説明

収納容器

【課題】ウェットティッシュを引き出すための取出口とウェットティッシュを切り離すための切離口とを別々に備える収納容器をさらに使い勝手を良くする。
【解決手段】収納容器1の上面に形成されたウェットティッシュ100を引き出す引出部10は、引出部10を開閉する蓋体20を備え、突出部11と、突出部11に形成された切離口12と、切離口12の近傍であって、切離口12より下側に位置するように形成された取出口13と、切離口12と取出口13との間に突出部11に連続するように形成されたテーパ部14と、テーパ部14に切離口12と取出口13とを連結する連結口15とを有する。これらにより、取出口から切離口に、取出口と切離口との間を連結させた連結口を用いてウェットティッシュを移動させるとき、ウェットティッシュを略上方に引き出しても取出口から切離口に自ずと移動することができ、使い勝手が良くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納するものとしては、特許文献1のような収納容器がある。特許文献1の収納容器には、収納容器の上面にウェットティッシュを引き出し、かつ、切り離す切離口が形成され、切離口の周囲には、十字形状等の切り込みが設けられている。
【0003】
特許文献1の収納容器は、周囲に十字形状等の切り込みが設けられた切離口から収納するウェットティッシュを略上方に引き出すとき、引き出されたウェットティッシュが切離口を通過する際に、隣接する切り込みによって形成された切離口の周囲の弾性係合片にウェットティッシュが係合され、係合された状態でさらにウェットティッシュを略上方に引き出すことで、ウェットティッシュに形成されたミシン目の位置でウェットティッシュを切り離すことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の収納容器は、ウェットティッシュを略上方に引き出すときにもウェットティッシュと切離口の周囲の弾性係合片とが係合されるため、抵抗を受け、ウェットティッシュを略上方に引き出すには、大きな引き出し力が必要となる。また、特許文献1の収納容器は、切離口に繰り返し大きな引き出し力が加わるため、切離口の周囲の弾性係合片が塑性変形等して、ウェットティッシュに対する係合力が弱まり、ウェットティッシュを切り離し難くなる虞がある。更に、収納するウェットティッシュのロール体を交換するときは、ウェットティッシュの一端部を切離口の内側から外側に向けて露出させるため、ウェットティッシュを切離口に通す必要があるが、切離口の周囲には弾性係合片が設けられ、切離口の穴径が小さいことから手間がかかる。
【0005】
このような問題点を解決する収納容器として特許文献2がある。特許文献2の収納容器は、ウェットティッシュを引き出す引出部と、引出部を開閉する蓋体とを備え、引出部には、ウェットティッシュを切り離す切離口と、ウェットティッシュを引き出す取出口と、これら切離口と取出口との間をウェットティッシュが移動できるように連結させた連結口とを有している。
【0006】
特許文献2の収納容器は、ウェットティッシュを引き出すための取出口とウェットティッシュを切り離すための切離口とを別々に備えることによって、取出口の穴径を大きく設けることができ、大きな引き出し力を必要とせずに取出口からウェットティッシュを容易に引き出すことができる。
【0007】
更に、ウェットティッシュを切り離すときは、ウェットティッシュを取出口から切離口へ連結口を用いて移動させ、ウェットティッシュを切り離すためさらにウェットティッシュを引き出そうとしたとき、ウェットティッシュが切離口を通過する際に隣接する切り込みによって形成された切離口の周囲の弾性係合片に係合され、係合された状態でさらにウェットティッシュを引き出すことで、ウェットティッシュに形成されたミシン目の位置でウェットティッシュを切り離すことができる。
【0008】
これにより、切離口に加わる引き出し力は、ウェットティッシュをミシン目の位置で切り離すときだけとなり、切離口の周囲の弾性係合片が塑性変形等して、ウェットティッシュに対する係合力が弱まることを防ぐことができる。また、特許文献2の収納容器は、収納するウェットティッシュのロール体を交換するとき、穴径を大きく設けた取出口からウェットティッシュを容易に通すことができ、ウェットティッシュの一端部を取出口の内側から外側に向けて露出させることができるので、ウェットティッシュのロール体の交換を容易に行うことができる。
【0009】
しかしながら、特許文献2の収納容器は、図4に示すように、ウェットティッシュ100をミシン目110の位置で切り離すためにウェットティッシュ100を連結口200を用いて移動させるとき、ウェットティッシュ100を取出口210から切離口220の向きに倒すように横方向に引き出す等、取出口210から切離口220の向きに大きく力を加える必要がある。
【0010】
このため、特許文献2の収納容器は、特許文献1の収納容器のようにウェットティッシュを略上方に引き出し、かつ、切り離すことに慣れている使用者にとって、特許文献2の収納容器のようにウェットティッシュを切り離すためにウェットティッシュを連結口を用いて移動させるとき、ウェットティッシュを取出口から切離口の向きに倒すように横方向に引き出さなくてはならないのは使い勝手が悪い。
【0011】
【特許文献1】特開平08−104377号公報
【特許文献2】特開平11−263384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明では、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ウェットティッシュを引き出す取出口からウェットティッシュを切り離す切離口に、取出口と切離口との間を連結させた連結口を用いてウェットティッシュを移動させるとき、ウェットティッシュを略上方に引き出しても取出口から切離口に移動でき使い勝手のよい収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するために本発明に係る収納容器は、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する収納容器の上面に形成されたウェットティッシュを引き出す引出部と、上記収納容器の上面に回動可能に設けられ上記引出部を開閉する蓋体とを備える。更に、上記引出部は、上記収納容器の上面に形成された突出部と、上記突出部に形成された切離口と、上記切離口の近傍であって、上記切離口より下側に位置するように形成された取出口と、上記切離口と上記取出口との間に上記突出部に連続するように形成されたテーパ部と、上記テーパ部に形成され、上記切離口と上記取出口とを連結する連結口とを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る収納容器によれば、切離口と取出口との間には、突出部に連続するようにテーパ部が形成され、このテーパ部に連結口が形成されているため、ウェットティッシュを切り離すためにウェットティッシュを取出口から連結口を用いて切離口に移動させるとき、ウェットティッシュを略上方に引き出しても、テーパ部の斜面と平行な方向、すなわち、取出口から切離口に移動する方向に力が働き、ウェットティッシュを取出口から連結口を用いて切離口に自ずと移動させることができるので、使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明が適用された収納容器1について、図面を参照して説明する。
【0016】
本発明が適用された収納容器1は、図1に示すように、全体が略円筒形状であり、シート体の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されたウェットティッシュ100のロール体を収納する。
【0017】
ここで、収納容器1に収納されるウェットティッシュ100のロール体は、紙や不織布等の基布に使用目的に応じて、水、アルコール、除菌剤、防腐剤及び香料等の液体を含浸させたものであり、ウェットティッシュ100の長手方向に1回の使用分に対応した間隔でミシン目110が形成されている。
【0018】
また、収納容器1は、ウェットティッシュ100のロール体を収納する収納本体2と、収納本体2の上面に形成された上蓋3と、上蓋3の上面に形成されウェットティッシュ100を引き出す引出部10と、引出部10を開閉するように上蓋3の上面に回動可能に設けられた蓋体20とを備えている。
【0019】
このような構成を備える収納容器1は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により成型される。
【0020】
なお、収納容器1は、全体が略円筒形状に限定されるものではなく、円柱形状、箱形状等に設けてもよい。
【0021】
更に、収納本体2の上面に形成された上蓋3には、上蓋3の上面の略中央に、蓋体20が収納される凹部30が形成されている。凹部30は、略円形形状であり、凹部30の略中央に第1の環状壁部31が形成されている。第1の環状壁部31には、第1の環状壁部31の内側に、ウェットティッシュを引き出し、かつ、切り離す引出部10が形成されている。
【0022】
引出部10は、図2に示すように、上蓋3の上面に形成された突出部11と、突出部11に形成された切離口12と、切離口12の近傍に形成された取出口13と、切離口12と取出口13との間に突出部11に連続するように形成されたテーパ部14と、テーパ部14に切離口12と取出口13とを連結する連結口15とを有している。
【0023】
また、突出部11は、第1の環状壁部31の略中央に形成されている。突出部11の平坦な頂面には、突出部11の略中央に、ウェットティッシュ100を切り離す切離口12が形成されている。切離口12の周囲には、ウェットティッシュ100を引き出すとき切離口12を通過する際に、ウェットティッシュ100が係合するように略十字形状の切り込み16が設けられ、これら隣接する切り込み16によって弾性係合片17が形成されている。
【0024】
なお、切離口12の周囲の切り込み16の形状及び本数は、略十字形状に限定されるものでなく、また4本に限定されるものでもなく、切り込み16によってウェットティッシュ100と係合する弾性係合片17が形成でき、ウェットティッシュ100がミシン目110の位置で切り離しやすくなるようなものであればよい。また、切離口12の周囲は、ウェットティッシュ100を引き出すとき切離口12を通過する際に、切離口12の周面にウェットティッシュ100が圧接され、ウェットティッシュ100がミシン目110の位置で切り離せるような小径の切離口12であれば、切離口12だけでも良い。
【0025】
更に、切離口12の近傍には、突出部11に形成された切離口12より下側に位置するようにウェットティッシュ100を引き出す取出口13が形成されている。具体的には、取出口13は、凹部30の底面から切離口12が形成された突出部11の頂面に連続するようにテーパ部14が形成され、このテーパ部14の凹部30の底面側に形成されている。また、取出口13は、切離口12よりも穴径が大きく設けられており、さらにウェットティッシュ100を引き出すとき、大きな引き出し力を必要とせずに、ウェットティッシュを容易に引き出すことができる程度の大きさに設けられている。
【0026】
また、テーパ部14には、切離口12と取出口13とを連結し、切離口12と取出口13との間をウェットティッシュ100が移動できるような連結口15が形成されている。切離口12と取出口13とを連結する連結口15は、スリット形状に設けられ、突出部11に形成された略十字形状の一の切り込み16aと連続している。また、スリット形状に設けられた連結口15は、ウェットティッシュ100が略上方に引き出されるときに、ウェットティッシュ100に軽く係合されるようなスリット幅に設けられている。更に、連結口15と切離口12との境界部には、ウェットティッシュが切離口12から連結口15に挿入しやすくなり、取出口13と切離口12との間を移動しやすくなるように、略円弧形状にガイド面18aが形成されている。また、連結口15と取出口13との境界部には、ウェットティッシュ100が取出口13から連結口15に挿入しやすくなり、取出口13と切離口12との間を移動しやすくなるように、略円弧形状にガイド面18bが形成されている。
【0027】
また、引出部10を開閉する蓋体20は、図1に示すように、薄板形状であり、上蓋3の上面に回動支持部21により回動可能に設けられている。回動支持部21は、熱可塑性樹脂を用いて射出成形等により上蓋3と一連一体に成型し、直線的に薄肉に形成されている。
【0028】
なお、回動支持部21は、上蓋3と一連一体に成型するものに限定されるものでなく、回動軸を用いて回動可能に支持するように設けてもよい。
【0029】
また、引出部10を開閉する蓋体20は、閉塞したとき、図示はしないが、凹部30との間に間隙部を有して収納される。更に、蓋体20には、自由端側に指掛部20aが形成されている。蓋体20が引出部10を閉塞するとき指掛部20aが臨む上蓋3の上面には、指掛用凹部32が形成されている。指掛部20aが臨む指掛用凹部32は、指掛部20aを間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部21の自由端側の外周壁と凹部30とを連結させ、蓋体20の指掛部20aの裏面と指掛用凹部32との間に指を引っ掛けて蓋体20を回動させて引出部10を開放できるような深さに形成されている。
【0030】
更に、蓋体20が引出部10を閉塞するとき蓋体20の回動支持部21が臨む上蓋3の上面には、回動支持部用凹部33が形成されている。回動支持部21が臨む回動支持部用凹部33は、回動支持部21を間隙部を有して収納できるような幅で上蓋3の回動支持部21側の外周壁と凹部30とを連結させ、蓋体20の回動支持部21が上蓋3の上面からはみ出さないような深さに形成されている。
【0031】
更に、蓋体20には、引出部10に臨む裏面に第2の環状壁部22が形成されている。第2の環状壁部22は、蓋体20が引出部10を閉塞したとき、収納容器1の引出部10の周囲に形成された第1の環状壁部31の外周面と嵌合する。これにより、蓋体20が引出部10を閉塞したときは、収納容器1の第1の環状壁部31の外周面と蓋体20の第2の環状壁部22の内周面とで嵌合し、密閉することができ、収納容器1に収納するウェットティッシュ100に含侵された液体が揮発するのを防ぐことができる。
【0032】
なお、第1の環状壁部31と第2の環状壁部22は、第1の環状壁部31の内周面と第2の環状壁部22の外周面とで嵌合されるように形成してもよい。
【0033】
次に、以上のように構成された収納容器1のウェットティッシュ100の引き出し方法について説明する。
【0034】
先ず、図1に示すように、ウェットティッシュ100を使用するときは、上蓋3の上面に形成された指掛用凹部32と蓋体20に形成された指掛部20aの裏面との間に指を入れる等して、上蓋3の第1の環状壁部31と蓋体20の第2の環状壁部22との嵌合状態を外し、蓋体20を回動させて引出部10を開放する。このとき、ウェットティッシュ100の端部が切離口12から露出し、切離口12の周囲の弾性係合片17に係合されている。
【0035】
次に、切離口12より露出し、切離口12の周囲の弾性係合片17に係合されているウェットティッシュ100の端部を掴み、連結口15を用いて切離口12から取出口13に移動させる。このとき、連結口15と切離口12との境界部にはガイド面18aが形成されているので、ウェットティッシュが切離口12から連結口15に挿入しやすく、取出口13と切離口12との間を移動しやすくなっている。
【0036】
次に、図3に示すように、取出口13を用いて、所望の枚数のウェットティッシュ100を略上方に引き出しながら取出口13から切離口12へウェットティッシュ100を移動させる。このとき、取出口13は、大きな引き出し力を必要とせずにウェットティッシュ100を引き出すことができる程度の大きさに設けられているので、ウェットティッシュ100を容易に略上方に引き出すことができる。
【0037】
更に、切離口12と取出口13との間には、突出部11に連続するようにテーパ部14が形成され、テーパ部14には、切離口12と取出口13とを連結する連結口15が形成され、連結口15は、スリット形状に設けられ、スリット形状に設けられた連結口15は、ウェットティッシュ100が略上方に引き出されるときに、ウェットティッシュ100に軽く係合されるようなスリット幅に設けられているので、ウェットティッシュ100を図3中の矢印F方向のように略上方に引き出すと、取出口13から連結口15に挿入したウェットティッシュ100がスリット形状に形成された連結口15に軽く係合され、このため、ウェットティッシュ100と連結口15の接触点に、この引き出し力により、テーパ部14の斜面と平行な方向、すなわち、図3中の矢印f1方向のように取出口13から切離口12に移動する方向に力が働く。これらにより、ウェットティッシュ100を略上方に引き出しても、ウェットティッシュ100を取出口13から連結口15を用いて切離口12に自ずと移動することができ、使い勝手が良くなる。
【0038】
また、連結口15と取出口13との境界部には略円弧形状にガイド面18bが形成されているので、ウェットティッシュが取出口13から連結口15に挿入しやすくなっており、さらにテーパ部14の斜面上に取出口13が設けられていることで、最上部のウェットティッシュ100を略上方に引き出すときから力が働き、ウェットティッシュは移動することができる。
【0039】
次に、略上方に引き出しながら取出口13から切離口12まで移動してきたウェットティッシュ100は、切離口12でさらに略上方に引き出すことでウェットティッシュ100のミシン目110の位置で切り離せる。このとき、取出口13から切離口12まで移動してきたウェットティッシュ100を切り離すためさらに略上方に引き出すとき、ウェットティッシュ100が切離口12を通過する際に隣接する切り込み16によって形成された切離口12の周囲の弾性係合片17に係合され、係合された状態でさらにウェットティッシュ100を略上方に引き出すことで、ウェットティッシュ100に形成されたミシン目110の位置でウェットティッシュ100を切り離すことができる。
【0040】
次に、引き出した後に保管するときは、蓋体20で引出部10を閉塞しておく。これにより、上蓋3と蓋体20は、上蓋3の第1の環状壁部31の外周面と蓋体20の第2の環状壁部22の内周面とで嵌合し、密閉することができ、収納容器1に収納するウェットティッシュ100に含侵された液体が揮発するのを防ぐことができる。
【0041】
次に、収納容器1に収納するウェットティッシュ100のロール体を使い尽くし、収納するウェットティッシュ100のロール体を交換するときは、新たなウェットティッシュ100のロール体を収納容器1に収納した後、ウェットティッシュ100の一端部を取出口13の内側から外側に向けて露出させるとき、取出口13は、穴径がウェットティッシュを引き出すとき大きな引き出し力を必要とせずにウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる程度の大きさに設けられているので、ウェットティッシュ100は、取出口13を容易に通すことができ、ウェットティッシュ100のロール体の交換が容易にできる。
【0042】
以上のように構成された収納容器1は、ウェットティッシュ100を引き出すための取出口13とウェットティッシュ100を切り離すための切離口12とを別々に備えているため、取出口13の穴径を大きく設けることができ、ウェットティッシュ100を略上方に引き出すとき、大きな引き出し力を必要とせずにウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる。
【0043】
また、収納容器1は、切離口12に加わる引き出し力が、ウェットティッシュ100をミシン目110の位置で切り離すときだけとなり、切離口12の周囲の弾性係合片17が塑性変形等して、ウェットティッシュに対する結合力が弱まることを防ぐことができる。
【0044】
更に、収納容器1は、ウェットティッシュ100を略上方に引き出すと、取出口13から連結口15に挿入したウェットティッシュ100がスリット形状に形成された連結口15に軽く係合され、このため、ウェットティッシュ100と連結口15の接触点に、この引き出し力により、テーパ部14の斜面と平行な方向、すなわち、取出口13から切離口12に移動する方向に力が働く。これらにより、収納容器1は、ウェットティッシュ100を略上方に引き出しても、ウェットティッシュ100が取出口13から連結口15を用いて切離口12に自ずと移動することができるので、特許文献1の収納容器のようにウェットティッシュを略上方に引き出し、かつ、切り離すことに慣れている使用者にとっても使い勝手がよい。
【0045】
また、収納容器1は、収納するウェットティッシュ100のロール体を交換するとき、新たなウェットティッシュ100の一端部を取出口13から露出させるとき、取出口13は、穴径がウェットティッシュを引き出すとき大きな引き出し力を必要とせずにウェットティッシュ100を容易に引き出すことができる程度の大きさに設けられているので、ウェットティッシュ100は、取出口13を容易に通すことができ、ウェットティッシュ100のロール体の交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を適用した収納容器の斜視図である。
【図2】本発明を適用した収納容器の引出部の要部斜視図である。
【図3】ウェットティッシュが取出口から連結口を用いて切離口に移動する状態を示した縦断面図である。
【図4】従来の収納容器のウェットティッシュが取出口から連結口を用いて切離口に移動する状態を示した縦断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 収納容器、2 収納本体、3 上蓋、10 引出部、11 突出部、12 切離口、13 取出口、14 テーパ部、15 連結口、16 切り込み、16a 切り込み、17 弾性係合片、18a ガイド面、18b ガイド面、20 蓋体、20a 指掛部、21 回動支持部、22 第2の環状壁部、30 凹部、31 第1の環状壁部、32 指掛用凹部、33 回動支持部用凹部、100 ウェットティッシュ、110 ミシン目、200 連結口、210 取出口、220 切離口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティッシュのロール体を収納する収納容器の上面に形成されたウェットティッシュを引き出す引出部と、
上記収納容器の上面に設けられた上記引出部を開閉する蓋体とを備え、
上記引出部は、上記収納容器の上面に形成された突出部と、上記突出部に形成された切離口と、上記切離口の近傍であって、上記切離口より下側に位置するように形成された取出口と、上記切離口と上記取出口との間に上記突出部に連続するように形成されたテーパ部と、上記テーパ部に形成され、上記切離口と上記取出口とを連結する連結口とを有することを特徴とする収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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