させるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとし、一方のスライドレールを、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡すように支持させ、他方のスライドレールを、前記主抽斗の側板部に支持させるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレールとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る収納家具装置は、上述のような構成としたことで、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納することができるとともに、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【図2】同収納家具装置の一部省略概略正面図である。
【図3】(a)は、同収納家具装置の一部省略概略斜視図、(b)は、同収納家具装置の一部省略概略平面図である。
【図4】(a)は、同収納家具装置の一部省略概略斜視図、(b)は、同収納家具装置の一部省略概略平面図である。
【図5】同収納家具装置が備える主抽斗の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図6】(a)は、図3(b)におけるX部に対応させた一部破断概略拡大平面図、(b)は、同主抽斗を模式的に示す一部を省略した一部破断概略側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図8】(a)、(b)は、いずれも同収納家具装置をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
【図9】同収納家具装置が備える主抽斗の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図及び部分拡大概略斜視図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図11】(a)、(b)は、いずれも同収納家具装置をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
【図12】(a)は、図11(a)におけるY−Y線矢視に対応させた一部省略概略拡大縦断面図、(b)は、同収納家具装置が備える副抽斗及びレールの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態における収納家具装置の正面(引き出し操作の可能な側)に対面した使用者を基準として、使用者側を前方、その逆側を後方とし、その前後方向に直交する方向を左右方向として説明する。
【0012】
図1〜図6は、第1実施形態に係る収納家具装置を示している。
本実施形態に係る収納家具装置1は、図1及び図2に示すように、収納家具本体10と、この収納家具本体10の上面側を覆う調理台天板としてのカウンター16と、を備えている。本実施形態では、収納家具装置1の一例として、カウンター16に、シンク(水槽)17を組み込んだ流し台家具装置(厨房家具装置)を例示している。
【0013】
収納家具本体10は、左右に配された側板11,11と、底板12と、背板13と、を備えており、その上部は、カウンター16が載置されて閉塞されて、前方に向けて開口する内側空間2を有した箱状とされている。
内側空間2の上側領域には、図2に示すように、シンク17が収容され、内側空間2の左右方向略中央部位における奥側中段領域には、図2及び図3に示すように、シンク17の排水トラップ部18及び排水管19が収容されている。排水管19は、背板13に設けられた貫通孔を介して収納家具本体10外へ導出されている。
【0014】
また、収納家具装置1は、収納家具本体10に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗20を備えている。収納家具本体10の前面開口は、この主抽斗20の前板部21と、シンク17の前方に配された化粧前板15とによって覆われる。つまり、収納家具本体10の内側空間2の上側領域前方側は、化粧前板15によって覆われ、その下側領域前方側は、主抽斗20の前板部21によって覆われる。
主抽斗20は、この前板部21と、背板部23と、底板部24と、左右一対の側板部25,25と、を備え、上方に向けて開口する収納空間3を有した略箱型形状とされている。上記した排水トラップ部18及び排水管19は、図2に示すように、この主抽斗20の収納空間3側に向けて突出するように設けられている(図3(b)も参照)。
【0015】
主抽斗20の背板部23は、図2に示すように、左右方向略中央部位に、左右方向両側部よりも低い低背部を設け、その左右方向両側部が高背部とされている。この低背部は、当該主抽斗20が後方格納位置にある状態で、当該主抽斗20の背板部23が排水トラップ部18や排水管19などと干渉しないように形成されている。
また、主抽斗20の両側板部25,25の上方には、前板部21及び背板部23に架け渡されるようにして前後方向に長尺とされた棒状部材27,27がそれぞれに設けられている。また、図例では、背板部23の右側高背部の中央側角部と前板部21との間に架け渡すようにして棒状部材27を設けている。これら棒状部材27は、収納された物品の倒れや飛び出し等を防止するガードとなる。
この主抽斗20は、収納家具本体10の両側板11,11の対向面のそれぞれに設けられた主抽斗レール14,14によって前後にスライド自在に支持されている。主抽斗20には、収納家具本体10内に設けられた主抽斗レール14,14にそれぞれスライド自在に係合するガイド部26,26がそれぞれに設けられている。図例では、主抽斗20の両側板部25,25の下端部にガイド部26,26を設けた例を示している。
【0016】
また、収納家具装置1は、主抽斗20に対してレール41を介して前後にスライド自在に支持された副抽斗30を備えている。
この副抽斗30は、図1〜図3に示すように、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設される。また、このように配設された副抽斗30の左右の少なくともいずれか一方側には嵩の高い嵩高物品の収納が可能な嵩高収納空間4が形成される。また、副抽斗30が配設された主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分は、副抽斗30によって上下に区画されて副抽斗30の下方側(主抽斗20の収納空間3底面側)に、小物物品等の収納が可能な小物収納空間5が形成される。また、この副抽斗30は、前板部31と、背板部32と、底板部33と、左右一対の側板部34,34と、を備え、上方に向けて開口し、小物物品等の収納が可能な小物収納空間6を有した略箱型形状とされている。つまり、副抽斗30が配設された主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分には、上下二段の小物収納空間5,6(下段小物収納空間5、上段小物収納空間6)が形成される。図例では、主抽斗20の収納空間3の左側領域を嵩高収納空間4とし、右側領域を副抽斗30によって上下に区画した例を示している。
【0017】
このような構成とすることで、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗(主抽斗)20内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納することができるとともに、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。つまり、副抽斗30が、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設される。従って、この副抽斗30の収納空間(上段小物収納空間)6及びこの副抽斗30によって区画された下段小物収納空間5に小物物品を区分して収納することができる。また、副抽斗30が、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、副抽斗30の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間4が形成されるので、この嵩高収納空間4に嵩高物品を収納することができ、嵩高物品と小物物品とを効率的に区分して主抽斗20内に収納することができる。また、主抽斗20を収納家具本体10から引き出し、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側にスライドさせれば、下段小物収納空間5への小物物品の出し入れを容易に行うことができ、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。
【0018】
また、本実施形態では、図1及び図2に示すように、副抽斗30が主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、副抽斗30の前方側に、主抽斗20の収納空間底面(底板部24の上面)から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間(吹抜収納空間)7が形成される。つまり、副抽斗30が主抽斗20に対して最前方位置とされた状態で、副抽斗30の前板部31と主抽斗20の前板部21とを近接または当接させることも可能であるが、本実施形態では、副抽斗30の前板部31と主抽斗20の前板部21との間に空間を設けて吹抜収納空間7を形成している。これにより、主抽斗20の収納空間3の上記左右方向の一部分には、上下二段の小物収納空間5,6の前方側に、吹抜収納空間7が形成される。また、本実施形態では、この吹抜収納空間7に、上方に向けて開口する箱形状とされた収納容器28を配設している。この収納容器28は、深形の樹脂製函体とされており、この収納容器28には、調理箸、お玉、レードル等を立てかけて収納することができる。また、吹抜収納空間7のうち収納容器28以外の部分は、高背の瓶容器や俎板の収納、あるいは包丁差し等の載置収納目的に使用することができる。
このような吹抜収納空間7を設けることで、この吹抜収納空間7に前記の長尺物品等を区分して収納することができ、前記の嵩高収納空間4、小物収納空間5,6、吹抜収納空間7、収納容器28の夫々において、種々の収納物品をより効率的に区分して収納することができる。なお、本実施形態では、図3に示すように、副抽斗30を主抽斗20に対して最前方位置とした際に、前方側に吹抜収納空間7を設け、かつ主抽斗20の背板部23と副抽斗30の背板部32とが前後方向において概ね一致するように、副抽斗30の前後寸法を設定した例を示している。
【0019】
また、副抽斗30は、図4に示すように、主抽斗20に対して、主抽斗20の背板部23よりも後方に突出して、下段小物収納空間(主抽斗20の収納空間底面側)5を略開放するようにスライド自在とされている。本実施形態では、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側へスライドさせ、最後方位置とした際には、主抽斗20の背板部23と副抽斗30の前板部31とが前後方向において概ね一致して、下段小物収納空間5の全体が開放される構成としている。なお、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側へスライドさせ、最後方位置とした際に、副抽斗30の前板部31が主抽斗20の背板部23よりも後方側に位置して、下段小物収納空間5の全体が開放される構成としてもよい。
このような構成とすることで、副抽斗30によって区画された下段小物収納空間5への小物物品の出し入れをより容易に行うことができる。
また、本実施形態では、図2〜図4に示すように、主抽斗20が収納家具本体10に対して格納位置にある状態で、副抽斗30の後方側へのスライドを防止するストッパー11aを設けている。このストッパー11aは、例えば、樹脂製とされ、図3に示すように、収納家具本体10の側板11にねじ等の締結具によって固定されており、主抽斗20とともに収納家具本体10に対して格納位置とされた副抽斗30の後方近傍位置に設けられている。このようなストッパー11aを設けることで、例えば、主抽斗20に対して副抽斗30が後方にスライドした状態で、副抽斗30が主抽斗20とともに収納家具本体10に格納される際にも、副抽斗30がこのストッパー11aに当接して後方側への移動が規制され、副抽斗30が収納家具本体10の背板13に接触するようなことを防止することができる。
【0020】
また、副抽斗30は、収納家具本体10から引き出された主抽斗20に対して後方側にスライドされる際及び主抽斗20とともに収納家具本体10に格納される際における排水トラップ部18及び排水管19との干渉を避けるように形成されている(図3(b)及び図4参照)。これら排水トラップ部18及び排水管19は、主抽斗20が収納家具本体10に格納された状態で、この主抽斗20の収納空間3の左右方向略中央領域に突出するように設けられている。本実施形態では、図2に示すように、副抽斗30の左右方向の幅寸法を、これら排水トラップ部18及び排水管19との干渉を避けるように、これら排水トラップ部18及び排水管19が突出する左右方向中央領域の右側の領域に納まる寸法としている。
このような構成とすることで、収納家具装置1に排水トラップ部18及び排水管19が設けられている場合にも、副抽斗30がこれらに干渉することがなく、副抽斗30をスムーズにスライドさせることができる。
【0021】
この副抽斗30をスライド自在に支持するレール41は、図4に示すように、副抽斗30の左右の側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41とされている。また、本実施形態では、これら一対のスライドレール41,41を含む一対のレール部40,40を、主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡すように支持させる構造としている。このような構成とすることで、例えば、後述のように、スライドレール41を主抽斗20の側板部25に固定する場合と比べて、一対のスライドレール41,41の左右方向に沿う取付位置の自由度を向上させることができる。
また、これら一対のレール部40,40は、図5及び図6(b)に示すように、互いに向き合う方向に開口する形状とされるとともに、主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡されたレール支持部材42,42を備えている。一対のスライドレール41,41は、互いにスライド自在に係合する複数のスライド部材を組み合わせた構成とされ、これらがレール支持部材42,42の両対向面及び副抽斗30の左右の側板部34,34に、ねじやリベット等の締結具や溶接等によってそれぞれ固定されている。
【0022】
また、主抽斗20の前板部21及び背板部23には、一対のレール部40,40が取り付けられる取付部が設けられている。本実施形態では、副抽斗30が主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされており、主抽斗20の前板部21及び背板部23の左右方向の複数箇所に取付部をそれぞれに設けている。このように、副抽斗30を主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とすることで、左右方向に拡がるキッチン作業台前に立つ使用者の、収納物品の出し入れ使い勝手に柔軟に対応することができる。さらには主抽斗20の収納空間3側に向けて突出する排水トラップ部18及び排水管19の左右の配設位置等に応じて、複数の所定位置のいずれかに副抽斗30を取り付けることができ、汎用性を向上させることができる。
また、副抽斗30の左右方向の幅寸法は、排水トラップ部18及び排水管19が突出する左右方向中央領域の左側の領域にも納まる寸法とされている。つまり、図例では、主抽斗20の収納空間3の右側領域を副抽斗30によって上下に区画し、左側領域を嵩高収納空間4とした例を示しているが、主抽斗20の収納空間3の左側領域を副抽斗30によって上下に区画し、右側領域を嵩高収納空間4とすることも可能な構成とされている。
【0023】
主抽斗20の前板部21の取付部は、前板部21の後面に設けられた取付レール22とされ、この取付レール22に、レール部40のレール支持部材42の前端部が係合する。取付レール22は、図5に示すように、前板部21の後面の左右方向の概ね全幅に亘って設けられている。この取付レール22は、図6(b)に示すように、側面視して略倒Z字状の形状とされており、前板部21の後面とによって上方に向けて開口する凹溝を形成している。レール支持部材42の前端部には、この取付レール22に引っ掛けられる引掛部42aが設けられている。また、この取付レール22には、上記した吹抜収納空間7に配設された収納容器28も係合可能とされている。収納容器28には、図3及び図6(a)に示すように、その前面側に取付レール22に引っ掛けられる引掛部28aが設けられている。この収納容器28の引掛部28aを取付レール22に引っ掛けることで、収納容器28の倒れや後方側への移動を抑制することができる。
【0024】
また、取付レール22には、図5及び図6(a)に示すように、前後方向に貫通する係止スリット22aが設けられている。この係止スリット22aは、取付レール22の左右方向に沿って間隔を空けて複数箇所(図例では4箇所)に設けられている。これら複数の係止スリット22aは、上記のように主抽斗20の収納空間3の右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持するレール部40,40の配設位置に対応させて、それぞれ設けられている。
【0025】
レール部40のレール支持部材42の前端部には、この係止スリット22aに係止される係止部材43が設けられている。この係止部材43は、図6(a)に示すように、前端部に左右方向一方側に向けて突出するように形成された抜止片を有しており、取付レール22の係止スリット22aに挿通された際に強固に係止される。また、レール支持部材42には、図6(a)に示すように、この係止部材43をレール支持部材42に対して着脱可能に固定するねじ部材45が挿通されるねじ挿通孔42bが設けられている。係止部材43には、ねじ部材45が捩じ込まれる雌ねじ部(ねじ孔)が設けられており、この雌ねじ部にレール支持部材42のねじ挿通孔42bを介してねじ部材45が捩じ込まれることで、係止部材43がレール支持部材42に固定される。
上記構成とされたレール部40のレール支持部材42の前端部は、その前端部の引掛部42aを取付レール22に引っ掛け、また、係止部材43を取付レール22の係止スリット22aに係止させ、係止部材43をレール支持部材42に固定することで、主抽斗20の前板部21に取り付けられ、支持される。
【0026】
主抽斗20の背板部23の取付部は、図5及び図6(b)に示すように、背板部23の上端部とされ、該上端部には、雌ねじ部(ねじ孔)23aが設けられている。本実施形態では、上記のように主抽斗20の収納空間3の右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30の配設位置に対応させて、背板部23の左右両側の高背部の上端部をそれぞれ取付部とし、これら高背部の上端部のそれぞれに、それぞれ複数(図例では3つ)の雌ねじ部23aを設けている。
一対のレール支持部材42,42の後端部には、図5に示すように、これらレール支持部材42,42の後端部同士を連結するとともに、主抽斗20の背板部23に取り付けられる後端取付連結部材44の両端が固定されている。この後端取付連結部材44は、図6(b)に示すように、下方側に向けて開口する形状とされ、主抽斗20の背板部23の上端部を受け入れるようにして該上端部に係合する。また、この後端取付連結部材44は、図例では、主抽斗20の背板部23に固定された棒状部材27,27との干渉を避けるように、左右方向両端部が上方側に向けて折り曲げられたような形状とされている。
【0027】
この後端取付連結部材44には、主抽斗20の背板部23に設けられた雌ねじ部23aに一致するねじ挿通孔が形成されており、このねじ挿通孔を介してねじ部材45が背板部23の雌ねじ部23aに捩じ込まれることで、後端取付連結部材44が背板部23に対して着脱可能に固定される。このような構成により、レール部40のレール支持部材42の後端部は、後端取付連結部材44を介して主抽斗20の背板部23に取り付けられ、支持される。
また、本実施形態では、一対のレール支持部材42,42の前端部同士を連結する前端連結部材46を設けている。このような前端連結部材46を設けることで、後端側が後端取付連結部材44によって連結されたレール支持部材42,42の前端側の拡縮を抑制することができる。
つまり、本実施形態では、副抽斗30をスライド自在に支持するスライドレール41,41を、左右のレール支持部材42,42、前端連結部材46及び後端取付連結部材46からなる四方枠状構造とされた取付枠状部材によって、主抽斗20に取り付ける構造としている。また、この取付枠状部材が、主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に取付可能とされている。また、この取付枠状部材は、上述のように、主抽斗20の前板部21の取付レール22に引っ掛けられ、また、背板部23に載置されるようにして主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡されるように支持されている。これにより、副抽斗30及びこれに加えてこれに収納された収納物品の荷重を安定的に受けることができる。また、使用者や取付作業者は、この取付枠状部材及びこれに支持された副抽斗30を、主抽斗20の左右方向における複数の所定位置のうちのいずれかに容易に取り付けることができ、また、容易に脱離させることも可能となる。
【0028】
なお、本実施形態では、レール部40を主抽斗20に対して容易に着脱可能とするために、レール支持部材42の前端部と係止部材43とを締結するねじ部材45及び後端取付連結部材44と背板部23とを締結するねじ部材45を、ローレット加工が施されて手指で操作が可能な摘み部を有したものとしている。これは、キッチン使用者でも、使い勝手に応じて、主抽斗20に対する副抽斗30の左右方向の取付位置を任意に選択して着脱し易いように配慮したものである。なお、ねじ部材45としてはこのようなものに限られず、他のねじ等の締結具を採用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、主抽斗20の収納空間3側に向けて突出する他の機器・器具部材として、シンク17の排水トラップ部18及び排水管19を例示しているが、このような態様に限られない。主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器としては、例えば、浄水器や整水器等が挙げられる。また、器具部材としては、給排水管、ガス管等が挙げられる。
また、本実施形態においては、主抽斗20に対する副抽斗30の左右方向の位置は、前述のような、機器・器具の存在による干渉回避の制約がない場合、副抽斗30の左右方向の位置は、主抽斗20の左右方向の中央部としてもよく、主抽斗20が装着された収納家具装置1の使用目的によって、左右方向の自在の位置に設けるようにしてもよい。
【0029】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7〜図9は、第2実施形態に係る収納家具装置を示している。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0030】
本実施形態に係る収納家具装置1Aは、図7及び図8に示すように、主抽斗20Aの収納空間3A側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられていない例を示している。そのため、嵩高収納空間4Aが、上記第1実施形態と比べて大きく形成される。
また、本実施形態では、主抽斗20Aの両側板部25A,25Aを、上記第1実施形態の主抽斗20Aの両側板部25,25よりも上下寸法を大きくし、これら両側板部25A,25Aの上端部に、収納家具本体10Aの両側板11,11の対向面にそれぞれ固定された主抽斗レール14A,14Aにスライド自在に係合するガイド部26A,26Aを設けた例を示している。
【0031】
また、本実施形態では、副抽斗30をスライド自在に支持するスライドレール41,41を含む一対のレール部40A,40Aの支持態様が上記第1実施形態とは異なる。本実施形態では、副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの一方のスライドレール41は、図8及び図9に示すように、上記同様のレール支持部材42を介して主抽斗20Aの前板部21及び背板部23Aに架け渡されるように支持されている。
【0032】
主抽斗20Aの前板部21に設けられた取付レール22Aには、この一方のスライドレール41が固定されたレール支持部材42の配設位置に対応させて、上記同様の係止スリット22aが設けられている。本実施形態においても上記第1実施形態と同様、副抽斗30が主抽斗20Aの左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされている。そのため取付レール22Aの係止スリット22aは、主抽斗20Aの収納空間3Aの右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持する一方のスライドレール41(一方のレール部40A)の配設位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。また、この一方のレール部40Aのレール支持部材42の前端部には、係止スリット22aに係止される上記同様の係止部材43(図8参照)が設けられており、上記同様にしてレール支持部材42の前端部が主抽斗20Aの前板部21に取り付けられ、支持される。
【0033】
また、背板部23Aは、低背部や高背部が設けられておらず、左右方向の全幅に亘って同高さとされている。この背板部23Aには、上記同様の取付部としての雌ねじ部23aに加え、図9に示すように、上下方向に貫通した係止スリット23bが設けられている。これら雌ねじ部23a及び係止スリット23bは、前板部21の取付レール22Aの係止スリット22aと同様、主抽斗20Aの収納空間3Aの右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持する一方のスライドレール41(一方のレール部40A)の配設位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0034】
上記一方のレール部40Aのレール支持部材42の後端部には、背板部23Aの上端部に係合する後端取付部材44Aが固定されている。この後端取付部材44Aは、下方に向けて開口する形状とされ、主抽斗20Aの背板部23Aの上端部を受け入れるようにして該上端部に係合する。この後端取付部材44Aには、図9に示すように、背板部23Aに設けられた係止スリット23bに挿通されて係止する係止片44aが設けられている。また、この後端取付部材44Aには、主抽斗20Aの背板部23Aに設けられた雌ねじ部23aに一致するねじ挿通孔が形成されている。この後端取付部材44Aは、背板部23Aに設けられた係止スリット23bに、係止片44aを係止させるとともに、上記ねじ挿通孔を介してねじ部材45を背板部23Aの雌ねじ部23aに捩じ込むことで、背板部23Aに対して着脱可能に固定される。このような構成により、一方のレール部40Aのレール支持部材42の後端部が後端取付部材44Aを介して主抽斗20Aの背板部23Aに取り付けられ、支持される。
【0035】
副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの他方のスライドレール41は、図9に示すように、主抽斗20Aの側板部25Aに支持されている。この他方のスライドレール41は、主抽斗20Aの側板部25Aの内側面にねじ等の締結具によって固定されて支持されている。なお、この他方のスライドレール41を取り付ける取付部を主抽斗20Aの両側板部25A,25Aにそれぞれ設けるようにしてもよい。また、図例では、この他方のスライドレール41を直接的に側板部25Aの内側面に固定した例を示しているが、上記したようなスライド支持部材42等を介して側板部25Aの内側面に固定する態様としてもよい。
【0036】
上記構成とされた本実施形態に係る収納家具装置1Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの他方のスライドレール41を、主抽斗20Aの側板部25Aに支持させている。従って、この他方のスライドレール41を側板部25Aによって強固に支持することができる。
なお、本実施形態に係る収納家具装置1Aが備える収納家具本体10Aの上面側は、図示を省略しているが、調理台天板としてのカウンターによって覆うようにしてもよい。または、このような調理台天板に限られず、天板によって覆う構成としてもよい。また、収納家具本体10Aの内側空間2Aの上側領域に、他の機器等が収容される構成としてもよいが、上段抽斗等を収納家具本体10Aに対して前後に出し入れ自在に支持させる構成としてもよい。また、図示を省略しているが、本実施形態に係る収納家具装置1Aにおいても、主抽斗20Aが収納家具本体10Aに対して格納位置にある状態で、副抽斗30の後方側へのスライドを防止する上記同様のストッパーを設けている。
【0037】
次に、本発明に係る更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図10〜図12は、第3実施形態に係る収納家具装置を示している。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0038】
本実施形態に係る収納家具装置1Bは、図10及び図11に示すように、上記各実施形態と比べて副抽斗30Aの幅寸法を小さくしている。そのため、嵩高収納空間4Bが、上記各実施形態と比べて大きく形成される一方、上下二段の小物収納空間5A,6Aが、上記各実施形態と比べて小さくなる。このように、各実施形態における各収納家具装置1(1A,1B)においては、副抽斗30(30A)の幅寸法及び前後寸法を、収納家具装置1(1A,1B)が設置される箇所や使用目的、想定される使用態様、使用者の使い勝手等に応じて設定することで、副抽斗30(30A)によって区画される嵩高収納空間、上下二段の小物収納空間、吹抜収納空間の容量(収納容積)をそれぞれ増減させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、図11及び図12に示すように、副抽斗30Aをスライド自在に支持するレールが上記各実施形態とは異なり、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aとされている。
また、本実施形態では、このスライドレール41Aを含むレール部40Bが主抽斗20Bの側板部25Bに支持されている。
このスライドレール41Aの副抽斗30A側のスライド部材は、副抽斗30Aの側部に設けられた板状の取付部35にねじ等の締結具によって固定されている。
一方、スライドレール41Aの側板部25B側のスライド部材には、複数(図例では3つ)の取付部材47が固定されており、これら取付部材47を介してスライドレール41Aが主抽斗20Bの側板部25Bに固定されている。この取付部材47は、図12に示すように、下端部にねじ部材45が挿通されるねじ挿通孔47aが設けられ、上端部に鉤状に屈曲された係止片47bを有した構成とされている。
【0040】
主抽斗20Bの側板部25Bには、レール部40Bが取り付けられる取付部が設けられている。本実施形態においても上記各実施形態と同様、副抽斗30Aが主抽斗20Bの左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされており、主抽斗20Bの両側板部25B,25Bに取付部をそれぞれに設けている。
これら側板部25B,25Bに設けられた取付部は、図10及び図12に示すように、取付部材47のねじ挿通孔47aに一致する雌ねじ部25aと、取付部材47の係止片47bが挿通されて係止される係止スリット25bとから構成されている。また、これら雌ねじ部25a及び係止スリット25bは、取付部材47の個数に対応させて、前後方向に間隔を空けて複数箇所にそれぞれ設けられている。
レール部40Bの取付部材47は、図12(a)に示すように、側板部25Bに設けられた係止スリット25bに、係止片47bを係止させるとともに、ねじ挿通孔47aを介してねじ部材45を側板部25Bの雌ねじ部25aに捩じ込むことで、側板部25Bに対して着脱可能に固定される。このような構成により、スライドレール41Aが取付部材47を介して主抽斗20Bの側板部25Bに取り付けられ、支持されている。
【0041】
上記構成とされた本実施形態に係る収納家具装置1Bにおいても、上記各実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、嵩高収納空間4Bを形成する主抽斗20B内において、簡素な構成で以って、局所限定的に小物収納空間5A,6Aを形成することができる。
また、本実施形態では、副抽斗30Aをスライド自在に支持するレールを、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aとしており、また、副抽斗30Aは、樹脂成型品で函状に形成された容器体のみで形成されているので、部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
なお、図示を省略しているが、本実施形態に係る収納家具装置1Bにおいても、主抽斗20Bが収納家具本体10Aに対して格納位置にある状態で、副抽斗30Aの後方側へのスライドを防止する上記同様のストッパーを設けている。また、本実施形態では、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aを、主抽斗20Bの側板部25Bに支持させた例を示しているが、このスライドレール41Aを、主抽斗20Bの前板部21及び背板部23Bに架け渡すようにして支持させるようにしてもよい。この場合は、上記各実施形態において説明したような取付部やレール支持部材を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を組み替えたり、または組み合わせたりして、適用するようにしてもよく、また、この場合は、各構成を必要に応じて変形するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A,1B 収納家具装置
3,3A 主抽斗の収納空間
4,4A,4B 嵩高収納空間
7 吹抜収納空間(吹き抜け状の収納空間)
10,10A 収納家具本体
18 排水トラップ部(器具部材)
19 排水管(器具部材)
20,20A,20B 主抽斗
21 前板部
23,23A 背板部
25A,25B 側板部
30,30A 副抽斗
34 側板部(側部)
41,41A スライドレール(レール)
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納家具本体とこの収納家具本体に出し入れ自在に支持された抽斗とを備えた収納家具装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収納家具本体とこの収納家具本体に出し入れ自在に支持された抽斗とを備えた収納家具が知られている。
例えば、下記特許文献1では、什器本体(家具本体)に第1の進退支持機構を介して支持された第1の抽斗とこの第1の抽斗に第2の進退支持機構を介して支持された第2の抽斗とを備えた什器(収納家具)が提案されている。この什器(収納家具)は、第1の抽斗及び第2の抽斗の奥行き寸法及び幅寸法を略等しく設定して第1の抽斗の両側内側面と第2の抽斗の両側外側面とをそれぞれ第2の進退支持機構によって連結した構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−192163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特に厨房家具等においては、近年、抽斗が大型化しており、このような大型の単一の抽斗内に種々の収納物品を収納する際には、区分して収納したいという要望がある。一般的にはトレーやバスケット等の容器を抽斗内に固定または載置して抽斗の収納空間を区画し、該区画された空間に収納物品を区分して収納することも行われているが、収納物品の出し入れ性等の観点からは更なる改善が望まれていた。
また、上記特許文献1に記載された収納家具のように、第1の抽斗の略全幅に亘って第2の抽斗を設けて収納空間を上下二層に区画した抽斗では、この抽斗内に、鍋や大瓶容器等の嵩高物品と、箸や調味料容器等の小物物品とを区分して収納することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納し得るとともに、各々の物品の出し入れ性を向上し得る収納家具装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納家具装置は、収納家具本体と、この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗と、この主抽斗に対してレールを介して前後にスライド自在に支持された副抽斗と、を備えており、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記副抽斗を、前記主抽斗に対して、該主抽斗の背板部よりも後方に突出して該主抽斗の収納空間底面側を略開放するようにスライド自在とされたものとしてもよい。
また、本発明においては、前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、該副抽斗の前方側に、前記主抽斗の収納空間底面から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間が形成されるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられる構成とされたものとし、前記副抽斗を、前記収納家具本体から引き出された前記主抽斗に対して後方側にスライドされる際及び該主抽斗とともに前記収納家具本体に格納される際における前記機器・器具部材との干渉を避けるように形成してもよい。
【0008】
また、本発明においては、前記副抽斗を前記主抽斗の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とするようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとし、これら一対のスライドレールを、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡すように支持させるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとし、一方のスライドレールを、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡すように支持させ、他方のスライドレールを、前記主抽斗の側板部に支持させるようにしてもよい。
また、本発明においては、前記レールを、前記副抽斗の左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレールとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る収納家具装置は、上述のような構成としたことで、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納することができるとともに、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【図2】同収納家具装置の一部省略概略正面図である。
【図3】(a)は、同収納家具装置の一部省略概略斜視図、(b)は、同収納家具装置の一部省略概略平面図である。
【図4】(a)は、同収納家具装置の一部省略概略斜視図、(b)は、同収納家具装置の一部省略概略平面図である。
【図5】同収納家具装置が備える主抽斗の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図6】(a)は、図3(b)におけるX部に対応させた一部破断概略拡大平面図、(b)は、同主抽斗を模式的に示す一部を省略した一部破断概略側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図8】(a)、(b)は、いずれも同収納家具装置をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
【図9】同収納家具装置が備える主抽斗の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図及び部分拡大概略斜視図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る収納家具装置の一例を模式的に示す一部省略概略斜視図である。
【図11】(a)、(b)は、いずれも同収納家具装置をそれぞれ模式的に示す一部を省略した概略平面図である。
【図12】(a)は、図11(a)におけるY−Y線矢視に対応させた一部省略概略拡大縦断面図、(b)は、同収納家具装置が備える副抽斗及びレールの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態における収納家具装置の正面(引き出し操作の可能な側)に対面した使用者を基準として、使用者側を前方、その逆側を後方とし、その前後方向に直交する方向を左右方向として説明する。
【0012】
図1〜図6は、第1実施形態に係る収納家具装置を示している。
本実施形態に係る収納家具装置1は、図1及び図2に示すように、収納家具本体10と、この収納家具本体10の上面側を覆う調理台天板としてのカウンター16と、を備えている。本実施形態では、収納家具装置1の一例として、カウンター16に、シンク(水槽)17を組み込んだ流し台家具装置(厨房家具装置)を例示している。
【0013】
収納家具本体10は、左右に配された側板11,11と、底板12と、背板13と、を備えており、その上部は、カウンター16が載置されて閉塞されて、前方に向けて開口する内側空間2を有した箱状とされている。
内側空間2の上側領域には、図2に示すように、シンク17が収容され、内側空間2の左右方向略中央部位における奥側中段領域には、図2及び図3に示すように、シンク17の排水トラップ部18及び排水管19が収容されている。排水管19は、背板13に設けられた貫通孔を介して収納家具本体10外へ導出されている。
【0014】
また、収納家具装置1は、収納家具本体10に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗20を備えている。収納家具本体10の前面開口は、この主抽斗20の前板部21と、シンク17の前方に配された化粧前板15とによって覆われる。つまり、収納家具本体10の内側空間2の上側領域前方側は、化粧前板15によって覆われ、その下側領域前方側は、主抽斗20の前板部21によって覆われる。
主抽斗20は、この前板部21と、背板部23と、底板部24と、左右一対の側板部25,25と、を備え、上方に向けて開口する収納空間3を有した略箱型形状とされている。上記した排水トラップ部18及び排水管19は、図2に示すように、この主抽斗20の収納空間3側に向けて突出するように設けられている(図3(b)も参照)。
【0015】
主抽斗20の背板部23は、図2に示すように、左右方向略中央部位に、左右方向両側部よりも低い低背部を設け、その左右方向両側部が高背部とされている。この低背部は、当該主抽斗20が後方格納位置にある状態で、当該主抽斗20の背板部23が排水トラップ部18や排水管19などと干渉しないように形成されている。
また、主抽斗20の両側板部25,25の上方には、前板部21及び背板部23に架け渡されるようにして前後方向に長尺とされた棒状部材27,27がそれぞれに設けられている。また、図例では、背板部23の右側高背部の中央側角部と前板部21との間に架け渡すようにして棒状部材27を設けている。これら棒状部材27は、収納された物品の倒れや飛び出し等を防止するガードとなる。
この主抽斗20は、収納家具本体10の両側板11,11の対向面のそれぞれに設けられた主抽斗レール14,14によって前後にスライド自在に支持されている。主抽斗20には、収納家具本体10内に設けられた主抽斗レール14,14にそれぞれスライド自在に係合するガイド部26,26がそれぞれに設けられている。図例では、主抽斗20の両側板部25,25の下端部にガイド部26,26を設けた例を示している。
【0016】
また、収納家具装置1は、主抽斗20に対してレール41を介して前後にスライド自在に支持された副抽斗30を備えている。
この副抽斗30は、図1〜図3に示すように、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設される。また、このように配設された副抽斗30の左右の少なくともいずれか一方側には嵩の高い嵩高物品の収納が可能な嵩高収納空間4が形成される。また、副抽斗30が配設された主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分は、副抽斗30によって上下に区画されて副抽斗30の下方側(主抽斗20の収納空間3底面側)に、小物物品等の収納が可能な小物収納空間5が形成される。また、この副抽斗30は、前板部31と、背板部32と、底板部33と、左右一対の側板部34,34と、を備え、上方に向けて開口し、小物物品等の収納が可能な小物収納空間6を有した略箱型形状とされている。つまり、副抽斗30が配設された主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分には、上下二段の小物収納空間5,6(下段小物収納空間5、上段小物収納空間6)が形成される。図例では、主抽斗20の収納空間3の左側領域を嵩高収納空間4とし、右側領域を副抽斗30によって上下に区画した例を示している。
【0017】
このような構成とすることで、嵩高物品や小物物品などの種々の収納物品を、単一の抽斗(主抽斗)20内で、収納容積効率を高めて、かつ区分して収納することができるとともに、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。つまり、副抽斗30が、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、主抽斗20の収納空間3の左右方向の一部分を上下に区画するように配設される。従って、この副抽斗30の収納空間(上段小物収納空間)6及びこの副抽斗30によって区画された下段小物収納空間5に小物物品を区分して収納することができる。また、副抽斗30が、主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、副抽斗30の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間4が形成されるので、この嵩高収納空間4に嵩高物品を収納することができ、嵩高物品と小物物品とを効率的に区分して主抽斗20内に収納することができる。また、主抽斗20を収納家具本体10から引き出し、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側にスライドさせれば、下段小物収納空間5への小物物品の出し入れを容易に行うことができ、各々の物品の出し入れ性を向上させることができる。
【0018】
また、本実施形態では、図1及び図2に示すように、副抽斗30が主抽斗20に対して最前方位置とされた際に、副抽斗30の前方側に、主抽斗20の収納空間底面(底板部24の上面)から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間(吹抜収納空間)7が形成される。つまり、副抽斗30が主抽斗20に対して最前方位置とされた状態で、副抽斗30の前板部31と主抽斗20の前板部21とを近接または当接させることも可能であるが、本実施形態では、副抽斗30の前板部31と主抽斗20の前板部21との間に空間を設けて吹抜収納空間7を形成している。これにより、主抽斗20の収納空間3の上記左右方向の一部分には、上下二段の小物収納空間5,6の前方側に、吹抜収納空間7が形成される。また、本実施形態では、この吹抜収納空間7に、上方に向けて開口する箱形状とされた収納容器28を配設している。この収納容器28は、深形の樹脂製函体とされており、この収納容器28には、調理箸、お玉、レードル等を立てかけて収納することができる。また、吹抜収納空間7のうち収納容器28以外の部分は、高背の瓶容器や俎板の収納、あるいは包丁差し等の載置収納目的に使用することができる。
このような吹抜収納空間7を設けることで、この吹抜収納空間7に前記の長尺物品等を区分して収納することができ、前記の嵩高収納空間4、小物収納空間5,6、吹抜収納空間7、収納容器28の夫々において、種々の収納物品をより効率的に区分して収納することができる。なお、本実施形態では、図3に示すように、副抽斗30を主抽斗20に対して最前方位置とした際に、前方側に吹抜収納空間7を設け、かつ主抽斗20の背板部23と副抽斗30の背板部32とが前後方向において概ね一致するように、副抽斗30の前後寸法を設定した例を示している。
【0019】
また、副抽斗30は、図4に示すように、主抽斗20に対して、主抽斗20の背板部23よりも後方に突出して、下段小物収納空間(主抽斗20の収納空間底面側)5を略開放するようにスライド自在とされている。本実施形態では、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側へスライドさせ、最後方位置とした際には、主抽斗20の背板部23と副抽斗30の前板部31とが前後方向において概ね一致して、下段小物収納空間5の全体が開放される構成としている。なお、副抽斗30を主抽斗20に対して後方側へスライドさせ、最後方位置とした際に、副抽斗30の前板部31が主抽斗20の背板部23よりも後方側に位置して、下段小物収納空間5の全体が開放される構成としてもよい。
このような構成とすることで、副抽斗30によって区画された下段小物収納空間5への小物物品の出し入れをより容易に行うことができる。
また、本実施形態では、図2〜図4に示すように、主抽斗20が収納家具本体10に対して格納位置にある状態で、副抽斗30の後方側へのスライドを防止するストッパー11aを設けている。このストッパー11aは、例えば、樹脂製とされ、図3に示すように、収納家具本体10の側板11にねじ等の締結具によって固定されており、主抽斗20とともに収納家具本体10に対して格納位置とされた副抽斗30の後方近傍位置に設けられている。このようなストッパー11aを設けることで、例えば、主抽斗20に対して副抽斗30が後方にスライドした状態で、副抽斗30が主抽斗20とともに収納家具本体10に格納される際にも、副抽斗30がこのストッパー11aに当接して後方側への移動が規制され、副抽斗30が収納家具本体10の背板13に接触するようなことを防止することができる。
【0020】
また、副抽斗30は、収納家具本体10から引き出された主抽斗20に対して後方側にスライドされる際及び主抽斗20とともに収納家具本体10に格納される際における排水トラップ部18及び排水管19との干渉を避けるように形成されている(図3(b)及び図4参照)。これら排水トラップ部18及び排水管19は、主抽斗20が収納家具本体10に格納された状態で、この主抽斗20の収納空間3の左右方向略中央領域に突出するように設けられている。本実施形態では、図2に示すように、副抽斗30の左右方向の幅寸法を、これら排水トラップ部18及び排水管19との干渉を避けるように、これら排水トラップ部18及び排水管19が突出する左右方向中央領域の右側の領域に納まる寸法としている。
このような構成とすることで、収納家具装置1に排水トラップ部18及び排水管19が設けられている場合にも、副抽斗30がこれらに干渉することがなく、副抽斗30をスムーズにスライドさせることができる。
【0021】
この副抽斗30をスライド自在に支持するレール41は、図4に示すように、副抽斗30の左右の側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41とされている。また、本実施形態では、これら一対のスライドレール41,41を含む一対のレール部40,40を、主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡すように支持させる構造としている。このような構成とすることで、例えば、後述のように、スライドレール41を主抽斗20の側板部25に固定する場合と比べて、一対のスライドレール41,41の左右方向に沿う取付位置の自由度を向上させることができる。
また、これら一対のレール部40,40は、図5及び図6(b)に示すように、互いに向き合う方向に開口する形状とされるとともに、主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡されたレール支持部材42,42を備えている。一対のスライドレール41,41は、互いにスライド自在に係合する複数のスライド部材を組み合わせた構成とされ、これらがレール支持部材42,42の両対向面及び副抽斗30の左右の側板部34,34に、ねじやリベット等の締結具や溶接等によってそれぞれ固定されている。
【0022】
また、主抽斗20の前板部21及び背板部23には、一対のレール部40,40が取り付けられる取付部が設けられている。本実施形態では、副抽斗30が主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされており、主抽斗20の前板部21及び背板部23の左右方向の複数箇所に取付部をそれぞれに設けている。このように、副抽斗30を主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とすることで、左右方向に拡がるキッチン作業台前に立つ使用者の、収納物品の出し入れ使い勝手に柔軟に対応することができる。さらには主抽斗20の収納空間3側に向けて突出する排水トラップ部18及び排水管19の左右の配設位置等に応じて、複数の所定位置のいずれかに副抽斗30を取り付けることができ、汎用性を向上させることができる。
また、副抽斗30の左右方向の幅寸法は、排水トラップ部18及び排水管19が突出する左右方向中央領域の左側の領域にも納まる寸法とされている。つまり、図例では、主抽斗20の収納空間3の右側領域を副抽斗30によって上下に区画し、左側領域を嵩高収納空間4とした例を示しているが、主抽斗20の収納空間3の左側領域を副抽斗30によって上下に区画し、右側領域を嵩高収納空間4とすることも可能な構成とされている。
【0023】
主抽斗20の前板部21の取付部は、前板部21の後面に設けられた取付レール22とされ、この取付レール22に、レール部40のレール支持部材42の前端部が係合する。取付レール22は、図5に示すように、前板部21の後面の左右方向の概ね全幅に亘って設けられている。この取付レール22は、図6(b)に示すように、側面視して略倒Z字状の形状とされており、前板部21の後面とによって上方に向けて開口する凹溝を形成している。レール支持部材42の前端部には、この取付レール22に引っ掛けられる引掛部42aが設けられている。また、この取付レール22には、上記した吹抜収納空間7に配設された収納容器28も係合可能とされている。収納容器28には、図3及び図6(a)に示すように、その前面側に取付レール22に引っ掛けられる引掛部28aが設けられている。この収納容器28の引掛部28aを取付レール22に引っ掛けることで、収納容器28の倒れや後方側への移動を抑制することができる。
【0024】
また、取付レール22には、図5及び図6(a)に示すように、前後方向に貫通する係止スリット22aが設けられている。この係止スリット22aは、取付レール22の左右方向に沿って間隔を空けて複数箇所(図例では4箇所)に設けられている。これら複数の係止スリット22aは、上記のように主抽斗20の収納空間3の右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持するレール部40,40の配設位置に対応させて、それぞれ設けられている。
【0025】
レール部40のレール支持部材42の前端部には、この係止スリット22aに係止される係止部材43が設けられている。この係止部材43は、図6(a)に示すように、前端部に左右方向一方側に向けて突出するように形成された抜止片を有しており、取付レール22の係止スリット22aに挿通された際に強固に係止される。また、レール支持部材42には、図6(a)に示すように、この係止部材43をレール支持部材42に対して着脱可能に固定するねじ部材45が挿通されるねじ挿通孔42bが設けられている。係止部材43には、ねじ部材45が捩じ込まれる雌ねじ部(ねじ孔)が設けられており、この雌ねじ部にレール支持部材42のねじ挿通孔42bを介してねじ部材45が捩じ込まれることで、係止部材43がレール支持部材42に固定される。
上記構成とされたレール部40のレール支持部材42の前端部は、その前端部の引掛部42aを取付レール22に引っ掛け、また、係止部材43を取付レール22の係止スリット22aに係止させ、係止部材43をレール支持部材42に固定することで、主抽斗20の前板部21に取り付けられ、支持される。
【0026】
主抽斗20の背板部23の取付部は、図5及び図6(b)に示すように、背板部23の上端部とされ、該上端部には、雌ねじ部(ねじ孔)23aが設けられている。本実施形態では、上記のように主抽斗20の収納空間3の右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30の配設位置に対応させて、背板部23の左右両側の高背部の上端部をそれぞれ取付部とし、これら高背部の上端部のそれぞれに、それぞれ複数(図例では3つ)の雌ねじ部23aを設けている。
一対のレール支持部材42,42の後端部には、図5に示すように、これらレール支持部材42,42の後端部同士を連結するとともに、主抽斗20の背板部23に取り付けられる後端取付連結部材44の両端が固定されている。この後端取付連結部材44は、図6(b)に示すように、下方側に向けて開口する形状とされ、主抽斗20の背板部23の上端部を受け入れるようにして該上端部に係合する。また、この後端取付連結部材44は、図例では、主抽斗20の背板部23に固定された棒状部材27,27との干渉を避けるように、左右方向両端部が上方側に向けて折り曲げられたような形状とされている。
【0027】
この後端取付連結部材44には、主抽斗20の背板部23に設けられた雌ねじ部23aに一致するねじ挿通孔が形成されており、このねじ挿通孔を介してねじ部材45が背板部23の雌ねじ部23aに捩じ込まれることで、後端取付連結部材44が背板部23に対して着脱可能に固定される。このような構成により、レール部40のレール支持部材42の後端部は、後端取付連結部材44を介して主抽斗20の背板部23に取り付けられ、支持される。
また、本実施形態では、一対のレール支持部材42,42の前端部同士を連結する前端連結部材46を設けている。このような前端連結部材46を設けることで、後端側が後端取付連結部材44によって連結されたレール支持部材42,42の前端側の拡縮を抑制することができる。
つまり、本実施形態では、副抽斗30をスライド自在に支持するスライドレール41,41を、左右のレール支持部材42,42、前端連結部材46及び後端取付連結部材46からなる四方枠状構造とされた取付枠状部材によって、主抽斗20に取り付ける構造としている。また、この取付枠状部材が、主抽斗20の左右方向における複数の所定位置に選択的に取付可能とされている。また、この取付枠状部材は、上述のように、主抽斗20の前板部21の取付レール22に引っ掛けられ、また、背板部23に載置されるようにして主抽斗20の前板部21及び背板部23に架け渡されるように支持されている。これにより、副抽斗30及びこれに加えてこれに収納された収納物品の荷重を安定的に受けることができる。また、使用者や取付作業者は、この取付枠状部材及びこれに支持された副抽斗30を、主抽斗20の左右方向における複数の所定位置のうちのいずれかに容易に取り付けることができ、また、容易に脱離させることも可能となる。
【0028】
なお、本実施形態では、レール部40を主抽斗20に対して容易に着脱可能とするために、レール支持部材42の前端部と係止部材43とを締結するねじ部材45及び後端取付連結部材44と背板部23とを締結するねじ部材45を、ローレット加工が施されて手指で操作が可能な摘み部を有したものとしている。これは、キッチン使用者でも、使い勝手に応じて、主抽斗20に対する副抽斗30の左右方向の取付位置を任意に選択して着脱し易いように配慮したものである。なお、ねじ部材45としてはこのようなものに限られず、他のねじ等の締結具を採用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、主抽斗20の収納空間3側に向けて突出する他の機器・器具部材として、シンク17の排水トラップ部18及び排水管19を例示しているが、このような態様に限られない。主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器としては、例えば、浄水器や整水器等が挙げられる。また、器具部材としては、給排水管、ガス管等が挙げられる。
また、本実施形態においては、主抽斗20に対する副抽斗30の左右方向の位置は、前述のような、機器・器具の存在による干渉回避の制約がない場合、副抽斗30の左右方向の位置は、主抽斗20の左右方向の中央部としてもよく、主抽斗20が装着された収納家具装置1の使用目的によって、左右方向の自在の位置に設けるようにしてもよい。
【0029】
次に、本発明に係る他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7〜図9は、第2実施形態に係る収納家具装置を示している。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0030】
本実施形態に係る収納家具装置1Aは、図7及び図8に示すように、主抽斗20Aの収納空間3A側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられていない例を示している。そのため、嵩高収納空間4Aが、上記第1実施形態と比べて大きく形成される。
また、本実施形態では、主抽斗20Aの両側板部25A,25Aを、上記第1実施形態の主抽斗20Aの両側板部25,25よりも上下寸法を大きくし、これら両側板部25A,25Aの上端部に、収納家具本体10Aの両側板11,11の対向面にそれぞれ固定された主抽斗レール14A,14Aにスライド自在に係合するガイド部26A,26Aを設けた例を示している。
【0031】
また、本実施形態では、副抽斗30をスライド自在に支持するスライドレール41,41を含む一対のレール部40A,40Aの支持態様が上記第1実施形態とは異なる。本実施形態では、副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの一方のスライドレール41は、図8及び図9に示すように、上記同様のレール支持部材42を介して主抽斗20Aの前板部21及び背板部23Aに架け渡されるように支持されている。
【0032】
主抽斗20Aの前板部21に設けられた取付レール22Aには、この一方のスライドレール41が固定されたレール支持部材42の配設位置に対応させて、上記同様の係止スリット22aが設けられている。本実施形態においても上記第1実施形態と同様、副抽斗30が主抽斗20Aの左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされている。そのため取付レール22Aの係止スリット22aは、主抽斗20Aの収納空間3Aの右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持する一方のスライドレール41(一方のレール部40A)の配設位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。また、この一方のレール部40Aのレール支持部材42の前端部には、係止スリット22aに係止される上記同様の係止部材43(図8参照)が設けられており、上記同様にしてレール支持部材42の前端部が主抽斗20Aの前板部21に取り付けられ、支持される。
【0033】
また、背板部23Aは、低背部や高背部が設けられておらず、左右方向の全幅に亘って同高さとされている。この背板部23Aには、上記同様の取付部としての雌ねじ部23aに加え、図9に示すように、上下方向に貫通した係止スリット23bが設けられている。これら雌ねじ部23a及び係止スリット23bは、前板部21の取付レール22Aの係止スリット22aと同様、主抽斗20Aの収納空間3Aの右側領域または左側領域に選択的に配設される副抽斗30を支持する一方のスライドレール41(一方のレール部40A)の配設位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0034】
上記一方のレール部40Aのレール支持部材42の後端部には、背板部23Aの上端部に係合する後端取付部材44Aが固定されている。この後端取付部材44Aは、下方に向けて開口する形状とされ、主抽斗20Aの背板部23Aの上端部を受け入れるようにして該上端部に係合する。この後端取付部材44Aには、図9に示すように、背板部23Aに設けられた係止スリット23bに挿通されて係止する係止片44aが設けられている。また、この後端取付部材44Aには、主抽斗20Aの背板部23Aに設けられた雌ねじ部23aに一致するねじ挿通孔が形成されている。この後端取付部材44Aは、背板部23Aに設けられた係止スリット23bに、係止片44aを係止させるとともに、上記ねじ挿通孔を介してねじ部材45を背板部23Aの雌ねじ部23aに捩じ込むことで、背板部23Aに対して着脱可能に固定される。このような構成により、一方のレール部40Aのレール支持部材42の後端部が後端取付部材44Aを介して主抽斗20Aの背板部23Aに取り付けられ、支持される。
【0035】
副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの他方のスライドレール41は、図9に示すように、主抽斗20Aの側板部25Aに支持されている。この他方のスライドレール41は、主抽斗20Aの側板部25Aの内側面にねじ等の締結具によって固定されて支持されている。なお、この他方のスライドレール41を取り付ける取付部を主抽斗20Aの両側板部25A,25Aにそれぞれ設けるようにしてもよい。また、図例では、この他方のスライドレール41を直接的に側板部25Aの内側面に固定した例を示しているが、上記したようなスライド支持部材42等を介して側板部25Aの内側面に固定する態様としてもよい。
【0036】
上記構成とされた本実施形態に係る収納家具装置1Aにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、副抽斗30の左右の両側板部34,34にそれぞれ固定される一対のスライドレール41,41のうちの他方のスライドレール41を、主抽斗20Aの側板部25Aに支持させている。従って、この他方のスライドレール41を側板部25Aによって強固に支持することができる。
なお、本実施形態に係る収納家具装置1Aが備える収納家具本体10Aの上面側は、図示を省略しているが、調理台天板としてのカウンターによって覆うようにしてもよい。または、このような調理台天板に限られず、天板によって覆う構成としてもよい。また、収納家具本体10Aの内側空間2Aの上側領域に、他の機器等が収容される構成としてもよいが、上段抽斗等を収納家具本体10Aに対して前後に出し入れ自在に支持させる構成としてもよい。また、図示を省略しているが、本実施形態に係る収納家具装置1Aにおいても、主抽斗20Aが収納家具本体10Aに対して格納位置にある状態で、副抽斗30の後方側へのスライドを防止する上記同様のストッパーを設けている。
【0037】
次に、本発明に係る更に他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図10〜図12は、第3実施形態に係る収納家具装置を示している。
なお、上記各実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
【0038】
本実施形態に係る収納家具装置1Bは、図10及び図11に示すように、上記各実施形態と比べて副抽斗30Aの幅寸法を小さくしている。そのため、嵩高収納空間4Bが、上記各実施形態と比べて大きく形成される一方、上下二段の小物収納空間5A,6Aが、上記各実施形態と比べて小さくなる。このように、各実施形態における各収納家具装置1(1A,1B)においては、副抽斗30(30A)の幅寸法及び前後寸法を、収納家具装置1(1A,1B)が設置される箇所や使用目的、想定される使用態様、使用者の使い勝手等に応じて設定することで、副抽斗30(30A)によって区画される嵩高収納空間、上下二段の小物収納空間、吹抜収納空間の容量(収納容積)をそれぞれ増減させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、図11及び図12に示すように、副抽斗30Aをスライド自在に支持するレールが上記各実施形態とは異なり、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aとされている。
また、本実施形態では、このスライドレール41Aを含むレール部40Bが主抽斗20Bの側板部25Bに支持されている。
このスライドレール41Aの副抽斗30A側のスライド部材は、副抽斗30Aの側部に設けられた板状の取付部35にねじ等の締結具によって固定されている。
一方、スライドレール41Aの側板部25B側のスライド部材には、複数(図例では3つ)の取付部材47が固定されており、これら取付部材47を介してスライドレール41Aが主抽斗20Bの側板部25Bに固定されている。この取付部材47は、図12に示すように、下端部にねじ部材45が挿通されるねじ挿通孔47aが設けられ、上端部に鉤状に屈曲された係止片47bを有した構成とされている。
【0040】
主抽斗20Bの側板部25Bには、レール部40Bが取り付けられる取付部が設けられている。本実施形態においても上記各実施形態と同様、副抽斗30Aが主抽斗20Bの左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされており、主抽斗20Bの両側板部25B,25Bに取付部をそれぞれに設けている。
これら側板部25B,25Bに設けられた取付部は、図10及び図12に示すように、取付部材47のねじ挿通孔47aに一致する雌ねじ部25aと、取付部材47の係止片47bが挿通されて係止される係止スリット25bとから構成されている。また、これら雌ねじ部25a及び係止スリット25bは、取付部材47の個数に対応させて、前後方向に間隔を空けて複数箇所にそれぞれ設けられている。
レール部40Bの取付部材47は、図12(a)に示すように、側板部25Bに設けられた係止スリット25bに、係止片47bを係止させるとともに、ねじ挿通孔47aを介してねじ部材45を側板部25Bの雌ねじ部25aに捩じ込むことで、側板部25Bに対して着脱可能に固定される。このような構成により、スライドレール41Aが取付部材47を介して主抽斗20Bの側板部25Bに取り付けられ、支持されている。
【0041】
上記構成とされた本実施形態に係る収納家具装置1Bにおいても、上記各実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、嵩高収納空間4Bを形成する主抽斗20B内において、簡素な構成で以って、局所限定的に小物収納空間5A,6Aを形成することができる。
また、本実施形態では、副抽斗30Aをスライド自在に支持するレールを、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aとしており、また、副抽斗30Aは、樹脂成型品で函状に形成された容器体のみで形成されているので、部品点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
なお、図示を省略しているが、本実施形態に係る収納家具装置1Bにおいても、主抽斗20Bが収納家具本体10Aに対して格納位置にある状態で、副抽斗30Aの後方側へのスライドを防止する上記同様のストッパーを設けている。また、本実施形態では、副抽斗30Aの左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレール41Aを、主抽斗20Bの側板部25Bに支持させた例を示しているが、このスライドレール41Aを、主抽斗20Bの前板部21及び背板部23Bに架け渡すようにして支持させるようにしてもよい。この場合は、上記各実施形態において説明したような取付部やレール支持部材を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を組み替えたり、または組み合わせたりして、適用するようにしてもよく、また、この場合は、各構成を必要に応じて変形するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A,1B 収納家具装置
3,3A 主抽斗の収納空間
4,4A,4B 嵩高収納空間
7 吹抜収納空間(吹き抜け状の収納空間)
10,10A 収納家具本体
18 排水トラップ部(器具部材)
19 排水管(器具部材)
20,20A,20B 主抽斗
21 前板部
23,23A 背板部
25A,25B 側板部
30,30A 副抽斗
34 側板部(側部)
41,41A スライドレール(レール)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納家具本体と、
この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗と、
この主抽斗に対してレールを介して前後にスライド自在に支持された副抽斗と、を備えており、
前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間が形成されることを特徴とする収納家具装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記副抽斗は、前記主抽斗に対して、該主抽斗の背板部よりも後方に突出して該主抽斗の収納空間底面側を略開放するようにスライド自在とされていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、該副抽斗の前方側に、前記主抽斗の収納空間底面から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間が形成されることを特徴とする収納家具装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられる構成とされており、
前記副抽斗は、前記収納家具本体から引き出された前記主抽斗に対して後方側にスライドされる際及び該主抽斗とともに前記収納家具本体に格納される際における前記機器・器具部材との干渉を避けるように形成されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記副抽斗が前記主抽斗の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとされ、これら一対のスライドレールは、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡されるように支持されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとされ、一方のスライドレールは、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡されるように支持され、他方のスライドレールは、前記主抽斗の側板部に支持されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレールであることを特徴とする収納家具装置。
【請求項1】
収納家具本体と、
この収納家具本体に前後に出し入れ自在に支持された主抽斗と、
この主抽斗に対してレールを介して前後にスライド自在に支持された副抽斗と、を備えており、
前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、前記主抽斗の収納空間の左右方向の一部分を上下に区画するように配設されて、該副抽斗の左右の少なくともいずれか一方側に嵩高収納空間が形成されることを特徴とする収納家具装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記副抽斗は、前記主抽斗に対して、該主抽斗の背板部よりも後方に突出して該主抽斗の収納空間底面側を略開放するようにスライド自在とされていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記副抽斗が前記主抽斗に対して最前方位置とされた際に、該副抽斗の前方側に、前記主抽斗の収納空間底面から上方に掛けて吹き抜け状の収納空間が形成されることを特徴とする収納家具装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記主抽斗の収納空間側に向けて突出する他の機器・器具部材が設けられる構成とされており、
前記副抽斗は、前記収納家具本体から引き出された前記主抽斗に対して後方側にスライドされる際及び該主抽斗とともに前記収納家具本体に格納される際における前記機器・器具部材との干渉を避けるように形成されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記副抽斗が前記主抽斗の左右方向における複数の所定位置に選択的に装着可能とされていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとされ、これら一対のスライドレールは、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡されるように支持されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部にそれぞれ固定される一対のスライドレールとされ、一方のスライドレールは、前記主抽斗の前板部及び背板部に架け渡されるように支持され、他方のスライドレールは、前記主抽斗の側板部に支持されていることを特徴とする収納家具装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記レールは、前記副抽斗の左右側部のいずれか一方に固定される単一のスライドレールであることを特徴とする収納家具装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−90660(P2013−90660A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232880(P2011−232880)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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